JP6325764B1 - 炭素繊維前駆体用油剤及び炭素繊維前駆体 - Google Patents

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Abstract

炭素繊維前駆体に優れた制電性と集束性を付与することができ、結果として炭素繊維前駆体を製造する際の工程通過性を向上させ、また炭素繊維前駆体の製造機械等に錆が発生するのを抑制することができる炭素繊維前駆体用油剤及びかかる炭素繊維前駆体用油剤が付着した炭素繊維前駆体を提供する。炭素繊維前駆体用油剤として、ベース成分、特定の窒素含有化合物からなるカチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を含有して成るものを用いた。

Description

本発明は、炭素繊維前駆体用油剤及び炭素繊維前駆体に関し、更に詳しくは炭素繊維前駆体に優れた制電性と集束性を付与すると共に、炭素繊維前駆体の製造機械等に錆が発生するのを抑制することができる炭素繊維前駆体用油剤及びかかる炭素繊維前駆体用油剤が付着した炭素繊維前駆体に関する。
従来、炭素繊維前駆体用油剤として、エステル化合物及び含窒素界面活性剤を含有するもの(例えば特許文献1参照)、変性シリコーン、多塩基酸及びそれに由来する塩を含有するもの(例えば特許文献2参照)、変性シリコーン及びアルカリ性化合物を含有するもの(例えば特許文献3参照)、エステル化合物及び水溶性アミド系化合物を含有するもの(例えば特許文献4参照)、アミノ変性シリコーン、非イオン界面活性剤及び帯電防止剤を含有するもの(例えば特許文献5参照)等が提案されている。しかし、これら従来の炭素繊維前駆体用油剤にはいずれも、炭素繊維前駆体に付与する制電性と集束性が不十分であり、また炭素繊維前駆体の製造機械等が錆び易いという問題がある。
特開昭58−214581号公報 特開平10−102380号公報 特開平2−91226号公報 特開2010−024582号公報 特開2015−221957号公報
本発明が解決しようとする課題は、炭素繊維前駆体に優れた制電性と集束性を付与することができ、結果として炭素繊維前駆体を製造する際の工程通過性を向上させ、また炭素繊維前駆体の製造機械等に錆が発生するのを抑制することができる炭素繊維前駆体用油剤及びかかる炭素繊維前駆体用油剤が付着した炭素繊維前駆体を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、ベース成分と非イオン界面活性剤と特定のカチオン界面活性剤とを含有して成る炭素繊維前駆体用油剤が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、ベース成分、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を含有して成る炭素繊維前駆体用油剤であって、カチオン界面活性剤が下記の化1で示される化合物であることを特徴とする炭素繊維前駆体用油剤に係る。また本発明はかかる炭素繊維前駆体用油剤が付着している炭素繊維前駆体に係る。
Figure 0006325764
化1において、
:炭素数6〜18の脂肪族炭化水素基(但し、Xがメチル硫酸基又はエチル硫酸基である場合は炭素数6〜15の脂肪族炭化水素基)
〜R:炭素数1〜4のアルキル基
:メチル硫酸基、エチル硫酸基又は下記の化2で示される有機基
Figure 0006325764
化2において、
,R:炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子
先ず、本発明に係る炭素繊維前駆体用油剤(以下、本発明の油剤という)について説明する。本発明の油剤は、ベース成分と非イオン界面活性剤と特定のカチオン界面活性剤とを含有して成るものである。
本発明の油剤に供するベース成分としては特に制限はないが、25℃で液状のエポキシ変性シリコーン、25℃で液状のアミノ変性シリコーン及び25℃で液状のアミド変性シリコーンから選ばれる少なくとも一つが好ましい。これらは市販品を使用することができ、25℃で液状のエポキシ変性シリコーンとしては、東レダウコーニング社製の商品名SF−8413(25℃の粘度:17000mm/s、エポキシ当量:3800g/mol)、東レダウコーニング社製の商品名BY16−876(25℃の粘度:2400mm/s、エポキシ当量:2800g/mol)、信越化学工業社製の商品名X−22−343(25℃の粘度:25mm/s、エポキシ当量:620g/mol)等が挙げられる。また25℃で液状のアミノ変性シリコーンとしては、信越化学工業社製の商品名KF−880(25℃の粘度:650mm/s、アミノ当量:1800g/mol)、信越化学工業社製の商品名KF−8012(25℃の粘度:90mm/s、アミノ当量:2200g/mol)、信越化学工業社製の商品名KF−8008(25℃の粘度:450mm/s、アミノ当量:5700g/mol)、信越化学工業社製の商品名KF−8005(25℃の粘度:1200mm/s、アミノ当量:11000g/mol)、信越化学工業社製の商品名KF−860(25℃の粘度:250mm/s、アミノ当量:7600g/mol)、信越化学工業社製の商品名KF−864(25℃の粘度:1700mm/s、アミノ当量:3800g/mol)、信越化学工業社製の商品名KF−393(25℃の粘度:70mm/s、アミノ当量:350g/mol)、東レダウコーニング社製の商品名FZ−3505(25℃の粘度:90mm/s、アミノ当量:4000g/mol)、東レダウコーニング社製の商品名BY16−872(25℃の粘度:20000mm/s、アミノ当量:1800g/mol)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同社製の商品名TSF4702(25℃の粘度:500mm/s、アミノ当量:1600g/mol)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同社製の商品名TSF4706(25℃の粘度:50mm/s、アミノ当量:1600g/mol)等が挙げられる。更に25℃で液状のアミド変性シリコーンとしては、信越化学工業社製の商品名KF−3935(25℃の粘度:25mm/s)等が挙げられる。なかでも25℃で液状のアミノ変性シリコーンがより好ましい。これらは、単独で用いることも、また2種以上を併用することもできる。
本発明の油剤に供するベース成分において、25℃で液状とは、25℃における粘度が270000mm/s以下の物質のことである。
本発明の油剤に供するカチオン界面活性剤は、前記の化1で示される化合物である。化1においてRは、Xがメチル硫酸基又はエチル硫酸基の場合、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、デセニル基、ウンデシル基、ウンデセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、トリデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ペンタデセニル基等の炭素数6〜15の脂肪族炭化水素基であり、Xが前記の化2で示される有機基の場合、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、デセニル基、ウンデシル基、ウンデセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、トリデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ペンタデセニル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基、オクタデシル基、オクタデセニル基等の炭素数6〜18の脂肪族炭化水素基である。R〜Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。Xはメチル硫酸基、エチル硫酸基又は前記の化2で示される有機基である。化2においてR及びRはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子である。なかでもカチオン界面活性剤としては、化1中のXが化2で示される有機基である場合の化1で示される化合物が好ましい。これらは、単独で用いることも、また2種以上を併用することもできる。
化1で示される化合物の合成方法に特に制限はなく、これには例えば、1)相当する3級アミンとトリアルキルホスフェートとを反応させる方法、2)相当する3級アミンとジアルキル硫酸とを反応させる方法等が挙げられる。
本発明の油剤に供する非イオン界面活性剤としては、その種類に特に制限はないが、(1)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ペンタコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノール、ノナコサノール、トリアコンタノール等の直鎖アルキルアルコール、(2)イソプロパノール、イソブタノール、イソヘキサノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノール、イソトリデカノール、イソテトラデカノール、イソトリアコンタノール、イソヘキサデカノール、イソヘプタデカノール、イソオクタデカノール、イソノナデカノール、イソエイコサノール、イソヘンエイコサノール、イソドコサノール、イソトリコサノール、イソテトラコサノール、イソペンタコサノール、イソヘキサコサノール、イソヘプタコサノール、イソオクタコサノール、イソノナコサノール、イソペンタデカノール等の分岐アルキルアルコール、(3)テトラデセノール、ヘキサデセノール、ヘプタデセノール、オクタデセノール、ノナデセノール等の直鎖アルケニルアルコール、(4)イソヘキサデセノール、イソオクタデセノール等の分岐アルケニルアルコール、(5)シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の環状アルキルアルコール、(6)オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸等の直鎖アルキルカルボン酸、(7)2−エチルヘキサン酸、イソドデカン酸、イソトリデカン酸、イソテトラデカン酸、イソヘキサデカン酸、イソオクタデカン酸等の分岐アルキルカルボン酸、(8)オクタデセン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカトリエン酸等の直鎖アルケニルカルボン酸、(9)フェノール、ベンジルアルコール、モノスチレン化フェノール、ジスチレン化フェノール、トリスチレン化フェノール等の芳香族系アルコール、(10)安息香酸等の芳香族系カルボン酸等、以上の(1)〜(10)のようなアルコール類やカルボン酸類に、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたものが挙げられる。なかでも非イオン界面活性剤としては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、イソブタノール、イソヘキサノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノール、イソトリデカノール、イソテトラデカノール、テトラデセノール、ヘキサデセノール、ヘプタデセノール、オクタデセノール、ノナデセノール等の直鎖アルケニルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、モノスチレン化フェノール、ジスチレン化フェノール、トリスチレン化フェノール等の芳香族系アルコール等の炭素数4〜40の有機アルコール1モルに対しエチレンオキシドを1〜50モルの割合で付加反応させたものが好ましい。これらの非イオン界面活性剤は、単独で用いることも、また2種以上を併用することもできる。
本発明の油剤において、ベース成分、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の割合に特に制限はないが、ベース成分、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の含有割合の合計が100質量%となるよう、ベース成分を50〜95質量%、カチオン界面活性剤を0.01〜30質量%及び非イオン界面活性剤を3〜45質量%の割合で含有して成るものが好ましい。
本発明の油剤は、更に有機多塩基酸塩を含有するものが好ましい。有機多塩基酸塩としては、ブタン二酸塩、アルケニルコハク酸塩、2−ヒドロキシブタン二酸塩、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸塩、ペンタン−1,5−ジカルボン酸塩、ヘキサン二酸塩、プロパン二酸塩、酒石酸塩、フタル酸塩、cis−ブテン二酸塩、trans−ブテン二酸塩、トリメリット酸塩、ピロメリット酸塩等が挙げられるが、なかでもブタン二酸カリウム塩、アルケニルコハク酸ニカリウム塩、コハク酸のジエタノールアミン塩、クエン酸二ナトリウム塩、フタル酸のジエタノールアミン塩等の有機多塩基酸塩のアルカリ金属塩又はアミン塩が好ましい。
本発明の油剤が更に有機多塩基酸塩を含有する場合、ベース成分、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び有機多塩基酸塩の含有割合の合計が100質量%となるよう、ベース成分を50〜95質量%、カチオン界面活性剤を0.01〜30質量%、非イオン界面活性剤を3〜45質量%及び有機多塩基酸塩を15質量%以下の割合で含有して成るものが好ましい。
次に、本発明に係る炭素繊維前駆体(以下、本発明の前駆体という)について説明する。本発明の前駆体は本発明の油剤が付着している炭素繊維前駆体である。
本発明の油剤を炭素繊維前駆体に付着させる割合に特に制限はないが、本発明の油剤を炭素繊維前駆体に対し0.2〜1.5質量%となるように付着させることが好ましく、0.3〜1.2質量%となるように付着させることがより好ましい。本発明の油剤の付着方法としては公知の方法が適用でき、これには例えば、浸漬給油法、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法などが挙げられる。
本発明によると、炭素繊維前駆体に優れた制電性と集束性を付与することができ、結果として炭素繊維前駆体を製造する際の工程通過性を向上させ、また炭素繊維前駆体の製造機械等に錆が発生するのを抑制することができる。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(ベース成分の用意)
下記のベース成分を用意した。
A−1:25℃における動粘度が650mm/s、アミノ当量が1800g/molであるアミノ変性ポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製の商品名KF−880)
A−2:25℃における動粘度が90mm/s、アミノ当量が2200g/molであるアミノ変性ポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製の商品名KF−8012)
A−3:25℃における動粘度が450mm/s、アミノ当量が5700g/molであるアミノ変性ポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製の商品名KF−8008)
A−4:25℃における動粘度が250mm/s、アミノ当量が7600g/molであるアミノ変性ポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製の商品名KF−860)
A−5:25℃における動粘度が17000mm/s、エポキシ当量が3800g/molであるエポキシ変性ポリオルガノシロキサン(東レダウコーニング社製の商品名SF−8413)
A−6:25℃における動粘度が1200mm/s、アミノ当量が11000g/molであるアミノ変性ポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製の商品名KF−8005)
A−7:25℃における動粘度が1700mm/s、アミノ当量が3800g/molであるアミノ変性ポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製の商品名KF−864)
試験区分2(カチオン界面活性剤の合成)
・B−1の合成
ジメチルオクチルアミン79g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、トリメチルホスフェート70g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物149gを得た。この反応物を分析したところ、ジメチルオクチルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤B−1とした。
・B−2の合成
ジメチルオクタデセニルアミン148g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、トリメチルホスフェート70g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物218gを得た。得られた反応物を分析したところ、ジメチルオクタデセニルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤B−2とした。
・B−3の合成
ジメチルオクタデシルアミン149g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、トリエチルホスフェート91g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物240gを得た。得られた反応物を分析したところ、ジメチルオクタデシルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤B−3とした。
・B−4の合成
ジエチルドデシルアミン121g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸77g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物198gを得た。得られた反応物を分析したところ、ジエチルドデシルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤B−4とした。
・B−5の合成
ジメチルオクチルアミン79g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジメチル硫酸63g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物142gを得た。得られた反応物を分析したところ、ジメチルオクチルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤B−5とした。
・B−6の合成
ジエチルオクチルアミン93g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸77g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物170gを得た。得られた反応物を分析したところ、ジエチルオクチルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤B−6とした。
・rB−1〜rB−3は以下のものを用意した。
rB−1:ジエチレントリアミンとドコサン酸を反応して得られたアマイド化合物をジエチル硫酸によりカチオン化した水溶性アマイド系化合物
rB−2:ジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェート(ライオン・アクゾ社製の商品名アーカード2HT−50ES)
rB−3:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(花王社製の商品名コータミン24P)
・rB−4の合成
ジメチルオクタデセニルアミン148g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸77g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物225gを得た。得られた反応物を分析したところ、 ジメチルオクタデセニルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤rB−4とした。
・rB−5の合成
ジ(ポリオキシエチレン(n=5))ドデシルエチルアミン411g(0.5モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸77g(0.5モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で3時間熟成して反応物488gを得た。得られた反応物を分析したところ、ジ(ポリオキシエチレン(n=5))ドデシルエチルアミン4級化物であった。これをカチオン界面活性剤rB−5とした。
以上で合成したカチオン界面活性剤の内容を表1にまとめて示した。
Figure 0006325764
試験区分3(非イオン界面活性剤の合成)
C−1の合成:ドデカン−1−オール186g(1.0モル)及び水酸化カリウム1gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパージ後、120℃に加温し、エチレンオキサイド308g(7モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着材処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、1分子に1個のドデカン−1−オール基と、合計7個のオキシエチレン単位から構成される化合物であった。これを非イオン界面活性剤C−1とした。
非イオン界面活性剤をC−1と同様にして、下記のC−2〜C−7及びrC−1〜rC−5を合成又は用意した。
C−2:ポリオキシエチレン(n=5)オクチルエーテル
C−3:ポリオキシエチレン(n=40)トリアコンチルエーテル
C−4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(日本触媒社製の商品名ソフタノール50)
C−5:ポリオキシエチレン(n=10)ノニルフェニルエーテル
C−6:ポリオキシエチレン(n=5)アルキル(C=12〜14)エーテル
C−7:ポリオキシエチレン(n=9)アルキル(C=12〜14)エーテル
rC−1:β-オクタデシルチオプロピオン酸オクタデセンエステル
rC−2:ジオクチルオクタデセンアミンオキサイド
rC−3:ヘキサデカン酸ポリエチレングリコール(n=8)
rC−4:ポリオキシエチレン(n=30)硬化ひまし油エーテル
rC−5:トリメリット酸トリイソデシルエステル
試験区分4(有機多塩基酸塩の用意)
下記の有機多塩基酸塩を用意した。
D−1:フタル酸ジエタノールアミン塩
D−2:コハク酸ジエタノールアミン塩
D−3:ドデセニルコハク酸カルシウム塩
rD−1:オクタデカン酸カリウム塩
試験区分5(その他の化合物の用意)
下記のその他の化合物を用意した。
rX−1:酢酸アンモニウム塩
rX−2:水酸化アンモニウム塩
試験区分6(炭素繊維前駆体用油剤の調製)
実施例1
試験区分1〜4で合成又は用意したベース成分A−1を170g、カチオン界面活性剤B−1を6g、非イオン界面活性剤C−1を14g、有機多塩基酸塩D−1を10g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例1の油剤の50%水性液を調製した。
実施例2
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を110g、カチオン界面活性剤B−2を50g、非イオン界面活性剤C−2を36g、有機多塩基酸塩D−2を4g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例2の油剤の50%水性液を調整した。
実施例3
実施例1と同様にして、ベース成分A−3を144g、カチオン界面活性剤B−1を10g、非イオン界面活性剤C−3を40g、有機多塩基酸塩D−1を6g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例3の油剤の50%水性液を調製した。
実施例4
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を100g、カチオン界面活性剤B−1を2g、非イオン界面活性剤C−4を78g、有機多塩基酸塩D−2を20g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例4の油剤の50%水性液を調製した。
実施例5
実施例1と同様にして、ベース成分A−3を160g、カチオン界面活性剤B−2を6g、非イオン界面活性剤C−5を30g、有機多塩基酸塩D−1を4g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例5の油剤の50%水性液を調製した。
実施例6
実施例1と同様にして、ベース成分A−3を130g、カチオン界面活性剤B−2を20g、非イオン界面活性剤C−4を40g、有機多塩基酸塩D−1を10g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例6の油剤の50%水性液を調製した。
実施例7
実施例1と同様にして、ベース成分A−4を186g、カチオン界面活性剤B−3を2g、非イオン界面活性剤C−4を10g、有機多塩基酸塩D−3を2g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例7の油剤の50%水性液を調製した。
実施例8
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を130g、カチオン界面活性剤B−3を10g、非イオン界面活性剤C−3を34g、有機多塩基酸塩D−3を26g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例8の油剤の50%水性液を調整した。
実施例9
実施例1と同様にして、ベース成分A−3を110g、カチオン界面活性剤B−1を16g、非イオン界面活性剤C−3を72g、有機多塩基酸塩D−3を2g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例9の油剤の50%水性液を調製した。
実施例10
実施例1と同様にして、ベース成分A−4を170g、カチオン界面活性剤B−2を4g、非イオン界面活性剤C−3を16g、有機多塩基酸塩D−3を10g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例10の油剤の50%水性液を調製した。
実施例11
実施例1と同様にして、ベース成分A−1を120g、カチオン界面活性剤B−1を20g、非イオン界面活性剤C−2を60g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例11の油剤の50%水性液を調製した。
実施例12
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を140g、カチオン界面活性剤B−2を30g、非イオン界面活性剤C−1を30g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例12の油剤の50%水性液を調製した。
実施例13
実施例1と同様にして、ベース成分A−1を60g、カチオン界面活性剤B−1を60g、非イオン界面活性剤C−3を80g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例13の油剤の50%水性液を調製した。
実施例14
実施例1と同様にして、ベース成分A−5を120g、カチオン界面活性剤B−5を10g、非イオン界面活性剤C−3を70g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例14の油剤の50%水性液を調製した。
実施例15
実施例1と同様にして、ベース成分A−5を110g、カチオン界面活性剤B−6を30g、非イオン界面活性剤C−3を60g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例15の油剤の50%水性液を調製した。
実施例16
実施例1と同様にして、ベース成分A−5を144g、カチオン界面活性剤B−4を6g、非イオン界面活性剤C−5を50g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例16の油剤の50%水性液を調製した。
比較例1
実施例1と同様にして、ベース成分A−1を176g、非イオン界面活性剤C−4を24g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例1の油剤の50%水性液を調整した。
比較例2
実施例1と同様にして、非イオン界面活性剤C−5を30g、rC−1を120g、rC−2を20g、rC−3を20g、rC−4を10g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例2の油剤の50%水性液を調製した。
比較例3
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を120g、A−5を46g、非イオン界面活性剤C−4を30g、rX−1を4g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例3の油剤の50%水性液を調整した。
比較例4
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を199.4g、rX−2を0.6g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例4の油剤の50%水性液を調製した。
比較例5
実施例1と同様にして、カチオン界面活性剤B−3を16g、非イオン界面活性剤C−1を180g、rX−2を4g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例5の油剤の50%水性液を調製した。
比較例6
実施例1と同様にして、非イオン界面活性剤C−1を160g、有機多塩基酸塩D−1を40g、以上をビーカーに加えて良く混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例6の油剤の50%水性液を調整した。
比較例7
実施例1と同様にして、カチオン界面活性剤rB−1を30g、非イオン界面活性剤C−1を80g、rC−5を90g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例7の油剤の50%水性液を調製した。
比較例8
実施例1と同様にして、ベース成分A−2を140g、非イオン界面活性剤C−4を40g、有機多塩基酸塩rD−1を20g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例8の油剤の50%水性液を調製した。
比較例9
実施例1と同様にして、ベース成分A−4を172g、カチオン界面活性剤rB−2を4g、非イオン界面活性剤C−1を24g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例9の油剤の50%水性液を調整した。
比較例10
実施例1と同様にして、ベース成分A−4を172g、カチオン界面活性剤rB−3を4g、非イオン界面活性剤C−1を24g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例10の油剤の50%水性液を調製した。
比較例11
実施例1と同様にして、ベース成分A−6を160g、カチオン界面活性剤rB−4を5g、非イオン界面活性剤C−6を20g、C−7を15g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例11の油剤の50%水性液を調製した。
比較例12
実施例1と同様にして、ベース成分A−7を162g、カチオン界面活性剤rB−5を22g、非イオン界面活性剤C−6を10g、C−7を6g、以上をビーカーに加えてよく混合し、撹拌を続けながら固形分濃度が50%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで比較例11の油剤の50%水性液を調製した。
以上で調製した各例の炭素繊維前駆体用油剤の内容を表2にまとめて示した。
Figure 0006325764
試験区分7
炭素繊維前駆体用油剤の付着
アクリルフィラメント糸(75デニール/40フィラメント)に、試験区分6で調製した各例の油剤の50%水性液を、炭素繊維前駆体用油剤として0.5±0.1%となるようにローラー給油法で付着させた後、乾燥ローラーを用いて115℃で4秒間乾燥して試料糸Aを得た。この試料糸Aを、後述する電気抵抗値及び発生電気の評価に用いた。またアクリルフィラメント糸(16000デニール/12000フィラメント)に、試験区分6で調製した各例の油剤の50%水性液を、炭素繊維前駆体用油剤として0.5±0.1%となるように浸漬法で付着させた後、乾燥ローラーを用いて115℃で4秒間乾燥して試料糸Bを得た。この試料糸Bを、後述する集束性の評価に用いた。
試験区分8(評価)
・電気抵抗値の評価
前記の試料糸Aを20×65%RHの雰囲気下に24時間放置し、同条件下で評価資料10gを電気抵抗測定用ボックス(40ml容量)に入れ、東亜電波工業社製の商品名SM−5E型絶縁計を用いて電気抵抗(logΩ)を測定し、以下の基準で電気抵抗値を評価した。
電気抵抗値(logΩ)の評価基準
◎:9未満
○:9〜10未満
×:10〜11未満
××:11以上
・発生電気の評価
前記の試料糸Aを20×65%RHの雰囲気下に24時間放置し、同条件下に初張力20g、糸速100m/分でクロムメツキ梨地加工ピンと接触走行させて、接触後の発生電気を集電式電位測定器(春日電機社製)で測定し、以下の基準で発生電気を評価した。
発生電気の評価基準
5:50ボルト未満
4:50ボルト以上〜100ボルト未満
3:100ボルト以上〜300ボルト未満
2:300ボルト以上〜500ボルト未満
1:500ボルト以上
・集束性の評価
前記の試料糸Bを50kg製造した際に、各工程通過時及び巻き取り時の炭素繊維前駆体繊維の集束状態を目視観察した。同様の試験を5回実施し、以下の基準で集束性を評価した。
集束性の評価基準
◎:集束性は非常に良好であり、工程通過性に全く問題無し。
○:集束性は良好であり、工程通過性に問題無し。
×:集束性が不足しており、工程通過性にやや問題有り。
××:集束性が不良であり、工程通過性に大きな問題有り。
・錆の評価
試験区分6で調整した各例の炭素繊維前駆体用油剤の50%水性液にイオン交換水を更に添加して固形分濃度が2%となるようにし、この水溶液に洗浄した金属製ガイドローラーを浸漬した後、20℃×100%RHで24時間放置し、それぞれの金属製ガイドローラーの発錆状態を目視観察し、以下の基準で錆を評価した。
錆の評価基準
○:発錆が確認されない。
×:発錆が確認される。
以上で評価した各例の炭素繊維前駆体用油剤の結果を表3にまとめて示した。
Figure 0006325764
表2に対応する表3の結果からも明らかなように、本発明によれば、炭素繊維前駆体に優れた制電性と集束性を付与することができ、結果として炭素繊維前駆体を製造する際の工程通過性を向上させ、また炭素繊維前駆体の製造機械等に錆が発生するのを抑制することができる。

Claims (9)

  1. ベース成分、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を含有して成る炭素繊維前駆体用油剤であって、カチオン界面活性剤が下記の化1で示される化合物であることを特徴とする炭素繊維前駆体用油剤。
    Figure 0006325764
    (化1において、
    :炭素数6〜18の脂肪族炭化水素基(但し、Xがメチル硫酸基又はエチル硫酸基である場合は炭素数6〜15の脂肪族炭化水素基)
    〜R:炭素数1〜4のアルキル基
    :メチル硫酸基、エチル硫酸基又は下記の化2で示される有機基)
    Figure 0006325764
    (化2において、
    ,R:炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子)
  2. カチオン界面活性剤が、化1中のXが化2で示される有機基である場合の化1で示される化合物である請求項1記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  3. ベース成分が、25℃で液状のエポキシ変性シリコーン、25℃で液状のアミノ変性シリコーン及び25℃で液状のアミド変性シリコーンから選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  4. ベース成分が、25℃で液状のアミノ変性シリコーンである請求項1又は2記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  5. 非イオン界面活性剤が、炭素数4〜40の有機アルコール1モルに対しエチレンオキシドを1〜50モルの割合で付加反応させた化合物である請求項1〜4のいずれか一つの項記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  6. ベース成分、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の含有割合の合計が100質量%となるよう、ベース成分を50〜95質量%、カチオン界面活性剤を0.01〜30質量%及び非イオン界面活性剤を3〜45質量%の割合で含有して成る請求項1〜5のいずれか一つの項記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  7. 更に有機多塩基酸塩を含有し、ベース成分、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び有機多塩基酸塩の含有割合の合計が100質量%となるよう、ベース成分を50〜95質量%、カチオン界面活性剤を0.01〜30質量%、非イオン界面活性剤を3〜45質量%及び有機多塩基酸塩を15質量%以下の割合で含有して成る請求項6記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  8. 有機多塩基酸塩が、有機多塩基酸のアルカリ金属塩又はアミン塩である請求項7記載の炭素繊維前駆体用油剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つの項記載の炭素繊維前駆体用油剤が付着している炭素繊維前駆体。
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