JP5577120B2 - 車両のインナーラック構造 - Google Patents
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Description
雨中走行時等において、収納空間に入った雨水は、収納空間の底部に達し、リブ(20)と溝(26)との間に形成された隙間を伝わって、カバー部材(15)に設けた排水孔から収納空間の外方へ流される。
請求項6に係る発明では、導水路は、水抜き穴まで延びており、カバー部材の任意の位置に水が集約されると共に、水は水抜き穴を通過して排出されることを特徴とする。
導水路及び水抜き穴は、下方延出部で覆われているので、導水路及び水抜き穴を外から見えなくすることができる。
また、収納空間に侵入した水は、導水路を通じて水抜き穴に案内され、収納空間の外に流すことができる。
このような段部であれば、段部から水抜き穴に達する前に下方に垂れてしまう水量を減らすことができ、結果として多くの水を水抜き穴に導くことができる。
本発明では、水抜き穴を利用して板部材の下方延出部をカバー部材に取付けるようにしたので、部品点数を増やすことなく、板部材の下方延出部をカバー部材に確実に支持させることができる。
図1に示されているように、スクータ型車両10には、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から斜め後下方に延ばされた後、後方へ延ばされるメインフレーム12と、このメインフレーム12の後端部に車幅方向に延ばされているクロスフレーム13と、このクロスフレーム13に付設されるピボット部材14と、クロスフレーム13から車両斜め後上方へ延ばされた後、後方へ延ばされるリヤフレーム15と、を主要な構成要素とする車体フレーム17が設けられ、ヘッドパイプ11の下方に回動可能にフォーク部材21が設けられ、このフォーク部材21と一体の操向ハンドル22がヘッドパイプ11の上方に設けられ、ピボット部材14に揺動自在にエンジン23を含むパワーユニット24が設けられ、このパワーユニット24とリヤフレーム15の間にクッションユニット25が介在されている。
前輪27と後輪28の間には、乗員の足置き部31が設けられ、この足置き部31の前方に風よけとしてのレッグシールド42が設けられ、足置き部31の後方でレッグシールド42に対向する位置に乗員シート33が設けられている。乗員シート33は、リヤフレーム15に支持される収納ボックス34の上方を塞ぐように載置されている。
なお、レッグシールド45は、フロントカバー41とインナーカバー42により形成される。
図2に示されているように、カバー部材40の構成要素としてのインナーカバー42の表面42aは、下方に延びていると共に車両前方に膨出される左右の膨出面54L、54Rを有する上側面55と、この上側面55の下端部から車両後方へ略水平に延ばされ収納空間の底を塞ぐ底部56と、この底部56の後端部としての角部57から下方に延びている下側面58とを有し、この下側面58に、板部材51の下縁61が係合する凹部62が形成され、この凹部62と角部57とで囲まれる面を底下側面63とする。底部56の車幅方向中心には、底部56に溜まった水を抜く底穴64が形成されている。
下部係合爪86の左右の縁には、左右の小リブ88L、88Rが突設され、左の小リブ88Lに左のリブ87Lが連続し、右の小リブ88Rに右のリブ87Rが連続している。
板部材51の下部に備えられている下方延出部82は、底部56よりも下方にて、水抜き穴65及びカバー部材40を覆う部分である。
なお、本実施例では、カバー部材側にインナーラックの底部を形成したが、板部材側にインナーラックの底部を形成することは差し支えない。
以下、インナーラック50の各部の詳細な構造について説明する。
以下、板部材が取付けられる下部固定部について説明する。
図4に示されているように、インナーカバー42に左下座部91Lが設けられ、この左下座部91Lに、板部材51に設けた左下固定部71Lが当てられ、車両前方から車両後方へ締結部材94をねじ込んで、インナーカバー42に板部材51が締結されている。
上記構造は、板部材の車幅方向左側の取付構造であるが、板部材の車幅方向右側の取付構造も同様なものであり、説明を省略する。
図5に示されているように、インナーカバー42に左上座部92Lが設けられ、この左上座部92Lに、板部材51に設けた左上固定部72Lが当てられ、車両前方から車両後方へ締結部材94をねじ込んで、インナーカバー42に板部材51が締結されている。
上記構造は、板部材の車幅方向左側の取付構造であるが、板部材の車幅方向右側の取付構造も同様なものであり、説明を省略する。
図6に示されているように、板部材51の左端部に、左係合爪73Lが設けられ、この左係合爪73Lをレッグシールド側に設けた左係合穴74Lに係合させた。
上記構造は、板部材の車幅方向左側の取付構造であるが、板部材の車幅方向右側の取付構造も同様なものであり、説明を省略する。
上記、図4〜図6、図8に説明した構成によって板部材51は、インナーカバー42に固定される。
図7に示されているように、インナーカバー42に、板部材51の下縁に設け車両略前方に突出されている下縁リブ84と係合する凹部62が図表裏方向に延ばされ、この凹部62の上方に、段部としてのリブ87と、このリブ87に嵌合する同じく段部としての溝67が図表裏方向に延ばされ、角部57を上方から覆うように中間リブ83が車両略前方に延ばされている。このような中間リブ83によって、底部56と板部材51との隙間や、導水路97をインナーラック50の開口から見え難くすることができる。
なお、本実施例では、導水路は、レッグシールドと板部材とを組み合わせることにより形成したものであるが、レッグシールドや板部材のどちらか一方のみに設けられる段部により形成することは差し支えない。
この点、本発明では、導水路97はインナーカバー42に一体的に形成されているので、部品点数を減らすことができる。加えて、導水路97は、段部(67、87)により形成されているので、導水路97を簡便に構成することができる。
なお、本実施例では、カバー部材に設けられる段部は溝であるが、リブとし、このリブに対応する溝を板部材の側に設けることは差し支えない。
図8に示されているように、インナーカバー42に、水抜き穴65が開けられ、この水抜き穴65に、板部材51の下縁には、下部係合爪86が係合されている。この下部係合爪86は、車両前方に延ばされた後下方に延ばされており、導水溝67により導かれた水をインナーラック50の前方へ導くものである。
水抜き穴65は、下方延出部82をインナーカバー42に取付ける取付穴を兼ねるものである。
図9に示されているように、下方延出部82とインナーカバー42との間に、水抜き穴65から車幅方向で斜め上側方に延ばされた段部(図7、符号67、87)により構成され水を水抜き穴65に導く導水路97が備えられている。カバー部材40を構成するインナーカバー42には、水抜き穴65よりも上方位置に、下方延出部82をインナーカバー42に固定する左右の下固定部71L、71Rが設けられえいる。
段部67は、左右の下固定部71L、71Rの近傍から車幅方向略中心に開けた水抜き穴65に向けて形成されている。
底部56よりも下方に、物品を入れることができる収納空間52に入って下に漏れ出した水をインナーカバーの裏面側に導く水抜き穴65が形成され、この水抜き穴65から車幅方向で斜め上側方に延びるように、前記水を水抜き穴65に導く導水路97が設けられ、これらの導水路97及び水抜き穴65は、板部材(図7、符号51)に備えられている下方延出部(図7、符号82)で覆われている。
導水路97及び水抜き穴65は、下方延出部82で覆われているので、導水路97及び水抜き穴65を外から見えなくすることができる。
Claims (6)
- 車体(18)を覆うカバー部材(40)に板部材(51)を取付け、この板部材(51)と前記カバー部材(40)との間に上方へ開口する空間(52)を形成し、この空間(52)に物品を上から入れることができる車両のインナーラック構造において、
前記カバー部材(40)は、ヘッドパイプ(11)の前方を囲うフロントカバー(41)と、前記ヘッドパイプ(11)の後方を囲うインナーカバー(42)とを備え、
底部(56)で前記空間(52)の底を塞ぐようにし、この底部(56)よりも下方にて、前記空間(52)に入った水を抜く水抜き穴(65)が前記カバー部材(40)に形成され、
前記底部(56)よりも下方にて、前記水抜き穴(65)及び前記カバー部材(40)を覆う下方延出部(82)が前記板部材(51)の下部に備えられ、
前記下方延出部(82)と前記カバー部材(40)との間に、前記水抜き穴(65)から車幅方向で斜め上側方に延ばされ前記水を前記水抜き穴(65)に導く導水路(97)が備えられ、
前記導水路(97)は、前記底部(56)よりも下方に配設される底下側面(63)に形成されることを特徴とする車両のインナーラック構造。 - 前記導水路(97)は、少なくとも、前記カバー部材(40)に設けられる段部により形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両のインナーラック構造。
- 前記カバー部材(40)に設けられる段部は、リブ又は溝(67)のいずれか一方であり、
このリブ又は溝(67)に対応する溝又はリブ(87)が前記板部材(51)に備えられていることを特徴とする請求項2記載の車両のインナーラック構造。 - 前記カバー部材(40)には、前記水抜き穴(65)よりも上方位置に、前記下方延出部(82)を前記カバー部材(40)に固定する固定部(71L、71R)が設けられ、
これらの固定部(71L、71R)の近傍から前記水抜き穴(65)に向けて、前記段部(67)が形成されていることを特徴とする請求項3記載の車両のインナーラック構造。 - 前記水抜き穴(65)は、前記下方延出部(82)を前記カバー部材(40)に取付ける取付穴を兼ねることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両のインナーラック構造。
- 前記導水路(97)は、前記水抜き穴(65)まで延びており、前記カバー部材(40)の任意の位置に前記水が集約されると共に、前記水は前記水抜き穴(65)を通過して排出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の車両のインナーラック構造。
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