JP6325294B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、油中水型乳化化粧料に関する。
化粧料を塗布したときののびや肌なじみ、化粧のりなどを改善するため、種々の変性オルガノポリシロキサンを含有する化粧料が検討されている。
例えば、特許文献1には、炭素数1〜3のアルコール、N−アシルアルキレンイミン変性シリコーン、ジメチルポリシロキサン、ポリオールを混合し、炭素数1〜3のアルコールを除き、濃縮することによって得られるシリコーンゲル組成物が記載され、シリコーン油を肌になじみやすいゲル状にし、のびが良く、化粧持続性及び安定性に優れることが記載されている。
また、特許文献2には、特定構造のオルガノポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、粉体、水を含有する化粧料が、荒れている肌表面を修復し、化粧のり、化粧持ちが向上することが記載されている。
特開2011−105639号公報 特開2013−103895号公報
疎水化処理した着色顔料を多く配合したゼリー状の油中水型乳化化粧料においては、保形性を高めると、塗布時ののびが低下し、塗布にかかる時間を要し、肌なじみが悪く、むらづきしやすいなど、仕上がりに課題があることを見出した。
本発明者らは、疎水化処理した着色顔料を含む油中水型乳化化粧料において、特定のポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを有するオルガノポリシロキサンと、特定分子量のポリエチレングリコールを組み合わせて得られる油中水型乳化化粧料が、20℃では保形性に優れたゼリー状乳化物である一方、皮膚温度に近い35℃付近において、弾性が劇的に減少するため、肌に均一にのび広がり、肌なじみが良く、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない仕上りが得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)下記一般式(1)
Figure 0006325294
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が90/10〜99/1であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサン 0.1〜4質量%、
(B)疎水化処理した着色顔料 1〜50質量%、
(C)平均分子量500〜3000のポリエチレングリコール 0.01〜3質量%、
(D)水 5〜40質量%
を含有し、25℃における粘度が、40〜300Pa・sであり、20℃における貯蔵弾性率(G’)が50〜1000Paである油中水型乳化化粧料に関する。
本発明の油中水型乳化化粧料は、20℃では保形性が高いゼリー状であるにもかかわらず、皮膚温度に近い35℃付近では、弾性が劇的に減少するため、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじみ、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない良好な仕上りが得られるものである。また、布で押さえたときの色移りも抑制される。特に、乾燥により肌が荒れて見える肌に対する効果に優れている。
本発明で用いる成分(A)は、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
Figure 0006325294
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が90/10〜99/1であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサンであり、当該成分を用いることにより、より優れた安定性を得ることができる。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントは、上記オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合している。さらに、上記オルガノポリシロキサンセグメントの両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましい。即ち、成分(A)のオルガノポリシロキサンは、側鎖として、少なくとも2つ以上の前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを有する、グラフトポリマーである。
ヘテロ原子を含むアルキレン基は、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの連結基として機能する。かかるアルキレン基としては、例えば、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が例示され、中でも下記式(i)〜(vii)のいずれかで表される基が好ましく、下記式(i)又は(ii)で表される基がより好ましく、更に下記式(i)で表される基が好ましい。なお、式中、An-は4級アンモニウム塩の対イオンを示し、例えば、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオンが例示される。
Figure 0006325294
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを構成するN−アシルアルキレンイミン単位において、一般式(1)中、R1における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基、又は炭素数3の分岐状のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(1)においてtは2又は3の数を示し、オルガノポリシロキサン製造時の原料入手の観点から、2であることが好ましい。
質量比(a/b)は、90/10〜99/1の範囲であり、肌への付着性、保形性に優れ、肌の温度近辺(35〜40℃)になると、弾性が低下し、肌上で均一にのび広がる点から、好ましくは92/8〜98/2、より好ましくは94/6〜97/3である。
なお、本明細書において、質量比(a/b)は、成分(A)のオルガノポリシロキサンを重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H-NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
成分(A)のオルガノポリシロキサンにおいて、隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、単に「MWg」ともいう)は5000〜40000の範囲であり、化粧料の保形性に優れる点から、10000〜35000が好ましく、15000〜32000がより好ましい。
本明細書において、「隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(2)に示すように、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR2SiO単位と、1つのR3と、y+1個の(R2)2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。また、「ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント」とは、上記R3に結合する−Z−R4をいう。
Figure 0006325294
上記一般式(2)中、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜22のアルキル基又はフェニル基を示し、R3はヘテロ原子を含むアルキレン基を示し、−Z−R4はポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、R4は重合開始剤の残基を示し、yは正の数を示す。
MWgは、上記一般式(2)において破線で囲まれた部分の分子量であるが、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N−アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量は、N−アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度から算出するか、又はゲルパーミエションクロマトグラフィ(以下、単に「GPC」ともいう)測定法により測定することができる。なお、本発明においては、後記の測定条件で行なったGPC測定により測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、単に「MNox」とも言う)をいうものとする。MNoxは、化粧料の皮膜の柔軟性と溶媒への溶解性を高める点から、500〜4000の範囲が好ましく、800〜3500がより好ましく、1000〜3000がさらに好ましい。
また、上記MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(質量%)(以下、単に「Csi」ともいう)を用いて、下記式(I)により求めることができる。
MWg=Csi×MNox/(100−Csi) (I)
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、単に「MWsi」とも言う)は15000〜200000であり、化粧料の保形性に優れる点から、好ましくは50000〜170000、より好ましくは70000〜150000である。また、成分(A)のオルガノポリシロキサンは、水などの極性溶媒に溶解することにより、種々の製品に容易に配合することができる。主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、後記の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
成分(A)のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(以下、単に「MWt」ともいう)は、化粧料の保形性に優れる点から、好ましくは15000〜200000、より好ましくは50000〜170000、更に好ましくは70000〜150000である。MWtは、後記の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算した値である。
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、高い弾性率と大きな変形可能量に加え、50〜220℃といった温度領域に加熱すると、著しく塑性性が向上して柔らかくなり、加熱をやめて室温に戻る過程で直ぐに弾力性を取り戻すという特徴的な熱可塑性を有する。
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(3)
Figure 0006325294
(式中、R2は前記と同じ意味を示し、R5及びR6はそれぞれR2と同一の基を示すか、又は下記式(viii)〜(xiii)
Figure 0006325294
のいずれかで表される1価の基を示し、R7は上記式(viii)〜(xiii)で表される1価の基を示し、dは91.5〜1255.0の数を示し、eは2.0〜62.5の数を示す〕
で表される変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(4)
Figure 0006325294
(式中、R1及びtは前記と同じ意味を示す)
で表される環状イミノエーテルを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより製造される。
一般式(4)で表される環状イミノエーテル(以下、単に「環状イミノエーテル(4)」ともいう)の開環重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、求電子反応性の強い化合物、例えば、ベンゼンスルホン酸アルキルエステル、p-トルエンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロ酢酸アルキルエステル、硫酸ジアルキルエステル等の強酸のアルキルエステルを使用することができ、中でも硫酸ジアルキルエステルが好適に使用される。
重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等の非プロトン性極性溶媒を使用することができ、中でも酢酸エステル類が好適に使用される。溶媒の使用量は、通常、環状イミノエーテル(4)の100質量部に対して20〜2000質量部である。
重合温度は通常30〜170℃、好ましくは40〜150℃であり、重合時間は重合温度等により一様ではないが、通常1〜60時間である。
環状イミノエーテル(4)として、例えば、2−置換−2−オキサゾリンを用いれば、前記一般式(1)において、t=2のポリ(N−アシルエチレンイミン)が得られ、2−置換−ジヒドロ−2−オキサジンを用いれば、上記一般式(1)において、t=3のポリ(N−アシルプロピレンイミン)が得られる。
環状イミノエーテル(4)をリビング重合して得られるポリ(N−アシルアルキレンイミン)は、末端に反応性の基を有している。よって、このポリ(N−アシルアルキレンイミン)の末端の反応性基と、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンが有する前記(viii)〜(xiii)で示される反応性基とを反応させることで、成分(A)のオルガノポリシロキサンを得ることができる。
前記のリビング重合による製造方法は、下記に示す理論式(II)のように、環状イミノエーテル(4)と重合開始剤の使用量で重合度を容易に制御でき、しかも通常のラジカル重合よりも分子量分布の狭い略単分散のポリ(N−アシルアルキレンイミン)が得られる点で有効である。
Figure 0006325294
環状イミノエーテル(4)の使用量及び重合開始剤の使用量は、式(II)におけるMNiが500〜4000になる量とするのが好ましく、800〜3500になる量とするのがより好ましく、1000〜3000になる量とするのが更に好ましい。
一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、得られるオルガノポリシロキサンの水等の極性溶媒への溶解性と溶解後の取り扱いやすさの観点から、15000〜220000が好ましく、より好ましくは50000〜190000、更に好ましくは70000〜170000である。
また、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの官能基当量には、成分(A)のオルガノポリシロキサンの質量比(a/b)及びMWgを満たすために、上限が存在する。この観点及び主鎖に適度な疎水性を持たせる観点から、官能基当量は、5000〜40000であることが好ましく、10000〜35000であることがより好ましく、15000〜32000であることが更に好ましい。ここで、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの官能基当量とは、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量を、該変性オルガノポリシロキサンが一分子あたりに有するR7の数の平均値で除した値を言う。
一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンと、前記末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の使用量は、その質量比(変性オルガノポリシロキサン/末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン))が90/10〜99/1の範囲の値とすることが、得られるオルガノポリシロキサンの弾性率及び変形可能量の観点から好ましく、20℃では保形性が高いゼリー状であるにもかかわらず、皮膚温度に近い35℃付近では、弾性が劇的に減少するため、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじむ点から、好ましくは92/8〜98/2、より好ましくは94/6〜97/3である。
なお、本発明において、各オルガノポリシロキサンの合成では、以下の測定条件に従って各種分子量を測定した。
<変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量の測定条件>
カラム:Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー社製)
溶離液:1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:UV
サンプル:50μL
<MNox及びMWtの測定条件>
カラム:K‐804L(東ソー社製)2つを直列につないで使用。
溶離液:1mMジメチルドデシルアミン/クロロホルム
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
サンプル:50μL
また、質量比(a/b)算出のための1H−NMR測定は、下記の条件で行なった。
1H−NMR測定条件>
得られたポリマーの組成は1H−NMR(400MHz Varian製)により確認した。
サンプル量0.5gを測定溶剤(重クロロホルム)2gで溶解させたものを測定した。
PULSE SEQUENCE
・Relax.delay: 30秒
・Pulse: 45degrees
・積算回数: 8回
確認ピーク 0ppm付近: ポリジメチルシロキサンのメチル基、
3.4ppm付近: エチレンイミンのメチレン部分。
各積分値よりシリコーンとポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の比率を算出した。
成分(A)のオルガノポリシロキサンとしては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等が挙げられる。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、保形性が高いゼリー状であるにもかかわらず、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじむ点から、全組成中に0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、4質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.1〜4質量%であり、0.5〜3質量%が好ましく、1〜2.5質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(B)の着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されないが、酸化チタン、酸化亜鉛、黄色酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、群青、紺青、紺青酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化クロム、水酸化クロム、チタン・酸化チタン焼結物等の無機系顔料;赤色201号、赤色202号、赤色226号、黄色401号、青色404号等の有機顔料;赤色104号、赤色230号、黄色4号、黄色5号、青色1号等のレーキ顔料;有機顔料をポリメタクリル酸エステル等の高分子で被覆したものなどが挙げられる。また、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、ケイ酸・チタン処理マイカ、酸化チタン被覆タルク、二酸化ケイ素・ベンガラ処理アルミニウム、酸化チタン被覆ガラス末等の無機粉体、薄片状のアルミニウム表面にポリエチレンテレフタレート等の有機樹脂を被覆したもの等の真珠光沢顔料(パール顔料)を使用することもできる。
また、成分(B)の着色顔料は、疎水化処理したものである。疎水化処理としては、通常の化粧料用粉体に施されている処理であれば制限されず、シリコーン処理、脂肪酸処理、ラウロイルリジン処理、レシチン処理、N−アシルアミノ酸処理、金属石鹸処理、フッ素化合物処理等が挙げられる。これらのうち、シリコーン処理が好ましい。
着色顔料に対する処理量は、処理される粉体の質量に対して、分散性に優れる点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。そして、分散性に優れる点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、疎水化処理量は、粉体質量に対して、0.05〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜10質量%処理されるのがより好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、肌を適度に着色し、肌の色むらをカバーする点から、全組成中に1質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、1〜50質量%であり、10〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(C)のポリエチレングリコールは、平均分子量500〜3000のものであり、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじみ、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない良好な仕上りが得られ、布で押さえたときの色移りも抑制される点から、平均分子量800〜2000が好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、肌上で均一にのび広がり、肌にすばやくなじみ、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない良好な仕上りが得られ、布で押さえたときの色移りも抑制される点から、全組成中に0.01質量%以上であり、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、3質量%以下であり、1質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.01〜3質量%であり、0.02〜1質量%が好ましく、0.03〜0.4質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)は、20℃では保形性が高いゼリー状であるにもかかわらず、肌の温度近辺(35〜40℃)になると、弾性が低下し、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじみ、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない良好な仕上りが得られ、布で押さえたときの色移りも抑制される点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、10以上がよりさらに好ましく、200以下が好ましく、100以下がより好ましく、70以下がさらに好ましく、50以下がよりさらに好ましい。また、成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)は、1〜200が好ましく、2〜100がより好ましく、5〜70がさらに好ましく、10〜50がよりさらに好ましい。
本発明において、成分(B)及び(C)の質量割合(B)/(C)は、20℃では保形性が高いゼリー状であるにもかかわらず、肌の温度近辺(35〜40℃)になると、弾性が低下し、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじみ、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない良好な仕上りが得られ、布で押さえたときの色移りも抑制される点から、20以上が好ましく、40以上がより好ましく、70以上がさらに好ましく、100以上がよりさらに好ましく、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、800以下がさらに好ましく、600以下がよりさらに好ましい。また、成分(B)及び(C)の質量割合(B)/(C)は、20〜2000が好ましく、40〜1000がより好ましく、70〜800がさらに好ましく、100〜600がよりさらに好ましい。
本発明で用いる成分(D)の水の含有量は、油中水型乳化化粧料の安定性や使用感の点から、全組成中に5質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、40質量%以下であり、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に5〜40質量%であり、10〜35質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
本発明において、成分(C)及び(D)の質量割合(D)/(C)は、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじみ、着色顔料が原因の色むらや粉っぽさが抑制され、カバー力はあるのに閉塞感のない良好な仕上りが得られ、布で押さえたときの色移りも抑制される点から、20以上が好ましく、40以上がより好ましく、70以上がさらに好ましく、100以上がよりさらに好ましく、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、800以下がさらに好ましく、600以下がよりさらに好ましい。
また、成分(C)及び(D)の質量割合(D)/(C)は、20〜2000が好ましく、40〜1000がより好ましく、70〜800がさらに好ましく、100〜600がよりさらに好ましい。
さらに、本発明の油中水型乳化化粧料は、25℃で液状の油成分を含有することができる。ここで、液状とは、流動性を有するもので、ペースト状のものも含まれる。
かかる油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;ホホバ油、オリーブ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;脂肪酸エステル、多価カルボン酸エステル、脂肪酸多価アルコールエステル、ヒドロキシ脂肪酸エステル、その他、メトキシケイ皮酸オクチル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。
これらのうち、固体脂や粉体を均一に分散させる点から、直鎖又は分岐の炭化水素油、エステル油、シリコーン油が好ましく、成分(A)の分散性をより高める点から、流動イソパラフィン、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンがより好ましく、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンがさらに好ましい。
25℃で液状の油成分は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、成分(A)、(B)の分散性を高める点から、全組成中に20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましい。また、25℃で液状の油成分の含有量は、全組成中に20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましく、35〜45質量%がさらに好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の粉体、前記以外の25℃で固体の油性成分、界面活性剤、前記以外の水溶性及び油溶性ポリマー、前記以外の多価アルコール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、前記以外の紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、20℃において、保形性のあるゼリー状の形態として得ることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、25℃での保形性に優れる点から、25℃における粘度が、40〜300Pa・sであり、45〜200Pa・sが好ましく、50〜150Pa・sがより好ましい。
本発明において、粘度は、測定器として、粘度計(東機産業社製、VISCOMETER TVB-10R)を用い、ROTOR NO. T-C、5 rpm、60sec により測定される。
また、本発明の油中水型乳化化粧料は、20℃での保形性に優れる点から、20℃における貯蔵弾性率(G')が50〜1000Paであり、70〜700Paが好ましく、80〜500Paがより好ましい。
また、20℃における貯蔵弾性率(G'20)と、40℃における貯蔵弾性率(G'40)との変化率(G'40)/(G'20)は、20℃では保形性が高いゼリー状であるにもかかわらず、肌の温度近辺(35〜40℃)になると、弾性が低下し、肌上で均一にのび広がり、かるい使用感で、肌にすばやくなじむ点から、0.3〜0.85であるのが好ましく、0.4〜0.8がより好ましく、0.5〜0.8がさらに好ましい。
本発明において、貯蔵弾性率(G')は、測定機器として、レオメーター(Anton Paar社製、Physica MCR 301)を用い、コーンプレート(Radius 25mm、Angle of measuring cone:2°)、周波数2Hz、1%の歪をかけたときの値(Pa)であり、測定温度20℃と40℃の値を測定する。なお、レオメーターは、市販の機器を種々用いることができる。
また、本発明の油中水型乳化化粧料は、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー;ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日やけ止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料などとして適用することができる。なかでも、化粧下地、ファンデーションがより好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
<1>次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)下記一般式(1)
Figure 0006325294
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が90/10〜99/1であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が5000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であるオルガノポリシロキサン 0.1〜4質量%、
(B)疎水化処理した着色顔料 1〜50質量%、
(C)平均分子量500〜3000のポリエチレングリコール 0.01〜3質量%、
(D)水 5〜40質量%
を含有し、25℃における粘度が、40〜300Pa・sであり、20℃における貯蔵弾性率(G’)が50〜1000Paである油中水型乳化化粧料。
<2>成分(A)において、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が、好ましくは、92/8〜98/2であって、94/6〜97/3がより好ましい前記<1>記載の油中水型乳化化粧料。
<3>成分(A)のオルガノポリシロキサンが、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサンである前記<1>又は<2>記載の油中水型乳化化粧料。
<4>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.5質量%以上であって、1質量%以上がより好ましく、3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<5>成分(B)の着色顔料が、好ましくは、シリコーン処理、脂肪酸処理、ラウロイルリジン処理、レシチン処理、N−アシルアミノ酸処理、金属石鹸処理、フッ素化合物処理したものであり、シリコーン処理したものがより好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<6>成分(B)の着色顔料の疎水化処理量は、粉体質量に対して、0.05〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜10質量%処理されるのがより好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<7>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に10質量%以上であって、15質量%以上がより好ましく、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<8>成分(C)が、好ましくは、平均分子量800〜2000のポリエチレングリコールである前記<1>〜<7>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<9>成分(C)の含有量が、好ましくは、0.02質量%以上であって、0.03質量%以上がより好ましく、1質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<10>成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)が、好ましくは、1以上であって、2以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、10以上がよりさらに好ましく、200以下が好ましく、100以下がより好ましく、70以下がさらに好ましく、50以下がよりさらに好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<11>成分(B)及び(C)の質量割合(B)/(C)が、好ましくは、20以上であって、40以上がより好ましく、70以上がさらに好ましく、100以上がよりさらに好ましく、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、800以下がさらに好ましく、600以下がよりさらに好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<12>成分(D)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に10質量%以上であって、15質量%以上がより好ましく、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<13>成分(C)及び(D)の質量割合(D)/(C)が、好ましくは、20以上であって、40以上がより好ましく、70以上がさらに好ましく、100以上がよりさらに好ましく、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、800以下がさらに好ましく、600以下がよりさらに好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<14>さらに、25℃で液状の油成分を含有することができ、好ましくは、直鎖又は分岐の炭化水素油、エステル油、シリコーン油であって、流動イソパラフィン、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンがより好ましく、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンがさらに好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<15>25℃で液状の油成分の含有量が、好ましくは、全組成中に20質量%以上であって、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましい前記<14>記載の油中水型乳化化粧料。
<16>25℃における粘度が、好ましくは、45〜200Pa・sであって、50〜150Pa・sがより好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<17>20℃における貯蔵弾性率(G')が、好ましくは、70〜700Paであって、80〜500Paがより好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<18>20℃における貯蔵弾性率(G'20)と、40℃における貯蔵弾性率(G'40)との変化率(G'40)/(G'20)が、好ましくは、0.3〜0.85であって、0.4〜0.8がより好ましく、0.5〜0.8がさらに好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
合成例1
2−エチル−2−オキサゾリン3.63g(0.036モル)と酢酸エチル8.46gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA−4、東ソー社製)0.6gで、28℃15時間脱水を行った。
また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8015、信越シリコーン社製、重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで、28℃15時間脱水を行った。
上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.54g(0.0035モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。GPCにより測定した数平均分子量は1200であった。
この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液を一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(102g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.96、最終生成物の重量平均分子量は104000であった。
合成例2
2−エチル−2−オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA−4、東ソー社製)2.0gで、28℃15時間脱水を行った。
また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8015、信越シリコーン社製、重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで、28℃15時間脱水を行った。
上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。GPCにより測定した数平均分子量は2700であった。
この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液を一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(108g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.87、最終生成物の重量平均分子量は115000であった。
Figure 0006325294
実施例1〜6、比較例1〜6
表2及び表3に示す組成の油中水型乳化化粧料(リキッドファンデーション)を製造し、「塗布直後、すばやく肌になじむ」、「肌に均一にのび広がる」、「肌に塗布した後の色むらのなさ」、「粉っぽさのなさ」、「カバー力」、「塗布後の肌の閉塞感のなさ」、「布で押さえたときの色移りのなさ」を、乾燥により肌が荒れている人に使用させ、評価した。結果を表2及び表3に併せて示す。
(製造方法)
成分(A)を含む油相について、ディスパー(350r/min、3分)を用いて予備分散を行う。次に、成分(B)を含む粉体相を油相中に分散(2500r/min、10分)させ、粉体相が均一に分散したことを確認する。粉体相が均一になった油相に成分(C)及び(D)を含む水相を加えてプロペラで攪拌(450r/min、5分)し、乳化を行い、乳化を保持した後、ホモミキサーで粘度調整(5000r/min)を行い、脱泡して、油中水型乳化化粧料(リキッドファンデーション)を得た。
(評価方法)
専門パネラー5名が、各油中水型乳化化粧料を手で肌に塗布したとき、「塗布直後、すばやく肌になじむ」、「肌に均一にのび広がる」、「肌に塗布した後の色むらのなさ」、「粉っぽさのなさ」、「カバー力」、「塗布後の肌の閉塞感のなさ」、「布で押さえたときの色移りのなさ」を、以下の基準で評価した。結果を5名の積算値で示す。なお、使用者は乾燥により肌が荒れている人を選択した。
(1)塗布直後、すばやく肌になじむ:
4:そう思う。
3:ややそう思う。
2:あまりそう思わない。
1:そう思わない。
(2)肌に均一にのび広がる:
4:肌に均一にのび広がる。
3:肌にほぼ均一にのび広がる。
2:肌にあまり均一にのび広がらない。
1:肌に均一にのび広がらない。
(3)肌に塗布した後の色むらのなさ:
4:塗布した後の肌に色むらがない。
3:塗布した後の肌にほとんど色むらがない。
2:塗布した後の肌に少し色むらが見られる。
1:塗布した後の肌に色むらが見られる。
(4)粉っぽさのなさ:
4:肌が粉っぽくみえない。
3:肌がほぼ粉っぽくみえない。
2:肌が少し粉っぽくみえる。
1:肌が粉っぽくみえる。
(5)カバー力:
4:カバー力が高い。
3:カバー力がやや高い。
2:カバー力がやや低い。
1:カバー力が低い。
(6)塗布後の肌の閉塞感のなさ:
4:肌の閉塞感を感じない。
3:肌の閉塞感をほぼ感じない。
2:肌の閉塞感を少し感じる。
1:肌の閉塞感を感じる。
(7)布で押さえたときの色移りのなさ:
4:布への色移りが見られない。
3:布への色移りがほとんど見られない。
2:布への色移りが少し見られる。
1:布への色移りが見られる。
Figure 0006325294
Figure 0006325294

Claims (4)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)下記一般式(1)
    Figure 0006325294
    (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
    で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
    ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が1000〜3000であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が92/8〜98/2であり、
    隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜32000であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が70000〜150000であるオルガノポリシロキサン 〜4質量%、
    (B)疎水化処理した着色顔料 10〜30質量%、
    (C)平均分子量8002000のポリエチレングリコール 0.02〜1質量%、
    (D)水 10〜35質量%
    を含有し、25℃における粘度が、45〜200Pa・sであり、20℃における貯蔵弾
    性率(G')が70〜700Paである油中水型乳化化粧料。
  2. 成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)が、1〜200である請求項1記載の
    油中水型乳化化粧料。
  3. 成分(C)及び(D)の質量割合(D)/(C)が、20〜2000である請求項1又
    は2記載の油中水型乳化化粧料。
  4. 20℃における貯蔵弾性率(G'20)と、40℃における貯蔵弾性率(G'40)との変化
    率(G'40)/(G'20)が、0.3〜0.85である請求項1〜3のいずれか1項記載の
    油中水型乳化化粧料。

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