JP2958629B2 - 弾性繊維用油剤 - Google Patents

弾性繊維用油剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性繊維用油剤に関
し、更に詳しくはスルホコハク酸(塩)類を含有する制
電性、繊維同士の膠着防止性に優れたポリウレタン弾性
繊維を得るための経日安定性に優れた油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタン弾性繊維は、繊
維同士の膠着性が大きいため、後加工工程での解舒性の
悪さが問題となっている。また、主用途の一つであるト
リコット製品に使用する場合、整経工程で各種ガイド類
との間に静電気が多く発生し、糸切れなどの問題が多く
起こっている。
【0003】このうち、繊維同士の膠着防止性を向上さ
せる方法としては、ジメチルポリシロキサンや鉱物油を
主体とした油剤を繊維に付着させることにより後加工工
程での解舒性を向上させている。また、制電性を向上さ
せる方法としては、アルキルホスフェート金属塩を使用
する方法(特公昭41−21956号公報)による放電
効果を主体とした方法が提案されている。
【0004】しかし、これらホスフェートではジメチル
ポリシロキサンや鉱物油等のベースオイルに対する相溶
性が悪く、ホスフェートが経時で油剤中に分離してしま
い、繊維への均一付着が難しく、制電性が発現できなく
なる問題がしばしば起こり、さらに糸道上に脱落堆積物
(スカム)が蓄積するなど長期的に安定な操業性を得る
ことは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは経日安定性、制電性に優れ、かつポリウ
レタン弾性繊維を製造する際に、チーズ上での繊維同士
の膠着防止および解舒性を向上し、紡糸から後加工工程
において良好な操業性が得られるポリウレタン弾性繊維
用油剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは経日安定
性、制電性に優れかつ膠着防止、解舒性を向上させるポ
リウレタン弾性繊維用油剤を得るべく鋭意検討した結
果、紡糸工程においてジオルガノポリシロキサンおよび
/または鉱物油にスルホコハク酸(塩)類を含有する油
剤を繊維に付着させることで上記問題点が解決すること
を見いだし、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明はジオルガノポリシロキサ
ンおよび/または鉱物油と、下記一般式(1)で表わさ
れるスルホコハク酸(塩)類を含有することを特徴とす
る弾性繊維用油剤である。 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に炭素数1〜30の
アルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基または水素
原子;Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
またはアミンカチオンを表わす。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のジオルガノポリシロキサ
ンとしては、ジメチルポリシロキサンやジメチルポリシ
ロキサンのメチル基の一部がその他のアルキル基、フェ
ニル基で置換されたもの等が挙げられる。いづれの場合
も、配合油全体の粘度が100平方ミリメートル毎秒
(センチストークス)以下である限り任意のものを選ん
でも良いが、通常3〜50平方ミリメートル毎秒のもの
が好ましい。粘度が3平方ミリメートル毎秒未満である
と揮発性が高く、糸への付着が難しくなる傾向があり、
また50平方ミリメートル毎秒越えると配合油全体の粘
度コントロールが難しくなることがある。
【0009】本発明の鉱物油としては、配合油全体の粘
度が25℃で100平方ミリメートル毎秒以下である限
り任意のものを選んでも良いが、通常25℃における粘
度が3〜50平方ミリメートル毎秒のものが好ましい。
粘度が3平方ミリメートル毎秒未満であると揮発性が高
く糸への付着が難しくなる傾向があり、また、50平方
ミリメートル毎秒を越えると配合油全体の粘度コントロ
ールが難しくなることがある。
【0010】本発明のジオルガノポリシロキサンおよび
/または鉱物油の油剤中の含有量は、膠着防止性及び制
電性の効果の観点から、通常50〜99.9重量%であ
り、好ましくは70〜99.9重量%である。
【0011】一般式(1)において、R1 、R2 として
はそれぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基(メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソピロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、2−エチルデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オ
クタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘキコシ
ル基、ドコシル基等)および炭素数2〜30のアルケニ
ル基(ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デ
セニル基、2−エチルデセニル基、ウンデセニル基、ド
デセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘ
キサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル
基、ノナデセニル基等)または水素原子が挙げられる。
これらR1 、R2 で表わされる基のうち好ましいものは
炭素数3〜26のアルキル基である。これらは2種以上
の混合物であってもよい。
【0012】一般式(1)において、Mとしては水素原
子、アルカリ金属(リチウム、カリウム、ナトリウム
等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム
等)またはアミンカチオン(モノエタノールアミンカチ
オン、ジエタノールアミンカチオン、トリエタノールア
ミンカチオン、2−エチルヘキシルアミンカチオン等)
が挙げられる。これらMで示される金属のうち好ましい
ものはアルカリ金属である。これらは2種以上の混合物
であってもよい。
【0013】また、本発明のスルホコハク酸(塩)類の
含有量は、制電性及び油剤全体の粘度の観点から、通常
全油剤に対し0.01〜10重量%であり、好ましくは
0.1〜5重量%である。
【0014】本発明のスルホコハク酸(塩)類は高級ア
ルコールと無水マレイン酸からジエステルをつくり、こ
れを酸性亜硫酸ナトリウムの水溶液を攪拌しながら加熱
して、マレイン酸の二重結合へスルホン基を導入する方
法等で製造することができる。
【0015】本発明のスルホコハク酸(塩)類を含有す
る油剤の粘度は、均一付着、ローラ巻き付き防止のため
に、25℃で100平方ミリメートル毎秒以下が好まし
い。
【0016】本発明の弾性繊維用油剤には、さらに必要
により膠着防止成分、例えば、タルク、シリカ、コロイ
ダルアルミナ等の鉱物性固体微粒子、あるいは高級脂肪
酸の金属粉末塩、あるいはパラフィン、ポリエチレン等
の常温固体ワックス、あるいはポリエーテル変性シリコ
ーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコー
ン、カルボキシ変性シリコーン、シリコーンレジン等の
変性シリコンやつなぎ剤として、アルコール類、脂肪酸
エステル類等、本発明のスルホコハク酸(塩)類の性能
を損なわない程度に追加配合して良く、追加させること
で膠着防止効果を増大させることができる。また、さら
に制電剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等、通常紡糸油剤
に使用される成分を配合することができる。
【0017】本発明の油剤はポリウレタン繊維の紡糸工
程において、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位
置でローラ給油やノズル給油等で糸に付与させることが
できる。本発明の油剤は、通常ポリウレタン弾性繊維に
対して0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%付
与させる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】表1記載の実施例用のスルホコハク酸
(塩)類A〜Dを表2記載の組成割合で配合し、実施例
1〜5と比較例1〜3の弾性繊維用油剤を調整した。さ
らに、(イ)経日安定性、(ロ)スカム発生、(ハ)膠
着性、(ニ)静電気の性能評価を行ない、その評価結果
を併せて表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】実施例および比較例で得られた油剤の経日
安定性、油剤を付与した糸のスカム発生、膠着性、静電
気の試験法は以下の通りである。 (イ) 経日安定性 調製した油剤を100mlのガラス製ボトルに入れ30
℃の恒温槽中に60日間放置した後、外観を肉眼で観察
し、作成直後の外観と比較し、次の基準で評価した。 −評価基準− ○:変化無し △:若干沈澱物が有る ×:沈澱物多い (ロ) スカム発生 ポリウレタン繊維の乾式紡糸において、表2の油剤をロ
ーラ給油で油剤付着量がフィラメント重量に対し6%に
なるよう付与させ、600m/分でチーズに巻き取り、
40Dのポリウレタン繊維を得た。紡糸開始48時間後
の糸道でのスカム発生の有無を目視にて観察し、次の基
準で評価した。 −評価基準− ○:発生無し △:発生有り ×:発生多い (ハ) 膠着性 ポリウレタン繊維の乾式紡糸において、表2の油剤をロ
ーラ給油で油剤付着量がフィラメント重量に対し6%に
なるよう付与させ、600m/分でチーズに巻き取り、
40Dのポリウレタン繊維を得た。巻き取ったチーズを
1週間エージング後、可変倍率の引き出し巻き取り装置
にかけ50m/分の速度で糸を送りだした時、糸が膠着
により巻き込まれずに巻き取ることのできる最低の倍率
で示した。1.3以下が好ましい。 (ニ) 制電性 膠着性で用いた繊維を用い、Kaar Mayer社製
整経機(DSE−H)を使用し、整経速度600m/分
で整経し発生する静電気を測定した。0.5kv以下が
好ましい。
【0023】表2の実施例1〜5の性能評価結果から明
らかなように、本発明のスルホコハク酸(塩)類を含有
した油剤は経日安定性、制電性、膠着防止性に優れてい
ることが判る。それに対し、比較例1(ジメチルポリシ
ロキサンのみで構成した油剤)、比較例2(ジメチルポ
リシロキサンとホスフェートを配合した油剤)、比較例
3(ジメチルポリシロキサン、鉱物油とホスフェートを
配合した油剤)の中にはすべての性能項目を満たすもの
はない。
【0024】
【発明の効果】従来、ポリウレタン繊維を製造する際
に、ジメチルポリシロキサンとホスフェートを配合した
油剤を用い、制電性、糸同士の膠着を防止させる方法が
取られているが、このような剤を含む油剤で処理する
と、油剤の経日安定性が悪く、沈澱物などが生じ糸への
付着ムラなど長期的に安定な操業性を得ることは出来な
かった。しかし、本発明のスルホコハク酸(塩)類を含
有する弾性繊維用油剤を用いて製造する場合には油剤自
身が経日安定性に優れかつ制電性、糸同士の膠着防止性
にも優れており、さらに糸道上でのスカム発生が少ない
ことから、ポリウレタン弾性繊維を紡糸から後加工工程
において長期的に安定な操業性を保ちながら製造するこ
とができるものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオルガノポリシロキサンおよび/また
    は鉱物油と、下記一般式(1)で表わされるスルホコハ
    ク酸(塩)類を含有することを特徴とする弾性繊維用油
    剤。 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に炭素数1〜30の
    アルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基または水素
    原子;Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
    またはアミンカチオンを表わす。)
  2. 【請求項2】 該スルホコハク酸(塩)類の含有量が、
    全油剤中に対し0.01〜10重量%である請求項1記
    載の弾性繊維用油剤。
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