JP2008002019A - 合成繊維用紡糸油剤 - Google Patents

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義幸 若原
Shoko Sai
崔▲しょう▼浩
Naosuke Sakai
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Abstract

【課題】 繊維−繊維間および繊維−金属間摩擦が低く、合成繊維の製造工程における毛羽、糸切れ発生が少なく繊維の品質に優れる合成繊維用紡糸油剤を提供すること。
【解決手段】 下記一般式で表されるポリエーテルエステル化合物(A)を必須成分とすることを特徴とする合成繊維用紡糸油剤である。

O O O O
‖ ‖ ‖ ‖
HO−R2O−{C−R1−C−O−(AO)mn−C−R1−C−OR2−OH

(式中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基および/またはフェニル基;R2は炭素数2〜4のアルキレン基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;mは4〜140の整数;nは1〜10の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、合成繊維用紡糸油剤に関する。更に詳しくは、特定のポリエーテルエステル化合物を含有する合成繊維用紡糸油剤に関する。
合成繊維の製造工程において、繊維に平滑性、帯電防止性等を付与し、紡糸、延伸工程および後加工工程を円滑に進める目的で合成繊維用紡糸油剤(以下単に油剤という)が用いられている。その製造工程では、糸と糸との擦過や糸と接糸機材との擦過等に起因する毛羽や糸切れが起こりやすく、これらを抑制するため、繊維−繊維間摩擦および繊維−金属間摩擦を低くする油剤が求められている。
油剤には、一般的な潤滑剤、界面活性剤とともに、製造工程での毛羽、糸切れの発生を防止するため、特定のワックスやポリエステルを添加した油剤などが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特開昭62−223372号公報 特開昭63−235576号公報
これら特定のポリマーの添加により、繊維−繊維間摩擦および繊維−金属間摩擦を低くし、毛羽や糸切れの発生抑制効果は見られるものの、近年の製造工程での紡糸速度の高速化に伴い、油剤に要求される性能レベルはますます高くなることを考慮するとまだ十分でなく、さらなる改善が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリエーテルエステル化合物を含有した油剤を用いることにより、紡糸速度の高速化等の過酷な条件での製造工程における毛羽や糸切れの発生が大幅に抑制できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式で表されるポリエーテルエステル化合物(A)を必須成分とすることを特徴とする合成繊維用処理剤;該合成繊維用処理剤を用いる合成繊維の処理方法;並びにこの処理方法で処理された合成繊維である。
(式中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基および/またはフェニル基;R2は炭素数2〜4のアルキレン基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;mは4〜140の整数;nは1〜10の整数を表す。)
本発明の油剤は、従来の油剤に比べて、繊維−繊維間摩擦および繊維−金属間摩擦が低く、紡糸速度の高速化等の過酷な条件での製造工程における毛羽や糸切れの発生が抑制でき、繊維の品質に優れる。
本発明の合成繊維用紡糸油剤は、下記一般式で表されるポリエーテルエステル化合物(A)を必須成分とする。
(式中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基および/またはフェニル基;R2は炭素数2〜4のアルキレン基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;mは4〜140の整数;nは1〜10の整数を表す。)
ポリエーテルエステル化合物(A)のR1としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数2〜10のアルキレン基、フェニル基、およびこれらの併用が挙げられる。
これらのうち、ブチレン基、オクチル基、フェニル基が好ましく、安価で取り扱い易いブチレン基、フェニル基がより好ましい。これらは2種以上の併用であってもよい。
2の炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。エチレン基、プロピレン基が好ましく、エステル交換反応時に発生するアルキレングリコールが留去しやすいエチレン基がより好ましい。これらは2種以上の併用であってもよい。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であって、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましく、安価で取り扱い易いオキシエチレン基、オキシプロピレン基がより好ましい。これらは2種以上の併用であってもよい。
mは4〜140の整数であり、好ましくは10〜130の整数であり、より好ましくは20〜120の整数である。
nは1〜10の整数であり、好ましくは、1〜8の整数であり、より好ましくは、1〜6の整数である。
また、本発明の合成繊維用紡糸油剤の必須成分であるポリエーテルエステル化合物(A)は、脂肪族および/または芳香族二塩基酸(a1)もしくはその誘導体(a2)とアルキレングリコール(b)との反応で得られる両末端が水酸基であるポリエステル化合物(A1)と、重量平均分子量が200〜6000のポリオキシアルキレングリコール(A2)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物である。
すなわち、ポリエーテルエステル化合物(A)は両末端が水酸基であるポリエステル化合物(A1)とポリオキシアルキレングリコール(A2)とのエステル交換反応で得られるものである。また、この原料となるポリエステル化合物(A1)は、脂肪族二塩基酸および/または芳香族二塩基酸(a1)とアルキレングリコール(b)との反応で得られるか、もしくは二塩基酸誘導体とアルキレングリコール(b)との反応で得られるものである。
本発明において、上記の脂肪族および/または芳香族二塩基酸(a1)、その誘導体(a2)およびアルキレングリコール(b)の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族および/または芳香族二塩基酸(a1)としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、3,3−ジメチルペンタン二酸フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
その誘導体(a2)としては、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル等が挙げられる。
アルキレングリコール(b)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールが挙げられる。
本発明において、ポリエステル化合物(A1)およびポリオキシアルキレングリコール(A2)の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリエステル化合物(A1)としては、アジピン酸ジメチルとエチレングリコール(モル比で1:2)との反応で得られるポリエステル化合物(A1−1)、セバシン酸ジメチルとエチレングリコール(モル比で1:2)との反応で得られるポリエステル化合物(A1−2)、イソフタル酸ジメチルとエチレングリコール(モル比で1:2)との反応で得られるポリエステル化合物(A1−3)、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール(モル比で1:2)との反応で得られるポリエステル化合物(A1−4)、テレフタル酸と1,3−プロパンジオール(モル比で1:2)との反応で得られるポリエステル化合物(A1−5)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコール(A2)は、オキシアルキレン単位の炭素数が2〜4である重量平均分子量200〜6000のポリオキシアルキレングリコールである。
(A2)としては、ポリオキシエチレングリコール(A2−1)、ポリオキシプロピレングリコール(A2−2)、ポリオキシブチレングリコール(A2−3)、異なる2種以上のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール(A2−4)等が挙げられる。
本発明のポリエーテルエステル化合物(A)の具体的な例としては、前記(A1−1)と(A1−4)と(A2−4)(モル比で1:2:2)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−1)と(A1−3)と(A2−4)(モル比で1:2:2)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−2)と(A1−4)と(A2−4)(モル比で1:2:2)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−2)と(A1−3)と(A2−4)(モル比で1:2:2)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−3)と(A2−1)(モル比で1.1:1)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−1)と(A1−4)と(A2−4)(モル比で2:3:4)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−1)と(A1−4)と(A2−2)(モル比で2:3:4)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、前記(A1−1)と(A1−4)と(A2−3)(モル比で2:3:4)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物、等が挙げられる。
ポリエーテルエステル化合物(A)は、油剤全体100部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。この範囲にあると、繊維−繊維間摩擦および繊維−金属間摩擦が低く、製糸性が向上する傾向がある。
本発明の油剤は、上記に述べたポリエーテルエステル化合物(A)を必須成分として含有するが、さらに平滑剤成分(B)、乳化剤成分(C)および湿潤成分(D)を含有させてもよい。
平滑剤成分(B)は、平滑機能を有するエステル化合物(B1)が挙げられる。
(B1)の具体例としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B1−1)一価エステル化合物
2−エチルヘキシルステアレート、イソデシルステアレート、ラウリルイソステアレート、イソステアリルオレート、イソエイコシルステアレート、イソエイコシルオレート、イソテトラコシルオレート、イソアラキジルオレート、イソステアリルパルミテート、オレイルオレート、ラウリルアルコールEO2モル付加物のラウリン酸エステル、オレイルアルコールPO2モル付加物のステアリン酸エステル等。
(B1−2)二価エステル化合物
グリセリンジオレート、グリセリントリオレート、ジオレイルアジペート、ジイソトリデシルアジペート、ステアリルアルコールEO10モル付加物のアジピン酸ジエステル、ビスフェノールEO5モル付加物のジオレイン酸エステル等。
(B1−3)多価エステル化合物
グリセリントリオレート、ペンタエリスリトールテトラオレート、ソルビトールテトラステアレート、トリメリット酸トリラウレート等。
(B1−4)その他のエステル類
ジラウリルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジプロピオネート等
乳化剤成分(C)は、乳化機能を有する界面活性剤であって、非イオン界面活性剤(高級アルコールのAO付加物等)、アニオン界面活性剤(高級アルコールの硫酸化物Na塩、アルキルスルホネートNa塩等)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン及びその無機酸塩もしくは有機酸塩、第四級アンモニウム塩等)及び両性界面活性剤(ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤等)等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは非イオン界面活性剤であり、分子内にポリアルキレングリコール(以下PAGと略す)鎖を有する重量平均分子量(以下Mwと略す。)1,000以上のPAG型非イオン界面活性剤(C1)であることがより好ましい。(C1)が有するPAGは、活性水素を有する化合物にAOを付加することにより得られる。PAGを形成するAOは、特に限定されないが、好ましいのはEO単独又はEOとPOの併用である。EOとPOを併用する場合は、その付加様式(ランダム又はブロック)、EOとPOの構成重量比は、特に限定されないが、EOの重量割合が50%以上であることが好ましい。
(C1)のMwは、油剤配合後の安定性や平滑性の観点から、1,000〜30,000であって、好ましくは1,200〜25,000、より好ましくは1,500〜20,000である。
(C1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(C1−1)炭素数4〜36の脂肪族アルコールのAO付加物
ブタノールEO20モル、PO10モルブロック付加物、オクチルアルコールEO30モル付加物、オレイルアルコールEO20モル付加物、ステアリルアルコールEO/POランダム付加物(モル比:EO/PO=3/2)(Mw=1,400)、ネオペンチルグリコールEO30モル付加物、ソルビトールEO40モル付加物等。
(C1−2)炭素数6〜42の脂環式アルコールのAO付加物
シクロヘキサノールEO25モル付加物、3−エチルシクロヘキサノールEO/POランダム付加物(モル比:EO/PO=3/2)(Mw=1,500)、trans−1,2−シクロヘキサノールEO45モル付加物等。
(C1−3)炭素数7〜40の芳香族アルコールのAO付加物
ベンジルアルコールEO25モル付加物、オクチルフェノールEO20モル付加物、ノニルフェノールEO25モル付加物、ドデシルフェノールEO100モル付加物等。
(C1−4)炭素数4〜40の脂肪酸のAO付加物
オレイン酸EO20モル付加物、ステアリン酸EO/POランダム付加物(モル比:EO/PO=3/2)(Mw=3,000)等。
(C1−5)フェノール及びフェノール誘導体のAO付加物
フェノールのEO20モル付加物、ビスフェノールAのPO10モル、EO30モルブロック付加物等。
(C1−6)多価(2〜8価)アルコール脂肪酸エステルのAO付加物
グリセリンモノステアレートのEO40モル付加物、ヒマシ油EO20モル付加物、ヒマシ油EO/POランダム付加物(モル比:EO/PO=3/2)(Mw=3,000)、硬化ヒマシ油EO40モル付加物、硬化ヒマシ油EO10モル、PO25モル付加物、ソルビトールジラウレートEO40モル付加物、ソルビタンモノオレートのEO20モル付加物等。
湿潤成分(D)は、油剤に合成繊維への湿潤性を付与する機能剤であって、湿潤性を付与する非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等が使用できるが、非イオン界面活性剤であることが好ましく、Mwが1,000未満の脂肪族アルコールのAO付加物(D1)であることがより好ましい。AOとしては、炭素数2〜12のものが使用でき、AOを付加する方法等は前述と同様である。AOとしては、EO単独又はEOとPO併用が好ましく、EO単独であることがより好ましい。EOとPOを併用する場合は、その付加様式(ランダム付加又はブロック付加)は特に限定されないが、ブロック付加物であることが好ましく、また、EOとPOの構成重量比の特に限定されないが、EOの重量割合が70%以上であることがより好ましい。
(D1)として、具体的には下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(D1−1)炭素数8〜22の直鎖脂肪族アルコールAO付加物
オクチルアルコールEO8モル付加物、デシルアルコールEO10モル、PO2モル付加物、ラウリルアルコールEO10モル付加物、オレイルアルコールEO3モル付加物、ステアリルアルコールPO2モル、EO2モル付加物等。
(D1−2)炭素数8〜22の分岐脂肪族アルコールAO付加物
2−エチルヘキシルアルコールPO5モル、EO5モル付加物、イソデシルアルコールEO5モル付加物、イソトリデシルアルコールEO10モル付加物、2−ヘキシルヘキサノールEO3モル付加物、2−ヘキシルデカノールEO7モル付加物、イソステアリルアルコールPO4モル、EO1モル付加物等。
これらのうち、好ましいものは炭素数8〜22の分岐脂肪族アルコールAO付加物であり、炭素数10〜18の分岐脂肪族アルコールAO付加物であることがより好ましく、炭素数12〜16の分岐脂肪族アルコールAO付加物であることが最も好ましい。
なお、(D)は2種以上を併用して使用しても良い。
本発明の油剤は、前記平滑剤成分(B)とポリエーテルエステル化合物(A)、乳化剤成分(C)および湿潤成分(D)を特定の割合で含有することが好ましい。
平滑剤成分(B)は、油剤全体100部に対して、通常25〜75重量部、好ましくは35〜65重量部である。この範囲にあると、繊維−金属間摩擦が低く、製糸性がさらに向上する傾向がある。
乳化剤成分(C)は、油剤全体100部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは 2〜8重量部である。この範囲にあると、エマルションにした場合のエマルション安定性、および繊維への均一付着性が良くなり、製糸性がさらに向上する傾向がある。
湿潤成分(D)は、油剤全体100部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部である。この範囲にあると、繊維への濡れ性が良くなり、製糸性がさらに向上する傾向がある。
本発明の油剤には、さらにその他の成分(E)を含有することができる。(E)としては、以下のようなものが挙げられる。(E)は2種以上を併用して使用しても良い。
(E1)(B)以外の潤滑剤
25℃における動粘度が10〜3,000cStである鉱物油(例えば、25℃における動粘度が200cStである精製スピンドル油、25℃における動粘度が100cStである流動パラフィン等)、動植物油(例えば、牛脂、マッコウ鯨油、菜種油、ヤシ油、ヒマシ油等)、シリコーン化合物(例えば、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等)、天然及び合成ワックス(例えば、カルナバワックス、ミツロウ、融点30℃〜100℃のパラフィンワックス及びポリオレフィンワックス[オレフィンの炭素数2〜18、Mwが1,000〜10,000のワックス、例えばポリエチレンワックス])等。
(E2)(C)及び(D)以外の界面活性剤
脂肪酸アルカノールアミド(オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド等)、炭素数6〜32のアルキルアミン及びこれらの炭素数2〜4のAO付加物(例えば、付加モル数1〜40)(例えば、デシルアミンのEO4モル付加物、ラウリルアミンのEO6モル付加物、ステアリルアミンのEO15モル付加物等)等。
(E3)帯電防止剤
炭素数8〜32のアルコール及びこれらの炭素数2〜4のAO付加物(例えば、付加モル数1〜20)のホスフェート(例えば、ラウリルアルコールのリン酸エステルカリウム塩、オレイルアルコールのEO3モル付加物のリン酸エステルナトリウム塩、イソステアリルアルコールのEO7モル付加物のリン酸エステルカリウム塩等)、炭素数9〜90の(チオ)ホスファイト(例えば、トリフェニルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト等)、炭素数8〜32の脂肪酸石鹸(対イオンは、例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、アンモニア等)(例えば、ラウリン酸アンモニウム石鹸、オレイン酸カリウム石鹸、ヒマシ油ナトリウム石鹸等)、炭素数8〜32のイミダゾリン系化合物(例えば、ラウリルイミダゾリン、オレイルイミダゾリン等)、炭素数8〜32の硫酸エステル類及びその塩(例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、オレイルアルコール硫酸エステルアンモニウム塩等)、炭素数8〜32のスルホン酸及びその塩(例えば、ラウリルスルホネートナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸及びそのナトリウム塩、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩等)等。
(E4)酸化防止剤
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート等)、アミン系酸化防止剤(例えば、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等)等。
(E5)紫外線吸収剤
ベンゾトリアゾール系(2−(3,5−ジ−t−アミル)ヒドロキシフェニル等)、ヒンダードアミン系(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等)等。
(E6)フッ素化合物
パーフルオロエタン、パーフルオロオクタン等。
(E7)pH調整剤
塩酸、次亜リン酸、リン酸、硫酸、低級脂肪酸(炭素数2〜8)及びその誘導体(例えば、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム等)、アンモニア及びアルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、高級脂肪酸類(例えば、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、サリチル酸、ペンタデセニルコハク酸等)等。
(E8)その他
外観調整剤(エチレングリコール、プロピレングリコール、オレイルアルコール等)、水等。
その他の成分(E)は、油剤全体100部に対して、50重量部以下であることが好ましい。
本発明の油剤は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を配合することによって得ることができる。配合の方法については、特に限定されず公知の方法が適用可能である。例えば、攪拌羽を備えた配合槽に各成分を所定量仕込み、必要により加温し、攪拌、均一とする方法等が使用できる。
本発明の油剤の使用形態は特に限定されないが、通常、エマルション又は低粘度鉱物油(25℃における動粘度が1〜10cStの流動パラフィン等)や溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン等)等による希釈品として、又はそのまま使用される。これらのうち、エマルションとして使用されることがより好ましい。エマルションとして使用される場合、エマルションの調整方法に特に限定はなく、例えば、乳化槽に所定量のイオン交換水を入れ、攪拌下で徐々に本発明の油剤を投入し、乳化するといった方法が適用できる。エマルションの濃度は、通常、5〜40重量%、好ましくは8〜30重量%である。乳化温度は、通常、10〜60℃である。
本発明の油剤は、紡糸工程の任意の位置で給油できるが、通常、紡糸直後の未延伸の繊維に所定量給油される。給油方法は、ローラー、ノズル等、任意の公知の方法が適用できる。繊維は給油処理された後、延伸され、巻き取られる。本発明の油剤の繊維に対する付着量は、特に限定されないが、通常、繊維に対し油剤純分として0.05〜8重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明の油剤が適用できる合成繊維は特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリ乳酸、レーヨン、アセテート等に適用でき、優れた効果を発揮する。
本発明の油剤で処理された合成繊維の用途は特に限定されず、織物、編物等、種々の形態で各種衣料用や産業資材用等に広く使用することができる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
<本発明のポリエーテルエステル化合物(A)の製造例>
製造例1
攪拌装置、加熱冷却装置、温度計を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル66.1部、アジピン酸ジメチル29.6部およびエチレングリコール69.7部を仕込み(モル比2:1:6)、これに触媒として酢酸カルシウム0.25部および三酸化アンチモン0.14部を加えた。反応温度140℃から200℃まで段階的に温度を上昇させ、生成メタノールを分水管により連続的に系外へ除去しながら8時間エステル交換反応させた。さらにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールブロック共重合体(モル比でEO/PO=2/8)(Mw=2200)832.1部を仕込み(テレフタル酸ジメチルと等モル)、1〜20mmHgの減圧下に260℃まで段階的に温度を上昇させ、生成エチレングリコールを連続的に系外へ除去しながら10時間反応させた後、冷却し、吸着剤による処理濾過を行うことで、両末端が水酸基の本発明のポリエーテルエステル化合物(A−1)(Mw=6800)を937部得た。
製造例2
攪拌装置、加熱冷却装置、温度計を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル51.0部、アジピン酸ジメチル30.5部およびエチレングリコール59.8部を仕込み(モル比3:2:10)、これに触媒として酢酸カルシウム0.25部および三酸化アンチモン0.14部を加えた。反応温度140℃から200℃まで段階的に温度を上昇させ、生成メタノールを分水管により連続的に系外へ除去しながら8時間エステル交換反応させた。さらにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールブロック共重合体(モル比:EO/PO=2/8)(Mw=2200)856.2部を仕込み(アジピン酸ジメチルの2倍モル)、1〜20mmHgの減圧下に260℃まで段階的に温度を上昇させ、生成エチレングリコールを連続的に系外へ除去しながら10時間反応させた後、冷却し、吸着剤による処理濾過を行うことで、両末端が水酸基の本発明のポリエーテルエステル化合物(A−2)(Mw=13500)を931部得た。
<比較のためのポリエーテルエステル化合物の製造例>
製造例3
攪拌装置、加熱冷却装置、温度計を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル66.1部、アジピン酸ジメチル29.6部およびエチレングリコール69.7部を仕込み(モル比2:1:6)、これに触媒として酢酸カルシウム0.25部および三酸化アンチモン0.14部を加えた。反応温度140℃から200℃まで段階的に温度を上昇させ、生成メタノールを分水管により連続的に系外へ除去しながら8時間エステル交換反応させた。さらにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールブロック共重合体(モル比:EO/PO=2/8)(Mw=2200)1664.2部を仕込み(テレフタル酸ジメチルの2倍モル)、1〜20mmHgの減圧下に260℃まで段階的に温度を上昇させ、生成エチレングリコールを連続的に系外へ除去しながら10時間反応させた後、冷却し、吸着剤による処理濾過を行うことで、両末端がポリオキシアルキレン基である、比較のためのポリエーテルエステル化合物(A−3)(Mw=11200)を1739部得た。
製造例4
攪拌装置、加熱冷却装置、温度計を備えた反応容器に、テレフタル酸ジメチル66.1部、アジピン酸ジメチル29.6部およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールブロック共重合体(モル比:EO/PO=2/8)(Mw=2200)832.1部を仕込み(モル比2:1:2)、これに触媒として酢酸カルシウム0.25部および三酸化アンチモン0.14部を加えた。反応温度140℃から200℃まで段階的に温度を上昇させ、生成メタノールを分水管により連続的に系外へ除去しながら8時間エステル交換反応させた。さらに、1〜20mmHgの減圧下に260℃まで段階的に温度を上昇させ、生成メタノールを連続的に系外へ除去しながら10時間反応させた後、冷却し、吸着剤による処理濾過を行うことで、両末端がメチルエステル基である、比較のためのポリエーテルエステル化合物(A−4)(Mw=4800)を849部得た。
<実施例と比較例の油剤の配合>
上記製造例1〜4のポリエーテルエステル化合物(A−1)〜(A−4)及び下記成分を使用し、本発明の油剤(実施例1〜5)及び比較油剤(比較例1〜4)を表1のように配合した。
(A−5)ポリオキシエチレングリコールとテレフタル酸の共重合物(Mw=5,000) (市販品)
(B−1)2−エチルヘキシルステアレート
(B−2)イソデシルステアレート
(B−3)ジオレイルアジペート
(B−4)グリセリンジオレート
(C−1)オレイルアルコールEO20モル付加物
(C−2)ステアリルアルコールEO/PO{モル比(EO/PO)=3/2}ランダム付加物(Mw=1,400)
(C−3)ソルビトールジラウレートEO40モル付加物
(C−4)ヒマシ油EO20モル付加物
(D−1)2−ヘキシルヘキサノールEO3モル付加物
(D−2)2−ヘキシルデカノールEO7モル付加物
(D−3)オレイルアルコールEO3モル付加物
(D−4)イソデシルアルコールEO5モル付加物
(E1−1)流動パラフィン(25℃における動粘度:100cSt)
(E1−2)ポリエーテル変性シリコーン(25℃における動粘度:900cSt)
(E1−3)ヤシ油
(E2−1)オレイン酸ジエタノールアミド
(E2−2)ステアリルアミンEO15モル付加物
(E3−1)オレイルアルコールEO3モル付加物のリン酸エステルナトリウム塩
(E3−2)ラウリルスルホネートナトリウム塩
これらを用いて下記評価を行った。その結果を表2に示す。
<繊維−繊維間摩擦係数>
各油剤を、ポリエステルフィラメント糸(83dtex、36フィラメント)に付着量1.0重量%となるように付着させ、荷重8g、糸速度0.018mm/秒でDu pont式POY繊維間摩擦係数測定装置を用い、繊維−繊維間摩擦係数を測定した。値が小さいほど、繊維−繊維間摩擦が良好であることを示す。
<繊維−金属間摩擦係数>
各油剤を、ポリエステルフィラメント糸(83detx、36フィラメント)に付着量1.0重量%となるように付着させ、初張力10g、糸速度100m/分で走行糸法にて金属ピン(表面梨地加工)と接触角180度にて接触させ、金属ピン通過後の張力を測定し、繊維−金属間摩擦係数を算出した。値が小さいほど、繊維−金属間摩擦が良好であることを示す。
さらに、表1に示す本発明の油剤及び比較油剤を用い、巻き取りチーズの毛羽状態を観察した結果を表3に示す。
<毛羽発生評価>
有効成分12%のエマルションを作成し、下記条件でポリエステル原糸(85detx)を生産し、24時間後の巻き取りチーズの毛羽状態を観察した。
生産条件
油剤付着量; 1.0重量 %
巻取り速度; 6,000m/分
延伸ローラー温度; 130℃
判定基準
巻取り速度が6,000m/分で24時間後のの毛羽発生数
○:3以下
△:4〜6
×:7以上
表2及び表3から、本発明の油剤は、繊維−繊維間摩擦および繊維−金属間摩擦が低く、毛羽、糸切れの発生を減らすことができ、得られる繊維の品質も極めて優れていることが明らかである。
本発明の油剤は、繊維−繊維間摩擦および繊維−金属間摩擦が低く、合成繊維の製造工程において、毛羽、糸切れ発生を減らすことができ、極めて良好な製糸性を与える。また、得られる繊維の品質も優れており、合成繊維用紡糸油剤として好適である。

Claims (6)

  1. 下記一般式で表されるポリエーテルエステル化合物(A)を必須成分とすることを特徴とする合成繊維用紡糸油剤。
    (式中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基および/またはフェニル基;R2は炭素数2〜4のアルキレン基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;mは4〜140の整数;nは1〜10の整数を表す。)
  2. 該ポリエーテルエステル化合物(A)が、脂肪族および/または芳香族二塩基酸(a1)もしくはその誘導体(a2)とアルキレングリコール(b)との反応で得られる両末端が水酸基であるポリエステル化合物(A1)と、重量平均分子量が200〜6000のポリオキシアルキレングリコール(A2)とのエステル交換反応で得られるポリエーテルエステル化合物である請求項1記載の合成繊維用紡糸油剤。
  3. (b)/[(a1)+(a2)]がモル比で2.0〜1.1である請求項2記載の合成繊維用紡糸油剤。
  4. (A1)/(A2)がモル比で2.0〜1.1である請求項2または3記載の合成繊維用紡糸油剤。
  5. 合成繊維の紡糸工程において、請求項1〜4いずれか記載の合成繊維用紡糸油剤を用いて、繊維を処理した後、延伸、巻き取りをする合成繊維の処理方法。
  6. 請求項5記載の処理方法で処理された合成繊維。

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