JP5611523B2 - 粒子状吸水剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、吸水性能を損なうことなく、かつ乾燥状態及び吸湿時の流動性、かさ密度の安定性等の粉体特性に優れ、安定した吸収特性を示す粒子状吸水剤であり、該粒子状吸水剤を紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料の吸収体中に用いた場合に、戻り量の少ない、優れた吸収特性を有する粒子状吸水剤及びその製造方法に関するものである。
近年、吸水性樹脂は、体液(尿や血液)を吸収させることを目的として、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パット等などの衛生材料(吸収物品)において、その主要な構成材料として幅広く利用されている。上記吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、カルボキシメチルセルロース架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、架橋イソブチレン−マレイン酸共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の架橋体等が知られている。
従来、上記の吸水性樹脂に望まれる吸水特性としては、体液等の水性液体に接した際の高い吸収倍率、特に荷重下での高い吸水倍率、優れた吸収速度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引量等が求められている。
これらの吸水性樹脂は、重合体内部に均一な架橋構造を持ち、水不溶化された親水性樹脂である。しかし、通常、上記の吸水特性を得るために、吸水性樹脂の粒子の表面をさらに架橋剤などで架橋処理することによって粒子に架橋密度勾配を持たせ、吸水性樹脂の吸水速度の向上、ママコの生成防止、ゲル強度の向上、加圧下での吸収倍率改善、ゲルブロッキング防止、通液性の向上が図られている(特許文献1〜6)。
吸水性能を向上させるために、例えば、吸水性樹脂の粒子の表面近傍に架橋密度勾配を持たせる表面架橋処理をした粒子状吸水剤が知られている(従来例1)。
上記手法以外にも、例えば通液性の向上を目的とした、吸水性樹脂と金属石鹸とからなる吸水材が知られている。また、吸水性能のみならず、吸水性樹脂の製造時や搬送時、及び、吸水性樹脂と繊維基材等を加工して吸収体を作製する時、乾燥状態での粉体流動性及び吸湿時の粉体流動性が良好であり、装置等への付着も少なく、かつ吸水特性に優れた粒子状吸水剤が望まれている。吸湿時の粉体流動性が良好な特性を付与する試みとして非晶質二酸化ケイ素やカオリン等の無機物質粉体の添加が提案されている。例えば、無機物質粉体と吸水性樹脂粉末からなる粒子状吸水剤、ステアリン酸と無機物質粉末とを含む粒子状吸水剤が知られている(従来例2)。
また、4級アンモニウム塩を含む粒子状吸水剤が知られている。さらに、変性ポリシロキサンやポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール等を添加した粒子状吸水剤が知られている。また、ポリマー系分散剤を含有する粒子状吸水剤が知られている(従来例3)。
また、ママコの生成防止、ゲルブロッキング防止を図るために、吸水性樹脂を界面活性剤で処理した粒子状吸水剤についても知られている(従来例4)。
さらに、かさ密度を向上させる試みも提案されている。例えば、架橋重合体粒子を研磨した後に、表面架橋することによって、かさ密度が大きく、加圧下の吸収倍率が良好な不定形破砕状吸水性樹脂粉末を製造することができる(従来例5)。
ここで、例えば特許文献1には、架橋構造を有する吸水性樹脂に、表面架橋剤を添加して表面架橋処理し、さらに、界面活性剤または粉体の滑剤を添加することにより製造される粒子状吸水剤が示されている。また、特許文献2には、重合可能な不飽和酸基を含むモノマーと、内部架橋剤と、表面架橋剤と、透水性改質剤と、多価金属塩と、界面活性剤と不溶性無機粉末とを含む高吸収性ポリマーが示されている。さらに、吸水性樹脂を含む吸水剤であって、該吸水性樹脂の表面近傍は、表面架橋剤によって架橋または被覆されており、該吸水性樹脂は、その表面及びその近傍の少なくともいずれか一方に多価金属塩および水不溶性無機粒子を含んでいる吸水剤が知られている。
国際公開第2005/075070号パンフレット(2005年8月18日公開) 日本国公表特許公報「特表2006−526691号公報(公表日:平成18年11月24日)」 日本国公表特許公報「特表平8−509522号公報(公表日:平成8年10月8日)」 日本国公表特許公報「特表2004−512165号公報(公表日:平成16年4月22日)」 中国公開特許公報「1970586号公報(公開日:2007年5月30日)」 台湾公開特許公報「200720346号公報」
しかしながら、上記の手法では、乾燥状態での流動性及び吸湿時の粉体流動性が不十分であったり、加圧下での吸収性能が大幅に低下したり、吸水性樹脂と尿等の吸収液が接触した場合に、吸収液の表面張力が低下する等の問題があった。
例えば、上記従来例1の粒子状吸水剤は、乾燥状態での流動性及び吸湿時の流動性が低く不十分であり、吸水性樹脂の取扱い性が悪いという問題点を有している。
また、上記従来例2の粒子状吸水剤は、無機物質を添加することで吸湿時の流動性が改善されるものの、乾燥状態での流動性及び吸収性能が大幅に低下し、吸水性樹脂の取扱い性が悪い他、それらを使用した吸収物品は十分な吸水特性を発揮できない。特に、金属石鹸を吸水性樹脂に対して多量に添加した場合には、金属石鹸の疎水性、撥水性、界面活性能といった性質が吸水性樹脂の吸液性能に悪影響をもたらすという問題点を有している。
また、上記従来例3の粒子状吸水剤は、吸湿時の流動性が不十分であり、また、吸水性樹脂と尿等の吸収液が接触した場合に、吸収液の表面張力が低下する問題を有している。例えば、紙おむつに使用した場合に戻り量が増加するなど、吸収性物品の吸水特性が低下するため、十分なものとは言えなかった。
また、上記従来例4の粒子状吸水剤は、吸水性樹脂に対する界面活性剤の使用量が多いために不経済であり、また、粒子状吸水剤と尿等の吸収液が接触した場合に、吸収液の表面張力が低下する。その結果、例えば紙オムツに使用した場合に戻り量(re−wet)が増加するなど、粒子状吸水剤の吸液性能に悪影響をもたらすという問題点を有している。
また、上記従来例5の不定形破砕状吸水性樹脂粉末は、かさ密度が高く、加圧下の吸収倍率が良好なものとなっている。しかし、これらを達成するために架橋重合体表面を研磨しており、粉末を製造する工程数が増えている。また、架橋重合体表面の研磨によって発生する微紛を処理する必要がある。このため、製造に係るコストや手間が増大するという問題点を有している。
また、特許文献1に示される粒子状吸水剤は、多価金属塩等の通液性向上剤が添加されていないので、通液性が劣っているという問題点を有している。
また、特許文献2に示される高吸収性ポリマーは、表面架橋剤と界面活性剤とを同時に添加するか、または、界面活性剤を表面架橋剤の直前若しくは直後に添加するので、その後に添加する多価金属塩のポリマー表面への析出により、粉体としての摩擦抵抗が大きくなる。これにより、空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性が低下するという問題点を有している。
さらに、吸水性樹脂の表面近傍が表面架橋剤によって架橋または被覆され、かつ吸水性樹脂の表面近傍に多価金属塩および水不溶性無機粒子を含んでいる吸水剤は、多価金属塩の吸水性樹脂表面への析出が生じる。これにより、空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性が低下するという問題点を有していることが見出された。
ここで、空気輸送の方式は、低濃度空気輸送と高濃度空気輸送とに大別される。具体的には、低濃度空気輸送では、被輸送物である粉体は、輸送管内において分散状態で移動する。一方、高濃度空気輸送では、被輸送物である粉体は、輸送管内においてスラグまたはプラグと呼ばれる集団を形成しながら移動する。粉体が分散状態を維持するためには、気流速度が高くなければならないので、低濃度空気輸送は高速輸送に対応する。一方、高濃度空気輸送は低速輸送に対応する。一般的な空気輸送では、輸送管の閉塞現象を防止するために、輸送空気量を増加させる方法等が用いられている。しかし、この方法では、輸送圧力、輸送速度等の増加が生じ、被輸送物である粉体にダメージを与え、物性の低下を引き起こすという問題が生じる。一方、このダメージを緩和するために輸送空気量を減少させると、再び輸送管の閉塞現象が発生し、安定した空気輸送が行えなくなるという問題が生じる。そこで、被輸送物の物性の維持と、安定した空気輸送との両立が課題となっている。
上記特許文献は、バッチレベルや実験室では一定の効果(通液性の向上など)を示すものの、実生産では必ずしも高物性を示さないことがあった。そこで、本発明者らがその原因を追究した結果、意外にも輸送行程に原因があることを見出した。
つまり、本発明者らは、多価金属塩や水不溶性無機微粒子などの通液性向上剤を含む粒子状吸水剤およびその製造方法において、その特有の問題、すなわち、通液性向上剤の使用に伴う搬送性の低下(生産性低下)、および、通液性向上剤の混合後の搬送に伴う物性の低下という問題を見出した。また、本発明者らは、吸水性樹脂の製造工程では中間に工程間を連結する多くの搬送機(例えば、ベルトコンベアー、スクリューコンベアー、バケットコンベアー、スプリングコンベアーなど)が種々使用されているが、中でも、通液性向上剤の使用に伴う搬送性低下および物性低下は、空気輸送において顕著かつ特有であることを見出した。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、空気輸送状態に優れ、かつ通液性向上剤の効果を低減することなく、空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性に優れた粒子状吸水剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、上記課題を解決するために、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加する工程、該有機表面架橋剤を添加する工程の同時工程または後工程として通液性向上剤を添加する工程、さらに、その後に滑り性向上剤を添加する工程を含むことを特徴としている。
上記の発明によれば、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤および通液性向上剤を添加した後に、滑り性向上剤を添加する。それゆえ、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、最も外側、即ち、吸水性樹脂と反対側に滑り性向上剤層が存在する。これにより、上記粒子状吸水剤は、吸湿時の流動性及び乾燥状態での流動性がよくなる。その結果、上記粒子状吸水剤は、搬送時においての取扱い性が良好で、装置等への付着も少ない。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、通液性向上剤を添加する。それゆえ、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、液透過性に優れている。これにより、上記粒子状吸水剤は、空気輸送による生理食塩水流れ誘導性(SFC)の低下率が小さく、耐ダメージ性に優れている。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記粒子状吸水剤の空気輸送工程を含むことが好ましい。
空気輸送は上述したような問題点を有するものの、コンベヤー等の機械的輸送手段に対して、保守管理が容易であり、輸送経路が片道であることから、設置が容易であり、粒子状保水剤の製造において好んで用いられている。上述したダメージおよび閉塞の問題は、本発明の技術により回避することができ、吸水剤の製造において、空気輸送を好適な輸送手段とすることができる。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記有機表面架橋剤を添加する工程の後工程として前記通液性向上剤を添加する工程を含むことが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、表面架橋層の外側に通液性向上剤層が存在する。それゆえ、上記粒子状吸水剤は、より一層液透過性に優れている。その結果、上記粒子状吸水剤は、空気輸送による生理食塩水流れ誘導性(SFC)の低下率がより小さくなり、より一層耐ダメージ性に優れている。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記通液性向上剤が、高分子ポリアミン化合物、水不溶性微粒子または水溶性多価金属塩を含むことが好ましい。また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記滑り性向上剤が、界面活性剤または粉体の滑剤を含むことが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、上記通液性向上剤および/または上記滑り性向上剤を、特定の物質にすることができる。それゆえ、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、液透過性、並びに吸湿時の流動性及び乾燥状態での流動性が確実によくなる。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記通液性向上剤の水溶液または水分散液を添加することが好ましい。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、ハンドリング性、粒子状吸水剤との混合性、混合後の通液性向上剤の偏析、分離抑制等の観点から、通液性向上剤を水溶液または水分散液で添加することが望ましい。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、加熱表面架橋工程と冷却工程とを含み、該加熱表面架橋工程では、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加して表面架橋処理し、その後の該冷却工程時または該冷却工程の後に、通液性向上剤を添加し、さらに、滑り性向上剤を添加することが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性に優れた粒子状吸水剤を効率的に製造することができる。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記吸水性樹脂の無加圧下吸収倍率(CRC)が、10g/g以上、60g/g以下の範囲内であることが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、優れた吸収特性を有していることになる。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50)が、150μm以上、850μm未満の範囲内であることが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、質量平均粒子径が小さすぎないので、作業中の粉塵発生による作業環境の劣悪化が発生することはない。また、上記粒子状吸水剤は、質量平均粒子径が大きすぎないので、上記粒子状吸水剤の吸水速度が遅くなることはない。さらに、上記粒子状吸水剤を吸収物品に使用した際に、吸収物品の肌触りが悪くなることはなく、使用者に対して不快感を与えることもない。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、前記通液性向上剤の添加後かつ前記滑り性向上剤添加前の吸水性樹脂における4.83kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が、20g/g以上、40g/g以下の範囲内であることが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、優れた吸収特性を有することになる。上記吸水性樹脂の加圧下吸収倍率(AAP)が、上記範囲から外れると、上記粒子状吸水剤をおむつ等に使用した場合、高物性を示さない場合があるため好ましくない。
また、本発明の粒子状吸水剤は、前記吸水性樹脂の表面に、表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層からなる部位を有することが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤は、表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層を有することで、液透過性と流動性とを両立することが可能となる。
また、本発明の粒子状吸水剤は、4.83kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が、20g/g以上、40g/g以下の範囲内であることが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤は、優れた吸収特性を有していることになる。上記粒子状吸水剤の加圧下吸収倍率(AAP)が、上記範囲から外れると、上記粒子状吸水剤をおむつ等に使用した場合、高物性を示さない場合があるため好ましくない。
また、本発明の粒子状吸水剤は、10(10−7・cm・s・g−1)以上の生理食塩水流れ誘導性(SFC)を有することが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤は、液透過性に優れていることになる。
また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、前記有機表面架橋剤と前記通液性向上剤とを含む粒子状吸水剤の輸送方法であって、さらに、滑り性向上剤を添加し、その後に空気輸送することが好ましい。ここで、前記有機表面架橋剤と前記通液性向上剤とを含む粒子状吸水剤とは、前記有機表面架橋剤および前記通液性向上剤以外に、滑り性向上剤等の他の成分を含んでいてもよい。
一般的な空気輸送では、輸送管の閉塞現象を防止するために、輸送空気量を増加させる方法等が用いられている。しかし、この方法では、輸送圧力、輸送速度等の増加が生じ、被輸送物にダメージを与え、物性の低下を引き起こす。一方、このダメージを緩和するために輸送空気量を減少させると、再び輸送管の閉塞現象が発生し、安定した空気輸送が行えなくなる。そこで、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、滑り性向上剤を添加した後に空気輸送する。それゆえ、上記粒子状吸水剤の表面に滑り性向上剤層が存在した状態で空気輸送するので、輸送空気量を増加させなくても輸送管の閉塞現象を防止することができる。その結果、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記粒子状吸水剤の物性維持と、上記粒子状吸水剤の安定した空気輸送との両立を図ることができる。
また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加し、該有機表面架橋剤を添加するのと同時にまたは該有機表面架橋剤を添加した後に通液性向上剤を添加し、さらに、滑り性向上剤を添加し、その後に空気輸送することが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記粒子状吸水剤の表面に、上記吸水性樹脂側から順に通液性向上剤層、滑り性向上剤層が積層された状態で空気輸送する。それゆえ、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法により輸送された粒子状吸水剤は、より一層液透過性に優れている。その結果、上記粒子状吸水剤は、空気輸送による生理食塩水流れ誘導性(SFC)の低下率がより小さくなり、より一層耐ダメージ性に優れている。
また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、前記通液性向上剤が高分子ポリアミン化合物、水不溶性微粒子または水溶性多価金属塩を含んでおり、かつ前記滑り性向上剤が界面活性剤を含んでいることが好ましい。
これにより、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記通液性向上剤および上記滑り性向上剤を、特定の物質にすることができる。それゆえ、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法により輸送された粒子状吸水剤は、液透過性、並びに吸湿時の流動性及び乾燥状態での流動性が確実によくなる。
また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、前記粒子状吸水剤の輸送距離が、10m以上、1000m以下の範囲内であることが好ましい。
本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記粒子状吸水剤が上記有機表面架橋剤と上記通液性向上剤とを含んでいる。それゆえ、上記粒子状吸水剤は、液透過性および流動性に優れており、長距離の輸送が可能である。
また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、1metric ton/hr以上の連続輸送であることが好ましい。
本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記粒子状吸水剤が上記有機表面架橋剤と上記通液性向上剤とを含んでいる。それゆえ、上記粒子状吸水剤は、液透過性および流動性に優れており、大量の連続輸送が可能である。さらに、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法が1metric ton/hr以上の連続輸送であることにより、輸送された粒子状吸水剤は、従来の粒子状吸水剤の輸送方法で輸送された粒子状吸水剤と比べて、液透過性および流動性において顕著な効果を奏する。
本発明の他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分分かるであろう。また、本発明の利点は、添付図面を参照した次の説明によって明白になるであろう。
本発明における高濃度空気輸送装置の実施の一形態を示す断面図である。
符号の説明
102 ホッパー
103 リフトタンク
104 輸送管
106 コンプレッサー
108 ホッパー
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得るものである。
本発明に係る粒子状吸水剤は、架橋構造を有する吸水性樹脂の表面に、有機表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層からなる部位を有している。また、本発明に係る粒子状吸水剤は、上記架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加して表面架橋処理し、上記表面架橋処理と同時にまたは上記表面架橋処理の後に、通液性向上剤を添加し、さらに、その後に滑り性向上剤を添加することにより、上記部位が形成されていることが好ましい。また、本発明に係る粒子状吸水剤は、空気輸送工程を経て製造されることが好ましい。
上記粒子状吸水剤は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤、通液性向上剤、滑り性向上剤のみを添加してもよいし、粒子状吸水剤の特性を阻害しない限り、他の物質を添加してもよい。他の物質を添加する方法としては、特に限定されるものではない。
以下、吸水性樹脂、有機表面架橋剤、通液性向上剤、滑り性向上剤、粒子状吸水剤、優れた吸収性能や粉体としての流動性等を発揮しうるパラメータ、吸水性物品について具体的に説明する。なお、本明細書において、「質量」と「重量」とは同義であるものとする。また、「粒径」と「粒子径」とは同義であるものとする。
本発明の粒子状吸水剤は、水や各種水溶液、尿や血液等の水溶液の吸収用に用いられ、該粒子状吸水剤に含まれる全成分中、主成分として、吸水性樹脂の樹脂純分を、粒子状吸水剤の固形分に対して、通常70重量%(質量%)以上100重量%以下、より好ましくは80重量%以上100重量%以下、さらに好ましくは90重量%以上100重量%以下含むものをいう。
(I)吸水性樹脂
本発明では、吸水性樹脂として、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体を架橋重合した吸水性樹脂(架橋重合した構造である吸水性樹脂であれば良く、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体を重合後に、架橋剤ないし重合時の自己架橋により架橋反応して得られる吸水性樹脂でもよい)が必須に用いられる。
本発明の吸水性樹脂とは、ヒドロゲルを形成しうる水膨潤性、水不溶性の架橋重合体のことである。ここで、水膨潤性の吸水性樹脂とは、イオン交換水中または生理食塩水においてのCRC(詳細については後述する)で必須に自重の5倍以上、好ましくは50倍から1000倍という多量の水を吸収するものを指す。また、水不溶性の吸水性樹脂とは、吸水性樹脂中の未架橋の水可溶性成分(水溶性高分子)が好ましくはERT 470.1-99の規定で50重量%以下(下限0%)、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下、最も好ましくは10重量%以下のものを指す。
また、上記架橋重合体とは、良好な吸収特性を得るために、不飽和単量体を重合することによって得られる重合体の内部に架橋構造(以下、「内部架橋構造」という)を有する重合体をいう。さらに、上記吸水性樹脂は、該吸水性樹脂表面近傍に架橋構造を形成する表面架橋処理が施されていてもよく、該表面架橋処理が施されていなくてもよい。このうち、優れた吸収特性を得るためには、表面架橋処理が施されていることが好ましい。
上記の架橋重合体からなる吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体またはその中和物、カルボキシメチルセルロース架橋体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、カチオン性モノマーの架橋体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の架橋体、架橋イソブチレン−(無水)マレイン酸共重合体等の1種または2種以上を挙げることができる。その中でも、アクリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分とする不飽和単量体を重合・架橋することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体を用いることが好ましい。
上記の架橋重合体からなる吸水性樹脂は、不飽和単量体を重合・架橋することによって得られ、必要に応じて表面架橋処理が施される。以下、吸水性樹脂の製造に用いられる不飽和単量体、架橋性単量体(内部架橋剤)、重合開始剤、吸水性樹脂の製造方法について説明する。
<不飽和単量体>
本発明の粒子状吸水剤に含まれる吸水性樹脂を得るために用いられる不飽和単量体としては、所望する架橋重合体を得ることができる不飽和単量体を用いればよい。
例えば上記架橋重合体が、アクリル酸部分中和物重合体である場合には、不飽和単量体として、アクリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分として使用すればよく、該アクリル酸および/またはその塩とともに、アクリル酸および/またはその塩以外の他の不飽和単量体を共重合成分として用いてもよい。これにより、最終的に得られる吸水性樹脂に対し、吸水特性以外に、抗菌や消臭等の別の特性を付与することができるとともに、吸水性樹脂をより一層安価に得ることができる。
上記他の不飽和単量体としては、例えば、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸等の酸基含有単体及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水可溶性または水不溶性の不飽和単量体等を挙げることができる。これら単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。本発明の不飽和単量体としては、上記不飽和単量体を共重合成分とするものも含まれる。
なお、上記不飽和単量体及び他の不飽和単量体として、酸基を含有する不飽和単量体を用いる場合には、該不飽和単量体の塩として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などの一価塩、好ましくはアルカリ金属塩を用いればよい。その中で、得られる吸水性樹脂の性能、不飽和単量体の塩の工業的な入手の容易さ、安全性等の点から、ナトリウム塩やカリウム塩を少なくとも必須に用いることが好ましい。
上記アクリル酸(塩)以外の他の不飽和単量体を併用する場合には、吸水性樹脂を得るために用いる全ての不飽和単量体の総モル数に対して、好ましくは0〜30モル%、より好ましくは0〜10モル%、さらに好ましくは0〜5モル%の割合で用いる。言い換えれば、吸水性樹脂を得るために用いる全ての不飽和単量体の総モル数に対して、主成分としてのアクリル酸及びその塩のモル数は、好ましくは70〜100モル%であり、より好ましくは90〜100モル%であり、さらに好ましくは95〜100モル%であればよい。
また、アクリル酸等の酸基含有不飽和単量体は、物性面及びpH面から中性前後が好ましく、酸基が中和されることが好ましい。重合体としての酸基の中和率(全酸基中の中和された酸基のモル%)は、通常20〜100モル%、好ましくは30〜95モル%、より好ましく40〜80モル%である。酸基の中和は単量体で行ってもよいし、重合体で行ってもよいし、それらを併用してもよい。
<架橋性単量体(内部架橋剤)>
本発明の吸水性樹脂は、内部架橋構造を有する架橋重合体である。ここで、吸水性樹脂が水不溶性及び水膨潤性を有していれば、内部架橋構造を有していると考えることができる。そのため、吸水性樹脂の内部架橋構造は、内部架橋剤である架橋単量体を用いずに、不飽和単量体の自己架橋によって得られるものであってもよい。ただし、好ましくは上記の不飽和単量体と架橋単量体とを共重合または反応させて得られるものがよい。ここで、内部架橋剤である架橋単量体とは、一分子中に2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有するものである。
上記内部架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、上記内部架橋剤は、反応系に一括して添加してもよく、分割して添加してもよい。1種または2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、最終的に得られる粒子状吸水剤の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体を重合時に必須に用いることが好ましい。
上記内部架橋剤の使用量は、吸水性樹脂の良好な物性を得る観点から、上記の吸水性樹脂を得るために用いる不飽和単量体の総モル数(架橋剤は除く)に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%、さらに好ましくは0.01〜0.2モル%、特に好ましくは0.03〜0.15モル%の範囲内である。上記内部架橋剤の使用量が0.001モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%を超える場合には、吸水性樹脂の十分な吸収特性が得られない可能性があるため、好ましくない。
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記不飽和単量体の重合前、重合途中あるいは重合後、または、中和後に反応系に添加すればよい。
<重合開始剤>
本発明の吸水性樹脂を得るために上記の不飽和単量体を重合する際には、重合開始剤を使用するとよい。使用される重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。
上記重合開始剤の使用量は、物性面から、吸水性樹脂を得るために用いる全ての不飽和単量体の総モル数に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.01〜0.1モル%である。上記重合開始剤が0.001モル%未満の場合には、未反応の残存不飽和単量体が多くなり、好ましくない。一方、重合開始剤が2モル%を超える場合には、重合の制御が困難となるので好ましくない。
<重合方法>
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上記の各単量体(不飽和単量体、他の不飽和単量体、架橋性単量体)を重合するに際しては、水溶液重合や逆相懸濁重合、バルク重合、沈殿重合等を行うことが可能である。中でも、吸水性樹脂の性能や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの吸収特性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合、さらには本発明の効果をより発揮するため、水溶性重合、中でもニーダー重合ないしベルト重合を行うこと、さらには連続重合であることが好ましい。
上記の各単量体を水溶液として重合する場合の該水溶液(以下、「単量体水溶液」という)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではない。ただし、通常10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%の範囲内、さらに好ましくは20〜60重量%の範囲内である。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用される溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
上記の重合を開始させる際には、上記重合開始剤を使用して重合を開始させることができる。また、上記重合開始剤の他にも、紫外線や電子線、γ線等の活性エネルギー線を単独あるいは重合開始剤とともに用いてもよい。上記重合反応における反応温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、重合中の下限〜上限温度で、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜120℃の範囲がより好ましい。反応温度が上記の範囲をはずれると、得られる吸水性樹脂の残存単量体の増加や、過度の自己架橋反応の進行により、吸水性樹脂の吸水性能が低下するおそれがあるので好ましくない。
なお、逆相懸濁重合とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に、粒子状に懸濁させる重合法であり、例えば、米国特許4093776号、同4367323号、同4446261号、同4683274号、同5244735号等の米国特許に記載されている。
一方、水溶液重合は、分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法であり、例えば、米国特許4625001号、同4873299号、同4286082号、同4973632号、同4985518号、同5124416号、同5250640号、同5264495号、同5145906号、同5380808号等の米国特許や、欧州特許0811636号、同0955086号,同0922717号等の欧州特許に記載されている。これら米国特許や欧州特許に例示の単量体や重合開始剤等も本発明に適用できる。
<乾燥処理>
上記重合方法によって単量体を重合して得られる重合体は、通常、含水ゲル状架橋重合体であり、必要に応じて乾燥処理や粉砕が行われる。粉砕は、通常、乾燥処理の前および/または後に行われる。
また、乾燥処理方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、目的の含水率となるように種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。乾燥処理を熱風乾燥にて行う場合には、通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲(熱風温度)で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率及び乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。例えば、乾燥時間は、1分〜5時間の範囲内で適宜選択すればよい。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(吸水性樹脂や粒子状吸水剤中に含まれる水分量で規定/180℃で3時間の乾燥減量を測定し、該減量を、乾燥前の吸水性樹脂に対する比率で表わしたもの)は、特に限定されない。ただし、該吸水性樹脂を主成分として含む本発明の粒子状吸水剤の良好な物性を得るために、室温でも流動性を示す粒子(粉末)となるように制御可能な含水率であることが好ましい。即ち、上記粒子状吸水剤は、好ましくは含水率(180℃−3時間静置乾燥後における粒子状吸水剤1gからの乾燥減量で規定)が0〜30重量%の粉末状態、より好ましくは0.2〜30重量%の粉末状態、より好ましくは0〜20重量%の粉末状態、さらに好ましくは0.3〜15重量%の粉末状態、特に好ましくは0.5〜10重量%の粉末状態である。上記の範囲内の含水率を有する粒子状吸水剤が得られるように、含水ゲル状架橋重合体を乾燥処理して、吸水性樹脂を得ればよい。含水率が高くなってしまうと、流動性が悪くなり製造に支障をきたすばかりか、吸水性樹脂が粉砕できなくなり、特定の粒度分布に制御できなくなってしまうおそれがある。
なお、上記逆相懸濁重合による重合方法を用いた場合には、通常、重合反応終了後に得られる含水ゲル状架橋重合体を、例えばヘキサン等炭化水素の有機溶媒中に分散させた状態で共沸脱水し、重合体の含水率を40重量%以下(下限0重量%、好ましくは5重量%以上)、好ましくは30重量%以下とした後に、デカンテーションあるいは蒸発により有機溶媒と分離し、必要に応じて乾燥処理することができる。また、本発明の吸水性樹脂は、重合中または重合後に、後述する有機表面架橋剤、通液性向上剤、滑り性向上剤等が添加混合されうる。重合後に添加混合する場合には、乾燥前、乾燥後または粉砕後に添加混合することができる。
(II)有機表面架橋剤
本発明の粒子状吸水剤に用いられる吸水性樹脂は、上記の架橋重合および乾燥処理し、必要により粉砕したものに、さらに、表面近傍にさらに有機表面架橋(二次架橋)処理される。通常、有機表面架橋剤は、吸水性樹脂と共有結合ないし表面重合で反応して架橋しうる。ただし、本発明において吸水性樹脂とは、表面架橋処理された吸水性樹脂、表面架橋処理がなされていない吸水性樹脂の両方を指す。
上記表面近傍に架橋を行うための有機表面架橋剤としては、種々のものがあり、特に限定されないが、上記吸水性樹脂の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物であることが好ましい。通常、吸収性能の観点から、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、ポリエポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ,ジまたはポリオキサゾリジノン化合物、アルキレンカーボネート化合物等が用いられている。これらの中では、吸水性樹脂のカルボキシル基と脱水架橋反応する表面架橋剤、すなわち、ヒドロキシル基、アミノ基ないしその誘導体(アルキレンカーボネート、オキサゾリジノンなど開環してヒドロキシル基に変化するもの)が好ましい。
本発明で用いることのできる有機表面架橋剤としては、具体的には、米国特許6228930号、同6071976号、同6254990号等に例示されているものを挙げることができる。例えば、モノ,ジ,トリ,テトラまたはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物;2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン化合物;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これらの有機表面架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。本発明の効果を最大限にするために、これらの架橋剤の中でも少なくとも脱水反応性架橋剤、特に多価アルコールを用いることが好ましく、炭素数2〜10、好ましくは炭素数3〜8の多価アルコールを用いることがより好ましい。
有機表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂100重量部(質量部)に対して、0.001重量部〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜5重量部の範囲内がより好ましい。
上記表面架橋処理には、水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、好ましくは吸水性樹脂100重量部に対し0.5〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の範囲内である。
また、上記表面架橋処理には、水に代えて、親水性有機溶媒を用いてもよく、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。この際使用される親水性有機溶媒または混合溶媒の量は、吸水性樹脂100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0〜3重量部の範囲内である。
上記有機表面架橋剤の添加は、種々の手法で行うことができる。ただし、有機表面架橋剤を、必要により水および/または親水性有機溶媒と予め混合した後、吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧する方法の場合には、噴霧される液滴の大きさは、平均粒子径で0.1〜300μmの範囲内が好ましく、0.1〜200μmの範囲がより好ましい。
吸水性樹脂と、有機表面架橋剤と、水または親水性有機溶媒とを混合する際に用いられる混合装置は、これら各物質を均一に、かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては例えば、円筒型混合機、二重壁円錐混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型ニーダー、粉砕型ニーダー、回転式混合機、気流型混合機、タービュライザー、バッチ式レディゲミキサー、連続式レディゲミキサー等が好適である。
なお、有機表面架橋剤の混合に際しては、表面架橋前に炭素数7以上の炭化水素基を側鎖に有する高分子添加剤と混合したり、または、有機表面架橋剤と共存させたりしても、本発明の粒子状吸水剤を得ることができる。また、有機表面架橋剤の混合に際し、本発明の効果を妨げない範囲で、水不溶性微粒子粉体を共存させてもよい。
有機表面架橋剤を混合後の吸水性樹脂は、加熱処理されることが好ましい。上記加熱処理を行う際の条件としては、加熱温度(吸水性樹脂温度若しくは熱媒温度)は、通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは180〜240℃である。また、加熱時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲である。加熱温度と加熱時間との組み合わせの好適な例としては、180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。
なお、吸水性樹脂が逆相懸濁重合で得られる場合には、重合終了後の共沸脱水途中および/または共沸脱水終了時において、例えば含水ゲル状架橋重合体の含水率が50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である時に、逆相懸濁重合で用いられる疎水性有機溶媒中に上記有機表面架橋剤を分散させ加熱することにより、表面が架橋処理された吸水性樹脂を得ることができる。
また、本発明における表面架橋処理の別の形態としては、有機表面架橋剤としてラジカル重合性化合物を含む処理液を吸水性樹脂に添加した後に、活性エネルギーを照射して表面架橋処理する方法が挙げられ、例えば、米国特許出願公開第2005/0048221号(優先権:特願2003−303306号)やWO2006/062253号に記載されている。また、上記処理液に界面活性剤を添加し、活性エネルギーを照射して表面架橋処理することもできる。さらに、本発明における表面架橋処理の別の形態としては、過酸化物ラジカル開始剤を含む水性溶液を吸水性樹脂に添加した後に、加熱して表面架橋処理する方法が挙げられ、例えば特公平7−8883号公報に記載されている。
上記のように、表面架橋処理を施されてなる本発明の吸水性樹脂は、吸湿時の高い流動性、高いかさ密度を達成するために、特定の粒子径(粒度)に調整されることが好ましい。なお、上記吸水性樹脂の粒子径は、後述の粒子状吸水剤にも適用されるので、ここでは、その具体的な説明を省略する。また、吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤の粒子径は、目的やその必要に応じて不溶性微粒子、親水性溶媒、好ましくは水を添加混合して、さらに造粒して調整してもよい。
(III)通液性向上剤
本発明の粒子状吸水剤は、上記吸水性樹脂に対して、上記有機表面架橋剤と同時にまたは上記有機表面架橋剤の後に、有機表面架橋剤以外の通液性向上剤が添加される。本発明でいう通液性向上剤とは、表面が架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子または表面が架橋処理されていない吸水性樹脂粒子に通液性向上剤が添加されることによって得られる粒子状吸水剤の生理食塩水流れ誘導性(SFC)を、通液性向上剤が添加されない粒子状吸水剤のSFCに比べて向上させる物質をいう。
すなわち、上記有機表面架橋剤によって、通常、共有結合ないし表面重合で表面架橋された吸水性樹脂に対して、本発明では、表面架橋剤添加と同時に、又は別途、通液性向上剤をスペーサー(別称:Steric)ないしイオン架橋剤として使用し、通液性が向上される。すなわち、好ましい形態として、(1)有機表面架橋剤による共有結合での表面架橋剤、および、(2)スペーサー(別称:Steric)ないしイオン架橋剤としての通液性向上剤が使用され、さらに後述の(3)滑り性向上剤、および(4)空気輸送が適用される。通液性向上剤の粒子状吸水剤中での存在形態は、粒子状でもよく、全体に分子レベルで被覆(通常、溶液で被覆)してもよく、それらを併用してもよい。
上記通液性向上剤の添加は、表面架橋処理と同時にまたは表面架橋処理の後に行う。通液性向上剤には、スペーサー的な役割、または、イオン的な表面架橋効果等により、膨潤した吸水性樹脂粒子間の隙間を広げ、液透過性を向上させる役割がある。逆に、通液性向上剤には、毛管吸引力を低下させる効果もある。しかし、粒子状吸水剤が、特定の範囲の粒径分布に制御された場合には、液透過性及び毛管吸引力に優れる。よって、吸水性樹脂粒子が通液性向上剤を含んでも、高い毛管吸引力を維持することが可能である。また、特定の粒径分布に制御された粒子状吸水剤は、通液性向上剤を含んだ場合、その液透過性向上効果が、従来の吸水剤と比べて著しく高くなる。即ち、通常、SFCは、粒径分布によって大きく変化し、平均粒径が小さいほどその値は小さくなる。しかし、本発明者らは、通液性向上剤を含む粒子状吸水剤のSFCは、粒径分布がある特定の範囲であれば、その粒径分布に関わらず、無加圧下吸収倍率(CRC)にのみ依存するということを見出した。一方、通液性向上剤を含む粒子状吸水剤の0.90質量%生理食塩水への毛管吸収倍率(CSF)は、粒径分布に依存する。そのため、ある特定の粒径分布に制御された粒子状吸水剤が、通液性向上剤を含むことで、SFC及びCSFに優れた粒子状吸水剤を得ることができる。
本発明で用いられる通液性向上剤としては、種々のものがあり、特に限定されない。例えば、無機化合物ないし有機化合物が挙げられ、好ましくは親水性の無機化合物であり、スペーサーとしては水不溶性微粒子、イオン架橋剤としては、高分子多価アミン、多価金属塩等が用いられる。また、それらを併せ持った化合物(例えば、水不溶性のカチオン性粒子)でもよい。本発明の好ましい親水性とは、例えば、欧州特許第0629411号に記載されている親水性度が70%以上のものが挙げられる。
本発明で使用することができる通液性向上剤としては、粒子(スペーサー)としては(1)有機または無機の水不溶性微粒子、(2)水溶性多価金属の微粒子、粒子以外(イオン架橋剤)としては(3)水溶性多価金属(塩)、(4)高分子ポリアミン化合物が例示できる。
すなわち、本発明で使用することができる通液性向上剤の第1の具体例としては、有機または無機の水不溶性微粒子が例示でき、重量平均粒子径が好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、10μm以下、1μm以下である(下限は通常1nm程度)。具体的には、スペーサーとなりうる無機の水不溶性微粒子として、シリカ、タルク、カオリン、フラー土、ベントナイト、活性白土、重晶石、天然アスファルタム、ストロンチウム鉱石、イルメナイト、パーライト等の鉱産物;親水性のアモルファスシリカ(例、乾式法:トクヤマ社 ReolosilQS−20、沈殿法:DEGUSSA社 Sipernat22S,Sipernat2200)類;酸化ケイ素・酸化アルミ・酸化マグネシウム複合体(例、ENGELHARD社 Attagel#50)、酸化ケイ素・酸化アルミニウム複合体、酸化ケイ素・酸化マグネシウム複合体等の酸化物複合体類;等を挙げることができる。
本発明で使用することができる通液性向上剤の第2の具体例としては、多価金属の水溶性微粒子を例示でき、重量平均粒子径が好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、10μm以下、1μm以下である。具体的には、スペーサーまたはイオン架橋剤となりうる多価金属の水溶性微粒子として、硫酸アルミニウム14〜18水塩(または無水物)、硫酸カリウムアルミニウム12水塩、硫酸ナトリウムアルミニウム12水塩、硫酸アンモニウムアルミニウム12水塩、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物類;その他の多価金属塩、多価金属酸化物及び多価金属水酸化物;が挙げられる。
本発明で使用することができる通液性向上剤の第3の具体例としては、多価金属の水溶液ないし水分散液を例示でき、上記第2の具体例である多価金属の水溶性微粒子が水溶液ないし水分散液として使用できる。
第2または第3の具体例としての多価金属(塩)について、以下さらに説明する。
本発明で使用することができる多価金属塩の具体例としては、例えば、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Fe、Mn、Ti、Zr、Ce、Ru、Y、Cr等から選ばれる金属の硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物(塩化物等)等が挙げられる。さらに、特開2005−113117号(米国特許出願公開第2007/10613号)公報に記載されている多価金属塩等も挙げることができる。
また、多価金属塩の中でも、水溶性多価金属塩を用いることが好ましく、3価の水溶性多価金属塩を用いることが最も好ましい。3価の水溶性多価金属塩の具体例としては、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ビス硫酸カリウムアルミニウム、ビス硫酸ナトリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、塩化鉄(III)、塩化セリウム(III)、塩化ルテニウム(III)、塩化イットリウム(III)、塩化クロム(III)等が挙げられる。
また、尿等の吸収液溶解性の点からも、これらの結晶水を有する塩を用いることが好ましい。例えば、アルミニウム化合物が好ましく、中でも塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ビス硫酸カリウムアルミニウム、ビス硫酸ナトリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミン酸ナトリウムがより好ましく、硫酸アルミニウムが特に好ましい。硫酸アルミニウムの水溶液(好ましくは、硫酸アルミニウム濃度が飽和濃度の90%以上の溶液)は、最も好適に用いることができる。
本発明で使用することができる通液性向上剤の第4の具体例としては、高分子ポリアミン化合物、好ましくは水溶性高分子ポリアミンが例示でき、その重量平均分子量は2000以上、好ましくは4000〜1000万の範囲で適宜選択できる。ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンやそれらの塩(例えば、塩酸塩)などの水溶性高分子ポリアミンが例示でき、それらは単独ないし溶液(特に、水溶液)として添加される。
以上、第1〜第4の具体例など、これらの通液性向上剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。通液性向上剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂100重量部(質量部)に対して、0.001重量部〜5重量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01重量部〜1重量部、さらに好ましくは0.02〜0.7重量部、特に好ましくは0.03〜0.5重量部の範囲内である。通液性向上剤の使用量が、上記範囲内であれば、粒子状吸水剤の4.83kPaの圧力に対する加圧下吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)を向上させることができる。通液性向上剤の使用量が、5重量部を超えると吸収倍率の低下を招き、0.001重量部未満であると通液性向上剤使用の効果が得られなくなるおそれがある。また、通液性向上剤の使用量を変えることで、粒子状吸水剤の液透過性及び毛管吸引力を調整することが可能である。
上記通液性向上剤の添加は、種々の手法で行うことができる。ただし、通液性向上剤を、必要により水および/または親水性有機溶媒と予め混合して、水溶液または水分散液とした後、吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。また、通液性向上剤の添加の後に乾燥する工程を行ってもよい。水の使用量としては適宜決定されるが、吸水性樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部であり、その水溶液濃度は飽和濃度の50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
吸水性樹脂粒子と通液性向上剤との混合装置は、特に大きな混合力を備える必要はなく、例えば、解砕機、篩機等で混合されてもよい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機、スタティックミキサー等が好適である。
上記通液性向上剤の添加は、粒子状吸水剤の冷却工程時または冷却工程後、特に冷却と同時に行われることが好ましい。冷却工程の詳細については後述する。
(IV)滑り性向上剤
本発明の粒子状吸水剤は、表面架橋処理され、かつ通液性向上剤が添加された吸水性樹脂に、さらに滑り性向上剤を添加する。本発明で使用することができる滑り性向上剤の具体例としては、界面活性剤、粉体の滑剤等が挙げられる。上記製造方法で、粒子状吸水剤の表面には滑り性向上剤(界面活性剤、粉体の滑剤等)が存在する。
<滑剤>
滑剤とは、互いに滑りあう二面間にあって、摩擦(抵抗)を減少させる働きをする物質をいう。即ち、物と物とが接触するとき、その物質同士の表面状態により、滑りやすい・滑りにくいといった現象、抵抗が大きい・抵抗が小さいといった現象等が起こる。滑剤は、物と物とが接触するとき、滑りやすく、かつその抵抗を小さくするためのものである。
滑剤としては、種々のものがあり、特に限定されない。
本発明に用いられる滑剤は、吸水性樹脂同士の摩擦(抵抗)を減少させるためのものである。滑剤を用いることにより、ゆるめかさ密度や流下速度を増大させた粒子状吸水剤を得ることができる。流下速度を増大させることによって、容器からホッパーへの移し変え時間や、ホッパーから容器への充填時間を短縮することができ、作業上の能率を上げることが可能となる。これらの効果は、後述の界面活性剤においても同様であり、本発明の粒子状吸水剤の大きな効果である。
また、ゆるめかさ密度や流下速度が増大することによって、粒子状吸水剤を製造する際の粉体攪拌動力や、空気輸送に必要なエネルギーを低減させることが期待できる。また、粉体攪拌動力や空気輸送に必要なエネルギーが低減することにより、吸水性樹脂の粒子をつぶしてしまうおそれがなく、空気輸送による加圧下吸収倍率等の物性低下を抑制することも期待できる。
本発明に用いることのできる滑剤の状態は、特に限定されるものではない。常温(25℃)および常圧(0.101MPa)にて固体の滑剤であることが好ましく、粉体の滑剤であることがより好ましい。また、滑剤をスラリー添加や水溶液添加する場合も本発明に含まれる。
例えば、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステル系滑剤、アルコール系滑剤、金属石鹸滑剤等が挙げられる。中でも、滑剤としての作用を有するとともに安定剤としての作用も有するという点において、金属石鹸滑剤を用いることが好ましい。
炭化水素系滑剤としては、低重合ポリエチレン等を用いることができる。低重合ポリエチレンは、重量平均分子量1500〜2000のポリエチレンのことである。
脂肪酸系滑剤としては、滑剤として作用する脂肪酸であれば特に限定されるものではない。中でも、炭素数が12(C12)以上の飽和または不飽和脂肪酸を用いることが好ましい。具体的には、C12〜C28の飽和または不飽和脂肪酸、好ましくは飽和脂肪酸であり、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。中でも、入手が容易であることから、ステアリン酸を用いることが好ましい。また、これら脂肪酸系滑剤は、微粒子のものを用いることが好ましく、吸水性樹脂の劣化を促進させるようなFe、Ni等の重金属を含有せず、ヨウ素価・エステル価の低い精製品であることが好ましい。
脂肪酸アミド系滑剤は、脂肪酸から誘導される一般化学式RCONHで示される化合物である。これら脂肪酸アミドとしては、第一アミド(R−CONH)、第二アミド((RCO)NH)、第三アミド((RCO)N)があり、第一アミドを用いることが好ましい。第一アミドとしては、例えば、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等が挙げられる。中でも、メチレンビスステアロアミドやエチレンビスステアロアミドは、相溶性、透明性、耐候性、非粘着性に優れているためより好ましい。
エステル系滑剤としては、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル等が挙げられる。脂肪酸の多価アルコールエステルとしては、硬化ヒマシ油が好ましく用いられる。また、脂肪酸ポリグリコールエステルとしては、エチレングリコールモノステアレートが好ましく用いられる。
アルコール系滑剤は、上記炭化水素系滑剤や脂肪酸系滑剤の水素を、水酸基で置換したものであり、その炭素数は上記と同様である。アルコール系滑剤としては、特に限定されるものではない。例えば、分子内に1個の水酸基を有するセチルアルコールやステアリルアルコール等の脂肪アルコール;分子内に2個の水酸基を有するポリエチレングリコール等のグリコール類;分子内に3個の水酸基を有するポリグリセロール等を用いることができる。ポリエチレングリコールやポリグリセロールは、滑剤としての作用に加えて帯電防止作用も有する。
金属石鹸滑剤は、米国特許7282262号などに例示の化合物が使用でき、有機酸である脂肪酸、石油酸、高分子酸等の、アルカリ金属塩以外の金属塩からなり、好ましくは炭素数7以上の有機酸と多価金属とからなる。
粉体の滑剤は、通常、粉末の形状でありその粒径は特に限定されるものではない。通常、吸水性樹脂の質量平均粒子径よりも小さく、粉末の90重量%以上は100μm以下であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下のものが使用される。なお、下限は10nm程度である。
粉体の滑剤をスラリー状に分散させて吸水性樹脂に混合する場合、そのスラリー中の滑剤濃度は使用する滑剤や分散溶媒の種類、スラリーの粘性により適宜選択され、特に限定されるものではない。滑剤固形分として通常0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%の範囲内である。滑剤と混合する際の吸水性樹脂の粉体温度は、通常室温以上で混合されるが、粒子状吸水剤の安定した吸水特性や流下速度、かさ密度を得るためには、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上で混合される。また、滑剤と混合する際の吸水性樹脂における粉体温度の上限は、滑剤の融点以下である。上記温度が滑剤の融点を超えると、混合性が低下することもある。
即ち、本発明の粒子状吸水剤において、滑剤の添加量は、目的とするかさ密度や、流下速度に応じて適宜変更すればよい。吸水性樹脂100重量%に対して、0.0001〜1重量%の範囲内が好ましく、0.001〜0.5重量%の範囲内が特に好ましい。滑剤の添加量が上記範囲内である場合には、添加量が微量であるので、疎水性・撥水性が付与されることがない。このため、吸水特性を低下させることなく、かさ密度を増大させることが可能になるとともに、流下速度を増大させることが可能になる。また、滑剤の添加量が上記範囲内である場合には、機械的衝撃力による吸水特性の低下を防止すること、粒子状吸水剤を製造する際の粉体攪拌動力を低減すること、粒子状吸水剤を空気輸送するために必要なエネルギーを低減すること等を可能にすることも期待できる。一方、滑剤の添加量が上記範囲を超える場合、不経済であるばかりでなく、吸水特性の低下を招くおそれがある。
<界面活性剤>
本発明における界面活性剤とは、その分子内に親水性の部分と親油性(疎水性)の部分とを併せ持ち、親水と親油とのバランスにより物体の表面に強く吸着されて、その物体の表面特性を改質するものである。使用できる界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等がある。
これらの界面活性剤は、使用される吸水性樹脂100重量部に対し0を超えて0.2重量部以下、好ましくは0.0001〜0.2重量部、より好ましくは0.0005〜0.1重量部、さらに好ましくは0.001〜0.05重量部、最も好ましくは0.001〜0.01重量部である。即ち、0.0005重量部未満では、流動性、かさ密度の向上が不十分となる場合がある。一方、0.2重量部、さらには0.1重量部、特に0.012重量部を越えると、吸収液の表面張力が低下するという問題があり、またその添加量に見合っただけの効果がでなくなることがあり、非経済的である。
また、本発明で使用される界面活性剤のHLB(親水性−疎水性バランス)は特に限定されるものではないが、好ましくは8〜18、より好ましくは、9〜17、さらに好ましくは10〜17の範囲である。HLBが上記の範囲である場合、より好適に粒子状吸水剤の流動性、かさ密度を向上させることができる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石鹸、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石鹸、ステアリン酸ナトリウム石鹸、オレイン酸カリウム石鹸、ヒマシ油カリウム石鹸等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤および両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドが挙げられる。カチオン性界面活性剤を用いることにより得られる親水性重合体に抗菌性を付与することもできる。
さらに、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤がある。フッ素系界面活性剤を用いることにより抗菌性を付与することもできる。フッ素系界面活性剤としては、種々のものがあるが、例えば一般の界面活性剤における親油基の水素をフッ素に置き換えてパーフルオロアルキル基としたものが挙げられる。それは、界面活性が格段に強くなっているものである。
フッ素系界面活性剤において、親水基を変えると、アニオン型、ノニオン型、カチオン型および両性型の4種類がある。また、親油基の方は、同じ構造のフルオロカーボン鎖を用いることが多い。また、親油基である炭素鎖は、直鎖であっても分枝状であっても使用可能である。代表的なフッ素系界面活性剤としては、次のものが挙げられる。
例えば、フルオロアルキル(C〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸塩(Li、K、Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロアルキル第四級アンモニウムヨウ化物(商品名 フロラードFC−135、住友スリーエム株式会社製カチオン性フッ素系界面活性剤)、パーフルオロアルキルアルコキシレート(商品名 フロラードFC−171、住友スリーエム株式会社製ノニオン性界面活性剤)、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウム塩(商品名 フロラードFC−95及びFC−98、住友スリーエム株式会社製アニオン性界面活性剤)。
この発明では、有機金属界面活性剤を用いることもできる。本発明において使用される有機金属界面活性剤は、分子の主鎖や側鎖にSi、Ti、Sn、Zr、Ge等の金属を有するものをいう。好ましくは分子の主鎖にSiを有するであり、より好ましくはシロキサン系界面活性剤である。代表的な有機金属界面活性剤としては、(吉田、近藤、大垣、山中、“新版 界面活性剤ハンドブック”、工学図書(1966)、34頁)等が挙げられる。
本発明で使用される界面活性剤は、上記界面活性剤に限定されるものではない。上記界面活性剤の中で、安全性の面からノニオン性界面活性剤が好ましく、その中でもソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが特に好ましい。
<滑り性向上剤の添加、混合等>
上記の各滑り性向上剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。滑り性向上剤の吸水性樹脂への添加方法については、種々の手法で行うことができる。ただし、滑り性向上剤を、必要により水および/または親水性有機溶媒と予め混合した後、吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。また、滑り性向上剤の添加の後に乾燥する工程を行ってもよい。
水の使用量は適宜決定されるが、吸水性樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部であり、その水溶液濃度は、界面活性剤の場合には室温(25℃)において曇点を示さない濃度以下であればよい。
吸水性樹脂粒子と滑り性向上剤との混合装置は、特に大きな混合力を備える必要はなく、例えば、解砕機、篩機等で混合されてもよい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機、スタティックミキサー等が好適である。
(V)粒子状吸水剤
<粒子状吸水剤の外観>
本発明の粒子状吸水剤は、架橋構造を有する吸水性樹脂の表面に、有機表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層からなる部位を有している。上記部位は、吸水性樹脂の表面全体に存在していてもよく、また、吸水性樹脂の表面の一部分に存在していてもよい。さらに、吸水性樹脂の表面の一部分に存在している場合には、上記部位は、1個または複数個存在していてもよい。
ここで、有機表面架橋層は、吸水性樹脂の外側に存在している場合に限定されず、吸水性樹脂の内側に存在している場合、即ち、有機表面架橋層が吸水性樹脂の一部になっている場合も、本発明の範囲に含まれる。
本発明の粒子状吸水剤は、吸水性樹脂の表面に、有機表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層からなる部位を有している。そして、上記部位は、有機表面架橋剤、通液性向上剤及び滑り性向上剤を添加する順番の通りに、上記吸水性樹脂側から順に、有機表面架橋剤、通液性向上剤及び滑り性向上剤の各層が積層される。また、有機表面架橋剤を添加するのと同時に通液性向上剤を添加した場合には、上記部位において、有機表面架橋層と通液性向上剤層とが混ざった状態で積層される。
有機表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層の厚さは、特に限定されない。また、有機表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層の各厚さは、同じ厚さであってもよく、また、異なる厚さであってもよい。さらに、有機表面架橋層、通液性向上剤層及び滑り性向上剤層は、層の吸水性樹脂側の面とその反対側の面とが平行でなくてもよく、1個の部位の中で、場所によって厚さが異なっていてもよい。ここで、通液性向上剤層の厚みは、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜80μm、さらに好ましくは1〜50μmである。また、滑り性向上剤層の厚みは、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜50μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
<粒子状吸水剤の形状>
粒子状吸水剤の形状、即ち、粒子状とは、球形状、楕円体状、ウインナ−ソーセージ状、または、球形状若しくは楕円体状の粒子が凝集した造粒物の形状等が挙げられる。さらに、単量体水溶液を重合して得られる含水ゲル状重合体の破砕物に由来する形状である不定形破砕状やその造粒物の形状が挙げられる。好ましくは球形状または楕円体状であり、より好ましくは球形状粒子の造粒物の形状、楕円体状粒子の造粒物の形状、または、単量体水溶液を重合して得られる含水ゲル状重合体の破砕物に由来する形状である不定形破砕状やその造粒物の形状であり、特に好ましくは上記不定形破砕状やその造粒物の形状である。
球形状または楕円体状の粒子状吸水剤は、吸収性物品等を作製する際に、パルプ等の繊維材料との混合性が低く、また、粒子状吸水剤と繊維材料とを混合してなる吸収体から該粒子状吸水剤が脱落し易い。それゆえ、球形状または楕円体状の粒子状吸水剤を用いると、吸収体中に粒子状吸水剤を均一に分布させることが難しくなるという問題が生じる。
<粒子状吸水剤の製造方法>
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加する工程、該有機表面架橋剤を添加する工程の同時工程または後工程として通液性向上剤を添加する工程、さらに、その後に滑り性向上剤を添加する工程を含んでいる。特に、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、上記有機表面架橋剤を添加する工程の後工程として上記通液性向上剤を添加する工程を含んでいることが好ましい。また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、加熱表面架橋工程と冷却工程とを含み、上記加熱表面架橋工程では、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加して表面架橋処理し、その後の上記冷却工程では、通液性向上剤を添加し、さらに、滑り性向上剤を添加することが好ましい。即ち、吸水性樹脂に、有機表面架橋剤、通液性向上剤、滑り性向上剤の順に添加することが好ましい。また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、上記粒子状吸水剤の空気輸送工程を含んでいることが好ましい。なお、本発明における空気輸送については後述する。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加する工程、該有機表面架橋剤を添加する工程の同時工程または後工程として通液性向上剤を添加する工程、さらに、その後に滑り性向上剤を添加する工程を含んでいる方法であれば、それ以外の製造方法は特に限定されるものではない。
加熱表面架橋工程における加熱は上記温度範囲を例示でき、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加して表面架橋処理をした後に強制加熱(外部加熱)を行うことが好ましい。さらに、冷却工程における冷却は、上記表面架橋時の加熱温度未満でかつ100〜20℃、さらに好ましくは95〜40℃、特に好ましくは80〜45℃の範囲まで吸水性樹脂の材料温度が冷却されることが好ましい。上記通液性向上剤の添加は、粒子状吸水剤の冷却工程時または冷却工程後、特に冷却と同時に行われることが好ましい。
冷却工程における冷却は、冷却機等を用いて強制的に冷却しても、放置することにより自然に冷却してもよい。また、冷却に使用される冷却機としては、例えば、加熱表面架橋工程に用いられる乾燥機の熱媒体を冷媒体に変換したもの等が用いられる。
加熱表面架橋工程における加熱と、冷却工程における冷却とは、同じ装置を用いて行われても、それぞれ別の装置を用いて行われてもよい。
<空気輸送>
本発明者らは、多価金属塩や水不溶性無機微粒子などの通液性向上剤を含む粒子状吸水剤およびその製造方法において、実生産でのその特有の問題、すなわち、通液性向上剤の使用に伴う搬送性と低下、および、通液性向上剤の混合後の搬送に伴う物性低下という問題を見出した。また、吸水性樹脂の製造工程では中間に工程間を連結する多くの搬送機(例:ベルトコンベアー、スクリューコンベアー、バケットコンベアー、スプリングコンベアーなど)が種々使用されているが、中でも、通液性向上剤の使用に伴う搬送性低下および物性低下は、空気輸送で顕著かつ特有であることを見出した。
上述したように、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、上記粒子状吸水剤の空気輸送工程を含んでいることが好ましい。空気輸送については、例えば、特開2004−345804号公報、WO2007/104657号、WO2007/104673号、WO2007/104676号に記載されている空気輸送方法を用いることができる。空気輸送工程において、粒子状吸水剤は、低濃度空気輸送装置または高濃度空気輸送装置を用いて、輸送管内を輸送される。また、上記輸送管内には、必要に応じて二次空気が噴出される。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、上記粒子状吸水剤の輸送工程における輸送距離が、10m以上1000m以下の範囲内であることが好ましく、10m以上200m以下の範囲内であることがより好ましく、10m以上150m以下の範囲内であることが特に好ましい。ここで、輸送距離とは、輸送管内部での粒子状吸水剤の空気輸送が開始する部位から、輸送管内部での粒子状吸水剤の空気輸送が終了する部位までの水平および/または垂直距離を意味する。一般的に、輸送距離がある程度以上長いと、粒子状吸水剤の物性低下やプラグの閉塞が生じやすい。しかし、本発明の粒子状吸水剤の製造方法または輸送方法を適用すれば、輸送距離が長い場合であっても、粒子状吸水剤の物性低下やプラグの閉塞が効果的に抑制される。
また、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、生産量1metric ton(Mt)/hr以上の連続製造であることが好ましく、生産量2metric ton/hr以上の連続製造であることがより好ましく、生産量4metric ton/hr以上の連続製造であることが特に好ましい。上記生産量の上限は特に限定されないが、100metric ton/hr程度でもよく、これらは上記重合、乾燥、分級、表面架橋を連続化すればよい。
すなわち、本発明では実生産での特有の問題、すなわち、通液性向上剤の使用に伴う搬送性の低下、および、通液性向上剤の混合後、搬送に伴う物性低下という問題を解決する。
本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記有機表面架橋剤と上記通液性向上剤とを含み、さらに滑り性向上剤を添加し、その後に空気輸送する方法である。また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加し、該有機表面架橋剤を添加するのと同時にまたは該有機表面架橋剤を添加した後に通液性向上剤を添加し、さらに滑り性向上剤を添加し、その後に空気輸送することが好ましい。また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記通液性向上剤が水不溶性微粒子または水溶性多価金属塩を含んでおり、かつ上記滑り性向上剤が界面活性剤を含んでいることが好ましい。
本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、上記粒子状吸水剤の輸送距離が、10m以上、1000m以下の範囲内であることが好ましい。また、本発明の粒子状吸水剤の輸送方法は、1metric ton/hr以上の連続輸送であることが好ましい。
以下に、本発明における空気輸送について、詳細に説明する。本発明における空気輸送は、上記粒子状吸水剤の製造工程において、中間体または完成品を輸送するために幅広く適用されうる。
ここで、本発明の空気輸送方法について、図1を参照しながら説明する。図1は、高濃度空気輸送装置の一実施形態を示すの概略断面図である。輸送される粒子状吸水剤は、ホッパー102に貯蔵される。ホッパー102から輸送される粒子状吸水剤が、リフトタンク103を通じて、輸送管104に供給される。ホッパー102から輸送管104への粒子状吸水剤の供給、および、輸送管104内部での粒子状吸水剤の輸送には、コンプレッサー106によって生成される圧縮空気が用いられる。圧縮空気による高濃度空気輸送によって、粒子状吸水剤はホッパー108に輸送される。輸送管104には、二次空気を噴出させるための、エアノズルが設けられていてもよい。その場合、二次空気は、コンプレッサーによって圧縮されており、二次空気供給管を通じて、輸送管104中に適宜設けられたエアノズルに供給される。エアノズルに供給された二次空気は、輸送管104内部に噴出される。
高濃度空気輸送は、低濃度高速輸送に比べて、所要動力が小さい。輸送管中を輸送される粒子状吸水剤の濃度が高くなると、粒子状吸水剤の集団が輸送管断面の全体をプラグ状に塞ぐ。このとき、ほとんどの粒子状吸水剤は輸送管の壁面と衝突しないため、輸送管の磨耗や粒子状吸水剤の破砕が抑制される。このように、粒子状吸水剤は、プラグ状に輸送管を塞ぎながら輸送される。理想化されたプラグ輸送は、粒子状吸水剤の集団と空気とが整然と分離されて、粒子状吸水剤が輸送されることである。ただし、粒子状吸水剤と空気とが整然と分離されることは稀である。実際の輸送系においては、輸送管底側に粒子状吸水剤の静止堆積層が形成され、その上をプラグが波動的な運動を示しながら移動する。また、粒子状吸水剤の堆積層が成長して丘状の塊からプラグとなり、ある程度進んだ後に、プラグが崩壊する。この挙動を繰り返して、粒子状吸水剤が輸送される。
本願においては、このような粒子状吸水剤の高濃度空気輸送を実現する装置を高濃度空気輸送装置と呼ぶ。言い換えれば、高濃度空気輸送装置においては、プラグを形成しながら粒子状吸水剤が輸送管内を移動する。本発明の粒子状吸水剤の輸送方法に用いられる高濃度空気輸送装置の構成は特に限定されないが、少なくとも、粒子状吸水剤が移動する輸送管を有する。つまり、本発明の高濃度空気輸送装置は、粒子状吸水剤を貯蔵するホッパー等の貯蔵タンクと、上記貯蔵タンクから供給された上記粒子状吸水剤が圧送される輸送管とからなる。さらに、本発明の高濃度空気輸送装置は、必要に応じて、上記輸送管に連結され、かつ上記輸送管を圧送されている上記粒子状吸水剤に二次空気を供給するための二次空気供給管を含む。また、本発明の高濃度空気供給装置は、上記輸送管に一次空気を供給するコンプレッサーを有することが好ましい。また、本発明の高濃度空気供給装置は、上記二次空気供給管に二次空気を供給するコンプレッサーを有することが好ましい。1つコンプレッサーが、一次空気および二次空気を供給してもよい。貯蔵タンクの底部には、ガスシール可能なバルブが設けられていることが好ましい。高濃度空気輸送装置は、特開平6−191640号公報;特開平6−345264号公報;社団法人化学工学会編「化学工学便覧」丸善、p.890、「16・6・2 流体による輸送法」;等の公知技術を参照して設計されうる。
高濃度空気輸送装置において、二次空気を供給する方式は特に限定されない。二次空気の供給方式としては、二次空気を連続的に供給させる方式、二次空気をバイパス管より噴出させる方式、二次空気の噴出を制御する方式などが挙げられる。好ましくは、二次空気をバイパス管より噴出させる方式である。
二次空気は、輸送管の途中において、輸送管内に供給される気体を意味する。コストを考慮すると、圧縮された空気が二次空気として用いられる。粒子状吸水剤が酸素に対して反応性を有しているなどの特段の事情がある場合には、窒素ガスなどの不活性ガスが二次空気として用いられてもよい。その場合には、輸送管に粒子状吸水剤を供給するために用いられる一次空気としても、窒素ガスなどの不活性ガスが用いられるとよい。
二次空気が輸送管に供給されると、輸送管内部での粒子状吸水剤の閉塞を防止しやすい。また、粒子状吸水剤が輸送される場合には、二次空気を用いて粒子状吸水剤を輸送することによって、粒子状吸水剤の物性の低下がより一層抑制される。具体的には、生理食塩水流れ誘導性(SFC)などの物性維持に顕著な効果がある。粒子状吸水剤は、その評価が物性によって大きく左右される製品である。このため、本発明の粒子状吸水剤の製造方法または輸送方法を適用することによって、粒子状吸水剤の評価を向上させることができ、粒子状吸水剤の競争力を高めることができる。
二次空気の供給箇所の数やノズルの大きさは、特に限定されない。粒子状吸水剤の閉塞は、粒子状吸水剤の性質、粒子状吸水剤の供給量、輸送管のサイズなどの諸条件によって左右される現象である。したがって、粒子状吸水剤の閉塞しやすさを考慮して、二次空気の供給箇所の数およびノズルの大きさが決定される。二次空気の供給量も、特に限定されない。同様に、粒子状吸水剤の閉塞しやすさを考慮して、二次空気の供給量が決定される。
本発明においては、輸送管に供給される粒子状吸水剤の温度は、30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上である。輸送管に供給される粒子状吸水剤の温度を所定温度以上に保持することによって、粒子状吸水剤の物性の低下が抑制される。具体的には、生理食塩水流れ誘導性(SFC)などの物性維持に顕著な効果がある。
輸送管に供給される粒子状吸水剤の温度は、輸送管の入口における粒子状吸水剤の温度を測定することによって求められる。ここで、「輸送管の入口」とは、粒子状吸水剤が空気輸送される輸送管に入る箇所周辺を意味する。粒子状吸水剤の温度の上限は特に限定されないが、粒子状吸水剤の温度が高すぎると粒子状吸水剤としての物性が低下するおそれがある。また、粒子状吸水剤の温度を高温に保持するためのエネルギーが多量に必要である。これらの観点からは、輸送管に供給される粒子状吸水剤の温度は、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは95℃以下、特に好ましくは90℃以下である。
また、輸送管の出口における粒子状吸水剤の温度は、30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上である。ここで、「輸送管の出口」とは、粒子状吸水剤が輸送管から排出される箇所周辺を意味する。輸送管内を輸送されている粒子状吸水剤の温度を所定温度以上に保持することによって、粒子状吸水剤の物性の低下が抑制される。
粒子状吸水剤の温度を30℃以上に制御する方法には、特に限定されないが、ホッパー等の貯蔵タンクおよび輸送管を外部から加熱する手段を配置する方法が好ましく用いられる。例えば、ホッパー等の貯蔵タンクおよび輸送管の外壁に銅パイプを配置し、銅パイプ内にスチームを通過させることによって、輸送管に供給される粒子状吸水剤および輸送管内部を移動する粒子状吸水剤の温度を、所定温度以上に維持することができる。
高濃度空気輸送装置自体は、従来公知の高濃度空気輸送装置が用いられてもよい。必要であれば、輸送されている粒子状吸水剤を所定温度以上に保持するための加熱手段が、高濃度空気輸送装置に配置されてもよい。
高濃度空気輸送装置の大きさについては、特に限定されず、輸送される粒子状吸水剤の量や輸送距離に応じて決定される。粒子状吸水剤の輸送距離は、輸送管の長さを調整することによって制御される。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤および通液性向上剤を添加した後に、滑り性向上剤を添加する方法である。それゆえ、本発明の粒子状吸水剤の製造方法により得られた粒子状吸水剤は、最も外側、即ち、吸水性樹脂と反対側に滑り性向上剤層が存在するので、吸湿時の流動性及び乾燥状態での流動性がよくなる。その結果、上記粒子状吸水剤は、搬送時においての取扱い性が良好で、装置等への付着も少ない。また、上記粒子状吸水剤は、通液性向上剤層が存在するので、液透過性に優れている。その結果、上記粒子状吸水剤は、空気輸送による生理食塩水流れ誘導性(SFC)の低下率が小さく、耐ダメージ性に優れている。さらに、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、空気輸送工程において、輸送管内に二次空気が噴出されることにより、上記本発明の効果が、より一層顕著になる。
<粒子状吸水剤に含まれるその他の成分>
本発明の粒子状吸水剤においては、さらに必要に応じて、消臭剤、抗菌剤、香料、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレート剤、殺菌剤、着色防止剤、ポリエチレングリコール、親水性高分子、パラフィン等の疎水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂等の熱硬化性樹脂等を添加する等、種々の機能を付与する工程を含んでいてもよい。これらの添加剤の使用量は、吸水性樹脂100重量部に対して通常0〜30重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲、より好ましくは0〜1重量部の範囲である。
粒子状吸水剤とこれらの添加剤との混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば粉体同士を混合するドライブレンド法、湿式混合法(添加剤を溶媒に分散ないし溶解させ添加)等を採用できる。
以下、本実施形態の粒子状吸水剤の特性について説明する。
なお、上述したように、多価金属塩や水不溶性無機微粒子などの通液性向上剤を含む粒子状吸水剤およびその製造方法において、実生産でのその特有の問題、すなわち、通液性向上剤の使用に伴う搬送性と低下(生産性低下)と、通液性向上剤の混合後、搬送に伴う物性低下という問題を見出した。かかる物性低下はスケールファクター(実験室からの物性低下)が顕著であり、かかる下記の吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤に対して好適に適用される。
ここで、粒子状吸水剤の物性は製造工程での最終製品の物性であり、吸水性樹脂の物性は製造工程での中間工程の物性(特に表面架橋後ないし通液性向上剤の添加後の物性、特に通液性向上剤を添加後の搬送前の物性)を指す。
<粒子状吸水剤の質量平均粒子径(D50)等>
本発明の粒子状吸水剤は、必要に応じて、無機粉末や親水性有機溶媒等によって造粒されてなる。そのため、粒子状吸水剤は、粒子状吸水剤の質量に対して、好ましくは150μm以上850μm未満の粒子が90重量%以上(上限100%)含まれており、より好ましくは150μm以上850μm未満の粒子が95重量%以上含まれており、さらに好ましくは150μm以上850μm未満の粒子が98重量%以上含まれている。なお、上記造粒を行う場合には、粒子状吸水剤が上記の質量平均粒子径となるように調整することが好ましい。そのために、表面架橋処理前の吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50)は、150μm以上、850μm未満の範囲に制御することが好ましい。
吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤の質量平均粒子径の分布を表わす対数標準偏差値σζは、0.25〜0.45の範囲が好ましく、より好ましくは0.25〜0.42、さらに好ましくは0.25〜0.40、特に好ましくは0.25〜0.38の範囲である。
吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤の150μm未満の粒子(微粉)が10重量%を超える場合には、吸水時に血液や尿等の吸収体への液の拡散性が阻害されること、吸収体としての使用時に空気との接触面積が増加するので粒子状吸水剤が可溶化しやすくなること、さらには吸湿時の流動性も悪くなること、粒子状吸水剤やオムツ等衛生材料製造時における作業中の粉塵発生による作業環境の劣悪化、幅広い粒度分布を有することによる偏析の増大等多くの問題が発生することとなり好ましくない。また対数標準偏差が0.25未満の場合、かさ密度が低下する場合がある。特に、粉体の流動性が向上する本発明の粒子状吸水剤においては、質量平均粒子径の分布が広い場合や微粉が多い場合には、ホッパーや袋中において偏析が顕著になるために、おむつ等に組み込む際に品質のばらつきを引き起こしやすくなる。850μm以上の粒子が10重量%を超える場合は、粒子状吸水剤の吸水速度が遅くなり、また、吸収物品に使用した際に吸収体の肌触りが悪く、異物感が現れ、使用者に対して不快感を与えるので好ましくない。よって、本発明の好ましい範囲に質量平均粒子径を調整することにより、流動性、かさ密度に優れ、吸水性能が低下せず、かつ偏析等の問題がない粒子状吸水剤を得ることが可能となる。
粒子状吸水剤の質量平均粒子径は、目的やその必要に応じて不溶性微粒子や親水性溶媒、好ましくは水を添加混合してさらに造粒して調整してもよい。好ましくは吸水性樹脂ないし粒子状吸水剤の質量平均粒子径は250〜600μm、さらに好ましくは300〜500μm、350〜450μm程度に制御される。
質量平均粒子径の調整は、逆相縣濁重合のように粒子状で分散重合及び分散乾燥させて調整してもよいが、水溶液重合の場合等、通常は乾燥後に粉砕及び分級されて、必要により微粉を造粒等によりリサイクルさせることで、特定の質量平均粒子径に調整される。
また、本発明に用いられる吸水性樹脂は、本発明の粒子状吸水剤を得るために、そのゆるみかさ密度(JIS K−3362で規定)が好ましくは0.45〜0.85g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/ml、さらに好ましくは0.55〜0.80g/mlの範囲に調整される。
<加圧下吸収倍率(AAP/Absorbency Against Pressure)>
本発明の粒子状吸水剤の4.83kPaにおける圧力下(荷重下)での加圧下吸収倍率(AAP)は、17g/g以上、好ましくは18g/g以上、より好ましくは19g/g以上、特に好ましくは20g/g以上である。また、かかる吸水性樹脂では実生産でのスケールファクター(実験室からの物性低下)が顕著であり、かかる吸水性樹脂に対して適用される。
本発明の粒子状吸水剤の2.03kPaにおける圧力下(荷重下)での加圧下吸収倍率(AAP1)は、20g/g以上、好ましくは22g/g以上、より好ましくは24g/g以上、さらに好ましくは26g/g以上、特に好ましくは28g/g以上である。また、加圧下吸収倍率の上限は特に限定されるものではなく、高い方が好ましい。ただし、製造コスト等の経済性により、通常50g/g以下、好ましくは45g/g以下である。
なお、4.83kPa及び2.03kPaの圧力下(荷重下)での加圧下吸収倍率を用いたのは、乳幼児の寝ている状態及び座った状態で、吸収体または紙おむつ等の吸収性物品が使用される状況を想定したものである。
<無加圧下吸収倍率(CRC)>
本発明の粒子状吸水剤の、0.90重量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC/Centrifuge Retention Capacity)の30分における値の下限は、好ましくは10g/g、より好ましくは15g/g、さらに好ましくは20g/gである。また、本発明の粒子状吸水剤の、無加圧下吸収倍率(CRC)の30分における値の上限は、好ましくは50g/g、より好ましくは40g/g、さらに好ましくは35g/gである。吸収倍率がこの範囲から外れると、粒子状吸水剤をおむつに使用した場合、高物性を示さない場合がある。そのために、表面架橋処理前の吸水性樹脂の無加圧下吸収倍率(CRC)は、好ましくは10〜60g/g、より好ましくは25〜40g/gの範囲に制御する。
また、本発明では、上記表面架橋によってその吸収倍率が低下する。しかし、好ましくは表面架橋前の吸収倍率の95〜50%、より好ましくは90〜60%で低下を抑えることが必要である。なお、吸収倍率の低下は架橋剤の種類や量、反応温度や時間等で適宜調整すればよい。
<生理食塩水流れ誘導性(SFC)>
生理食塩水流れ誘導性は、粒子状吸水剤の膨潤時の液透過性を示す値であり、その値が大きいほど高い液透過性を有することを示している。
本発明で得られる粒子状吸水剤は、好ましくは10(10−7・cm・s・g−1)以上、より好ましくは30(10−7・cm・s・g−1)以上、さらに好ましくは50(10−7・cm・s・g−1)以上、特に好ましくは80(10−7・cm・s・g−1)以上の生理食塩水流れ誘導性(SFC/Saline Flow Conductivity)を有する。また、かかる吸水性樹脂では実生産でのスケールファクター(実験室からの物性低下)が顕著である。よって、かかる吸水性樹脂に対して適用される。
(VI)空気輸送方法
上記粒子状吸水剤の製造方法に加えて、本発明では、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加し、該有機表面架橋剤を添加するのと同時にまたは該有機表面架橋剤を添加した後に通液性向上剤を添加し、さらに、同時に又は別途滑り性向上剤を添加し、その後に空気輸送する粒子状吸水剤の輸送方法、および該輸送方法含む粒子状吸水剤の製造方法である。なお、滑り性向上剤の添加時期は、通液性向上剤と同時でもよいが、好ましくは、後に添加して粒子状吸水剤の最も表面を被覆する。
かかる輸送方法で、高物性(例えば、上記SFC、AAP、粒度、CRC)の粒子状吸水剤を搬送性低下(生産性低下)や物性低下なく、工業的なスケールで生産できる。
好ましい吸水性樹脂やその物性、通液性向上剤(好ましくは、高分子ポリアミン化合物、水不溶性微粒子または水溶性多価金属塩)、滑り性向上剤(好ましくは界面活性剤)、輸送距離(10m以上、1000m以下)、輸送量(1Mt/hr以上の連続輸送)など、詳細な条件は上記の範囲である。
(VII)吸収体および/または吸収性物品
本発明の粒子状吸水剤は、吸水を目的とした用途に用いられ、吸収体や吸収性物品として広く使用されるが、特に、尿や血液等の体液を吸収するための衛生材料として好適に用いられる。本発明の吸収体や吸収性物品は、本発明の粒子状吸水剤を含んでなるものである。
ここで、上記吸収体とは、粒子状吸水剤と親水性繊維とを主成分して成型された吸収材のことである。上記吸収体は、本発明の粒子状吸水剤と親水性繊維とを用いて、例えば、フィルム状、筒状、シート状に成型され、製造される。上記吸収体は、粒子状吸水剤と親水性繊維との合計質量に対する粒子状吸水剤の含有量(コア濃度)が、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%、さらに好ましくは40〜100重量%の範囲である。上記吸収体は、粒子状吸水剤のコア濃度が高いほど、吸収体や紙おむつ等の作製時における粒子状吸水剤の吸収特性低下効果が顕著に表れてくるものとなる。また、上記吸収体は、厚みが0.1〜5mmの薄型であることが好ましい。
上記吸収性物品とは、上記吸収体、液透過性を有する表面シート、及び液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品である。上記吸収性物品の製造方法は、まず、例えば繊維材料と粒子状吸水剤とをブレンドないしサンドイッチすることで吸収体(吸収コア)を作製する。次に、上記吸収体を、液透過性を有する表面シートと液不透過性を有する背面シートとでサンドイッチして、必要に応じて、弾性部材、拡散層、粘着テープ等を装備することで、吸収性物品、特に大人用紙オムツや生理用ナプキンとされる。上記吸収体は、密度0.06〜0.50g/cc、坪量0.01〜0.20g/cmの範囲に圧縮成型されて用いられる。なお、用いられる繊維材料としては、親水性繊維、例えば粉砕された木材パルプ、コットンリンターや架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等を例示できる。好ましくは、それらをエアレイドしたものである。
本発明の吸水性物品は、優れた吸収特性を示すものである。このような吸収性物品としては、具体的には、近年成長の著しい大人用紙オムツをはじめ、子供用オムツ、生理用ナプキン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料等が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。本発明の吸水性物品は、吸収性物品の中に存在する粒子状吸水剤の優れた吸収特性により、戻り量も少なく、ドライ感が著しく、装着している本人・介護の人々の負担を大きく低減することができる。
以下に、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例及び比較例において使用される電気機器は、全て100V、60Hzの条件で使用した。さらに、特に指定がない限り25℃±2℃、相対湿度50%RHの条件下で使用した。
ここで、以下「吸水性樹脂組成物」は「粒子状吸水剤」と同義である。
〔吸水性樹脂の製造方法〕
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5438g(単量体濃度39重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート11.7g(0.10モル%)を溶解させて反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に10重量%過硫酸ナトリウム水溶液29.34g及び0.1重量%のL−アスコルビン酸水溶液24.45gを攪拌しながら添加したところ、約1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。このようにして、不定形で、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体の吸水性樹脂(1)を得た。
また、得られた吸水性樹脂(1)を、ロールミル粉砕機(商品名:「WML型」、有限会社井ノ口技研製)を用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級した。次に、上記の操作で目開き600μmを通過した粒子を、目開き150μmのJIS標準篩で分級した。そして、目開き150μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(1aF)を除去した。このようにして粒子状の吸水性樹脂(1a)を得た。
除去した吸水性樹脂(1aF)を、米国特許第6228930号に記載されたGranulation Example 1の方法に準じて造粒した。この造粒物を上記と同様の手順で粉砕、分級した。このようにして造粒された吸水性樹脂(1aA)を得た。
このようにして得られた吸水性樹脂(1a)80重量部と吸水性樹脂(1aA)20重量部を均一に混合し、吸水性樹脂(A)とした。
この吸水性樹脂(A)100gに、1,4−ブタンジオール0.5g、プロピレングリコール1.0g、純水3.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、この混合物を210℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂(A1)を得た。
そして、吸水性樹脂(A1)の物性を測定した結果を表1に示した。
〔実施例1〕
得られた吸水性樹脂(A1)100重量部に、通液性向上剤としての硫酸アルミニウム14〜18水塩(関東化学株式会社製、質量平均粒子径182μm、かさ比重0.60g/cm)1.0重量部を均一に混合した。次に、滑り性向上剤としての10重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02重量部を均一に混合し、粒子状吸水剤である吸水性樹脂組成物(1)を得た。
〔比較例1〕
得られた吸水性樹脂(A1)100重量部に、硫酸アルミニウム14〜18水塩(質量平均粒子径182μm、かさ比重0.60g/cm)1.0重量部を均一に混合し、比較材としての吸水性樹脂組成物(2)を得た。
〔比較例2〕
得られた吸水性樹脂(A1)100重量部に、10重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液0.02重量部を均一に混合した。次に、硫酸アルミニウム14〜18水塩(質量平均粒子径182μm、かさ比重0.60g/cm)1.0重量部を均一に混合し、比較材としての吸水性樹脂組成物(3)を得た。
<空気輸送条件>
空気輸送(気力輸送)は、圧送式の空気輸送装置を用いて行った。圧送式の空気輸送装置は、主として、空気源、粒子供給部、輸送管、粒子回収部を備えている。そして、空気源からの気流にのせて粒子を輸送する。つまり、粒子供給部と粒子回収部との圧力差によって生じる気流を利用して、粒子を輸送する。ここで、空気輸送に用いられる作動流体は、空気に限定されず、不活性ガス等を用いることもできる。空気輸送条件は、輸送距離120m、末端線速27m/秒で行った。
〔物性の測定結果〕
表1は、基準物質及び比較例1において測定した質量平均粒子径(D50)、無加圧下吸収倍率(CRC)、4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)の数値をまとめたものである。
Figure 0005611523
表1に示したように、吸水性樹脂(A1)と比較例1とを比較すると、比較例1において通液性向上剤としての硫酸アルミニウムを添加することにより、生理食塩水流れ誘導性(SFC)の数値が大きくなった。つまり、表面が架橋処理された吸水性樹脂に、通液性向上剤を添加することにより、液透過性が向上するという結果になった。
また、表2は、実施例1及び比較例1,2において測定した空気輸送前後での無加圧下吸収倍率(CRC)、4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)の評価結果をまとめたものである。
Figure 0005611523
表2に示したように、実施例1と比較例1,2とを比較すると、比較例1,2では、実施例1と比べて、空気輸送後の4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(AAP)及び生理食塩水流れ誘導性(SFC)の評価が悪くなった。つまり、表面が架橋処理された吸水性樹脂に、通液性向上剤、滑り性向上剤の順に添加剤を加えることにより、空気輸送後の4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(AAP)及び生理食塩水流れ誘導性(SFC)が優れるという結果になった。要するに、実施例1の吸水性樹脂組成物は、輸送能力が大きく、空気輸送によるAAP低下率、SFC低下率がいずれも小さい優れた粒子状吸水剤であることが明らかになった。
〔製造例1〕
重合工程(ベルト上での静置重合)、ゲル細粒化(解砕)工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程(表面架橋剤の噴霧工程、加熱工程)、冷却工程、整粒工程、各工程間の輸送工程、がそれぞれ連結され、各工程を連続して行うことができる吸水性樹脂の連続製造装置(1時間当たり約1500kgの生産能力)を用いて粒子状吸水性樹脂を連続製造した。
具体的には、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(平均n数(平均重合度)9)を0.06モル%(対単量体)を含む75モル%が中和されたアクリル酸部分ナトリウム塩水溶液(濃度38質量%)を、単量体水溶液(1)として、得られた単量体水溶液(1)を定量ポンプで連続フィードを行い、輸送管の途中で窒素ガスを連続的に吹き込み、酸素濃度を0.5ppm以下にした。
次に、単量体水溶液(1)に、さらに過硫酸ナトリウム/L−アスコルビン酸=0.14(g)/0.005(単量体mol)をラインミキシングで連続混合して、両端に堰を有する平面スチールベルトに厚み約30mmで供給して、連続的に30分間静置水溶液重合を行った。こうして得られた含水ゲル状架橋重合体(2)を孔径7mmのミートチョッパーで約1mmに細分化し、これを連続通風バンド乾燥機の移動する多孔板上に厚みが50mmとなるように広げて載せ、185℃で30分間乾燥し乾燥重合体を得た。
当該乾燥重合体の全量を3段ロールミル(ロールギャップが上から1.0mm/0.55mm/0.42mm)に連続供給することで粉砕した後、目開き850μmおよび150μmの金属篩網を有する篩い分け装置で分級して、粒径850〜150μmが約98質量%の粒子状吸水性樹脂(3)(CRC=35g/g)を得た。
〔製造例2〕
重合工程(ベルト上での静置重合)、ゲル細粒化(解砕)工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程(表面架橋剤の噴霧工程、加熱工程)、冷却工程、整粒工程、各工程間の輸送工程、がそれぞれ連結され、各工程を連続して行うことができる吸水性樹脂の連続製造装置(1時間当たり約1500kgの生産能力)を用いて粒子状吸水性樹脂を連続製造した。
具体的には、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(平均n数(平均重合度)9)を0.1モル%(対単量体)を含む74モル%が中和されたアクリル酸部分ナトリウム塩水溶液(濃度38質量%)を単量体水溶液(4)として、得られた単量体水溶液(4)を定量ポンプで連続フィードを行い、輸送管の途中で窒素ガスを連続的に吹き込み、酸素濃度を0.5ppm以下にした。
次に、単量体水溶液(4)に、さらに過硫酸ナトリウム/L−アスコルビン酸=0.14(g)/0.005(単量体mol)をラインミキシングで連続混合して、両端に堰を有する平面スチールベルトに厚み約30mmで供給して、連続的に30分間静置水溶液重合を行った。こうして得られた含水ゲル状架橋重合体(5)を孔径7mmのミートチョッパーで約1mmに細分化し、これを連続通風バンド乾燥機の移動する多孔板上に厚みが50mmとなるように広げて載せ、185℃で30分間乾燥し乾燥重合体を得た。
当該乾燥重合体の全量を3段ロールミル(ロールギャップが上から1.0mm/0.4mm/0.3mm)に連続供給することで粉砕した後、目開き710μmおよび150μmの金属篩網を有する篩い分け装置で分級して、粒径710〜150μmが約98質量%の粒子状吸水性樹脂(6)(CRC=33g/g)を得た。
〔実施例2〕
製造例1で得られた吸水性樹脂(3)を高速連続混合機(タービュライザー、1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部、純水2.7質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に198℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて60℃まで強制冷却した(冷却工程)。さらに、篩い分け装置で850μm通過物を分級し、目開き850μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記850μm通過物と混合することで、全量が850μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂(A)を得た。得られた吸水性樹脂(A)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例3〕
上記冷却工程の際に、冷却機装置内の約90℃のゾーンで吸水性樹脂100質量部当たり、通液性向上剤としての硫酸アルミニウム14〜18水塩粉末(関東化学株式会社製、質量平均粒子径182μm、かさ比重0.60g/cm)1.0質量部を添加して均一に混合した後、冷却機装置内の約70℃のゾーンで、滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して均一に混合したこと以外は実施例2と同様の操作を行うことにより、全量が850μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B1)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例4〕
製造例2で得られた吸水性樹脂(6)を高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.4質量部、プロピレングリコール0.6質量部、純水3.0質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に200℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて60℃まで強制冷却した(冷却工程)。この冷却工程の際に、冷却機装置内の約90℃のゾーンで吸水性樹脂100質量部当たり、通液性向上剤としての硫酸アルミニウム14〜18水塩粉末(関東化学株式会社製、質量平均粒子径182μm、かさ比重0.60g/cm)1.0質量部を添加して均一に混合した後、冷却機装置内の約70℃のゾーンで、滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して均一に混合した。冷却機より排出された吸水性樹脂を篩い分け装置で710μm通過物を分級し、目開き710μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記710μm通過物と混合することで、全量が710μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B2)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例5〕
上記冷却工程の際に、冷却機装置内の約70℃のゾーンで吸水性樹脂100質量部当たり、通液性向上剤として硫酸アルミニウム14〜18水塩粉末に代えて硫酸アルミニウム水溶液(JIS K1450 水道用硫酸アルミ A1203として8.1%)1.0質量部を添加して均一に混合した後、次に冷却機装置内の約65℃のゾーンで、滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して均一に混合したこと以外は実施例3と同様の操作を行うことにより、全量が850μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B3)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例6〕
上記冷却工程の際に、冷却機装置内の約70℃のゾーンで吸水性樹脂100質量部当たり、通液性向上剤として硫酸アルミニウム14〜18水塩粉末に代えて硫酸アルミニウム水溶液(JIS K1450 水道用硫酸アルミ A1203として8.1%)1.0質量部を添加して均一に混合した後、次に冷却機装置内の約65℃のゾーンで、滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して均一に混合したこと以外は実施例4と同様の操作を行うことにより、全量が710μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B4)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例3〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例3と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C1)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例4〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例4と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C2)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例5〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例5と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C3)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例6〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例6と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C4)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例7〕
製造例1で得られた吸水性樹脂(3)を高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部、純水2.7質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に198℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて70℃まで強制冷却した(冷却工程)。冷却機より排出された吸水性樹脂100質量部当たり、水不溶性シリカ微粒子(商品名:「アエロジル200CF」、日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:約12nm、BET比表面積:約200m/g、乾燥減量1%以下)0.3質量部を連続的に添加し、さらに滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して混合した後、篩い分け装置で850μm通過物を分級した。この際に、目開き850μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記850μm通過物と混合することで、全量が850μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B5)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例8〕
製造例2で得られた吸水性樹脂(6)を高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.4質量部、プロピレングリコール0.6質量部、純水3.0質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に200℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて60℃まで強制冷却した(冷却工程)。冷却機より排出された吸水性樹脂100質量部当たり、水不溶性シリカ微粒子(商品名:「アエロジル200CF」、日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:約12nm、BET比表面積:約200m/g、乾燥減量1%以下)0.5質量部を連続的に添加し、さらに滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して混合した後、篩い分け装置で710μm通過物を分級した。この際に、目開き710μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記710μm通過物と混合することで、全量が710μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B6)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例7〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例7と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C5)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例8〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例8と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C6)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例9〕
製造例1で得られた吸水性樹脂(3)を高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部、硫酸アルミニウム水溶液(JIS K1450 水道用硫酸アルミ A1203として8.1%)2.0質量部、純水1.7質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に198℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて60℃まで強制冷却した(冷却工程)。この冷却工程の際に、冷却機装置内の約70℃のゾーンで、滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して均一に混合した。冷却機より排出された吸水性樹脂を篩い分け装置で850μm通過物を分級し、目開き850μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記850μm通過物と混合することで、全量が850μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B7)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例10〕
製造例2で得られた吸水性樹脂(6)を高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.4質量部、プロピレングリコール0.6質量部、硫酸アルミニウム水溶液(JIS K1450 水道用硫酸アルミ A1203として8.1%)2.0質量部、純水2.0質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に200℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて60℃まで強制冷却した(冷却工程)。この冷却工程の際に、冷却機装置内の約70℃のゾーンで、滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液(商品名:「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製)0.02質量部を添加して均一に混合した。冷却機より排出された吸水性樹脂を篩い分け装置で710μm通過物を分級し、目開き710μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記710μm通過物と混合することで、全量が710μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B8)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例9〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例9と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C7)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例10〕
滑り性向上剤としての10質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート水溶液を添加しないこと以外は実施例10と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂組成物(C8)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例11〕
製造例1で得られた吸水性樹脂(3)を高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1500kg/hrで連続供給して、吸水性樹脂100質量部に対して、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部、純水2.7質量部の混合液からなる表面処理剤溶液をスプレーで噴霧し混合した。
次いで、得られた混合物をパドルドライヤーにより連続的に198℃にて40分間加熱処理した後、同様のパドルドライヤーを用いて60℃まで強制冷却した(冷却工程)。この冷却工程の際に、冷却機装置内の約70℃のゾーンで吸水性樹脂100質量部当たり、通液性向上剤としての硫酸アルミニウム水溶液(JIS K1450 水道用硫酸アルミ A1203として8.1%)1.0質量部を添加して均一に混合した後、次に冷却機装置内の約65℃のゾーンで吸水性樹脂100質量部当たり、滑り性向上剤としてのステアリン酸亜鉛0.01質量部を添加して均一に混合した。冷却機より排出された吸水性樹脂を篩い分け装置で850μm通過物を分級し、目開き850μmの篩網の上に残留する物は再度粉砕した後、上記850μm通過物と混合することで、全量が850μm通過物である整粒された製品としての吸水性樹脂組成物を得た。得られた吸水性樹脂組成物(B9)の物性を測定した結果を表3に示した。
〔空気輸送条件1〕
高濃度空気輸送装置を用いて、実施例及び比較例で得られた吸水性樹脂組成物を約12時間連続で空気輸送した。吸水性樹脂組成物の輸送量は、1500kg/hrであり、総輸送距離は水平輸送部110mおよび垂直輸送部20mの計130m、末端線速は約10m/secであった。空気輸送前後の吸水性樹脂組成物の物性を表3に示した。また、空気輸送における輸送管閉塞の状態(空気輸送状態)を、以下の基準で表記した。
<12時間後の空気輸送状態の基準>
A:12時間の空気輸送において、輸送管閉塞0回
B:12時間の空気輸送において、輸送管閉塞1回
C:12時間の空気輸送において、輸送管閉塞2回以上
〔空気輸送条件2〕
高濃度空気輸送装置を用いて、実施例及び比較例で得られた吸水性樹脂組成物を約12時間連続で空気輸送した。吸水性樹脂組成物の輸送量は、1500kg/hrであり、総輸送距離は水平輸送部110mおよび垂直輸送部20mの計130m、末端線速は約20m/secであった。空気輸送前後の吸水性樹脂組成物の物性を表3に示した。また、空気輸送における輸送管閉塞の状態(空気輸送状態)を、空気輸送条件1と同様に表記した。
〔物性の測定方法〕
<質量平均粒子径(D50)>
吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物を、850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm等のJIS標準篩で篩い分けし、各粒度の残留百分率を対数確率紙にプロットした。これにより、R=50%に相当する粒径から質量平均粒子径(D50)を読み取った。
なお、篩い分けは吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物10gを、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で、上記のJIS標準篩に仕込み、ロータップ型ふるい振盪機(商品名:「ES−65型ふるい振盪機」、株式会社飯田製作所製)により5分間ないし10分間分級した。
ここで、質量平均粒子径(D50)とは、米国特許5051259号公報等にあるように、一定目開きの標準篩で、粒子全体の50重量%に対応する標準篩の粒子径のことである。
<無加圧下吸収倍率(CRC)>
吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物0.2gを、不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、25℃に調温した大過剰(例えば100g以上)の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の質量W(g)を測定した。また、同様の操作を、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物を用いないで行い、そのときの質量W(g)を測定した。そして、これら質量W、Wから、下記(式1)に従って、無加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
無加圧下吸収倍率(g/g)=(質量W(g)−質量W(g))/吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の質量(g)−1 ・・(式1)
<4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(AAP)>
4.83kPa(0.7Psi)の圧力になるように調製した荷重を準備した。そして、底に400メッシュ(目開き38μm)の金網を貼着した直径60mmのプラスチック円筒の金網上に、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物0.90gを均一に散布した。その上に、上記荷重を載せて、この測定装置一式の質量W(g)を測定した。
次に、直径150mmのペトリ皿の内側に、直径90mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製作所製、細孔直径100〜120μm)を置き、0.90重量%の塩化ナトリウム水溶液(20〜25℃)を、ガラスフィルターの上面と同じレベルになるように加えた。
その上に、直径90mmのろ紙(商品名:「JIS P 3801 No.2」、ADVANTEC東洋株式会社製、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を1枚載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を、上記湿ったろ紙上に載せ、液を荷重下で吸収させた。1時間(60分)後、測定装置一式を持ち上げ、その質量W(g)を測定した。そして、これら質量W、Wから、下記(式2)に従って、加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(g/g)=(W(g)−W(g))/吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の質量(g) ・・(式2)
<生理食塩水流れ誘導性(SFC)>
生理食塩水流れ誘導性(SFC)は、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の膨潤時の液透過性を示す値である。SFCの値が大きいほど高い液透過性を有することを示している。ここで、米国公開特許US2004−0106745の生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験に準じて行った。
具体的には、セルに均一に入れた吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物0.90gを、人工尿中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間膨潤させ、ゲル層の高さを記録した。次に、0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69重量%塩化ナトリウム水溶液を、一定の静水圧でタンクから膨潤したゲル層に通液させる。
タンクには、ガラス管が挿入されている。ガラス管は、セル中の0.69重量%塩化ナトリウム水溶液の液面が、膨潤ゲルの底部から5cm上の高さに維持されるように、下端の位置を調整して配置されている。タンク中の0.69重量%塩化ナトリウム水溶液は、コック付きL字管を通じてセルへ供給される。セルの下には、通過した液を捕集する捕集容器が配置されており、捕集容器は上皿天秤の上に設置されている。セルの内径は6cmであり、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)が設置されている。ピストンの下部には、液が通過するのに十分な穴があり、底部には吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物あるいはその膨潤ゲルが、穴に入り込まないように、透過性のよいガラスフィルターが取り付けてある。セルは、セルを載せるための台の上に置かれ、この台は、液の透過を妨げないように、ステンレス製の金網の上に設置されている。
上記人工尿は、塩化カルシウム2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウム6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、リン酸2水素アンモニウム0.85g、リン酸水素2アンモニウム0.15g、及び、純水994.25gを加えたものを用いる。
なお、SFC試験は、室温(20〜25℃)で行った。コンピュータと天秤とを用いて、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録した。膨潤したゲル(の主に粒子間)を通過する流速Fs(t)は、増加質量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定した。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtsとし、tsから10分間に得た流速を使用して、Fs(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算した。Fs(t=0)は、Fs(t)の対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算した。そして、以下の式(3)を用いて生理食塩水流れ誘導性(加圧下通液速度)を求めた。なお、加圧下通液速度の単位は、(10−7×cm×s×g−1)である。
加圧下通液速度=Fs(t=0)×L/(ρ×A×ΔP) ・・(式3)
Fs(t=0):g/sで表した流速
:cmで表したゲル層の高さ
ρ:NaCl溶液の密度(1.003g/cm
A:セル中のゲル層上側の面積(28.27cm
ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm
また、表3は、実施例2〜11及び比較例3〜10において測定した空気輸送前後での無加圧下吸収倍率(CRC)、4.83kPa加圧下での加圧下吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)、および、空気輸送における輸送管閉塞の状態の評価結果をまとめたものである。
Figure 0005611523
表3に示したように、実施例2〜11と比較例3〜10とを比較すると、比較例3〜10では、実施例2〜11と比べて、末端線速が約10m/sec(低速)である空気輸送条件1では、空気輸送における輸送管閉塞が増加し、空気輸送状態が悪くなった。また、比較例3〜10では、実施例2〜11と比べて、末端線速が約20m/sec(高速)である空気輸送条件2では、空気輸送後のAAP低下率、SFC低下率がいずれも大きくなった。要するに、実施例2〜11の吸水性樹脂組成物は、比較例3〜10の吸水性樹脂組成物と比べて、空気輸送状態に優れ、かつ空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性に優れた粒子状吸水剤であることが明らかになった。
以上、本発明者らは、多価金属塩や水不溶性無機微粒子などの通液性を含む粒子状吸水剤およびその製造方法において、その特有の問題、すなわち、通液性向上剤の使用に伴う搬送性の低下と、通液性向上剤の混合後、搬送(特に空気輸送)に伴う物性低下という問題を見出した。
そして、上記課題を解決するため、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、以上のように、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加する工程、該有機表面架橋剤を添加する工程の同時工程または後工程として通液性向上剤を添加する工程、さらに、その後に滑り性向上剤を添加する工程を含む方法である。
それゆえ、空気輸送状態に優れ、かつ通液性向上剤の効果を低減することなく、空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性に優れた粒子状吸水剤及びその製造方法を提供するという効果を奏する。
発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する請求の範囲内において、いろいろと変更して実施することができるものである。
以上のように、本発明の粒子状吸水剤は、吸水特性および通液性向上剤の効果を低減することなく、空気輸送後の流動性、耐ダメージ性等の物性に優れたものである。このため、本発明の吸水性物品は、上記粒子状吸水剤を含んでいるので、優れた吸収特性等を示すものである。このような吸収性物品は、例えば、近年成長の著しい大人用紙オムツ、子供用オムツ、生理用ナプキン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料等に広く利用することが可能である。

Claims (11)

  1. 有機表面架橋剤で表面架橋処理が施された吸水性樹脂と通液性向上剤とを用いる粒子状吸水剤の製造方法であって、
    加熱表面架橋工程と冷却工程とを含み、
    該加熱表面架橋工程では、架橋構造を有する吸水性樹脂に、有機表面架橋剤を添加して表面架橋処理し、
    その後の該冷却工程時または該冷却工程の後に、通液性向上剤を添加し、さらに滑り性向上剤を添加し、
    前記粒子状吸水剤の空気輸送工程を含み、
    記通液性向上剤が、高分子ポリアミン化合物、水不溶性微粒子または水溶性多価金属塩を含み、
    前記水不溶性微粒子は、重量平均粒子径が100μm以下である、シリカ、タルク、カオリン、フラー土、ベントナイト、活性白土、重晶石、天然アスファルタム、ストロンチウム鉱石、イルメナイト、パーライト;親水性のアモルファスシリカ類;酸化ケイ素・酸化アルミ・酸化マグネシウム複合体、酸化ケイ素・酸化アルミニウム複合体、酸化ケイ素・酸化マグネシウム複合体;から選ばれ、
    前記水溶性多価金属塩は、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ビス硫酸カリウムアルミニウム、ビス硫酸ナトリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、塩化鉄(III)、塩化セリウム(III)、塩化ルテニウム(III)、塩化イットリウム(III)および塩化クロム(III)から選ばれ、
    前記滑り性向上剤は、界面活性剤または滑剤を含み、
    前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選ばれ、
    前記滑剤は、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステル系滑剤、アルコール系滑剤および金属石鹸滑剤から選ばれることを特徴とする粒子状吸水剤の製造方法。
  2. 前記有機表面架橋剤を添加した後に、前記通液性向上剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  3. 前記通液性向上剤が、アルミニウム化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  4. 前記通液性向上剤の水溶液または水分散液を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  5. 前記滑り性向上剤界面活性剤であり、
    該界面活性剤の添加量が、吸水性樹脂100重量部に対して0を超えて0.2重量部以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  6. 前記滑り性向上剤滑剤であり、
    該滑剤の添加量が、吸水性樹脂に対して0.0001〜1重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  7. 前記滑り性向上剤が、アルコール系滑剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  8. 前記滑り性向上剤が、粉体の滑剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  9. 輸送管に供給される粒子状吸水剤の温度が30℃以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  10. 輸送管に供給される粒子状吸水剤の温度が40〜100℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
  11. 粒子状吸水剤の生理食塩水流れ誘導性(SFC)が10(10-7・cm3・s・g-1)以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤の製造方法。
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