JPH08176446A - 硬化性シリコーン組成物及びその硬化物 - Google Patents

硬化性シリコーン組成物及びその硬化物

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JPH08176446A
JPH08176446A JP32480994A JP32480994A JPH08176446A JP H08176446 A JPH08176446 A JP H08176446A JP 32480994 A JP32480994 A JP 32480994A JP 32480994 A JP32480994 A JP 32480994A JP H08176446 A JPH08176446 A JP H08176446A
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silicone composition
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JP32480994A
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Kenichi Fukuda
健一 福田
Yasuro Tarumi
康郎 樽見
Tomofumi Sudo
智文 須藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 接点トラブルや周辺汚染を起こさない硬化性
含フッ素シリコーン組成物及びその硬化物を提供する。 【構成】 (A)パーフルオロアルキル基又はパーフル
オロオキシアルキル基と少なくとも分子鎖末端にけい素
原子に結合したビニル基を有し、分子量が 3,000以下の
環状ポリシロキサンの含有率が1ppm以下であるオルガノ
ポリシロキサン、(B)シラン類、シロキサン類で表面
処理されていない未処理充填剤、(C)1分子中に、け
い素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(D)白金
族金属系触媒、からなることを特徴とする組成物。及び
前記組成物を硬化させて得られる硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低分子シロキサン等の
低分子有機けい素化合物を実質的に含まず、電気・電子
用、建材用として好適な硬化性シリコーン組成物及びそ
の硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサンは、低表面張力
及び低屈折率を有し、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、撥
水性、離型性、消泡性、耐薬品性等の特性が優れている
ため、広範囲の産業分野において使用されている。しか
し、最近の技術の進展に伴い、さらに高度の要求に応え
るために、種々の特性に優れたオルガノポリシロキサン
の開発が要請されている。
【0003】これらの要求のいくつかに応えるものとし
ては、例えば、分子内に含フッ素有機基を有するオルガ
ノポリシロキサンが知られている。長鎖のフルオロアル
キル基やフルオロポリエーテル基等の含フッ素有機基を
有するオルガノポリシロキサンを製造する方法として
は、当該含フッ素有機基を有するシクロトリシロキサン
を合成し、これを単独で、あるいはヘキサメチルシクロ
トリシロキサン等のフッ素を含まないシクロトリシロキ
サンと共に、濃硫酸、活性白土、酸処理活性白土、アル
カリ金属の水酸化物もしくはシラノレート、水酸化第四
級アンモニウム、水酸化第四級ホスホニウム等の触媒の
存在下で重合する方法が考えられる。しかしこの方法に
おいては、解重合反応も生起するため、目的とする高分
子体を高収率で得ることが困難であり、また、含フッ素
シクロトリシロキサンとフッ素を含まないシクロトリシ
ロキサンの共重合の場合、両者の反応性の違いにより、
含フッ素有機基が各分子に均一に導入されたポリオルガ
ノシロキサンを得ることも困難であった。
【0004】さらに、上記の製造方法では、解重合反応
の生起のため、目的の高分子鎖状シロキサンの他に、環
状シロキサンや低分子量の直鎖状シロキサンが副生し、
特に環状シロキサンは3量体から数十量体まで連続的に
生成する。これらのうち、低分子量の直鎖状シロキサン
や重合度の低い環状シロキサンは、重合体を減圧下に加
熱することにより容易に除去できるが、分子量 740以
上、特に分子量 1,480以上の環状シロキサン(通常、ジ
メチルシロキサン換算で環状10量体以上、特に環状20量
体以上)の除去は非常に困難である。従って、この様に
して得られたポリオルガノシロキサン重合体は、公知の
技術によって、オイル、ゴム状硬化物、コーティング被
膜等の形態で用いられるわけであるが、該オルガノポリ
シロキサン中に含まれる環状シロキサンがオイル、ゴム
状硬化物、被膜等から徐々に揮発、ブリードを起こし、
電気分野においては電気接点トラブル、建材分野では周
辺汚染等の原因となっている。
【0005】低分子量の直鎖状シロキサンや環状シロキ
サンを副生しないオルガノポリシロキサンの製造方法と
しては、例えば下記式
【化3】 (式中、Mはアルカリ金属、AはSi原子またはホウ素原
子、Q1及びQ2はアルキル基等の一価炭化水素基であり、
uはAがSiのとき1、Aがホウ素のとき0であり、vは
0〜2の整数である)で表わされる触媒を用いて、ヘキ
サメチルシクロトリシロキサン等を重合する方法が提案
されている(特公昭 45-1070号、米国特許第 3,445,426
号各公報参照)。しかしながら、この様な触媒を用いて
も、10量体以上の環状シロキサンが400ppm以上生成する
ことが明らかとなっている。
【0006】また、リチウムシラノレートや有機リチウ
ム化合物を触媒としたヘキサメチルシクロトリシロキサ
ンの単独重合、あるいはヘキサメチルシクロトリシロキ
サンとヘキサフェニルシクロトリシロキサン等とのブロ
ック共重合による単分散ポリオルガノシロキサンの製造
方法も公知である(特公昭46-27267号公報、E.E.Bostic
k, ACS Polymer Preprint, 10(2), 877(1969) 、特開平
1-294738号公報等参照)。ところが、この方法も前記と
同様に、2,000ppm以上の割合で10量体以上の環状シロキ
サンの生成が避けられない。
【0007】さらに、減圧・加熱によるストリップや溶
剤抽出等の手段による低分子量直鎖状シロキサン、環状
シロキサンの除去方法も行われているが(例えば特開昭
64-69306号公報参照)、この方法は、例えば含有する環
状体のうち何量体までカットできるかという精製レベル
を向上させるものであり、環状シロキサン等の副生を防
止するものではない。
【0008】また、ポリオルガノシロキサンの組成物と
して見た場合、上記環状シロキサンのみでなく、トリメ
チルシラノールやヘキサメチルジシロキサン等の低分子
シロキサンを発生させるシラン、シロキサン類で表面処
理されたシリル化処理フィラー、さらにはオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン、接着付与剤等のシロキサン
化合物も環状シロキサン類を発生させる原因となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、含フッ素シリ
コーン系組成物についても、直鎖状あるいは環状の低分
子シロキサンやシラン類を含まないオルガノポリシロキ
サン(ベースポリマー)と、同じく低分子シロキサン等
を含まない充填剤、その他同様に低分子シロキサン等を
含まない添加剤よりなる組成物が望まれている。本発明
は、この様な成分からなる鎖状あるいは環状の低分子シ
ロキサンやシラン類を実質的に含まない硬化性組成物、
また、その硬化物を提供しようとしてなされたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、後記する方法により得
られる分子量が 3,000以下の環状ポリシロキサンの含有
率が1ppm 以下である含フッ素オルガノポリシロキサン
に、表面改質されていない充填剤を配合することによ
り、硬化物中のトリメチルシラノール及び分子量 3,000
以下の環状シロキサン(ジメチルシロキサンとして通
常、環状3量体〜環状40量体に相当する)の合計が1pp
m 以下となることを見出した。
【0011】即ち、本発明により、前記の課題を解決し
たものとして、(A)下記一般式(1)
【化4】 [式中、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は二
価の有機基、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル
基又は炭素数5〜18のパーフルオロオキシアルキル基、
Xは下記式(2)
【化5】 (式中、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基、pは1
〜3の整数である)で表わされる基であり、mは15〜4,
000 の整数、nは0≦n/(n+m)≦0.1 を満足する
整数である]で表わされ、分子量が 3,000以下の環状ポ
リシロキサンの含有率が1ppm 以下であるオルガノポリ
シロキサン、(B)シラン類、シロキサン類で表面処理
されていない未処理充填剤、(C)1分子中に、けい素
原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン、及び(D)白金族金
属系触媒からなることを特徴とする硬化性シリコーン組
成物、及びその硬化物が提供される。
【0012】以下にこれをさらに詳述する。本発明の組
成物における(A)成分のオルガノポリシロキサンは本
発明の組成物のベースポリマーとなる成分であり、前記
一般式(1)で示されるものであり、1分子中に、分子
鎖末端のけい素原子に結合した脂肪族不飽和基を少なく
とも2個有するものである。即ち、この脂肪族不飽和基
と後述する(B)成分のSi-H基とのヒドロシリル化反応
(付加反応)によりゴム弾性を有する硬化物が形成され
るのである。
【0013】前記一般式(1)において非置換又は置換
の一価炭化水素基R1としては通常炭素数1〜10、好まし
くは脂肪族不飽和結合を除く炭素数1〜8のものが挙げ
られるが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、
ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール
基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、
及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又
は全部を塩素、臭素などのハロゲン原子等で置換した
基、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモ
エチル基等を例示することができる。これらの中でも特
にメチル基、フェニル基が好適である。また、二価の有
機基R2としては炭素数1〜12、好ましくは炭素数2〜6
のアルキレン基、アリーレン基やこれらを組み合わせた
2価炭化水素基、あるいは間に酸素原子やアミド結合を
介在させたアルキレン基であってもよい。例えば、下記
式で示されるものが挙げられる。 -(CH2)a-、-(CH2)b-O-(CH2)c- 、-(CH2)c-NR5-CO- (式中、a、b及びcはR2の炭素原子数が12以下である
ように適宜選択される1以上の整数であり、R5は水素原
子、メチル基、エチル基、フェニル基が好適である。)
【0014】また、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロア
ルキル基又は炭素数5〜18のパーフルオロオキシアルキ
ル基であるが、パーフルオロアルキル基には下記式
(3) CLF2L+1- (3) (式中、Lは1〜12、好ましくは4〜10の整数)で表わ
される直鎖状あるいは分岐状のパーフルオロアルキル基
が好ましく、これにはCF3-、C2F5- 、C3F7- 、C4F9- 、
C5F11-、C6F13-、C8F17-、C10F21- 、C12F23- 等を例示
することができる。パーフルオロオキシアルキル基は炭
素数5〜18、好ましくは炭素数5〜12の直鎖状あるいは
分岐状のものであるが、具体的には下記式(4)
【化6】 [式中、R4は -CF(CF3)-、-CF2-CF2- 又は-CF(CF3)CF2-
であり、qは1〜5の整数である]で表わされるパーフ
ルオロオキシアルキル基が好ましく、例えば
【0015】
【化7】 等が挙げられる。
【0016】またXは前記式(2)で表わされる基であ
り、該式(2)中のR3は前記R1として例示したものと同
様の炭素数1〜10、好ましくは脂肪族不飽和結合を除
く、炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基で
あり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などの
アリール基、2−フェニルエチル基などのアラルキル
基、およびこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の
一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換し
た基、例えばクロロメチル基、トリフロロプロピル基、
シアノエチル基等を例示することができる。また、一般
式(1)においてmは15〜4,000 、好ましくは15〜1,00
0 の整数であり、nは0≦n/(n+m)≦0.1 を満足
する整数である。
【0017】(A)成分のオルガノポリシロキサンは以
上に説明した基を有するものであるが、さらに、分子量
が 3,000以下の環状ポリシロキサン(ジメチルポリシロ
キサンとして、通常環状3量体〜40量体)の含有率が1
ppm 以下、通常0.05〜1ppm、特に 0.1〜0.6ppmである
ことを特徴としている。この(A)成分の鎖状オルガノ
ポリシロキサンは、下記一般式(5)
【化8】 (式中、R1、R2、Rfは前記と同じ)で表わされる含フッ
素シクロトリシロキサン、又は該含フッ素シクロトリシ
ロキサンと下記一般式(6)
【化9】 で表わされる含ビニルシクロトリシロキサンとの混合物
を出発原料として使用することにより製造することがで
きる。
【0018】即ちこれらの原料を、リチウムシラノレー
ト触媒、又は下記一般式(7)
【化10】 [式中、R4及びR5は一価の有機基であり、Mは(R6)4Nで
示される第4級アンモニウムイオン、C5H5NR6 で示され
るピリジニウムイオン、(R6)4Pで示される第4級ホスホ
ニウムイオン、及びLi、Na、K 、Rb、Cs等のアルカリ金
属原子から選択され(ここでR6は一価の有機基であ
る)、AはSi又はホウ素原子を表わし、sはAがSiのと
き1、Aがホウ素のとき0であり、tは0〜2の整数で
ある]で表わされる触媒の存在下で加熱重合し、不活性
化処理、シリル化処理を行った後、重合生成物を精製し
て、揮発成分を除去することにより、低分子量直鎖状オ
ルガノポリシロキサン(分子量 1,500以下)はもちろん
のこと、分子量 3,000以下の環状ポリシロキサン(ジメ
チルポリシロキサンとして、通常環状3量体〜40量体)
の含有率が1ppm 以下であるオルガノポリシロキサンを
得ることができる。
【0019】上記の一価の有機基R4、R5及びR6として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の
C1〜C20 の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、イソオクチ
ル基、2-エチルヘキシル基等のC3〜C10 の分枝鎖状アル
キル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基等のC5〜C10 の環状アルキル基;フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、キセニル基等
のC6〜C12 のアリール基;ベンジル基、2-フェニルエチ
ル基、3-フェニルプロピル基、4-メチルベンジル基等の
C7〜C10 のアルアルキル基;ビニル基、アリル基、プロ
ペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニ
ル基、クロチル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基
等のC2〜C8のアルケニル基;エチニル基等のC2〜C6のア
ルキニル基;クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-
トリフルオロプロピル基、2-クロロエチル基等の炭化水
素基の水素原子の一部又は全部を臭素、塩素、フッ素等
のハロゲン原子で置換した基等の、通常炭素原子数1〜
20、好ましくは炭素数1〜12の非置換又は置換一価炭化
水素基などが挙げられる。
【0020】かかる製造方法においては、前記式(5)
で表わされる含フッ素シクロトリシロキサンを使用する
ことが極めて重要であり、これにより、リチウムシラノ
レート等の触媒を用いての重合に際して、10量体以上の
環状シロキサンの生成を有効に抑制することに成功した
ものである。これに対し、原料としてヘキサメチルシク
ロトリシロキサンを用いた場合には、10量体以上の環状
シロキサンが数百ppm以上の割合で生成するのであり、
かかる事実から考えて前記式(5)で表わされる含フッ
素シクロトリシロキサンの使用が重合に際しての環状体
生成の抑制に大きく寄与しているものと推定される。こ
の理由は正確には不明であるが、この含フッ素シクロト
リシロキサンの分子中の3個のシロキサン結合の反応性
が等価でないことに起因しているのではないかと考えら
れる。
【0021】(B)成分の表面未処理充填剤は、シラン
類、シロキサン類によって表面処理されていないもので
あれば良く、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、けいそう
土、シリカ、粉砕シリカ、カーボン粉末、二酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイ
ト、ベントナイト等が挙げられる。この(B)成分の充
填剤は、比表面積(BET法による)が通常50〜800m2/
g、好ましくは 100〜400m2/g 程度の微粒子状であれば
よい。配合される充填剤の量は、上記(A)成分 100重
量部に対し10〜100 重量部が望ましい。
【0022】(C)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは架橋剤であり、けい素原子に結合した水素
原子(即ち SiH基)を1分子中に少なくとも2個、好ま
しくは3個以上有するものである。このオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンは通常、1分子中に平均してけ
い素原子を3〜400 個、好ましくは4〜100 個程度有す
るものであり、また、水素原子以外にけい素原子に結合
した置換基としては、前記R1と同様の、好ましくは脂肪
族不飽和結合を除く、炭素数1〜10の非置換又は置換の
一価炭化水素基、例えばメチル基、フェニル基等が挙げ
られるが、特に前記Rfと同様のパーフルオロアルキル
基、又はパーフルオロオキシアルキル基を含有するもの
が(A)成分との相溶性等の点で好適である。この
(C)成分としては、例えば、下記式(8)〜(11)で
表わされるものが好適に使用される。
【化11】 式中、R1及びRfは一般式(1)中のものと同様の基であ
り、また、d〜fはそれぞれd≧0、e≧0、f≧2で
あり、3≦d+e+f≦400 を満足する整数である。
【0023】この(C)成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンは、(A)成分中の脂肪族不飽和基1モ
ルに対して、けい素原子に結合した水素原子(≡SiH )
が 0.5〜 5.0モル、特に 0.5〜3モルとなる量で配合さ
れるのが好適である。この水素原子量が 0.5モル未満で
は、この組成物が硬化せず、液状のままの場合がある。
また、5モルより多いとこの組成物の硬化時に発泡した
り、或は形成される硬化物の圧縮永久歪が高いものとな
ることがある。また、(A)成分と同様に分子量 3,000
以下の環状シロキサン、特にジメチルシロキサンとして
環状3量体〜40量体の量が1ppm 以下(通常0.05〜1ppm
以下)であることが望ましいが、(C)成分の製造時に
副生した低分子量直鎖状シロキサンや環状シロキサンが
分子中にSiH基を有するものであれば、硬化する際に
(A)成分と反応して硬化物中に取り込まれるため特に
問題にはならない。
【0024】(D)成分の白金族金属系触媒は硬化触媒
であり(A)成分中の脂肪族不飽和基と、(C)成分中
の SiH基とのヒドロシリル化反応を促進させるものであ
り、これには、白金系、パラジウム系、ロジウム系のも
のがあるが、コストの点等から通常は白金系のもの、例
えば白金黒;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、エ
ーテル、アルデヒド、エチレン等のオレフィンとのコン
プレックス;アルミナ、シリカ、アスベスト等の各種担
体に白金粉末を担持させたもの;等が好適に使用され
る。かかる(D)成分の配合量はいわゆる触媒量でよ
く、通常、(A)成分 100重量部当たり、白金族金属換
算で1〜500ppm、特に5〜200ppmの範囲である。
【0025】本発明の硬化性シリコーン組成物において
は、上述した(A)〜(D)成分以外にもその用途等に
応じて、添加剤を適宜配合することができる。例えば、
アスベスト、ガラス、繊維、有機繊維等の繊維質充填
剤;酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル
酸鉄等の耐熱性向上剤;各種の顔料;接着成分として公
知の接着補助剤又は下記式(12)、(13)で示されるよ
うな、分子中にビニル基等のアルケニル基、(R1O)3Si-
で示されるトリアルコキシシリル基等の加水分解性官能
基、及びパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキ
シアルキル基を有する直鎖状あるいは環状のオルガノシ
ロキサン等の接着補助剤;付加反応制御剤;等が、揮発
性低分子が1ppm 以下という本発明の課題を損なわない
限りの量で、適宜、配合することが可能である。
【0026】
【化12】 (式中、Rf、R1及びR2は前記と同じ、g、h及びiは1
以上の整数、jは0以上の整数、x、yはそれぞれ1以
上の整数であり、さらにg+h+i+j;3〜300 、好
ましくは3〜100 、x+y=3を満たすもの。)
【0027】本発明の硬化性シリコーン組成物は、上述
した(A)〜(D)成分及び適宜配合される任意成分を
均一に混練することによって容易に調製される。この組
成物は、常圧または加圧下で 100〜 200℃×30秒〜1時
間の加熱により硬化し、各種特性の優れたゴム弾性体硬
化物を与える。本発明の硬化性シリコーン組成物並びに
これを硬化して得られるゴム弾性体硬化物を各種の電
子、電気部品用材料、建材用材料などとして使用するこ
とにより、接点トラブルや周辺汚染等の問題を有効に防
止することができる。
【0028】
【実施例】
参考例 攪拌装置付1リットルセパラフラスコに、下記式
【化13】 で表わされるシクロトリシロキサン1,000g(1.529 モ
ル)、下記式
【化14】 で表わされるリチウムシラノレート 17.6g(0.0229モ
ル)、テトラグライム1.0gを入れ、窒素雰囲気下で 100
℃へ昇温し5時間反応させた。
【0029】次いで降温し、50℃で下記式 (CH2=CH)(CH3)2SiCl で表わされるビニルジメチルクロロシラン4.1g(0.034
モル)、下記式 [(CH2=CH)(CH3)2Si]2NH で表わされる1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン9.5g
(0.0515モル)を投入し、2時間攪拌し、中和及びシリ
ル化を行なった。その後、 150℃で減圧ストリップを行
ない、次に塩を濾過したところ、983g[粘度11,300cSt
(25℃)]のオルガノポリシロキサンを得た。次にこの
オルガノポリシロキサンを 270℃、1×10-4mmHgの条件
で薄膜式分子蒸留装置に通して精製を行ない精製オルガ
ノポリシロキサン951g[粘度13,700cSt (25℃)]を得
た。
【0030】次に環状ポリシロキサン定量のため、フタ
付ガラスビンに精製オルガノポリシロキサン1.0g、内部
標準としてn−デカン 20ppm含有のアセトン 10.0gを入
れ、振とう後、24時間静置してアセトン層に抽出された
分子量 3,000以下の環状ポリシロキサン(ジメチルポリ
シロキサンとして40量体以下)を、フレームイオン化検
出器(FID)により検出したところ1ppm 以下であっ
た。なお、この測定条件は以下の通りである。 使用機器:島津GC-14A カラム :GL製キャピラリーカラムTC-1701 0.53mm×
30m 昇温条件:初期温度70℃(1分)、昇温速度15K/分、
最終温度 270℃(保持40分) また、得られたオルガノポリシロキサンは下記の平均分
子式
【化15】 で表わされる鎖状オルガノポリシロキサンである。
【0031】実施例1 (以下の例において、「部」は「重量部」を意味し、ま
た粘度は25℃での測定値を示した。) 参考例で得られた分子量 3,000以下の環状シロキサンの
含有率が1ppm 以下の鎖状オルガノポリシロキサン 100
部、クリスタライト5X(TATSUMORI LTD.製、商品名)
25部を 150℃×2時間ミキサーで混練してベース組成物
を調製した。
【0032】上記のベース組成物125gに、式
【化16】 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1.9
g、カーボンブラック8g、塩化白金酸の2−エチルヘキ
サノール溶液(白金濃度 2.0%) 0.05g、エチニルシク
ロヘキサノールの50%トルエン溶液0.4g、式
【化17】 で示される接着付与剤を加え、混合して硬化性組成物を
調製した。
【0033】比較例1 比較のために、クリスタライト5Xを使用するかわり
に、ヘキサメチルジシラザンで表面処理した Aerosil 3
00(日本 Aerosil社製、商品名)13部を配合した以外は
実施例1と同様にベース組成物を調製し、このベース組
成物113gにカーボンブラック0.2gを配合した以外は上記
と同様にして硬化性組成物を調製した。
【0034】上記で調製された実施例1及び比較例1の
硬化性組成物を、それぞれ温度 150℃、圧力 100kg/cm2
の条件下で10分間プレスして厚さ2mmのシートを作成し
た。得られたシートをさらに 150℃で50分間加熱処理
し、この加熱処理後のシートのゴム物性をJIS K 6301に
準じて調べた。結果を表1に示す。
【表1】 硬さは、A型スプリング試験機を用いて測定した(以下
同じ)。
【0035】また、実施例1、比較例1の硬化物試料を
加熱して発生するガスを逐次補集し(ヘッドスペースサ
ンプラ)、GC−MSにより定量分析を行なったとこ
ろ、トリメチルシラノール及び分子量 3,000以下の環状
ポリシロキサンの合計量は、実施例1が 0.54ppm、比較
例1が 3.94ppmであった。なお、この測定条件は以下の
通りである。 ・ヘッドスペースサンプラ 装置 :JHS-100A サンプル加熱条件:120 ℃×15min オーブン温度 :150 ℃ ニードル温度 :200 ℃ パージガス :He(30ml/min) サンプル量 :1g 吸着管 :TENAX + f358(−40℃) ・GC/MS 装置 :島津QP-1000S カラム :DB−1 30m 0.53φ カラム温度 :50℃→ 250℃(10℃/min) 注入口温度 :200 ℃ スプリット比 :5:1
【0036】実施例2 参考例で得られた鎖状オルガノポリシロキサン 100部に
Aerosil 200(日本 Aerosil社製、商品名)12部を配合
し、実施例1と同様にベース組成物を調製した。このベ
ース組成物112gに、式
【化18】 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1.7
g、塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液(白金濃
度 2.0%) 0.05g、エチニルシクロヘキサノールの50%
トルエン溶液0.4gを加え、混合して硬化性組成物を調製
した。上記で調製された組成物を実施例1と同様に成形
・加熱処理し、ゴム物性を調べたところ、硬さ(JIS A):
38、伸び:210%、引張強さ:24kgf/cm2であった。また、
実施例1、比較例1と同様にGC−MS分析を行なった
ところ、トリメチルシラノール及び分子量 3,000以下の
環状ポリシロキサンの合計量は 0.41ppmであった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、トリメチルシラノール及
び分子量 3,000以下の環状ポリシロキサンの合計が1pp
m 以下である硬化性含フッ素シリコーン組成物及びその
硬化物が提供された。これにより、電気・電子分野にお
いては接点不良の改善、建材分野においては汚れ、移行
といった点を改善することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 智文 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は二
    価の有機基、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル
    基又は炭素数5〜18のパーフルオロオキシアルキル基、
    Xは下記式(2) 【化2】 (式中、R3は非置換又は置換の一価炭化水素基、pは1
    〜3の整数である)で表わされる基であり、mは15〜4,
    000 の整数、nは0≦n/(n+m)≦0.1 を満足する
    整数である]で表わされ、分子量が 3,000以下の環状ポ
    リシロキサンの含有率が1ppm 以下であるオルガノポリ
    シロキサン、(B)シラン類、シロキサン類で表面処理
    されていない未処理充填剤、(C)1分子中に、けい素
    原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガ
    ノハイドロジェンポリシロキサン、及び(D)白金族金
    属系触媒からなることを特徴とする硬化性シリコーン組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬化性シリコーン組成
    物を硬化させて得られる含フッ素シリコーンゴム硬化
    物。
  3. 【請求項3】 トリメチルシラノール及び分子量 3,000
    以下の環状ポリシロキサンの合計含有率が1ppm 以下で
    ある請求項2に記載の含フッ素シリコーンゴム硬化物。
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