JP3164974B2 - オルガノポリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサン及びその製造方法

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JP3164974B2 JP19605294A JP19605294A JP3164974B2 JP 3164974 B2 JP3164974 B2 JP 3164974B2 JP 19605294 A JP19605294 A JP 19605294A JP 19605294 A JP19605294 A JP 19605294A JP 3164974 B2 JP3164974 B2 JP 3164974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の用途が公知であ
るシリコーンオイルとして、またゴム状硬化物の原料と
して有用な含フッ素有機基を有する直鎖状オルガノポリ
シロキサン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】含フッ素有機基を有する直鎖状オルガノ
ポリシロキサンは、表面張力及び屈折率が小さく、また
電気絶縁性、離型性、撥水性、消泡性、耐油性、耐溶剤
性、潤滑性、耐熱性等に優れているので、広範囲の産業
分野で様々な用途に使用されている。
【0003】従来、このような含フッ素有機基を有する
直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、3,3,3−
トリフルオロプロピル基を有するものが多く知られてい
るが、より長鎖の含フッ素有機基を有するものとして
は、例えば、下記一般式: F−(Cb 2bO)c −Cd 2d−CH2 OR5 − (式中、bは1〜3の整数であり、cは1〜5の整数で
あり、dは1又は2であり、R5 は炭素原子数3〜10
の二価のフッ素を含まない有機基である)で表される長
鎖フルオロアルキルエーテル基等を有する直鎖状オルガ
ノポリシロキサン等が知られている(特開平2−219
829号公報、特開平2−219830号公報)。
【0004】ところで、含フッ素有機基を有する直鎖状
オルガノポリシロキサンの製造方法としては、当該含フ
ッ素有機基を有するシクロトリシロキサン単独で、又は
当該含フッ素有機基を有するシクロトリシロキサンをヘ
キサメチルシクロトリシロキサン等のフッ素を含まない
シクロトリシロキサンとともに、濃硫酸、活性白土、酸
処理活性白土、アルカリ金属の水酸化物若しくはシラノ
レート、水酸化第四級アンモニウム、水酸化第四級ホス
ホニウム等の触媒存在下で開環重合する方法(特公昭4
6−27267号;E.E.Bostick,ACS Polymer Preprint
10(2),877(1969); 特開平1−294738号)が知ら
れている。
【0005】しかし、上記の製造方法により、含フッ素
有機基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンを得よう
とすると、目的とする直鎖状オルガノポリシロキサンの
他に環状シロキサンや低分子量直鎖状シロキサンが副生
し、特に、環状シロキサンは3量体以上数十量体まで生
成する。これらのうち、低分子量直鎖状シロキサンや重
合度の低い環状シロキサンは得られた重合体を減圧下で
加熱することにより除去できるが、分子量約800以
上、特に分子量約1500以上の環状シロキサンの除去
は非常に困難である。したがって、この様にして得られ
た含フッ素有機基を有する直鎖状オルガノポリシロキサ
ンを公知の技術によってオイルとしてあるいはゴム状硬
化物、コーティング被膜等の添加剤ないしは原料として
用いると、残存する環状シロキサンがオイル、ゴム状硬
化物等から徐々に揮発したり、ゴム状硬化物表面にブリ
ードを起こし、電気分野においては電気接点トラブル、
建材分野では周辺汚染等の原因となっている。このよう
な障害の原因となり問題となるのは一般に分子量300
0以下の環状シロキサンである。
【0006】そこで、低分子量直鎖状シロキサン及び低
重合度環状シロキサンはもちろんのこと、分子量300
0以下の環状シロキサンを実質的に含有しない含フッ素
有機基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンの開発が
求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、分子
量3000以下の環状シロキサンを実質的に含有してい
ない含フッ素有機基を有する直鎖状オルガノポリシロキ
サンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1):
【化4】 〔式中、R1 は炭素原子数1〜10の非置換又は置換の
一価炭化水素基であり、R2炭素原子数2〜6のアル
キレン基、又は酸素原子を含む炭素原子数2〜6のアル
キレン基(但し、酸素原子はケイ素原子と結合しない)
であり、Rfは下記一般式(2):
【化5】 (式中、R3 は −CF(CF3 )−、−CF2 CF2 −又は−CF(C
3 )CF2 − であり、Lは0又は1であり、mは1〜5の整数であ
る) で表されるパーフルオロアルキルエーテル基又は下記一
般式(3): Ca2a+1− (3) (式中、aは1〜20、特に1〜10の整数である)で
表されるパーフルオロアルキル基であり、Xは同一でも
異なってもよく、水素原子又は下記一般式(4): (R4 )3 Si− (4) (式中、R4 は水素原子又は前記のR1 で示したものと
同様の基である)で表されるオルガノシリル基であり、
nは15〜4000の整数である〕で表される直鎖状オ
ルガノポリシロキサンのみから実質的になり、分子量3
000以下の環状ポリシロキサンの含有量が50ppm
以下であるオルガノポリシロキサンを提供するものであ
る。
【0009】本発明者らは、特定のシクロシロキサンを
開環重合させると分子量約800以上の環状シロキサン
の副生が抑制されること、こうして得られた重合体にス
トリッピング処理を施すことにより目的とするオルガノ
ポリシロキサンが得られることを見出した。
【0010】即ち、本発明のオルガノポリシロキサン
は、例えば、(A)下記一般式(5):
【化6】 (式中、R1 、R2 及びRfは前記の通りである。)で
表されるシクロテトラシロキサンを、水又は下記一般式
(6): (R4 )3 Si−O−Si( R4 )3 (6) (式中、R4 は前記の通りである)で表されるオルガノ
ジシロキサン及び下記一般式(7): (R4 )3 SiNHSi( R4 )3 (7) (式中、R4 は前記の通りである)で表されるオルガノ
ジシラザンから選ばれる少なくとも一種、及び触媒の存
在下で開環重合する工程、並びに(B)工程(A)で得
られる重合体をストリッピングする工程を有する方法に
より製造することができる。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。直鎖状オルガノポリシロキサン 本発明のオルガノポリシロキサンは、一般式(1)で表
されるように、両末端が水素原子又は一般式(4)で表
されるオルガノシリル基で停止され、側基として炭素原
子数 1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基R1
び二価の有機基R2 に含フッ素有機基Rfが結合してな
る基Rf−R2 −を有する直鎖状オルガノポリシロキサ
ンのみから実質的になり、分子量3000以下の環状ポ
リシロキサンの含有量が50ppm以下のものである。
【0012】上記の一価炭化水素基R1 としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル
基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル
基、キシリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、
プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセ
ニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジ
ル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;クロロメチ
ル基、クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基等の先に例示の炭化水素基の水素原子の一部又
は全部を塩素、フッ素等のハロゲン原子で置換した基等
の炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜6のものが
挙げられる。
【0013】上記のR 2 としては、例えば、−CH2
2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH(CH3 )C
2 CH2 −、−(CH26 −、−(CH24 −、
−CH(CH3 )CH2 −等の炭素原子数2〜6のアル
キレン基;−CH2 CH2 CH2 O−、−CH2 CH2
CH2 OCH2 −、−CH2 CH2 O−、−CH2 OC
2 −、−CH2 CH2 OCH2 −、−(CH24
−、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −等の酸素原子を含
む炭素原子数2〜6のアルキレン基(但し、一般式(1)
及び(5) において酸素原子はケイ素原子と結合しない)
等が挙げられる。
【0014】上記の含フッ素有機基Rfは、一般式
(2)で表されるパーフルオロアルキルエーテル基又は
一般式(3)で表されるパーフルオロアルキル基であ
る。該パーフルオロアルキルエーテル基としては、例え
ば、
【化7】CF3 CF2 CF2 OCF(CF3 )CF
2 −,CF3 CF2 CF2 OCF2 CF2 −,F−〔C
F(CF3 )CF2 O〕k −,CF3 CF2 CF2 OC
F(CF3 )−,CF3 CF2 CF2 O〔CF(C
3 )CF2 O〕p CF2 CF2 −,CF3 CF2 CF
2 O〔CF(CF3 )CF2 O〕p CF(CF3 )CF
2 −,CF3 CF2 CF2 O〔CF(CF3 )CF
2 O〕p CF(CF3 )−,(但し、kは1、2、3、
4又は5であり、pは1、2、3又は4である)等が挙
げられる。また、該パーフルオロアルキル基としては、
例えば、
【化8】CF3 − , CF3 CF2 − , CF3
2 CF2 − ,CF3 (CF2 2 CF2 − , C
3 (CF2 6 CF2 − ,CF3 (CF2 q CF
2 −(但し、qは3〜8又は9〜18の整数) ,(C
3 2 CFCF2 CF2 − ,(CF3 2 CF−
,(CF3 2 CFCF2 −等が挙げられる。
【0015】一般式(4)で表されるオルガノシリル基
としては、例えば、
【化9】(CH3 3 Si− , (CH2 =CH)(C
3 2 Si− ,(CH2 =CH)2 (CH3 )Si
− ,(CH2 =CH)3 Si− ,(CH3
2 (H)Si−等が挙げられる。本発明の直鎖状オルガ
ノポリシロキサンの重合度は、目的、用途に応じ、広範
囲で選定し得るものであるが、一般式(1) のnの値で通
常15〜4000、特に50〜2000、より典型的に
は100〜1000程度のものが挙げられる。
【0016】本発明が意図する含フッ素有機基を有する
直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記
式:
【化10】 〔但し、X1 は水素原子又は(CH3 3 Si−,(C
2 =CH)3 Si−,(CH2 =CH)(CH3 2
Si−,(CH2 =CH)2 (CH3 )Si−及び(C
3 2 (H)Si−から選ばれるオルガノシリル基で
あり、kは1、2、3、4又は5であり、nは前記のと
おりである〕で表される直鎖状オルガノポリシロキサン
が挙げられる。
【0017】製造法 本発明のオルガノポリシロキサンは、例えば、(A)一
般式(5)で表されるシクロテトラシロキサンを、水又
は一般式(6)で表されるオルガノジシロキサン及び/
又は一般式(7)で表されるオルガノジシラザン、及び
触媒の存在下で開環重合し、次いで(B)得られた重合
体をストリッピングすることにより得られる。
【0018】工程(A):単量体として用いられる一般
式(5)で表されるシクロテトラシロキサンの好適な例
としては、例えばR1 がメチル基である場合の、下記一
般式(8):
【化11】 (式中、R2 及びRfは前記の通りである)で表される
ペンタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。該
シクロテトラシロキサンは、例えば、下記反応式:
【化12】 (式中、R2 及びRfは前記の通りである)で示される
ように、前記有機基Rf−R2 −及びR1 として例えば
メチル基を有するジクロロシランとR1 として例えばメ
チル基を有するヘキサメチルシクロトリシロキサンと
を、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
メチルホスホリックアミド、ジメチルスルホキシド等の
非プロトン性の極性有機溶媒中で反応させて含フッ素有
機基を有するヘプタメチル−α,ω−ジクロロテトラシ
ロキサンとした後、該ジクロロテトラシロキサンを加水
分解し、環化することにより得られる。
【0019】本工程で用いられる触媒は、通常シクロト
リシロキサンの開環重合に用いられるものでよく、例え
ば、濃硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸;活
性白土;水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;
アルカリ金属のシラノレート;水酸化第四級アンモニウ
ム;水酸化第四級ホスホニウム等が挙げられる。これら
の中でもトリフルオロメタンスルホン酸が好適である。
上記の触媒の使用量は特に限定されず、得られる重合体
の重合度が15〜4000の範囲である限り任意であ
る。具体的には、通常、前記シクロテトラシロキサン1
00重量部に対して0.01〜1.0重量部、好ましく
は0.05〜0.5重量部である。
【0020】本工程では、前記単量体及び触媒とともに
水又は一般式(6)で表されるオルガノジシロキキサン
及び/又は一般式(7)で表されるオルガノジシラザン
を仕込む。水を仕込んで重合反応を行った場合は、末端
が水素原子で停止された直鎖状オルガノポリシロキサン
が得られる。ここで、反応系に仕込まれる水の量は、反
応混合物中のケイ素原子/H2 Oのモル比が20〜60
00の範囲の少量でよい。水を仕込む際には、例えば、
ジオキサン、グライム、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル等の親水性の有機溶媒と混合して仕込んでもよい。該
親水性の有機溶媒は開環重合反応で生成した直鎖状オル
ガノポリシロキサンと分離が容易で、かつ該直鎖状オル
ガノポリシロキサンの物性に悪影響をあたえないもので
あればよい。
【0021】一般式(6)で表されるオルガノジシロキ
キサン及び/又は一般式(7)で表されるオルガノジシ
ラザンを仕込んで重合反応を行った場合は、末端が一般
式(4)で表されるオルガノシリル基で停止された直鎖
状オルガノポリシロキサンが得られる。該オルガノジシ
ロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサ
ン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,
3−ジメチルテトラビニルジシロキサン、1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサビニルジシロキ
サン等が挙げられ、又、オルガノジシラザンとしては前
記で例示したそれぞれのオルガノジシロキサンに対応す
る同様の置換基を有するオルガノジシラザン、例えばヘ
キサメチルジシラザン、1,3−ジビニルテトラメチル
ジシラザン、1,3−ジメチルテトラビニルジシラザ
ン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサ
ビニルジシラザン等が挙げられる。上記のオルガノジシ
ロキサン及び/又はオルガノジシラザンの使用量は特に
限定されないが、通常、前記シクロテトラシロキサン1
00重量部に対して0.003〜10.0重量部、好ま
しくは0.01〜5.0重量部である。
【0022】前記開環重合反応の温度は、通常、200
℃以下であり、好ましくは50〜150℃である。反応
温度が高過ぎると低分子環状シロキサンの副生が増す恐
れがある。また、前記開環重合反応に要する時間は、通
常、数分〜数十時間の範囲で適宜調整されるが、好まし
くは5〜20時間である。
【0023】上記の開環重合反応は非溶媒系で行うこと
もできるし、溶媒系で行うこともできる。溶媒系で行う
場合に使用される溶媒としては、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジグライム、テトラグライム等の
非プロトン性溶媒;フロン等のハロゲン系溶媒等が挙げ
られる。
【0024】重合反応終了後、得られた重合体中に残存
する触媒を中和処理して重合体を安定化することが望ま
しい。中和処理は、例えば、重合反応後の反応液に中和
剤を添加することにより行われる。中和剤としては、例
えば、アンモニア、エチレンクロルヒドリン等が挙げら
れる。
【0025】工程(B):工程(A)を経た反応混合物
は、通常、ろ過により中和反応で生成した塩を除去した
り、蒸留により溶媒を除去した後、工程(B)のストリ
ッピングに供される。ストリッピングの方法としては、
例えば、薄膜式蒸留、溶媒抽出等が挙げられる。
【0026】薄膜式蒸留は、好ましくは100℃以上、
より好ましくは200〜300℃において、好ましくは
10-1mmHg以下、より好ましくは10-2〜10-5
mHgで行われる。このとき、オルガノポリシロキサン
がビニル基、シラノール基等の官能基を有する場合に
は、これら基の反応により重合が起こらない温度を選択
する必要がある。薄膜式蒸留に使用される蒸留装置は特
に限定されず、通常の分離精製に用いられるものでよ
い。例えば、ハイエバオレーター攪拌式薄膜蒸留機
〔(株)櫻製作所製〕、遠心式分子蒸留装置〔日本車輌
(株)製〕等が挙げられる。
【0027】溶媒抽出に使用される溶媒は、目的とする
直鎖状オルガノポリシロキサンと反応せず、該オルガノ
ポリシロキサンを溶解せず、かつ低分子の直鎖状オルガ
ノポリシロキサン及び環状シロキサンの揮発性成分を溶
解するものであり、かつポリマ−鎖を分断しないもので
あれば、特に限定されない。該溶媒としては、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
等の有機溶媒が挙げられる。
【0028】上記のストリッピングは、2以上の段階繰
り返してもよいし、また異なるストリッピング方法をを
組み合わせて行ってもよい。こうしてストリッピング工
程を経た重合体は、分子量3000以下の環状シロキサ
ンが50ppm以下に低減され、その他の揮発性シロキ
サンも実質的に除去されている。
【0029】用途 本発明の含フッ素有機基を有する直鎖状オルガノポリシ
ロキサンは、グリース、化粧品、シーリング材、塗料、
コーティング材等の用途に用いられるシリコーンオイ
ル、ゴム状硬化物等の原料又は添加物として有用であ
る。このオルガノポリシロキサンは、揮発性の低分子量
直鎖状シロキサンも環状シロキサンも実質的に全く含有
しないので、低分子量成分が揮発したり、ブリードを起
こすことがない。そのため、電子電気材料としてもちい
た場合の接点異常、建築材料として用いた場合の周辺汚
染の問題が起こらない。
【0030】
【作用】本発明の製造方法によれば、環状シロキサンを
実質的に含まない、実質的に意図する含フッ素有機基を
有する直鎖状オルガノポリシロキサンのみからなるオル
ガノポリシロキサンが得られる。これには前記製造方法
における重合工程(A)で単量体として用いられる一般
式(5)のシクロテトラシロキサンの構造が大きく寄与
している。その理由は明らかではないが、出発単量体と
して含フッ素有機基を有するヘキサメチルトリシロキサ
ンを用いて同様に製造を行っても分子量約800以上の
環状体を多量に含有する含フッ素有機基を有するメチル
ポリシロキサンが得られることから、原料であるシクロ
テトラシロキサンの分子中の4個のシロキサン結合の反
応性が同等でないためと推定される。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。本発明は以下
の実施例により何ら限定されるものではない。尚、以下
の実施例において粘度は25℃での測定値である。
【0032】実施例1 攪拌器及び温度計を装着した1リットルセパラフラスコ
に、下記式:
【化13】 で表されるシクロテトラシロキサン1000g(1.3
74モル)、ヘキサビニルジシロキサン3.2g(0.
0137モル)及びトリフルオロメタンスルホン酸1.
5gを混合し、得られた混合液を攪拌しながら80℃に
昇温し、80℃のまま16時間攪拌した。次いで、この
16時間攪拌後の液を50℃まで冷却し、28%アンモ
ニア水3.4gを投入し50℃のまま2時間攪拌して触
媒を中和した。中和後の液を150℃で減圧蒸留した
後、中和反応により生成した塩をろ別し、重合体の粗精
製物836g(粘度:3930cSt)を得た。
【0033】上記の重合体の粗精製物836gを薄膜式
分子蒸留装置〔日本車輌(株)製、MS−150〕を用
いて、270℃、1×10-4mmHgで薄膜式蒸留して
重合体精製物684g(粘度:10600cSt)を得
た。
【0034】得られた重合体精製物に含まれる分子量3
000以下の環状ポリシロキサンの含有量を定量するた
めに、該重合体精製物をガスクロマトグラフィーに供し
た。上記重合体精製物1.00gに、n−デカン(内部
標準物質として用いた)を20ppm含有するアセトン
10.00gを混合し震盪後、得られた混合液を24時
間静置して得られたアセトン層から試料を採取し、ガス
クロマトグラフィーに供した。分析装置としては、島津
G.C.14A(検出器:フレームイオン検出器)及び
GL製キャピラリーカラムTC−1701(0.53m
m×30m)を用いた。また、カラム温度条件は、以下
の(1)〜(3)を順に行った。 (1)70℃で1分間保持 (2)70℃から270℃まで15℃/分で昇温 (3)270℃で40分間保持 上記の通りに分析を行い、得られたガスクロマトグラフ
ィーのチャートから、上記重合体精製物に含まれる分子
量3000以下の環状ポリシロキサンの定量を行ったと
ころ、1ppm以下であった。
【0035】さらに、上記で得られた重合体について、
ビニル基含有量、赤外線吸収スペクトル及び 1H−NM
Rスペクトル分析の結果は、以下の通りであった。この
結果から、上記で得られた重合体は下記式:
【化14】 で表される直鎖状オルガノポリシロキサンであることが
確認された。
【0036】ビニル基含有量 実測値 0.0078 モル/100g 理論値 0.0082 モル/100g赤外線吸収スペクトル 図1に示す。 990〜1130 cm -1 ( Si-O-Si ) 810 , 1260 , 2970 cm -1 ( Si-CH3 ) 1000 〜1450 cm -1 ( C-F ) 1H−NMRスペクトル (フレオン113 溶媒) δ値(ppm) 0.26 〜0.47 (m, Si-CH3 , 21H) 0.76 〜1.20 (m, Si-CH2 - , 2H) 1.76 〜2.80 (m, -CH2 -CF2 - , 2H)
【0037】実施例2 攪拌器及び温度計を装着した1リットルセパラフラスコ
に、下記式:
【化15】 で表されるシクロテトラシロキサン1000g(1.1
9モル)及び水酸化カリウム2.67gを混合し、得ら
れた混合液を150℃に昇温し、150℃のまま2時間
攪拌した。次いで、この2時間攪拌後の液に水0.22
g(0.0122モル)を加え、150℃のまま更に1
0時間攪拌した。この10時間攪拌後の液を100℃ま
で冷却し、エチレンクロルヒドリン9.6gを投入し1
00℃のまま2時間攪拌して触媒を中和した。中和後の
液を100℃で減圧蒸留した後、中和反応により生成し
た塩をろ別し、重合体の粗精製物921g(粘度:28
60cSt)を得た。
【0038】上記の重合体の粗精製物921gを薄膜式
分子蒸留装置を用いて200℃、1×10-4mmHgで
薄膜式蒸留し、次いで、アセトンを用いて溶媒抽出し、
さらに、100℃、2mmHgで重合体中に残留してい
るアセトンを減圧蒸留して重合体の精製物725g(粘
度:5920cSt)を得た。なお、上記で得られた精
製後の重合体について、水酸基含有量、赤外線吸収スペ
クトル及びNMRスペクトル分析の結果は、以下の通り
であった。この結果から、上記で得られた重合体は下記
式:
【化16】 で表される直鎖状オルガノポリシロキサンであることが
確認された。
【0039】水酸基含有量 実測値 0.0019 モル/100g 理論値 0.0024 モル/100g赤外線吸収スペクトル 図2に示す。 1000 〜1130cm -1 ( Si-O-Si ) 810cm-1 , 1260cm-1 , 2970cm-1 ( Si-CH3 ) 1000 〜1450cm -1 ( C-F ) 1H−NMRスペクトル (フレオン113 溶媒) δ値(ppm) 0.20 〜0.47 (m, Si-CH3 , 15H) 0.50 〜0.97 (m, Si-CH2 - , 2H) 1.57 〜2.23 (m, Si-C-CH2 - , 2H) 3.70 〜4.30 (m, -CH2 -CF2 - , 2H)
【0040】このオルガノポリシロキサンに含まれる分
子量3000以下の環状シロキサンの含有量は32pp
mと測定された。
【0041】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサンは、実
質的に含フッ素有機基を有する直鎖状オルガノポリシロ
キサンのみからなり、環状シロキサンを実質的に含有し
ていない点で新規である。該オルガノポリシロキサンは
上述のように、揮発やブリードの恐れのある成分を含ま
ないので、特に電子、電気分野や建築分野で有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたオルガノポリシロキサンの
赤外線吸収スペクトルのチャートである。
【図2】実施例2で得られたオルガノポリシロキサンの
赤外線吸収スペクトルのチャートである。
フロントページの続き (72)発明者 小林 延幸 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 石田 浩一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−293831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/24 C08G 77/06 C08G 77/385

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は炭素原子数1〜10の非置換又は置換の
    一価炭化水素基であり、R2炭素原子数2〜6のアル
    キレン基、又は酸素原子を含む炭素原子数2〜6のアル
    キレン基(但し、酸素原子はケイ素原子と結合しない)
    であり、Rfは下記一般式(2): 【化2】 (式中、R3 は −CF(CF3 )−、−CF2 CF2 −又は−CF(C
    3 )CF2 − であり、Lは0又は1であり、mは1〜5の整数であ
    る) で表されるパーフルオロアルキルエーテル基又は下記一
    般式(3): Ca2a+1− (3) (式中、aは1〜20の整数である)で表されるパーフ
    ルオロアルキル基であり、Xは同一でも異なってもよ
    く、水素原子又は下記一般式(4): (R4 )3 Si− (4) (式中、R4 は水素原子又は前記のR1 と同様の基であ
    る)で表されるオルガノシリル基であり、nは15〜4
    000の整数である〕で表される直鎖状オルガノポリシ
    ロキサンのみから実質的になり、分子量3000以下の
    環状ポリシロキサンの含有量が50ppm以下であるオ
    ルガノポリシロキサン。
  2. 【請求項2】 (A)下記一般式(5): 【化3】 (式中、R1 、R2 及びRfは前記の通りである。)で
    表されるシクロテトラシロキサンを、水又は下記一般式
    (6): (R4 )3 Si−O−Si( R4 )3 (6) (式中、R4 は前記の通りである)で表されるオルガノ
    ジシロキサン及び下記一般式(7): (R4 )3 SiNHSi( R4 )3 (7) (式中、R4 は前記の通りである)で表されるオルガノ
    ジシラザンから選ばれる少なくとも一種、及び触媒の存
    在下で開環重合する工程、並びに(B)工程(A)で得
    られる重合体をストリッピングする工程を有する請求項
    1に記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
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