JP3296127B2 - 産業資材用ポリエステル繊維 - Google Patents
産業資材用ポリエステル繊維Info
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Description
ル繊維に関するものである。さらに詳細には、紡績工程
での紡績脱落が少なく、かつ樹脂加工時の樹脂浸透性に
優れ、樹脂加工後の漏水性にも優れた産業資材用途に特
に好ましく使われるポリエステル繊維に関するものであ
る。
定性、ウオッシャブル性等に優れているために、衣料
用、産業資材用、インテリア用など極めて広い用途に使
用されている。
ーヨン、アクリル繊維などと比較すると、紡績性が劣っ
ている。紡績の各工程で金属部分やローラー部分に付着
物(以下スカムと記す)が堆積し、コイル乱れや糸切
れ、巻き付き等が発生し、操業性の低下や品質悪化の原
因となる。これは、ポリエステル繊維に、平滑性、帯電
防止性、収束性能を与えるべく付与した油剤が、紡績機
械の繊維通過部にオリゴマーと共にスカムとして脱落堆
積し、紡績性を悪くすることが認められている。従来、
この脱落対策として、対金属摩擦を下げるためシリコー
ン油剤およびワックス油剤など離型剤を付与する手段が
知られている。例えば、特公平4−24464号公報で
は、脂肪酸エステル又はワックス類と特定のシリコーン
によって、スカムの発生とローラーへの巻き付きを防止
する油剤組成が提案されている。また、特開平6−10
8361号公報では、アルキル燐酸カリウム塩とワック
ス、カチオン界面活性剤を特定の割合で用いることが提
案されている。しかし、これらの組成では紡績性は改善
されるものの、浸透性が劣るため、産業資材用途として
は、樹脂加工時の樹脂浸透性、樹脂接着性が不足し、樹
脂加工後の漏水性に問題があり、到底使用できないもの
であった。
点を解消し、紡績工程のスカムの発生を防止し、操業性
よく紡績することのでき、かつ樹脂加工後の性能に優れ
た産業資材用ポリエステル繊維を提供するものである。
解決するために、次の構成を有する。すなわち、単繊維
繊度が0.5デニール以上の産業資材用ポリエステル繊
維であって、(a)平均炭素数が16〜22の飽和脂肪
族炭化水素基を有する燐酸エステルカリウム塩50〜7
0重量%、(b)パラフィンワックス10〜20重量
%、(c)カチオン系界面活性剤および/またはアニオ
ン系界面活性剤10〜15重量%、(d)次の一般式
〔I〕および/または一般式〔II〕で示される成分4〜
15%からなる組成の油剤が0.05〜0.4 owf%付
与され、25℃水温下での水沈降速度が30秒以下であ
ることを特徴とする産業資材用ポリエステル繊維であ
る。
l,mはオキシエチレン基の付加モル数を示し、l+m
=5〜15である。
はオキシエチレンの付加モル数を示し、n=5〜10で
ある。
維は、単繊維繊度を0.5デニール以上とするものであ
る。単繊維繊度が0.5デニール未満の場合には強力が
低く、産業資材用として用いるのは困難である。
後述する油剤を0.05〜0.4 owf%付与するもので
ある。0.05 owf%未満であると紡績時、特に練条や
粗紡でガイド、コイラーあるいはフライヤーの糸道にス
カムが発生し、かえって紡績性が悪化する。一方、0.
4 owf%を越えると、前工程におけるカードシリンダー
への沈み、ウェッブの乱れ、練条工程におけるローラー
への脱落、巻き付きの増大などの問題がある。
は、(a)〜(d)の成分を特定の割合で配合したもの
である。
脂肪族炭化水素基を有する燐酸エステルカリウム塩であ
って、主に単繊維の平滑性を高める作用をするものであ
り、これを50〜70重量%配合するものである。この
化合物において、飽和脂肪族基炭化水素基の炭素数が1
6より小さいと、この成分の粘着性が強くなり、かつ吸
湿性が大きくなり、ローラー巻き付きの原因となり不適
当である。一方、炭素数が22以上になると、制電性が
悪化する。
率は50〜70重量%とするものでである。この配合比
率が50重量%未満では、平滑性能および制電性能が損
なわれ、70重量%を超えると、収束性能が不足し、巻
き付きの原因となったり、スカムの堆積が多くなる。
ステアリルホスフェートカリウム塩(C18)、セチルホ
スフェートカリウム塩(C16)などが挙げられるが、ス
テアリルホスフェートカリウム塩が特に好ましい。
0℃のパラフィンワックスであって、繊維からの油剤の
脱落を少なくし、(a)成分の作用をさらに助長するも
のである。これを10〜20重量%配合する。この化合
物の配合量が10重量%未満であると、繊維からの油剤
の脱落を防止する効果が不十分で、油剤の効果を十分発
揮させることができず、逆に20重量%を超えるとワッ
クスの離型効果が増大して、樹脂との接着性が大幅に低
下して、帆布等の防水加工後に水漏れするなど問題を起
こす。
またはアニオン界面活性剤は、主に静電気の発生を防ぐ
作用をするものである。燐酸エステルカリウム塩にパラ
フィンワックスを加えると一般に制電性が不足する傾向
となる。したがって、本発明ではカチオン界面活性剤お
よび/またはアニオン界面活性剤を帯電防止性向上を目
的として10〜15重量%配合するものである。この配
合量が10重量%未満であると静電気の抑制効果が得ら
れず、静電気によるローラー巻き付きが発生し、糸切れ
の原因となる。逆に15重量%を超えると(a)、
(b)成分の割合が相対的に少なくなり、収束性やスカ
ムの防止効果が低下する。
面活性剤として4級アンモニウム塩型、アミド型、スル
ホニウム型等の界面活性剤が挙げられる。アニオン界面
活性剤としてポリオキシエチレンリン酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンサルフェート塩等の界面活性剤が挙げ
られる。
させる作用をするものであり、前記式〔1〕、〔2〕で
示される油剤を4〜15重量%配合するものである。油
剤が4重量%未満では、浸透性を向上させる効果が不十
分である。一方、15重量%を越えると、浸透性が良す
ぎて樹脂付着が増大したり、帆布での漏水防止効果が劣
化する。
業資材用途として重要な樹脂加工時の樹脂浸透性および
樹脂加工後の性能に好影響を与える。
ンオキサイドアミノエーテル、ポリエチレンオキサイド
ノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
用すればどのような配合比でも効果が得られるものでは
なく、前記のような配合組成を採用することにしてはじ
めて紡績工程における脱落防止と産業資材における樹脂
加工での接着性にバランスがとれてその効果が発揮され
る。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートおよびこれらを主体とし、イソフタル酸、アジ
ピン酸、5ーナトリウムスルホイソフタル酸などの酸成
分、ジエチレングリコール、プロピレングイリコールな
どのグリコール成分を共重合した共重合ポリエステル繊
維も含まれる。これらのポリエステル繊維を常法により
溶融紡糸を行い、得られた未延伸糸を任意の太さに収縮
し、延伸工程、けん縮付与工程を経て、任意の長さにカ
ットすることにより製造される。カット長は好ましく
は、35〜51mmである。本発明における油剤はこれら
の工程の任意の段階で付与できるが、好ましくは、延伸
終了後けん縮付与前あるいはけん縮付与後カット前に付
与するのが好ましい。
説明する。なお、実施例における測定法は次のとおりで
ある。
する。
の帯電電位を測定し、次の基準で3段階に判定する。
kg通し、ゴムローラーへの脱落物を集めてその重量の多
少により次の基準で4段階に判定する。
巻き付き回数の多少によって次の基準で4段階に判定す
る。
度(秒)を求める。
回手揉みした後、濾紙のように円錐形にしてビーカーに
セットし、100ccの水を注ぎ入れ、試験片の外側に
水が滲み出る状況を72hr後観察する。次の基準で4
段階に判定する。
△:滴下しない水滴あり、×:水滴の滴下あり (実施例1)ポリエステルのトウ乾燥後に、表1に示す
油剤をスプレー方式で繊維に対して0.18重量%で付
与し、51mmにカットした繊維を得た。このポリエステ
ル繊維を混打綿、カード、練条の各工程を通過させ、制
電性、スカムの状態、ローラー巻き付き、浸透性などを
評価した結果を表2に示す。
燥後に、表1の実施例および比較例に示す油剤を繊維に
対して付与する量を変えた以外は実施例1と同じ様に行
った結果を表2に併せて示す。
維を使用し、織物加工後、撥水剤を処理し、塩化ビニー
ルコーティング・樹脂化し帆布を作成した。得られた帆
布の漏水性評価結果を表2に併せて示す。
が少なく、撥水剤の浸透性に優れ、かつ樹脂加工での接
着性、樹脂加工後の防水性の優れた産業資材用ポリエス
テル繊維を提供することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】単繊維繊度が0.5デニール以上の産業資
材用ポリエステル繊維であって、(a)平均炭素数が1
6〜22の飽和脂肪族炭化水素基を有する燐酸エステル
カリウム塩50〜70重量%、(b)パラフィンワック
ス10〜20重量%、(c)カチオン系界面活性剤およ
び/またはアニオン系界面活性剤10〜15重量%、
(d)次の一般式〔I〕および/または一般式〔II〕で
示される成分4〜15%からなる組成の油剤が0.05
〜0.4 owf%付与され、25℃水温下での水沈降速度
が30秒以下であることを特徴とする産業資材用ポリエ
ステル繊維。 【化1】 但し、R1 は炭素数10〜14の脂肪族炭化水素基、
l,mはオキシエチレン基の付加モル数を示し、l+m
=5〜15である。 【化2】 但し、R2 は、炭素数8〜10の脂肪族炭化水素基、n
はオキシエチレンの付加モル数を示し、n=5〜10で
ある。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107595A JP3296127B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 産業資材用ポリエステル繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107595A JP3296127B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 産業資材用ポリエステル繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08260350A JPH08260350A (ja) | 1996-10-08 |
JP3296127B2 true JP3296127B2 (ja) | 2002-06-24 |
Family
ID=13160658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6107595A Expired - Lifetime JP3296127B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 産業資材用ポリエステル繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3296127B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5796921B1 (ja) * | 2015-05-21 | 2015-10-21 | 竹本油脂株式会社 | ポリエステル系合成繊維紡績用処理剤、ポリエステル系合成繊維の処理方法及びポリエステル系合成繊維 |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP6107595A patent/JP3296127B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08260350A (ja) | 1996-10-08 |
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