JP2015052176A - 炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤及びその用途 - Google Patents

炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、炭素繊維の融着を防止でき、優れた機械的特性を有する炭素繊維を得ることのできる炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤、並びに該処理剤を付与した炭素繊維製造用アクリル繊維、耐炎化繊維、炭素繊維及び炭素繊維の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有し、下記式(1)で定義されるDMAC溶解度が10重量%以下とする、炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤である。
DMAC溶解度(重量%)=(W−W)/W×100 (1)
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭素繊維製造用アクリル繊維(以下、プレカーサーと称することがある)を製造する際に使用する炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤(以下、プレカーサー処理剤と称することがある)、並びに該処理剤を付与した炭素繊維製造用アクリル繊維、耐炎化繊維、炭素繊維及び炭素繊維の製造方法に関する。
炭素繊維はその優れた機械的特性を利用して、マトリックス樹脂と称されるプラスチックとの複合材料用の補強繊維として、航空宇宙用途、スポーツ用途、一般産業用途等に幅広く利用されている。
炭素繊維を製造する方法としては、まずプレカーサーを製造する(このプレカーサーの製造工程を製糸工程と称することがある)。このプレカーサーを200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換し(この処理を以下、耐炎化処理と称することがある。また、この工程を以下、耐炎化処理工程と称することがある。)、続いて300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭素化する(この処理を以下、炭素化処理と称することがある。また、この工程を以下、炭素化処理工程と称することがある。)方法が一般的である(以下、耐炎化処理と炭素化処理をあわせて、焼成と称することがある。また、以下、耐炎化処理工程と炭素化処理工程をあわせて、焼成工程と称することがある)。このプレカーサーの製造には通常のアクリル繊維と比較しても高倍率に延伸される延伸工程を経る。その際、繊維同士の膠着が起こり易く、均一に高倍率延伸が行われない為に、不均一なプレカーサーとなる。この様なプレカーサーを焼成して得られる炭素繊維は十分な強度が得られないという問題がある。また、プレカーサーの焼成時には、単繊維同士の融着が発生し、得られた炭素繊維の品質、品位を低下させるという問題がある。
プレカーサーの膠着防止、炭素繊維の融着防止の為、湿潤時および高温環境下で繊維−繊維間摩擦が低く、優れた剥離性を有するシリコーン系処理剤、特に架橋反応により耐熱性をさらに向上できる窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン系処理剤をプレカーサーに付与する技術が多数提案され(特許文献1〜3参照)、工業的に広く利用されている。
しかし、特許文献1〜3に提案されているような従来のプレカーサー処理剤組成では、そのプレカーサー処理剤の種類によっては、炭素繊維の融着防止を発揮しても、炭素繊維の十分な機械的特性(強度、弾性率)が得られないことがあった。
特開昭60−181322号公報 特開昭60−185879号公報 特開2001−172879号公報
かかる従来の技術背景に鑑み、本発明の目的は、プレカーサー繊維を製造する際に使用することで、炭素繊維の融着を防止でき、優れた機械的特性を有する炭素繊維を得ることのできる炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤、並びに該処理剤を付与した炭素繊維製造用アクリル繊維、耐炎化繊維、炭素繊維及び炭素繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、炭素繊維の融着を防止できても炭素繊維の十分な機械的特性(強度、弾性率)が得られないことを以下のように推測した。
1)耐炎化処理工程において、プレカーサーから耐炎化繊維への転換に必要な酸化性気体である酸素がプレカーサーに対し安定的に供給されることが重要であるが、炭素繊維の融着防止の為、プレカーサー処理剤をプレカーサーに付与すると、プレカーサー表面を被覆することになり、プレカーサー処理剤の種類によっては酸素の供給を阻害する場合があること。
2)そのようなプレカーサー処理剤を使用すると、耐炎化処理工程でプレカーサー繊維内部への酸素の供給が足りず、耐炎化の進行が十分でない耐炎化繊維が得られ、その結果、このような耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維は十分な機械的特性(強度、弾性率)が得られないこと。
そして、本発明者等は、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有し、式(1)で定義されるDMAC溶解度が特定の範囲となるプレカーサー処理剤を用いれば、炭素繊維の融着を防止でき、かつ優れた機械的特性を有する炭素繊維を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有する炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤であって、下記式(1)で定義されるDMAC溶解度が10重量%以下である。
DMAC溶解度(重量%)=(W−W)/W×100 (1)
:繊維(A)の重量(g)。
:100℃に加温したDMAC(ジメチルアセトアミド)に下記の繊維(A)を浸漬させて可溶分を溶解し、濾過によりDMAC溶解成分を除いた繊維(B)の重量(g)
繊維(A):97モル%のアクリロニトリルと3モル%のイタコン酸を共重合させて得たアクリル繊維に対して、前記処理剤をその不揮発分が5重量%となるように付与し、次いで、空気中において260℃・40分間の条件で加熱処理をして得た繊維
本発明の処理剤は、下記式(2)で定義される処理剤のゲル化度が40〜85重量%であることが好ましい。
ゲル化度(重量%)=W/W×100 (2)
:処理剤の不揮発分の重量(g)
:処理剤の不揮発分を250℃で60分間熱処理した後、クロロホルムに浸漬させて可溶分を溶解し、濾過によりクロロホルム溶解成分を除いたゲル化物(残分)の重量(g)
前記変性シリコーンにおける窒素原子の含有量は0.35〜3.2重量%であることが好ましい。
処理剤の不揮発分に占める前記変性シリコーンの重量割合は50〜95重量%であることが好ましい。
前記変性シリコーンはアミノ変性シリコーンであることが好ましい
前記界面活性剤はカチオン界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明の処理剤は、水中に分散したエマルジョンとなっていることが好ましい。
本発明の炭素繊維製造用アクリル繊維は、炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に、上記の処理剤を付着させて製糸したものである。
本発明の耐炎化繊維は、上記の炭素繊維製造用アクリル繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化させたものである。
本発明の炭素繊維は、上記の耐炎化繊維を300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させたものである。
本発明の炭素繊維の製造方法は、炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に上記の処理剤を付着させて、炭素繊維製造用アクリル繊維を製造する製糸工程と、その製糸工程で製造された炭素繊維製造用アクリル繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる炭素化処理工程とを含むものである。
本発明の炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤は、炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に付着させて処理することによって、炭素繊維の融着を防止でき、炭素繊維の強度を向上させることができる。また、本発明の炭素繊維の製造方法では、この炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤を付着させるので、高強度の炭素繊維を安定して製造できる。
〔プレカーサー処理剤〕
本発明の炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤(プレカーサー処理剤)は、炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)を製造する工程で、均一なプレカーサー繊維束を製造するために、延伸工程前にプレカーサーの原料アクリル繊維に付与することを第一の目的とした処理剤である。
本発明のプレカーサー処理剤は、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有し、上記式(1)で定義されるDMAC溶解度が10重量%以下である。窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、界面活性剤及び水を含む処理剤であっても、その処理剤のDMAC溶解度が10重量%超となる場合、炭素繊維の融着は防止できても、プレカーサー表面の酸素の供給が阻害されて耐炎化の進行が不十分になると予測され、炭素繊維の十分な強度が得られない。
DMAC溶解度は、1〜10重量%が好ましく、1.7〜9重量%がより好ましく、2〜8.5重量%がさらに好ましい。
本発明の処理剤は、さらに、上記式(2)で定義される処理剤のゲル化度が40〜85重量%であることが好ましい。ゲル化度が上記範囲にあるプレカーサー処理剤を用いた場合、プレカーサー表面の酸素の供給が阻害されることなく、耐炎化の進行がより十分な耐炎化繊維が得られているものと推測される。その結果、さらに優れた強度を有する炭素繊維強度を得ることができる。なお、上記式(2)のWにおけるゲル化物とは、濾過によりクロロホルム溶解成分を除いた残分をいう。
ゲル化度は、40〜85重量%が好ましく、50〜80重量%がより好ましく、60〜75重量%がさらに好ましい。
(窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン)
本発明のプレカーサー処理剤は、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン(以下変性シリコーンということがある)を必須に含有する。変性シリコーンは窒素原子を含む変性基であれば変性基の種類は特に限定されない。窒素原子を含む変性基としては、アミノ結合やイミノ結合を含有する変性基(即ち、アミノ基)や、アミド結合を含有する変性基(即ち、アミド基)などが挙げられ、アミノ結合とアミド結合など異なる結合が複数存在する変性基でもよい。窒素原子を含む変性基は、主鎖であるシリコーンの側鎖と結合していてもよいし、末端と結合していてもよいし、また両方と結合していてもよい。また、分子中にポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等)を有していてもよい。
窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンは、本発明の効果をより発揮させる観点から、以下に定義する変性シリコーンのDMAC溶解度が15重量%以下であることが好ましい。該DMAC溶解度は、3〜15重量%が好ましく、3.5〜13.5重量%がより好ましく、4〜12.5重量%がさらに好ましい。
変性シリコーンのDMAC溶解度:上記式(1)で定義されるDMAC溶解度であって、「処理剤の不揮発分」を「窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン」に置き換えたものとする。
窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンは、本発明の効果をより発揮させる観点から、以下に定義する変性シリコーンのゲル化度が30〜85重量%であることが好ましい。該ゲル化度は、40〜80重量%がより好ましく、50〜75重量%がさらに好ましい。
変性シリコーンのゲル化度:上記式(2)で定義されるゲル化度であって、「処理剤の不揮発分」を「窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン」に置き換えたものとする。
窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アマイド変性シリコーン、アマイドポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられ、一種類の変性シリコーンを用いてもよいし、複数の変性シリコーンを併用してもよい。
また、変性シリコーンにおける窒素原子の含有量は、0.35〜3.2重量%が好ましく、0.37〜2.2重量%がより好ましく、0.40〜1.3重量%がさらに好ましい。窒素原子の含有量が0.35重量%より低い場合、水系乳化した際にエマルジョンの溶液安定性が悪くなる場合や、架橋性が劣り、十分な耐熱性が得られない場合がある。一方、窒素原子の含有量が3.2重量%より高い場合、熱架橋により変性シリコーンの粘着性が高くなり、ガムアップの原因となる。
これらの窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンの中でも、架橋性に優れ、焼成工程でより耐熱性に優れる理由から、アミノ変性シリコーンやアミノポリエーテル変性シリコーンが好ましい。更に経時安定性にも優れるという観点からアミノ変性シリコーンが特に好ましい。
本発明のプレカーサー処理剤において、処理剤の不揮発分に占める変性シリコーンの重量割合は、50〜95重量%が好ましく、65〜90重量%がより好ましく、75〜85重量%がさらに好ましい。該重量割合が50重量%未満となると、繊維を十分に保護できず、繊維−繊維間摩擦が高くなって、繊維が損傷することがある。一方、該重量割合が95重量%を超えると、十分に安定な処理剤を作製することが困難となり、繊維へ均一に付着させることが出来なくなるため、プレカーサーの膠着防止が出来なくなることがある。
変性シリコーンがアミノ変性シリコーンである場合、そのアミノ変性シリコーンの構造は特に限定されるものではない。即ち、変性基であるアミノ基は、主鎖であるシリコーンの側鎖と結合していてもよいし、末端と結合していてもよいし、また両方と結合していてもよい。また、そのアミノ基は、モノアミン型であってもポリアミン型であってもよく、1分子中に両者が併存していてもよい。
アミノ変性シリコーンにおけるアミノ基(NH)の含有量(以下、「アミノ重量%」という)は、0.4〜3.7重量%が好ましく、0.42〜2.5重量%がより好ましく、0.46〜1.5重量%が更に好ましい。アミノ重量%が0.4重量%より低いと、水系乳化した際にエマルジョンの溶液安定性が悪くなる場合や、架橋性が劣り、十分な耐熱性が得られない場合がある。一方、3.7重量%より高い場合、熱架橋によりアミノ変性シリコーンの粘着性が高くなり、ガムアップの原因となる。
アミノ変性シリコーンの25℃における粘度については、特に限定はないが、低粘度過ぎると、処理剤が飛散しやすくなる場合や、また水系乳化した際にエマルジョンの溶液安定性が悪くなる場合があり、処理剤を繊維へ均一に付与することが出来なくなる問題や、焼成工程での耐熱性不足による熱揮散が原因で、繊維の融着を防止できないことが問題となることがある。また逆に高粘度すぎると、粘着性に起因するガムアップが問題となることがある。これらの問題を防止する観点から、アミノ変性シリコーンの25℃での粘度は、100〜15,000mm/sが好ましく、500〜10,000mm/sがより好ましく、1,000〜5,000mm/sがさらに好ましい。
(界面活性剤及び水)
本発明のプレカーサー処理剤は、界面活性剤及び水を含有する。界面活性剤は、乳化剤として使用され、上記の変性シリコーン等を水に乳化、分散させることを可能とする。界面活性剤としては、特に限定されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から、公知のものを適宜選択して使用することができる。界面活性剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレン直鎖アルキルエーテル;ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等のポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル;ポリオキシエチレン1−ヘキシルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−オクチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−ヘキシルオクチルエーテル、ポリオキシエチレン1−ペンチルへプチルエーテル、ポリオキシエチレン1−へプチルペンチルエーテル等のポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアリールフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノミリスチレート、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンジミリスチレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンひまし油エーテル等のポリオキシアルキレンひまし油エーテル;ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル等のポリオキシアルキレン硬化ひまし油エーテル;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端アルキルエーテル化物;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端ショ糖エーテル化物;等を挙げることができる。
これら非イオン性界面活性剤の中でも、シリコーン化合物の水系乳化力に特に優れるという理由で、ポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル、ポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体の末端アルキルエーテル化物が好ましく、更に焼成工程で、繊維上でタール化して繊維に損傷を与え難いという理由で、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体の末端アルキルエーテル化物がより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸ナトリウム塩、パルミチン酸カリウム塩、オレイン酸トリエタノールアミン塩等の脂肪酸(塩);ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ酢酸カリウム塩、乳酸、乳酸カリウム塩等のヒドロキシル基含有カルボン酸(塩);ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸(ナトリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸(塩);トリメリット酸カリウム、ピロメリット酸カリウム等のカルボキシル基多置換芳香族化合物の塩;ドデシルベンゼンスルホン酸(ナトリウム塩)等のアルキルベンゼンスルホン酸(塩);ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルスルホン酸(カリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸(塩);ステアロイルメチルタウリン(ナトリウム)、ラウロイルメチルタウリン(ナトリウム)、ミリストイルメチルタウリン(ナトリウム)、パルミトイルメチルタウリン(ナトリウム)等の高級脂肪酸アミドスルホン酸(塩);ラウロイルサルコシン酸(ナトリウム)等のN−アシルサルコシン酸(塩);オクチルホスホネート(カリウム塩)等のアルキルホスホン酸(塩);フェニルホスホネート(カリウム塩)等の芳香族ホスホン酸(塩);2−エチルヘキシルホスホネートモノ2−エチルヘキシルエステル(カリウム塩)等のアルキルホスホン酸アルキルリン酸エステル(塩);アミノエチルホスホン酸(ジエタノールアミン塩)等の含窒素アルキルホスホン酸(塩);2−エチルヘキシルサルフェート(ナトリウム塩)等のアルキル硫酸エステル(塩);ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルサルフェート(ナトリウム塩)等のポリオキシアルキレン硫酸エステル(塩);ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩;等を挙げる事ができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オレイルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジエチルメチルアンモニウムサルフェート、等のアルキル第四級アンモニウム塩;(ポリオキシエチレン)ラウリルアミノエーテル乳酸塩、ステアリルアミノエーテル乳酸塩、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルメチルアミノエーテルジメチルホスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルエチルアンモニウムエトサルフェート、ジ(ポリオキシエチレン)硬化牛脂アルキルエチルアミンエトサルフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルメチルアンモニウムジメチルホスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン乳酸塩等の(ポリオキシアルキレン)アルキルアミノエーテル塩;N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N-ジメチル−N−ステアロイルアミドプロピルアンモニウムナイトレート、ラノリン脂肪酸アミドプロピルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミドエチルメチルジエチルアンモニウムメトサルフェート等のアシルアミドアルキル第四級アンモニウム塩;ジパルミチルポリエテノキシエチルアンモニウムクロライド、ジステアリルポリエテノキシメチルアンモニウムクロライド等のアルキルエテノキシ第四級アンモニウム塩;ラウリルイソキノリニウムクロライド等のアルキルイソキノリニウム塩;ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のベンザルコニウム塩;ベンジルジメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド等のベンゼトニウム塩;セチルピリジニウムクロライド等のピリジニウム塩;オレイルヒドロキシエチルイミダゾリニウムエトサルフェート、ラウリルヒドロキシエチルイミダゾリニウムエトサルフェート等のイミダゾリニウム塩;N−ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、N−ラウロイルリジンエチルエチルエステルクロライド等のアシル塩基性アミノ酸アルキルエステル塩;ラウリルアミンクロライド、ステアリルアミンブロマイド、硬化牛脂アルキルアミンクロライド、ロジンアミン酢酸塩等の第一級アミン塩;セチルメチルアミンサルフェート、ラウリルメチルアミンクロライド、ジラウリルアミン酢酸塩、ステアリルエチルアミンブロマイド、ラウリルプロピルアミン酢酸塩、ジオクチルアミンクロライド、オクタデシルエチルアミンハイドロオキサイド等の第二級アミン塩;ジラウリルメチルアミンサルフェート、ラウリルジエチルアミンクロライド、ラウリルエチルメチルアミンブロマイド、ジエタノールステアリルアミドエチルアミントリヒドロキシエチルホスフェート塩、ステアリルアミドエチルエタノールアミン尿素重縮合物酢酸塩等の第三級アミン塩;脂肪酸アミドグアニジニウム塩;ラウリルトリエチレングリコールアンモニウムハイドロオキサイド等のアルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤のなかでも、エマルジョン経時安定性に優れ、シリコーン架橋性への影響も少なく、更にはシリコーンの乳化力にも優れるという理由から、非イオン性界面活性剤をベースとすることが好ましい。イオン性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤と比較し、静電気発生による繊維束のバラケを抑制することができる制電性に優れるという利点があるため、非イオン界面活性剤と併用することが好ましい。イオン性界面活性剤としては、上記のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができるが、これの中でもカチオン性界面活性剤が好ましく、カチオン界面活性剤の中でも、アルキル第四級アンモニウム塩、(ポリオキシアルキレン)アルキルアミノエーテル塩、アシルアミノアルキル第四級アンモニウム塩、アルキルエテノキシ第四級アンモニウム塩、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩等がさらに好ましい。
本発明のプレカーサー処理剤において、処理剤の不揮発分に占める界面活性剤の重量割合は、1〜50重量%が好ましく、5〜35重量%がより好ましく、8〜25重量%がさらに好ましい。該重量割合が1重量%未満となると、良好な乳化安定性が得られにくくなることがある。また、該重量割合が50重量%を超えると、処理剤の耐熱性が低下し、焼成工程における炭素繊維の融着を抑制できない場合がある。
また、本発明のプレカーサー処理剤の必須成分である界面活性剤は、カチオン性界面活性剤を含むことが好ましい。カチオン性界面活性剤を含むことにより、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンのゲル化を促進してゲル化度を高くすることができ、DMAC溶解度を下げることができる。
カチオン性界面活性剤を含む場合、処理剤の不揮発分に占めるカチオン性界面活性剤の重量割合は、1〜15重量%が好ましく、3〜12重量%がより好ましく、5〜10重量%がさらに好ましい。カチオン性界面活性剤としては、前述したものが挙げられる。これらの中でも、アルキル第四級アンモニウム塩、アシルアミノアルキル第四級アンモニウム塩等のアルキルを含有する第四級アンモニウム塩が好ましい。
本発明のプレカーサー処理剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン以外のシリコーン成分を含んでいてもよい。具体的には、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキレンオキサイド変性シリコーン(ポリエーテル変性シリコーン)、エポキシポリエーテル変性シリコーン(例えば、特許4616934号参照)、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、メタクリレート変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
本発明のプレカーサー処理剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記した成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系、キノン系等の酸化防止剤;高級アルコール・高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、スルホン酸塩、高級アルコール・高級アルコールエーテルのリン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤、アミン塩型カチオン系界面活性剤等の制電剤;高級アルコールのアルキルエステル、高級アルコールエーテル、ワックス類等の平滑剤;抗菌剤;防腐剤;防錆剤;および吸湿剤等が挙げられる。
プレカーサー処理剤は、乳化剤として界面活性剤を含み、水に乳化または分散させて、水中に分散したエマルジョンとなっている状態が好ましい。
本発明のプレカーサー処理剤が水を含む場合、プレカーサー処理剤全体に占める水の重量割合、不揮発分の重量割合については、特に限定はない。例えば、本発明のプレカーサー処理剤を輸送する際の輸送コストや、エマルジョン粘度に因るところの取扱い性等を考慮して適宜決定すればよい。プレカーサー処理剤全体に占める水の重量割合は、0.1〜99.9重量%が好ましく、5〜99.5重量%がさらに好ましく、10〜99重量%が特に好ましい。プレカーサー処理剤全体に占める不揮発分の重量割合(濃度)は、0.01〜99.9重量%が好ましく、0.5〜90重量%がさらに好ましく、1〜50重量%が特に好ましい。
プレカーサー処理剤における乳化物の平均粒子径は、0.05〜0.35μmが好ましく、0.06〜0.25μmがより好ましく、0.07〜0.15μmがさらに好ましい。該平均粒子径が0.05μm未満の場合、処理剤が繊維内部へ浸透し易くなり得られた炭素繊維の強度が低くなることがある。一方、該平均粒子径が0.35μm超の場合、処理剤が繊維表面に均一に付着することができず得られた炭素繊維の強度が低くなることがある。なお、本発明でいう平均粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製LA−910)で測定された粒度分布より算出された平均値をいう。
本発明のプレカーサー処理剤は、上記で説明した成分を混合することによって製造することができる。特に、プレカーサー処理剤が水中で乳化または分散させた状態の組成物である場合、上記で説明した成分を乳化・分散させる方法については特に限定されず、公知の手法が採用できる。このような方法としては、例えば、プレカーサー処理剤を構成する各成分を攪拌下の温水中に投入して乳化分散する方法や、プレカーサー処理剤を構成する各成分を混合し、ホモジナイザー、ホモミキサー、ボールミル等を用いて機械せん断力を加えつつ、水を徐々に投入して転相乳化する方法等が挙げられる。
また、本発明のプレカーサー処理剤を用いて、プレカーサーおよび炭素繊維を製造することができる。本発明のプレカーサー処理剤を用いたプレカーサーおよび炭素繊維の製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下の製造方法を挙げることができる。
〔プレカーサーおよび炭素繊維の製造方法〕
本発明の炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)は、プレカーサーの原料アクリル繊維に、上記の処理剤を付着させて製糸したものである。
本発明の耐炎化繊維は、プレカーサーを200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化させたものである。
本発明の炭素繊維は、上記の耐炎化繊維を300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させたものである。
本発明の炭素繊維の製造方法は、プレカーサーの原料アクリル繊維に上記の処理剤を付着させて、プレカーサーを製造する製糸工程と、その製糸工程で製造されたプレカーサーを200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる炭素化処理工程とを含むものである。
製糸工程は、炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)の原料アクリル繊維に上記炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤(プレカーサー処理剤)を付着させてプレカーサーを製造する工程であり、付着処理工程と延伸工程とを含む。
付着処理工程は、プレカーサーの原料アクリル繊維を紡糸した後、プレカーサー処理剤を付着させる工程である。つまり、付着処理工程でプレカーサーの原料アクリル繊維にプレカーサー処理剤を付着させる。またこのプレカーサーの原料アクリル繊維は紡糸直後から延伸されるが、付着処理工程後の高倍率延伸を特に「延伸工程」と呼ぶ。延伸工程は高温水蒸気をもちいた湿熱延伸法でもよいし、熱ローラーをもちいた乾熱延伸法でもよい。
プレカーサーは、少なくとも95モル%以上のアクリロニトリルと、5モル%以下の耐炎化促進成分とを共重合させて得られるポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル繊維から構成される。耐炎化促進成分としては、アクリロニトリルに対して共重合性を有するビニル基含有化合物が好適に使用できる。プレカーサーの単繊維繊度については、特に限定はないが、性能と製造コストのバランスから、好ましくは0.1〜2.0dTexである。また、プレカーサーの繊維束を構成する単繊維の本数についても特に限定はないが、性能と製造コストのバランスから、好ましくは1,000〜96,000本である。
プレカーサー処理剤は、製糸工程のどの段階でプレカーサーの原料アクリル繊維に付着させてもよいが、延伸工程前に一度付着させておくことが好ましい。延伸工程前の段階であればどの段階でも、例えば紡糸直後に付着させてもよい。さらに延伸工程後のどの段階で再度付着させてもよく、例えば、延伸工程直後に再度付着させてもよいし、巻取り段階で再度付着させてもよいし、耐炎化処理工程の直前に再度付着させてもよい。その付着方法に関しては、プレカーサー処理剤が不揮発分のみからなる場合は、ストレートオイルとしてローラー等を使用して付着してもよいし、プレカーサー処理剤が水や有機溶剤等の溶媒中に乳化または分散させたエマルジョンの場合は、浸漬法、スプレー法等で付着してもよい。
付着処理工程において、プレカーサー処理剤の付与率は、繊維−繊維間の膠着防止効果や融着防止効果を得ることと、炭素化処理工程において処理剤のタール化物によって炭素繊維の品質低下を防止することとのバランスから、プレカーサーの重量に対して好ましくは0.1〜2重量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。プレカーサー処理剤の付与率が0.1重量%未満であると、単繊維間の膠着、融着を十分に防止できず、得られる炭素繊維の強度が低下することがある。一方、プレカーサー処理剤の付与率が2重量%超であると、プレカーサー処理剤が単繊維間を必要以上に覆うため、耐炎化処理工程において繊維への酸素の供給が妨げられ、得られる炭素繊維の強度が低下することがある。なお、ここでいうプレカーサー処理剤の付与率とは、プレカーサー重量に対するプレカーサー処理剤の付着した不揮発分重量の百分率で定義される。
耐炎化処理工程は、プレカーサー処理剤が付着したプレカーサーを200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する工程である。酸化性雰囲気とは、通常、空気雰囲気であればよい。酸化性雰囲気の温度は好ましくは230〜280℃である。耐炎化処理工程では、付着処理後のアクリル繊維に対して、延伸比0.90〜1.10(好ましくは0.95〜1.05)の張力をかけながら、20〜100分間(好ましくは30〜60分間)にわたって熱処理が行われる。この耐炎化処理では、分子内環化および環への酸素付加を経て、耐炎化構造を持つ耐炎化繊維が製造される。
炭素化処理工程は、耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる工程である。炭素化処理工程では、まず、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中、300℃から800℃まで温度勾配を有する焼成炉で、耐炎化繊維に対して、延伸比0.95〜1.15の張力をかけながら、数分間熱処理して、予備炭素化処理工程(第一炭素化処理工程)を行うのが好ましい。その後、より炭素化を進行させ、且つグラファイト化を進行させるために、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で、第一炭素化処理工程に対して延伸比0.95〜1.05の張力をかけながら、数分間熱処理して、第二炭素化処理工程を行い、耐炎化繊維が炭素化される。第二炭素化処理工程における熱処理温度の制御については、温度勾配をかけながら、最高温度を1000℃以上(好ましくは1000〜2000℃)とすることがよい。この最高温度は、所望する炭素繊維の要求特性(引張強度、弾性率等)に応じて適宜選択して決定される。
本発明の炭素繊維の製造方法では、弾性率がさらに高い炭素繊維が所望される場合は、炭素化処理工程に引き続いて、黒鉛化処理工程を行うこともできる。黒鉛化処理工程は、通常、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中、炭素化処理工程で得られた繊維に対して張力をかけながら、2000〜3000℃の温度で行われる。
このようにして得られた炭素繊維には、目的に応じて、複合材料とした時のマトリックス樹脂との接着強度を高めるための表面処理を行うことができる。表面処理方法としては、気相または液相処理を採用でき、生産性の観点からは、酸、アルカリなどの電解液による液相処理が好ましい。さらに、炭素繊維の加工性、取り扱い性を向上させるために、マトリックス樹脂に対して相溶性の優れる各種サイジング剤を付与することもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、ここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に示されるパーセント(%)は特に限定しない限り、「重量%」を示す。各特性値の測定は以下に示す方法に基づいて行った。
<DMAC溶解度>
測定に使用したアクリル繊維(原料プレカーサー繊維)は、97モル%のアクリロニトリルと3モル%のイタコン酸を共重合させて得た。このアクリル繊維に対して、処理剤の不揮発分が5重量%となるように付与したプレカーサー繊維を、酸化性気体下(空気中)において260℃で40分間の条件で加熱処理をして、繊維(A)を得た。得られた繊維(A)10gを精秤し、この重量をWとした。
次に、100℃に加温したDMAC(ジメチルアセトアミド)50.0gに繊維(A)を浸漬させ、10分間撹拌し、その後、濾過によりDMAC溶解分を除いた繊維を得た(溶解操作)。この溶解操作を3回行い、DMAC溶解成分を除いた繊維(B)を得た。この繊維(B)の重量を精秤し、この重量を(W)とした。下記式によりDMAC溶解度を算出した。
DMAC溶解度(重量%)=(W−W)/W×100 (1)
なお、変性シリコーンのDMAC溶解度は、上記式(1)で定義されるDMAC溶解度であって、「処理剤の不揮発分」を「窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン」に置き換えて、測定した。
<ゲル化度>
処理剤を105℃で180分間、乾燥加熱処理し、揮発分を除いて、処理剤の不揮発分(C)を得た。得られた不揮発分(C)2gを精秤し、この重量をWとした。
次に、精秤した不揮発分(C)を250℃・60分間の条件で加熱処理をしてゲル化促進物を得た。このゲル化促進物をクロロホルム30gに浸漬させ、10分間撹拌し、その後、濾過によりクロロホルム溶解成分を除き、ゲル化物を得た(溶解操作)。この溶解操作を2回行い、クロロホルム溶解成分を除いたゲル化物(D)を得た。このゲル化物(D)の重量を精秤し、この重量を(W)とした。下記式によりゲル化度を算出した。
ゲル化度(重量%)=W/W×100 (2)
なお、変性シリコーンのゲル化度は、上記式(2)で定義されるゲル化度であって、「処理剤の不揮発分」を「窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン」に置き換えて、測定した。
<溶液安定性>
不揮発分濃度が3.0重量%である各処理剤エマルジョンを50℃に調節された恒温槽で保管し、溶液の外観を目視で確認し、下記の評価基準で溶液安定性を判定した。
◎ :60日間分離無し。
○ :30日間分離無し、60日以内には分離。
△ :7日間分離無し、30日以内に分離。
× :7日間以内に分離。
××:乳化当日に分離、または乳化できない。
<処理剤の付与率>
処理剤付与後のプレカーサーを水酸化カリウム/ナトリウムブチラートでアルカリ溶融した後、水に溶解して塩酸でpH1に調整した。これを亜硫酸ナトリウムとモリブデン酸アンモニウムを加えて発色させ、ケイモリブデンブルーの比色定量(波長815nm)を行い、ケイ素の含有量を求めた。ここで求めたケイ素含有量と予め同法で求めた処理剤中のケイ素含有量の値を用いて、プレカーサー処理剤の付与率(重量%)を算出した。なお、ここでいうプレカーサー処理剤の付与率とは、プレカーサー重量に対するプレカーサー処理剤の付着した不揮発分重量の百分率で定義される。
<融着防止性>
炭素繊維から無作為に20カ所を選び、そこから長さ10mmの短繊維を切り出し、その融着状態を観察し、下記の評価基準で判定した。
◎:融着無し
○:ほぼ融着無し
△:融着少ない
×:融着多い
<炭素繊維強度>
JIS−R−7601に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じ測定し、測定回数10回の平均値を炭素繊維強度(GPa)とした。
<成分の説明>
変性シリコーン成分として、下記の変性シリコーンSi1、Si2、Si3、Si4、Si5、Si6、Si7、Si8、Si9、Si10を用いた。また、変性シリコーンではないシリコーン成分として、下記のジメチルシリコーンSi11を用いた。
変性シリコーン Si1:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:1,200mm/s、アミノ重量%:0.8重量%、窒素原子の含有量:0.7重量%、DMAC溶解度:4.1重量%、ゲル化度:89.7重量%)
変性シリコーン Si2:モノアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:1,700mm/s、アミノ重量%:0.4重量%、窒素原子の含有量:0.35重量%、DMAC溶解度:4.3重量%、ゲル化度:83.0重量%)
変性シリコーン Si3:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:1,300mm/s、アミノ重量%:2.7重量%、窒素原子の含有量:2.4重量%、DMAC溶解度:6.1重量%、ゲル化度:74.9重量%)
変性シリコーン Si4:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:220mm・s、アミノ重量%:1.07重量%、窒素原子の含有量:0.93重量%、DMAC溶解度:4.4重量%、ゲル化度:85.5重量%)
変性シリコーン Si5:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:650mm・s、アミノ重量%:0.88重量%、窒素原子の含有量:0.77重量%、DMAC溶解度:4.9重量%、ゲル化度:81.2重量%)
変性シリコーン Si6:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:20,000mm/s、アミノ重量%:0.88重量%、窒素原子の含有量:0.77重量%、DMAC溶解度:5.5重量%、ゲル化度:79.1重量%)
変性シリコーン Si7:モノアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:55mm/s、アミノ重量%:0.59重量%、窒素原子の含有量:0.52重量%、DMAC溶解度:12.1重量%、ゲル化度:50.4重量%)
変性シリコーン Si8:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:90mm/s、アミノ重量%:0.4重量%、窒素原子の含有量:0.35重量%、DMAC溶解度:11.6重量%、ゲル化度:3.1重量%)
変性シリコーン Si9:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:150mm・s、アミノ重量%:0.27重量%、窒素原子の含有量:0.23重量%、DMAC溶解度:12.7重量%、ゲル化度:4.3重量%)
変性シリコーン Si10:ジアミン型アミノ変性シリコーン(25℃粘度:110mm・s、アミノ重量%:0.32重量%、窒素原子の含有量:0.28重量%、DMAC溶解度:12.0重量%、ゲル化度:3.7重量%)
ジメチルシリコーン Si11:(25℃粘度:100mm・s、アミノ重量%:0.0重量%、窒素原子の含有量:0.0重量%、DMAC溶解度:15.9重量%、ゲル化度:2.2重量%)
非イオン性界面活性剤成分として、下記のNE1、NE2を用いた。また、イオン性界面活性剤として、下記のIE1、IE2,IE3,IE4,IE5を用いた。
非イオン性界面活性剤 NE1:ポリオキシエチレンが5モル付加された炭素数が12〜14のアルキルエーテル
非イオン性界面活性剤 NE2:ポリオキシエチレンが9モル付加された炭素数が12〜14のアルキルエーテル
イオン性界面活性剤 IE1:オレイルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート
イオン性界面活性剤 IE2:N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N-ジメチル−N−ステアロイルアミドプロピルアンモニウムナイトレート
イオン性界面活性剤 IE3:ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルエチルアミンエトサルフェート
イオン性界面活性剤 IE4:ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド
イオン性界面活性剤 IE5:セチルピリジニウムクロライド
〔実施例1〕
表1に示す処理剤の不揮発分組成になるように、変性シリコーンSi1、非イオン性界面活性剤NE1、非イオン性界面活性剤NE2及び水を混合して水系乳化し、処理剤の不揮発分に占める変性シリコーンの重量割合が75.5重量%、非イオン性界面活性剤の重量割合が24.5重量%である処理剤エマルジョン(プレカーサー処理剤)を調製した。なお、処理剤の不揮発分濃度は3.0重量%とした。この処理剤エマルジョンを用いて溶液安定性、DMAC溶解度、ゲル化度を評価した。
次に、この処理剤エマルジョンを97モル%のアクリロニトリルと3モル%のイタコン酸を共重合させて得られるプレカーサーの原料アクリル繊維に、付与率1.0重量%となるように付着し、延伸工程(スチーム延伸、延伸倍率2.1倍)を経てプレカーサーを作製した(単繊維繊度0.8dtex,24,000フィラメント)。このプレカーサーを用いて、処理剤の付与率を測定した。このプレカーサーを250℃の耐炎化炉にて60分間耐炎化処理し、次いで窒素雰囲気下300〜1400℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して炭素繊維に転換した。この炭素繊維を用いて、融着防止性、炭素繊維強度を測定した。各特性値の評価結果を表1に示す。
〔実施例2〜10、比較例1〜9〕
実施例1において、表1〜2に示す処理剤の不揮発分組成になるように処理剤エマルションを調製した以外は実施例1と同様にして、処理剤付着後のプレカーサーおよび炭素繊維を得た。各特性値の評価結果を表1〜2に示す。
Figure 2015052176
Figure 2015052176
表1、2から明らかなように、DMAC溶解度が10重量%を超える比較例は、炭素繊維の融着防止性に優れるものもあるが、いずれも炭素繊維強度が劣っていた。一方、実施例1〜10は、いずれの評価項目に於いてもこれら比較例よりも優れ、またより高い炭素繊維強度の炭素繊維を得ることができた。

Claims (11)

  1. 窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有する炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤であって、
    下記式(1)で定義されるDMAC溶解度が10重量%以下である、炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤。
    DMAC溶解度(重量%)=(W−W)/W×100 (1)
    :繊維(A)の重量(g)
    :100℃に加温したDMAC(ジメチルアセトアミド)に下記の繊維(A)を浸漬させて可溶分を溶解し、濾過によりDMAC溶解成分を除いた繊維(B)の重量(g)
    繊維(A):97モル%のアクリロニトリルと3モル%のイタコン酸を共重合させて得たアクリル繊維に対して、前記処理剤をその不揮発分が5重量%となるように付与し、次いで、空気中において260℃・40分間の条件で加熱処理をして得た繊維
  2. 下記式(2)で定義される処理剤のゲル化度が40〜85重量%である、請求項1に記載の処理剤。
    ゲル化度(重量%)=W/W×100 (2)
    :処理剤の不揮発分の重量(g)
    :処理剤の不揮発分を250℃で60分間熱処理した後、クロロホルムに浸漬させて可溶分を溶解し、濾過によりクロロホルム溶解成分を除いたゲル化物(残分)の重量(g)
  3. 前記変性シリコーンにおける窒素原子の含有量が0.35〜3.2重量%である、請求項1又は2に記載の処理剤。
  4. 処理剤の不揮発分に占める前記変性シリコーンの重量割合が50〜95重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の処理剤。
  5. 前記変性シリコーンがアミノ変性シリコーンである、請求項1〜4のいずれかに記載の処理剤。
  6. 前記界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の処理剤。
  7. 水中に分散したエマルジョンとなっている、請求項1〜6のいずれかに記載の処理剤。
  8. 炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に、請求項1〜7のいずれかに記載の処理剤を付着させて製糸した、炭素繊維製造用アクリル繊維。
  9. 請求項8に記載の炭素繊維製造用アクリル繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化させた、耐炎化繊維。
  10. 請求項9に記載の耐炎化繊維を300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させた、炭素繊維。
  11. 炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に請求項1〜7のいずれかに記載の処理剤を付着させて、炭素繊維製造用アクリル繊維を製造する製糸工程と、その製糸工程で製造された炭素繊維製造用アクリル繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる炭素化処理工程とを含む、炭素繊維の製造方法。
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