JP7082811B2 - フッ素系グリースの基油拡散防止剤 - Google Patents
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En-Z ・・・(1)
(式中、Eは水素原子の一部又は全てがフッ素化されてなるポリアルキレンエーテル基骨格を有する基であり、Zはリンのオキソ酸の残基であり、nは1~3の整数である。)
また、本発明は、フッ素系グリース本体に、構造式(1)で表される分子量1500以下の化合物よりなる基油拡散防止剤が含有されてなるフッ素系グリースに関するものである。
R-(OCF2CF2)m-OCF2-CH2O・・・(2)
R-(OCF2CF2)m-OCF2-CH2O-(CH2)k・・・(3)
(式中、Rは炭素数1~6のパーフルオロアルキル基又は水素原子が一部残っているフルオロアルキル基であり、mは2~6の整数であり、kは1~6の整数である。)
(a)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O-P(O)(OH)2
(b)[C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O]2-P(O)(OH)
(c)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O-(CH2)3-P(O)(OH)2
(d)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O-(CH2)3-PH(O)(OH)
(e)C2F5-(OCF2CF2)4-OCF2-CH2O-P(O)(OH)2
(f)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2-P(O)(OH)2
(g)HC2F4-(OCF2CF2)4-OCF2-CH2O-P(O)(OH)2
(h)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2CH2O-P(O)(OH)2
フッ素グリース本体(ダイキン工業株式会社製、商品名「デムナムグリース L-65)に、下記化学式で表される基油拡散防止剤(a)(分子量628)を3質量%添加した後、均一に攪拌してフッ素系グリースを得た。
(a)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O-P(O)(OH)2
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(b)(分子量1158)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(b)[C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O]2-P(O)(OH)
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(c)(分子量670)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(c)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O-(CH2)3-P(O)(OH)2
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(d)(分子量654)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(d)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-CH2O-(CH2)3-PH(O)(OH)
実施例1で用いたフッ素グリース本体のみを、ダイキン工業株式会社製の商品名「デムナムグリース L-200」に変更した他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
実施例1で用いたフッ素グリース本体のみを、NOKクリューバー株式会社製の商品名「バリエルタ IEL/V」に変更した他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
実施例1で用いたフッ素グリース本体のみを、NOKクリューバー株式会社製の商品名「バリエルタ L55/2H1」に変更した他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
実施例1で用いたフッ素グリース本体のみを、住鉱潤滑剤株式会社製の商品名「スミテック F931」に変更した他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
実施例1で用いたフッ素グリース本体のみを、住鉱潤滑剤株式会社製の商品名「スミテック F971」に変更した他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
基油拡散防止剤(a)の添加量を1質量%とした他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
基油拡散防止剤(a)の添加量を1質量%とした他は、実施例5と同様にしてフッ素系グリースを得た。
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(ア)(分子量723)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(ア)C4F9-(OCF2CF2)2-OCF2-C(O)NH(CH2)3-Si(OCH3)3
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(イ)(分子量約1600)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(イ)C3F7-(OCF2CF2CF2)p-OCF2CF2CH2O-P(O)(OH)2・・・ただし、pは約7である。
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(ウ)(分子量約2600)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(ウ)C3F7O-[CF(CF3)CF2O]q-CF(CF3)CH2O-P(O)(OH)2・・・ただし、qは約13である。
実施例1で用いた基油拡散防止剤(a)に代えて、下記化学式で表される基油拡散防止剤(エ)(分子量約3900)を用いた他は、実施例1と同様にしてフッ素系グリースを得た。
(エ)C3F7-(OCF2CF2CF2)r-OCF2CF2CH2O-P(O)(OH)2・・・ただし、rは約21である。
基油拡散防止剤を添加せずに、フッ素系グリース本体であるダイキン工業株式会社製の商品名「デムナムグリース L-65」のみをグリースとした。
基油拡散防止剤を添加せずに、フッ素系グリース本体であるダイキン工業株式会社製の商品名「デムナムグリース L-200」のみをグリースとした。
基油拡散防止剤を添加せずに、フッ素系グリース本体であるNOKクリューバー株式会社製の商品名「バリエルタ IEL/V」のみをグリースとした。
基油拡散防止剤を添加せずに、フッ素系グリース本体であるNOKクリューバー株式会社製の商品名「バリエルタ L55/2H1」のみをグリースとした。
基油拡散防止剤を添加せずに、フッ素系グリース本体である住鉱潤滑剤株式会社製の商品名「スミテック F931」のみをグリースとした。
基油拡散防止剤を添加せずに、フッ素系グリース本体である住鉱潤滑剤株式会社製の商品名「スミテック F971」のみをグリースとした。
実施例1~11及び比較例1~10で得られた各グリースを、スリガラス板(一般的なソーダガラスにスリ加工をしたもの)の粗面に、直径6mmで高さ1mmの円柱状に塗布した。そして、80℃の恒温器に入れて促進試験を行い、24時間後の基油の拡散状態を評価した。図1に示すように、基油は塗布したグリースの径方向に拡散するので、基油の直径(Amm)を測定した。そして、拡散幅(mm)=A-6を求めた。この結果を表1に示した。また、スリガラス板に代えて、アルミニウム板(A1050P)の表面を布ヤスリ♯150で擦って粗面としたものを用い、この粗面上に同様に各グリースを塗布して、同様の促進試験を行って基油の拡散幅を求めた。この結果も表1に示した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スリガラス板拡散幅 アルミニウム板拡散幅
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 0.0mm 0.0mm
実施例2 0.0mm 0.0mm
実施例3 0.0mm 0.0mm
実施例4 0.0mm 0.0mm
実施例5 0.0mm 0.0mm
実施例6 0.0mm 0.0mm
実施例7 0.0mm 0.0mm
実施例8 0.0mm 0.0mm
実施例9 0.0mm 0.0mm
実施例10 0.0mm 0.0mm
実施例11 0.0mm 0.0mm
比較例1 7mm 9mm
比較例2 20mm >20mm
比較例3 14mm >20mm
比較例4 20mm >20mm
比較例5 >20mm >20mm
比較例6 >20mm 12mm
比較例7 >20mm >20mm
比較例8 >20mm 12mm
比較例9 12mm 11mm
比較例10 9mm 7mm
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Claims (7)
- フッ素系グリース本体に添加する基油拡散防止剤であって、下記構造式(1)で表される分子量1500以下の化合物よりなる基油拡散防止剤。
En-Z ・・・(1)
(式中、Eは水素原子の一部又は全てがフッ素化されてなるポリアルキレンエーテル基骨格を有する基であり、Zはリンのオキソ酸の残基であり、nは1~3の整数である。) - Eがポリパーフルオロエチレンオキサイド基骨格を有する基である請求項1記載の基油拡散防止剤。
- Zがリン酸残基、ホスホン酸残基又はホスフィン酸残基である請求項1又は2記載の基油拡散防止剤。
- Eが下記構造式(2)又は下記構造式(3)で表される基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基油拡散防止剤。
R-(OCF2CF2)m-OCF2-CH2O・・・(2)
R-(OCF2CF2)m-OCF2-CH2O-(CH2)k・・・(3)
(式中、Rは炭素数1~6のパーフルオロアルキル基又は水素原子が一部残っているフルオロアルキル基であり、mは2~6の整数であり、kは1~6の整数である。) - 基油、増ちょう剤及び請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基油拡散防止剤を含有するフッ素系グリース。
- 基油50~80質量%、増ちょう剤20~50質量%及び基油拡散防止剤1~5質量%(ただし、全体で100質量%)を含有する請求項5記載のフッ素系グリース。
- 基油がパーフルオロポリエーテル又はパーフルオロアルキルエーテルであり、増ちょう剤がポリテトラフルオロエチレンである請求項5又は6記載のフッ素系グリース。
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