明 細 書
繊維処理用油剤
技術分野
[0001] 本発明は、繊維用油剤に関し、さらに詳しくはポリウレタン弾性繊維製造時において
、繊維間の膠着性が少なぐ解舒性に優れたポリウレタン弾性繊維を得るために、紡 糸工程で使用される繊維処理用油剤に関する。
背景技術
[0002] 従来より、ポリウレタン弾性繊維の製造方法としては、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡 糸などがあるが、いずれの方法でも繊維同士の膠着性が大きいため、後加工工程で の解舒'性の悪さが問題となっている。
また近年、弾性繊維を生産する上で、従来よりも解舒速度を上げることにより生産性 を向上させるニーズが高まっている。特に、経編用途には整経工程時に高速解舒性 が求められている。解舒性が悪いと整経時に糸切れなどを引き起こし、生産性を著し く落とすこと〖こなる。このため、ポリウレタン性弾性繊維用油剤において、これらの課 題を解決することが可能な弾性繊維用油剤の開発が急務となっている。
[0003] 弾性繊維生産時の紡糸工程に用いる繊維処理用油剤として、該油剤に膠着防止剤 を添加した油剤が提案されて 、る。この膠着防止剤として固体の金属石鹼を懸濁さ せた繊維処理用油剤(特許文献 1、 2)、ポリエーテル変性シリコーンを配合した繊維 処理用油剤 (特許文献 3〜5)、シリコーン榭脂を配合した繊維処理用油剤 (特許文 献 6〜7)などが提案されて!、る。
[0004] しかしながら特許文献 1〜2で提案されている油剤では、このような固体成分は経日 で油剤中で凝集 ·沈降するなど分散安定性が悪いため、油剤を使用する際、糸への 均一付着が困難になり十分な膠着防止性が発揮できず、後加工工程において張力 変動などが原因で糸切れなどが起こる問題がある。
また、特許文献 3〜7で提案された油剤では、得られる油剤が均一透明であり、経日 での油剤安定性は良いが、十分な膠着防止効果が得られず、また十分な膠着防止 効果を得るためには、膠着防止剤の添加量を増加させなければならないため、油剤
の粘度が増力 tlし糸への均一付着性が不十分になること、また使用するシリコーン系 膠着防止剤が高価であるといった問題がある。
[0005] 特許文献 1:特公昭 41 286号公報
特許文献 2:特公昭 40 - 5557号公報
特許文献 3:特公昭 61— 459号公報
特許文献 4:特開平 2— 127569号公報
特許文献 5 :特開平 6—41873号公報
特許文献 6:特公昭 63 - 12197号公報
特許文献 7:特開平 8 - 74179号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 従って、本発明の目的とするところは、繊維を製造する際に繊維同士の膠着防止性 に優れる繊維用油剤を提供することにある。また、繊維用油剤の経日安定性を高め、 使用時において膠着防止剤が凝集 ·沈降する問題、糸への付着ムラの問題などが無 ぐ繊維の安定な生産を可能にする繊維用油剤を提供することである。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者らは上記の繊維処理用油剤を得るべく鋭意検討した結果、該繊維処理用 油剤で繊維材料力もなるシートを処理した後の、シート表面の 25°Cにおける水の接 触角が 70〜180° となるように該油剤を調製することにより上記問題点を解決できる ことを見いだし、本発明に到達した。
[0008] すなわち本発明は、高分子材料 (a)からなる繊維に用いる繊維処理用油剤であって 、該 (a)のシート表面の 25°Cにおける水の接触角が 60° 以下であり、該繊維処理用 油剤を該 (a)のシート表面に塗布した後のシート表面の 25°Cにおける水の接触角が 70° 〜180° であることを特徴とする繊維処理用油剤;該繊維処理用油剤を、紡糸 工程で弾性繊維に対して 0. 1〜12質量%付与し、必要により精練することからなる 弾性繊維の処理方法;並びに上記の処理方法により処理されてなる弾性繊維である
[0009] 本発明において、高分子材料 (a)としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ナイロンなど、分子内に極性の高い基 (例えば、アミド基、エステル基 、ウレァ基、ウレタン基など)を有する高分子材料が挙げられる。
これら(a)のシート表面の 25°Cにおける接触角の上限は 60° 以下であり、巿場で入 手できる材料という観点から下限は 10° 以上である。
[0010] (a)カゝらなる繊維としては、例えば、ポリウレタン弾性繊維、ポリエステル弾性繊維、ポ リアミド弹性繊維、ポリカーボネート弾性繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などが 挙げられる。これらの内で好ましくは、ポリウレタン弾性繊維、ポリエステル弾性繊維、 ポリアミド弾性繊維、ポリカーボネート弾性繊維などの弾性繊維であり、さらに好ましく はポリウレタン弾性繊維、ポリアミド弾性繊維、特に好ましくはポリウレタン弾性繊維で ある。
本発明の繊維処理用油剤を適用できる弾性繊維の維度は、特に限定されないが、 通常 10〜2500デシテックス(dtx)、好ましくは l l〜1870dtxである。
[0011] 本発明に用いられる繊維処理用油剤としては、前記高分子材料 (a)のシート表面に 塗布した後の、シート表面の 25°Cにおける水の接触角(° )が 70〜180であり、繊維 間の膠着防止性および解舒性の観点から、好ましくは 75〜120、特に好ましくは 75
〜: LOOとなる繊維処理用油剤である。
[0012] 本発明にお 、て、接触角は次の方法によって測定した値である。
[接触角測定方法]
(1)測定用シートの作製
20cm X 25cmの表面平滑なガラス板の周囲に、幅 lcm、厚さ 0. 1cmのボール紙製 の外枠を両面テープなどで貼り付け、中心部のくぼみ部(18cm X 23cm、深さ 0. lc m、体積約 41cm3)に、該繊維に用いる榭脂の 40質量0 /0溶液 (例えば、ジメチルホ ルムアミド (DMF)溶液など) 100部を静かに流し込み、全体が均一になる様に広げ る。水平になる様に静置し、室温 (約 20°C)下で 24時間自然乾燥させた後、さらに 60 °Cに温調した減圧乾燥機内で 2時間乾燥させる (圧力約 6kPa)。乾燥後、室温 (約 2 0°C)で 24時間放置した後、カッターなどを用いて 6cm X 3cmの大きさに切り取り、ガ ラス板力も静かに剥がすことにより高分子材料 (a)の測定用シート (al)を得ることが できる。
次に、上記の方法により得られる測定用シート上に本発明の繊維処理用油剤 10 1 を滴下し別の測定用シートで挟んで全体に塗り広げた後、ガラス板に挟み圧力 20g Zcm2となるように圧力をかけ、そのまま循風乾燥機中、 70°Cで 1時間温調する。そ の後、重ね合わせた 2枚のシートを剥がして測定用シート (a2)とする。
(2)接触角の測定
上記(al) (例えば、厚さ約 200 m、 6cm X 3cm)を、温度 25°C、相対湿度 65%の 条件下で該シートを 3時間温調した後、本条件下で自動接触角測定機 (協和界面科 学 (株)社製、「CA— Z型」)を用いて、測定用シート表面に水を付着させた直後の接 触角を測定する。(a2)についても、同様の手順で測定する。
[0013] 本発明における繊維用油剤としては、シリコーンオイル (A1)および炭化水素系潤滑 油 (A2)力もなる群より選ばれるベースオイル (A)、膠着防止剤(B)、並びに界面活 性剤 (C)力もなることが、膠着防止性の観点力も好ま U、。
シリコーンオイル (A1)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの一 部が炭素数 2〜20のアルキル基および Zまたはフエ-ル基で置換されたものなどが 使用できる。
炭化水素系潤滑油 (A2)としては、鉱物油およびその精製油、水添油、分解油など が使用できる。
これらのうち好ましいものは、 25°Cにおける粘度が l〜1000mm2Zsのベースオイル である。さらに好ましくは 2〜500mm2Zs、特に好ましくは 3〜200mm2Zsのベース オイルである。
[0014] (A)としては、 (Al)、 (A2)それぞれ単独でもよ!/、し、混合物であってもよ!/、。好まし くは (A2)単独、および (A1)と (A2)の混合物であり、さらに好ましくは (A1)と (A2) の混合物である。混合物の場合、(A1) + (A2)の合計質量に基づいて、(A1)の含 有量 (質量%)は 5〜80が好ましぐさらに好ましくは 10〜70、特に好ましくは 20〜5 0である。
[0015] 膠着防止剤(B)としては、分子内に少なくとも 1つのカルボキシル基および Zまたは カルボキシレート基を有する化合物が挙げられる。
これら化合物としては、高級脂肪酸 (塩)(B1)、カルボキシル基および Zまたはカル
ボキシレート基含有ポリマー(B2)が挙げられる。
[0016] (B1)における高級脂肪酸としては、通常、炭素数 5〜40、好ましくは炭素数 6〜30、 さらに好ましくは炭素数 8〜24、より好ましくは炭素数 12〜24、特に好ましくは炭素 数 16〜22の飽和または不飽和の高級脂肪酸が挙げられる。高級脂肪酸の具体例と しては、例えば、 n—吉草酸、 iso—吉草酸、オクタン酸、カプロン酸、力プリル酸、力 プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベ ヘン酸、ォレイン酸、エライジン酸、エル力酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレイン酸 などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン 酸、およびべヘン酸であり、特に好ましいのはステアリン酸である。これらの脂肪酸は 単独で使用してもょ 、し、 2種以上を混合して使用してもょ 、。
[0017] (B1)において、カルボキシル基は金属塩となっていても良ぐ金属塩を形成する金 属として好ましいものは、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土 類金属(バリウム、カルシウム、マグネシウムなど)、 ΠΒ族金属(例えば、亜鉛など)、 遷移金属(ニッケル、鉄、銅、マンガン、コバルト、銀、金、白金、パラジウム、チタン、 ジルコニウム、カドミウムなど)、 ΙΠΒ族金属(例えば、アルミニウム塩など)、 IVB族金 属 (錫、鉛など)、およびランタノイド金属 (ランタン、セリウムなど)などが挙げられ、さら に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属、および ΠΙΒ族金属、特に好ましい のはアルカリ土類金属であり、中でもマグネシウムが好まし!/、。
[0018] (B1)の高級脂肪酸塩の具体例としては、例えば、ラウリン酸リチウム塩、ラウリン酸ナ トリウム塩、ラウリン酸カリウム塩;ミリスチン酸リチウム塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、ミリ スチン酸カリウム塩;パルミチン酸リチウム塩、パルミチン酸ナトリウム塩、パルミチン酸 カリウム塩、ステアリン酸リチウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸カリウム塩 ;イソステアリン酸リチウム塩、イソステアリン酸ナトリウム塩、イソステアリン酸カリウム塩 ;べヘン酸リチウム塩、ベヘン酸ナトリウム塩、ベヘン酸カリウム塩;ジラウリン酸マグネ シゥム塩、ジラウリン酸カルシウム塩、ジラウリン酸バリウム塩;ジミリスチン酸マグネシ ゥム塩、ジミリスチン酸カルシウム塩、ジミリスチン酸酸バリウム塩;ジパルミチン酸マグ ネシゥム塩、ジパルミチン酸カルシウム塩、ジパルミチン酸バリウム塩;ジステアリン酸 マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩、ジステアリン酸バリウム塩;ジイソステア
リン酸マグネシウム塩、ジイソステアリン酸カルシウム塩、ジイソステアリン酸バリウム塩 ;ジべヘン酸マグネシウム塩、ジべヘン酸カルシウム塩、ジべヘン酸バリウム塩;パル ミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸カルシウム塩、パルミ チン酸ステアリン酸バリウム塩などが挙げられる。このうち特に好ましいものはステアリ ン酸のアルカリ土類金属塩であり、最も好ま Uヽのはジステアリン酸マグネシウム塩で ある。なお、市販のジステアリン酸マグネシウム塩などは、一部未反応の水酸化ステ アリン酸マグネシウム塩が不純物として混じっている力 差し支えない。
[0019] 前記高級脂肪酸又はその金属塩である高級脂肪酸 (塩)(B1)は、単独で使用しても よいし、 2種以上を混合して使用してもよい。
[0020] カルボキシル基および Zまたはカルボキシレート基含有ポリマー(B2)としては、分子 内に少なくとも 1つのカルボキシル基および Zまたはカルボキシレート基を有するモノ マー (X)と必要によりその他のモノマー (Y)を (共)重合して得られるポリマー(B2— 1 )、ポリマーの分子内にカルボキシル基および Zまたはカルボキシレート基を導入し て得られるポリマー(B2— 2)等が挙げられる。
[0021] 上記モノマー (X)としては、例えば、不飽和モノカルボン酸 [例えば、(メタ)アクリル酸 、ビニル安息香酸、ァリル酢酸など]、不飽和ジカルボン酸およびそれらの無水物 [例 えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)ィタコン酸、(無水)シトラコン酸など]並 びにこれらの金属塩が挙げられる。
これらの中で好ましいのは、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水) ィタコン酸およびこれらの金属塩であり、より好ましくは (メタ)アクリル酸、(無水)マレ イン酸およびこれらの金属塩である。
[0022] モノマー(X)と共重合可能なその他のモノマー(Y)としては、以下の水溶性不飽和 モノマー(Y1)、水不溶性不飽和モノマー(Y2)が挙げられる。
水溶性不飽和モノマー (Y1)としては、ノ-オン性モノマー (Y1 - 1)、カチオン性モノ マー(Y1— 2)、モノマー(X)以外のァ-オン性モノマー(Y1— 3)が挙げられる。 (Y1— 1)としては、
(Yl - la); (メタ)アタリレート誘導体 [ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、ジェチレン グリコールモノ (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコール(重合度 3〜50)モノ (メタ)ァ
タリレート、ポリグリセロール(重合度 1〜10)モノ (メタ)アタリレート、 2—シァノエチル( メタ)アタリレートなど]、
(Yl - lb); (メタ)アクリルアミド誘導体 [ (メタ)アクリルアミド、 N メチル (メタ)アタリ ルアミド、 N—イソプロピル (メタ)アクリルアミド、 N—メチロール (メタ)アクリルアミドな ど]、
(Yl - lc);上記以外の窒素原子含有ビュルモノマー [アクリロニトリル、 N—ビュル ホルムアミド、 N ビュル一 2—ピロリドン、ビュルイミダゾール、 N ビ-ルスクシンィ ミド、 N ビニルカルバゾールなど]など、およびこれらの混合物等が挙げられる。
[0023] (Y1— 2)としては、
(Yl - 2a);窒素原子含有 (メタ)アタリレート誘導体 [N, N ジメチルアミノエチル (メ タ)アタリレート、 N, N ジメチルァミノプロピル (メタ)アタリレート、 N, N ジェチル アミノエチル (メタ)アタリレート、 N, N ジェチルァミノプロピル (メタ)アタリレート、 N —モルホリノエチル (メタ)アタリレートなど]、
(Yl - 2b);窒素原子含有 (メタ)アクリルアミド誘導体 [N, N ジメチルアミノエチル( メタ)アクリルアミドなど]、
(Yl - 2c);ァミノ基を有するビ-ルイ匕合物 [ビュルァミン、ビュルァ-リン、(メタ)ァリ ノレアミン、 p アミノスチレンなど]、
(Y1— 2d) ;ァミンイミド基を有する化合物 [1, 1, 1—トリメチルァミン (メタ)アクリルィ ミド、 1, 1—ジメチル— 1—ェチルァミン (メタ)アクリルイミド、 1, 1—ジメチル— 1— (2 ,—フエ-ル— 2,—ヒドロキシェチル)ァミン (メタ)アクリルイミド、 1, 1, 1—トリメチル ァミン (メタ)アクリルイミドなど]、
(Y1— 2e);上記以外の窒素原子含有ビュルモノマー [2 ビュルピリジン、 3 ビ- ルビペリジン、ビュルピラジン、ビュルモルホリンなど]などとその塩(例えば、塩酸塩、 硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびべンジルクロラ イド塩など)、及びこれらの混合物等が挙げられる。
[0024] (Y1— 3)としては、
(Y1 3a);不飽和スルホン酸〔炭素数 2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸 (ビニルス ルホン酸など)、炭素数 6〜20の芳香族不飽和スルホン酸 (スチレンスルホン酸など)
、スルホン酸基含有 (メタ)アタリレート [スルホアルキル (炭素数 2〜20) (メタ)アタリレ ート [2— (メタ)アタリロイルォキシエタンスルホン酸、 2— (メタ)アタリロイルォキシプロ パンスルホン酸、 3— (メタ)アタリロイルォキシプロパンスルホン酸、 2— (メタ)アタリ口 ィルォキシブタンスルホン酸、 4 (メタ)アタリロイルォキシブタンスルホン酸、 2—(メ タ)アタリロイルォキシ一 2, 2—ジメチルエタンスルホン酸、 p— (メタ)アタリロイルォキ シメチルベンゼンスルホン酸など]、スルホン酸基含有 (メタ)アクリルアミド [2— (メタ) アタリロイルアミノエタンスルホン酸、 2— (メタ)アタリロイルァミノプロパンスルホン酸、 3- (メタ)アタリロイルァミノプロパンスルホン酸、 2— (メタ)アタリロイルァミノブタンス ルホン酸、 4— (メタ)アタリロイルァミノブタンスルホン酸、 2— (メタ)アタリロイルァミノ - 2, 2—ジメチルエタンスルホン酸、 p— (メタ)アタリロイルァミノメチルベンゼンスル ホン酸など]、アルキル(炭素数 1〜20) (メタ)ァリルスルホコハク酸エステル [メチル( メタ)ァリルスルホコハク酸エステルなど]など〕、
(Yl - 3b); (メタ)アタリロイルポリオキシアルキレン (炭素数 1〜6)硫酸エステル [ (メ タ)アタリロイルポリオキシエチレン (重合度 2〜50)硫酸エステルなど]などとこれらの 塩 [アルカリ金属塩 (リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属塩 (マグネ シゥム、カルシウムなど)、アンモ-ゥム塩およびアミン(炭素数 1〜20)塩など]、およ びこれらの混合物が挙げられる。
水不溶性不飽和モノマー(Y2)としては、
(Y2- 1);炭素数 4〜23の (メタ)アタリレート [炭素数 1〜20の脂肪族および脂環式 アルコールの(メタ)アタリレート、例えば、メチル (メタ)アタリレート、ェチル (メタ)アタリ レート、ブチル (メタ)アタリレート、ラウリル (メタ)アタリレート、ォクタデシル (メタ)アタリ レート、シクロへキシル (メタ)アタリレート、炭素数 4〜20のエポキシ基含有 (メタ)ァク リレート{例えば、グリシジル (メタ)アタリレートなど }など]、
(Y2- 2);ポリプロピレングリコール(重合度 2〜50) [モノアルキル(炭素数 1〜20)、 モノシクロアルキル(炭素数 3〜 12)もしくはモノフエ-ルエーテル]不飽和カルボン酸 モノエステル〔モノオールまたはジオールのプロピレンォキシド(以下 POと略記)付カロ 物、例えばモノオール (炭素数 1〜20) PO付加物の(メタ)アクリル酸エステル [ ω—メ トキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アタリレート、 ω—エトキシポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アタリレート、 ω—プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)ァク リレート、 ω—ブトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アタリレート、 ω—シクロへキ シルポリプロピレングリコールモノ(メタ)アタリレート、 ω—フエノキシポリプロピレングリ コールモノ(メタ)アタリレートなど]、ジオール(炭素数 1〜20) ΡΟ付加物の(メタ)ァク リル酸エステル [ ω—ヒドロキシェチル(ポリ)ォキシプロピレンモノ(メタ)アタリレートな ど]など〕、
(Υ2- 3);炭素数 2〜30の不飽和炭化水素モノマー [炭素数 2〜30のォレフィン {例 えば、エチレン、プロピレン、炭素数 4〜30 (好ましくは 4〜12、さらに好ましくは 4〜1 0)の α ォレフィン(例えば、 1—ブテン、 4—メチル 1—ペンテン、 1—ペンテン、 1 —オタテン、 1—デセン、 1—ドデセンなど)など }、炭素数 4〜30 (好ましくは 4〜18、 さらに好ましくは 4〜8)のジェン {例えば、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジェン 、 11ードデカジエンなど }、炭素数 8〜30のァリール基を有するォレフィン {例えば、 スチレン、 1ーメチノレスチレンなど }など]、
(Υ2-4);不飽和アルコール [ビニルアルコール、(メタ)ァリルアルコール]の炭素数 2〜20のカルボン酸エステル(例えば、酢酸ビュルなど)など、
(Υ2- 5);ハロゲン含有モノマー(例えば、塩ィ匕ビュル)など、およびこれらの混合物 が挙げられる。
[0026] 上記その他のモノマー (Υ)の中で好ましいのは、前記 (X)と共重合し易い点、ベース オイル (Α)との親和性の観点から、(Y1— 1)、(Υ2— 1)、(Υ2— 2)、(Υ2 3)であ り、さらに好ましくは (Υ2— 1)、(Υ2— 3)、特に好ましくは (Υ2— 3)、最も好ましくは( Υ2— 3)の内の炭素数 2〜30のォレフィンである。
また、これらのモノマー (Υ)は、任意に混合して (X)と共重合することができる。
[0027] 上記(Β2— 1)中のモノマー(X)の割合(モル0 /0)は、モノマー(X)、 (Υ)の全モル数
【こ対して、通常 10〜100、好ましく ίま 20〜80、さら【こ好ましく ίま 30〜70である。
[0028] (B2- 1)の製造方法としては、公知のラジカル重合、ァ-オン重合、カチオン重合な どが利用できる。例えば、上記モノマー (Χ)、必要によりその他のモノマー (Υ)を用い
、重合触媒、必要により重合溶媒 (例えば、有機溶媒、水等)および連鎖移動剤など を用いて重合することにより製造することができる。
重合触媒としては、公知のものが使用でき、ラジカル重合触媒としては、例えば、ジタ 一シャルブチルパーオキサイド、過酸化べンゾィル、デカノィルパーオキサイド、ドデ カノィルパーオキサイド、過酸ィ匕水素— Fe2+塩およびァゾィ匕合物が挙げられる。 カチオン重合触媒としては、プロトン酸 (例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸など)、ルイ ス酸 (例えば、三フッ化ホウ素、塩ィ匕アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズなど)な どが挙げられ、ァ-オン重合触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、ナトリ ゥムメトキサイド、ブチルリチウム、ピリジン、 Ziegler触媒および Ziegler— Natta触媒 (例えば、(C H ) Al-TiClなど)などが挙げられる。
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[0029] (B2- 2)としては、ポリオレフイン(aO)を変性してカルボキシル基および Zまたは力 ルポキシレート基を導入したものが挙げられ、カルボキシル基および zまたはカルボ キシレート基は (aO)に直接結合していても有機基を介して結合していてもよぐ 1次 変性ポリオレフイン (al)および高次変性(2次変性、 3次変性など)ポリオレフイン (all) が含まれる。
[0030] (aO)には炭素数 2〜30 (好ましくは 2〜12、さらに好ましくは 2〜: LO)のォレフインま たはジェンの 1種もしくは 2種以上の混合物の(共)重合によって得られるポリオレフィ ン (重合法)、および、高分子量ポリオレフインの熱減成法によって得られる低分子量 ポリオレフイン (熱減成法)が使用できる。
炭素数 2〜30のォレフィンまたはジェンとしては、前記例示したものが使用でき、これ らのうち、エチレン、プロピレン、炭素数 4〜12の α—ォレフイン、ブタジエンおよびィ ソプレンが好ましぐさらに好ましくはエチレン、プロピレン、炭素数 4〜8の aーォレフ インおよびブタジエン、特に好ましくはエチレン、プロピレンおよびブタジエンである。
[0031] 高分子量ポリオレフインとしては、炭素数 2〜30 (好ましくは 2〜12、さらに好ましくは 2〜10)のォレフインの 1種または 2種以上の混合物の(共)重合体などが使用できる 。炭素数 2〜30のォレフィンは、上記と同じものが使用でき、これらのうち、エチレン、 プロピレンおよび炭素数 4〜12の aーォレフインが好ましぐ特に好ましくはプロピレ ンおよびエチレンである。
[0032] 熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフインは、例えば、特開平 3— 62804号 公報記載の方法などにより容易に得ることができる。重合法によって得られるポリオレ
フィンは公知の方法で製造でき、例えば、ラジカル重合触媒、金属酸化物触媒、 Zie gler触媒および Ziegler— Natta触媒存在下で (共)重合反応させる方法などにより 容易に得ることができる。ラジカル重合触媒としては、公知のものが使用でき、例えば 、前記の物が挙げられる。金属酸化物触媒としては、シリカ アルミナ担体に酸化ク ロムを付着させたものなどが挙げられる。 Ziegler触媒および Ziegler— Natta触媒と しては、前記の物などが挙げられる。
[0033] (aO)の数平均分子量(Mn)は、 800〜20, 000力好ましく、さらに好ましくは 1 , 000 〜10, 000、とくに好ましくは 1 , 200〜6, 000である。 Mn力 ^この範囲であると膠着 防止性および油剤の粘度の観点力 より好ましい。なお、(a0)、 (al)および (all)の Mnは、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー法により、下記の測定装置および測 定条件で測定される。
測定装置(Waters製 150C—V、カラム: PLgel MIXED— B、検出: RI) 測定条件 溶媒: o ジクロ口ベンゼン (以下 DCBと略記)、
インジェクション量: 100 μ 1、
温度: 135°C、
流速: lmlZ分、
校正曲線:ポリスチレン
[0034] 一次変性ポリオレフイン (al)としては、以下の方法によって得られる物が挙げられる。
( 1) (aO)を直接酸ィ匕して得られるもの。
(2) (aO)をヒドロホルミル化し、次いで酸化して得られるもの。
(3) (aO)を a , 13 不飽和カルボン酸(無水物) [ α , j8—不飽和カルボン酸および Zまたはその無水物。以下同様の表現で記載する。 ]で変性したもの。
(4) (aO)をヒドロホウ素化し、次いで酸ィ匕し、更に α , β 不飽和カルボン酸 (無水 物)で変性したもの。
また、高次変性(二次変性,三次変性など)ポリオレフイン (all)としては、例えば上記 ( 1)〜 (4)で得られた一次変性ポリオレフインを、ラタタムもしくはアミノカルボン酸、お よび Zまたは、ラタトンもしくはヒドロキシカルボン酸で更に変性したもの、並びにこれ らの 2種以上の混合物が挙げられる。
[0035] (1)の直接酸ィ匕は、酸素および Zまたはオゾンによる酸化、例えば、 J. Org. Chem . 42卷、 3749頁(1977)、米国特許第 3, 692, 877号明細書に記載の方法で行う ことができ、カルボキシル基が(aO)に直接結合している変性ポリオレフインが得られ る。
(2)の反応は、ォキソ合成 (コバルトカルボニル触媒の存在下に一酸ィ匕炭素および 水素を反応させる)によりヒドロホルミルイ匕し次いで酸ィ匕する方法、例えば、 Tetrahed ron Lett. 1979年、 399頁記載の方法で行うことができ、カルボキシル基が(aO)に 直接結合して 、る変性ポリオレフインが得られる。
(3)の a , j8—不飽和カルボン酸 (無水物)による変性は、(aO)の末端二重結合に、 溶液法または溶融法の何れかの方法で、 a , j8—不飽和カルボン酸および Zまたは その無水物を熱的に付加(ェン反応)させることにより行うことができる。(aO)に α , β —不飽和カルボン酸 (無水物)を反応させる温度は、通常 170〜230°Cである。 (aO) の末端に付加した α , β—不飽和カルボン酸 (無水物)は、 1個でもよいし、 2個以上 グラフト重合していてもよい。
(4)の(aO)をヒドロホウ素化および酸化し更に ex , β 不飽和カルボン酸(無水物) で変性する反応は、例えば、 Macromolecules、 32卷 2525頁(1999年)記載の方 法で行うことができる。(aO)の末端にエーテル酸素原子 1個を介して結合した α , β 不飽和カルボン酸 (無水物)は 1個でもよいし、 2個以上グラフト重合していてもよい
[0036] 上記(3)および (4)の変性に用いられる a , j8—不飽和カルボン酸 (無水物)として は、前記のモノマー(X)と同様のものが使用でき、これらのうち好ましいものはフマル 酸およびとくに(無水)マレイン酸である。
変性に使用する ex , β 不飽和カルボン酸 (無水物)の量 (質量%)は、(aO)の質量 に基づき通常 0. 5〜40、好ましくは 1〜30である。 a , j8—力ルボン酸(無水物)の 付加分子数は、(aO)の末端二重結合 1個あたり、通常 1〜10個、好ましくは 1〜8個 である。
[0037] 上記の高次変性に用いるラタタムとしては、炭素数 6〜12のラタタム、例えば力プロラ クタム、ェナントラクタム、ラウ口ラタタム、ゥンデカノラクタム;アミノカルボン酸としては
、炭素数 2〜 12のアミノカルボン酸、例えばグリシン、ァラニン、ノ リン、ロイシン、イソ ロイシン、フエ-ルァラニンなどのアミノ酸、 ω—アミノカプロン酸、 ω—アミノエナント 酸、 ω—アミノカプリル酸、 ω—ァミノペラルゴン酸、 ω—アミノカプリン酸、 11—ァミノ ゥンデカン酸、 12-アミノドデカン酸;ラタトンとしては上記ラタタムに相当するラタトン (力プロラタトンなど);ヒドロキシカルボン酸としては、炭素数 2〜 12の脂肪族ヒドロキ シカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、 ω—ォキシカプロン酸、 ω—ォキシェナ ント酸、 ω—ォキシ力プリル酸、 ω—ォキシペラルゴン酸、 ω—ォキシ力プリン酸、 11 —ォキシゥンデカン酸、 12—ォキシドデカン酸が挙げられる。
これらうち好まし 、のは、炭素数 6〜8のラタタムおよび炭素数 8〜 12のァミノカルボン 酸、とくに力プロラタタムおよび 12—アミノドデカン酸である。高次変性に用いるラクタ ムもしくはアミノカルボン酸、および Ζまたは、ラタトンもしくはヒドロキシカルボン酸の 使用量(モル当量)は、一次変性ポリオレフインのカルボキシル基のモル数に対して、 好ましくは 1〜10またはそれ以上、より好ましくは 1 (等モル)である。
[0038] (Β2— 2)の酸価(mgKOHZg)は、通常 1〜500、好ましくは 50〜400、特に好まし くは 100〜350である。繊維との付着性の観点から、酸価がこの範囲であると好まし い。
[0039] (aO)以外の上記 (B2)の数平均分子量は、油剤の粘度の観点から、好ましくは 800 〜30, 000、より好まし <は 1, 000〜15, 000、特に好まし <は 1, 500〜7, 000であ る。
[0040] 前記カルボキシル基および Zまたはカルボキシレート基含有ポリマー(B2)は単独で 使用してもよいし、 2種以上を混合して使用してもよい。
また、(B)としては、(B1)と(B2)を併用して用いても良い。上記 (B)としては、ステア リン酸のアル力リ土類金属塩が好ましく、ステアリン酸マグネシウム塩がより好まし 、。
[0041] (B)の体積平均粒子径 (nm)は、特に限定されな!ヽが、ノズル給油方式での繊維の 生産安定性、繊維処理用油剤の経日安定性の観点から、好ましくは 1〜2, 000、さ らに好ましくは 5〜300、特に好ましくは 10〜: L00である。
体積平均粒子径は、動的光散乱法 {界面活性剤評価,試験法(日本油化学会)、 21 2頁 (2002) }、 X線小角散乱法等で測定するが、本発明における体積平均粒子径
は動的光散乱法で測定した値である。
[0042] 本発明にお 、て界面活性剤 (C)は膠着防止剤 (B1)を除く界面活性剤であって、溶 解度パラメーター(以下、 SP値と略す)が、好ましくは 7〜: LO. 5、さらに好ましくは 7. 5〜10、特〖こ好ましくは 8〜9. 5のものである。これらの範囲であると、ベースオイル( A)、および膠着防止剤 (B)との相溶性が良くなり、繊維処理用油剤の経日安定性が 向上する。
[0043] ここで SP値とは、下記に示したように凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で 表される。
[SP値] = (AEZV) 1/2
式中、 ΔΕは凝集エネルギー密度を、 Vは分子容を表す。その値は、ロバート エフ. フェドールス(Robert F. Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー ェンジ- ァリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第 14卷、 147 〜 154頁(1974)に記載されている。
[0044] (C)は、膠着防止剤 (B1)を除くァ-オン界面活性剤 (C1)及びカチオン界面活性剤
(C2)力もなる群より選ばれる少なくとも 1種以上である。
[0045] ァ-オン界面活性剤(C1)としては、スルホン酸 (塩)(C1 1)、カルボン酸 (塩)(C1
2)、硫酸エステル (塩)(C1 3)、燐酸エステル (塩)(C1 4)が挙げられる。
[0046] スルホン酸(塩)(C1 1)としては、炭素数 1〜24のアルコールのスルホコハク酸(モ 入ジ)エステル(塩)(C1— 1A)、炭素数 8〜24の α—ォレフインのスルホン酸化物 ( 塩)(C1 1B)、炭素数 8〜 14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸( 塩) (C1 1C)、石油スルホネート(塩) (CI— 1D)が挙げられる。尚、 (C1 1A)ゝ ( CI— 1B)を構成する疎水基は、天然物由来のものでもよいし、合成されたものでもど ちらでもよい。これらのうち好ましいものは、下記一般式(1)で表される(C1 1A)で ある。
[0047] [化 1]
R'-O- (AO) m-OCCH2
I
R2_0— (AO) n-OCCH-S03M (1)
[0048] 式中、
R
2は、それぞれ独立に炭素数 1〜24のアルキル基、炭素数 2〜24のアル ケ-ル基を表す。 Aは炭素数 2〜4のアルキレン基を表す。 Mは水素原子、アルカリ 金属原子、アンモ-ゥムまたはアルカノールァミンを表す。 m、 nおよび m+nは、それ ぞれ独立に 0または 1〜 10の整数を表す。
R2の炭素数 1〜24のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐメ チル基、ェチル基、 n—又は i プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へ プチル基、ォクチル基、ノエル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、トリデシル 基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシ ル基、ノナデシル基、エイコシル基、へキコシル基、ドコシル基、 2—ェチルデシル基 などが挙げられる。
R\ R2の炭素数 2〜24のァルケ-ル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐ n—又は i プロべ-ル基、へキセ-ル基、ヘプテュル基、オタテュル基、デセ -ル基 、ゥンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、へキサデセ -ル基、ヘプタデセ-ル基、ォクタデセ-ル基、ノナデセ-ル基、 2 ェチルデセ- ル基などが挙げられる。
R2のうち好ましいものは炭素数 3〜24のアルキル基であり、更に好ましいものは 炭素数 5〜 18のアルキル基、特に好まし!/、ものは炭素数 8〜 12のアルキル基である 。これらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
[0049] Aとしてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。このうち好ましいもの はエチレン基、プロピレン基である。 Aが複数の場合、これらは同一でもあってもよい し異なって!/ヽてもよく、ブロック状でもランダム状でもよ!/ヽ。
m、 nおよび m+nはそれぞれ、好ましくは 0または 1〜6の整数、さらに好ましくは 0ま たは 1〜3の整数である。
m及び nがこれらの範囲であると、ベースオイル (A)との相溶性が良い。
[0050] Mのアルカリ金属原子としては、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、アルカノールァ ミンとしては、モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、モノイソ プロパノールァミン、ジイソプロパノールァミン、トリイソプロパノールァミンなどが挙げ られる。上記 Mとして好ましいのはアルカリ金属原子である。上記(CI— 1A)は、 M 力 S 2種以上の混合物であってもよ 、。
[0051] 一般式(1)で表されるスルホコハク酸エステルァ-オン界面活性剤 (CI - 1A)の具 体例としては、スルホコハク酸ジ— 2—ェチルへキシルナトリウム、スルホコハク酸パ ルミチルステアリルカリウム、ポリオキシエチレンジー 2—ェチルへキシルスルホコハク 酸ナトリウムのエチレンオキサイド (以下 EOと略記) 6モル付加物 (m=n= 3)などが 挙げられる。
[0052] カルボン酸 (塩)(C1 2)としては下記一般式(2)で表されるエーテルカルボン酸ァ ユオン界面活性剤が挙げられる。これらを構成する脂肪酸およびアルコールは天然 物由来のものでも合成されたものでも、どちらでもよく、さらには力ノレボキシノレ基また は水酸基の結合位置は炭化水素基の末端でも側鎖でもどちらでもよい。
[0053] [化 2]
R 3 _ 0— (A O) p™C H 2 C O OM ( 2 )
[0054] 式中、 R3は炭素数 1〜24のアルキル基、ァリル基または炭素数 2〜24のァルケ-ル 基を表し; Aは炭素数 2〜4のアルキレン基を表し; Mは水素原子、アルカリ金属原子 、アンモ-ゥムまたはアルカノールァミンを表し; pは 0または 1〜 10の整数を表す。 式中、 R3の炭素数 1〜24のアルキル基、炭素数 2〜24のァルケ-ル基の具体例お よび好ましいものは、前記 、 R2と同様である。 Aおよび Mは、一般式(1)におけるも のと同様である。 pは 0または 1〜10の整数であり、好ましくは 1〜6である。
pがこれらの範囲であると、ベースオイルとの相溶性が良い。
[0055] 一般式(2)で表されるエーテルカルボン酸ァ-オン界面活性剤(C1 2)の具体例と しては、ォクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、デシルアルコールカル ボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、イソ ジデシルアルコールとイソトリデシルアルコールのカルボキシメチル化ナトリウム塩お
よびトリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ォクチルアルコール EO 3モル付 加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコール E04モル付カ卩物カルボキ シメチル化ナトリウム塩、イソトリデシルアルコール E03モル付カ卩物カルボキシメチル 化ナトリウム塩、イソジデシルアルコールとイソトリデシルアルコールの EO 3モル付カロ 物カルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノール E05モル付カ卩物カルボキシメチル 化ナトリウム塩、およびラウリルアルコールカルボキシメチル化物、ラウリルアルコール E02. 5モル付加物カルボキシメチル化物などが挙げられる。
[0056] これらの好ましいものの具体例としては、ォクチルエーテル酢酸ナトリウム、デシルェ 一テル酢酸ナトリウム、ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、トリデシルエーテル酢酸ナトリ ゥム、ポリオキシエチレンォクチルエーテル酢酸ナトリウム(E03モル付カ卩物)、ポリオ キシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(E03モル付カ卩物)、ポリオキシエチレン トリデシルエーテル酢酸ナトリウム(E03モル付加物)、およびポリオキシエチレンラウ リルエーテル酢酸 (E02. 5モル付加物)などが挙げられる。
[0057] 硫酸エステル (塩)(C1 3)としては、高級アルコール硫酸エステル (塩) [炭素数 8 〜 18の脂肪族アルコールの硫酸エステル (塩)] (C1 3a)、高級アルキルエーテル 硫酸エステル (塩) [炭素数 8〜 18の脂肪族アルコールの EO 1〜 10モル付加物の硫 酸エステル (塩) ] (C1 3b)、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそ のまま硫酸ィ匕して中和したもの)(C1 3c)、硫酸化脂肪酸エステル (不飽和脂肪酸 の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)(C1 3d)、硫酸化ォレフィ ン (炭素数 12〜18のォレフィンを硫酸ィ匕して中和したもの)(C1— 3e)等が挙げられ る。
[0058] (C1— 3)の好ましいものの具体例としては、ロート油、硫酸化牛脂、硫酸化落花生油 、硫酸ィ匕ォレイン酸ブチル塩、硫酸化リシノレイン酸ブチル塩などが挙げられる。
[0059] 燐酸エステル(塩)(C1 4)としては、炭素数 8〜24の高級アルコールの燐酸(モ入 ジ)エステル(塩)(CI— 4a)、炭素数 8〜24の高級アルコールの AO付カ卩物の燐酸( モノ、ジ)エステル (塩)(CI— 4b)等が挙げられる。なお、これらを構成する高級アル コールは天然物由来のものでもよいし、合成されたものでもどちらでもよい。これらの うち、好ましいものは炭素数 8〜18の高級アルコールの AO付加物の燐酸(モ入ジ)
エステル (塩)である。
(Cl -4b)に使用される AOとしては、 EO、プロピレンオキサイド(以下 POと略記する )およびブチレンオキサイドが挙げられる。これらのうち好ましいものは EOおよび PO である。また、高級アルコール 1モルに対する AOの付加モル数としては、通常 1〜5 0モルであり、好ましくは 1〜20モルである。
[0060] (C1 -4)の好ま 、ものの具体例としては、ォクチルアルコールリン酸モノエステル カリウム塩、ォクチルアルコールリン酸ジエステルジカリウム塩、ラウリルアルコールリ ン酸モノエステルモノカリウム塩、ラウリルアルコールリン酸ジエステルジカリウム塩、ィ ソステアリルアルコールの EO 5モル付カ卩物のリン酸モノエステルカリウム塩、イソステ ァリルアルコールの E05モル付カ卩物のリン酸ジエステルジカリウム塩などが挙げられ る。
[0061] ァ-オン界面活性剤 (C1)が塩の形をとる場合、通常ナトリウム塩、カリウム塩、アンモ -ゥム塩およびアルカノールァミン(モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエ タノールァミン、モノイソプロパノールァミン、ジイソプロパノールァミン、トリイソプロパ ノールァミンなど)塩である。これらのうち好ましいものは、ナトリウム塩、カリウム塩、ァ ルカノールアミン塩である。
[0062] カチオン界面活性剤 (C2)として好ま 、ものは、一般式(3)で表される第 4級アンモ -ゥム塩型カチオン界面活性剤 (C2- 1)と一般式 (4)で表されるアミン塩型カチォ ン界面活性剤 (C2- 2)などが挙げられる。
[0063] [化 3]
R 5
I
R 4 - N + - R 7 · Q" ( 3 )
[0064] [化 4]
R 5
I
R 4 _ N · Q H ( 4 )
I
R 6
[0065] [式中、 R4、 R5、 R6はそれぞれ独立に炭素数 1〜24のアルキル基又はヒドロキシアル キル基、ァリル基、炭素数 2〜24のァルケ-ル基、ポリオキシアルキレン基 (アルキレ ン基の炭素数: 2〜4)、および式 R8— T— R9—で示される基 (R8は炭素数 1〜24の 脂肪酸から COOH基を除 、た残基、 R9は炭素数 1〜4のアルキレン基またはヒドロキ シアルキレン基、 Tは一 COO または一 CONH—を表す。)から選ばれる基、 R7は 炭素数 1〜24のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、炭素数 2〜24のァルケ-ル 基またはポリオキシアルキレン基 (アルキレン基の炭素数: 2〜4); R4と R5と R6は、い ずれ力 2つが結合して Nとともに複素環又は脂環式ィ匕合物を形成していてもよい; Q— は無機酸ァ-オンまたは有機酸ァ-オン、 QHは無機酸または有機酸を表す。 ]
[0066] R4、 R6の炭素数 1〜24のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく 、メチル基、ェチル基、 n—又は i プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基 、ヘプチル基、ォクチル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、トリデシ ル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデ シル基、ノナデシル基、エイコシル基、へキコシル基、ドコシル基、 2—ェチルデシル 基などが挙げられる。
R4、 R5、 R6の炭素数 2〜24のァルケ-ル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでも よぐ n—又は i プロべ-ル基、へキセ-ル基、ヘプテュル基、オタテュル基、デセ ニル基、ゥンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、へキ サデセニル基、ヘプタデセニル基、ォクタデセニル基、ノナデセニル基、 2—ェチル デセニル基などが挙げられる。
[0067] R4、 R5、 R6の炭素数 1〜24のヒドロキシアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいず れでもよぐヒドロキシメチル基、ヒドロキシェチル基、 n—又は iーヒドロキシプロピル基 、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシへキシル基、ヒドロキシォクチル基、ヒドロキシデシル
基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシへキサデシル基、ヒド 口キシォクタデシル基などが挙げられる。
R4、 R5、 R6のポリオキシアルキレン基としては、ジエチレンオキサイド基、ジプロピレン オキサイド基、ジブチレンオキサイド基、トリエチレンオキサイド基、テトラプロピレンォ キサイド等が挙げられる。
これらのうちさらに好ましいものは、炭素数 8〜24のアルキル基又はヒドロキシアルキ ル基、炭素数 8〜24のァルケ-ル基である。
R4と R5と R6とのいずれか 2つが結合して Nとともに形成する複素環、脂環式化合物と しては、例えばイミダゾリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピぺリジン環 、モルホリン環等が挙げられる。
R7の炭素数 1〜24のアルキル基、ァルケ-ル基、ヒドロキシアルキル基またはポリオ キシアルキレン基としては、 R4、 R5、 R6で挙げたものと同様である。これらのうち好まし いものは、炭素数 1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。
[0068] 残基 R8を構成する炭素数 1〜24の脂肪酸としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよ ぐギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、ェナント酸、力 プリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベ ヘン酸、 2—ェチルへキサン酸などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素 数 6〜24の脂肪酸であり、より好ましいものは、炭素数 6〜 12の脂肪酸である。
[0069] R9の炭素数 1〜4のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐメチレ ン基、エチレン基、 n—又は i—プロピレン基、ブチレン基など;炭素数 1〜4のヒドロキ シアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐヒドロキシメチレン基、ヒ ドロキシエチレン基、 n—又は iーヒドロキシプロピレン基、ヒドロキシブチレン基などが 挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数 1〜4のアルキレン基であり、より好ましいものは、 炭素数 2〜3のアルキレン基である。
[0070] 一般式(3)にお 、て、ァ-オン Q—を形成する酸 QH、及び、一般式 (4)における Q Hとしては次のものが挙げられる。
(ql)無機酸
ハロゲンィ匕水素酸 (塩酸、臭素酸、沃素酸など)、硝酸、炭酸、燐酸など; (q2)有機酸
(q2-a)アルキル硫酸エステル
メチル硫酸、ェチル硫酸などの炭素数 1〜4のアルキル硫酸エステル;
(q2-b)アルキル燐酸エステル
ジメチル燐酸、ジェチル燐酸などの炭素数 1〜8のモノおよび Zまたはジアルキル燐 酸エステル;
[0071] (q2— c)炭素数 1〜30の脂肪族モノカルボン酸
飽和モノカルボン酸 (残基が R8を構成する脂肪酸として挙げたものなど)、不飽和モ ノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、ォレイン酸など)、および脂肪族ォキシカルボ ン酸(グリコール酸、乳酸、ォキシ酪酸、ォキシカプロン酸、リシノール酸、ォキシステ アリン酸、ダルコン酸など);
(q2-d)炭素数 7〜30の芳香族または複素環モノカルボン酸
芳香族モノカルボン酸 (安息香酸、ナフトェ酸、ケィ皮酸など)、芳香族ォキシカルボ ン酸 (サリチル酸、 P—ォキシ安息香酸、マンデル酸など)、および複素環モノカルボ ン酸(ピロリドン力ノレボン酸など);
[0072] (q2-e) 2〜4価のポリカルボン酸
炭素数 2〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族ポリカルボン酸 [飽和ポリカルボン酸( シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グノレタノレ酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ァゼ ライン酸、セバチン酸など)、炭素数 4〜30の不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フ マール酸、ィタコン酸など)] ;炭素数 4〜20の脂肪族ォキシポリカルボン酸(リンゴ酸 、酒石酸、クェン酸など);炭素数 8〜30の芳香族ポリカルボン酸 [ジカルボン酸〔フタ ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、 2, 6—ナフタレンジカルボン酸、ビフエ-ルジカ ルボン酸(2, 2'—、 3, 3 '—および Zまたは 2, 7—体)など〕、トリもしくはテトラカルボ ン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)] ;硫黄を含有する炭素数 4〜30のポリカルボン 酸(チォジプロピオン酸など);
2— )炭素数2〜30のァミノ酸
ァスパラギン酸、グルタミン酸、システィン酸などのアミノ酸;
(q2— g)有機酸変性シリコーン
ジオルガノポリシロキサンのメチル基の一部力 RCOOH基および Zまたは一 RS O H基で置換した有機酸。 Rは炭素数 2〜5のアルキレン基である。残りのメチル基
3
は、フ -ル基、炭素数 2〜20のアルキル基または一(CH ) 一 Ph (Phはフ -ル基
2 1
、 1は 1〜4の整数を示す)基に置換されていてもよい。
[0073] (q2— h)脂肪族アルコール (炭素数 8〜24)のカルボキシメチル化物
ォクチルアルコールのカルボキシメチル化物、デシルアルコールのカルボキシメチル 化物、ラウリルアルコールのカルボキシメチルイ匕物およびトリデカノール (協和発酵製 など)のカルボキシメチル化物など;
(q2— i)脂肪族アルコール (炭素数 8〜24)の EOおよび Zまたは ΡΟ1〜20モル付 加物のカルボキシメチル化物、ォクチルアルコール E03モル付加物のカルボキシメ チル化物、ラウリルアルコール E02. 5モル付加物のカルボキシメチル化物、イソステ ァリルアルコール E03モル付カ卩物のカルボキシメチル化物、およびトリデカノール E 02モル付カ卩物のカルボキシメチル化物など;
[0074] これらのうちでさらに好ましいものは、メチル硫酸、ェチル硫酸、アジピン酸、ダルコン 酸、イソステアリン酸、 250Cにおける粘度力 0〜8, 000 (さらに 20〜5, 000、とくに 30〜: L000) mm2/sで、力ノレボキシ当量力 300〜8, 000 (さらに 400〜4, 000、とく に 500〜1, 500)のカルボキシ変性シリコーン、およびラウリルアルコール E01〜5 モル付加物のカルボキシメチル化物である。特に好ましくはイソステアリン酸である。
[0075] 第 4級アンモ-ゥム塩型カチオン界面活性剤 (C2- 1)として好ましいものは、アルキ ル (炭素数 1〜30)トリメチルアンモ-ゥム塩 (例えば、ラウリルトリメチルアンモ -ゥム クロライド等の無機酸塩;ラウリルトリメチルアンモ -ゥムイソステアリン酸塩、ラウリルト リメチルアンモ -ゥムカルボキシ変性シリコーン塩等の有機酸塩など)、ジアルキル( 炭素数 1〜30)ジメチルアンモ-ゥム塩 [例えば、ジデシルジメチルアンモ -ゥムクロ ライド、ジォクチルジメチルアンモ -ゥムブロマイド等の無機酸塩;ジデシルジメチル アンモ-ゥムイソステアレート、ジ(ジデシルジメチルアンモ-ゥム)アジペート、ジデシ ルジメチルアンモ -ゥムカルボキシ変性シリコーン塩、ジデシルジメチルアンモ -ゥム ラウリルアルコール E01〜5モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等の有機酸塩
など]、窒素環含有第 4級アンモ-ゥム塩 (例えば、セチルピリジ-ゥムクロライドなど) 、ポリ(付加モル数 2〜 15)ォキシアルキレン (炭素数 2〜4)鎖含有第 4級アンモ-ゥ ム塩 [例えば、ポリ(付加モル数 3)ォキシエチレントリメチルアンモ -ゥムクロライドなど ]、アルキル (炭素数 1〜30)アミドアルキル (炭素数 1〜10)ジアルキル (炭素数 1〜4 )メチルアンモ-ゥム塩(例えば、ステアラミドエチルジェチルメチルアンモ -ゥムメトサ ルフェートなど)などが挙げられる。
これらのうちさらに好ましいのはアルキルトリメチルアンモ-ゥムの有機酸塩、とくに好 ましくはジアルキルジメチルアンモ-ゥムの有機酸塩である。
[0076] アミン塩型カチオン界面活性剤(C2— 2)として好ましいものは、 3級ァミンを無機酸( 例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸など)または有機酸 (例えば、酢酸、ギ酸、 蓚酸、乳酸、ダルコン酸、アジピン酸、アルキル硫酸など)で中和して得られるものが 使用できる。炭素数 3〜90の脂肪族 3級ァミン (例えば、トリェチルァミン、ェチルジメ チルァミン、ジデシルメチルァミン、 N, N, Ν' , Ν,一テトラメチルエチレンジァミン、ラ ゥラミドプロピルジメチルァミンなど)、炭素数 3〜90の脂環式 (含窒素へテロ環を含 む) 3級ァミン(例えば、 Ν—メチルピロリジン、 Ν—メチルビペリジン、 Ν—メチルモル ホリン、 4ージメチルァミノピリジン、 Ν—メチルイミダゾール、 4, 4'ージピリジルなど) 、炭素数 3〜90のヒドロキシアルキル基含有 3級ァミン(例えば、トリエタノールァミン モノステアリン酸エステル、 Ν—ステアラミドエチルジエタノールァミンなど)などの無 機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
これらのうちさらに好ましいのは、脂肪族ァミンの無機酸塩および有機酸塩である。
[0077] これら界面活性剤(C)のうち、好ましいのは(C1 la)、 (Cl— 2)、 (C2—l)、 (C2
- 2)であり、特に好まし!/ヽのは(C 1— 2)である。
これら(C)は単独で使用してもよいし、 2種以上を混合して使用してもよい。
[0078] 本発明の繊維処理用油剤において、(A)の含有量 (質量%)は、膠着防止性および 平滑性の観点から、 (A) + (B) + (C)の合計質量に基づいて、好ましくは 70〜99. 6、さらに好ましくは 75〜98、特に好ましくは 80〜97. 5である。これらの範囲である と、平滑性が良好であり、 11〜22デシテックス(dtx)などの細糸を紡糸する際でも糸 切れなどの問題が生じる恐れがな!、。
[0079] (B)の含有量 (質量%)は、(A) + (B) + (C)の合計質量に基づ!/、て、好ましくは 0.
3〜10、さらに好ましくは 0. 5〜5. 0、特に好ましくは 1. 0〜4. 0である。これらの範 囲であると、膠着防止性が良好であり、経日での繊維処理用油剤全体の粘度上昇が 小さく、 ll〜22dtxなどの細糸を紡糸する際でも糸切れなどの問題が生じる恐れが ない。
[0080] (C)の含有量 (質量%)は、(A) + (B) + (C)の合計質量に基づ!/、て、好ましくは 0.
1〜20、さらに好ましくは 1〜18、特に好ましくは 2〜15である。これらの範囲であると 、ノズル給油方式での生産の際に、(B)がノズル中で詰ることなぐ紡糸が安定的に でき、糸切れなどの問題が改善できょり好ま 、。
[0081] また (B)と (C)の配合質量比((B) Z (C) )は、繊維処理用油剤の経日安定性と膠着 防止性の観点から、 90ZlO〜lZ99が好ましぐさらに好ましくは 85Ζ15〜5Ζ95 、特に好ましくは 67Ζ33〜: LOZ90である。これらの範囲であると、平滑性が良くなり 、ノズル給油方式での生産が安定的にできる。
[0082] 本発明の繊維処理用油剤の 25°Cにおける粘度は、通常 l〜500mm2Zsである。好 ましくは 2〜: L00mm2Zsであり、さらに好ましくは 3〜50mm2Zsである。これらの範 囲であると、平滑性が良ぐかつ紡糸工程時の繊維処理用油剤の飛散が少なぐ作 業環境が悪化する恐れがな 、。
[0083] 本発明の繊維処理用油剤の 25°Cにおける濁度は、特に限定されないが、ノズル給 油方式での生産安定性、繊維処理用油剤の経日安定性の観点から、 20mgZL以 下が好ましぐより好ましくは 15mgZL以下、特に好ましくは lOmgZL以下である。 濁度の下限は、測定限界の観点力も好ましくは 0. OlmgZLである。
濁度は、積分球式光電光度法 (JIS K0101— 1998、 9. 4.積分球濁度)で測定す ることがでさる。
[0084] 本発明の繊維処理用油剤は、(A)、(B)、(C)以外に、必要により他の成分 (D)を含 有していてもよい。(D)としては、例えば、(B)以外の膠着防止成分 (D1)、制電成分 (D2)、柔軟成分 (D3)、およびこれら以外の添加剤 (D4)が挙げられる。また、後述 する溶解助剤 (E)を含有してもよ!/ヽ。
[0085] (D1)は本発明の繊維処理用油剤の性能を損なわない程度に追加配合してよぐ追
カロさせることで膠着防止効果を増大させることができる。
(D1)としては、例えば、常温で固体のシリコーン (D11)、ポリエーテル変性シリコー ン (D12)、これら以外の膠着防止剤(D13)、およびこれら 2種以上の併用が挙げら れる。ここで、常温で固体とは、 25°Cにおいて固体であるという意味である。
[0086] 常温(25°C)で固体のシリコーン(D11)としては、分子内に 3官能性シロキサン単位 、あるいは 4官能性シロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサン(シリコーンレジ ン)などが挙げられ、例えば、分岐度の高い三次元構造の固体ポリマー [例えば、 2 官能性シロキサン単位 (D単位)と 3官能性シロキサン単位 (T単位)を主構成成分と して含む DTレジン、 1官能性シロキサン単位(M単位)と 4官能性シロキサン単位(Q 単位)を主構成成分として含む MQレジン、 T単位のみからなるポリオルガノシルセス キオンサンなど]が挙げられる。
好ましいものは、重量平均分子量(ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィーによる、 M wと略記する)が 1, 000〜100, 000のメチルシリコーンレジン、および Mwが 1, 000 〜100, 000のァミノ変性オルガノポリシロキサン力もなるレジンであり、さらに好ましく は、 Mw力 S1, 500〜30, 000のメチノレシジ ーンレジンである。
[0087] ポリエーテル変性シリコーン (D12)としては、例えば、下記一般式(5)で示されるポリ エーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
[0088] [化 5]
[0089] 式中、 R1U、尺11、 R12および R13の少なくとも一つがポリオキシアルキレン鎖含有基で ある。残りはメチル基、炭素数 2〜20のアルキル基、フエ-ル基または炭素数 1〜5の アルコキシ基でもよい。
ポリオキシアルキレン基としては、一般式— A1— O— (A2— O) —R14で示される基で s
あり、ここで、 R14は水素原子または炭素数 1〜30のアルキル基; A1は炭素数 1〜5の アルキレン基; A2は炭素数 1〜4のアルキレン基であり、 A1と A2は同一でもよいし異
なっていてもよぐブロック状でもランダム状でもよい。 sは 1〜100の整数を表す。 a、 b はそれぞれ 1〜 10, 000の整数である。
[0090] (D1)の配合量 (質量%)は、繊維処理用油剤の重量に基づいて、好ましくは 4以下、 さらに好ましくは 2以下である。また、(B) 100質量部に対して、 200質量部以下が好 ましぐ 100質量部以下がさらに好ましい。
[0091] 制電成分 (D2)としては、例えば、両性界面活性剤 (D21)、非イオン界面活性剤 (D
22)が挙げられる。
[0092] (D21)としては、ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤、スノレホン 酸塩型両性界面活性剤などが使用できる。
(D21)のうち好ましいものとしては、例えば下記一般式(6)、(7)または(8)で示され るもの、およびこれらの 2種以上の混合物が挙げられる。
[0093] [化 6]
R16
I
R15 一 N + _R18 -X (6)
I
R17
[0094] 式中、 R15、 R16、 R17はそれぞれ独立に炭素数 1〜30のアルキル基又はヒドロキシァ ルキル基、炭素数 2〜24のァルケ-ル基、ポリオキシアルキレン基(アルキレン基の 炭素数 :2〜4)、および式 R19— T— R2G—で示される基 (R19は炭素数 1〜30の脂肪 酸力 COOH基を除 、た残基、 R2Gは炭素数 1〜4のアルキレン基またはヒドロキシァ ルキレン基、 Tは— COO—または— CONH—を表す。)から選ばれる基を表し; R18 は炭素数 1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基を表し; X—は COO—ま たは SO—を表す。
3
[0095] [化 7]
R21-N-R22COOLI/r (7)
[0096] [化 8]
R 2 1 - N - R 2 2 S 0 3 L 3 / r ( 8 )
I
R 2 3
[0097] 式中、 R21は炭素数 1〜30のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、炭素数 2〜24 のァルケ-ル基を表し; R22は炭素数 1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン 基を表し; R23は水素原子または式一 COOL で示される 2価の基を表し;!^
l/r
は水素原子、炭素数 1〜30のアルキル基または炭素数 2〜24のァルケ-ル基を表 す。 Lは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミンカチオンであって L が複数の場合は同一でも異なって 、てもよ ヽ; rは Lの価数を表し、 1または 2である。
[0098] R15、 R16、 R17、 R21および R23の炭素数 1〜30のアルキル基、および炭素数 2〜30の ァルケ-ル基の具体例としては、前記 、 R2と同様であり、好ましいものも同様である 。 R15、 R16、 R17および R21の炭素数 1〜30のヒドロキシアルキル基としては、直鎖状、 分岐状のいずれでもよぐヒドロキシメチル基、ヒドロキシェチル基、 n—又は iーヒドロ キシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシへキシル基、ヒドロキシォクチル基、ヒ ドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシへキサ デシル基、ヒドロキシォクタデシル基などが挙げられる。
[0099] R15、 R16および R17のポリオキシアルキレン基としては、式 4 (OA3) —で示される 基 (R24は水素原子または炭素数 1〜4のアルキル基、 A3は炭素数 2〜4のアルキレ ン基、 tは 2〜15の整数)が挙げられる。炭素数 2〜4のアルキレン基 A3としては、 1, 2 エチレン基、 1, 2 および 1, 3 プロピレン基、ならびに 1, 2—、 2, 3—、 1, 3 一および 1, 4ーブチレン基などが挙げられる。炭素数 1〜4のアルキル基 R24は、直 鎖状、分岐状のいずれでもよぐメチル基、ェチル基、 n—又は i プロピル基、プチ ル基などが挙げられる。
[0100] R19— T R2G—で示される基の、残基 R19を構成する炭素数 1〜30の脂肪酸として は、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、 吉草酸、カプロン酸、ェナント酸、力プリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸 、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、 2—ェチルへキサン酸などが挙げられる
。これらのうち好ましいものは、炭素数 6〜24の脂肪酸であり、より好ましいものは、炭 素数 8〜 12の脂肪酸である。
R2Gの炭素数 1〜4のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐメチレ ン基、エチレン基、 n—又は i—プロピレン基、ブチレン基など;炭素数 1〜4のヒドロキ シアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよぐヒドロキシメチレン基、ヒ ドロキシエチレン基、 n—又は iーヒドロキシプロピレン基、ヒドロキシブチレン基などが 挙げられる。これらのうち好ましいものは炭素数 1〜4のアルキレン基である。
[0101] これらのうち好ましいものは、 R15および R21は炭素数 6〜24のアルキル基又はヒドロ キシアルキル基、炭素数 2〜24のァルケ-ル基、および R19CONHR2G—基である。 R16、 R17は炭素数 1〜24のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、炭素数 2〜24の ァルケ-ル基であり、 R' は水素原子、炭素数 1〜30のアルキル基または炭素数 2 〜24のァノレケニノレ基である。
[0102] R18および R22の炭素数 1〜4のアルキレン基、およびヒドロキシアルキレン基としては 、 R2Gと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
式(6)の X—のうち、好ましいものは COO—である。
[0103] R23は、水素原子または一 -COOL 基である。式(7)、(8)の界面活性剤とし
l/r
て好ましいものは、 R23が水素原子のものと R23がー -COOL 基のものとの混
l/r
合物である。
Lのアルカリ金属としてはリチウム、カリウム、ナトリウムなど;アルカリ土類金属としては カルシウム、マグネシウムなど;アミンカチオンとしてはモノ一、ジ一およびトリーのエタ ノールアミンカチオン、 2—ェチルへキシルアミンカチオンなどが挙げられる。 Lのうち 好ましいものは、水素原子およびアルカリ金属である。
[0104] 一般式 (6)で表されるベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキル (炭素 数 1〜30)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数 1〜30)アミドアルキル(炭素数 1〜4) ジメチルベタイン、アルキル(炭素数 1〜30)ジヒドロキシアルキル(炭素数 1〜30)ベ タイン、スルフォベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。これらのうち好ましいもの はアルキルジメチルベタイン、アルキルアミドアルキルジメチルベタインである。
[0105] 一般式(7)で表されるアミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、ァラニン型 [アル
キル (炭素数 1〜30)ァミノプロピオン酸型、アルキル (炭素数 1〜30)イミノジプロピ オン酸型など]両性界面活性剤、グリシン型 [アルキル (炭素数 1〜30)ァミノ酢酸型 など]両性界面活性剤が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アルキルアミノプロ ピオン酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジプロピオン酸型両性界面活性剤であ る。
[0106] 一般式 (8)で表されるスルホン酸塩型両性界面活性剤(アミノスルホン酸型両性界面 活性剤)としては、例えば、アルキル (炭素数 1〜30)タウリン型両性界面活性剤など が挙げられる。
[0107] 非イオン界面活性剤(D22)としては、例えば下記一般式(9)で示されるものが挙げ られる。
[0108] [化 9]
R 2 5 - C H - R 2 6
I
0 - (A O) q R 2 7 ( 9 )
[0109] 式中、 R25は炭素数 1〜24のアルキル基であり、具体例および好ましいものは、前記 R\ R2のアルキル基と同様である。 R26としては炭素数 1〜5のアルキル基 (メチル基 、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基等)が挙げられる。 R 26のうち好ましいものは炭素数 1〜3のアルキル基である。 R25と R26は、同一であって もよいし、異なっていてもよい。 R27としては水素原子または炭素数 1〜3のアルキル 基 (メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基)が挙げられる。一般式(9)で表 される非イオン界面活性剤(D22)は、 R27が 2種以上の混合物であってもよい。 AO は一般式(1)におけるものと同じである。一般式(9)中の (AO) は、好ましくは EO単
q
独付加、 EOと POとのブロック付加、特に好ましくは EO単独付加である。 qは 0または 1〜 10の整数であり、好ましくは 1〜6である。
qがこれらの範囲であると、ベースオイルとの相溶性が良い。
[0110] 一般式(9)で表される(D22)の具体例としては、炭素数 3〜33のセカンダリーアルコ ールの EOおよび Zまたは PO付加物である力 好ましい具体例としては、セカンダリ 一アルコール(炭素数 13) E03モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数 13) E
05モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数 13) E07モル付カ卩物、セカンダリ 一アルコール(炭素数 13) E09モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数 15) E 03モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数 15) E05モル付カ卩物、セカンダリ 一アルコール(炭素数 11) E05モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数 18) E 05モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数 24) E05モル付カ卩物、セカンダリ 一アルコール(炭素数 18) E03P02モルブロック付カ卩物、セカンダリーアルコール( 炭素数 24) E05P03モルブロック付加物などが挙げられる。
(D22)は、単独で用いてもよいし、 2種以上用いてもよい。
[0111] これらの制電成分 (D2)を使用する場合には、(D2)の含有量 (質量%)は、繊維処 理用油剤の質量に基づいて、好ましくは 0〜12、さらに好ましくは 0. 1〜: LOである。
[0112] 柔軟成分 (D3)としては、例えば、エポキシ変性シリコーン (D31)、ァミノ変性シリコ ーン(D32)、およびカルボキシル変性シリコーン(D33)が挙げられる。
[0113] (D31)としては、前記一般式(5)中、 R1C)、 R11, R12、 R13の少なくとも一つがエポキシ 基含有基であるもの。残りはメチル基、炭素数 2〜20のアルキル基、フエニル基また は炭素数 1〜5のアルコキシ基でもよい。 a、 bは 1〜1, 000の整数である。
[0114] エポキシ基含有基としては、下記一般式(10)で示されるもの(式中、 R28は炭素数 1 〜4のアルキレン基である)、例えばグリシジル基が挙げられる。
[0116] (D32)としては、前記一般式(5)中、 R , R"、 R"、 R"の少なくとも一つが—R —
NH (Rd°NH) H基含有基 は炭素数 1〜5のアルキレン基、 Rd"は炭素数 1〜4の アルキレン基、 nは 0または 1〜3の整数である)であるもの。残りはメチル基、炭素数 2 〜20のアルキル基、フエ-ル基または炭素数 1〜5のアルコキシ基でもよい。また、 a 、 bは 1〜: L0, 000の整数である。
[0117] (D33)としては、前記一般式(5)中、 R10、 R11, R12、 R13の少なくとも一つが— R31 - COOL 基含有基 [R31は炭素数 1〜5のアルキレン基、 Lおよび rは前記一般式(7 l/r
)におけるものと同じである]であるもの。残りはメチル基、炭素数 2〜20のアルキル基
、フエ-ル基または炭素数 1〜5のアルコキシ基でもよい。 a、 bは 1〜10, 000の整数 である。
[0118] (D31)〜(D33)中で、炭素数 2〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれで もよぐェチル基、 n—又は i プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプ チル基、ォクチル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、 テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシル 基、 2—ェチルデシル基などが挙げられる。
炭素数 1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、 n—又は i プロポキシ 基、ブトキシ基などが挙げられる。
炭素数 1〜4のアルキレン基としては、 R18で挙げたものが挙げられ、炭素数 5のアル キレン基としては、 1, 2—、 1, 3—、 1, 4ー、2, 3 および 2, 4 ペンチレン基が挙 げられる。
[0119] これらの柔軟成分を使用する場合には、(D3)の含有量 (質量%)は、繊維処理用油 剤の質量に基づいて、好ましくは 0〜12、さらに好ましくは 0. 1〜10である。
[0120] 上記以外の添加剤(D4)としては、通常繊維処理用油剤に使用される成分を使用で き、酸ィ匕防止剤(ヒンダードフエノール、ヒンダードァミンなど)、紫外線吸収剤などが 挙げられる。これら添加剤を使用する場合、(D4)配合量 (質量%)は、繊維処理用 油剤の質量に基づいて、好ましくは 0〜5、さらに好ましくは 0〜2である。
[0121] 本発明の繊維処理用油剤は、溶解助剤 (E)に膠着防止剤 (B)を溶解させた状態で ベースオイル (A)、界面活性剤 (C)等と混合して製造することもできる。
溶解助剤(E)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、 ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、 2—ェチルへキシルアルコールなど の 1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールな どの 2価アルコール;へキサン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素;アセトン、メチルェ チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族 炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの高極性溶媒;クロ口ホル ム、四塩ィ匕炭素などのハロゲン化炭化水素などが挙げられ、これらは単独で用いても よいし、 2種以上用いてもよい。
[0122] なお、ベースオイル (A)に炭化水素系潤滑油 (A2)を用いる場合は、 (E)を (A)の少 なくとも一部とすることができる。(E)は、そのまま本発明の油剤中に含有させてもよ いし、ストリツビングなどにより除去してもよい。
[0123] 本発明の繊維処理用油剤の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1) (B)を (A2)および (C)と一緒に温調、撹拌が可能な反応槽に入れ、加熱(50〜 100°C)し、透明(濁度が 20mgZL以下)になるまで撹拌する。その後、撹拌しながら 必要により(A1)を入れ、室温(20〜40°C)まで冷却する方法。
(2) (A2)および (C)を温調、撹拌が可能な反応槽に入れ、加熱 (40〜100°C)、撹 拌しながら別途溶融(100〜250°C)または溶解助剤 (E)に溶解させた (B)を反応槽 内に滴下し、撹拌しながら必要により(A1)を入れ、室温(20〜40°C)まで冷却する 方法。
これらのうちで、得られる本発明の繊維用油剤の経日安定性および膠着防止性の観 点力も、(1)の方法がより好ましい。
また (B)として前記の金属塩を用いる場合、予め金属塩を形成して 、るものを用いて も良いし、上記方法での製造時または製造後に他の金属塩 (例えば、前記金属酸化 物、塩化物など)と反応させ金属塩を形成させても良い。
[0124] 上記方法で得られた繊維処理用油剤をそのまま本発明の繊維処理用油剤とすること もできるが、必要により(D)や (E)などを (A1)投入時に併せて添加し、本発明の繊 維処理用油剤としてもよい。
[0125] 本発明の繊維処理用油剤の粘度は、均一付着、ローラ巻き付き防止のために、 25
°Cで l〜500mm2Zsが好ましい。
粘度は以下の方法で測定する。
[粘度の測定方法]
試料繊維処理用油剤を 20gウベローデ粘度計に入れ、恒温水槽で 25 ±0. 5°Cに試 料油剤を温調する。 30分後、ウベローデ法により粘度を測定する。
[0126] 繊維処理用油剤の付与形態は、通常非含水の状態で使用することができるが、必要 に応じて水乳化物として使用してもよい。
非含水の状態とは、そのまま (ストレート給油)、または希釈剤 (有機溶媒、低粘度鉱
物油など)で希釈したもの等を指す。希釈比率は特に限定されないが、本発明の繊 維処理用油剤の質量 [非揮発分の合計質量]は、希釈後の希釈油剤の全質量に基 づいて、通常 1〜80質量%、好ましくは 5〜70質量%である。
有機溶媒としては、例えば、前述した溶解助剤 (E)と同じもの等が挙げられる。低粘 度鉱物油としては、例えば、 25°Cにおける粘度が lmm2Zs未満の流動パラフィンや 精製スピンドル油が挙げられる。
[0127] 水乳化物の場合は、公知の方法で乳化することができる力 例えば、本油剤を必要 に応じ乳化剤と混合し、水中に乳化することによって得ることができる。
乳化剤としては、(A)、 (C)などの種類によっては特にカ卩える必要はなぐ例えば前 述したァニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが使用でき る。
[0128] 前記各成分に該当する以外の乳化剤を使用する場合の乳化剤の量 (質量%)は、乳 ィ匕剤配合後の繊維処理用油剤 (非揮発分)の全質量に基づいて、好ましくは 0〜50 である。
[0129] 乳化に用いる乳化機としては、攪拌機を備えた乳化槽ゃボールミル、ガウリンホモジ ナイザー、ホモディスパーおよびビーズミルなどを用いることができる。
エマルシヨンの濃度は特に限定されないが、繊維処理用油剤の質量 (質量%)は、乳 化後のエマルシヨンの全質量に基づいて、好ましくは 0. 01〜30、さらに好ましくは 0 . 2〜20である。
[0130] 本発明の弾性繊維の処理方法は、上記繊維処理用油剤を紡糸工程で、弾性繊維に 対して 0. 1〜12質量%付与し、必要により精練することからなるものである。
本発明の繊維処理用油剤は弾性繊維の紡糸工程 (例えば 200〜1, 200mZ分)に おいて、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位置で、ノズルまたはローラー給油 で糸に付与させることができる。給油する繊維処理用油剤の温度は通常 10〜80°C、 好ましくは 15〜60°Cである。
本発明の繊維処理用油剤は、通常弾性繊維に対して、非揮発分として、好ましくは 0 . 1〜12 (さらに好ましくは 0. 5〜10、特に好ましくは 1〜8)質量%付与させる。
[0131] 本発明の繊維処理用油剤で処理されてなる弾性繊維は、後加工工程 (例えばエア
一スパンヤーン工程、カバーリング工程、エアーカバーリング工程、編み工程、整経 工程、精練工程、染色工程および仕上げ工程など)を経て最終製品に仕上げられる なお、弾性繊維は他の合成繊維、例えばナイロン繊維やポリエステル繊維と混紡し て使用される。従って、本発明の繊維処理用油剤は、付与された後、他の合成繊維 の紡糸油剤と一緒に洗浄され、除去されることが多い。精練工程では、水系精練また は溶剤精練が行われる。
最終製品としては、衣料用 [例えばパンティーストッキング、靴下、インナーファンデ ーシヨン(ブラジャー、ガードル、ボディースーツなど)、アウターウエア(ジャケット、ス ラックスなど)、スポーツウエア(水着、レオタード、スキーズボンなど)]および産業資 材用(例えば紙おむつ、ベルトなど)などに広く適用できる。
発明の効果
[0132] 本発明の繊維処理用油剤は、繊維を製造する際に繊維同士の膠着防止性に優れ、 また経日安定性に優れることで繊維表面に均一に付着できるため、安定した高速解 舒性を維持できるという効果を奏する。このため、特に膠着性の高いポリウレタン弾性 繊維処理用油剤として極めて有効である。
発明を実施するための最良の形態
[0133] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限 定されるものではない。なお、文中および表中の部は質量部(有効成分)を表す。
[0134] [製造例 1]
Mnが 2, 500、密度が 0. 89である熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレンの粉 末 71. 2部をテトラヒドロフラン (THF) 500mlに分散し、 9—ボラビシクロノナンを 6. 5 部加え、 55°Cで 5時間加熱撹拌した。温度を 45°Cまで下げて、酸素 30mlを液中に 通し、無水マレイン酸を 22. 3部加えて 16時間反応した。その後、 2—プロパノール 5 L中に反応溶液を加え、固体をろ別して、酸変性ポリプロピレン [酸価は 335. l、Mn は 3, 000、 1分子当たりのカルボキシル基の個数は 16. 0]を得た。
[0135] 実施例 1〜4および比較例 1〜3
表 1記載の配合処方で各成分を配合して、本発明および比較例の繊維用油剤を調
製した。
[0136] [実施例 1]
ジステアリン酸マグネシウム 1部、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナト リウム(E03モル付カ卩物) 2部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(E02. 5モ ル付加物) 4部、ジデシルジメチルアンモ -ゥム ·ポリオキシエチレンラウリルエーテル 酢酸 (E02. 5モル付加物)塩 2部、および流動パラフィン 60部を 70〜80°Cで 1時間 混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 31部をカ卩え、 30°Cに冷却、実施例 1の繊 維処理用油剤を調製した。
[0137] [実施例 2]
ジステアリン酸マグネシウム 2部、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナ トリウム(E03モル付加物) 3部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(E02. 5 モル付加物) 6部、ジデシルジメチルアンモ -ゥム 'ポリオキシエチレンラウリルエーテ ル酢酸(E02. 5モル付加物)塩 3部、および流動パラフィン 68部を 70〜80°Cで 1時 間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 18部をカ卩え、 30°Cに冷却、実施例 2の 繊維処理用油剤を調製した。
[0138] [実施例 3]
ジステアリン酸マグネシウム 4部、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナト リウム(E03モル付カ卩物) 3部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(E02. 5モ ル付加物) 8部、ジデシルジメチルアンモ -ゥム 'ポリオキシエチレンラウリルエーテル 酢酸 (E02. 5モル付加物)塩 4部、および流動パラフィン 64部を 80〜90°Cで 1時間 混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 17部をカ卩え、 30°Cに冷却、実施例 3の繊 維処理用油剤を調製した。
[0139] [実施例 4]
a一才レフイン Z無水マレイン酸共重合物 {三菱ィ匕学 (株)社製、「ダイヤカルナ 30L 」、 Mn約 3, 000、 ^ffi (mgKOH/g) 120~ 140 } 1. 0部、ポリオキシエチレンイソ卜 リデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO 3モル付カ卩物) 2部、ポリオキシエチレンラウリル エーテル酢酸(E02. 5モル付加物) 4部、ジデシルジメチルアンモ -ゥム 'ポリオキシ エチレンラウリルエーテル酢酸(E02. 5モル付カ卩物)塩 2部、および流動パラフィン 6
0部を 60〜70°Cで 1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 31部をカ卩え、 30 °Cに冷却、実施例 4の繊維処理用油剤を調製した。
[0140] [実施例 5]
製造例 1で製造した酸変性ポリプロピレン 1. 0部、ポリオキシエチレンイソトリデシル エーテル酢酸ナトリウム(E03モル付カ卩物) 2部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル 酢酸(E02. 5モル付加物) 4部、ジデシルジメチルアンモ -ゥム 'ポリオキシエチレン ラウリルエーテル酢酸 (E02. 5モル付加物)塩 2部、および流動パラフィン 60部を 60 〜70°Cで 1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 31部を加え、 30°Cに冷 却、実施例 5の繊維処理用油剤を調製した。
[0141] [比較例 1]
ポリエーテル変性シリコーン {信越ィ匕学 (株)社製、「KF—351」 }4部および流動パラ フィン 65部を 60〜70°Cで 1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 31部をカロ え、 30°Cに冷却、比較例 1の繊維処理用油剤を調製した。
[0142] [比較例 2]
ジステアリン酸マグネシウム 1部、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナト リウム(E03モル付カ卩物) 0. 2部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(E02. 5 モル付カ卩物) 0. 4部、ジデシルジメチルアンモ -ゥム 'ポリオキシエチレンラウリルェ 一テル酢酸(E02. 5モル付加物)塩 0. 2部、および流動パラフィン 80. 2部を 70〜 80°Cで 1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 18部をカ卩え、 30°Cに冷却、 比較例 2の繊維処理用油剤を調製した。
[0143] [比較例 3]
ジステアリン酸マグネシウム 2部および流動パラフィン 93部を 115〜120°Cで 1時間 混合した。その後、ポリジメチルシロキサン 5部をカ卩え、 30°Cに冷却、比較例 3の繊維 処理用油剤を調製した。
[0144] ポリウレタン繊維の乾式紡糸法において、実施例 1〜5、比較例 1〜3の繊維処理用 油剤をローラー給油で繊維処理用油剤付着量がフィラメント質量に対し 6質量%にな るよう付与させ、 600mZ分でチーズに巻き取り、 40D (44. 4dtx)のポリウレタン繊 維を得た。
さら〖こ、上記で得られたポリウレタン繊維の膠着性試験、繊維処理用油剤の経日安 定性試験を行った。性能評価結果を併せて表 1に示す。なお、表中の水の接触角は 、該繊維を 40質量%となるように DMFに溶解した後、前述の方法によりシート状物 に成型し、これを用いて前述の方法により該繊維処理用油剤を塗布し測定した (繊 維処理用油剤を塗布していないシート表面の水の接触角は 50° であった。 )0また、 後述の方法でウベローデ粘度計にて測定した 25°Cにおける繊維処理用油剤の粘度 、 日本電色工業社製の Water Analyzer— 2000にて測定した 25°Cにおける繊維 処理用油剤の濁度を表 1に示す。
[表 1]
実施例 比較例
1 2 3 4 5 1 2 3 く配合処方 >
ホ'リシ チルシロ wン(部) 31 18 17 31 31 31 18 5 流動 ラフィン (部) 60 68 64 60 60 65 80.2 93 ステアリン^ 7ク'ネシゥム (部) 1 2 4 ― ― ― 1 2
<ϊ -才レフィン/無水マレイン酸
― ― ― 1 ― ― ― ― 共重合物 (部)
酸変性ホ Ίフ ピレン (部) ― ― ― 1 ― ― ― ホ。リエ-ル変性シリコ-ン (部) ― ― ― ― 4 ― 界面活性剤- 1 (部)
2 3 3 2 2 ― 0.2 ―
(SP=8.1)
界面活'性剤- 2 (部)
4 6 8 4 4 ― 0.4 ― (SP=9.4)
界面活性剤- 3 (部)
2 3 4 2 2 ― 0.2 ― (SP=8.2)
ぐ性能評価 >
水の接触角 (° ) 80 90 95 75 75 65 65 60
» 〇 o 〇 〇 O X X X 粘度 (mm s ) 15.2 16.1 18.4 20.3 19.4 17.7 12.7 14.9 濁度 (m g / L ) 1.8 4.5 5.0 4.5 6.4 3.0 27.2 489
-5°C o 〇 〇 〇 o 〇 X X 繊維処理用油剤
25。C o o o O o 〇 Δ X の経日安定性
50°C o o o 〇 〇 〇 O X
[0146] 実施例 1〜5および比較例 1〜3で得られた繊維処理用油剤の粘度の測定方法、濁 度の測定方法、経日安定性試験、および得られた繊維処理用油剤を付与した繊維 の膠着性試験法は以下の通りである。
<粘度の測定方法 >
試料繊維処理用油剤を 20gウベローデ粘度計に入れ、恒温水槽で 25°Cに試料繊 維処理用油剤を温調する。 30分後、ウベローデ法により粘度を測定する。
[0147] <濁度の測定方法 >
25°Cに温調した繊維処理用油剤を長さ 10mmのセルに入れて、日本電色工業株式
会社製の Water Analyzer— 2000を使って、積分球式光電光度法で測定した。
[0148] <繊維処理用油剤の経日安定性試験 >
調製した繊維処理用油剤 100gを、 145mlガラス製ボトルに入れ、 5°C、 25°C、 50 °Cの恒温槽中に 30日間静置した後、繊維処理用油剤の外観を肉眼で観察し、調製 直後の繊維処理用油剤の外観と比較し、次の基準で判定した。
判定基準
〇:変化無し。
△:層分離や沈降物の発生はないが、繊維処理用油剤調製直後よりカスミ度合いが 強い。
X:層分離や沈降物が発生。
[0149] <膠着性試験 >
紡糸工程で巻き取ったチーズを 50°Cで 2週間エージングを行った繊維を用い、可変 倍率 (引き出し速度と巻き取り速度との比率の変更が可能)の引き出し巻き取り装置 にかけ、 50mZ分の速度で糸を送り出した時、糸が膠着により巻き込まれずに巻き 取ることのできる最低の速度を求め、次の基準で判定した。
判定基準
〇:速度が 50〜65
X:速度が 66以上
[0150] なお、表 1における各成分は以下の通りである。
ポリジメチルシロキサン: KF96— 10CS{信越ィ匕学工業社製:粘度 10mm2Zs (25°C
) }
流動パラフィン:流パン 60S {三光化学 (株)社製:粘度 15mm2Zs (25°C) } 界面活性剤— 1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(E03モル 付加物)
界面活性剤 2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸 (E02. 5モル付加物) 界面活性剤 3:ジデシルジメチルアンモ -ゥム ·ポリオキシエチレンラウリルエーテ ル酢酸(E02. 5モル付加物)塩
[0151] 表 1から明らかなように、本発明で規定した範囲の接触角を有する繊維処理用油剤(
実施例 1〜5)は、膠着防止性に非常に優れることがわ力つた。それに対し、比較例 1 〜3の中には膠着性を満たすものはない。また実施例の繊維処理用油剤は、経日安 定性にも優れて 、ることがわかる。
産業上の利用可能性
本発明の繊維処理用油剤は、繊維同士の膠着防止性が優れており、また経日安定 性にも優れるため、弾性繊維生産時のノズル給油方式での紡糸工程でノズル詰りが なく安定的に操業できる。また、ローラー給油方式およびノズル給油方式のいずれの 紡糸方法にぉ 、ても断糸などのトラブル発生を減らすことができると ヽつた優れた特 徴を有し、特に小デシテックス繊維の高速紡糸工程に好適である。