JP5570841B2 - フッ素変性シリコーンを含有する化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素変性シリコーン及びその製造方法、並びにそれを含有する化粧料に関する。
従来、水や汗から皮膚を保護する目的で、また水や汗による化粧くずれを防止する目的で、種々の撥水性化粧料が用いられている。例えば、スキンクリーム、スキンローション等の皮膚保護化粧料やメイクアップ化粧料には、撥水性成分として、シリコーン油やシリコーン樹脂が配合されている。ところが、これらのシリコーン油やシリコーン樹脂は、撥水性についてはある程度の効果を奏するものの、撥油性については充分な効果を有するものではない。従って、これらの成分を配合した化粧料は、皮脂による化粧くずれを生じやすいという問題があった。
そのため、撥水性及び撥油性をともに有する化合物を開発する試みが多方面でなされてきている。例えば、特許文献1には、特定のパーフルオロポリエーテルを含有する化粧料が開示されており、従来型の化粧品と比較して、撥水化粧品は長時間にわたる化粧効果を保持し、且つ従来の化粧品の場合に必要である頻繁な再処理を不要にすると記載されている。また、特許文献2には、特定のフッ素変性シリコーン化合物を配合した化粧料が、耐水性及び耐皮脂性に優れることが開示されている。
特開昭61−234928号公報 特開平6−184312号公報
ところで、化粧料に使用される撥水・撥油性基剤は、(イ)汗や皮脂に対し充分な撥水・撥油性を有すること、(ロ)乳化安定性に優れること、(ハ)粘度が低く使用感が良好であること等の条件をすべて満たす必要がある。さらには、(ニ)化粧品に配合される他の基材との相溶性や皮膚との親和性に優れることも期待される。
しかしながら、従来のパーフルオロポリエーテルやフッ素変性シリコーンは、これらの性能が必ずしも十分ではなく、さらに高いレベルでの効果を発揮する化合物が望まれている。特に(イ)の撥水撥油性能と、(二)の他の基材との親和性はトレードオフの関係にあり、これに起因して、撥水・撥油性が高いものが必ずしも高い持続性や耐色移り性を示すとは限らない。
従って、本発明は、撥水・撥油性に優れるとともに、皮膚への親和性も高く、化粧料に配合して化粧崩れを起こすことなく、良好な使用感を与えるという複数の要求を高度に満たす化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定のパーフルオロポリエーテル変性シリコーンが、撥水・撥油性を有するとともに、化粧料への良好な適合性を有し、高度なレベルでの化粧持続性を発揮することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記一般式(1)及び一般式(2)
Figure 0005570841
〔式中、RfOは一般式(3)
Figure 0005570841
(lは2〜100の整数を示す)で表されるパーフルオロポリエーテル基を示し、R1、R2及びR3は、同一でも異なっていても良く、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水基、又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族の炭化水素基を示し、mは2〜16の数を示し、nは0〜6の数を示し、aは1〜200の数を示し、bは0〜200の数を示し、且つa+b≧2である〕
で表されるポリシロキサン単位を有するフッ素変性シリコーン、その製造方法、及びそれを含有する化粧料を提供するものである。
本発明のフッ素変性シリコーンは、撥水・撥油性が高く、化粧品基剤との相溶性が良好で、乳化安定性に優れ、低粘度でべたつかず、皮膚刺激性が極めて低い等の優れた特徴を有するものである。
また、本発明のフッ素変性シリコーンを含有する化粧料は、化粧持ちが良好で、かつ使用感に優れたものである。
本発明のフッ素変性シリコーンは、ポリシロキサン単位(1)及び(2)を有するものである。
式中、R1、R2及びR3で示される脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のもので、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、3−ペンチル、2−エチルヘキシル等の分岐鎖アルキル基などが挙げられる。また、炭素数5〜10の脂環式又は芳香族の炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状アルキル基;フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素基などが挙げられる。特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中、一般式(3)で表されるパーフルオロポリエーテル基において、重合度lは2〜100であり、より好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜6である。lを2以上とすることで、高い撥油性を発揮させることができる。また、lを100以下とすることで、化粧料としたとき、良い感触を発現させることができる。
また、mは2〜16であり、3〜12が好ましく、nは0〜6であり、1〜3が好ましい。
ポリシロキサン単位(1)において、a=1〜200であり、さらにa=1〜50、特に1〜20が好ましい。ポリシロキサン単位(2)において、b=0〜200であり、さらに1〜100、特に1〜50が好ましい。また、a+b≧2であり、さらにはa+b≧4が好ましい。aが1未満の場合、撥油性が十分に発揮されず、200を超えると、化粧料としたとき、感触が悪く、好ましくない。また、bが200を超えると、化粧料としたとき、感触が悪く、好ましくない。a+bが2未満の場合、化粧料との相溶性が低下し、配合性が悪化し、好ましくない。
本発明のポリシロキサン単位(1)及び(2)を有するフッ素変性シリコーンの末端は、下記一般式(8)で表される単位又はポリシロキサン単位(1)が好ましい。
Figure 0005570841
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同じ意味を有する)
本発明のフッ素変性シリコーンは、例えば、下記一般式(4)及び一般式(5)
Figure 0005570841
(式中、R1、R2、R3、a及びbは、それぞれ前記と同じ意味を有する)
で表わされるポリシロキサン単位を有するシリコーン(6)と、下記一般式(7)
2C=CH-(CH2)m-2-O-(CH2)n-RfO (7)
(式中、RfO、m及びnは、それぞれ前記と同じ意味を有する)
で表わされるパーフルオロポリエーテル化合物を反応させることにより、製造することができる。
上記シリコーン(6)は、ポリシロキサン単位(4)及び(5)をそれぞれ少なくとも1個含有するものであれば、分子構造等に特に制限はなく、また公知の種々のものを使用することができる。シリコーン(6)の具体例としては、ペンタメチルジシロキサン、トリデカメチルヘキサシロキサン等の片末端ハイドロジェンメチルポリシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン、オクタメチルテトラシロキサン、ドデカメチルヘキサシロキサン等の両末端ハイドロジェンジメチルポリシロキサン及び市販のメチルハイドロジェンポリシロキサン、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン社製「TSF484」、「TSF483」等、信越化学工業社製「KF99」等が挙げられる。
一般式(7)で表わされる化合物は、例えば下記反応経路に従って製造することができる。
Figure 0005570841
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rf、R、m、n及びxは前記と同じ意味を有する)
すなわち、ハロゲン化アルケン(9)とフッ素含有アルコール(10)とを、塩基性条件下で反応させることにより、化合物(7)を得ることができる。この反応において、一般式(9)で表わされる化合物は、一般式(10)で表わされる化合物に対し1モル当量以上、特に1.1〜1.5モル用いるのが好ましい。また、塩基としては、アルカル金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属水酸化物、第4級アンモニウムハイドロキサイドなどが挙げられる。上記反応は、必要に応じて溶媒を使用し、30〜150℃、特に40〜100℃の温度範囲で加熱攪拌することによって行われるのが好ましい。
このようにして得られた化合物(7)とシリコーン(6)との反応は、触媒の存在下において行われる。使用される触媒としては、一般にヒドロシリル化に用いられるもの、例えば、遊離ラジカル開始剤;光開始剤;ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の金属の錯体化合物;これらをシリカゲル又はアルミナに担持させたものなどが挙げられる。これらのうち、特に塩化白金酸、Speier試薬(塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液)等が好ましい。触媒の使用量は、シリコーン(6)と化合物(7)との反応を促進するのに充分な量であればよく、特に限定されないが、化合物(7)1molに対して10-6〜10-1molの範囲が好ましい。
本反応において、反応溶媒の使用は必須ではないが、必要に応じて適当な溶媒中で反応を行ってもよい。反応溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶媒などが好ましい。
ヒドロシリル化は、0〜200℃で進行するが、反応速度や生成物の着色などを考え、50〜150℃で行うのが好ましい。また、反応時間は0.5〜24時間程度とするのが好ましい。
なお、上記反応により得られるフッ素変性シリコーンの粘度、溶解性、乳化安定性等の諸性質をコントロールするには、シリコーン(6)と化合物(7)の種類、量等の組合せを適宜変化させればよい。
このようにして得られる本発明のフッ素変性シリコーンは、撥水・撥油性に優れ、粘度等の諸性質も目的によりコントロールし得るものであることから、化粧料中に配合して用いると、化粧持ち、使用感に優れたものとすることができる。この場合、フッ素変性シリコーンの配合量は、特に制限されるものではないが、全組成中に0.001〜90質量%、特に0.1〜70質量%であるのが好ましい。
本発明の化粧料は、フッ素変性シリコーン以外に、通常の化粧料に用いられる油剤を含有することができる。かかる油剤としては、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン;メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の不揮発性シリコーン;オリーブ油、ひまわり油、パーム油等の油脂;その他炭化水素、高級脂肪酸エステル、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィンなどが挙げられる。
更に、本発明の化粧料には、必要に応じて、通常の化粧料に配合される成分、例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分;水溶性及び油溶性ポリマー;無機及び有機顔料、シリコーン又はフッ素化合物で処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色剤;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤;その他、水、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。特に、フッ素化合物で表面処理した顔料を用いた場合に、皮脂による化粧くずれがなく、より好ましい。
本発明の化粧料は、その剤型、種類等にも特に制限はなく、また通常の方法に従って製造することができる。種類としては、例えば、油性化粧料、乳化化粧料、水性化粧料等の剤型が挙げられ、口紅、ほほ紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤、ヘアートニック、整髪剤、養毛剤、育毛剤等とすることができる。
実施例1
温度計、攪拌機、滴下漏斗をつけたフラスコに、下記平均組成式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン24.5g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.2gを入れ、110℃まで加熱した後、式CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−CH2−O−CH2CH=CH2(特開昭63-253044号公報)で表されるパーフルオロアルキル化合物65.5gを、2時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で2時間加熱攪拌を続けた。
Figure 0005570841
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液9.1gを加え、60℃で1時間加熱攪拌した。減圧にして、水、未反応のパーフルオロアルキル化合物を除去した。反応混合物を60℃まで冷却し、活性炭0.9gを加えて、60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別し、下記平均組成式で表されるフッ素変性シリコーン72.1gを得た(収率86%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、無色透明な液体であった。
Figure 0005570841
以下に、生成物のIRデータ〔透過型、液膜法、NaCl板〕を示す。
1/λ:2962cm-1(C-H伸縮)、1240cm-1、1035cm-1(C-O-C変角)、1201cm-1、1159cm-1(C-F伸縮)、993cm-1(Si-O伸縮)、804cm-1(Si-C伸縮)。
また、以下に、生成物の1H−NMR〔δppm, CDCl3中、CHCl3基準(7.24ppm)〕データを示す。
δ:-0.1〜0.1ppm(36H,-SiCH 3 ), 0.4〜0.5ppm(4H,Hp), 1.5〜1.7ppm(4H, Hq), 3.3〜3.5ppm(4H,Hs), 3.9〜4.0ppm(4H,Hr)
上記Hp〜Hsは上記式中の位置のプロトンであることを示す。
実施例2
温度計、攪拌機、滴下漏斗をつけたフラスコに、下記平均組成式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン16.1g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.1gを入れ、110℃まで加熱した後、式CF3CF2CF2(OCF(CF3)CF24OCF(CF3)−CH2−O−CH2CH=CH2で表されるパーフルオロアルキル化合物83.9gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で2時間加熱攪拌を続けた。
Figure 0005570841
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液10.0gを加え、60℃で1時間加熱攪拌した。減圧にして、水、未反応のパーフルオロアルキル化合物を除去した。反応混合物を60℃まで冷却し、活性炭1.0gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別し、下記平均組成式で表されるフッ素変性シリコーン78.5gを得た(収率85%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、無色透明な液体であった。
Figure 0005570841
以下に、1H−NMR〔δppm, CDCl3中、CHCl3基準(7.24ppm)〕データを示す。
δ:-0.1〜0.1ppm(36H,-SiCH 3 ), 0.4〜0.5ppm(4H,Hp), 1.5〜1.7ppm(4H, Hq), 3.3〜3.5ppm(4H,Hs), 3.9〜4.0ppm(4H,Hr)
上記Hp〜Hsは上記式中の位置のプロトンであることを示す。
実施例3〜4、比較例1〜2
表1に示す組成の油中水型乳液状ファンデーションを製造し、得られたファンデーションについて、粘度、安定性、撥油性、使用感、化粧くずれ、てかり及び耐色移り性を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製法)
(1)実施例3及び4;
表1に示した粉体成分(12)〜(16)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油相成分(1)〜(5)及び(8)を混合し、油相成分とした。粉体成分を油相成分に添加し、ディスパーで分散した。粉体成分が均一になった後、水相成分(9)〜(11)を添加し、乳化を行った。最後にホモミキサーで分散し、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
(2)比較例1及び2
表1に示した粉体成分(12)〜(16)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油相成分(1)〜(3)、及び(6)〜(8)を混合し、油相成分とした。粉体成分を油相成分に添加し、ディスパーで分散した。粉体成分が均一になった後、水相成分(9)〜(11)を添加し、乳化を行った。最後にホモミキサーで分散し、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
(評価方法)
(1)粘度;
各ファンデーションの粘度を、25℃において、東機産業社製TVB−10を用い、M−4ローター、6rpmの条件で測定した。
(2)安定性;
各ファンデーションを、50℃で1週間保存した後の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○;変化なし。
△;表面に色ムラあり。
×;油浮き、分離あり。
(3)撥油性(接触角の測定);
各ファンデーションを1.5±0.1mg/cm2、低密度ポリエチレンシートに塗布し、ホットプレートに置いて40℃で4時間乾燥した後、スクワラン(日光ケミカルズ社製)を滴下し、30秒後の接触角(協和界面科学社製;FACE 接触角計CA−X型)を測定した。接触角の値としては、皮脂成分への濡れ性から、40°以上が好ましい。
(4)使用感;
女性専門パネル20名に、各ファンデーションを適量スポンジに取り、顔面に塗布させ、自己評価で使用感が良好であると判断した人数を記載した。
(5)化粧くずれ;
女性専門パネル20名に、各ファンデーションを顔面に塗布させ、27℃50%の環境下で6時間過ごした後の状態を自己評価させ、化粧くずれしにくいと答えた人数を記載した。
(6)てかり;
女性専門パネル20名に、各ファンデーションを顔面に塗布させ、27℃50%の環境下で6時間過ごした後の状態を自己評価させ、てかりにくいと答えた人数を記載した。
(7)耐色移り性;
女性専門パネル20名に、各ファンデーションを顔面に塗布させ、27℃50%の環境下で6時間過ごした後、額の部分にティッシュを一定圧力(300gf/cm2:3cm2の円盤に900gfの荷重)で10秒間押し当てた(ティッシュオフ試験)。ティッシュオフ試験前後のティッシュの色相の変化(ΔE)を色差計にて測定し、その平均値をもって耐色移り性試験結果とした。この値が小さいほど耐色移り性が良好であることを意味しており、特に1以下であれば、ほとんど色変化は無い(すなわち色移りは無い)と認識される。
Figure 0005570841
実施例5(クリーム状ファンデーション W/O型)
(組成)
(1)(ジメチコン/PEG−10/15)クロスポリマー 9.0(質量%)
(信越化学工業社製、KSG−210)
(2)ジメチルポリシロキサン・ポリ(オキシレチレン・オキシプロプレン共重合体
(東レダウコーニング社製、BY−11−030) 3.0
(3)シクロペンタシロキサン
(モメンティブパーフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製) 5.0
(4)メチルポリシロキサン
(信越化学社製、KF96L−2CS) 30.0
(5)フッ素変性シリコーン(実施例2) 7.0
(6)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 2.0
(7)香料 微量
(8)1,3−ブチレングリコール 3.0
(9)精製水 残量
(10)5%フッ素処理酸化チタン 6.0
(11)5%フッ素処理ベンガラ 0.5
(12)5%フッ素処理黄酸化鉄 3.0
(13)5%フッ素処理黒酸化鉄 0.1
(14)5%フッ素処理マイカ 4.0
合計 100
(製法)
粉体成分(10)〜(14)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。油相成分(1)〜(7)を混合し、油相成分とする。粉砕した粉体成分を油相成分に添加し、ディスパーで分散する。水相成分(8)〜(9)を混合し、油相成分に添加して乳化する。最後にホモミキサーで分散し、クリーム状ファンデーションを得る。
実施例6(乳液状ファンデーション O/W型)
(組成)
(1)ポリアクリルアミド共重合体(SEPPIC社製、SPIGEL305) 2.0(質量%)
(2)精製水 残量
(3)グリセリン 1.5
(4)α−モノイソステアリルグリセリルエーテル(HLB1.8) 0.3
(5)フッ素変性シリコーン(実施例1) 17.0
(6)香料 微量
(7)エタノール 10.0
(8)5%フッ素処理マイカ 2.0
(9)5%フッ素処理酸化チタン 2.5
(10)5%フッ素処理黄酸化鉄 0.35
(11)5%フッ素処理ベンガラ 0.1
(12)5%フッ素処理黒酸化鉄 0.05
合計 100
(製法)
粉体成分(8)〜(12)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。油相成分(4)〜(6)を混合し、油相成分とする。粉砕した粉体成分を油相成分に添加し、ディスパーで分散する。次に水相成分(1)、成分(7)、(3)の順に添加し、成分(2)加えて転相乳化をする。最後にホモキミサーで分散し、乳液状ファンデーションを得る。
実施例7(パウダーファンデーション)
(組成)
(1)5%フッ素処理マイカ 35.0(質量%)
(2)5%フッ素処理酸化チタン 15.0
(3)5%フッ素処理タルク 10.0
(4)5%フッ素処理黄酸化鉄 7.4
(5)5%フッ素処理セリサイト 5.0
(6)5%フッ素処理ナイロンパウダー 5.0
(7)5%フッ素処理 3.0
(8)5%フッ素処理ベンガラ 1.9
(9)5%フッ素処理黒酸化鉄 0.3
(10)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 4.0
(11)フッ素変性シリコーン(実施例1) 13.0
(12)防腐剤 適量
(13)香料 微量
合計 100
(製法)
粉体成分(1)〜(9)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。これをヘンシェルミキサーへ移し、成分(10)〜(12)を60〜70℃に加熱した後、混合粉砕した粉体に加えて攪拌し、成分(13)を加えて更に混合し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿等の容器中で圧縮成型して、パウダーファンデーションを得る。
実施例8(頬紅)
(組成)
(1)5%フッ素処理タルク 39.0(質量%)
(2)5%フッ素処理マイカ 32.0
(3)5%フッ素処理酸化チタン 16.0
(4)5%フッ素処理黄酸化鉄 2.4
(5)5%フッ素処理ベンガラ 3.2
(6)5%フッ素処理黒酸化鉄 0.7
(7)有機顔料(赤色202号) 2.5
(8)フッ素変性シリコーン(実施例2) 4.0
(9)防腐剤 適量
(10)香料 微量
合計 100
(製法)
粉体成分(1)〜(7)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。これをヘンシェルミキサーへ移し、成分(8)〜(10)を60〜70℃で攪拌混合したものを加えて混合し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿等の容器中で圧縮成型して、頬紅を得る。
実施例9(パウダーアイシャドウ)
(組成)
(1)5%フッ素処理雲母チタン(チミロン スーパーゴールド) 12.0(質量%)
(2)5%フッ素処理雲母チタン(チミロン MP−1005) 7.0
(3)5%フッ素処理セリサイト 32.0
(4)5%フッ素処理雲母マイカ 27.0
(5)5%フッ素処理黄酸化鉄 2.0
(6)5%フッ素処理ベンガラ 0.75
(7)5%フッ素処理黒酸化鉄 0.15
(8)5%フッ素処理群青 5.5
(9)5%フッ素処理紺青 6.4
(10)フッ素変性シリコーン(実施例1) 7.0
(11)防腐剤 適量
(12)香料 微量
合計 100
(製法)
粉体成分(1)〜(9)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。これをヘンシェルミキサーへ移し、成分(10)〜(11)を60〜70℃で攪拌混合したものを加えて混合し、更に成分(12)を加えて混合し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿等の容器中で圧縮成型して、パウダーアイシャドウを得る。
実施例10(サンスクリーン乳液)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン・パーフルオロアルキル
共重合体(信越化学工業社製、FPD4694) 2.5(質量%)
(2)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン・アルキル共重合体
(ゴールドシュミット社、ABIL EM90) 0.5
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、SH245) 35.0
(4)フッ素変性シリコーン(実施例1) 10.0
(5)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 2.0
(6)香料 0.1
(7)グリセリン 2.0
(8)精製水 残量
(9)エタノール 5.0
(10)5%フッ素処理微粒子酸化チタン 2.0
(11)5%フッ素処理微粒子酸化亜鉛 3.5
(12)5%フッ素処理ナイロンパウダー 0.3
合計 100
(製法)
粉体成分(10)〜(12)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。油性成分(1)〜(6)を混合し、油相成分とする。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散する。水相成分(7)〜(9)を混合した後、油相成分に徐々に添加して乳化する。最後にホモミキサーを用いて乳化を行い、サンスクリーン乳液を得る。
実施例11(口紅)
(組成)
(1)パラフィンワックス 6.0(質量%)
(2)カルナバワックス 10.0
(3)キャンデリラワックス 11.0
(4)アクリルシリコーン(信越化学工業社製、KP−562P) 7.0
(5)アルキル変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング社製、AMS−C30Wax 5.0
(6)イソパルミチン酸イソプロピル 4.0
(7)リンゴ酸ジイソステアリル 4.9
(8)フッ素変性シリコーン (実施例1) 40.0
(9)雲母チタン(チミロン スーパーレッド) 10.0
(10)赤色201号 1.0
(11)黄色4号Alレーキ 1.0
(12)酸化防止剤 0.1
合計 100
(製法)
成分(1)〜(12)を90℃に加熱して均一に混合した後、成型金型に流し込み、冷却固化して、口紅を得る。
実施例5〜11で得られた化粧料はいずれも、塗布時の使用感に優れ、耐皮脂性、化粧崩れに優れ、ティッシュや衣服に対する耐色移り性に優れている。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)及び一般式(2)
    Figure 0005570841
    〔式中、RfOは一般式(3)
    Figure 0005570841
    (lは2〜100の整数を示す)で表されるパーフルオロポリエーテル基を示し、R1、R2及びR3は、同一でも異なっていても良く、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水基、又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族の炭化水素基を示し、mは2〜16の数を示し、nは0〜6の数を示し、aは1〜200の数を示し、bは1〜50の数を示し、且つa+b≧2である〕
    で表されるポリシロキサン単位を有するフッ素変性シリコーンを含有する化粧料。
  2. フッ素変性シリコーンを、0.001〜90質量%含有する請求項1記載の化粧料。
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