JP6247970B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
仮に、フューエルリッドが跨ぎ空間に配置される場合に、フューエルリッドがセンターカバーの上面と面一に配置される場合には、センタカバー及びフュエールリッドの寸法公差を所定の公差内に抑える必要があった。所定の公差内に抑えるために、センタカバー及びフュエールリッドの成形精度を高める必要があった。
また、センタカバーの車幅方向中央部は、下方に窪んだ凹部を備えているので、跨ぎ部の形状を特徴ある独特な外観形状にすることができる。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に操舵自在に支持され前輪13を含む前輪操舵部12と、車体フレーム11に支持され乗員が座るシート15と、このシート15の下方位置にて車体フレーム11に設けられるピボット軸17と、このピボット軸17から車両後方へ延びておりスイングアームを兼ねる動力源としてのパワーユニット18と、このパワーユニット18の後端部に取付けられる後輪14と、パワーユニット18の後端と車体フレーム11の間に渡されるクッションユニット16とを備え、シート15の前部に運転者が跨って乗車し、シート15の後部に同乗者が跨って乗車する鞍乗り型車両である。
車体カバー40は、前輪操舵部12の周囲を覆うフロントカバー部41と、このフロントカバー部41の背面を覆うインナーパネル42と、当該インナーパネル42から連続するように車両後方へ延び車体の側方を覆う左右のサイドボデイカバー43L、43R(図手前側の符号43Lのみ示す。)と、左右のサイドボデイカバー43L、43Rの下方に設けられている左右のロアサイドボデイカバー57L、57R(図手前側の符号57Lのみ示す。)と、左右のロアサイドボデイカバー57L、57Rの下方に設けられている左右のアンダーカバー44L、44R(図手前側の符号44Lのみ示す。)と、左右のサイドボデイカバー43L、43Rの後方に連続して設けられている左右のリヤサイドボデイカバー50L、50R(図手前側の符号60Lのみ示す。)とを主要素とする。
図2に示すように、ヘッドパイプ21の前端から締結ねじ58を介して車両前方へ板状部材を加工した第1ステー61が延び、当該第1ステー61に接合され車両前上方へパイプ状の第2ステー62が延び、当該第2ステー62に接合され板状部材を加工した第3ステー60が延び、この第3ステー60に締結ねじ58を介してレールステー63が取付けられている。レールステー63は、後述するレール64L、64R(図3参照)と一体的に第3ステー60に設けられる。計器類となるメータユニット53(図1参照)の前部構成要素でメータパネル54及び左右のミラーカバー65L、65R(図手前側の符号65Lのみ示す。)は、第2ステー62に締結される。
図3に示すように、車用前端にヘッドライト67が配置され、このヘッドライト67の下方はフロントカバー71で覆われ、ヘッドライト67の上方はガーニッシュ72L、72Rで覆われ、当該ガーニッシュ72L、72Rの車幅方向左右上方に、ガーニッシュ72L、72Rと連続するようにして後方を確認するミラー73L、73Rの支持部を覆う左右のミラーカバー65L、65Rが備えられ、当該左右のミラーカバー65L、65Rの上方に連続するように左右のミラー73L、73Rが配設されている。
図4に示すように、メータパネル54の前方に近接してレールステー63と一体的にレール64が配置され、このレール64に沿ってスライド可能にスライダー81が配置され、このスライダー81にねじ82を介してスクリーンステー83が取付けられる。
図5に示すように、自動二輪車10の前部において、メータパネル54の車両前方に設けられ走行風をよけるスクリーン55と、このスクリーン55の車両前方に設けられ車両前部を覆うバイザー56とが備えられている。
レールステー63の下端63bにステー取付座85が付設され、このステー取付座85へ車幅方向外方からダクト77に付設され雌ねじ部を有するダクト取付座87が当接されると共に、車幅方向内方からバイザー56に形成されるバイザー取付座88が当接され、車幅方向内方から外方へおねじ89によって、ダクト77とバイザー56とでステー取付座85を挟むように共締めされる。これにより、個別に取付座を設ける場合に比べ、部品点数を減らすことが可能となる。
図6(a)はスライダー81がレール64上端に位置するときの正面図であり、図6(b)は図6(a)の(b)−(b)線断面図であり、図6(c)は図6(a)の(c)−(c)線断面図である。図中、(b)−(b)線断面図及び(c)−(c)線断面図において、スクリーン55、バイザー56及びダクト77は、想像線にて示す。
図7(a)はスライダー81がレール64下端に位置するときの正面図であり、図7(b)は図7(a)の(b)−(b)線断面図であり、図7(c)は図7(a)の(c)−(c)線断面図である。図中、(b)−(b)線断面図及び(c)−(c)線断面図において、スクリーン55、バイザー56及びダクト77は、想像線にて示す。
図5に戻り、ダクト77の長さLは、スクリーン55の下端55dがスライドする可動範囲Eと重なっていると共に、この可動範囲Eよりも長い。
図8(a)及び図8(b)を併せて参照し、スクリーン55は、高さ方向に長さTだけ移動させることができる。スクリーン55の下縁93は、この下縁93の車幅方向中央部93cが両端部93Ls、93Rsよりも前下方に延びている。また、スクリーン55の下縁93は、メータパネル54の側方に設けられ左右のミラー73L、73Rの支持部を覆うミラーカバー65L、65Rに沿うように形成されている。
図8及び図9に示すように、バイザー56の車幅方向上側部には、走行風をバイザー56の裏側56bへ導く左右のバイザー開口94L、94Rが設けられている。左右のバイザー開口94L、94Rは、各々、左右のミラー73L、73Rの後方に配置される。これらの左右のバイザー開口94L、94Rによって、運転者の腕部に適度な量の走行風が供給されるため、走行時に、運転者の腕部の着衣が走行風によってばたつくことが抑制される。
この他、ハンドル31は、3つのカバー片30a、30b、30cを組み合わせてなるハンドルカバー30によって覆われている。
図10に示すように、ヘッドパイプ21(図1参照)の長手軸方向に沿って上からスクリーン55を見たとき、車両前方に向け緩やかな凸状に形成されるメータパネル54の表面54aに沿って配置されるスライダー81の摺動方向には、左右のレール64L、64Rが上下に延びている。バイザー56は、スクリーン55の前方を覆うように配設される。図中、左右のレール64L、64Rの配置を明確にするため、それらの上方を覆う部分のメータパネル54は省略されている。
図11(a)はスクリーンが下端に位置するときのスクリーンとバイザー間の位置関係
を説明するものであり、図11(b)はスクリーンが上端に位置するときのスクリーンとバイザー間の位置関係を説明するものである。
図12は平面図である。図に示すように、シート15の前方に位置し乗降時に運転者が足を通すことができる跨ぎ空間46は、インナーパネル42と、このインナーパネル42の後端に連続して設けられる左右のサイドボデイカバー43L、43Rと、当該左右のサイドボデイカバー43L、43Rの間に渡されるセンタカバー45と、このセンタカバー45に囲まれるようにしてセンタカバー45に開閉自在に取付けられるフューエルリッド97とから構成される。
図14に示すように、センタカバー45に、フューエルリッド97(図13参照)によって覆われる開口100が設けられ、フューエルリッド97の下方にて燃料タンク33(図1参照)に、給油口101が備えられ、この給油口101の周囲を覆うようにして燃料タンク33の上面に、給油トレー102が備えられている。
図21に示すように、車両斜め後上方に延びているリヤフレーム23に、上方へ複数の支持ステー141a〜141cが突設され、当該複数の支持ステー141a〜141cに、収納ボックス142が載置され、この収納ボックス142に、運転者及び/又は同乗者が着座するシート15が載置されている。支持ステー141a〜141cには、収納ボックス142が取付けられると共に、グラブレール143が取付けられている。
図22に示すように、左右一対のリヤフレーム23L、23Rに、物品を収納する収納ボックス142が支持され、この収納ボックス142の上方にシート15が配置され、このシート15の下方にて収納ボックス142及び車体フレーム11を含む車体の側方は、リヤサイドボデイカバー50L、50Rで覆われる。
図26に示すように、収納ボックス142の主要部を構成する第1部材161に、第2部材162のフランジ175を下方から第1部材161に当接させると共に、締結部材176を下方から差し込み、第1部材161に第2部材162を取付ける。すなわち、第1部材161と第2部材162とは高さ方向上下に係合され取付けられている。
図27は収納ボックス142を車幅方向中心線で切断したときの断面図である。図に示すように、収納ボックス142の底面142bに、後輪14ではねた泥が車両前方に飛び難くするマッドガード181が取付けられ、このマッドガード181に連続するように、後輪14の車幅方向外方位置で、且つ、後輪14に沿って車両長手方向前後に、収納ボックス142の底面142bを補強すると共に、後輪14ではねた泥が車両側方に飛び難くする泥除けリブ182が収納ボックス142の底面142bから垂下されている。収納ボックス142の底面142bに設けたマッドガード181及び泥除けリブ182により、後輪14の泥はねを抑制することができる。
図28に示すように、車両平面視で、収納ボックス142は、シート15(図1参照)が載置される環状のシール面164を備えており、このシール面164の内側が、物品収納部184とされる。物品収納部184に、セパレート板185が係合可能な複数の係止部189が付設されており、これらの係止部189にセパレート板185が着脱可能に挿入される。セパレート板185を挿入することによって、走行中に物品が動き乱雑になることが抑制される。また、様々な物品形状に応じて、物品を収納することができる。なお、収納ボックス142の右側方には、ECUユニット199が配置されている。
第1に、図5に示すとおりに、バイザー56の車両後方に、空気取入口76からスクリーン55の裏面55bまで延びているダクト77を設けた。空気取入口76から入力された走行風の一部は、ダクト77を通過してスクリーン55の裏側55bであるスクリーン55の後方側に案内され、空気取入口76から入力された走行風の一部は、スクリーン55の表面であるスクリーン55の前方へ流れる。ダクト77により走行風はスクリーン55の後方へ流れるので、バイザー56とスクリーン55との間を通過する走行風の風量を減らすことができる。
この点、本発明では、エアシリンダを用いることなく、スクリーン55のスライド用として左右のレール64を利用したので、スクリーン機構を小型化することができる。スクリーン機構の小型化とスペースの有効活用により、車両前部のデザイン自由度が高められる。結果、車両の外観性を高め易くすることができる。
図11(a)、(b)に示すとおりに、レール64及びスクリーン55に所定の曲率をもたせることで、スクリーン55がスライドした状態であっても、バイザー56の上端56aとスクリーン55との隙間pを可及的に近づけた状態で一定に近づけることができる。空気取入口76から入った走行風の一部は、ダクト77に入ることなくバイザー56とスクリーン55の間に流れる。このとき、バイザー56の上端とスクリーン55との隙間pは小さく、且つ、スクリーン55のスライド位置による隙間pの変化を小さくするため、流れる走行風の風量を抑えることができる。したがって、スクリーンの後方へ流れる走行風の風量は大きく変化することなく、定常的にスクリーン後方へ走行風を誘導することができる。結果、所定の防風性能を確保しながら、操向に係る操作性を一層高めることができる。また、隙間pの変化を小さくすることができるので、スクリーン55がスライドした際に、バイザー56とスクリーン55との隙間pからバイザー56の内部構造を見え難くすることができる。従って、外観性が向上する。
仮に、フューエルリッドが跨ぎ空間に配置される場合に、フューエルリッドがセンターカバーの上面と面一に配置される場合には、センタカバー及びフュエールリッドの寸法公差を所定の公差内に抑える必要があった。所定の公差内に抑えるために、センタカバー及びフュエールリッドの成形精度を高める必要があり、コストアップにつながり易い。
Claims (4)
- 車体フレーム(11)の前部に設けられるヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)によって支持され乗員が操舵するハンドル(31)と、前記車体フレーム(11)に支持され乗員が座るシート(15)と、このシート(15)の下方に設けられ車体の側方を覆う左右のサイドボデイカバー(43L、43R)と、前記シート(15)と前記ハンドル(31)の間に設けられ乗員が乗降する際に跨ぐ跨ぎ空間(46)と、この跨ぎ空間(46)に形成され前記左右のサイドボデイカバー(43L、43R)の間に渡されるセンタカバー(45)と、このセンタカバー(45)に囲まれるようにして当該センタカバー(45)に開閉自在に取付けられるフューエルリッド(97)とを備える自動二輪車において、
前記センタカバー(45)の車幅方向中央部は、下方に窪んだ凹部(99)を備え、
前記左右のサイドボデイカバー(43L、43R)の車両前方に、前記跨ぎ空間(46)を形成するようにして前記車体を覆うインナーパネル(42)が備えられ、
前記インナーパネル(42)は、前記センタカバー(45)に向かって下方へ延びて、前記凹部(99)の外縁と連結され、
前記フューエルリッド(97)は、前記凹部(99)に収容されるようにして閉じた状態になることを特徴とする自動二輪車。 - 前記センタカバー(45)に、前記フューエルリッド(97)によって覆われる開口(100)が設けられ、
前記フューエルリッド(97)の下方に、燃料タンク(33)が設けられ、前記燃料タンク(33)の上面に、給油口(101)が備えられ、
該給油口(101)の周囲を覆うようにして前記燃料タンク(33)の上面に、給油トレー(102)が備えられ、
前記給油トレー(102)に、余剰燃料を車両外部へ排出するドレン管(130)が接続され、
前記センタカバー(45)に形成される前記凹部(99)に、前記給油トレー(102)に液体をガイドする液体ガイドリブ(98)が形成されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。 - 前記給油トレー(102)に、上方へ突出され露出部(133)と貯留部(134)とを区画する区画用リブ(136)が備えられていることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
- 前記給油トレー(102)の最下点(102b)は、前記貯留部(134)に備えられると共に、前記開口(100)よりも車両後方に備えられることを特徴とする請求項3記載の自動二輪車。
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