JP2018104363A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】成型性に優れ、柔らかく、粉取れが良好な固形粉末化粧料を提供する。【解決手段】(A)球状のシリコーン樹脂弾性粉体 11〜70質量%、(B)下記一般式(1);(R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、tは2又は3)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサン 1〜6質量%(C)合成金雲母及び鉄含有合成金雲母から選ばれる合成雲母 1〜25質量%を含有し、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、0.1〜0.7である固形粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、固形粉末化粧料に関する。
固形粉末化粧料は、粉体成分を主体とし、結合剤として油性成分を添加混合して容器に充填後圧縮して固化させるプレス製法により製造されている。一般の固形粉末化粧料は、高いプレス圧で成型され、得られる成型品は一般的に硬く、粉取れや感触が悪くなるため、種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、粉体、油剤、不揮発性液状水溶性成分、皮膜形成性高分子を含有する固形粉末化粧料が、やわらかくなめらかでしっとりした感触、保湿性を有することが記載されている。
特開2008−214264号公報
本発明者は、球状弾性粉体を固形粉末化粧料に配合すると、すべりやのびが良く、サラサラ感が得られるが、配合量が多くなると、成型が困難になること、また、皮膜形成性高分子を併用することにより、のび、つき、光沢感に優れるが、成型物がもろくなるため、成型圧を高くする必要があり、化粧料が硬くなり、粉取れが悪い、という課題を見出した。
本発明者は、球状のシリコーン樹脂弾性粉体とともに、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサン及び合成雲母を特定の割合で組合せて用いることにより、成型圧が通常より低くても、成型性に優れ、柔らかく、粉取れが良好な固形粉末化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)球状のシリコーン樹脂弾性粉体 11〜70質量%、
(B)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
Figure 2018104363
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量平均分子量が1000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの質量平均分子量が15000〜200000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が65/35〜95/5であるオルガノポリシロキサン 1〜6質量%
(C)合成金雲母及び鉄含有合成金雲母から選ばれる合成雲母 1〜25質量%
を含有し、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、0.1〜0.7である固形粉末化粧料に関する。
本発明の固形粉末化粧料は、成型圧が通常より低くても、成型性に優れたものである。また、本発明の固形粉末化粧料は、柔らかく、粉取れに優れ、塗布時になめらかでサラサラ感が得られるものである。
本発明で用いる成分(A)は、球状のシリコーン樹脂弾性粉体である。
球状とは、真球、略球状、回転楕円体を含み、表面に凹凸がある球状粉体等であっても良い。
シリコーン樹脂弾性粉体は、ゴム弾性が5〜80の範囲であることが好ましく、10〜50がより好ましい。ゴム弾性は、JIS K 7215に従い、デュロメータAにより測定される。
シリコーン樹脂球状弾性粉体としては、シリコーンゴム弾性粉体、又はシリコーンゴム弾性粉体を母粉体とする複合球状粉体であっても良く、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム弾性粉体などが挙げられる。
シリコーンゴム弾性粉体は、直鎖状のジメチルシリコーンを架橋した構造を有するシリコーンゴムを粉末化した粒子状のものであり、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーが好ましい。市販品としては、トレフィルE506S(平均粒子径4μm、ゴム弾性30)、トレフィルE508(平均粒子径4μm、ゴム弾性17)(以上、東レ・ダウニーニング社製)などが挙げられる。
シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム弾性粉体は、シリコーンゴム粉体の表面をシルセスキオキサン樹脂で被覆したものであり、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーが好ましい。市販品としては、KSP−100(平均粒子径5μm、ゴム弾性30)、KSP−101(平均粒子径12μm、ゴム弾性30)、KSP−102(平均粒子径30μm、ゴム弾性30)、KSP−105(平均粒子径2μm、ゴム弾性75)、KSP−300(平均粒子径5μm、ゴム弾性40)(以上、信越化学工業社製)などが挙げられる。
成分(A)の球状のシリコーン樹脂弾性粉体としては、柔らかく、粉取れに優れる点から、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム弾性粉体が好ましい。
また、成分(A)の球状のシリコーン樹脂弾性粉体は、固形粉末化粧料の保型性を維持しつつ、指で押した際に柔らかく、粉取れに優れる点から、平均粒子径1〜50μmであるのが好ましく、4〜40μmがより好ましい。
粉体の粒子径は、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA−920)で測定する。
球状のシリコーン樹脂弾性粉体を添加する場合、溶媒を添加して調製することもできる。具体的には、揮発性及び不揮発性のシリコーン類が有用である。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、固形粉末化粧料の保型性を維持しつつ、指で押した際に柔らかく、粉取れに優れる点から、全組成中に11質量%以上であり、25質量%以上が好ましく、38質量%以上がより好ましく、70質量%以下であり、65質量%以下が好ましく、60質量%がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に11〜70質量%であり、25〜65質量%が好ましく、38〜60質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(B)は、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
Figure 2018104363
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が1000〜40000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が15000〜200000であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が65/35〜95/5であるオルガノポリシロキサンであり、当該成分を用いることにより、成型性に優れ、弾力性のある固形粉末化粧料をつくることができる。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントは、上記オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合している。さらに、上記オルガノポリシロキサンセグメントの両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましい。すなわち、成分(B)のオルガノポリシロキサンは、側鎖として、少なくとも2つ以上の前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを有する、グラフトポリマーである。
ヘテロ原子を含むアルキレン基は、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの連結基として機能する。かかるアルキレン基としては、例えば、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が例示され、中でも下記式(i)〜(vii)のいずれかで表される基が好ましく、下記式(i)又は(ii)で表される基がより好ましく、更に下記式(i)で表される基が好ましい。なお、式中、An-は4級アンモニウム塩の対イオンを示し、例えば、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオンが例示される。
Figure 2018104363
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを構成するN−アシルアルキレンイミン単位において、一般式(1)中、R1における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基、炭素数3の分岐状のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(1)においてtは2又は3の数を示し、オルガノポリシロキサン製造時の原料入手の観点から、2であることが好ましい。
質量比(a/b)は、65/35〜95/5の範囲であり、成型性に優れ、弾力性のある固形化粧料をつくる点から、好ましくは73/27〜95/5、より好ましくは80/20〜93/7である。
なお、本明細書において、質量比(a/b)は、成分(B)のオルガノポリシロキサンを重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H-NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
成分(B)のオルガノポリシロキサンにおいて、隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、単に「MWg」ともいう)は1000〜40000の範囲であり、化粧料の皮膜の柔軟性の点から、10000〜35000が好ましく、15000〜32000がより好ましい。
本明細書において、「隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(2)に示すように、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR2SiO単位と、1つのR3と、y+1個の(R2)2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。また、「ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント」とは、上記R3に結合する−Z−R4をいう。
Figure 2018104363
上記一般式(2)中、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜22のアルキル基又はフェニル基を示し、R3はヘテロ原子を含むアルキレン基を示し、−Z−R4はポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、R4は重合開始剤の残基を示し、yは正の数を示す。尚、複数のR2、R3、R4は、同じであっても、異なっても良い。
MWgは、上記一般式(2)において破線で囲まれた部分の分子量であるが、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N−アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量は、N−アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度から算出するか、又はゲル浸透クロマトグラフィ(以下、単に「GPC」ともいう)測定法により測定することができる。なお、本発明においては、後記の測定条件で行なったGPC測定により測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、単に「MNox」とも言う)をいうものとする。MNoxは、成型性に優れ、弾力性のある固形化粧料をつくる点から、500〜4000の範囲が好ましく、800〜3500がより好ましく、1000〜3000がさらに好ましい。
また、上記MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(質量%)(以下、単に「Csi」ともいう)を用いて、下記式(I)により求めることができる。
MWg=Csi×MNox/(100−Csi) (I)
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、単に「MWsi」とも言う)は15000〜200000であり、化粧料の柔軟性と皮膚への付着性の点から、好ましくは50000〜170000、より好ましくは70000〜150000である。また、成分(B)のオルガノポリシロキサンは、水などの極性溶媒に溶解することにより、種々の製品に容易に配合することができる。主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、後記の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
成分(B)のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(以下、単に「MWt」ともいう)は、皮膚への付着性に優れる観点から、好ましくは15000〜200000、より好ましくは50000〜170000、更に好ましくは70000〜150000である。MWtは、後記の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算した値である。
成分(B)のオルガノポリシロキサンは、高い弾性率と大きな変形可能量に加え、50〜220℃といった温度領域に加熱すると、著しく塑性性が向上して柔らかくなり、加熱をやめて室温に戻る過程で直ぐに弾力性を取り戻すという特徴的な熱可塑性を有する。
成分(B)のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(3)
Figure 2018104363
(式中、R2は前記と同じ意味を示し、R5及びR6はそれぞれR2と同一の基を示すか、又は下記式(viii)〜(xiii)
Figure 2018104363
のいずれかで表される1価の基を示し、R7は上記式(viii)〜(xiii)で表される1価の基を示し、dは91.5〜1255.0の数を示し、eは2.0〜62.5の数を示す〕
で表される変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(4)
Figure 2018104363
(式中、R1及びtは前記と同じ意味を示す)
で表される環状イミノエーテルを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより製造される。
一般式(4)で表される環状イミノエーテル(以下、単に「環状イミノエーテル(4)」ともいう)の開環重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、求電子反応性の強い化合物、例えば、ベンゼンスルホン酸アルキルエステル、p-トルエンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸アルキルエステル、トリフルオロ酢酸アルキルエステル、硫酸ジアルキルエステル等の強酸のアルキルエステルを使用することができ、中でも硫酸ジアルキルエステルが好適に使用される。
重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等の非プロトン性極性溶媒を使用することができ、中でも酢酸エステル類が好適に使用される。溶媒の使用量は、通常、環状イミノエーテル(4)の100質量部に対して20〜2000質量部である。
重合温度は通常30〜170℃、好ましくは40〜150℃であり、重合時間は重合温度等により一様ではないが、通常1〜60時間である。
環状イミノエーテル(4)として、例えば、2−置換−2−オキサゾリンを用いれば、前記一般式(1)において、t=2のポリ(N−アシルエチレンイミン)が得られ、2−置換−ジヒドロ−2−オキサジンを用いれば、上記一般式(1)において、t=3のポリ(N−アシルプロピレンイミン)が得られる。
環状イミノエーテル(4)をリビング重合して得られるポリ(N−アシルアルキレンイミン)は、末端に反応性の基を有している。よって、このポリ(N−アシルアルキレンイミン)の末端の反応性基と、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンが有する前記(viii)〜(xiii)で示される反応性基とを反応させることで、成分(B)のオルガノポリシロキサンを得ることができる。
前記のリビング重合による製造方法は、下記に示す理論式(II)のように、環状イミノエーテル(4)と重合開始剤の使用量で重合度を容易に制御でき、しかも通常のラジカル重合よりも分子量分布の狭い略単分散のポリ(N−アシルアルキレンイミン)が得られる点で有効である。
Figure 2018104363
環状イミノエーテル(4)の使用量及び重合開始剤の使用量は、式(II)におけるMNiが500〜4000になる量とするのが好ましく、800〜3500になる量とするのがより好ましく、1000〜3000になる量とするのが更に好ましい。
一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、得られるオルガノポリシロキサンの水等の極性溶媒への溶解性と溶解後の取り扱いやすさの観点から、15000〜220000が好ましく、より好ましくは50000〜190000、更に好ましくは70000〜170000である。
また、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの官能基当量には、成分(A)のオルガノポリシロキサンの質量比(a/b)及びMWgを満たすために、上限が存在する。この観点及び主鎖に適度な疎水性を持たせる観点から、官能基当量は、5000〜40000であることが好ましく、10000〜35000であることがより好ましく、15000〜32000であることが更に好ましい。ここで、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの官能基当量とは、一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量を、該変性オルガノポリシロキサンが一分子あたりに有するR7の数の平均値で除した値を言う。
一般式(3)で表される変性オルガノポリシロキサンと、前記末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の使用量は、その質量比(変性オルガノポリシロキサン/末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン))が65/35〜95/5の範囲の値とすることが、得られるオルガノポリシロキサンの弾性率及び変形可能量の観点から好ましく、成型性に優れ、弾力性のある固形化粧料をつくる点から、73/27〜95/5がより好ましく、80/20〜93/7がさらに好ましい。
なお、本発明において、各オルガノポリシロキサンの合成では、以下の測定条件に従って各種分子量を測定した。
<変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量の測定条件>
カラム:Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー社製)
溶離液:1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:UV
サンプル:50μL
<MNox及びMWtの測定条件>
カラム:K‐804L(東ソー社製)2つを直列につないで使用。
溶離液:1mMジメチルドデシルアミン/クロロホルム
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
サンプル:50μL
また、質量比(a/b)算出のための1H−NMR測定は、下記の条件で行なった。
1H−NMR測定条件>
得られたポリマーの組成は1H−NMR(400MHz Varian製)により確認した。
サンプル量0.5gを測定溶剤(重クロロホルム)2gで溶解させたものを測定した。
PULSE SEQUENCE
・Relax.delay: 30秒
・Pulse: 45degrees
・積算回数: 8回
確認ピーク 0ppm付近: ポリジメチルシロキサンのメチル基、
3.4ppm付近: エチレンイミンのメチレン部分。
各積分値よりシリコーンとポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の比率を算出した。
成分(B)のオルガノポリシロキサンとしては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等が挙げられる。
成分(B)は、作業性の向上、固形粉末化粧料の成型性、耐衝撃性の観点から、溶媒によって希釈されたプレミックス組成物が好ましく、なかでも、水がより好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、球状弾性粉体が固形粉末化粧料に配合されているのにもかかわらず、通常より成型圧が低くても、プレス面が均一な成型物が得られ、また、製造された固形粉末化粧料は、柔らかく、粉取れに優れ、塗布時になめらかでサラサラ感が得られる点から、全組成中に1質量%以上であり、2質量%以上が好ましく、6質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に、1〜6質量%であり、2〜5質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、球状弾性粉体が固形粉末化粧料に配合されているのにもかかわらず、通常より成型圧が低くても、プレス面が均一な成型物が得られ、また、製造された固形粉末化粧料は、柔らかく、粉取れに優れ、塗布時になめらかでサラサラ感が得られる点から、8以上が好ましく、10以上がより好ましく、11以上がさらに好ましく、80以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、8〜80が好ましく、10〜50がより好ましく、11〜30がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(C)は、合成金雲母及び鉄含有合成金雲母から選ばれる合成雲母である。
合成金雲母としては、例えば、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイフッ化カリウムを混合・溶融後、結晶を晶出させ、粉砕、熱処理して得られるものが挙げられ、鉄含有合成金雲母としては、例えば、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイフッ化カリウム、酸化鉄を混合・溶融後、結晶を晶出させ、粉砕、熱処理して得られるものが挙げられる。
鉄含有合成金雲母は、透明感の高い仕上がりを与える点から、鉄の含有量が酸化鉄換算で0.5〜10質量%であるのが好ましい。
形状は板状であるのが好ましく、平均粒子径は、成型圧が通常より低くても、成型性に優れ、製造された固形粉末化粧料は柔らかく、粉取れに優れる点から、5〜100μmであるのが好ましく、5〜40μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましく、また、アスペクト比は、15〜100のものが好ましく、20〜80がより好ましく、40〜70がさらに好ましい。
本発明において、平均粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所社製、LA−920)で測定し、50%メジアン径を平均粒子径とする。厚さは、原子間力顕微鏡により基準面との差を測定し、相加平均したものを平均厚さとする。
また、アスペクト比は、平均粒子径と平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=(平均粒子径/平均厚さ)で定義される。
合成金雲母は、上述した製法により製造して用いることができ、また、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、トピー工業社製、PDM−1000(平均粒子径12μm、アスペクト比20)、PDM−10L(平均粒子径12μm、アスペクト比60)、PDM−20L(平均粒子径20μm、アスペクト比70)、PDM−40L(平均粒子径40μm、アスペクト比80)、PDM−NFES(平均粒子径5μm、アスペクト比40)等を用いることができる。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、成型圧が通常より低くても、成型性に優れ、製造された固形粉末化粧料は柔らかく、粉取れに優れ、塗布時になめらかでサラサラ感を感じる点から、全組成中に1質量%以上であり、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、25質量%以下であり、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、14質量%以下がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に1〜25質量%であり、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましく、8〜14質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、球状弾性粉体が固形粉末化粧料に配合されているのにもかかわらず、通常より成型圧が低くても、プレス面が均一な成型物が得られ、また、製造された固形粉末化粧料は、柔らかく、粉取れに優れ、塗布時になめらかでサラサラ感が得られる点から、0.1以上であり、0.15以上が好ましく、0.18以上がより好ましく、0.7以下であり、0.6以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。また、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、0.1〜0.7であり、0.15〜0.6が好ましく、0.18〜0.5がより好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、固形粉末化粧料の膨らみを抑制し、柔らかく、粉取れに優れ、塗布時になめらかでサラサラ感が得られる点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、40以下が好ましく、20以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下がよりさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、1〜40が好ましく、2〜20がより好ましく、3〜8がさらに好ましく、3〜6がよりさらに好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、前記以外の粉体を含有することができる。前記以外の粉体としては、化粧料に通常用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず用いることができる。具体的には、ベンガラ、水酸化鉄、チタン酸鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、紺青、群青、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の有色顔料類;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、スメクタイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、合成セリサイト等の白色又は体質顔料類;魚鱗箔、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆着色雲母、酸化チタン酸化鉄被覆雲母、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、低次酸化チタン被覆雲母、雲母、酸化チタン被覆合成雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、中空板状酸化チタン、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄(MIO)、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、酸化チタン被覆板状アルミナ、真珠殻、金箔、金蒸着樹脂フィルム、金属蒸着樹脂フィルム等のパール顔料(光輝性粉体)類;オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、セルロースパウダー等の有機粉体類;赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号等の有機タール系顔料、有機色素及びそのレーキ化物類が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
本発明で用いる粉体(成分(C)を含む)は、いずれも、そのまま使用することができ、これらの1種又は2種以上が疎水化処理されたものを用いることもできる。疎水化処理としては、通常の化粧料用粉体に施されている処理であれば制限されず、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、アミノ酸系化合物、レシチン、アルキルシラン、油剤、有機チタネート等の表面処理剤を用い、乾式処理、湿式処理等を行えばよい。
表面処理剤の具体例としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルコキシシラン、フッ素変性シリコーン等のフッ素系化合物;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状シリコーン、片末端又は両末端トリアルコキシ基変性オルガノポリシロキサン、架橋型シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン等のシリコーン系化合物;ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸;プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン及びそれらの誘導体等のアミノ酸系化合物;レシチン、水添レシチン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン等のアルキルシラン;ポリイソブチレン、ワックス、油脂等の油剤;トリイソステアリン酸イソプロピルチタン等の有機チタネートなどが挙げられる。
また、本発明で用いる粉体は、更に、これらの1種又は2種以上が親水化処理されたものを用いることもできる。親水化処理としては、通常の化粧料用粉体に施されている処理であれば制限されない。
例えば、アラビアゴム、トラガカント、アラビノガラクタン、ローカストビーンガム(キャロブガム)、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、デオキシリボ核酸(DNA)及びその塩等の動物系高分子;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールシラン等のポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子など、さらに、シリカなど無機ケイ酸系化合物などが挙げられる。
本発明の固形粉末化粧料は、25℃で液状の油成分を含有することができる。25℃で流動性とする油成分であり、流動性を有する限りペースト状の油性成分も含まれる。
かかる25℃で液状の油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油。ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等の脂肪酸エステル;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油;クリーム状やペースト状の油成分として、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトルテリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、オレイン酸フィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)等が挙げられる。なかでも、25℃で液状の直鎖又は分岐の炭化水素油、25℃で液状の脂肪酸エステル、25℃で液状のシリコーン油が好ましく、25℃で液状の脂肪酸エステルがより好ましく、25℃で液状の脂肪酸ジエステルがさらに好ましく、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールがよりさらに好ましい。
25℃で液状の油成分の含有量は、固形粉末化粧料の成型性を良好にする点から、全組成中に1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、3〜8質量%がさらに好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油性成分、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
本発明の固形粉末化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、例えば、配合成分を混合した後、容器に充填してプレスすることにより、製造することができる。
本発明においては、通常より低い成型圧(2〜6kg/cm2程度)でも、優れた成型性を得ることができる。
本発明の固形粉末化粧料は、例えば、ファンデーション、プレストパウダー、ほほ紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料などとして好適である。
製造例1(ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの製造1)
2−エチル−2−オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA−4、東ソー社製)2.0gで、28℃15時間脱水を行った。
また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF−8015、信越シリコーン社製、重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで、28℃15時間脱水を行った。
上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。GPCにより測定した数平均分子量は2700であった。
この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液を一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(108g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.87、最終生成物の重量平均分子量は115000であった。
製造例2(ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの製造2)
硫酸ジエチル2.36g(0.0153モル)と2−エチル−2−オキサゾリン30.3g(0.306モル)をクロロホルム43mLに溶解し、窒素雰囲気下、5時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の末端反応性ポリマー(分子量2000)を合成した。ここに、3級アミノ変性シリコーン100g(アミノ基として0.0139モル)のクロロホルム270mL溶液を一括して加え、16時間加熱還流した。
反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(129g)として得た。最終生成物におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量比は0.75、最終生成物の重量平均分子量は28900であった。
(ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの水分散液の調製)
製造例1及び製造例2で得られた最終生成物をエタノールに溶解し、溶媒置換により12質量%水分散液を製造した。
実施例1〜10及び比較例1〜5
表1に示す組成の固形粉末ファンデーションを製造し、成型圧2.3kg/cm2 で成型したときの成型性(欠けのなさ、プレス面の均一性)、膨らみのなさ、指で押したときの柔らかさ、粉取れ、塗布時のなめらかさ、塗布時のサラサラ感を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
ヘンシェルミキサーを用いて、成分(A)、(C)、その他の粉体に、油剤を加えて混合物のバルクを調製した。次に、成分(B)の水分散液を粉体と油剤の混合物に加えて混合した。この混合物約20gを、直径75mm、深さ7mmのアルミ製中皿に、成型圧2.3kg/cm2で充填、プレス成型した後、50℃、常圧で3時間乾燥させ、固形粉末ファンデーションを得た。
(評価方法)
(1)成型性(欠けのなさ):
5;プレス成型品に欠けがない。
4;プレス成型品にほとんど欠けがない。
3;プレス成型品にやや欠けがある。
2;プレス成型品に欠けがある。
1;プレス成型品が大きな欠けがある。
(2)成型性(プレス面の均一性):
5;プレス面が均一でかなりキメが細かい。
4;プレス面が均一でキメが細かい。
3;プレス面が均一でややキメが細かい。
2;プレス面が不均一でややキメが粗い
1;プレス面が不均一でキメが粗い。
(3)膨らみのなさ:
5;プレス成型後の固形粉末ファンデーションの厚みにまったく変化がない。
4;プレス成型後の固形粉末ファンデーションが僅かに膨らんでいる。
3;プレス成型後の固形粉末ファンデーションがやや膨らんでいる。
2;プレス成型後の固形粉末ファンデーションが膨らんでいる。
1;プレス成型後の固形粉末ファンデーションがかなり膨らんでいる。
(4)指で押したときの柔らかさ:
5;固形粉末ファンデーションを上から指で押したときにかなり柔らかい。
4;固形粉末ファンデーションを上から指で押したときに柔らかい。
3;固形粉末ファンデーションを上から指で押したときにやや柔らかい。
2;固形粉末ファンデーションを上から指で押したときにあまり柔らかくない。
1;固形粉末ファンデーションを上から指で押したときにまったく柔らかくない。
(5)指でプレス表面を滑らせたときの粉取れ:
A;ちょうど良く取れる。
B;取れにくい。
C;取れすぎる。
(6)塗布時のなめらかさ:
5;塗布時の感触がかなり滑らか。
4;塗布時の感触が滑らか。
3;塗布時の感触がやや滑らか。
2;塗布時の感触があまり滑らかでない。
1;塗布時の感触が滑らかでない。
(7)塗布時のサラサラ感:
5;塗布時の感触のサラサラ感がかなりある。
4;塗布時の感触のサラサラ感がある。
3;塗布時の感触のサラサラ感がややある。
2;塗布時の感触のサラサラ感があまりない。
1;塗布時の感触のサラサラ感がまったくない。
Figure 2018104363

Claims (4)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)球状のシリコーン樹脂弾性粉体 11〜70質量%、
    (B)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1);
    Figure 2018104363
    (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、tは2又は3を示す)
    で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
    ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、
    隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの質量平均分子量が1000〜40000であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの質量平均分子量が15000〜200000であり、
    主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が65/35〜95/5であるオルガノポリシロキサン 1〜6質量%
    (C)合成金雲母及び鉄含有合成金雲母から選ばれる合成雲母 1〜25質量%
    を含有し、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、0.1〜0.7である固形粉末化粧料。
  2. 成分(A)が、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム弾性粉体である請求項1記載の固形粉末化粧料。
  3. 成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、1〜40である請求項1又は2記載の固形粉末化粧料。
  4. 成分(C)の平均粒子径が、5〜100μmである請求項1〜3のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
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