JP3488563B2 - 合成繊維処理剤およびこれを付与する合成繊維の製造法 - Google Patents

合成繊維処理剤およびこれを付与する合成繊維の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維処理剤に関
する。特に処理剤を付与した後、一旦、捲き取ることな
く、熱延伸および/または熱処理する際の延伸性および
耐熱性に優れ、合成繊維の生産性と品位を向上させる処
理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の紡糸、延伸工程に種々
の処理剤が目的に応じて付与されてきた。特に、高張
力、高温下での生産工程において、潤滑性、耐熱性が要
求されてきた。近年、繊維の生産性および品質向上のた
めにますます紡糸、延伸速度が速くなり、それに伴い、
繊維用処理剤の潤滑性、耐熱性等、繊維生産工程での性
能向上が強く望まれている。更に一方で、使用される段
階で高性能化した繊維の性能が十分発揮できることが要
求される。
【0003】従来このような要請に対処するために合成
繊維に付与される処理剤として、特公昭47−2947
4号公報に記載されているビスフェノールAのアルキレ
ンオキシド付加物の脂肪酸エステルや特公昭55−91
14号公報に記載されているチオジプロピオン酸エステ
ル等の潤滑剤がある。しかしながら、特公昭47−29
474号公報のビスフェノールAアルキレンオキシド付
加物の脂肪酸エステルは耐熱性は良好であるが、繊維−
金属間、繊維−繊維間の摩擦が高く、繊維処理剤として
の必要特性である潤滑性に劣り、繊維製造工程や加工工
程での繊維の損傷が大きく、繊維の品質を損なう欠点が
大である。また特公昭55−9114号公報に記載され
ているチオジプロピレン酸エステルは、繊維−金属間、
繊維−繊維間の摩擦が低く、耐熱性も従来の潤滑剤に比
べて良好であるが、最近の厳しい製糸条件では満足する
耐熱性、繊維の品質を得ることができない。
【0004】更に、特公昭63−3074号公報には、
特定のエステル、ホスフェート系やスルホネート系のア
ニオン界面活性剤、および特定のフェノール系酸化防止
剤とイソシアネート系酸化防止剤の組み合わせによる処
理剤が提案されている。しかし、最近の厳しい製糸条件
では満足する耐熱性を得ることができず、更に用いられ
ている酸化防止剤は、繊維の保管中に繊維がしばしば変
色する欠点もある。また、特開平7−102477号公
報には一種以上の酸化防止剤と紫外線吸収剤とが配合さ
れた紡糸油剤が開示されているが、繊維の耐光性を向上
させることが目的で、本発明の目的とする繊維処理剤の
耐熱性を向上させ、高品位の糸を得ることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊維
の高速生産工程に於ける潤滑性および耐熱性に優れ、し
かも繊維に優れた性能を付与できる繊維処理剤、特に紡
糸直接延伸方式に於ける高速製造工程で高品位の合成繊
維を得ることができる優れた繊維処理剤を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)平滑剤
として多価アルコールと一価カルボン酸のエステルおよ
び/または、多価カルボン酸と一価アルコールのエステ
ルおよび/または、一価アルコールと一価カルボン酸の
エステル、(b)チオエーテル基を有するエステル化合
物、(c)ベンゼン核が1個以上のメチル基およびター
シャリーブチル基で置換されたフェノール系酸化防止
剤、および(d)ホスファイト系酸化防止剤を必須成分
とする組成物からなる繊維処理剤に関する。本発明は、
また上記組成に更に、(e)式Iで表されるセカンダリ
ー-アルカンスルホネート塩
【化3】 〔式中、Mはカリウムまたはナトリウム、R1およびR2
は同一または異なるアルキル基であり両者の炭素数の和
が10〜20である〕0.5〜5.0重量%、および
(f)式IIで表されるホスフェート
【化4】 〔式中、Rは炭素数6〜26のアルキル基、アルケニル
またはアルキルフェニル基、AOは炭素数2〜4のアル
キレンオキシド基、R3はRO(AO)または水素であ
り、mは0または1〜10の整数〕のアミン塩0.5〜
5.0重量%を含有する繊維処理剤に関する。
【0007】上記構成からなる本発明の処理剤を用いる
ことにより、摩擦による糸切れや発煙等の製造トレブル
を発生することなく、捲取速度が2000m/分以上の
高速で生産される糸条に安定に処理剤を付着させること
ができ、特に紡糸直接延伸方式による高品位の熱可塑性
合成繊維を高生産性で製造することが可能となった。
【0008】本発明において使用することのできる
(a)の平滑剤には、一価アルコールとしてラウリルア
ルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、イソトリデシルアルコール、イソステアリルアルコ
ール、イソオクチルドデシルアルコール、イソドデシル
テトラデシルアルコール等、多価アルコールとして、エ
チレングルコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソル
ビタン、ソルビトール、ジペンタエリスリトール等、一
価脂肪酸として、オクチル酸、ペラルゴン酸、デカン
酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、エルカ酸、イソステアリン酸等、多価カルボン酸
として、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸であ
り、これらから得られるエステルの中、分子量が550
以上、1200未満のものが好ましい。このようなエス
テルとして、オレイルエルシネート、イソステアリルエ
ルシネート、イソオクチルドデシルエルシネート、イソ
オクチルドデシルオレエート、1,6-ヘキサンジオール
ジオレエート、ネオペンチルグリコールジイソステアレ
ート、トリメチロールプロパントリラウレート、グリセ
リントリラウレート、ペンタエリスリトールテトラカプ
リネート、ジイソオクチルドデシルマレエート、ジオレ
イルアジペート、ジイソステアリルアゼレート、トリイ
ソステアリルトリメリテート等が例示できる。この中、
特に好ましいエステルは、イソステアリルエルシネー
ト、イソオクチルドデシルエルシネート、ネオペンチル
グリコールジイソステアレート、トリメチロールプロパ
ントリラウレート、ペンタエリスリトールテトラデカネ
ート、ジイソステアリルアゼレートである
【0009】これらのエステルが好ましい理由は分子量
が550未満では延伸工程で発煙を発生し、分子量が1
200以上では、糸−金属間の摩擦が高くなり、繊維の
損傷を招き、繊維の品位を低下させるためである。
【0010】本発明の平滑剤の繊維処理剤中に於ける配
合量は30〜70重量%が好ましい。配合量が30重量
%未満では、糸−金属間の摩擦が高くなり、繊維の損傷
を招く。また、処理剤中の比率が70重量%を越えると
処理剤中の乳化剤成分が少なくなり、集束性不足とな
り、生産性の低下や品位低下となる。より好ましい配合
量は50〜65重量%である。
【0011】(b)のチオエーテル基を有するエステル
化合物としては、チオジプロピオン酸と一価脂肪族アル
コールのエステルおよびアルキルチオプロピオン酸のエ
ステルが好適であり、前者の具体的化合物としては、ジ
ラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプ
ロピオネート、ジオレイルチオジプロピロネート、ジイ
ソトリデシルチオジプロピオネート、ジイソステアリル
チオジプロピオネート等が例示できる。また、後者の具
体例としてはヘキサンジオールジオクタデシルチオプロ
ピオネート、トリメチロールプロパントリドデシルチオ
プロピオネート、グリセリントリドデシルチオプロピオ
ネート、ペンタエリスリトールテトラオクタデシルチオ
プロピオネート等が例示できる。
【0012】これらの化合物の分子量は、500〜15
00が好ましく、より好ましくは550〜1200であ
る。分子量が500未満では、紡糸−延伸工程で高温に
より揮散し、その効果が損なわれる。また分子量が15
00を越えると、糸−金属間の摩擦が高くなり、繊維の
損傷を招く。(b)として特に好ましい化合物はジイソ
ステアリルチオジプロピオネート、トリメチロールプロ
パントリドデシルプロピオネートである。
【0013】繊維処理剤中での(b)の化合物の好まし
い配合量は0.5〜5.0重量%である。使用する比率が
0.5重量%未満では、その効果が十分でなく、高温の
ローラ汚れとなり、糸の損傷を招き、ローラ清掃を頻繁
に行わねばならず、繊維の生産効率の著しい低下とな
る。また使用量が5.0重量%を越えるとローラ汚れが
固着し、強アルカリ等の特殊な洗浄剤が必要となり、作
業性の低下となる。
【0014】(c)のベンセン核が一個以上のメチル基
およびターシャリーブチル基で置換されたフェノール系
酸化防止剤として1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒド
ロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン(例えば、旭電
化社製、「アデカスタブ AO-30」)、1,3,5-ト
リス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベ
ンジル)イソシアヌル酸(例えば、アメリカンサイアナ
ミッド社製、「サイアノックス 1790」)、3,9-
ビス〔1,1-ジ-メチル-2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エ
チル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウ
ンデカン(例えば、住友化学社製、「スミライザー G
A-80」)等が例示できる。このうち特に好ましいも
のは1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-
2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、3,9-ビス
〔1,1-ジ-メチル-2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒドロ
キシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカンである。
【0015】これらの酸化防止剤の分子量は500〜1
500が好ましく、500未満では紡糸−延伸工程で高
温により揮散し、その効果が損なわれ、分子量が150
0を越えると糸−金属間の摩擦が高くなり、繊維の損傷
を招く。
【0016】本発明に用いられるこれらの酸化防止剤
は、耐熱性の優秀さと繊維の保管中での変色がないこと
が特公昭63−3074号公報に記載されている酸化防
止剤と異なる点である。処理剤中に於ける(c)の酸化
防止剤の量は0.1〜3.0重量%が好ましい。配合比率
が0.1重量%未満では耐熱性を向上させるには不十分
であり、3.0重量%を越えると繊維−金属間の摩擦が
高くなり、繊維の損傷を招き好ましくない。
【0017】(d)のホスファイト系酸化防止剤として
はトリス(ノニルフェニル)ホスファイト(例えば、城
北化学社製、「JP-351」)、テトラフェニルジプ
ロピレングリコールジホスファイト(例えば、城北化学
社製、「JPP-100」)、トリラウリルトリチオホ
スファイト(例えば、三光化学社製、「TLTT」)、
ジ-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエリスリト
ールジホスファイト(例えば、旭電化社製、「アデカス
タブ PEP−24G」)を例示することができる。
【0018】ホスファイト系酸化防止剤の分子量は50
0〜1500が好ましく、500未満では、紡糸-延伸
工程で高温により揮散し、その効果が損なわれ、分子量
が1500を越えると、糸−金属間の摩擦が高くなり、
繊維の損傷を招く。
【0019】処理剤中に於ける(d)の酸化防止剤の配
合量は0.1〜3.0重量%が好ましい。配合比率が0.
1重量%未満では、耐熱性を向上させるには不十分であ
り、3重量%を越えると繊維−金属間の摩擦が高くな
り、繊維の損傷を招き好ましくない。
【0020】(e)の式Iで表されるアルカンスルホネ
ート塩の具体例として、「ホスタパー SUS60」
(ヘキスト社製)(セカンダリーアルカンスルホネート
ナトリウム)および「メルソラートH」(バイエル社
製)(セカンダリーアルカンスルホネートナトリウム)
を挙げることができる。処理剤中の(e)の配合量は5
重量%以下であるが、好ましくは0.5〜5.0重量%で
ある。配合比率が0.5重量%未満では耐熱性の向上効
果が不十分であり、5重量%を越えると繊維−金属間の
摩擦が高くなり、繊維の損傷を招き、繊維の品位低下と
なる。
【0021】また他のスルホネート化合物、例えば式I
のアミン塩、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム
塩、ドデシルベンゼンスルホネートナトリウム塩は、耐
熱性の向上効果が不十分である。
【0022】(f)の式IIで表されるホスフェートのア
ミン塩としては、ラウリルアルコール、オレイルアルコ
ール、イソステアリルアルコール等の燐酸エステルのア
ミン塩、またはラウリルアルコール、オレイルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、ノニルフェノールのエ
チレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオ
キシド付加物の燐酸エステルのアミン塩がある。式IIの
Rの炭素数が26を越えると工業的な入手が難しく、ま
た極圧潤滑性に劣り、厳しい製糸条件での繊維の品位を
損なう。mが10を越えると本発明組成物の耐熱性が不
十分となる。
【0023】またアミンは、特に限定しないが、トリイ
ソプロパノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ス
テアリルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリ
ルアミノエチルアミン、エチレンジアミンの酸化エチレ
ン付加物、ラウリルアミンの酸化エチレン付加物等の分
子量150〜1000のアミンが望ましい。分子量が1
50未満では、製糸工程の苛酷な温度により、発煙、臭
気となり、分子量が1000を越えると、ホスフェート
を中和するために多量のアミンを使うことになり耐熱性
の低下となる。
【0024】処理剤中の(f)の化合物の配合量は、式
IIの化合物として5重量%以下であるが、好ましくは
0.5〜5.0重量%である。アミン塩(f)のうち特に
好ましい化合物はオレイルEO(3)ホスフェートラウ
リルジエタノールアミン塩、オレイルホスフェートラウ
リルアミンEO(5)アミン塩、ラウリルホスフェート
トリイソプロパノールアミン塩、オレイルEO(5)ホ
スフェートオクチルアミンEO(5)アミン塩である。
式IIの化合物量が0.5重量%未満では耐熱性を向上さ
せることはできず、5重量%を越えると摩擦の増大とな
り、繊維品質の低下を招き、好ましくない。また式IIの
ナトリウムやカリウム等の金属塩は、経時的に摩擦が増
大し、糸切れが多発する。
【0025】本発明の繊維処理剤は、前記(a)〜
(d)、更に(e)、(f)成分以外に必要に応じて、
例えば、オレイルアルコールのエチレンオキシド10モ
ル付加物、イソステアリルアルコールのエチレンオキシ
ド15モル付加物等のポリオキシエチレンアルキルエー
テル、またグリセリンのエチレンオキシド20モル付加
物のトリラウレート、ソルビタントリラウレートのエチ
レンオキシド25モル付加物、硬化ヒマシ油のエチレン
オキシド20モル付加物等のポリオキシエチレン多価ア
ルコール脂肪酸エステル、ラウリルアルコールのエチレ
ンオキシド20モルとプロピレンオキシド20モルのラ
ンダムまたはブロック付加物、プロピレングリコールの
エチレンオキシド15モルとプロピレンオキシド20モ
ルのランダムまたはブロック付加物等のポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン共重合物、ソルビタントリ
オレエート、ポリグリセリンイソステアレート等の多価
アルコールの脂肪酸部分エステル等の非イオン活性剤、
ポリオキシエチレンラウリルホスフェート、オレイルホ
スフェート等のホスフェートのアルカリ金属塩やアミン
塩が配合される。これらの必要に応じて配合される成分
の配合量は処理剤中60重量%以下である。
【0026】本発明合成繊維処理剤を糸条に付与する際
の形態としては、水に乳化されたエマルジョン形態での
エマルジョン給油、低粘度の鉱物油に溶解したストレー
ト給油、本処理剤を希釈せずにそのまま給油するニート
給油のいずれであるかを問わない。また、給油装置は、
オイリングロール、給油ガイドのいずれの方法でもよ
い。
【0027】以下、本発明の好適な実施態様を記載して
おく。 (イ)(a)がヘキサンジオールジオレエート、グリセ
リントリオレエート、トリメチロールプロパントリラウ
レート、ペンタエリスリトールテトラデカネート等の多
価アルコールと一価脂肪酸のエステル。ジイソステアリ
ルアジペート、ジイソステアリルアゼレート、ジオレイ
ルアジペート等の一価アルコールと多価カルボン酸のエ
ステル。オレイルエルシネート、イソステアリルエルシ
ネート、デシルドデシルイソステアレート、デシルヘキ
サデシルイソステアレート等の一価アルコールと一価脂
肪酸のエステルからなる群より選ばれる1種または2種
以上の混合物である請求項1〜3記載の繊維処理剤。 (ロ)(b)のチオエーテル基を有するエステル化合物
がチオジプロピオン酸の誘導体である請求項1〜3記載
の繊維処理剤。 (ハ)(b)のチオエーテル基を有するエステル化合物
がアルキルチオプロピオン酸の誘導体である請求項1〜
3記載の繊維処理剤。
【0028】(ニ)(b)が、ジイソステアリルチオジ
プロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネート、ト
リメチロールプロパントリドデシルチオプロピオネー
ト、ヘキサンジオールジオクタデシルチオプロピオネー
トからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物
である請求項1〜3記載の繊維処理剤。 (ホ)(b)のチオエーテル基を有するエステル化合物
の重量平均分子量が500以上、1500以下である請
求項1〜3記載の繊維処理剤。 (ヘ)(c)が1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒ
ドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
3,9-ビス〔1,1-ジ-メチル-2-{β-(3-t-ブチル
-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカンである請求項1〜3記載の繊維処理剤。 (ト)(c)のフェノール系酸化防止剤の重量平均分子
量が500以上、1500以下である請求項1〜3記載
の繊維処理剤。
【0029】(チ)(d)がトリス(ノニルフェニル)
ホスファイト、または/およびジ-(2,4-ジ-t-ブチ
ルフェニル)-ペンタエリスリトールジホスファイトで
ある請求項1〜3記載の繊維処理剤。 (リ)(d)のホスファイト系酸化防止剤の重量平均分
子量が500以上、1500以下である請求項1〜3記
載の繊維処理剤。 (ヌ)(e)がセカンダリー-アルカンスルホネートナ
トリウム塩である請求項1〜3記載の繊維処理剤。
【0030】(ル)(f)がオレイルアルコールの酸化
エチレン3モル付加物のホスフェートとラウリルジエタ
ノールアミンとの塩、ラウリルホスフェートトリイソプ
ロパノールアミン塩、イソステアリルアルコールの酸化
エチレン3モル付加物のホスフェートのステアリルジメ
チルアミン塩、オレイルアルコールの酸化エチレン3モ
ル付加物のホスフェートとラウリルアミンの酸化エチレ
ン4モル付加物の塩等からなる群より選ばれる1種また
は2種以上の混合物である請求項1〜3記載の繊維処理
剤。 (オ)熱可塑性合成繊維がエチレンテレフタレートを主
たる構成単位とするポリエステル繊維である請求項5記
載の合成繊維の製造法。 (ワ)熱可塑性繊維が産業資材分野に用いられる繊維で
ある請求項5記載の合成繊維の製造法。
【0031】
【実施例】次に、実施例を挙げて説明する。実施例中各
成分の配合量は特に記載のない限りすべて重量%で表
す。実施例 1〜6、比較例1〜2 表1に示す処方の処理剤を1000デニール、96フィ
ラメント、固有粘度0.93の無給油ポリエチレンテレ
フタレート繊維に定量的に0.7重量%付着させ、温度
25℃、湿度65%の雰囲気に48時間放置、調湿した
後、走糸法摩擦試験機(東レエンジニアリング社製)に
て、250℃の梨地ピンと接触させ、初期荷重500
g、走糸速度200m/分で糸を5時間走行させた。走
行中の摩擦変動および走行後のピンの汚れ程度を評価
し、結果を表1に記載した。
【0032】
【表1】
【0033】〔評価法および評価基準〕 摩擦変動(g):糸を5時間走行させた後の摩擦力
(g)−初期摩擦力(g) ピンの汚れ:糸を5時間走行させた後の梨地クロムピン
の汚れ程度を肉眼で観察し、評価した。 ○:殆ど汚れが無い、△:やや汚れあり、×:明らかな
汚れ
【0034】上記の結果から、本発明処理剤は、耐熱性
が良好で糸−金属間の摩擦の変動がなく、安定した走糸
性が得られ、糸の生産性に有効である。
【0035】実施例7〜12、比較例3〜4 固有粘度0.91のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸し、表2に記載した処理剤の20%エマルジョンを
処理剤として繊維に対し0.6重量%となるように付与
し、一旦捲き取ることなく、240℃のホットローラを
介し、5.4倍に延伸し、1000デニール、96フィ
ラメントのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメ
ントを得た。紡糸延伸性および延伸糸の評価結果を表2
に記載した。
【0036】
【表2】
【0037】〔評価法および評価基準〕 ホットローラ汚れ:糸を生産したときの48時間後のホ
ットローラ汚れを肉眼で観察評価。 延伸時断糸(回/トン):糸を生産したときの糸1トン
当たりの断糸した回数。 延伸糸毛羽(%):延伸糸10kg巻きチーズに存在す
る端面毛羽の欠点チーズの割合
【0038】
【発明の効果】本発明の合成繊維用処理剤は、従来の処
理剤に比べて、繊維製造工程のピンの汚れやホットロー
ラの汚れが少なく、ピンやローラの清掃周期が延長で
き、延伸ときの断糸が少なく、優れた操業性と毛羽の少
ない高品位の延伸糸が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−263361(JP,A) 特開 平7−138814(JP,A) 特開 平4−194077(JP,A) 特開 平5−230050(JP,A) 特開 平3−67641(JP,A) 特開 昭59−211680(JP,A) 特開 平8−120563(JP,A) 特開 平8−199432(JP,A) 特表 平7−504001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/10 D06M 13/224 D06M 13/244 D06M 15/19

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)平滑剤として多価アルコールと一価
    カルボン酸のエステルおよび/または、多価カルボン酸
    と一価アルコールのエステルおよび/または、一価アル
    コールと一価カルボン酸のエステル、(b)チオエーテ
    ル基を有するエステル化合物、(c)ベンゼン核が1個
    以上のメチル基およびターシャリーブチル基で置換され
    たフェノール系酸化防止剤、および(d)ホスファイト
    系酸化防止剤を必須成分とする組成物からなる繊維処理
    剤。
  2. 【請求項2】 (a)を30〜70重量%、(b)を
    0.5〜5.0重量%、(c)を0.1〜3.0重量%およ
    び(d)を0.1〜3.0重量%含んでなる請求項1記載
    の繊維処理剤。
  3. 【請求項3】 (e)式Iで表されるセカンダリー-アル
    カンスルホネート塩 【化1】 〔式中、Mはカリウムまたはナトリウム、R1およびR2
    は同一または異なるアルキル基であり両者の炭素数の和
    が10〜20である〕0.5〜5.0重量%、および
    (f)式IIで表されるホスフェート 【化2】 〔式中、Rは炭素数6〜26のアルキル基、アルケニル
    またはアルキルフェニル基、AOは炭素数2〜4のアル
    キレンオキシド基、R3はRO(AO)または水素であ
    り、mは0または1〜10の整数〕のアミン塩0.5〜
    5.0重量%を更に含有する請求項1または2記載の繊
    維処理剤。
  4. 【請求項4】 (a)平滑剤がイソステアリルエルシネ
    ートで60重量%、(b)チオエーテル基を有する化合
    物がジイソステアリルチオジプロピオネートで、3.0
    重量%、(c)フェノール系酸化防止剤が1,3,5-ト
    リス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベ
    ンジル)イソシアヌル酸で、1.0重量%、(d)ホス
    ファイト系酸化防止剤がトリスノニルフェニルホスファ
    イトで、1.0重量%、(e)ドデカンスルホネートナ
    トリウム2.0重量%、および(f)オレイルアルコー
    ルのエチレンオキシド3モル付加物のホスフェートラウ
    リルジエタノールアミン1.0重量%を含む請求項1、
    2または3記載の繊維処理剤。
  5. 【請求項5】 熱可塑性合成繊維を紡糸直接延伸方式で
    製造するに際し、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維
    処理剤を繊維に付与することを特徴とする合成繊維の製
    造法。
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