JPH1053959A - 弾性繊維用油剤 - Google Patents

弾性繊維用油剤

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JPH1053959A
JPH1053959A JP21949396A JP21949396A JPH1053959A JP H1053959 A JPH1053959 A JP H1053959A JP 21949396 A JP21949396 A JP 21949396A JP 21949396 A JP21949396 A JP 21949396A JP H1053959 A JPH1053959 A JP H1053959A
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JP
Japan
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group
polysiloxane
general formula
salt
oil
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JP21949396A
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Yukinori Tose
行範 東瀬
Chiyoko Nakamura
千代子 中村
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性繊維を製造する際に、精練性が良好で染
色ムラ発生が少なく紡糸から後加工工程において長期的
に安定な操業性が得られ、かつ繊維同士の膠着性が少な
く、解舒性に優れた弾性繊維を得るための油剤を提供す
る。 【解決手段】 カルボキシル(塩)基、スルホン酸
(塩)基およびリン酸(塩)基のうち一種以上の官能基
を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする弾
性繊維用油剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性繊維用油剤に関
し、更に詳しくは精練性が良好で、染色時のオイルスポ
ット等の発生が少ないポリウレタン弾性繊維を得るため
の油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタン弾性繊維の製造
方法としては、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法等
があるが、いずれの方法でも繊維同士の膠着性が大きい
ため、通常のポリエステル用、ナイロン用の油剤を付着
したのでは膠着性を十分に防止することができず、その
ため後加工工程でチーズからの解舒性が悪く、糸切れな
どの問題が生じている。
【0003】このため、紡糸工程においてジメチルポリ
シロキサンまたは鉱物油、およびこれらの配合物をベー
スオイルとし、そのベースオイル中に各種の膠着防止剤
を添加した油剤を繊維に付与させている。
【0004】しかし、ジメチルポリシロキサンは精練性
が非常に悪く、精練工程で多くの時間を費やしたり、染
色時のオイルスポット等の原因となることがしばしばあ
った。
【0005】また、鉱物油の場合は精練性に関しての問
題は少ないが、ポリウレタン繊維中に容易に膨潤するた
め、繊維を脆化させる問題が起こっている。
【0006】上記ベースオイルに添加される膠着防止剤
として、金属石鹸を懸濁させて用いる方法により離型効
果を発現させる方法(特公昭41−286号公報、特公
昭40−5557号公報);常温液状物質のポリエーテ
ル変性シリコーンを使用する方法(特公昭45−407
19号公報、特開昭48−19893号公報)等が提案
されている。しかし、前者では金属石鹸を油剤中に分散
させることは難しく、糸への付着ムラ等が生じている。
また、後者においては高分子量のシロキサン骨格にポリ
エーテル基を導入した化合物を使用するため、ポリエー
テル変性シリコーン自体の粘度が高く、適正な油剤粘度
を保つためには添加量に制限があり、その効果は満足の
いくものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは精練性が良好で、染色時のオイルスポッ
トなどの発生が少なく、かつポリウレタン弾性繊維を製
造する際に、紡糸から後加工工程において良好な操業性
が得られるポリウレタン弾性繊維用油剤を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリウレタ
ン弾性繊維の製造時、精練性良好な紡糸用油剤を得るべ
く鋭意検討した結果、紡糸工程においてカルボキシル
(塩)基、スルホン酸(塩)基、リン酸(塩)基の官能
基を有するポリシロキサンを含有する油剤を繊維に付着
させることで上記問題点が解決することを見いだし、本
発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、カルボキシル(塩)
基、スルホン酸(塩)基およびリン酸(塩)基からなる
群より選ばれる1種以上の官能基(Z)を少なくとも1
個を有するポリシロキサン(A)を含有することを特徴
とする弾性繊維用油剤に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリシロキサン(A)と
しては、一般式1で表わされるポリシロキサン(A
1)、一般式2で表わされるポリシロキサン(A2)、
一般式3で表わされるポリシロキサン(A3)、および
これらの組み合わせが挙げられる。
【0011】本発明のポリシロキサン(A1)は、下記
一般式1で示される。
【0012】
【化5】
【0013】(A1)における一般式1において、X1
はトリアルキルシリル基またはY2である。トリアルキ
ルシリル基のアルキル基は特に限定はなく、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2
ーエチルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等が
挙げられ、3つのアルキル基はそれぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。トリアルキルシリル基としては、例えば
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルプ
ロピルシリル基等が挙げられる。このうち好ましい基は
トリメチルシリル基である。
【0014】一般式1においてY1 、Y2 としては、一
般式4で表わされる官能基(Z)を含有する基である。
ここで、Y1 とY2 は同一の基でも異なっていてもよ
い。
【0015】
【化6】
【0016】一般式4においてX4 、X5 はそれぞれ独
立に1価の炭化水素基またはトリアルキルシロキサン基
である。1価の炭化水素基は、特に限定はなく、脂肪族
炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、2ーエチルヘキシル基、ジデシル
基、オクタデシル基等)、芳香族炭化水素基(フェニル
基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基
等)、脂環式炭化水素基(シクロプロピル基、シクロヘ
キシル基等)等が挙げられる。トリアルキルシロキサン
基としてのアルキル基は特に限定はなく、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2ー
エチルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等が挙
げられ、3つのアルキル基はそれぞれ同一でも異なって
いてもよい。トリアルキルシロキサン基としては、例え
ばトリメチルシロキサン基、トリエチルシロキサン基、
ジメチルプロピルシロキサン基等が挙げられる。X4
5 のうち好ましい基はメチル基、トリメチルシロキサ
ン基である。
【0017】一般式4において、Qは官能基Zを含む有
機基である。
【0017】官能基Zはカルボキシル(塩)基、スルホ
ン酸(塩)基またはリン酸(塩)基である。カルボキシ
ル(塩)基としては、特に限定はなく、酢酸、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、酢酸トリエタノールアミンカチ
オン、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム等が挙げ
られる。スルホン酸(塩)基としては、特に限定はな
く、スルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム
等が挙げられる。リン酸(塩)基としては、特に限定は
なく、リン酸エステルモノナトリウム、リン酸エステル
ジナトリウム等が挙げられる。Zのうち好ましい基は酢
酸、酢酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナト
リウム、スルホコハク酸ナトリウム、リン酸エステルモ
ノナトリウム、リン酸エステルジナトリウムである。
【0019】一般式4において、Aは通常、エチレン
基、プロピレン基が挙げられ、OAはオキシエチレン
基、オキシプロピレン基が挙げられる。OAの繰り返し
は同一でも異なっていてもよいが、オキシエチレン基が
必須であり、オキシエチレン基単独、または、オキシエ
チレン基とオキシプロピレン基の併用であってもよい。
併用の場合、付加様式はランダム付加、ブロック付加い
ずれでもよい。
【0020】一般式4においてpは1〜50の数であ
り、好ましくは2〜20である。0では精練性の効果を
発現することは難しく、また、50を超える場合、粘度
が高くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合する
配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現するこ
とが難しくなることがある。
【0021】一般式4においてqは1〜4の数である。
【0022】一般式1においてR1 、R2 はそれぞれ独
立に1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基は、特
に限定はなく、脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチ
ルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等)、芳香
族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、フェナントリル基等)、脂環式炭化水素基(シクロ
プロピル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられる。こ
のうち、好ましい基はメチル基、フェニル基である。
【0023】一般式1においてmは0〜15の数であ
り、好ましくは0〜10である。15を超える場合、粘
度が高くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合す
る配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現する
ことが難しくなることがある。
【0024】本発明のポリシロキサン(A2)は、下記
一般式2で示される。
【0025】
【化7】
【0026】(A2)における一般式2において、X2
はトリアルキルシリル基であり、一般式1のX1 で挙げ
たものと同様である。
【0027】一般式2においてX3 はトリアルキルシロ
キサン基またはY2 である。トリアルキルシロキサン基
のアルキル基は、特に限定はなく、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチ
ルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等が挙げら
れ、3つのアルキル基はそれぞれ同一でも異なっていて
もよい。トリアルキルシロキサン基としては、例えばト
リメチルシロキサン基、トリエチルシロキサン基、ジメ
チルプロピルシロキサン基等が挙げられる。このうち好
ましい基はトリメチルシロキサン基である。
【0028】一般式2において、Y1 、Y2 は先に説明
した(A1)におけるY1 、Y2 と同じものでよく、Y
1 とY2 は同一の基でも異なっていてもよい。
【0029】一般式2において、R1 は先に説明した
(A1)におけるR1 と同じものでよい。
【0030】一般式2においてnは0〜10の数であ
り、好ましくは0〜7である。10を超える場合、粘度
が高くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合する
配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現するこ
とが難しくなることがある。
【0031】本発明の(A3)は、下記一般式3で示さ
れる。
【0032】
【化8】
【0033】(A3)における一般式3において、X3
は先に説明した(A2)におけるX3 と同じものでよ
い。X3 は繰り返し単位において、同一の基でもよい
し、異なった組み合わせでもよい。
【0034】一般式3においてX2 は先に説明した(A
2)におけるX2 と同じものでよい。
【0035】一般式3において、Y1 、Y2 は先に説明
した(A1)におけるY1 、Y2 と同じものでよく、Y
1 、Y2 は同一の基でも異なっていてもよい。
【0036】一般式3においてkは0〜7の数であり、
好ましくは0〜5である。10を超える場合、粘度が高
くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合する配合
比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現することが
難しくなることがある。
【0037】更に精練効果を高める方法は、本発明のポ
リシロキサンの分子中におけるポリオキシエチレン基の
含有量を10〜80重量%の範囲に保つことである。1
0重量%未満のものでは、精練性の更なる効果を発現す
ることは難しく、また、80重量%を超えた場合、粘度
が高くなりすぎる傾向にあるため、これを用いて弾性繊
維用油剤を構成した場合、油剤全体の粘度が高くなりす
ぎ、糸切れ等の問題が生じたり、また油剤全体の粘度を
適正な範囲にした場合、全油剤中に配合する配合比が少
なくなり、本特長である精練性の効果を十分に発現する
ことは難しくなる。
【0038】また、本発明のポリシロキサンの25℃に
おける粘度は10〜400センチストークスであり、好
ましいものは10〜200センチストークスである。2
5℃における粘度が10センチストークス未満のもので
は、分子中に官能基(Z)の含有量が少なく、精練性の
効果を発現することは難しく、また、400センチスト
ークスを超える場合、全油剤中に配合する配合比が少な
くなるため、精練性の効果を十分に発現することが難し
くなることがある。
【0039】本発明のポリシロキサン中のSi原子の数
は2〜20個であり、好ましくは2〜10個である。S
i原子の数が20個を超えた場合、粘度が高くなりすぎ
るため、全油剤中に配合される配合比が少なくなり、精
練性の効果を十分に発揮することが難しくなることがあ
る。
【0040】また、本発明のポリシロキサンの製造方法
としては、特に限定されないが、通常、Si−H基を有
するポリシロキサンに直接アクリル酸Naを付加させカ
ルボキシル基を導入する方法;Si−H基を有するポリ
シロキサンにアリルアルコールのアルキレンオキサイド
付加物を白金触媒下で付加させた後、モノクロル酢酸等
でカルボキシル基を導入する方法や、無水マレイン酸を
反応させた後、Na2SO3 でスルホン化する方法、無
水リン酸を反応させリン酸基を導入する方法等によって
製造することができる。
【0041】本発明のポリシロキサンの含有量として
は、通常全油剤に対し、3〜80重量%であり、好まし
くは10〜80重量%である。3重量%未満では精練効
果が不十分であり、80重量%を超えた場合は油剤全体
の粘度が著しく上昇する傾向にあるため、細デニールの
糸を紡出する際に、糸切れ等の問題が起こることがあ
る。
【0042】ポリシロキサン(A)を含有する本発明の
油剤の粘度は均一付着、ローラ巻き付き防止の点から、
25℃で100センチストークス以下が好ましい。
【0043】本発明のポリシロキサンと配合して使用さ
れる成分としては、紡糸から後加工工程での各種ローラ
またはガイド類との摩擦低減のために、精練性の効果を
妨げない程度にジオルガノポリシロキサンや鉱物油の併
用が好ましい。
【0044】このためのジオルガノポリシロキサンとし
ては、ジメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサ
ンのメチル基の一部がその他のアルキル基、フェニル基
で置換されたもの等が挙げられる。いずれの場合も、配
合油全体の粘度は通常、25℃で100センチストーク
ス以下、好ましくは2〜50センチストークスのもので
ある。粘度が2センチストークス未満のものであると揮
発性が高く、糸への付着が難しくなる傾向があり、また
50センチストークスを超えると糸への付着が難しくな
ることがある。
【0045】鉱物油としては、配合油全体の粘度が通常
25℃で100センチストークス以下、好ましくは1〜
50センチストークスである。粘度が1センチストーク
ス未満のものであると揮発性が高く、糸への付着が難し
くなる傾向があり、また50センチストークスを超える
と糸への付着が難しくなることがある。
【0046】本発明の弾性繊維用油剤には、さらに必要
により膠着防止剤、例えば、タルク、シリカ、コロイダ
ルアルミナ等の鉱物性固体微粒子、あるいは高級脂肪酸
の金属粉末塩等、あるいはパラフィン、ポリエチレン等
の常温固体ワックス等、あるいはエポキシ変性シリコー
ン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコー
ン、シリコーンレジン等の変性シリコーンや、つなぎ剤
として、アルコール類、脂肪酸エステル類等、本発明の
ポリシロキサンの性能を損なわない程度に追加配合して
良く、追加させることで膠着防止効果を増大させること
ができる。また、さらに制電剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤等、通常、紡糸油剤に使用される成分を配合するこ
とができる。
【0047】本発明の油剤はポリウレタン繊維の紡糸工
程において、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位
置でローラ給油やノズル給油等で糸に付与させることが
できる。本発明の油剤は、通常ポリウレタン弾性繊維に
対して0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%付
与させる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】表1に記載の実施例用〜および比較例
用、のポリシロキサンを、表2に記載の組成割合で
配合し、実施例1〜6と比較例1〜5の弾性繊維用油剤
を配合調製した。さらに、(イ)糸切れ、(ロ)膠着
性、(ハ)精練性、(ニ)染色性、(ホ)膨潤性の性能
評価を行った。その評価結果を併せて表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】なお、実施例および比較例の油剤を付与し
た糸の糸切れ、膠着性、染色性、膨潤性の試験法は以下
の通りである。
【0052】(イ) 糸切れ ポリウレタン繊維の乾式紡糸法において、油剤をローラ
給油で油剤付着量がフィラメント重量に対し6%になる
よう付与させ、600m/分でチーズに巻き取った。巻
き取るまでの間に、糸切れが発生するかどうか目視にて
判定した。 −判定基準− ○:糸切れ発生無し ×:糸切れ発生
【0053】(ロ) 膠着性 巻き取ったチーズを1週間エージング後、可変倍率の引
き出し巻き取り装置にかけ50m/分の速度で糸を送り
出した時、糸が膠着により巻き込まれずに、巻き取るこ
とのできる最低の倍率で示した。1.3以下が好まし
い。。
【0054】(ハ) 精練性 膠着性で用いた繊維を用い、以下の条件で精練を行っ
た。精練後の繊維に残った油剤の付着量を測定し、油剤
の脱落率を算出した。 精練条件:精練剤(グランアップVO50K;三洋化成
工業株式会社製)2g/l、炭酸ソーダ0.5g/l
(浴比1:20)中に編み物の生地を入れ、85℃、3
0分間精練した後、80℃の温水で10分間湯洗し、流
水で5分間水洗後、脱水、乾燥した。 −判定基準− ○:油剤脱落率80%以上 ×:油剤脱落率80%未満
【0055】(ニ) 染色性 膠着性で用いた繊維の上にナイロン加工糸をコイル状に
巻き付けたシングルカバード糸を用いて編み物とし、上
記の条件で精練した後、以下の染色条件で染料を付着さ
せ、染色斑を目視にて判定した。 染色条件:染料(C.I.Acid Blue 23
0:クラリアントジャパン株式会社製)1%o.w.f
を用い精練後の生地を染色浴につけ、浴比1:15、8
0℃、15分間染色した後、水洗し、判定試料とした。 −判定基準− ○:均一染色 △:やや不均一染色部分有り
【0056】(ホ) 膨潤性 市販のウレタンフィルムを、調整した油剤中に70℃×
10分間浸漬し、取り出した後、表面に付着している油
剤を拭き取り、浸漬前後でのフィルムの重量を測定。重
量の増加率を膨潤率とした。 −判定基準− ○:膨潤率5%未満 ×:膨潤率5%以上
【0057】
【表2】
【0058】ジメチルポリシロキサン :SH−20
0 5cs(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社
製) 鉱物油 :流動パラフィン40S
(中央化成株式会社製) ポリエーテル変性シリコーン:KF−352(信越化学
工業株式会社製)
【0059】表2の実施例1〜6の性能評価結果から明
らかなように、本発明のポリシロキサン〜を含有し
た油剤は、精練性が良好で、染色時にオイルスポット等
の発生が著しく低減されることが判る。特に、従来から
摩擦低減効果はあるものの、精練性が問題との指摘があ
るジメチルポリシロキサンを含有した場合でも本発明の
ポリシロキサンの含有によって精練性が向上できること
が判る。また、膠着性、膨潤性に関しても従来の油剤と
同等以上の膠着防止性、膨潤特性を有することが判る。
それに対し、比較例1(従来のジメチルポリシロキサン
を主体とした油剤)、比較例2(従来の鉱物油を主体と
した油剤)、比較例3(分子中のオキシエチレン基含量
が少なすぎるポリシロキサンを主体とした油剤)、比較
例4(分子中にカルボキシル(塩)基等の官能基を有さ
ないポリシロキサンを主体とした油剤)、比較例5(分
子中のオキシエチレン基含量が多すぎるポリシロキサン
を用い、油剤粘度を適性範囲に保った油剤)の中には、
すべての性能項目を満たすものはない。
【0060】
【発明の効果】従来、ポリウレタン弾性繊維を製造する
際に、ジメチルポリシロキサンをメイン成分とした油剤
で処理すると、精練が困難で、染色時にオイルスポット
等の問題が起こり、安定な操業性を得ることは出来なか
った。しかし、本発明のポリシロキサンを含有する弾性
繊維用油剤を用いて製造する場合には精練性が良く、染
色ムラの発生が少なく、かつ繊維中への膨潤が少なく、
糸同士の膠着防止性にも優れていることから、ポリウレ
タン弾性繊維を紡糸から後加工工程において安定な操業
性を保ちながら製造することができるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル(塩)基、スルホン酸
    (塩)基およびリン酸(塩)基からなる群より選ばれる
    1種以上の官能基(Z)を少なくとも1個を有するポリ
    シロキサン(A)を含有することを特徴とする弾性繊維
    用油剤。
  2. 【請求項2】 該ポリシロキサン(A)が、一般式1で
    表わされるポリシロキサン(A1)、一般式2で表わさ
    れるポリシロキサン(A2)および一般式3で表わされ
    るポリシロキサン(A3)からなる群より選ばれる1種
    以上である請求項1記載の弾性繊維用油剤。 【化1】 (式中、X1 はトリアルキルシリル基またはY2 ;Y1
    とY2 は一般式4で表わされる官能基(Z)を含有する
    基で、それぞれ同一でも異なっていてもよい;R1 とR
    2 は1価の炭化水素基でそれぞれ同一でも異なっていて
    もよい;mは0〜15の数を表わす。) 【化2】 (式中、X3 はトリアルキルシロキサン基またはY2
    2 はトリアルキルシリル基;Y1 とY2 は一般式4で
    表わされる基で、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    い;R1 は1価の炭化水素基;nは0〜10の数を表わ
    す。) 【化3】 (式中、X3 はトリアルキルシロキサン基またはY2
    2 はトリアルキルシリル基;Y1 とY2 は一般式4で
    表わされる官能基Zを含有する基で、それぞれ同一でも
    異なっていてもよい;kは0〜7の数を表わす。) 【化4】 (式中、X4 とX5 は1価の炭化水素基またはトリアル
    キルシロキサン基で、それぞれ同一でも異なっていても
    よい;Qはカルボキシル(塩)基、スルホン酸(塩)基
    およびリン酸(塩)基からなる群より選ばれる1種以上
    の官能基(Z)を有する有機基;OAはオキシエチレン
    基および/またはオキシプロピレン基;pは1〜50の
    数;qは1〜4の数を表わす。)
  3. 【請求項3】 一般式4のOAで表わされるオキシアル
    キレンのうち、オキシエチレン基が分子中に10〜80
    重量%含有する請求項1または2記載の弾性繊維用油
    剤。
  4. 【請求項4】 該ポリシロキサン(A)の25℃におけ
    る粘度が10〜400センチストークスである請求項1
    〜3のいずれか記載の弾性繊維用油剤。
  5. 【請求項5】 該ポリシロキサン(A)中のSi原子の
    数が2〜20個である請求項1〜4のいずれか記載の弾
    性繊維用油剤。
JP21949396A 1996-07-31 1996-07-31 弾性繊維用油剤 Pending JPH1053959A (ja)

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