JPH07102276A - 炭化水素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤 - Google Patents

炭化水素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤

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JPH07102276A
JPH07102276A JP5268081A JP26808193A JPH07102276A JP H07102276 A JPH07102276 A JP H07102276A JP 5268081 A JP5268081 A JP 5268081A JP 26808193 A JP26808193 A JP 26808193A JP H07102276 A JPH07102276 A JP H07102276A
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JP
Japan
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hydrocarbon group
lubricant
group
friction
fluorine
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Application number
JP5268081A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Shimura
村 洋 文 志
Hiroko Hibi
比 裕 子 日
Shinya Sasaki
信 也 佐々木
Yasushi Yamamoto
本 靖 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素系化合物を潤滑油の添加剤として利用
可能にし、改善された潤滑特性と共に、フッ素系化合物
の優れた特性をも付与した潤滑剤を得る。 【構成】 炭素数3〜20の含フッ素有機基と、炭素数
4〜20の炭化水素基とを分子内に有する平均ケイ素数
2〜30のポリシロキサンを潤滑油に添加し、これによ
り炭化水素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却機器や精密案内面
用の潤滑剤として利用するのに適した炭化水素基変性フ
ルオロシリコーン添加潤滑剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素系化合物は不燃性、酸化安定性、
耐薬品性、電気絶縁性に優れ、潤滑剤としての用途が期
待されている。しかしながら、フッ素系化合物は高フッ
素化有機溶媒、完全フッ素化液などとは相溶するが、そ
れ以外の有機溶媒、水、油脂類とはほとんど相溶しな
い。また、極性が低いためその表面への密着性が悪く、
潤滑性が悪い。さらに、水蒸気や気体に対して透過性を
持っているため、フッ素系油は金属表面の防錆効果を有
していない。そのため、フッ素系化合物はその優れた特
性にもかかわらず、潤滑油用添加剤として用いるには不
適当であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
事情に鑑みてなされたものであり、その技術的課題は、
フッ素系化合物を潤滑油の添加剤として利用可能にし、
改善された潤滑特性と共に、フッ素系化合物の優れた特
性をも付与した潤滑剤を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用】上記課題を解決す
るための本発明に係るフッ素系化合物添加潤滑剤、即ち
炭化水素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤は、基本
的には、炭素数3〜20の含フッ素有機基と、炭素数4
〜20の鎖状炭化水素基及び/またはと環状炭化水素基
を含む炭化水素基とを分子内に有する平均ケイ素数2〜
30のポリシロキサンを潤滑油に添加したことを特徴と
するものである。なお、本明細書において、炭化水素基
変性シロキサンとは、一般にメチル基以外の炭化水素基
で置換されたシロキサンの総称として用いている。
【0005】潤滑油に添加される上記ポリシロキサン
は、一般式、 Ra SiO(4-a)/2 (但し、上記一般式中、Rは独立に水素、メチル基、炭
素数2〜20の炭化水素基または炭素数3〜20の含フ
ッ素有機基、a=1,2,3)で表されるものとするこ
とができ、更に具体的には、次のような一般式で表され
るシロキサン単位を有するものとすることができる。こ
こで、シロキサン単位は、直鎖状、環状、三次元構造の
全てを含むものとする。
【0006】一般式、
【化1】 (但し、上記一般式中、Meはメチル基、Rは芳香環を
含む炭素数2〜20の炭化水素基、b=0,1,2)で
表されるシロキサン単位と、
【0007】一般式、
【化2】 (但し、上記一般式中、c=0,1,2、 Rfは、Q
−(CH2 OCH2n−(CH2m −、(ここで、
n=0,1、 m=2,3、
【0008】
【化3】 (上式中、r=1〜20、 s=1〜6、 t=0,
1、 X=F,CF3 (独立に))))で表されるシロ
キサン単位を有するもの。
【0009】上記一般式(1)及び(2)で表されるシ
ロキサン単位の他、一般式、 Med SiO(4-d)/2 (但し、上記一般式中、d=1,2,3)で表されるシ
ロキサン単位を有するもの。
【0010】上記炭化水素基変性フルオロシリコーンの
具体例を、〜として以下に示す。
【化4】
【0011】また、上記炭化水素基変性フルオロシリコ
ーンは、次に列挙するようなものとすることができる。
【化5】
【0012】このような炭化水素基変性フルオロシリコ
ーンを添加する潤滑油としては、以下の実施例において
示すようなエンジンオイル、ポリアルキレングリコール
(PAG)の他、冷却機器や精密案内面用の潤滑油を対
象とすることができ、その添加量は、一般的に、1〜1
0vol%程度が望ましく、1vol%未満の添加量で
は、添加剤による作用がなく、10vol%より多い添
加量では、基油の効果が薄れ、炭化水素基変性フルオロ
シリコーンのみによる潤滑になってしまう。また、潤滑
の対象は、青銅、りん青銅などが適しているが、鋳鉄、
アルミニウム及びその合金にも適用することができる。
【0013】このように本発明の潤滑剤においては、炭
化水素基を導入したフルオロシリコーン化合物を潤滑油
に添加することにより、シロキサン結合(−Si−O−
Si−)を介してフッ素化合物に炭化水素基が導入され
ているため、フッ素系化合物と潤滑油との相溶性が良好
になって、潤滑油の潤滑性能を著しく改善することがで
き、かつフッ素化合物としての酸化安定性、耐薬品性、
耐熱性に優れた性質を有する物質を添加により、フッ素
系化合物の特性をも付与した潤滑剤を得ることができ
る。
【0014】上記潤滑性能は、炭化水素基変性フルオロ
シリコーン添加潤滑剤を潤滑対象の摺動部に供給したと
き、摺動面に炭化水素基側が吸着し、フルオロアルキル
基側が表面に出た吸着膜が形成されるために得られるも
のと考えられる。この炭化水素基変性フルオロシリコー
ン膜は、安定した膜で、材料表面に強固に吸着するた
め、荷重を支える能力を有し、そのため、摩擦係数が小
さくなり、また保護作用により耐摩耗性が高くなるもの
と考えられる。さらに、フルオロアルキル基は摩擦面へ
の酸素や水の侵入を防ぐため、摩擦面での材料や潤滑油
の劣化を防ぎ、潤滑油の寿命を延ばすと考えられる。
【0015】
【実施例】摩擦材料として、表面を研磨仕上げしたピン
(0.5 cm2)とブロック(14mm×17mm×70mm)
を用い、往復動摩擦試験により摩擦時間に対する摩擦係
数の変化を計測した。その他の実験条件は次の通りであ
る。 摩擦速度 : 600 spm (1m/s) 荷 重 : 25 kgf (面圧:50kg
f/cm2 ) 摩擦痕長さ : 5 cm 試験時間 : 60 分 潤滑剤 : 0.05 ml シリコーン添加量: 5 vol%
【0016】表1及び表2においては、上記試験によっ
て得られたエンジンオイル基油及びPAGに対する炭化
水素基変性フルオロシリコーンの添加効果を、寿命と摩
擦係数(60分経過時)によって示している。なお、両
表中における添加シリコーンの欄における丸付き数字
は、先に炭化水素基変性フルオロシリコーンの具体例と
して示したものに付した数字を示し、また、寿命の欄に
おける○印は、60分を経過しても異常がなかったこと
を示している。
【表1】
【表2】
【0017】また、図1〜図8には、エンジンオイル基
油、市販のエンジンオイル、及びPAGを用いた上記摩
擦試験の結果を、摩擦時間に対する摩擦係数の変化とし
て示している。このような実験の結果によれば、炭化水
素基変性フルオロシリコーンの添加により、青銅鋳物−
りん青銅では摩擦係数がエンジンオイル基油の1/10
に、また、りん青銅−りん青銅では摩擦係数がポリアル
キレングリコールの約1/2に低減されている。さら
に、鋳鉄についてもその焼きつきを防止し、低摩擦を得
ることができた。
【0018】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、フッ素系化合物を潤滑油の添加剤として利用可能に
し、改善された潤滑特性と共に、フッ素系化合物の優れ
た特性をも付与した炭化水素基変性フルオロシリコーン
添加潤滑剤を得ることができ、しかも、少量の添加剤に
よりその潤滑剤の特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】青銅鋳物−りん青銅についてエンジンオイル基
油等を用いた場合の摩擦試験結果(比較例)を示すグラ
フである。
【図2】青銅鋳物−りん青銅について本発明の潤滑剤を
用いた場合の摩擦試験結果を示すグラフである。
【図3】青銅鋳物−りん青銅について本発明の他の潤滑
剤を用いた場合の摩擦試験結果を示すグラフである。
【図4】鋳鉄についてエンジンオイル基油等を用いた場
合の摩擦試験結果(比較例)を示すグラフである。
【図5】鋳鉄について本発明の潤滑剤を用いた場合の摩
擦試験結果を示すグラフである。
【図6】鋳鉄について本発明の他の潤滑剤を用いた場合
の摩擦試験結果を示すグラフである。
【図7】りん青銅についてPAGを用いた場合の摩擦試
験結果(本発明の実験例及び比較例)を示すグラフであ
る。
【図8】鋳鉄についてPAGを用いた場合の摩擦試験結
果(本発明の実験例及び比較例)を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:06 40:25 (72)発明者 日 比 裕 子 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 佐々木 信 也 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 山 本 靖 群馬県碓氷郡松井田町人見1丁目10番地 信越化学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数3〜20の含フッ素有機基と、炭素
    数4〜20の鎖状炭化水素基及び/または環状炭化水素
    基を含む炭化水素基とを分子内に有する平均ケイ素数2
    〜30のポリシロキサンを潤滑油に添加したことを特徴
    とする炭化水素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤。
JP5268081A 1993-09-30 1993-09-30 炭化水素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤 Pending JPH07102276A (ja)

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