JP6279315B2 - 油性化粧料 - Google Patents

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本発明は、油性化粧料に関する。
従来、塗布時ののびなどの使用感が良く、安定性や化粧持続性に優れた化粧料を得るため、種々のシリコーン油とポリマーを組み合わせて用いることが、検討されている。
例えば、特許文献1には、オルガノシロキサンオイルと、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)鎖とオルガノシロキサン鎖とのグラフト共重合体を組み合わせたゲル組成物を含有する化粧料が、使用感、安定性に優れることが記載されている。また、特許文献2には、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)鎖とオルガノシロキサン鎖とのグラフト共重合体と有機変性粘土鉱物と低粘度のシリコーン油を組み合わせると、特有の弾力性を付与し、のびが良く、化粧持続性、安定性に優れたゲル状化粧料が得られることが記載されている。
特開平7−173395号公報 特開2009−256235号公報
本発明者らは、粉体の含有量が多い油性化粧料では、のびの良い使用感を実現しようと、炭化水素油、エステル油を多く配合すると、べたつきに加えて、肌へのむらづきを生じやすくなり、一方、炭化水素油、エステル油を少なく、シリコーン油を多く配合しようとすると、粉体がむらづきを起こし、肌が粉っぽく、乾燥感のある仕上がりになるという課題を見出した。
本発明者らは、粉体を含有する油性化粧料に、不揮発性シリコーンを使用しても、特定のポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサン、及び特定の固体のワックスを併用することにより、粉体を含んだ化粧膜の延伸性に優れる構造体を形成させ、塗布時の肌へののびに優れるだけでなく、むらづき、粉っぽさを抑制し、乾燥感がなく、つやのある仕上がりが得られ、3時間経過した後もつっぱり感のない油性化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)下記一般式(1)
Figure 0006279315
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が80/20〜99/1であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサン 0.1〜10質量%、
(B)不揮発性シリコーン 10〜60質量%、
(C)粉体 30〜70質量%、
(D)25℃で針入度が20以下である固体のワックス 0.1〜20質量%
を含有し、
成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)が、0.05〜5であり、
成分(E)水の含有量が1質量%以下である油性化粧料に関する。
本発明の油性化粧料は、塗布時ののびに優れるだけでなく、塗布後の粉体のむらづきを抑え、乾燥感や粉っぽさがなく、つやのある仕上がりが得られ、3時間経過した後でも肌につっぱり感を感じない。また、化粧持続性にも優れたものである。
本発明で用いる成分(A)は、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
Figure 0006279315
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が80/20〜99/1であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサンであり、当該成分を用いることにより、より優れた安定性を得ることができる。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントは、上記オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合している。さらに、上記オルガノポリシロキサンセグメントの両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましい。即ち、成分(A)のオルガノポリシロキサンは、側鎖として、少なくとも2つ以上の前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを有する、グラフトポリマーである。
ヘテロ原子を含むアルキレン基は、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの連結基として機能する。かかるアルキレン基としては、例えば、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が例示され、中でも下記式(i)〜(vii)のいずれかで表される基が好ましく、下記式(i)又は(ii)で表される基がより好ましく、更に下記式(i)で表される基が好ましい。なお、式中、An-は4級アンモニウム塩の対イオンを示し、例えば、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオンが例示される。
Figure 0006279315
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを構成するN−アシルアルキレンイミン単位において、一般式(1)中、R1における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基、又は炭素数3の分岐状のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(1)においてtは2又は3の数を示し、オルガノポリシロキサン製造時の原料入手の観点から、2であることが好ましい。
質量比(a/b)は、80/20〜99/1の範囲であり、肌への付着性、乳化性に優れ、成分(B)とゲル構造をつくる点から、好ましくは83/17〜98/2、より好ましくは90/10〜97/3である。
なお、本明細書において、質量比(a/b)は、成分(A)のオルガノポリシロキサンを重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H-NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
成分(A)のオルガノポリシロキサンにおいて、隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、単に「MWg」ともいう)は5000〜40000の範囲であり、化粧料の皮膜の柔軟性の点から、10000〜35000が好ましく、15000〜32000がより好ましい。
本明細書において、「隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(2)に示すように、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR2SiO単位と、1つのR3と、y+1個の(R2)2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。また、「ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント」とは、上記R3に結合する−Z−R4をいう。
Figure 0006279315
上記一般式(2)中、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜22のアルキル基又はフェニル基を示し、R3はヘテロ原子を含むアルキレン基を示し、−Z−R4はポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、R4は重合開始剤の残基を示し、yは正の数を示す。
MWgは、上記一般式(2)において破線で囲まれた部分の分子量であるが、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N−アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量は、N−アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度から算出するか、又はゲルパーミエションクロマトグラフィ(以下、単に「GPC」ともいう)測定法により測定することができる。なお、本発明においては、後記の測定条件で行なったGPC測定により測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、単に「MNox」とも言う)をいうものとする。MNoxは、化粧料の皮膜の柔軟性と溶媒への溶解性を高める点から、500〜4000の範囲が好ましく、800〜3500がより好ましく、1000〜3000がさらに好ましい。
また、上記MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(質量%)(以下、単に「Csi」ともいう)を用いて、下記式(I)により求めることができる。
MWg=Csi×MNox/(100−Csi) (I)
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、単に「MWsi」とも言う)は15000〜200000であり、化粧料の柔軟性と皮膚への付着性の点から、好ましくは50000〜170000、より好ましくは70000〜150000である。また、成分(A)のオルガノポリシロキサンは、水などの極性溶媒に溶解することにより、種々の製品に容易に配合することができる。主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、後記の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
成分(A)のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(以下、単に「MWt」ともいう)は、皮膚への付着性に優れる観点から、好ましくは15000〜200000、より好ましくは50000〜170000、更に好ましくは70000〜150000である。MWtは、後記の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算した値である。
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、高い弾性率と大きな変形可能量に加え、50〜220℃といった温度領域に加熱すると、著しく塑性性が向上して柔らかくなり、加熱をやめて室温に戻る過程で直ぐに弾力性を取り戻すという特徴的な熱可塑性を有する。
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(3)
Figure 0006279315
(式中、R2は前記と同じ意味を示し、R5及びR6はそれぞれR2と同一の基を示すか、又は下記式(viii)〜(xiii)
Figure 0006279315
のいずれかで表される1価の基を示し、R7は上記式(viii)〜(xiii)で表される1価の基を示し、dは91.5〜1255.0の数を示し、eは2.0〜62.5の数を示す〕
で表される変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(4)
Figure 0006279315
(式中、R1及びtは前記と同じ意味を示す)
で表される環状イミノエーテルを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより製造される。
一般式(4)で表される環状イミノエーテル(以下、単に「環状イミノエーテル(4)」ともいう)の開環重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、求電子反応性の強い化合物、例えば、ベンゼンスルホン酸アルキルエステル、p-トルエンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロ酢酸アルキルエステル、硫酸ジアルキルエステル等の強酸のアルキルエステルを使用することができ、中でも硫酸ジアルキルエステルが好適に使用される。
重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等の非プロトン性極性溶媒を使用することができ、中でも酢酸エステル類が好適に使用される。溶媒の使用量は、通常、環状イミノエーテル(4)の100質量部に対して20〜2000質量部である。
重合温度は通常30〜170℃、好ましくは40〜150℃であり、重合時間は重合温度等により一様ではないが、通常1〜60時間である。
環状イミノエーテル(4)として、例えば、2−置換−2−オキサゾリンを用いれば、前記一般式(1)において、t=2のポリ(N−アシルエチレンイミン)が得られ、2−置換−ジヒドロ−2−オキサジンを用いれば、上記一般式(1)において、t=3のポリ(N−アシルプロピレンイミン)が得られる。
環状イミノエーテル(4)をリビング重合して得られるポリ(N−アシルアルキレンイミン)は、末端に反応性の基を有している。よって、このポリ(N−アシルアルキレンイミン)の末端の反応性基と、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンが有する前記(viii)〜(xiii)で示される反応性基とを反応させることで、成分(A)のオルガノポリシロキサンを得ることができる。
前記のリビング重合による製造方法は、下記に示す理論式(II)のように、環状イミノエーテル(4)と重合開始剤の使用量で重合度を容易に制御でき、しかも通常のラジカル重合よりも分子量分布の狭い略単分散のポリ(N−アシルアルキレンイミン)が得られる点で有効である。
Figure 0006279315
環状イミノエーテル(4)の使用量及び重合開始剤の使用量は、式(II)におけるMNiが500〜4000になる量とするのが好ましく、800〜3500になる量とするのがより好ましく、1000〜3000になる量とするのが更に好ましい。
一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、得られるオルガノポリシロキサンの水等の極性溶媒への溶解性と溶解後の取り扱いやすさの観点から、15000〜220000が好ましく、より好ましくは50000〜190000、更に好ましくは70000〜170000である。
また、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの官能基当量には、成分(A)のオルガノポリシロキサンの質量比(a/b)及びMWgを満たすために、上限が存在する。この観点及び主鎖に適度な疎水性を持たせる観点から、官能基当量は、50000〜40000であることが好ましく、10000〜35000であることがより好ましく、15000〜32000であることが更に好ましい。ここで、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの官能基当量とは、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量を、該変性オルガノポリシロキサンが一分子あたりに有するR7の数の平均値で除した値を言う。
一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンと、前記末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の使用量は、その質量比(変性オルガノポリシロキサン/末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン))が80/20〜99/1の範囲の値とすることが、得られるオルガノポリシロキサンの弾性率及び変形可能量の観点から好ましく、肌への付着性、乳化性に優れ、成分(B)とゲル構造をつくる点から、83/17〜98/2がより好ましく、90/10〜97/3が更に好ましい。
なお、本発明において、各オルガノポリシロキサンの合成では、以下の測定条件に従って各種分子量を測定した。
<変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量の測定条件>
カラム:Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー社製)
溶離液:1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:UV
サンプル:50μL
<MNox及びMWtの測定条件>
カラム:K‐804L(東ソー社製)2つを直列につないで使用。
溶離液:1mMジメチルドデシルアミン/クロロホルム
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
サンプル:50μL
また、質量比(a/b)算出のための1H−NMR測定は、下記の条件で行なった。
1H−NMR測定条件>
得られたポリマーの組成は1H−NMR(400MHz Varian製)により確認した。
サンプル量0.5gを測定溶剤(重クロロホルム)2gで溶解させたものを測定した。
PULSE SEQUENCE
・Relax.delay: 30秒
・Pulse: 45degrees
・積算回数: 8回
確認ピーク 0ppm付近: ポリジメチルシロキサンのメチル基、
3.4ppm付近: エチレンイミンのメチレン部分。
各積分値よりシリコーンとポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の比率を算出した。
成分(A)のオルガノポリシロキサンとしては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等が挙げられる。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、ゲル構造の作り易さ、長時間経過後の肌へのつきのよさ、ムラのない仕上りを持続させる点から、全組成中に0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10質量%以下であり、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.1〜10質量%であり、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(B)は、不揮発性シリコーンである。
不揮発性とは、油剤1gを直径48mmのガラスシャーレに広げ、25℃常圧で24時間放置後の重量減少率が1%以下のものである。また、成分(B)の不揮発性シリコーンは、25℃で液状のものが好ましい。液状とは、流動性を有するもので、クリーム状やペースト状のものも含まれる。
成分(B)の不揮発性シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン;ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、架橋型オルガノポリシロキサン等の変性シリコーン油などが挙げられる。
これらのうち、成分(A)との溶解性、得られたゲルののびの良さ、使用感の点から、25℃における粘度が5cs以上のものが好ましく、25℃における粘度が5cs以上のジメチルポリシロキサンがより好ましく、70cs以下が好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、成分(A)との溶解性、得られたゲルののびの良さ、使用感の点から、全組成中に10質量%以上であり、25質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、60質量%以下であり、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、10〜60質量%であり、25〜55質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)は、塗布時ののびが良く、塗布後の粉体のむらづきを抑え、乾燥感や粉っぽさがなく、つやのある仕上がりが得られ、3時間経過した後でも肌につっぱり感を感じず、化粧持続性に優れ、塗布後、布で抑えても、色移りしない点から、0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.14以下が更に好ましい。また、成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)は、0.005〜0.5が好ましく、0.01〜0.3がより好ましく、0.02〜0.14が更に好ましい。
成分(C)の粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも用いることができる。
成分(C)としては、塗布時の肌へののびの良さ、なじみの良さの点から、(C−1)平均粒子径1〜20μmの球状粉体、(C−2)平均粒子径2〜100μmの板状粉体を、組み合わせて用いるのが好ましい。
なお、本発明において、粉体の粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所社製、LA−920)で測定する。
成分(C−1)の球状粉体は、平均粒子径1〜20μm、好ましくは2〜15μmのものである。
成分(C−1)の球状粉体における「球状」は、正反射及び/又は乱反射を抑制する性質を有するものであれば真球である必要はなく、例えば、略球状のもの、回転楕円体、表面に凹凸がある球状粉体等であっても良い。具体的には{(粒子投影像における最大粒径相当の円の面積)/(粒子投影面積)}×100で与えられる球状度が100〜120のものが好ましい。
成分(C−1)の球状粉体は、水不溶性かつ油不溶性であることが好ましい。成分(C−1)の球状粉体は、複数の粉体から構成された複合粉体であってもよい。例えば、成分(C−1)は、通常の方法で着色顔料、色素、染料、金属イオン等によって被覆、内包処理し、着色したものであってもよい。
成分(C−1)は、無機球状粉体、有機球状粉体のいずれでもよい。成分(C−1)としては、屈折率が2.0以下であるのが好ましく、1.3〜2.0がより好ましく、1.4〜1.8が更に好ましい。
成分(C−1)の球状粉体の具体例としては、球状無水ケイ酸、球状セルロース粉体、球状ポリメタクリル酸メチル、球状ナイロン粉体、球状ポリエチレン粉体、球状ポリスチレン粉体、球状シリコーン粉体、球状メチルシロキサン網状重合体等が挙げられる。
成分(C−1)としては、塗布時の肌へののびの良さ、ムラづきのなさの点から、球状シリコーン粉体が好ましい。
成分(C−1)の球状粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時の肌へののびの良さ、なじみの良さの点から、全組成中に5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。また、成分(C−1)の含有量は、全組成中に5〜30質量%が好ましく、8〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。
また、成分(C−1)の球状粉体と、成分(C)粉体総量の質量割合(C−1)/(C)は、塗布時ののびの良さ、肌への密着性、化粧のりを向上させる点から、0.1以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.2以上が更に好ましく、1以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい。また、成分(C−1)の球状粉体と、成分(C)粉体総量の質量割合(C−1)/(C)は、0.1〜1が好ましく、0.15〜0.8がより好ましく、0.2〜0.5が更に好ましい。
成分(C−2)の板状粉体は、平均粒子径2〜100μm、好ましくは3〜40μmのものである。
板状粉体とは、アスペクト比(長辺/厚み)が10以上の扁平な形状のものをいい、その平面形状は円形、矩形、不定形等いずれであってもよい。アスペクト比は、20〜100であるのが好ましく、30〜70であるのがより好ましい。
板状粉体の具体例としては、ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、シリカ、タルク、セリサイト、カオリン、オキシ塩化ビスマス、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、雲母(白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母)、板状アルミナ粉末等の天然又は合成の無機粉体;N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、モノアルキルリン酸亜鉛等の有機粉体が挙げられる。
また、二酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の金属酸化物を、上記板状粉体表面に被覆した複合粉体を用いることもできる。複合粉体の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末等が挙げられる。
成分(C−2)としては、肌への密着性、きしみ感のなさの点から、雲母(白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母)、酸化チタン被覆雲母が好ましい。
成分(C−2)の板状粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、肌への密着性、きしみ感のなさの点から、全組成中に2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。また、成分(C−2)の含有量は、全組成中に2〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。
本発明において、成分(C−1)の球状粉体と、成分(C−2)の板状粉体の質量割合(C−1)/(C−2)は、肌への密着性、化粧のりを向上させる点から、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、1以上が更に好ましく、15以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。また、成分(C−1)の球状粉体と、成分(C−2)の板状粉体の質量割合(C−1)/(C−2)は、0.5〜15が好ましく、0.8〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。
成分(C)の粉体としては、前記成分(C−1)及び(C−2)以外の粉体を用いることができる。例えば、赤色201号、赤色202号、赤色226号、黄色401号、青色404号等の有機着色顔料及びそのレーキ化したもの;天然色素、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、マンガンバイオレット、カーボンブラック、酸化クロム、硫酸バリウム等の無機粉体などが挙げられる。
また、成分(C)の粉体は、疎水化処理して用いることができる。疎水化処理としては、通常の化粧料用粉体に施されている処理であれば制限されず、シリコーン処理、脂肪酸処理、ラウロイルリジン処理、レシチン処理、N−アシルアミノ酸処理、金属石鹸処理、フッ素化合物処理等が挙げられる。これらのうち、シリコーン処理、フッ素化合物処理が好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時の肌へののびの良さ、なじみの良さの点から、全組成中に30質量%以上であり、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、70質量%以下であり、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に30〜70質量%であり、35〜65質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)は、塗布時ののびが良く、塗布後の粉体のむらづきを抑え、乾燥感や粉っぽさがなく、つやのある仕上がりが得られ、3時間経過した後でも肌につっぱり感を感じず、化粧持続性に優れる点から、0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下が更好ましい。また、成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)は、0.005〜0.3が好ましく、0.01〜0.2がより好ましく、0.02〜0.1が更に好ましい。
本発明で用いる成分(D)のワックスは、25℃で固体のもので、針入度が20以下のものである。針入度が1〜15のものが好ましい。
ここで、針入度は、25±0.1℃に保ったワックスの試料に、規定の針(針の質量2.5±0.02g、針保持具の質量47.5±0.02g、おもりの質量50±0.05g)が、5秒間に針入する長さを測定し、その針入距離(mm)を10倍した値を針入度とするものであり、JIS K−2235−5.4(1991年)に準じて測定した値である。
25℃での針入度が20以下のワックスとしては、25℃において固体の油性成分で、例えば、キャンデリラワックス、ライスワックス、サンフラワーワックス、カルナウバロウ、木ロウ等の植物性ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス;パラフィン、セレシン等の石油系ワックスなどが挙げられる。
成分(D)のワックスとしては、塗布後の粉体のむらづきを抑え、乾燥感や粉っぽさがなく、つやのある仕上がりが得られる点から、キャンデリラワックス、セレシンが好ましい。
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布後の粉体のむらづきを抑え、乾燥感や粉っぽさがなく、つやのある仕上がりが得られる点から、全組成中に0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、20質量%以下であり、15質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.1〜20質量%であり、0.5〜15質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)は、塗布時ののびが良く、塗布後の粉体のむらづきを抑え、乾燥感や粉っぽさがなく、つやのある仕上がりが得られ、3時間経過した後でも肌につっぱり感を感じず、化粧持続性に優れ、塗布後、布で抑えても、色移りしない点から、0.05以上であり、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、5以下であり、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。また、成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)は、0.05〜5であり、0.1〜3が好ましく、0.2〜2がより好ましい。
本発明において、成分(E)の水の含有量は、使用感や安定性の点から、全組成中に1質量%以下であり、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、又は、実質的に含まないことがより好ましい。
本発明の油性化粧料は、さらに、成分(B)及び(D)以外の油剤を含有することができる。かかる油剤としては、20℃で液状のものが好ましく、固体状、ペースト状の油剤を用いる場合には、一度別の油剤や溶媒に溶解してから用いることが好ましい。
例えば、20℃で液状の炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油(油脂を含む)、エーテル油、鉱油、揮発性シリコーン油等が挙げられる。
これら油剤は、1種又は2種以上用いることができ、含有量は、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。また、これらの油剤の含有量は、全組成中に0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。
本発明の油性化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、界面活性剤、水溶性及び油溶性ポリマー、エタノール、多価アルコール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
本発明の油性化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、化粧下地、ファンデーション、口紅、ほお紅、アイシャドウ等のメークアップ化粧料などとすることができ、化粧下地、ファンデーションが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
<1>次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)下記一般式(1)
Figure 0006279315
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が80/20〜99/1であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサン 0.1〜10質量%、
(B)不揮発性シリコーン 10〜60質量%、
(C)粉体 30〜70質量%、
(D)25℃で針入度が20以下である固体のワックス 0.1〜20質量%
を含有し、
成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)が、0.05〜5であり、
成分(E)水の含有量が1質量%以下である油性化粧料。
<2>成分(A)において、一般式(1)中、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が、好ましくは、83/17〜98/2であって、より好ましくは90/10〜97/3である前記<1>記載の油性化粧料。
<3>成分(A)のオルガノポリシロキサンが、好ましくは、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサンである前記<1>又は<2>記載の油性化粧料。
<4>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.5質量%以上であって、1質量%以上がより好ましく、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の油性化粧料。
<5>成分(B)が、好ましくは、25℃における粘度が5cs以上のものであって、25℃における粘度が5cs以上のジメチルポリシロキサンがより好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の油性化粧料。
<6>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に25質量%以上であって、35質量%以上がより好ましく、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の油性化粧料。
<7>成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、0.005以上であって、0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.14以下が更に好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の油性化粧料。
<8>成分(C)が、好ましくは、(C−1)平均粒子径1〜20μmの球状粉体、(C−2)平均粒子径2〜100μmの板状粉体を含む前記<1>〜<7>のいずれか1記載の油性化粧料。
<9>成分(C−1)の球状粉体が、好ましくは、平均粒子径2〜15μmであり、成分(C−2)の板状粉体が、好ましくは、平均粒子径3〜40μmであり、アスペクト比が、20〜100が好ましく、30〜70がより好ましい前記<8>記載の油性化粧料。
<10>成分(C−1)の球状粉体が、好ましくは、球状シリコーン粉体である前記<8>又は<9>記載の油性化粧料。
<11>成分(C−1)の球状粉体の含有量が、好ましくは、全組成中に5質量%以上であって、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい前記<8>〜<10>のいずれか1記載の油性化粧料。
<12>成分(C−1)の球状粉体と、成分(C)粉体総量の質量割合(C−1)/(C)が、好ましくは、0.1以上であって、0.15以上がより好ましく、0.2以上が更に好ましく、1以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい前記<8>〜<11>のいずれか1記載の油性化粧料。
<13>成分(C−2)の板状粉体が、好ましくは、雲母(白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母)、酸化チタン被覆雲母である前記<8>〜<12>のいずれか1記載の油性化粧料。
<14>成分(C−2)の板状粉体の含有量が、好ましくは、全組成中に2質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい前記<8>〜<13>のいずれか1記載の油性化粧料。
<15>成分(C−1)の球状粉体と、成分(C−2)の板状粉体の質量割合(C−1)/(C−2)が、好ましくは、0.5以上であって、0.8以上がより好ましく、1以上が更に好ましく、15以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましい前記<8>〜<14>のいずれか1記載の油性化粧料。
<16>成分(C)が、(C−1)平均粒子径1〜20μmの球状粉体 5〜30質量%、(C−2)平均粒子径2〜100μmの板状粉体 2〜30質量%を含むものである前記<8>〜<15>のいずれか1記載の油性化粧料。
<17>成分(C)の粉体が、好ましくは、疎水化処理したものであって、シリコーン処理、フッ素化粧料処理がより好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の油性化粧料。
<18>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に35質量%以上であって、40質量%以上がより好ましく、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の油性化粧料。
<19>成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)が、好ましくは、0.005以上であって、0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下が更に好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の油性化粧料。
<20>成分(D)のワックスが、好ましくは、25℃で針入度が1〜15のものである前記<1>〜<19>のいずれか1記載の油性化粧料。
<21>成分(D)のワックスが、好ましくは、キャンデリラワックス、セレシンである前記<1>〜<20>のいずれか1記載の油性化粧料。
<22>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.5質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、15質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい前記<1>〜<21>のいずれか1記載の油性化粧料。
<23>成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)は、好ましくは、0.1以上であって、0.2以上がより好ましく、3以下が好ましく、2以下がより好ましい前記<1>〜<22>のいずれか1記載の油性化粧料。
<24>成分(E)の水の含有量は、好ましくは、0.5質量%以下であって、0.1質量%以下がより好ましい前記<1>〜<23>のいずれか1記載の油性化粧料。
合成例1
2−エチル−2−オキサゾリン3.63g(0.036モル)と酢酸エチル8.46gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA−4、東ソー社製)0.6gで、28℃15時間脱水を行った。
また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8015、信越シリコーン社製、重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで、28℃15時間脱水を行った。
上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.54g(0.0035モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。GPCにより測定した数平均分子量は1200であった。
この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液を一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(102g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.96、最終生成物の重量平均分子量は104000であった。
合成例2
2−エチル−2−オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA−4、東ソー社製)2.0gで、28℃15時間脱水を行った。
また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8015、信越シリコーン社製、重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで、28℃15時間脱水を行った。
上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。GPCにより測定した数平均分子量は2700であった。
この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液を一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(108g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.87、最終生成物の重量平均分子量は115000であった。
合成例3
2−エチル−2−オキサゾリン53.3g(0.54モル)と酢酸エチル127.46gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA−4、東ソー社製)9.0gで15時間脱水を行った。
また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8003、信越シリコーン社製、重量平均分子量40000、アミン当量2000)153.7gと酢酸エチル312.06gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ23.29gで、28℃15時間脱水を行った。
上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル9.48g(0.061モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。GPCにより測定した数平均分子量は1300であった。
この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液を一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(200g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.71、最終生成物の重量平均分子量は56000であった。
Figure 0006279315
実施例1〜10、比較例1〜3
表2に示す組成の油性ファンデーションを製造し、「塗布中ののびの良さ」、「塗布後のむらづきのなさ」、「塗布後の粉っぽさのなさ」、「乾燥感のない仕上がり」、「つやのある仕上がり」、「3時間経過後のつっぱり感のなさ」及び「化粧持続性」を評価した。結果を表2に併せて示す。
(製造方法)
成分(A)、(B)及び(D)を混合し、90℃で加熱溶解した。さらに、粉砕機で混合した成分(C)を加え、90℃に持続したまま均一になるまで十分に混合攪拌した。この混合物を樹脂皿に充填し、冷却することにより、油性ファンデーションを得た。
(評価方法)
5名の専門パネラーが、各油性ファンデーションをスポンジで肌に塗布した際の「塗布中ののびの良さ」、「塗布後のむらづきのなさ」、「塗布後の粉っぽさのなさ」、「乾燥感のない仕上がり」、「つやのある仕上がり」、「3時間経過後のつっぱり感のなさ」及び「化粧持続性」を、それぞれ以下の基準で官能評価した。結果を5名の積算値として、表2に示す。
(1)塗布中ののびの良さ:
5;塗布中ののびが非常に良い。
4;塗布中ののびが良い。
3;塗布中ののびがやや良い。
2;塗布中ののびがあまり良くない。
1;塗布中ののびが良くない。
(2)塗布後のむらづきのなさ:
5;塗布後の肌にむらがない。
4;塗布後の肌にあまりむらがない。
3;塗布後の肌にややむらが見られる。
2;塗布後の肌にむらが見られる。
1;塗布後の肌に顕著にむらが見られる。
(3)塗布後の粉っぽさのなさ:
5;肌が粉っぽく見えない。
4;肌があまり粉っぽく見えない。
3;肌がやや粉っぽく見える。
2;肌が粉っぽく見える。
1;肌が顕著に粉っぽく見える。
(4)乾燥感のない仕上がり:
5;肌に乾燥感を感じない。
4;肌に乾燥感をあまり感じない。
3;肌にやや乾燥感を感じる。
2;肌に乾燥感を感じる。
1;肌に顕著に乾燥感を感じる。
(5)つやのある仕上がり:
5;肌にかなりつやのある仕上がり。
4;肌につやのある仕上がり。
3;肌にややつやのある仕上がり。
2;肌にあまりつやのない仕上がり。
1;肌につやのない仕上がり。
(6)3時間経過後のつっぱり感のなさ:
5;肌につっぱり感を感じない。
4;肌につっぱり感をあまり感じない。
3;肌にややつっぱり感を感じる。
2;肌につっぱり感を感じる。
1;肌にかなりつっぱり感を感じる。
(7)化粧持続性:
5;化粧崩れが目立たない。
4;化粧崩れがあまり目立たない。
3;化粧崩れがやや目立つ。
2;化粧崩れが目立つ。
1;化粧崩れがかなり目立つ。
Figure 0006279315
実施例11
実施例1〜10と同様にして、以下に示す組成の油性ファンデーションを製造した。
得られた油性ファンデーションは、塗布時ののびが良く、塗布後にむらづき、粉っぽさがなく、乾燥感がなく、つやのある仕上がりで、3時間経過後もつっぱり感がなく、化粧持続性に優れたものであった。
(成分)
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン(合成例1) 3.0(質量%)
ジメチルポリシロキサン 6cs(KF−96A 6cs) 31.8
ジメチルポリシロキサン 50cs(KF−96A 50cs) 9.0
球状シリコーン樹脂粉体(平均粒子径5μm)
(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)
15.0
シリコーン処理雲母チタン(平均粒子径6μm、アスペクト比40)4.0
合成マイカ(平均粒子径20μm、アスペクト比70) 6.0
シリコーン処理ベンガラ 1.0
シリコーン処理黄酸化鉄 4.0
シリコーン処理黒酸化鉄 1.0
シリコーン処理酸化チタン 15.0
シリコーン処理微粒子酸化チタン 4.0
キャンデリラワックス
(精製キャンデリラワックス特号、セラリカNODA社;針入度1)3.0
セレシン(セレシン#810、日興リカ社;針入度7) 2.0
ジメチルポリシロキサン 2cs(KF−96A 2cs) 1.0
マイクロクリスタリンワックス
(Multiwax W-445、SONNEBORN社;針入度34) 0.2
合計 100

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)下記一般式(1)
    Figure 0006279315
    (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
    で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
    ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が80/20〜99/1であり、
    隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサン 0.1〜質量%、
    (B)不揮発性シリコーン 10〜60質量%、
    (C)粉体 30〜70質量%、
    (D)25℃で針入度が20以下である固体のワックス 0.1〜20質量%
    を含有し、
    成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)が、0.05〜2.0であり、
    成分(E)水の含有量が1質量%以下である油性化粧料。
  2. 成分(B)が、25℃における粘度が5cs以上のものである請求項1記載の油性化粧料。
  3. 成分(C)が、疎水化処理した粉体である請求項1又は2記載の油性化粧料。
  4. 成分(C)が、(C−1)平均粒子径1〜20μmの球状粉体 5〜30質量%、(C−2)平均粒子径2〜100μmの板状粉体 2〜30質量%を含むものである請求項1〜3のいずれか1項記載の油性化粧料。
  5. (C−1)平均粒子径1〜20μmの球状粉体と、成分(C)粉体総量の質量割合(C−1)/(C)が、0.1〜1である請求項1〜4のいずれか1項記載の油性化粧料。
  6. (C−1)平均粒子径1〜20μmの球状粉体と、(C−2)平均粒子径1〜50μmの板状粉体の質量割合(C−1)/(C−2)が、0.5〜15である請求項1〜5のいずれか1項記載の油性化粧料。
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