JP2000080015A - 固形粉末化粧料及びその製造方法 - Google Patents
固形粉末化粧料及びその製造方法Info
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Abstract
75以下であり、空隙率が0.4以上で、かつ耐衝撃性
値が5以上である固形粉末化粧料。 【効果】 使用感に優れ、割れが少ない。
Description
りした感触を有し、使用感に優れ、外力による割れが少
ない固形粉末化粧料に関する。
アイシャドウ等の固形粉末化粧料は、一般に、容器に原
料組成物を充填後圧縮して固化させるプレス成型法によ
り製造されている。しかし一般の固形粉末化粧料は、油
剤の配合量が比較的少ないため粉体間結合力が弱く、上
記プレス成型法では高いプレス圧が必要になる。その結
果得られた成型品は一般的に硬く、粉っぽい感触にな
る。固形粉末化粧料の硬度を低くすると、通常はそれに
伴って粉体間結合力が低下するため、成型品が外力によ
り割れ易くなる。
を低沸点有機溶剤などに混合してスラリー状とし、これ
を容器に充填した後、溶剤を除去して固化させる溶剤法
がある(特開昭56−108703号)。溶剤法は、内
容物を均一に充填できる点で有利であるが、乾燥時にス
ラリー中の多量の溶剤が揮発するのに伴って収縮やひび
割れが生じたり、成型後の内容物が外力により割れ易か
ったり、又はケーキングしやすいという欠点があった。
らかでしっとりとした感触を有し、粉取れ等の使用感に
優れ、しかも割れが生じ難い固形粉末化粧料を提供する
ことにある。
率及び耐衝撃性値を特定の数値とすれば、上記目的とす
る固形粉末化粧料が得られることを見出した。
度計C1L型で75以下であり、空隙率が0.4以上
で、かつ耐衝撃性値が5以上である固形粉末化粧料を提
供するものである。
/cm2 以下の皮膜形成性高分子からなる結合剤及び揮発
性溶剤を混合した後、揮発性溶剤を揮発させて固形化す
ることを特徴とする該固形粉末化粧料の製造方法を提供
するものである。
がアスカーゴム硬度計C1L型で75以下、特に10〜
75であり、空隙率が0.4以上、特に0.45〜0.
7であり、耐衝撃性値が5以上、特に7以上であること
が使用感及び割れの点で優れるので好ましい。また、固
形粉末化粧料がファンデーションである場合には、硬度
は10〜70、特に10〜65であるのがより好まし
く、アイシャドウの場合には、硬度が30〜75、特に
50〜75であるのがより好ましい。
カーゴム硬度計C1L型で測定する。以下の製造例にお
いては、直径54mm、深さ4mmのアルミ製中皿に試料を
充填、成型、乾燥したもので測定した。また、空隙率
は、成型品の重量、体積及び粉体バルクの真比重を測定
し、次式により求めた。
料をいう。また粉体バルクとは、成型前の粉体混合物を
乾燥したもので、その真比重は、島津製作所社製アキュ
ピック1330型を用いて測定した。
から、厚み25mmのラワン材ベニヤ板上にくり返し落下
させ、かけや割れなどの異常が生じるまでの回数を評価
したものである。
化粧料が所望の性能を示すことを見出したものである
が、より具体的には弾性率が200kg/cm2 以上の皮膜
形成性高分子及び粉体を含有する固形粉末化粧料が挙げ
られる。
率が200kg/cm2 以下、特に1〜100kg/cm2 であ
るものが好ましい。弾性率が200kg/cm2 を超えるも
のを用いた場合は、製品がやわらかさやなめらかさ等に
劣り、使用感が悪くなる。本発明において、弾性率は以
下のようにして測定した。すなわち、まず各皮膜形成性
高分子の10重量%溶液又は分散液を直径5cmのテフロ
ン製シャーレに10g量り取り、5日〜10日間自然乾
燥して得られた皮膜(厚さ0.3〜0.5mm)を、縦1
5mm、横5mmの短冊状に切り、測定用試料とした。この
試料を、25℃、相対湿度30%に24時間以上放置し
た後、動的粘弾性測定装置(UBM社製、レオスペクト
ラーDVE−V4)の引っ張り試験用ジグに固定し、加
振周波数10Hz、振幅10μmの条件で測定した。
子量が10,000〜1,000,000程度のものが
好ましく、例えば重合性二重結合を有する単量体の1種
以上を重合させて得られる高分子や、ポリ(N−アシル
アルキレンイミン)変性シリコーン(特開平5−112
423号、特開平7−133352号、特開平10−9
5705号)、ビニル・シリコーンブロックポリマー
(特開平11−100307号)などが挙げられる。重
合性二重結合を有する単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等のエチレ
ン性不飽和カルボン酸;ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等の不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリ
ルアミド、N−ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和
カルボン酸アミド;アミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N,N−トリメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート等のアミノ基含有不飽和カルボン酸エステル又
はその塩などの親水性単量体;スチレン、α−メチルス
チレン、クロロスチレン、アルキルスチレン等の芳香族
ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステル;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;酢
酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等のハロゲン化ビニル;トリフルオロエチルメタク
リレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメ
タクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオ
ロブチルメタクリレート、パーフルオロオクチルメタク
リレート、パーフルオロオクチルアクリレート等のフッ
素系単量体;下記の一般式(1)〜(5)で表わされる
ようなシリコーンマクロモノマーなどの疎水性単量体が
挙げられる。
を示し、R2 〜R10はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はフェニル基を示
し、nは1〜500の数を示す〕
ン)変性シリコーンとしては、分子内に式(6)
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基のいずれかを示し、mは2又は3である。)で表
される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレ
ンイミン)のセグメントと、オルガノポリシロキサンの
セグメントを有し、オルガノポリシロキサンのセグメン
トの末端に、又は側鎖として、ヘテロ原子を含むアルキ
レン基を介して、前記式(6)で表される繰り返し単位
からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメ
ントが結合しており、該ポリ(N−アシルアルキレンイ
ミン)のセグメントとオルガノポリシロキサンのセグメ
ントとの重量比が1/50〜20/1で、分子量が1
0,000〜500,000、特に50,000〜30
0,000のものが好ましい。
ーとしては、次の一般式(7)
又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又
はニトリル基を示し、R16、R17、R18及びR19は同一
又は異なって、水素原子、ハロゲン原子が置換していて
もよいアルキル基又はアリール基を示し、Yはハロゲン
原子が置換していてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分
岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、Aは−CON
H−基又は−COO−基を示し、Bは−NHCO−基又
は−OCO−基を示す。ここでAが−CONH−基のと
きBは−NHCO−基であり、Aが−COO−基のとき
Bは−OCO−基である。qは0〜200の数を示し、
pは0〜6の数を示し、aは2〜300の数を示す。)
で表されるシリコーンポリマー単位とフッ素原子を有し
ないビニルモノマー単位とを構成単位とするビニル・シ
リコーンブロックコポリマーであって、一般式(7)の
シリコーンポリマー単位を構成するシリコーンモノマー
の総数は5〜10 6であり、該ビニルモノマー単位の総
数は10〜106であり、該シリコーンモノマーの総数
と該ビニルモノマーの総数との和は102〜106であ
り、かつ該シリコーンモノマーの総数/該ビニルモノマ
ーの総数の比が1/99〜99/1であるブロックコポ
リマーを、その一例として挙げることができる。
とができ、全組成中に0.1〜15重量%、特に0.5
〜10重量%、更に1〜8重量%配合するのが好まし
い。
れる体質顔料又は着色顔料であれば特に制限されず、例
えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タル
ク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレ
ー、ベントナイト、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマ
ス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、
酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及
びカーボンブラック、これらの複合体等の無機粉体;ポ
リアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール
樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニ
ルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セル
ロース、長鎖アルキルリン酸金属塩、N−モノ長鎖アル
キルアシル塩基性アミノ酸等からなる有機物粉体、これ
らの複合体等の有機粉体、或は、上記無機粉体と有機粉
体との複合粉体などが挙げられる。
水性であるものや、表面を疎水化処理したものを使用で
き、使用感により優れるので好ましい。疎水化処理は、
例えばシリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、
アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モ
ノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ
酸、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物等の
疎水化処理剤を用いて行われる。
ず、常法に従って行えば良く、また粉体に対する疎水化
処理剤の処理量は、好ましくは0.05〜20重量%、
より好ましくは2〜10重量%である。
組成中に55〜99.9重量%、特に65〜99.9重
量%、更に75〜99.9重量%配合するのが好まし
い。
合でき、しっとり感や肌へのつきが向上するので好まし
い。油剤としては、例えばワセリン、ラノリン、セレシ
ン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバロウ、キ
ャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形
・半固形油分;スクワラン、流動パラフィン、エステル
油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコン油等
の流動油分;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ
デカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤など
が挙げられる。
き、全組成中に30重量%程度まで、特に20重量%以
下、更に15重量%以下の範囲で配合するのが好まし
い。
性剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、
香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制
汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等を、本発明の効果を損なわ
ない範囲で適宜配合できる。
弾性率が200kg/cm2 以下の皮膜形成性高分子及び揮
発性溶剤を混合した後、揮発性溶剤を揮発させて固形化
することにより製造される。ここで用いられる揮発性溶
剤としては、例えば水;エタノール、イソプロピルアル
コール等の低沸点アルコール;ヘキサン、イソパラフィ
ン、アセトン、酢酸エチル、揮発性シリコーン油などが
挙げられる。特に水又はアルコール水溶液が好ましい。
粉体、皮膜形成性高分子及び揮発性溶剤を混合する際に
は、粉体を40〜94.9重量%、特に50〜94.9
重量%、皮膜形成性高分子を0.1〜14重量%、特に
0.5〜10重量%、及び揮発性溶剤を5〜40重量%
混合するのが好ましい。揮発性溶剤を5〜40重量%使
用したときの混合物はやや湿った粉粒体であるが、揮発
性溶剤量を40重量%を超えて配合すると、特開昭56
−108703号にあるように「スラリー状」となり、
乾燥時にスラリー中の多量の溶剤が揮発するのに伴っ
て、固形分が収縮するため、空隙率が小さくなり、成型
品が固くなるとともにひび割れ等の問題が生じる場合が
あり、好ましくない。粉体、皮膜形成性高分子及び揮発
性溶剤の混合物を、容器に充填して圧縮成型し、適当な
条件(温度、圧力、時間)下で溶剤を揮発させることに
より、固形化粉末化粧料が得られる。ここに、圧縮成型
及び溶剤揮発の条件は、目的とする固形粉末化粧料の種
類、大きさ、形状に応じて適宜決めることができる。
た感触を有し、粉取れが良好で使用感に優れ、しかもひ
び割れがなく、外力による割れが少ない固形粉末化粧料
が得られる。本発明の固形粉末化粧料は、例えばファン
デーション、フェイスパウダー、ほほ紅、アイシャドウ
等のメイクアップ化粧料などとして好適である。
る。
過硫酸カリウム0.5部を仕込み、窒素ガスを流して溶
存酸素を除去した。一方滴下ロートにスチレン17部、
アクリル酸−2−エチルヘキシル33部、n−ドデシル
メルカプタン2.0部を仕込んだ。攪拌下に反応容器を
70℃まで昇温し、滴下ロートより上記モノマーを3時
間かけて滴下した。滴下終了後、3時間かけて熟成を行
い、若干の凝集物を除去し、固形分45重量%のアクリ
ル酸アルキル共重合体エマルジョンを得た。更に水で希
釈し、12重量%エマルジョンとした。
2部、アクリル酸n−ブチル33部、分子中にポリジメ
チルシロキサン構造を有するマクロアゾ重合開始剤(和
光純薬社製、VPS−0501、平均分子量3〜4万)
40部、メチルエチルケトン200部を仕込み、室温で
攪拌下、約1時間窒素ガスを流し、溶存酸素を除去し
た。攪拌下に反応容器を80℃まで昇温して6時間重合
を行った後、更に85℃で2時間熟成を行い、透明な粘
ちょう溶液を得た。得られた溶液をメチルエチルケトン
100部で希釈し、次いで、1N−NaOH5部で中和
した後、イオン交換水600部を加えた。得られた溶液
からメチルエチルケトンを減圧留去し、イオン交換水で
希釈し、固形分12重量%エマルジョンとした。
やわらかさ、なめらかさ、粉取れを以下の基準で評価し
た。すなわち、まず粉体成分を、ヘンシェルミキサーを
用いて混合した後、油分(ジメチルポリシロキサン)を
加え、更に皮膜形成性高分子を加えて混合した。これを
中皿に充填し、プレス成型した後、乾燥させて固形粉末
ファンデーションを得た。また、耐衝撃性については、
直径54mm、深さ4mmのアルミ製中皿に充填、3kg/cm
2 の圧力でプレス成型し、50℃、常圧で3時間乾燥さ
せたものを、50cmの高さから、厚み25mmのラワン材
ベニヤ板上にくり返し落下させ、かけや割れなどの異常
が生じるまでの回数で評価した。結果を表1に併せて示
す。本発明品は、比較品に比べて、やわらかな感触を有
し、なめらかさ、粉取れ等の使用感に優れ、かつ耐衝撃
性も良好であった。
7に記載のものをエタノールに溶解し、溶媒置換によっ
て12重量%水分散液としたもの。 *2:ヨドゾールGH−800(カネボウNSC社製)
を水で希釈し、12重量%エマルジョンとしたもの。
性シリコーン12重量%水分散液を用い、実施例1と同
様にして、表2に示す組成のアイシャドウを製造した。
評価結果を表2に示す。本発明品は比較品に比べて顕著
な耐衝撃性を有しており、使用感も良好であった。
Claims (4)
- 【請求項1】 硬度がアスカーゴム硬度計C1L型で7
5以下であり、空隙率が0.4以上で、かつ耐衝撃性値
(成型品を50cmの高さから厚み25mmのラワン材ベニ
ヤ板上にくり返し落下させたとき異常が生じるまでの回
数)が5以上である固形粉末化粧料。 - 【請求項2】 粉体及び弾性率が200kg/cm2 以下の
皮膜形成性高分子を含有するものである請求項1記載の
固形粉末化粧料。 - 【請求項3】 粉体、弾性率が200kg/cm2 以下の皮
膜形成性高分子及び揮発性溶剤を混合した後、揮発性溶
剤を揮発させて固形化することを特徴とする請求項1又
は2記載の固形粉末化粧料の製造方法。 - 【請求項4】 混合量が、粉体が40〜94.9重量
%、皮膜形成性高分子が0.1〜14重量%、そして揮
発性溶剤が5〜40重量%である請求項3記載の製造方
法。
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