JP5563520B2 - ナノサイズ粒子を有する放射線不透過性歯科材料 - Google Patents

ナノサイズ粒子を有する放射線不透過性歯科材料 Download PDF

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Description

本発明は概して、非重金属酸化物及び重金属酸化物の充填された歯科材料に関し、修復剤、接着剤、セメント、歯科矯正装置、ミルブランク及び義歯として用いることができる放射線不透過性歯科材料を提供する。より具体的には、本発明は、シリカ及び重金属酸化物の粒子の充填された硬化性歯科材料に関し、そこにおいて、前記粒子は放射線不透過性、高い強度及び十分な耐摩耗性を付与する。
歯科材料は概して、広範囲の複合材料と比較したときに特有の必要条件を有する。健康上の理由のために、歯科材料は口腔環境で用いるために適しているのがよい。特定の例において、歯科材料の強度及び耐久性は、良好な性能を確実にするために重要である。例えば、咀嚼力が概して大きい歯列位置において行われる歯科作業において、高い強度及び耐久性が望ましい。他の例において、審美的な特徴または品質(例えば、光沢及び半透明性)が非常に望ましい。これはしばしば、歯科作業が、歯の補修部分または修復部分が比較的短距離から見られることがある位置で行われる場合である。
歯科材料の強度は一般に、充填剤を添加することによって達成される。概して、より大きい機械的強度の特徴を有する歯科材料は、より大きいサイズの粒子、すなわち、直径が約0.4ミクロメーターより大きい粒子、を充填または配合される。これらの材料はしばしば、混成複合材と称される。しかしながら、これらの複合材の不便な点は、それらが、光沢及び審美的な特徴を欠く傾向があることである。大きいサイズの粒子を有する複合材の不便な点は、繰り返し歯磨きをすることにより(口腔衛生のための必要条件)、硬化樹脂(hardened resin)が摩滅し、大きい充填剤粒子を露出し、艶のない、審美的でない表面を残すことがあるということである。これは引き続いて、プラック堆積につながることがある。
充填剤の量の増加もまた、歯科材料の強度を増大させることができる。しかしながら、これは視覚不透明度の増大につながることがあり、それによって半透明性及び審美的な品質を低減させることがある。
カナダ特許出願第2,202,732号は、液体の有機分散剤中に溶かした表面改質シリカ粒子のゾルを含む重合性歯科材料を教示している。シリカ粒子は、歯科材料約35重量%を含む。
未硬化の歯科材料の十分なレオロジーの性質は歯科医に有利である。これは、硬化(hardening)または硬化(curing)する前に、歯科医が材料を容易に使用し、その所望の位置に置き、適切な接触及び解剖学的な形状を達成するのを可能にする。ナノメートルサイズの(「ナノサイズの」)シリカ粒子は、しばしばヒュームドシリカの形状であり、重合性歯科用樹脂中に分散されている。商品名OX−50のデガッサ製のヒュームドシリカ材料が、広範囲に使用されている。しかしながら、樹脂中に高配合量で分散されたヒュームドシリカで製造された材料は、歯科用には概して非実用的なダイラタント組成物をもたらす。「Restorative Dental Materials」、クレイグ著、第8版、1989年、と題された定評のある歯科参考文献は、高配合ヒュームドシリカ材料が概して、不十分なレオロジー性質を有する材料を提供することを教示している。(例えば、クレイグの256ページを参照)このように、その無機成分(粒子)の濃度が所望の強度を得るために調整される従来の材料は一般に、有害にダイラタンシーを示す材料をもたらす。
予備重合した粒子を混入してダイラタントレオロジーを克服することも試みられている。しかしながら、これらは、不十分な強度の材料をもたらすことがある。
歯科材料が周囲の歯列とよく調和し、実物そっくりに見えることが概して望ましい。歯科材料の審美的な品質は一般に、歯のような色/色合いを有する材料を作ることによって、達成される。歯科材料の特定の種類である「マイクロフィル(Microfills)」は、若干の光沢を有する傾向があり、歯の外観をより良く再現する傾向がある。「マイクロフィル」の1つの例は、商品名シラックスプラス(SILUX PLUS)(ミネソタ州、セントポールの3M社製)として市販されている。しかしながら、マイクロフィルは概して、混成複合材または「マイクロフィル」より小さい機械的強度を有する。このように、現在の実施においては、高い強度及び高い審美的な品質が望ましい適用については、開業医は一般に、高い物理的強度を有する材料の、下部基礎部分を最初に使用し、その後に、マイクロフィルの上部層を用いることが必要とされる。
歯科材料の放射線不透過性は歯科で有用であることがある。放射線不透性物質を標準的な歯科用X線装置を用いて調べることができ、それによって、硬化材料に隣接している歯組織の周辺の漏出または禹蝕の長期にわたる検出を容易にする。米国特許第4,503,169号には、ゾル−ゲル法によって製造された非ガラス質のジルコニア−シリカマイクロ粒子を有する放射線不透過性の、低い視覚不透明度の(すなわち、半透明の)歯科用複合材が記載されている。
本発明は硬化性樹脂、非重金属酸化物粒子、及び重金属酸化物を含む歯科材料を提供する。歯科材料は、審美的な高品質、高強度、及び十分な耐摩耗性を有する。
「硬化性」(Hardenable)は、例えば、加熱して溶剤を除去することによって、加熱して重合、化学架橋、放射線重合または架橋などを引き起こすことによって硬化(cured)または固化され得る材料を説明するものである。
「非重金属酸化物」は、重金属の元素以外の元素の何れの酸化物をも意味する。
「重金属酸化物」は、原子番号が28より大きい元素の酸化物を意味する。
本発明の態様において、重金属酸化物を配合したシリカ粒子は、強い、放射線不透過性で半透明の(すなわち、低い視覚不透明度の)歯科材料を提供することができる。
本発明の別の態様において、本発明の歯科材料は、歯科用接着剤、人工歯冠、前部または後部充填物、注型材料、キャビティライナー、セメント、またはコーティング組成物、ミルブランク、歯科矯正装置、修復剤、義歯、及びシーラントとして用いられてもよい。
本発明の更に別の態様において、硬化性樹脂は、アクリレート、メタクリレート、またはエポキシまたはそれらの組合せであってもよい。
本発明の別の態様において、本発明の材料の使用方法は、材料を口腔環境内に置くことを含み、そこにおいて、表面またはトポグラフィーは、口内に配置して材料を硬化する前にまたは後に変化させられる。
300,000倍の倍率で撮られた、本発明の歯科材料の好ましい実施態様のTEM(透過電子顕微鏡写真)のデジタルイメージである。
本発明は、高強度、審美的な高品質及び放射線不透過性を有する歯科材料を提供する。審美的な高品質は、高い半透明性及び十分な艶を有する歯科材料を提供することによって、達成される。有利には、本発明の歯科材料はまた、好ましくは、反復的な研磨を行った後でもそれらの艶を保つことが可能である。本発明の歯科材料は、少なくとも2つの成分、すなわち、非重金属酸化物及び重金属酸化物、を有する硬化性樹脂を含む。前記粒子は、硬化性樹脂中に分散されるときに安定しており、好ましくは硬化した(hardening)後でも安定したままである。
本発明の歯科材料は例えば、歯科用接着剤、人工歯冠、前または後充填物、注型材料、キャビティライナー、セメント、コーティング組成物、ミルブランク、歯科矯正装置、修復剤、義歯、及びシーラントとして用いられてもよい。好ましい態様において、歯科材料は歯科用修復剤である。本発明の修復剤を、口内に直接に配置してin situ硬化(cured)(hardened)させることができ、あるいは、口の外で義歯として製造し、引き続いて口の中の適所に付着させてもよい。
本発明の歯科材料は化学的に硬化性であるか、または光硬化性組成物であってもよい。光硬化性材料は適切な開始剤系を有するのがよい。化学的硬化性材料を自己硬化(auto−cured)させることができる(例えばレドックス開始剤によって)。あるいは、本発明の材料を自己及び光硬化の組合せによって硬化させることができる。
非重金属酸化物及び重金属酸化物のナノサイズ粒子を有する歯科材料を配合することにより、放射線不透過性、高強度、及び高い半透明性の組合せを付与することが見いだされている。本発明のナノサイズ無機酸化物粒子の特定量を含有する歯科材料は、未硬化の状態における特に望ましい取り扱い(レオロジーの)性質を有し、硬化状態における非常に高い強度を有する。
強度を、圧縮強さ及び直径方向の引張強さなどの機械的測定値によって特性決定することができる。歯科材料の高い圧縮強さは、歯の補修部分、交換部分及び修復部分でのそしゃくによって及ぼされた力のために有利である。直径方向の引張強さは、材料に引張応力をもたらす圧縮力に耐える歯科材料の能力を示す。各々の強度測定のための試験を、以下の試験方法に示す。
本発明の歯科材料は好ましくは、少なくとも約35MPaの圧縮強さを有し、より好ましくは、前記材料は少なくとも約200MPaの圧縮強さを有し、最も好ましくは、前記材料は少なくとも約350MPaの圧縮強さを有する。
本発明の硬化歯科材料は好ましくは、直径方向の引張強さが少なくとも約15MPa、より好ましくは少なくとも約40MPa、最も好ましくは少なくとも約60MPaである。
歯科材料の審美的な品質は、あるていど主観的な特徴であるが(歯科業界ではよく理解されている)、好ましくは視覚不透明度の測定によって1つの側面で数量化され得る。視覚不透明度は歯科材料の半透明性のレベルを示している。硬化歯科材料が本物のような光沢を有するように、低い視覚不透明度が望ましい。十分な半透明性を達成するために、光が材料を通過するときに光の散乱を最小にすることが望ましい。概して、これは、最大直径が透過光の波長より小さい粒子を選択することによって達成されており、そこにおいて、可視光線は約5500オングストローム(550nm)である。本発明の歯科材料は好ましくは視覚の不透明度が、約0.05〜約0.5、より好ましくは0.05〜約0.35、最も好ましくは0.05〜約0.25である。
歯科材料の艶出適性(Polishability)もまた、材料の審美的な特徴及び品質に寄与する。歯科材料が艶出ししたときに光沢仕上げ及び本物のような光沢を有し得ることもまた、非常に望ましい。更に大きな利点は、硬化材料が、歯磨きなど、反復的な研磨接触の後でもその光沢を維持することができることである。本発明の材料は、歯科用修復剤の好ましい実施態様において製造されるとき、高い艶出適性を有し、反復的な歯磨きの後に艶及び光沢を維持することが可能であることが、驚くべきことに見いだされた。
硬化した、艶出しした歯科材料がその艶を維持する能力を評価するために、表面粗さ測定値を好ましくは、材料を歯ブラシ耐磨耗性試験にかけることによって、確認することができる。一般に表面プロファイルメーターと称される表面粗さアナライザを用いて、歯ブラシ耐磨耗性試験の後の材料の粗さ(または平滑度)を測定することができる。表面粗さを得るための好ましい装置は、下記の試験方法に記載された試験手順を用いる、WYKO RST PLUS表面プロファイリング装置(アリゾナ州、タスコンのワイココーポレーション)である。表面粗さ測定は、中心線の上及び下の断面形の平均の高さを測定することによって、表面内の平均の変化量を提供する。本発明の歯科材料を歯ブラシ耐磨耗性試験にかけた後に、前記歯科材料は好ましくは、表面粗さが約0.2μmより小さく、より好ましくは約0.15μmより小さい。
本発明の材料は好ましくは、十分なレオロジー性質を有する。表面改質剤を用いて粒子の表面を処理することによって、これらの性質並びに強度を増強することができる。表面処理(表面−改質)は、粒子の分散性及びそれらが母材に結合する能力を増強する。
開業医は概して、しばしば時間の節約となるので、歯科材料の良好な取り扱い性質を望む。例えば、歯科修復作業において、開業医が材料を口内に配置し、外形に合わせて作ってフェザリングすることによって材料を使用した後、開業医は概して、付与された形状が、材料が硬化されるまで変化していないままであることを望むので、歯科材料が垂れ落ちないことが望ましい。十分に高い降伏応力を有する、修復作業のために用いられる材料は概して、垂れ落ちない。すなわち、それらは重力の応力下で流動しない。材料の降伏応力は、材料を流動させるのに必要とされる最小応力であり、『Rheology Principles,Measurements,and Applications』、C.W.マコスコ著、VCH出版、ニューヨーク、1994年、92ページに記載されている。重力による応力が材料の降伏応力より小さい場合、材料は流動しない。しかしながら、重力による応力は、配置される歯科材料の質量並びに形状に依存する。
「外形に合わせて作る(Contouring)」は、材料が自然な歯科解剖学に似るように(歯科用器具を用いて)それを造形する方法を指す。簡単に外形に合わせて作るために、材料は、歯科用器具を用いて扱った後にそれら形状を維持するのに十分に高い粘度を有するのがよく、なおかつ粘度は、材料を造形することが難しいほど高くないのがよい。「フェザリング(Feathering)」は、歯科材料を自然のままの歯列にブレンドするために前記材料を薄膜に低減させる方法を指す。これは、使用された材料及び自然のままの歯列の辺縁で歯科用器具を用いて行われる。歯科材料が、配置器具に粘着せず、形状または表面のトポグラフィーが更に変化するのを最小にすることもまた望ましい。
本発明の歯科材料が修復剤である好ましい実施態様において、歯科材料は好ましくは垂れ落ちがほとんどないか、まったくなく、それでも容易に、例えば、キャビティ試料に適合し、容易に外形に合わせて作られ、フェザリングされる。好ましくは、本発明の歯科材料は、配置器具に粘着せず、有利には、例えば、歯構造体を修復するなどの歯科手順きにおいて、全体的に、迅速且つ容易に使用できる。
驚くべきことに、本発明の歯科材料は、改善された望ましい剪断減粘性(shear thinning)性質を有することが見いだされた。すなわち、それらは、高い応力がかかるときに低い粘度を有し、低い応力がかかるとき、高い粘度を有することができる。高い応力下での低い粘度は、開業医が材料を歯表面でフェザリングし、歯科材料を彫刻することを可能にする。有利には、低い応力下での高い粘度は、開業医が歯の外形を合わせるために材料を使用した後に材料がその外形を維持する(すなわち、垂れ落ちがない)ことを可能にする。
本発明の歯科材料で用いることができる適した非重金属酸化物粒子には、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、酸化チタン、長石質材料、酸化アルミニウムなどがある。好ましくは、非金属酸化物粒子は、例えば、ヒュームドシリカ、コロイドシリカ、または凝結シリカ粒子など、いろいろな形の歯科材料に存在しているシリカである。本明細書中で用いた用語「コロイドの」は、分散した(単独の)会合していない(すなわち凝結していない及び凝集していない)、を意味する。本明細書で用いた用語「凝集した(Agglomerated)」は、電荷または極性によって通常保持される粒子の弱い会合について説明し、より小さい実体に分解され得る。本明細書で用いた用語「凝結した(Aggregated)」は、例えば、残留した化学物質の処理によってしばしば結合される粒子の強い会合について説明する。凝結体をより小さい実体に更に分解することは、達成することが非常に難しい。
本発明の歯科材料は好ましくは、約300nm(nm)より小さい平均直径を有するシリカ粒子を含む。より好ましくは、一次(単独)シリカ粒子は約200nmより小さい平均直径を有し、最も好ましくは、平均直径は約100nmより小さい。シリカ粒子は凝結されることがあり、そこにおいて凝結体は複数のより小さなサイズのシリカ粒子を含む。しかしながら、全凝結体の大きさが約300nmより小さく、より好ましくは約200nmより小さく、最も好ましくは、約100nmより小さいことがなお望ましく、好ましい。これらの測定値は好ましくはTEM(透過電子顕微鏡法)方法に基づいており、それによって、図1に示されるような粒子の母集団を分析して粒子の平均直径を得る。粒子直径の好ましい測定方法を、以下の試験方法で明らかにする。図1を参照すると、樹脂中にシリカ粒子及び酸化ジルコニウムの粒子を有する材料が提供される本発明の好ましい実施態様である。
本発明の歯科材料で用いられたシリカは好ましくは実質的に球形であり、そして実質的に非多孔性である。前記シリカは本質的に高純度であるが、それはアンモニウム及びアルカリ金属イオンなどの安定化イオンの少量を含有してもよい。
本発明の材料に使用するための好ましいシリカは、製品名ナルココロイドシリカのナルコケミカルカンパニー(イリノイ州、ネーパービル)の市販品である。例えば、好ましいシリカには、ナルコ製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329などがある。適したヒュームドシリカには例えば、デガッサAG(ドイツ、ハナウ)製の商品名アエロシル・シリーズOX−50、−130、−150、及び−200、キャボットコーポレーション(イリノイ州、タスコラ)製のCAB−O−SIL M5として市販されている製品などがある。
ナノサイズシリカ粒子を歯科材料中に配合する前に表面処理することにより、樹脂中で安定した分散性を提供することができる。本明細書で用いた用語「安定した」は、標準周囲条件下で−例えば室温(約20−22℃)、大気圧、及び極電磁力がない−、約24時間など、一定時間置いた後に粒子が凝集しない歯科材料を意味する。好ましくは、粒子が重合性樹脂中に十分に分散されて実質的に均一な組成物をもたらすように表面処理剤がシリカ粒子を安定化する。更に、安定化された粒子が、硬化する間に重合性樹脂と共重合するかまたは反応することができるように、シリカは表面処理剤でその表面の少なくとも一部分にわたって改質されることが好ましい。
本発明のシリカ粒子は好ましくは、樹脂を相溶化させる表面処理剤で好ましくは処理される。特に好ましい表面処理剤または表面改質剤には、樹脂と重合することができるシラン処理剤などがある。好ましいシラン処理剤には、ウィトコ・オシスペシャルティズ(コネチカット州、ダンバリー)製の商品名A−174のγ−メタクリルオキシルプロピルトリメトキシシラン及びユナイテッドケミカルテクノロジーズ(ペンシルベニア州、ブリストル)製の商品名G6720の製品、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどがある。
あるいは表面改質剤の組合せが有用である場合があり、そこにおいて表面改質剤の少なくとも1つが硬化性樹脂と共重合性である官能基を有する。例えば、重合基は、エチレン性不飽和であるか、または開環重合しやすい環状官能基(a cyclic function)であってもよい。エチレン性不飽和重合基は、例えば、アクリレートまたはメタクリレート、またはビニル基であってもよい。開環重合しやすい環状官能基は概して、酸素、硫黄または窒素などのヘテロ原子、好ましくはエポキシドなどの酸素含有3員環を含有する。
重金属酸化物は、放射線不透過性にするのに有効な量で存在するのがよい。本明細書で用いた用語「放射線不透過性」は、従来の方法で標準的な歯科用X線装置を用いて硬化歯科材料が歯構造体から識別され得ることについて説明する。歯科材料の放射線不透過性はX線を用いて歯の状態を診断する特定の例において有利である。例えば、放射線不透性物質は、充填物を囲む歯組織中に形成されたかもしれない2次齲食の発見を可能にする。放射線不透過性の望ましい程度は、例えば、特定の適用及び/または開業医がX線フィルムを評価するために必要とする望ましい放射線不透過性に応じて、変化または特化され得る。
原子番号が約28より大きい重金属の酸化物が好ましい。重金属酸化物は、それが分散される硬化樹脂に望ましくない色または色むらが与えられないように、選択されるべきである。例えば、鉄及びコバルトは、それらが歯科材料の中間的な歯の色に、濃い、コントラストを呈する色を与えるので、好ましくない。より好ましくは、重金属酸化物は、原子番号が30より大きい金属の酸化物である。適した金属酸化物は、イットリウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、ランタニド元素(すなわち原子番号が57から71までの元素)、セリウムの酸化物及びそれらの組合せである。最も好ましくは、原子番号が30より大きく72より小さい重金属の酸化物である。特に好ましい放射線不透過性付与金属酸化物には、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化セリウム、及びそれらの組合せなどがある。好ましくは、重金属酸化物の成分は、ゾルまたは粒子として提供される。
ナノサイズ重金属酸化物の粒子の有効量を本発明の歯科材料中に混入することにより、高いX線不透明度及び高い屈折率を有する光学的に半透明の材料を生じ得ることが見いだされた。重金属酸化物の粒子は好ましくは、約100nmより小さい平均直径を有する。より好ましくは、前記粒子は、約70nmより小さく、より好ましくは約60nmより小さい。重金属酸化物の粒子は凝結されることがある。その場合、凝結粒子は約200nmより小さく、より好ましくは約90nmより小さいことが好ましい。
会合していない重金属酸化物の粒子の好ましい供給源は、粒子が溶液中に分散したゾルである。米国特許第5,037,579号(マチェット)に開示されているようなジルコニアゾルは、本発明の歯科材料と共に用いるのに適した、好ましい重金属酸化物である。
別の好ましいジルコニアゾルは、本発明と同日に出願された「Zirconia Sol and Method of Making Same」と題された、代理人整理番号が55200USA5Aの、コルブによる米国特許出願に開示されている。出願55200USA5Aのジルコニアゾルは、一次粒子の平均の大きさが約20nm以下、より好ましくは、一次粒子の平均の大きさが約7〜20nmの範囲である複数の単結晶ジルコニア粒子を含む。本明細書で用いた用語「一次粒子の大きさ」は、会合していない単結晶ジルコニア粒子の大きさを指す。一次粒子の大きさは、以下の試験方法の節にある手順の「Crystallite Particle Size and Crystal Form Content」という名称の試験方法、によって確認される。
出願第55200USA5Aに開示されているように、前記ジルコニアゾルは、事実上高度に結晶性であるジルコニア粒子を含む。これは、結晶性ジルコニアが非晶質ジルコニアより高い屈折率及び高いX線散乱能力を有するという点で、重要である。ジルコニア粒子の結晶性は、例えば、結晶化度を用いて、定量化されてもよい。結晶化度は、サンプル材料のX線散乱強度を周知の結晶性の標準材料、例えば、カルシウム安定化酸化ジルコニウムのX線散乱強度で割ることによって、計算される。ジルコニア粒子の結晶化度を確認するための特定の試験手順は、結晶化度法という名称であり、その説明は以下の試験方法の節にある。ジルコニアゾル中で、ジルコニア粒子は、約0.65以上の結晶化度を有する。より好ましくは、ジルコニア粒子は、約0.75以上、最も好ましくは0.85以上の結晶化度を有する。
ジルコニア粒子の結晶部分のうち、主な結晶格子の形状は立方晶及び正方晶であり、少量の単斜晶相もまた存在している。X線回折を用いて、立方晶及び正方晶結晶格子構造体を別々に定量化することが困難であるため、前記の2つは組み合わされ、立方晶及び正方晶の組合せとして本明細書中で記録される。具体的には、ジルコニア粒子は約70%以上の立方晶及び正方晶の結晶格子構造体の組合せを含む。より好ましくは、ジルコニア粒子は約75%以上の立方晶及び正方晶の結晶格子構造体の組合せを含み、最も好ましくは約85%以上の立方晶及び正方晶の結晶格子構造体の組合せを含む。各々の例において、前記結晶相の残りは単斜晶結晶格子構造体にある。
それらの大きさが非常に小さいために、ジルコニア粒子は結晶相安定剤の有効量を必要とせずに主に立方晶及び正方晶結晶格子相に存在する。本明細書で用いた用語「結晶相安定剤」は、立方晶及び/または正方晶結晶格子構造体中のジルコニアを安定化するために添加されてもよい材料を指す。具体的には、結晶相安定剤は、立方晶及び/または正方晶相から単斜晶相への変換を抑えるように作用する。結晶相安定剤には、例えば、MgO及びCaOなどのアルカリ土類酸化物、希土類酸化物(すなわち、ランタニド)及びY23などがある。「有効量」は、立方晶及び/または正方晶相から単斜晶相へのジルコニアの変換を抑えるために必要な結晶相安定剤の量を指す。好ましい実施態様において、ジルコニア粒子は、結晶相安定剤を約1重量%未満、より好ましくは結晶相安定剤を約0.1重量%未満、含む。
出願第55200USA5Aのジルコニアゾル中で、ジルコニアの一次粒子は、実質的に会合していない(すなわち、凝結していない及び凝集していない)形で存在する。前記ゾル中の一次粒子間の会合の程度の定量的測定値は、分散性指数である。本明細書で用いた用語「分散性指数」(dispersion index)は、流体力学的粒度(hydrodynamic particle size)を一次粒子の大きさで割った値として定義される。以下に示した試験手順「微結晶粒度と結晶形含有量」に記載したように、一次粒子の大きさはX線回折技術を用いて確認される。流体力学的粒度は、フォトン相関分光分析法(PCS)によって測定したときに水性相中のジルコニア粒子の重量平均粒度を指す。一次粒子が会合している場合、PCSは、ジルコニアゾル中の一次粒子の凝結体及び/または凝集塊の大きさの測度を提供する。粒子が会合していない場合、PCSは一次粒子の大きさの測度を提供する。したがって、ゾル中の一次粒子間の会合が減少するとき、分散性指数は1の値に近づく。ジルコニアゾル中で、一次ジルコニア粒子は、分散性指数が約1〜3、より好ましくは約1〜2.5、最も好ましくは約1〜2であるジルコニアゾルをもたらす実質的に会合していない形で存在する。
出願第55200USA5Aに更に教示されているように、ポリエーテル酸ジルコニウム塩を調製するための適した出発原料には、カルボン酸ジルコニウムなどの塩基性ジルコニウム塩、カルボン酸で置換されてもよい対イオンを有する塩基性ジルコニウム塩などがある。カルボン酸で置換されてもよい対イオンを有する塩基性ジルコニウム塩の代表的な例には、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム及び炭酸ジルコニウムなどがある。塩基性ジルコニウム塩は、ジルコニウム上のカチオン電荷の少なくとも一部分が水酸化物またはO2−アニオンによって打ち消されるジルコニウムの塩である。塩基性ジルコニウム塩中の酸素含有量が結合水酸化物またはO2−から生じるかどうか確認することは実際は難しいので、この酸素含有量を単に酸素として表すのが一般的である。このように、以下に示した式(1)は、簡潔にするために結合水を除外して示し、ポリエーテル酸ジルコニウム塩を調製するために出発原料として適していることがあるジルコニウム化合物の一般式を表す。
ZrO(4-n/2)(X)n (1)
式中、Xがカルボン酸で置換可能な対イオンであり、nが0.5〜4の範囲である。
カルボン酸で置換可能な対イオンの代表的な例には、アセテート、ホルメート及びプロピオナートなどのカルボキシレートの他、ニトレート、クロリド、カーボネートなどの他の対イオンまたはそれらの組合せなどがある。正式にはジルコニウム塩ではないが、ジルコニウムアルコキシドを、適した酸との初期反応の後にポリエーテル酸ジルコニウムを形成するときに出発原料として用い、塩基性ジルコニウム塩を形成することができる。
好ましい出発原料は、一般式ZrO(4-n/2)(CH3COO)nを有する塩基性酢酸ジルコニウムの水溶液またはゾルであり、式中、nは約1〜2の範囲である。水溶液中で、酢酸ジルコニウムはおそらく、錯多核ジルコニウムカチオンとして存在する。酢酸ジルコニウムの調製方法は、本技術分野に公知である(例えば、W.B.ブルメンソール著、「The Chemical Behavior of Zirconium」、D.ヴァンノストランドカンパニー、ニュージャージー州、プリンストン、311〜338ページを参照のこと)。適した酢酸ジルコニウム溶液は、約5〜40重量%をZrO2として含み、約5〜40重量%のアセテートの範囲である。好ましい酢酸ジルコニウムゾル出発原料は、20重量%のZrO2でZrO1.25(C2321.5を含み、マサチューセッツ州、コロンバスのアシュランドのニアコルプロダクツコーポレーション製の商品名「Nyacol ZrO2(Ac)」として市販されている。
出願第55200USA5A号の好ましい方法において、ポリエーテル酸ジルコニウム塩は、水溶液中で、ジルコニウム塩をポリエーテルカルボン酸と反応させることによって調製される。現在理解されているように、ポリエーテルカルボン酸は、ジルコニア粒子が加水分解反応の間に形成されるときにそれらの会合(すなわち、凝集及び/または凝結)を妨ぐように機能すると考えられている。このようにして、前記方法によって製造されたジルコニア粒子は実質的に会合していない。
出願第55200USA5A号の改質剤として使用するために適したポリエーテルカルボン酸は、ポリエーテル末端を有する水溶性のモノカルボン酸(すなわち、1分子中に1個のカルボン酸基を含有する)である。ポリエーテル末端は、一般式−O−R−を有する二官能性アルコキシ反復基を含む。好ましいR基は一般式−Cn2n−を有し、例えば、メチレン、エチレン及びプロピレン(n−プロピレン及びi−プロピレンなど)またはそれらの組合せなどがある。R基の組合せは、例えば、不規則、またはブロックタイプのコポリマーとして提供されてもよい。
一価のポリエーテルラジカルの好ましい種類を概して、式(3)によって表わすことができる。
CH3−[O−(CH2yx−X−COOH (3)
式中、
Xが二価の有機結合基であり、
xが約1〜10であり、
yが約1〜4である。
Xの代表的な例には−X2−(CH2n−などがあり、X2が−O−−S−、−C(O)O−、−C(O)NH−であり、nが約1〜3である。
好ましいポリエーテルカルボン酸の例には、化学構造CH3O(CH2CH2O)2CH2COOH(以後、MEEAAとする)を有する2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸及び化学構造CH3OCH2CH2OCH2COOH(以後、MEAAとする)を有する2−(2−メトキシエトキシ)酢酸などがある。MEAA及びMEEAAは、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカルカンパニー製であり、それぞれ、カタログ番号40,701−1及び40,700−3である。1つより多いポリエーテルカルボン酸の混合物を利用することもまたこの発明の範囲内である。
反応順序(1)に従ってポリエーテルカルボン酸とジルコニウム塩との反応:
ZrO(4-n/2)(X)n+aR2−COOH→ZrO(4-n/2)(X)n-a(R2COO)a+aHX (1)
は、一般式 ZrO(4-n/2)(X)n-a(R2COO)aを有するポリエーテル酸ジルコニウム塩の形成をもたらし、一般式HXを有する酸のほぼ理論量を放出する(すなわち、遊離する)。例として、ジルコニウム塩が酢酸ジルコニウム(ZrO(4-n/2)(C232n)を含むとき、酢酸(C232H)の近理論量がポリエーテル酸ジルコニウム塩の形成の結果として遊離される(反応順序1aを参照のこと)。
ZrO(4-n/2)(C232n+aR2−COOH→ZrO(4-n/2)(C232n-a(R2COO)a+aC232H (1a)
ジルコニウムとカルボン酸との塩は、酸がジルコニウム原子に結合しているので水性相中で解離されない。カルボン酸は塩の水への溶解性をもたらす。疎水性の酸(例えば、アルキル酸)の前記ジルコニウムへの結合は、前記塩を水に不溶解性にする。実際、プロピオン酸及びアクリル酸などの小さい酸を付加しても、塩を水に不溶解性にする。対照的に、出願55200USA5Aで用いられたポリエーテル酸は、ポリエーテル酸ジルコニウム塩の水への溶解性を維持したまま、より高分子量の酸を用いることを可能にする。これは次に、水性相中の溶解したポリエーテル酸ジルコニウム塩の熱水処理を可能にする。
一般に、ジルコニウム塩出発原料に対して、ポリエーテルカルボン酸は、ジルコニウム塩中のZrO2のグラム当量当たり約2.5〜5.0ミリモルの範囲の量で添加される。好ましい酢酸ジルコニウム出発原料(すなわち、Nyacol ZrO2(Ac))については、この範囲はアセテート基約20〜50%の置換をもたらす。好ましくは、添加されたポリエーテルカルボン酸の量は、得られたジルコニア粒子の会合を妨ぐために必要な最小量に制限されるべきである。このようにして、ポリエーテル酸ジルコニウム塩を形成する間に遊離される酸の量は最小に保たれる。添加されたポリエーテルカルボン酸の量は、例えば、ポリエーテルカルボン酸の分子量、加水分解反応の間の濃度、時間及び温度などの因子に依存することがある。
出願第55200USA5Aの更に別の教示において、一般に、ポリエーテルカルボン酸が、ジルコニウム塩の水性溶液に添加され、得られた溶液は約30〜60分間室温で撹拌される。ポリエーテルカルボン酸分子は、ジルコニウム塩と反応してジルコニウム塩に結合した酸基の少なくとも一部分を置換し、置き換える。置換された酸基は遊離酸として溶液中に遊離される。ポリエーテル酸ジルコニウム塩の形成中に遊離した酸の少なくとも一部分、より好ましくは前記酸の実質的に全てを除去するのが通常、好ましい。酸の除去は、反応の平衡をポリエーテル酸ジルコニウム塩の形成にずらすように作用することがあることが指摘されねばならない。過剰な酸を除去するための適した技術は本技術分野に周知であり、例えば、乾燥または蒸留などがある。遊離した酸が低い沸点(例えば、<約175℃)を有するとき、水性相が蒸発させるまで溶液を加熱し、ポリエーテル酸ジルコニウム塩の残留物を残すことによって除去されてもよい。ポリエーテル酸ジルコニウム塩は、次いで、加水分解の前に水に溶解されなくてはならない。
ポリエーテル酸ジルコニウム塩の形成後及び、好ましくは、遊離した酸の除去後、次の工程は、ポリエーテル酸ジルコニウム塩を結晶性ジルコニア粒子に変換するのに十分な条件下でポリエーテル酸ジルコニウム塩の水溶液を加水分解することである。例として、ポリエーテル酸ジルコニウム塩が酢酸塩から得られるとき(反応順序1aを参照)、加水分解の工程は、一般反応順序(2a)に従う。
ZrO(4-n/2)(C232n-a(R2COO)a→酸改質ZrO2+(n−a)C232H+aR2COOH (2a)
前記加水分解反応は、酸で改質されたジルコニア粒子を形成し、また、遊離したカルボン酸(すなわち、C232H及びR2COOH)を副生成物として生じる。このため、得られたジルコニアゾルは、水中に酸改質ジルコニア粒子と2つのカルボン酸の混合物とを含む。酸で改質されたジルコニア粒子は、酸の少なくとも一部分がジルコニア粒子の表面に吸着されることを意味する。
ポリエーテル酸ジルコニウム塩溶液の加水分解反応は、何れの適した反応容器内で行われてもよい。前記反応は一般に高温及び高圧下で行われるので、オートクレーブが概して好ましいタイプの反応容器である。好ましい反応容器の1つの例は、イリノイ州、モリーンのパールインストルメントカンパニー製の、圧力反応装置シリーズ番号4520である。
出願第55200USA2Aの方法の操作において、ポリエーテル酸ジルコニウム塩の水溶液は、最初に反応容器の中に入れられる。ポリエーテル酸ジルコニウム塩溶液の濃度は一般に、0.5〜3重量%のZrO2の範囲であり、好ましくは1〜2重量%のZrO2の範囲である。しかしながら、前記濃度は他の反応条件に依存して、より広い範囲にわたって変化することがある。次に、ポリエーテル酸ジルコニウム塩溶液は、それをジルコニア粒子に変換するのに十分な温度に加熱される。好ましい加水分解の温度範囲は、約140〜250℃、より好ましくは約150〜200℃の範囲である。一般に反応容器は数時間にわたって望ましい加水分解温度に加熱される。特に、適した加水分解の温度または温度範囲が、ポリエーテルカルボン酸の劣化及び/または分解を最小にするために選択されることがある。反応容器に維持された圧力は自生圧(すなわち、反応の温度での水の蒸気圧)であってもよく、または、好ましくは、反応容器は、例えば、窒素などの不活性ガスで加圧されてもよい。好ましい圧力は、約1〜30バール(100〜3000kPa)の範囲である。反応容器の加圧は、得られたジルコニアゾルの性質に悪影響を及ぼすことがある反応容器中のポリエーテル酸ジルコニウム塩溶液の還流を低減または除くと考えられている。加水分解の時間は一般に、塩溶液の加水分解温度及び濃度の関数である。加水分解反応が実質的に終了するまで、熱が一般に適用される。概して、必要とされる時間は、約175℃の温度で約16〜24時間の範囲であるが、しかしながら、より長いまたはより短い時間もまた適していることがある。得られたジルコニア粒子をX線回折を用いて調べることによって、またはIR分光分析法またはHPLCを用いて水相中の遊離酸の量を調べることによって、反応をモニターしてもよい。加水分解の終了時に、圧力容器を冷却させ、得られたジルコニアゾルを反応容器から取り除く。上に記載した手順は回分式方法であるが、連続的方法で加水分解を行うこともまたこの本発明の範囲内である。
出願第55200USA5Aのジルコニアゾルは、本技術分野で周知の技術、例えば、蒸発または限外濾過を用いて液相の少なくとも一部分を除去することによって、濃縮されてもよい。好ましい方法において、ジルコニアゾルは回転式蒸発器を用いて約10〜40重量%のZrO2に濃縮される。
出願第55200USA5Aの方法に従って調製したジルコニアゾルは一般に、通常望ましいよりも過剰な酸を含有する(反応順序2aを参照)。ジルコニアゾルと有機母材、例えば、有機モノマーとを配合することが望ましいとき、ゾル中に存在している遊離酸の少なくとも一部分、より好ましくは実質的に全てを除去することが通常、必要である。一般に、前記酸は、乾燥、透析、沈殿、イオン交換、蒸留またはダイアフィルトレーションなど従来の方法によって除去されてもよい。
加水分解反応の間の遊離酸の形成により、調製したままのジルコニアゾルのpHは一般に、約1.8〜2.2の範囲である。透析を用いてゾルのpHを増大させてもよい。透析されたゾルは一般に、透析の程度に応じて、約1〜4.5以上のpHを有する。前記ゾルのpHはまた、酸(例えば、濃縮HCl及び氷酢酸)及び/または塩基(例えば、アンモニア水溶液)の添加によって調節されてもよい。アンモニア水を添加することにより、少なくともpH6〜7の透明なゾルが得られた。
ジルコニア粒子の表面に吸着した酸の比率を実質的に変化させないで、透析、イオン交換及びダイアフィルトレーション法を用いて遊離酸を除去することができる。あるいは、最初に水及び遊離酸をゾルから蒸発させて乾燥粉末を得ることによって、過剰な酸の除去及びゾルの濃縮を達成してもよい。次いで、乾燥粉末は、過剰な酸を実質的に含まない濃縮ゾルを得るために望ましい量の水中に再分散されてもよい。しかしながら、この技術は、より高沸点の酸の、より低い沸点の酸に対する比率が大きくなるようにジルコニア粒子の表面に吸着した酸の比率を変化させることができることは、注目されるべきである。
任意に、ジルコニアゾルの形成後に、ポリエーテルカルボン酸基がゾルのジルコニア粒子から除去または置換されてもよい。ポリエーテルカルボン酸基の除去は、例えば、ポリエーテル基がジルコニウムゾルを添加するのが望ましい有機母材と不相溶性であるとき、有利であることがある。ポリエーテルカルボン酸基の置換は、例えば、ジルコニア粒子からのポリエーテル酸をカルボン酸、例えば、酢酸で置換することによって、達成されてもよい。前記カルボン酸は、ジルコニア粒子上のポリエーテルカルボン酸基を置換し、置き換わる。置換後に、遊離ポリエーテルカルボン酸は、例えば透析またはダイアフィルトレーションなどの本技術分野で周知の技術を用いてゾルから除去されてもよい。
重金属酸化物粒子の表面処理は、安定化した重金属酸化物粒子の供給を促進する。安定化は、望ましい半透明性を提供しなおかつ望ましい機械的特性(例えば強度)及び放射線不透過性を提供するように、重金属酸化物粒子を硬化性樹脂中に十分に分散させる。表面処理剤は好ましくは、望ましい硬化性樹脂を有する(中の)表面改質された重金属酸化物粒子の分散性及び/または反応性を提供する官能基を含有するように選択される。好ましくは、金属酸化物粒子は、酸性化合物で処理される。適した表面処理酸には、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、及びスルホン酸などがある。より好ましくは、表面安定化は酸性化合物の混合物で行われる。あるいは、1つ以上が重合性官能価を有する酸性化合物の混合物を、好ましくは用いることができる。最も好ましくは、酸性作用はホウ素、炭素、リン、及び硫黄のオキシ酸(oxyacids)から得られる。例えば、カルボン酸がジルコニア及びセリア粒子の表面に特によく吸着することが見いだされた。
酸の混合物を好ましくは用いて、重金属酸化物粒子を処理(改質)する。好ましくは、前記酸は、構造R−COOHを含み、そこにおいて、Rがエチレン性不飽和を含有する有機ラジカルである。Rは枝分かれしているか、または直鎖状であってもよく、(例えば、ヘテロ原子によって)置換されてもよい。Rは一般に、約1〜50個の炭素原子、好ましくは約2〜20個の炭素原子を含有する。このような酸の特に好ましい基には、末端エチレン性不飽和を有するR基などがある。
酸の組合せが前記粒子の表面に吸着することにより、強度、分散性及び安定性のあるものにする望ましい表面改質提供する。好ましい方法において、コロイド状ジルコニア粒子が水中に分散され、酢酸を表面に吸着させる。表面改質は、最終材料に十分な分散性及び大きな強度を提供するように選択された酸の組合せで、吸着した酢酸を置換することを必要とする。
表面処理(改質)のために適した親水性の、非反応性の酸には、2−[2−(2−メトキシ)エトキシ]エトキシ酢酸(MEEAA)、モノ(ポリエチレングリコール)スクシネート、モノ(ポリエチレングリコール)マレエートなどがある。これらの酸は、本発明の硬化性歯科材料中の前記粒子の十分な分散性を提供する。
強度は、表面改質基と硬化性樹脂との共重合によって非常に増強される。好ましくは、これは、反応性表面改質剤を用いることによって達成される。表面処理のために適した親水性及び反応性酸の例には、2−ヒドロキシメチル−2−[(N−メタクリルオキシエチル)カルバモイルメチル]プロピオン酸(PAMA)、モノ(アクリルオキシポリエチレングリコール)スクシネート、及びモノ(アクリルオキシポリエチレングリコール)マレエートなどがある。他の適した反応性酸には、2,2−ビス[(N−メタクリルオキシエチル)カルバモイルメチル]プロピオン酸(PDMA)、アクリル酸、メタクリル酸、ベータカルボキシエチルアクリレート、モノ−2−(メタクリルオキシ)エチルスクシネート、及びモノ−2−(メタクリルオキシ)エチルマレエートなどがある。
このような酸の組合せはまた、有機的な相溶性及び反応性を付与するために望ましい。前記重金属酸化物の表面処理に有用な他の適した酸混合物には、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、及びオクタン酸などの脂肪族カルボン酸の他、メトキシフェニル酢酸及び3,4,5トリエトキシ安息香酸などの芳香族非反応性酸、並びにイタコン酸、トルエンスルホン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、記載した酸の塩、及びそれらのブレンドなどがある。
表面処理した重金属酸化物の粒子に、表面処理した非重金属酸化物の粒子を配合し、硬化性樹脂に混入される充填剤を提供することができる。表面処理した非重金属酸化物及び重金属酸化物の総合重量は好ましくは、歯科材料の全重量に対して約10%〜95%の範囲の量で歯科材料中に存在している。より好ましくは、このような処理した非重金属酸化物及び重金属酸化物の総合重量は、材料の重量の50%〜85%の量で、最も好ましくは60%〜80%の量で存在している。表面処理した重金属酸化物の重量は、表面処理した非重金属酸化物及び重金属酸化物の総合重量の0.1%〜95%に相当する場合があり、残余の重量は、表面処理した非重金属酸化物によって占められる。より好ましくは、表面処理した重金属酸化物は好ましくは、表面処理した非重金属酸化物及び重金属酸化物材料の総合重量の5%〜70%を占め、最も好ましくは15%〜40%を占める。
あるいは、本明細書中に記載した非重金属酸化物粒子及び重金属酸化物の代わりにまたは他に、非重金属酸化物及び重金属酸化物の実質的に非晶質のクラスターを含む充填剤を本発明の歯科材料におけるように用いることができる。この好ましいクラスターは、本発明と同日に出願され同じ譲受人の、代理人整理番号55119USA8Aの米国特許出願においてジャングらによって教示されている。非晶質のクラスターは好ましくは、約5μmより小さい平均直径を有する。より好ましくは、前記クラスターは約2μmより小さい平均直径を有する。
本明細書で用いた用語「クラスター」は、クラスター中に存在している非重金属酸化物の粒子間の会合の性質を指す。一般に、クラスターの非重金属酸化物の粒子は、歯科材料用の硬化性樹脂中に分散されるときでも、非重金属酸化物粒子を凝集させる相対的に弱い分子間力によって会合される。重金属酸化物がクラスター中に粒子として存在している限りにおいて、重金属酸化物の粒子は互いに及び非重金属酸化物の粒子に、似た会合を示す。
「実質的に非晶質である」の意味は、クラスターが結晶性構造体を本質的に含まないことである。結晶性が存在しないこと(または非晶質相の存在)は好ましくは、以下の試験方法に記載したように、結晶化度を提供する手順によって確認される。結晶化度は、材料が結晶性であるかまたは非晶質である程度を特性決定し、それによって1.0の値は完全に結晶性の構造体を示し、ゼロ付近の値は非晶質相のみの存在を示す。本発明の充填剤の指数は好ましくは、約0.1より小さく、より好ましくは約0.05より小さい。
本発明の材料に有用なクラスターは好ましくは、充分に高密度化されない。本明細書で用いた用語「十分に密度の高い」は、(試料が接触させられる気体のN2分子の吸着に基づいた)B.E.T.窒素技術などの標準的な分析技術によって検出可能な開放多孔度を実質的に有さない、理論密度付近である粒子について説明している。このような測定値は、開放多孔度を検出するために同じ大きさの完全な微小球の塊の単位重量当たりの表面積と比較することができる試料の単位重量当たりの表面積(例えばm2/g)のデータをもたらす。このような測定値を、ニューヨーク州、サイオセットのカンタクロームコーポレーション製のクヲンタソーブ装置で得ることができる。密度の測定値を、空気、ヘリウムまたは水ピクノメータを用いて得ることができる。
出願第55119USA8Aに記載されているような本発明に有用なクラスターはしばしば、熱処理を含む方法で製造される。熱処理の前のその表面積と比較された熱処理後のクラスターの表面積は好ましくは、非常に大きい。熱処理後の表面積を熱処理前の表面積と比較した比率は、好ましくは約50%より大きく、より好ましくは約80%より大きい。
クラスター中で用いられた非重金属酸化物の粒子の平均直径は好ましくは、約100nmより小さく、より好ましくは、前記粒子は平均直径が約50nmより小さい。好ましい実施態様においてシリカ粒子がクラスター中で用いられる。シリカ粒子は好ましくは、シリカの水性コロイド分散系(すなわち、ゾルまたはアクアゾル)から製造される。コロイドシリカは一般に、シリカゾル中で約1〜50重量パーセントの濃度である。本発明の充填剤の製造に用いることができるコロイドシリカゾルは市販されており、異なったコロイドの大きさを有する。『Surface & Colloid Science』、Vol.6、マティジェヴィク,E.編、ワイリーインターサイエンス、1973年、を参照のこと。本発明のクラスターの製造に用いるための好ましいシリカゾルは、(ナルコケミカルカンパニー製のナルココロイドシリカなど)水性媒体中の非晶質シリカの分散系として供給されるシリカゾル、及びナトリウム濃度が低く、適した酸との混合によって酸化され得るシリカゾルである(例えばデラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポンドゥヌムール社製のルドックスコロイドシリカまたはナルコケミカルカンパニー製のナルコ2326)。好ましくは、ゾル中のシリカ粒子は、約5〜100nm、より好ましくは10〜50nm、最も好ましくは12〜40nmの平均粒子直径を有する。特に好ましいシリカゾルはナルコ1042である。
好ましくは、重金属酸化物は粒子の形状で提供される。重金属酸化物の粒子は好ましくは約100nmより小さい平均直径を有する。より好ましくは、粒子は平均直径が約50nmより小さく、最も好ましくは約10nmより小さい。重金属酸化物の粒子は凝結していてもよい。その場合、凝結粒子は平均直径が約100nmより小さく、より好ましくは約50nmより小さいことが好ましい。
本発明の充填剤及び材料中で用いた重金属酸化物の成分を製造するのに有用な重金属酸化物の前駆物質は、脂肪族のモノまたはジカルボン酸(例えばギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、及び乳酸)の重金属塩など、有機または無機酸または水溶性の塩であってもよい。好ましい重金属化合物はジルコニウムを含有する。酢酸ジルコニル化合物が特に好ましい。用いることができる有用な無機ジルコニウム化合物は、オキシ硝酸ジルコニウム及びオキシ塩化ジルコニウムである。この発明で用いることができるジルコニア供給源に関する更に詳細な内容については米国特許第3,709,706号、第4欄、61行目〜第5欄、5行目、を参照のこと。特に好ましい酢酸ジルコニルは、MEI(ニュージャージー州、フレミントンのマグネシウムエレクトロン)から入手できる。
本発明に有用なクラスターは好ましくは、樹脂相溶化表面処理剤で処理される。特に好ましい表面処理剤または表面改質剤には、樹脂と重合することができるシラン処理剤などがある。好ましいシラン処理剤には、ウィトコオシスペシャルティズ(コネチカット州、ダンバリー)製の商品名A−174として市販の、γ−メタクリルオキシルプロピルトリメトキシシラン及びユナイテッドケミカルテクノロジーズ(ペンシルベニア州、ブリストル)製の商品名G6720として市販の製品、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどがある。
あるいは、表面改質剤の組合せがクラスターを処理するときに有用であることがあり、そこにおいて、表面改質剤の少なくとも1つが、硬化性樹脂と共重合性である官能基を有する。例えば、前記重合基は、エチレン性不飽和であるかまたは開環重合しやすい環状官能基(cyclic function)であってもよい。エチレン性不飽和重合基は、例えば、アクリレートまたはメタクリレート、またはビニル基であってもよい。開環重合しやすい環状官能基は概して、酸素、硫黄または窒素などのヘテロ原子を含有し、好ましくはエポキシドなどの酸素を含有する3員環である。硬化性樹脂と概して反応しない他の表面改質剤が、分散性またはレオロジーの性質を増強するために含まれてもよい。この種類のシランの例には、例えば、アリールポリエーテル、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、またはアミノフェノールアルキル官能性シランなどがある。
本発明の歯科材料は硬化性樹脂を含有する。これらの樹脂は好ましくは概して、硬化してポリマー網目構造を形成することができる熱硬化性樹脂、例えば、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、及びビニル樹脂である。好ましくは、硬化性樹脂は、1つ以上の母材形成オリゴマー、モノマー、またはポリマー、またはそれらのブレンドから製造される。
本発明の歯科材料が歯科用複合材である好ましい実施態様において、使用に適した重合性樹脂には、それらを口腔環境で用いるのに適しているようにする十分な強度、加水分解安定度、及び非毒性を有する硬化性有機樹脂などがある。このような樹脂の例には、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、カルバモイルイソシアヌレート及びエポキシ樹脂、例えば、米国特許第3,066,112号、3,539,533号、3,629,187号、3,709,866号、3,751,399号、3,766,132号、3,860,556号、4,002,669号、4,115,346号、4,259,117号、4,292,029号、4,308,190号、4,327,014号、4,379,695号、4,387,240号及び4,404,150号に示された樹脂、及びそれらの混合物及び誘導体などがある。
好ましい硬化性樹脂の1つの種類は、フリーラジカル活性官能基を有する材料であり、1個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマーなどがある。あるいは、前記硬化性樹脂は、カチオン性活性官能性基を有する樹脂の種類の材料であってもよい。別の選択肢において、カチオン硬化性及びフリーラジカル硬化性樹脂の両方を有する硬化性樹脂の混合物が本発明の歯科材料のために用いられてもよい。
フリーラジカル活性官能基を有する硬化性樹脂の種類において、本発明で用いるための適した材料は、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を含有し、付加重合を経ることができる。このようなフリーラジカル重合性材料には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルメタクリレート(「ビス−GMA」)、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレートなどのモノ−、ジ−またはポリ−アクリレート及びメタクリレート、分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレート及びビス−メタクリレート、米国特許第4,652,274号におけるようなアクリル化モノマーの共重合性混合物、米国特許第4,642,126号のアクリル化オリゴマーの他、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート及びジビニルフタレートなどのビニル化合物などがある。もし必要ならば、これらのフリーラジカル重合性材料の2つ以上の混合物を用いることができる。
フリーラジカル重合(硬化)については、開始反応系は、放射線、熱、またはレドックス/自己−硬化化学反応によって重合を開始する系から選択されてもよい。フリーラジカル活性官能基の重合を開始することができる開始剤の種類には、任意に光増感剤または促進剤を配合したフリーラジカル生成光開始剤などがある。このような開始剤は一般に、200〜800nmの波長を有する光エネルギーに露光した時にフリーラジカルを生成して付加重合することができる。
いろいろな可視光または近赤外線光開始剤系を、本発明に有用なフリーラジカル重合性材料の光重合のために用いてもよい。例えば、フリーラジカル重合(硬化)において、光開始反応系(photoinitiation system)は、米国特許第4,071,424号(その内容を本願明細書に引用したものとする)に記載されているような、アミン及びα−ジケトンの二成分系によって重合を開始する系から選択される。あるいは、前記樹脂は、米国特許第5,545,676号に記載されているような三成分または三元光開始剤系と組み合わされてもよい。
三元光重合開始剤系において、第一の成分はヨードニウム塩、例えば、ジアリールヨードニウム塩である。前記ヨードニウム塩は好ましくは、増感剤及び供与体の存在下で溶解されるとき、前記モノマーに可溶性であり、貯蔵安定性がある(すなわち、重合を自発的に進めない)。したがって、特定のヨードニウム塩の選択はある程度は、選択された特定のモノマー、ポリマーまたはオリゴマー、増感剤及び供与体に依存することがある。適したヨードニウム塩は、米国特許第3,729,313号、3,741,769号、3,808,006号、4,250,053号、及び4,394,403号(そのヨードニウム塩の開示内容を本願明細書に引用したものとする)に記載されている。前記ヨードニウム塩は単塩であるか(例えば、Cl-、Br-、I-またはC45SO3 -などのアニオンを含有する)、または金属錯塩(例えば、SbF5OH-またはAsF6 -を含有する)であってもよい。必要ならば、ヨードニウム塩の混合物を用いることができる。好ましいヨードニウム塩には、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートなどのジフェニルヨードニウム塩などがある。
三元光開始剤系中の第二の成分は増感剤である。増感剤は望ましくはモノマーに可溶性であり、波長が約400ナノメートルより大きく約1200ナノメートルまで、より好ましくは約400ナノメートルより大きく約700ナノメートルまで、最も好ましくは約400ナノメートルより大きく約600ナノメートルまでの範囲内で光吸収することができる。増感剤はまた、米国特許第3,729,313号に記載された試験手順を用いて、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンに感光性を与えることができる場合がある。好ましくは、この試験に合格することの他に、増感剤はまた、一部分は、貯蔵安定性の問題点に基づいて選択される。したがって、特定の増感剤の選択は、ある程度は、選択された特定のモノマー、オリゴマーまたはポリマー、ヨードニウム塩及び供与体に依存することがある。
適した増感剤には、以下のカテゴリーの化合物、ケトン、クマリン染料(例えば、ケトクマリン)、キサンチン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリールメタン、メロシアニン、スクアリーリウム(squarylium)染料及びピリジニウム染料、などが挙げられる。ケトン(例えば、モノケトンまたはアルファ−ジケトン)、ケトクマリン、アミノアリールケトン及びp−置換アミノスチリルケトン化合物が好ましい増感剤である。高い感度を必要とする適用については、ユロリジニル部分を含有する増感剤を使用するのが好ましい。深い硬化を必要とする適用については(例えば、高充填複合材の硬化)、光重合のための照射の望ましい波長で、吸光係数が約1000より小さく、より好ましくは約100より小さい増感剤を使用するのが好ましい。あるいは、照射した時に励起波長での光吸収の低下を示す染料を用いることができる。
例えば、ケトン増感剤の好ましい種類は、式:
ACO(X)b
を有し、XがCOまたはR56であり、R5及びR6が同一または異なっていてもよく、水素、アルキル、アルカリールまたはアラルキルであってもよく、bがゼロまたは1であり、A及びBが同一または異なっていてもよく、置換(1つ以上の非干渉置換基(non−interfering substituents)を有する)または非置換アリール、アルキル、アルカリール、またはアラルキル基であり、A及びBが全体として置換または非置換脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族または縮合芳香環であってもよい環状構造体を形成することができる。
上記の式の適したケトンには、2,2−、4,4−、または2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミヒラーケトン、2−フルオロ−9フルオレノン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1または2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3または9−アセチルフェナントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3または4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリンなどのモノケトン(b=0)などがある。適したジケトンには、アントラキノン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセンなどのアラルキルジケトンなどがある。適したアルファ−ジケトン(b=1及びX=CO)には、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル、2,2’−3,3’−及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル、フリル、ジ−3,3’−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンファキノン)、ビアセチル、1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、アセナフタキノンなどがある。
三元開始剤系の第三の成分は供与体である。好ましい供与体には、例えば、アミン(アミノアルデヒド及びアミノシランなど)、アミド(ホスホルアミドなど)、エーテル(チオエーテルなど)、尿素(チオ尿素など)、フェロセン、スルフィン酸及びそれらの塩、フェロシアン化物の塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミド酸及びその塩、キサンテートの塩、エチレンジアミンテトラ酢酸の塩及びテトラフェニルボロン酸(tetraphenylboronic acid)の塩などがある。供与体は、非置換であるか、または1つ以上の非干渉置換基で置換されてもよい。特に好ましい供与体は、窒素、酸素、リン、または硫黄原子などの電子供与原子、及び前記電子供与原子に対しアルファの炭素またはケイ素原子に結合した抽出可能な水素原子を含有する。いろいろな供与体が、米国特許第5,545,676号に開示されている。
あるいは、本発明に有用なフリーラジカル開始剤には、欧州特許出願第173567号、米国特許第4,737,593号、及び英国特許第2,310,855号に記載されているように、アシルホスフィン酸化物の種類などがある。このようなアシルホスフィン酸化物は、一般式
(R92−P(=O)−C(=O)−R10
によって表され、式中、各々のR9が独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルなどのヒドロカルビル基であってもよく、それらの何れかが、ハロ、アルキルまたはアルコキシ基で置換されてもよく、あるいは2個のR9基が結合してリン原子とともに環を形成することができ、R10がヒドロカルビル基であるか、S−、O−、またはN−含有5または6員環の複素環基、または−Z−C(=O)−P(=O)−(R92であり、Zが2〜6個の炭素原子を有するアルキレンまたはフェニレンなどの二価のヒドロカルビル基を表す。
本発明に有用な好ましいアシルホスフィン酸化物は、R9及びR10基がフェニルまたは低級アルキルまたは低級アルコキシ置換フェニルであるアシルホスフィン酸化物である。「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」が意味するのは、1〜4個の炭素原子を有するこのような基である。最も好ましくは、アシルホスフィン酸化物は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸化物(ニューヨーク州、タリータウンのチバスペシャルティケミカルズ製のIRGACURETM819)である。
第三アミン還元剤が、アシルホスフィン酸化物と共に用いられてもよい。本発明に有用な具体的な第三アミンには、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどがある。開始剤は、存在しているエチレン性不飽和化合物の重量に対して、アシルホスフィン酸化物約0.1〜約5重量パーセントと、存在しているエチレン性不飽和化合物の重量に対して、第三アミン約0.1〜約5重量パーセントとの総和などの接触有効量で使用されてもよい。
400nmより大きく1200nmまでの波長で照射したときにフリーラジカル開始反応することができる市販のホスフィン酸化物光開始剤には、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィン酸化物と、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−oneとの25:75の重量比の混合物(チバスペシャルティケミカルズ製のIRGACURETM1700)、2−ベンジル−2−(N、N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(チバスペシャルティケミカルズ製のIRGACURETM369)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタン(チバスペシャルティケミカルズ製のIRGACURETM784 DC)の他、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸化物と、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−oneとの1:1の重量比の混合物(チバスペシャルティケミカルズ製のDAROCURTM4265)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(ノースカロライナ州、シャーロットのBASFコーポレーション製のLUCIRINTMLR8893X)、などがある。
本発明の歯科材料において代わりに用いることができる別のフリーラジカル開始剤系には、イオン性染料の種類−ボラートアニオン及び相補的なカチオン染料を含む対イオン錯体開始剤、などがある。
ボラート塩光開始剤は、例えば、米国特許第4,772,530号、4,954,414号、4,874,450号、5,055,372号、5,057,393号に記載されている。これらの光開始剤に有用なボラートアニオンは概して、式
1234-
によって表すことができ、式中、R1、R2、R3及びR4が独立にアルキル、アリール、アルカリール、アリル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、脂環式及び飽和または不飽和複素環基であってもよい。好ましくは、R2、R3及びR4はアリール基、より好ましくはフェニル基であり、R1はアルキル基、より好ましくは第二アルキル基である。
カチオン性の対イオンは、カチオン染料、第四アンモニウム基、遷移金属配位錯体などであってもよい。対イオンとして有用なカチオン染料は、カチオン性メチン、ポリメチン、トリアリールメチン、インドリン、チアジン、キサンチン、オキサジンまたはアクリジン染料であってもよい。より具体的には、染料はカチオン性シアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、ローダミン、及びアゾメチン染料であってもよい。有用なカチオン染料の具体例には、メチレンブルー、サフラニン O、及びマラカイトグリーンなどがある。対イオンとして有用な第四アンモニウム基は、トリメチルセチルアンモニウム、セチルピリジニウム、及びテトラメチルアンモニウムであってもよい。他の親有機性カチオンには、ピリジニウム、ホスホニウム、及びスルホニウムなどが挙げられる。用いてもよい感光性遷移金属配位錯体には、コバルト、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、及びイリジウムと、ピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、2,4,6−トリ(2−ピリジル−s−トリアジン)などの配位子及び関連配位子との錯体などがある。
フリーラジカル活性官能基の重合を開始することができる開始剤のさらに別の種類には、過酸化物とアミンとの組合せなどの従来の化学開始剤系などがある。熱レドックス反応に依存するこれらの開始剤はしばしば、「自己−硬化触媒」と称される。それらは一般に、反応体同士を離して貯蔵し、次に、使用する直前に配合する二成分系として供給される。
更に別の選択肢において、熱を用いてフリーラジカル活性基の硬化(hardening)、または重合、を開始してもよい。本発明の歯科材料に適した熱源の例には、誘導加熱、対流、及び輻射などがある。熱源は、標準状態でまたは高圧下で少なくとも40℃〜15℃の温度を生じることができるのがよい。この手順は、口腔環境外で生じる材料の重合を開始するために好ましい。
本発明の歯科材料に有用なフリーラジカル活性官能基の重合を開始することができる開始剤のさらに別の種類、フリーラジカルを生じる熱開始剤を有する開始剤である。例には、例えば、ベンゾイルペルオキシド及びラウリルペルオキシドなどの過酸化物、及び例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物などがある。
本発明の歯科材料に有用な硬化性樹脂の別の種類には、カチオン活性官能基を有してもよい。カチオン活性官能基を有する材料には、重合性エポキシ樹脂、ジビニルエーテル、オキセタン、スピロ−オルトカルボネート、スピロ−オルトエステルなどがある。
カチオン活性官能基を有する好ましい材料は、エポキシ樹脂である。このような材料は、オキシラン環、すなわち、式
の基を有する有機化合物であり、それは開環によって重合可能である。これらの材料には、モノマーのエポキシ化合物及びポリマーのタイプのエポキシ化合物などがあり、脂肪族、脂環式、芳香族でまたは複素環であってもよい。これらの材料は概して、平均して、1分子中に少なくとも1個の重合性エポキシ基を有し、好ましくは少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも1分子中に約2個の重合性エポキシ基を有する。ポリマーのエポキシドには、末端エポキシ基を有する線状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、オキシラン骨格単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)、及びエポキシ側基を有するポリマー(例えば、グリシジルメタクリレートポリマーまたはコポリマー)などがある。エポキシドは高純度の化合物であってもよく、または1分子中に1、2個以上のエポキシ基を含有する化合物の混合物であってもよい。1分子中のエポキシ基の「平均の」数は、エポキシ含有材料中のエポキシ基の総数を、存在しているエポキシ含有分子の総数で割ることによって求められる。
これらのエポキシ含有材料は、低分子量のモノマー材料から高分子量のポリマーまで変化してもよく、それらの主鎖及び置換基の性質が非常に変化してもよい。許容される置換基の具体例には、ハロゲン、エステル基、エーテル、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基、ホスフェート基などがある。エポキシ含有材料の分子量は、約58〜約100,000以上に変化してもよい。
有用なエポキシ含有材料には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートに代表される、エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの酸化シクロヘキサン基を含有するエポキシ含有材料などがある。この性質の有用なエポキシドのより詳細なリストについては、米国特許第3,117,099号を参照のこと。
この発明の組成物に有用な更に別のエポキシ含有材料には、式
のグリシジルエーテルのモノマーなどがあり、式中、R’がアルキルまたはアリールであり、nが1〜6の整数である。例は、多価フェノールをエピクロロヒドリンなどのクロロヒドリンの過剰分と反応させることによって得られた多価フェノールのグリシジルエーテル(例えば、2,2−ビス−(2,3−エポキシプロポキシフェノール)−プロパンのジグリシジルエーテル)である。この種類のエポキシドの更に別の例は、米国特許第3,018,262号(その内容を本願明細書に引用したものとする)、及び「Handbook of Epoxy Resins」、リー及びネヴィル共著、マグローヒルブックカンパニー刊、ニューヨーク(1967年)に記載されている。
更に他のエポキシ樹脂は、グリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートなどのアクリル酸エステルまたはグリシドールと1つ以上の共重合性ビニル化合物とのコポリマーを含有する。このようなコポリマーの例は、1:1のスチレン−グリシジルメタクリレート、1:1のメチルメタクリレート−グリシジルアクリレート及び62.5:24:13.5のメチルメタクリレート−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレートである。
他の有用なエポキシ樹脂が公知であり、エピクロロヒドリン、アルキレン酸化物、例えば、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、アルケニル酸化物、例えば、ブタジエンオキシド、グリシジルエステル、例えば、グリシド酸エチルなどのエポキシドを含有する。
いろいろなエポキシ含有材料のブレンドもまた予想される。このようなブレンドは、低分子量(200より小さい)、中間の分子量(約200〜10,000まで)及び高分子量(約10,000より大きい)など、エポキシ含有化合物の2つ以上の重量平均分子量の分布を有する。代わりにまたはさらに、エポキシ樹脂は、脂肪族及び芳香族など、異なった化学的性質、または極性及び無極性など、官能価を有するエポキシ含有材料のブレンドを含有してもよい。
この発明に用いることができる多くの市販のエポキシ樹脂がある。特に、容易に入手できるエポキシドには、オクタデシレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシドール、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の商品名「Epon 828」、「Epon 825」、「Epon 1004」及び「Epon 1010」、ダウケミカルカンパニー製の「DER−331」、「DER−332」及び「DER−334」)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4206」)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4221」または「CYRACURE UVR 6110」または「UVR 6105」)、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキセンカルボキシレート(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4201」)、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4289」)、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−0400」)、ポリプロピレングリコールから改質された脂肪族エポキシ(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4050」及び「ERL−4052」)、ジペンテンジオキシド(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4269」)、エポキシ化ポリブタジエン(例えば、FMCコーポレーション製の「Oxiron 2001」)、エポキシ官能価を含有するシリコーン樹脂、難燃性エポキシ樹脂(例えば、「DER−580」、ダウケミカルカンパニー製の臭素化ビスフェノールタイプエポキシ樹脂)、フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ダウケミカルカンパニー製の「DEN−431」及び「DEN−438」)、及びレソルシノールジグリシジルエーテル(例えば、コパーズカンパニー製の「Kopoxite」)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4299」または「UVR−6128」)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「ERL−4234」)、ビニルシクロヘキセンモノオキシド1,2−エポキシヘキサデカン(例えば、ユニオンカーバイドコーポレーション製の「UVR−6216」)、アルキルC8−C10グリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXY モディファイアー7」)、アルキルC12−C14グリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー8」)、ブチルグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製のHELOXYモディファイアー61”)、クレジルグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー62」)、p−ターブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー65」)、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルなどの多官能性グリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー67」)、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー68」)、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー107」)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー44」)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー48」)、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー84」)、ポリグリコールジエポキシド(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「HELOXYモディファイアー32」)、ビスフェノールFエポキシド(例えば、チバガイギーコーポレーション製の「EPN−1138」または「GY−281」)、9,9−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−フェニル]フルオレノン(例えば、シェルケミカルカンパニー製の「Epon 1079」)、などがある。
ブレンドされた1つ以上のエポキシ樹脂を用いることもまた、この発明の範囲内である。異なった種類の樹脂が何れかの比率で存在してもよい。
任意に、モノヒドロキシとポリヒドロキシ−アルコールが、エポキシ樹脂の鎖延長剤として、本発明の硬化性組成物に添加されてもよい。本発明で用いたヒドロキシル含有材料は、少なくとも1、好ましくは少なくとも2のヒドロキシル官能価を有する何れの有機材料であってもよい。
好ましくはヒドロキシル含有材料は、2個以上の第一または第二脂肪族ヒドロキシル基を含有する(すなわち、ヒドロキシル基が非芳香族炭素原子に直接に結合される)。ヒドロキシル基は末端に位置してもよく、またはそれらはポリマーまたはコポリマーの側基であってもよい。ヒドロキシル含有有機材料の分子量は、非常に低い(例えば、32)から非常に高い(例えば、1,000,000以上)まで変化してもよい。適したヒドロキシル含有材料は低分子量、すなわち、約32から200、中間の分子量、すなわち、約200から10,000、または高分子量、すなわち、約10,000以上、を有することができる。本明細書で用いたすべての分子量は重量平均分子量である。
ヒドロキシル含有材料は任意に、室温でカチオン硬化を実質的に妨げない他の官能価を含有することができる。このように、ヒドロキシル含有材料は事実上、非芳香族であってもよく、または芳香族官能価を含有してもよい。極限ヒドロキシル含有材料が室温でカチオン硬化を実質的に妨げないなら、ヒドロキシル含有材料は任意に、窒素、酸素、硫黄など、分子の主鎖にヘテロ原子を含有することができる。ヒドロキシル含有材料は、例えば、天然または合成されたセルロース材料から選択されてもよい。もちろん、ヒドロキシル含有材料はまた、熱的にまたは光分解により不安定であることがある基を実質的に含まない。すなわち、前記材料は、約100℃より低い温度で、または光共重合性組成物のために望ましい硬化条件の間に直面することがある化学線(actinic light)の存在下で分解したり、または揮発成分を放出しない。有用なヒドロキシル含有材料は、例えば、米国特許第5,856,373号に記載されている。
本発明の組成物に用いたヒドロキシル含有有機材料の量は、ヒドロキシル含有材料とエポキシドとの相溶性、ヒドロキシル含有材料の当量及び官能価、最終硬化組成物の望ましい物理的性質、光硬化の望ましい速度などの因子に依存して、広い範囲にわたって変化してもよい。
いろいろなヒドロキシル含有材料のブレンドが、本発明の歯科材料に有用であることがある。このようなブレンドの例は、低分子量(200より小さい)、中間の分子量(約200〜10,000まで)高分子量(約10,000より大きい)など、ヒドロキシル含有化合物の2つ以上の分子量の分布を有する。代わりにまたはさらに、エポキシ樹脂は、脂肪族及び芳香族など、異なった化学的性質、または極性及び無極性など、官能価を有するエポキシ含有材料のブレンドを含有してもよい。更に別の例として、2つ以上の多官能性ヒドロキシ材料または1つ以上の単官能性ヒドロキシ材料と多官能性ヒドロキシ材料との混合物を用いてもよい。
カチオン活性官能基を含む硬化樹脂については、開始反応系を、放射線、熱、またはレドックス/自己−硬化化学反応によって重合を開始する系から選択することができる。例えば、エポキシ重合は、無水物またはアミンなど、熱硬化剤の使用によって達成されてもよい。無水物硬化剤の特に有用な例は、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物である。
あるいは及び好ましくは、カチオン活性官能基を含む樹脂の開始反応系は、光活性化される開始反応系である。光活性カチオン核、光活性カチオン部分、及び光活性カチオン有機化合物は、米国特許第4,250,311号、3,708,296号、4,069,055号、4,216,288号、5,084,586号、5,124,417号、4,985,340号、5,089,536号、及び5,856,373号に例示された、技術によって認められた種類の材料である。
カチオン硬化性材料を、上に記載したように、三成分または三元光開始剤系と組み合わせることができる。三成分開始剤系はまた、米国特許出願第08/838,835号(現在、認可されている)及び米国特許第5,998,495号に記載されている。
カチオン硬化性樹脂の硬化については、有用な芳香族ヨードニウム錯塩(すなわち、三元光開始剤系の第一の成分)の例には、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル−4−メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−ヘプチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(3−ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(ナフチル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジ(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル−2−チエニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、3,5−ジメチルピラゾリル−4−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,2’−ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(2,4−ジクロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−カルボキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−メトキシスルホニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−アセトアミドフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(2−ベンゾチエニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及びジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(DPISbF6)、などがある。
本発明の組成物に使用するのに適している芳香族ヨードニウム錯塩のうち、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートが好ましい塩の1つである。これらの塩は、一般に、それらがより速い反応を促進し、錯イオンの他の芳香族ヨードニウム塩より不活性有機溶剤中により可溶性であるので、好ましい。
上記のとおり、三元光開始剤系の第2及び第3の成分は、それぞれ、増感剤及び電子供与体である。本発明の歯科材料のカチオン重合に有用である増感剤は、フリーラジカル硬化材料について上に記載した増感剤である。同様に、本発明の材料のカチオン重合に有用な電子供与体には、フリーラジカル硬化材料について上に記載した電子供与体などがある。しかしながら、カチオン硬化材料の場合、電子供与体は好ましくは、米国特許出願第08/838,835号(現在、許可されている)及び米国特許第5,998,495号に示された必要条件を満たし、重合性組成物に可溶性である。供与体はまた、貯蔵安定性、選択された重合性材料、ヨードニウム塩及び増感剤の性質など、他の因子を考慮して選択することができる。本発明の系に有用であることがある供与体化合物の種類は、米国特許第5,545,676号に記載された供与体のいくつかから選択されてもよい。
供与体は一般に、アリール基が1個以上の電子吸引基によって置換されるアルキル芳香族ポリエーテルまたはN−アルキルアリールアミノ化合物である。適した電子吸引基の例には、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、アルデヒド、スルホン酸、スルホネート及びニトリル基などがある。
N−アルキルアリールアミノ供与体化合物の好ましい基は、次の構造式:
によって表され、式中、各々のR1が独立にHであるか、任意に1個以上のハロゲン、−CN、−OH、−SH、C1-18アルコキシ、C1-18アルキルチオ、C3-18シクロアルキル、アリール、COOH、COOC1-18アルキル、(C1-18アルキル)0-1−CO−C1-18アルキル、SO3R2、CNによって置換されるC1-18アルキルであるかまたは任意に1個以上の電子吸引基によって置換されるアリール基であり、またはR1基が接合して環を形成してもよく、Arが1個以上の電子吸引基によって置換されるアリールである。適した電子吸引基には、−COOH、−COOR2、−SO32、CN、−CO−C1-18アルキル及び−C(O)H基などがあり、そこにおいて、R2がC1-18直鎖、分岐状、または環状アルキル基であってもよい。
アリールアルキルポリエーテルの好ましい基は、次の構造式:
を有し、式中、n=1−3であり、各R3が独立にHであるかまたは任意に1個以上のハロゲン、−CN、−OH、−SH、C1-18アルコキシ、C1-18アルキルチオ、C3-18シクロアルキル、アリール、置換アリール、−COOH、−COOC1-18アルキル、−(C1-18アルキル)0-1−COH、−(C1-18アルキル)0-1−CO−C1-18アルキル、−CO−C1-18アルキル、−C(O)Hまたは−C2-18アルケニル基によって置換されるC1-18アルキルであり、各R4が任意に1個以上のハロゲン、−CN、−OH、−SH、C1-18アルコキシ、C1-18アルキルチオ、C3-18シクロアルキル、アリール、置換アリール、−COOH、−COOC1-18アルキル、−(C1-18アルキル)0-1−COH、−(C1-18アルキル)0-1−CO−C1-18アルキル、−CO−C1-18アルキル、−C(O)Hまたは−C2-18アルケニル基によって置換されるC1-18アルキルであってもよい。
上記の式の各々において、アルキル基は直鎖または枝分かれしていてもよく、シクロアルキル基は好ましくは3〜6環炭素原子を有するが、炭素原子の特定の数までの付加的なアルキル置換を有してもよい。アリール基は炭素環または複素環アリールであってもよいが、好ましくは炭素環であり、より好ましくはフェニル環である。
好ましい供与体化合物には、4−ジメチルアミノ安息香酸、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、3−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾイン、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンゾニトリル及び1,2,4−トリメトキシベンゼンなどがある。
カチオン重合のための別の光開始剤系は、米国特許第4,985,340号(その内容を本願明細書に引用したものとする)に記載された有機金属錯体のカチオンから選択された、金属水素化物または金属アルキル官能価を本質的に含まない有機金属錯体のカチオンを使用し、式:
[(L1)(L2)M]+q (1)
を有し、式中、
MがCr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びNi、好ましくはCr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Pd、及びNi、及び最も好ましくはMn及びFe、からなる群から選択された金属を表し、
1が、置換及び非置換シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル及びシクロヘプタトリエニル、シクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、置換または非置換アレーン化合物及び2〜4個の縮合環を有する化合物から選択された複素環化合物及び芳香族化合物、及びポリマーの単位、例えば、ポリスチレン、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)、ポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート)、ポリ(a−メチルスチレン)などのフェニル基、ポリ(ビニルシクロペンタジエン)のシクロペンタジエン基、ポリ(ビニルピリジン)のピリジン基、などからなる群から選択された同一または異なった配位子であってもよい1または2個の環状ポリ不飽和配位子を表し、それぞれ、3〜8個の電子をMの価電子殻に寄与することができ、
2が、一酸化炭素、ケトン、オレフィン、エーテル、ニトロソニウム、ホスフィン、ホスフィットの他、ヒ素及びアンチモンの関連誘導体、オルガノニトリル、アミン、アルキン、イソニトリル、二窒素の群から選択された同一または異なった配位子であってもよい、偶数の電子を寄与するゼロ、または1〜3個の非アニオンの配位子であるが、ただし、Mに寄与された全電子電荷が錯体にqの正味残留正電荷をもたらし、
qが1または2の値を有する整数、錯体のカチオンの残留電荷である。
有機金属の塩は、本技術分野に周知であり、例えば、欧州特許第094,914号及び米国特許第4,868,288号、5,089,536号、及び5,073,476号(その内容を本願明細書に引用したものとする)に記載されているように製造することができる。
好ましいカチオンの例には、
ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ジドデシルフェニルヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、及びビス(メトキシフェニル)ヨードニウム、
トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、及び1,4−フェニレン−ビス(ジフェニルスルホニウム)、
ビス(η5−シクロペンタジエニル)鉄(1+)、ビス(η5−メチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)、
(η5−シクロペンタジエニル)(η5−メチルシクロペンタジエニル)鉄(1+)、及びビス(η5−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)鉄(1+)、
ビス(η6−キシレン)鉄(2+)、ビス(η6−メシチレン)鉄(2+)、ビス(η6−ズレン)鉄(2+)、ビス(η6−ペンタメチルベンゼン)鉄(2+)、及びビス(η6−ドデシルベンゼン)鉄(2+)、
一般に(CpFeXy)(1+)と略される(η5−シクロペンタジエニル)(η6−キシレン)鉄(1+)、
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)鉄(1+)、
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−メシチレン)鉄(1+)、
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−ピレン)鉄(1+)、
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−ナフタリン)鉄(1+)、及び
(η5−シクロペンタジエニル)(η6−ドデシルフェニル)鉄(1+)、などである。
あるいは、本発明に有用な硬化性樹脂は、単一分子中に含有されるカチオン活性官能基及びフリーラジカル活性官能基の両方を有してもよい。このような分子は、例えば、ジ−またはポリエポキシドとエチレン性不飽和カルボン酸の1当量以上とを反応させることによって得ることができる。このような材料の例は、(ユニオンカーバイド製)UVR−6105とメタクリル酸1当量との反応生成物である。エポキシ及びフリーラジカル活性官能価を有する市販の材料には、日本のダイセルケミカル製のシクロマーM−100、M−101、またはA−200など、「シクロマー」シリーズ、ラドキュアスペシャルティズ製のEbecryl−3605、などがある。
光開始剤化合物は好ましくは、樹脂系の硬化(cure)または硬化(hardening)速度を開始または高めるために有効な量で本発明の歯科材料に提供される。本発明に有用な光重合性組成物は、「安全な光」条件下で、上に記載した成分を単に混合することによって、調製される。適した不活性溶剤が、この混合物を作るときに必要ならば使用されてもよい。本発明の組成物の成分と感知できる程度に反応しない何れの溶剤が用いられてもよい。適した溶剤の例には、アセトン、ジクロルメタン、及びアセトニトリルなどがある。重合される液体材料が、重合される別の液体または固体材料のための溶剤として用いられてもよい。溶解を容易にするための中位の加熱を使用してまたは使用せずに芳香族ヨードニウム錯塩及び増感剤をとエポキシ樹脂−ポリオール混合物中に簡単に溶解することによって、無溶剤組成物を調製することができる。
いろいろな方法を使用してゾル(粒子)及び硬化性樹脂を配合することができる。調製の目的は、粒子の表面改質を容易にすること、水、過剰な溶剤及び/または塩副生成物を除去することである。
概して、本発明の歯科材料の製造方法は、粒子の表面改質の後に、粒子を硬化性樹脂中に混入することを必要とする。前記表面改質の方法は、無機ゾルと表面改質剤との混合物を必要とする。任意に、例えば、メトキシプロパノールなどの補助溶剤が、この時点で添加されてもよい。補助溶剤は、表面改質剤並びに表面改質粒子の溶解度を高めることができる。無機ゾル及び表面改質剤を含む混合物は引き続いて、混合しながらまたはせずに、室温または高温で、反応させられる。好ましい方法で、前記混合物を約24時間、約85℃で反応させ、表面改質ゾルをもたらすことができる。重金属酸化物が組成物の材料に含有される好ましい方法において、任意の重金属酸化物の表面は好ましくは、粒子表面への酸分子の吸着を必要とすることがある。重金属酸化物の表面改質は好ましくは、室温で行われる。
非重金属だけまたは重金属酸化物と組み合わせた表面改質粒子を次に、いろいろな方法で硬化性樹脂中に混入することができる。1つの態様において、樹脂を表面改質ゾルに添加し、その後に、水及び補助溶剤(使用される場合)を蒸発によって除去し、このように粒子を硬化性樹脂中に分散させておく溶剤の交換手順が利用される。蒸発工程は例えば、蒸留、回転式蒸発またはオーブン乾燥によって達成され得る。
別の態様において、表面改質粒子を、必要ならば、水非混和性溶剤中に抽出し、その後に、溶剤を交換することができる。
あるいは、非重金属酸化物の粒子、重金属酸化物、及び硬化性樹脂を混入するための別の方法は、改質粒子を粉末として乾燥させ、その後に、粒子が分散される樹脂材料を添加することを必要とする。この方法の乾燥工程は、例えば、オーブン乾燥または噴霧乾燥など、前記系に適した従来の手段によって達成され得る。噴霧乾燥技術が利用される場合、入口温度は好ましくは約200℃であり、出口温度は好ましくは約85℃〜100℃である。別の態様において、従来のオーブン乾燥を、約2〜4時間、約70℃〜90℃で行うことができる。
あるいは、さらに別の態様において、表面改質粒子を濾過して、粉末として乾燥させることができる固形分を得ることができる。この方法は、表面改質水性ゾルの粒子が表面処理剤と水性媒体との不相溶性のために凝集したとき、好ましい。次に、硬化性樹脂を前記乾燥した、濾過された粒子に添加して、本発明の歯科材料を得ることができる。
本発明の歯科材料は任意に、着色剤、フレイバーラント、抗菌物質、芳香性物質、安定剤、粘度調整剤及びフッ化物遊離材料など、口腔環境で使用するのに適した付加的な補助剤を含んでもよい。例えば、フッ化物遊離ガラスを本発明の材料に添加して、例えば口腔内で使用するときにフッ化物を長期にわたり遊離する利点を提供することができる。フルオロアルミノシリケートガラスが特に好ましい。米国特許第5,332,429号に記載されているような、シラノール処理フルオロアルミノシリケートガラス充填剤が特に好ましい。他の適した補助剤には、蛍光及び/または乳光を与える薬剤などがある。
本発明の硬化性樹脂及び充填剤を含む、本発明の歯科材料を用いる好ましい方法において、前記材料が歯の表面付近または上に配置され、その後に、開業医または研究所により、材料のトポグラフィーを変化させ、次いで樹脂を硬化させる操作が行われる。これらの工程は順次に、または異なった順序で行われてもよい。例えば、歯科材料がミルブランクまたは義歯である好ましい実施態様において、硬化(hardening)工程は概して、材料のトポグラフィーを変化させる前に終わる。材料のトポグラフィーを変化させることは、手で持つ器具を用いての彫刻または手動操作、または義歯及びミルブランクの場合、CAD/CAMフライス盤など、機械またはコンピュータ支援機器など、いろいろな方法によって達成され得る。任意に、仕上工程を行い、艶出し、仕上げ、歯科材料上にコーティングを適用することができる。
以下の実施例は具体的に示すためのものであり、この発明の範囲を制限するものではない。特に指示しない限り、すべての部及びパーセンテージは重量に基づいている。
試験方法
平均粒子直径の測定
厚さ約80nmの硬化歯科材料が、炭素安定化ホルムバール基材(ペンシルベニア州、ウェストチェスターのSPIサプライズ−ストラクチャープローブ社の事業部)を有する200メッシュ銅グリッド上に配置される。透過電子顕微鏡写真(TEM)が、200KvでJEOL 200CX(日本、アキシマのJEOL社製、JEOL USA社により販売)を用いて、撮影される。約50〜100の粒子の集団の大きさを測定することができ、平均直径が確認される。
直径方向の引張強さ(DTS)及び圧縮強さ(CS)試験
それぞれISO試験手順4049(1988年)のADA(「アメリカ歯科医師会」)仕様No.9及びADA仕様No.27に、すべてのDTS及びCS試験のために従った。具体的には、圧縮強さ(「CS」)及び直径方向の引張強さ(「DTS」)の測定のために、組成物を内径4mmのガラスチューブに詰め、シリコーンゴムプラグをかぶせ、15分間約0.28MPaで軸方向に圧縮し、次いで2つの向かい合って処置されたVisilux 2TM(ミネソタ州、セントポールの3M社製)に露光することによって80秒間、光硬化させた。次に、各々の試料を、Dentacolor XS装置(ドイツ、クルツァー社製)を用いて90秒間、照射した。硬化した試料をダイヤモンド鋸で切り分け、CSの測定のために長さ8mm、DTSの測定のために長さ2mmの円筒状プラグを形成した。プラグを24時間、37℃の蒸留水中に貯蔵した。各々の組成物のCS及びDTSの値を、インストロンTM(マサチューセッツ州、カントンのインストロンコーポレーション製のインストロン4505)を用いて測定した。
これらの試料の圧縮強さ(CS)を、10kNのロードセルを有するインストロンで試験した。長さ約8mm、直径4mmの硬化複合材の合計5つの円筒を製造した。
これらについて試料の直径方向の引張強さ(DTS)を、10kNのロードセルを有するインストロンで試験した。長さ約2mm、直径4mmの硬化複合材の合計5つの円筒を製造した。
視覚不透明度及び放射線不透過性の試験
前記複合材の円板の形をした厚さ1mm、直径20mmの試料を、Visilux 2TM(ミネソタ州、セントポールの3M社製)硬化用ライトからの照明に、6mmの距離で円板の各面に60秒間、露光することによって硬化させた。次に、硬化複合材の試料を次のように視覚不透明度及び放射線不透過性について評価した。
マクベス(ニューヨーク州、ニューバーグのマクベス)製の可視光フィルタを備えたマクベス透過濃度計モデルTD−903を用いて円板の厚さを通しての光の透過性を測定することによって、硬化複合材試料を、直射光の透過性について測定した。
放射線不透過性の評価については、用いた手順はISO試験手順4049(1988年)に従った。具体的には、硬化複合材の試料を、約400ミリメートルの距離で7ミリアンペア及び70kVのピーク電圧で0.73秒間、Gendex GX−770歯科用X線(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)装置を用いて放射線に露光した。X線ネガは、エアーテクニックペリ−プロオートマチックフィルム処理装置(ニューヨーク州、ヒクスヴィル)を用いて現像された。
歯ブラシ耐磨耗性試験
各々の実施例の矩形の20×9×3mm厚のペーストを、Visilux 2TM(ミネソタ州、セントポールの3M社製)で60秒間、硬化させ、その後に、DentacolorTMXSライトボックス(ドイツのクルツァー社)内で90秒間、更に硬化させた。
歯ブラシ耐磨耗性試験の実施例の製造は、ASTM−E3−95の「Standard Practice for Preparation of Metallographic Specimens」のガイドラインに基づいていた。各々の工程の詳細は、表Aに示したように、実施例の最良の最終的な艶を生じるように選択した。各々の実施例の一方の面を、Denton Desk IIコールドスパッタ/エッチユニット(ニュージャージー州、ムーアズタウンのデントンバキューム社)(30秒、2スパッタ、30mA)Au/Pd被覆し、エポキシへの充分な接着を確実にした。各々の実施例を、円筒状の31.75mm×19.05mmの深型内に配置した。型に、ビューラーのエポキシド(イリノイ州、レークブラッフのビューラー社製)を充填し、24時間、硬化させた。マウントされた実施例を、AUTOMET 2艶出しヘッドを有するBuehler ECOMET 4ポリッシャを用いて、一連の工程が表Aに示すように順次に行われる以下の手順に従って艶出しした。25nmより小さいRa粗さ、すなわち、「Perthometer,Surface Texture Parameters」(ドイツ、ゲッティンゲンのマールGMBH編、09/01/99)に記載された手順に従って計算したときの歯磨き耐磨耗性試験の許容範囲内の最大出発Ra、を有する平らな試験表面を作った。
実施例の各々の表面をイソプロピルできれいにし、各工程の間に60秒間、超音波クリーナ中に配置し、汚染を避けた。
各々の矩形の艶出しした実施例の下半分をテープで覆い、「艶出しだけ」の表面を参照、または対照表面として提供する。露出した硬化表面を、150サイクル/分(2.5hz)の周期数で5Nの力の荷重下でORAL BTM35の軟直歯ブラシ(カリフォルニア州、ベルモントのオーラルBラボラトリー製)で磨いた。硬化表面及び歯ブラシを、ブラッシングプロセスの間に50/50重量比のCRESTTMレギュラーフレイバー(オハイオ州、シンシナティのプロクター&ギャンブル)歯磨き/蒸留水のスラリー中に浸漬した。各試料上での歯ブラシがけを、5000ストロークのサイクル後に止めた。歯ブラシがけした後に、「艶出し及びブラシがけした」表面を水ですすぎ洗いし、テープを除去した。矩形の試料を乾燥させた。
各々の「艶出しのみ」及び「艶出し及びブラシがけした」実施例の粗さの測定値は、ワイコRSTプラス表面プロファイリングシステム(アリゾナ州、タスコンのワイココーポレーション製)を用いて得られた。50X/0.55NA対物レンズ及び0.5トランスファーレンズを用いて試料を作像した。データは、以下の計器条件:変調いき値1%、1画素当たり0.636ミクロン、368×238画素、及び標準スキャン速度、を有するVSIまたは垂直走査干渉法モードを用いて、ワイコRSTプラスオペレーターマニュアルに従って集められた。
粗さ、Ra、(DIN及びISO 4287標準Ra)を、ソフトウェアVisionTM(アリゾナ州、タスコンのワイココーポレーション製)を用いて、「Perthometer,Surface Texture Parameters」(ドイツ、ゲッティンゲンのマールGMBH編、09/01/99)に記載された手順に従って計算した。「円筒」及び「傾き」補正はソフトウェアで選択された。Ra数は、174μm×234μmであった「面積」または画像から計算した。各試料の、「艶出し及びブラシがけした」面積、及び「艶出しのみ」の面積の5つの面積に対しての平均のRaを集めた。実施例の「艶出しのみ」の面積の全平均Raは25nmより大きくなかった。
結晶化度の手順−55119USA8Aを参照して
この試験を用いて、非重金属及び金属酸化物粒子の好ましいクラスター中の非晶質相の存在を確認する。前記相標準の粒度(酸化ジルコニウム、カルシウムで安定化されたZ−1083ロットナンバー173077−Aー1、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのCERAC社製)を、ボールミル粉砕及び/または炭化ホウ素乳鉢及び乳棒を用いて手作業により磨砕して325メッシュのシーブを通過させることによって低減される。0.400グラムの試料及び0.100グラムの質量標準からなる個々の混合物を調製し、試料中に混入した材料を結晶化度について評価し、試料中に存在している物質の量に対してX線強度の値を規準化した。タングステン金属粉末(<3μm)が用いた質量標準であった。試料の混合物を、めのう乳ばち及び乳棒を用いてエタノール下でブレンドし、流動窒素下で乾燥させた。前記相標準からなる似た混合物もまた、結晶化度対照として役立つように調製した。乾燥した混合物をへら及び細いブラシによって乳鉢及び乳棒から除去し、引き続いて個々の試料容器に移した。各々の試料の部分を、埋込みガラスインサートを含有する試料ホルダー上でエタノールスラリーとして調製した。多数のX線回折走査が、銅Kα放射線、可変入射スリット、固定出口スリット、グラファイト回折ビームモノクロメーター、及び散乱放射線の比例計数管の記録を使用する(ニュージャージー州、マーウォーのフィリップスエレクトロニックインスツルメントによって構成された)竪形Bragg−Bretano回折計を用いることによって、各々の試料及び相標準混合物から得られた。走査は、25〜55度(2θ)から行われ、0.04度のステップサイズを使用した。4秒の停滞時間を標準混合物のために用い、20秒の停滞時間を試料混合物のために用い、統計の計数を改善した。最小10回の走査が行われるべきである。X線発生装置(ニューヨーク州、ハウプページのスペルマンハイボルテージコーポレーション製)を、40kV及び20mAの設定で操作した。ジルコニア及びタングステン相による観察された回折最大値のピーク面積を、25〜55度(2θ)の散乱角の範囲内での観察された回折のピークをプロファイルフィッティングすることによって計算した。以下のピーク面積を、存在していることがわかったジルコニア相によって測定した。
立方晶:(111)、(200)、及び(220)
正方晶:(101)、(002)/(110)、及び(112)/(200)
単斜晶:(−111)、(111)、(002)、(020)及び(200)
内部質量標準のX線散乱を、立方晶タングステン(110)ピーク面積の測定によって計算した。ピアソンVIIピーク形状モデル及び線形バックグラウンドモデルを全ての場合に用いた。プロファイルフィッティングは、JADE(バージョン3.1、カリフォルニア州、リバーモアーのマテリアルズデータ社製)回折ソフトウェア一式の能力を用いて達成された。上に説明したジルコニアのピークのピーク面積を合計して、全ジルコニア散乱強度の値、各々の試料の[(ジルコニア面積)試料]並びに標準[(ジルコニア面積)標準]を出した。これらのジルコニアの全散乱強度の値をそれぞれの立方晶タングステン(110)ピーク面積で割り、各々の試料の比率[R試料]並びに相標準[R標準]の比率を出した。R試料とR標準との算術平均を、試料及び標準、それぞれの多数の実験から得られた個々の値を用いて計算する。各々の試料の結晶化度[Xc]を、R試料(平均)のR標準(平均)に対する比率として計算した。
試料(i)=[(全ジルコニア面積)試料]/[(タングステン面積)試料
標準(i)=[(全ジルコニア面積)標準]/[(タングステン面積)標準
試料(平均)=[ΣR試料(i)]/N試料
式中、N試料=試料の走査の数、
標準(平均)=[ΣR標準(i)]/N標準
式中、N標準=標準の走査の数、
c=R試料(平均)/R標準(平均)
微結晶粒度及び結晶形含有量
米国出願第55200USA5A号の乾燥ジルコニア試料の粒度を、めのう乳ばち及び乳棒を用いて手作業により粉砕して低減させた。試料の充分な量を、上に両面塗布テープの断片を付着させたガラス顕微鏡スライドにへらによって適用し、試料をへら刃でテープに押し当てることによって、テープ上の接着剤に押し付けた。過剰な試料を除去するために、試料面積をへら刃の端縁で掻き取り、粒子の薄い層を接着剤に付着したままにした。掻き取り後に残存しているゆるく付着した材料を除去するために、顕微鏡スライドを硬い表面に当てて強く打った。同様にして、コランダム(インディアナ州、インディアナポリスのユニオンカーバイド製のLinde 1.0μmのアルミナ磨き用粉末、ロットナンバーC062)を製造し、計器による広がりについて回折計を検定した。
X線回折走査が、銅Kα放射線及び散乱放射線のInel CPS120(ニューハンプシャー州、ストラサムのイネル社製)の位置感受性検出器の記録を使用する回折計を用いて得られた。検出器は0.03度(2θ)の公称角度分解能を有し、0〜115度の散乱データを受け取った。X線発生装置は、40kV及び10mAの設定で走査され、固定入射ビームスリットを用いた。データを60分間、6度の固定テイクオフ(入射)角で集めた。コランダム標準のデータ収集は、いくつかの個々のコランダムマウントの3つの別個の領域で行われた。データは、薄層試料マウントの3つの別個の領域で集められた。
観察された回折図形は、ICDD粉末回折データベース(セット1−47、ペンシルベニア州、ニュートンスクェアの回折データのインターナショナルセンター)に含まれる基準回折図形と比較して特定され、ジルコニアの立方晶/正方晶(C/T)または単斜晶(M)の形に帰された。各々のジルコニア形の量を相対的な基準で計算し、最も強い回折のピークを有するジルコニアの形に、100の相対強度の値を与えた。残存している結晶ジルコニア形の各々の最も強いラインを、最強ラインに対して一定率で決め、1〜100の値を与えた。
コランダムによる観察された回折最大値のピーク幅をプロファイルフィッティングによって測定した。平均コランダムピーク幅とコランダムピーク位置(2θ)との間の関係を確認するために、これらのデータに多項式を当てはめ、コランダム試験の範囲内で何れかのピーク位置で計器幅を計算するために用いた連続関数をつくった。ジルコニアによる観察された回折最大値のピーク幅を、観察された回折のピークをプロファイルフィッティングすることによって測定した。以下のピーク幅を、存在していることがわかったジルコニア相によって測定した。
立方晶/正方晶(C/T):(111)
単斜晶(M):(−111)、及び(111)
ピーク幅は、Kα1及びKα2波長成分が説明されるピアソンVIIピーク形状モデル、及び線形バックグラウンドを用いて度の単位を有するピークの半値全幅(FWHM)とされる。プロファイルフィッティングは、JADE(バージョン3.1、カリフォルニア州、リバーモアーのマテリアルズデータ社製)回折ソフトウェア一式の能力を用いて達成された。試料ピーク幅を、同じ薄層試料マウントについて得られた3つの別個のデータ収集について計算した。
試料のピークを、コランダム計器較正からの計器幅値の補間によって計器による広がりについて補正し、補正したピーク幅をラジアンの単位に変換した。試料の補正ピーク幅(β)を用いて、Scherrerの式を適用して一次結晶(微結晶)大きさを計算した。立方晶/正方晶(C/T)及び単斜晶相(M)の算術平均を計算した。
β=[ピークFWHMの計算値−計器幅](ラジアンに変換された)
微結晶の大きさ(D)=Kλ/β(cosθ)
式中、K=形状因子(ここでは0.9)、
λ=波長(1.540598Å)、
β=計器による広がりの補正後のピーク幅の計算値(ラジアン単位)、及び
θ=1/2ピーク位置(散乱角)。
立方晶/正方晶の平均微結晶大きさ=
[D(111)面積1+D(111)面積2+D(111)面積3]/3
単斜晶の平均微結晶大きさ=
[D(−111)面積1+D(−111)面積2+D(−111)面積3+D(111)面積1+D(111)面積2+D(111)面積3]/6
微結晶の大きさは、フォーマット:[C/T微結晶大きさ](C/T部)+[M微結晶大きさ](M部)
で記録される。
重み付き平均=[(%C/T)(C/Tの大きさ)+(%M)(Mの大きさ)]/100
式中、%C/T=ZrO2ゾルの立方晶及び正方晶の微結晶含有量によって寄与された結晶性のパーセント、
C/Tの大きさ=立方晶及び正方晶の微結晶の大きさ、
%M=ZrO2ゾルの単斜晶の微結晶含有量によって寄与された結晶性のパーセント、及び
Mの大きさ=単斜晶微結晶の大きさ。
結晶化度−第55200USA2A号を参照して
前記相標準の粒度(酸化ジルコニウム、カルシウム安定化Z−1083ロットナンバー173077−Aー1、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのCERAC社製)を、ボールミル粉砕及び/または炭化ホウ素乳鉢及び乳棒を用いて手作業により磨砕して325メッシュのシーブを通過させることによって低減される。0.400グラムの試料及び0.100グラムの質量標準からなる個々の混合物を調製し、試料中に混入した材料を結晶化度について評価し、試料中に存在している物質の量に対してX線強度の値を規準化した。タングステン金属粉末(<3μm)が用いた質量標準であった。試料の混合物を、めのう乳ばち及び乳棒を用いてエタノール下でブレンドし、流動窒素下で乾燥させた。前記相標準からなる似た混合物もまた、結晶化度対照として役立つように調製した。乾燥した混合物をへら及び細いブラシによって乳鉢及び乳棒から除去し、引き続いて個々の試料容器に移した。各々の試料の部分を、埋込みガラスインサートを含有する試料ホルダー上でエタノールスラリーとして調製した。多数のX線回折走査が、銅Kα放射線、可変入射スリット、固定出口スリット、グラファイト回折ビームモノクロメーター、及び散乱放射線の比例計数管の記録を使用する(ニュージャージー州、マーウォーのフィリップスエレクトロニックインスツルメントによって構成された)竪形Bragg−Bretano回折計を用いることによって、各々の試料及び相標準混合物から得られた。走査は、25〜55度(2θ)から行われ、0.04度のステップサイズを使用した。8秒の停滞時間を標準混合物のために用い、20秒の停滞時間を試料混合物のために用い、統計の計数を改善した。X線発生装置(ニューヨーク州、ハウプページのスペルマンハイボルテージコーポレーション製)を、40kV及び20mAの設定で操作した。ジルコニア及びタングステン相による観察された回折最大値のピーク面積を、25−55度(2θ)の散乱角の範囲内での観察された回折のピークをプロファイルフィッティングすることによって計算した。以下のピーク面積を、存在していることがわかったジルコニア相によって測定した。
立方晶:(111)、(200)、及び(220)
正方晶:(101)、(002)/(110)、及び(112)/(200)
単斜晶:(−111)、(111)、(002)、(020)及び(200)
内部質量標準のX線散乱を、立方晶タングステン(110)ピーク面積の測定によって計算した。ピアソンVIIピーク形状モデル及び線形バックグラウンドモデルを全ての場合に用いた。プロファイルフィッティングは、JADE(バージョン3.1、カリフォルニア州、リバーモアーのマテリアルズデータ社製)回折ソフトウェア一式の能力を用いて達成された。上に概説明したジルコニアのピークのピーク面積を合計して、全ジルコニア散乱強度の値、各々の試料の[(ジルコニア面積)試料]並びに標準[(ジルコニア面積)標準]を出した。これらのジルコニアの全散乱強度の値をそれぞれの立方晶タングステン(110)ピーク面積で割り、各々の試料の比率[R試料]並びに相標準[R標準]の比率を出した。R試料とR標準との算術平均を、試料及び標準、それぞれの多数の実験から得られた個々の値を用いて計算する。各々の試料の結晶化度[Xc]を、R試料(平均)のR標準(平均)に対する比率として計算した。
試料(i)=[(全ジルコニア面積)試料]/[(タングステン面積)試料
標準(i)=[(全ジルコニア面積)標準]/[(タングステン面積)標準
試料(平均)=[ΣR試料(i)]/N試料
式中、N試料=試料の走査の数、
標準(平均)=[ΣR標準(i)]/N標準
式中、N標準=標準の走査の数、
c=R試料(平均)/R標準(平均)
フォトン相関分光分析法
この試験を用いて、ゾル中の適した重金属酸化物の粒度を確認した。重量平均とは、コールターN4サブミクロンパーティクルサイザー(フロリダ州、マイアミのコールターコーポレーション製)を用いてフォトン相関分光分析法によって測定したジルコニア粒子の平均粒径を意味する。稀薄ジルコニアゾル試料を、ガラスキュベット中にシリンジによって適用された圧力を用いて0.45μmのフィルターを通して濾過した。キュベットの残りの容量に水を充填し、覆いをし、繰り返してさかさまにして空気泡を除去した。キュベットを完全に拭い取り、何れかの測定値を取る前に指紋及び粉塵を除去した。光散乱強度を測定し、ゾルの適当な濃度のサンプルを抽出するのを確実にした。強度が高すぎる場合、キュベットの含有量の一部分を除去し、残りの含有量は水で希釈した。強度が低すぎる場合、濾過されたゾルの更に数滴を試料に添加し、繰り返してキュベットをさかさまにすることによって、溶液を混合した。データ収集を始める前に試料チャンバーの温度を25℃で5分間、平衡させた。与えられたソフトウェアを用いて90°の角度でのSDP分析(1.0nm〜1000nm)を行った。分析は、25のデータビンを用いて行われた。以下の値を計算で用いた。水の屈折率=1.333、水の粘度0.890cP、及びジルコニア粒子の屈折率=1.9。データ収集が3:20分間、すぐに続いた。記録したPCS数はこの手順の結果として得られる質量分析に基づいた平均直径である。
実施例樹脂A
成分:PBW
ビスGMA:48.70
TEGDMA:48.69
EDMAB:1.00
CPQ:0.17
ティヌビン−P:1.00
DPIHFP:0.6
樹脂B
成分:PBW
ビスGMA:48.58
TEGDMA:49.57
EDMAB:0.6
CPQ:0.25
ティヌビン−p:0.98
樹脂C
成分:PBW
ビスGMA:24.18
UDMA:33.85
ビスEMA6:33.85
TEGDMA:4.84
CPQ:0.2
DPIHFP:0.5
EDMAB:1.0
BHT:0.1
ノルボロック7966:1.5
準備実施例
準備実施例1:2−ヒドロキシメチル−2−[(N−メタクリルオキシエチル)カルバモイルメチル]プロピオン酸(PAMA)の合成
反応装置に最初に、過剰な量の2,2ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(BHMPA)(139.94g、1.043モル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル(0.2322g、1.054ミリモル)、トリフェニルアンチモン(0.1891g、0.536ミリモル)、及びジブチルスズジラウレート(0.6801g、1.077ミリモル)を入れた。出発原料、BHMPA、は室温のTHF中にわずかに可溶性であった。イソシアナトエチルメタクリレート(IEM)を上記の混合物中に徐々に(80.94g、0.522モル)滴下した。反応は24時間60℃で、絶えず撹拌しながら行われた。反応の終わりに、未反応のBHMPaの大部分が、溶液を冷却した後に白い固体粉末として沈降した。未反応のBHMPAを真空濾過によって濾過し、次に、溶剤をストリッピングして除去した。回収したBHMPAは、将来の反応で用いることができる。
溶剤の除去後、生成物は残留BHMPaの緩慢な沈殿のためにわずかに曇った。十分なジエチルエーテルを添加して生成物を溶解し、次いで、溶液を一晩(約18時間)、手を触れずに静置し、溶液中の残りのBHMPAを沈殿させた。白沈殿を真空濾過によって濾過し、ジエチルエーテルをストリッピングして除去した。得られた生成物は、2−ヒドロキシメチル−2−[(N−メタクリルオキシエチル)カルバモイルメチル]プロピオン酸(PAMA)は、無色の、流動性の液体であった。最終生成物中のPAMAの純度はモル比で約80%であり、2,2−ジ(N−メタクリルオキシエチルカルバモイルメチル)プロピオン酸(PDMA)が主な副生成物(約17%)、残存しているBHMPAが少量(約3%)である。
準備実施例2:モノ(メタクリルオキシポリエチレングリコール)スクシネートの合成
ポリエチレングリコールメタクリレート(16.00g)及び無水コハク酸(4.15g)を1Lビーカーに入れ、振とうしながら80℃に加熱した。反応は24時間後に止められ、透明なやや粘性の液体が得られた。IR分光分析法が前記無水物の反応を確認した。化合物はモノ(メタクリルオキシポリエチレングリコール)スクシネートとされた。構造体は、
CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2[OCH2CH2nOC(O)CH2CH2CO2H、
式中、n=6〜8、であると確認された。
充填剤A
処理ヒュームドシリカOX−50(デガッサ)を、次のように製造した。3312gのMeOHの溶液及び720gの脱イオン水を1分間、予混合した。氷酢酸、1024g、を水にゆっくりと添加し、その後に、4968gのA−174シランを添加した。上記の溶液を1時間、混合した。加水分解工程の終わりに、溶液は透明であった。溶液加水分解後30分以内に用いた。上記の溶液及び20700gのOX−50粉末を約40分間、ブレンドし、処理充填剤をすぐに乾燥用トレーに排出し、3.75時間、67℃で、次いで更に1.25時間、100℃で乾燥させた。乾燥した充填剤を、振動スクリーナー(ヴォーティシブV/S10010、オハイオ州、セーラム)の74μmのナイロンスクリーンを通して選別した。
充填剤B
充填剤Bを、14.95gのMEEAAを米国特許第5037579号のジルコニアゾル210gに混合することによって調製した。2分間、完全に混合することにより、均一な混合物をもたらした。次に、エタノール25gに準備実施例1を24.36g溶かした溶液を、ビーカーに添加した。内容物を60分間、磁気撹拌バーを用いて充分に混合し、その後に、200℃の入口温度及び85℃〜100℃の出口温度のブチ噴霧乾燥機(ニューヨーク州、ウエストベリーのブリンクマンインストルメント社製のブチ/ブリンクマン・ミニ噴霧乾燥機モデル190)を用いて噴霧乾燥を行った。
充填剤C
充填剤Cを、250gのニアコルZr(アセテート)、25.8gのメタクリル酸、及び53.4gのMEEAAを混合することによって調製した。ゾルを約1時間、十分に混合し、均一な混合物を生じた。得られた混合物を、200℃の入口温度及び85〜100℃の出口温度のブチ噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させた。
充填剤D
充填剤Dを、5〜10nmのZrO2粒子の20重量%の水性ZrO2ゾルであるニアコルZr20/10から調製した。前記溶液を、200℃の入口温度及び85〜100℃の出口温度のブチ噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させた。
充填剤E
充填剤Eを、OX50を7g及び水80gを、ニアコルSN15−CG20gに混合することによって調製した。混合物のpHをTFAAで3.3に調節した。次に、A174を2グラム、前記混合物に添加した。磁気撹拌バーを用いて60分間、混合した後に、前記溶液を200℃の入口温度及び85〜100℃の出口温度のブチ噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させた。
充填剤F
充填剤Fを、250gのナルコ2329、281.0gのメトキシ−2−プロパノール及びA174を3.72g、十分に混合することによって調製した。ナルコ2329を2Lビーカーに秤量した。アルコール及びシランを、1Lビーカーに秤量し、混合した。アルコール溶液をゆっくりとシリカゾルに添加した(1〜2分)。得られた混合物を16時間、80℃で反応させ、改質シリカゾルを製造するために80Cにおいて反応した。1kgの水を改質シリカゾルに添加した。この混合物を、200℃の入口温度及び85〜100℃の出口温度のブチ噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させた。
実施例1
材料A−Eを、表1に記載した成分を十分に混合することによって製造した。材料を硬化させ、それらの機械的及び光学性質を、前に記載した放射線不透過性、視覚不透明度(VO)、圧縮強さ(CS)及び直径方向の引張強さ(DTS)方法に従って評価した。
実施例1〜5の硬化材料の性質を測定し、市販製品のシラックスプラスの性質とともに表2に記録した。
硬化ナノマー材料の圧縮及び直径方向の引張強さはシラックスプラスより大きかった。シラックスプラスと異なり、実施例は放射線不透過性を示した。視覚不透明度(VO)の値は歯科用修復剤のために非常に適切であった。
実施例2
材料を、25pbwの樹脂C、充填剤Cを25pbw、及び充填剤Aを50pbw、十分に混合することによって調製した。材料を硬化させ、それの機械的及び光学性質を、前に記載した放射線不透過性及び直径方向の引張強さ(DTS)方法に従って評価した。歯科材料の放射線不透過性は、市販のシラックスプラスの0.26と比較して1.0であった。実施例6の直径方向の引張強さ(49.32MPa)は損なわれなかった(シラックスプラス49.52MPa)。
実施例3
材料を、樹脂Cを33.3pbw、処理した充填剤Bを23.3pbw、43.3pbwの充填剤Aを十分に混合することによって調製した。材料を硬化させ、それらの機械的及び光学性質を、前に記載した放射線不透過性、視覚不透明度(VO)、圧縮強さ(CS)及び直径方向の引張強さ(DTS)方法に従って評価した。
最初の3つの性質、DTS、CS及び放射線不透過性は、シラックスプラスと比較して、視覚不透明度を損なうことなく、ナノサイズジルコニア粒子の添加によって改善された。
実施例4
ナノサイズジルコニアが歯科用複合材に及ぼす放射線不透過性を付与する効果を明らかにするために、噴霧乾燥の後に61.2%のZrO2であった充填剤Dのいろいろな量を、重量パーセント基準で樹脂A中に添加した。材料4A−4Iを硬化させ、それらの放射線不透過性の性質を、前に記載した方法に従って評価した。
表4に見られるように、ZrO2なしで、樹脂は0.108mm Alの放射線不透過性を示した。75%の充填剤Dで、複合材は4.5mm Alの放射線不透過性を生じた。
実施例5
充填剤Eで製造した充填剤7.5グラムを、樹脂B2.5グラム中に十分に混合した。得られた材料は非常に半透明であった。材料を、前に記載したDTS手順に従って硬化させ、歯科用複合材はより不透明になり、明るい青になった。青い色は、数日後に硬化材料から消えていった。
実施例6
改質シリカゾルを調製するために、400.1gのナルコ2329(重量160gのSiO2)、449.9gのメトキシ−2−プロパノール、4.72gのA174、及び1.18gのA1230を添加した。ナルコ2329を2Lビーカー中に秤量した。アルコール及び2つのシランを1Lビーカー中に秤量し、混合した。アルコール溶液を、撹拌しながらゆっくりとシリカゾルに添加した(1〜2分)。混合物を80℃で16時間、反応させ、改質シリカゾルを生じた。
オルガノゾルを8.34gの樹脂B及び64.7gのシリカゾル(改質SiO2の重量12.45g)から調製し、200mlの丸底フラスコ内で混合した。アルコール及び水を回転蒸発によって除去し、オルガノゾルを定期的にサンプル抽出した。ガスクロマトグラフィーによって分析したオルガノゾルの組成が以下の組成を有したとき、オルガノゾルの蒸留を止めた。
52.2%の改質シリカ
35.0%の樹脂B
12.8%のアルコール
充填剤B1.25gを、上記のオルガノゾル5gに添加した。充填剤Bは、分離または不均一性の兆候がなくオルガノゾル中に分散した。この材料を、最高4時間まで、85−90℃のオーブン内に置き、アルコールを除去した。得られた材料は、以下の組成を有する材料であった。
47.20%の改質シリカ
22.20%の充填剤B
30.60%の樹脂B
材料を硬化させ、それらの機械的及び光学性質を、前に記載した放射線不透過性、視覚不透明度(VO)、圧縮強さ(CS)及び直径方向の引張強さ(DTS)方法に従って評価した。実施例6の機械的及び光学性質を表5に示し、シラックスプラスと比較する。
実施例7
実施例7A〜7Dの充填剤を製造するために、様々な量のA174を表9に記載したようにナルコ2329ゾル250g及び281gのメトキシプロパノールの混合物に添加した。ナルコ2329を2Lビーカー中に秤量した。アルコール及びシランを1Lビーカー中に秤量し、混合した。アルコール溶液を、撹拌しながらゆっくりとシリカゾルに添加した(1〜2分)。4つのシラン処理シリカゾルを溶剤交換するために、各々のシラン処理シリカゾルを樹脂B69gと混合し、4時間、85〜90℃のオーブン内で改質有機ゾルを加熱した。
充填剤Bを4つの改質有機ゾルの各々と十分に混合し、31.5pbwの樹脂B、シラン処理シリカ45.5pbw及び23pbwの充填剤Bの最終組成物を有する材料を製造した。4つの材料を、前に記載した視覚不透明度及びDTS方法に従って硬化させた。視覚不透明度及びDTSデータを表6に示す。
シリカの重量に対してシラン3.72%を有する処理シリカは、最も大きな強度を有する歯科用複合材を作り出した。
実施例8
ジルコニアゾルIを3g、メトキシプロパノールを3g、以下の表7a、7b及び7cに記載されているような改質剤を2.2mmol/g、及び以下の表7a、7b及び7cに記載されているような樹脂1グラムを混合し、1.5時間、85℃のオーブン内で乾燥させた。オーブン乾燥の後に、材料を、前に記載した視覚不透明度の方法に従って硬化させた。
実施例8D及び8Eなどの塩基性改質剤は、視覚不透明度に悪影響を与えた。適切な酸処理剤で、十分な分散性が、比較例8O及び8Fに対して視覚不透明度の低下によってまたは変化がないことのいずれかによって明らかにされた。MEEAAと大部分の添加剤との組合せは、表7B及び7Cに見られるように、十分な分散性を示した。
実施例9
5つの材料9A−9Eについて、充填剤Bを実施例9Aのために用いた。材料9B−9Eを、表8に記載したように、酸を代える改質による充填剤Bを製造する手順を用いて製造した。5つの材料を、58%の充填剤F、酸改質ジルコニア21%、及び樹脂C21%を含有するように十分に混合した。5つの硬化材料の機械的及び光学性質を、前に記載した視覚不透明度、放射線不透過性及びDTS方法に従って評価した。
実施例10
表9に記載した材料を、異なった充填剤の種類及び樹脂Cへの充填剤の配合量で、十分に混合した。4つの材料を硬化させ、それらの機械的及び光学性質を、前に記載した放射線不透過性、視覚不透明度、圧縮強さ、及び直径方向の引張強さ方法に従って評価した。結果をシラックスプラスと比較した。
実施例11
ニアコルZr(Ac)(200.04g)及びMEEAA(17.8g、2.5ミリモル/gのZrO2)を1リットルビーカーに入れ、得られた混合物を、30分間、室温(およそ22℃)で撹拌した。水及び過剰な酢酸を除去し、反応混合物をおよそ18時間、およそ85℃に維持した循環空気オーブン内に配置された蒸発皿中で蒸発させることにより、混合した塩を乾燥固形分(78.17g)として回収した。ポリエーテル酸ジルコニウム塩を脱イオン水(3047.4g)に溶解し、透明なポリエーテル酸ジルコニウム塩溶液(3125.6g)を生じ、それを2リットルの、かき回されていない、ステンレス鋼パー反応装置(イリノイ州、パーインストルメントカンパニー)に注ぎ、オートクレーブをおよそ2.75バール(40psi)に加圧した。オートクレーブを次に約2時間、100℃に加熱し、およそ1.5時間にわたって150℃に、最後に175℃(12バール)に加熱し、15時間その温度に維持した。オートクレーブを冷却し、2〜3時間にわたって減圧した。本発明のジルコニアゾルは、沈殿物がないオパールブルー/白色の透明な液体として得られた。フォトン相関分光分析法は、19.2nmの重量平均の平均粒子径を与えた。
前記ゾルを、水の蒸留によっておよそ20重量%のZrO2に濃縮し、透明な安定したゾルを得た。ゾルを脱イオン水を通して透析した−−2リットルの脱イオン水を用いる5回の透析処理を用いた(IRは遊離酸を示さなかった)。次に、ゾルを3日間、2リットルの水に溶かした5gの酢酸を通して透析した。IR分析は、MEEAAの大部分を酢酸と交換したことを裏づけた。得られたゾルは安定していた(11.72%のZrO2)。透析を、Spectra/Por膜チュービング(分子量カットオフ3500、フィッシャーサイエンティフィック(ペンシルベニア州、ピッツバーグ)製)を用いて行った。
実施例12
すべての4つの材料は、充填剤Fシラン処理シリカをおよそ60%、実施例11に記載したように調製したおよそ18.5%の酸処理ジルコニア及びおよそ21.5%の樹脂Cを含有した。材料を硬化させ、それらの機械的及び光学性質を、前に記載した放射線不透過性、視覚不透明度、圧縮強さ、及び直径方向の引張強さ方法に従って評価した。
実施例13:表面の艶及び歯ブラシ耐性
実施例13を製造するために、樹脂Cを20pbw及び充填剤Bを26.67pbw及び充填剤Fを53.33pbw、混合した。試料を歯ブラシ耐磨耗性試験にかけ、次いで、上に記載した手順を用いて表面粗さの値について評価した。表12に結果を記載し、それらを、マイクロフィルタイプの材料シラックスプラスTM及びZ100TMについて得られた結果と比較する。
実施例14
異なった充填剤及び充填剤の配合量を有する2つのスコッチボンド接着剤14A−14Bを十分に混合し、表13に記載したような組成物を製造した。2つの接着剤の象牙質及びエナメルへの接着強度を以下の手順によって評価した。接着剤組成物毎に似た年齢及び外観の5つのウシの歯を、円形のアクリルディスクに部分的に埋め込んだ。各々の歯の露出部分を、象牙質またはエナメルを露出させるために、宝石細工盤上に取り付けたグレード120の炭化ケイ素紙補強研磨材を用いて、平らに及びアクリルディスクに平行に研削した。これと後続の研削及び艶出し工程の間に、歯を水で絶え間なくすすぎ洗いをした。歯を更に研削及び艶出しするために、グレード600の炭化ケイ素紙補強研磨材を宝石細工盤上に取り付けた。
艶出しした歯を蒸留水中に保管し、艶出し後の2時間以内に試験に用いた。艶出しした歯を水から取り除き、乾燥するまで拭った。スコッチボンドTMキット7540Sを用いて、スコッチボンドTMエッチング剤を、ブラシで艶出しした歯の表面の各々に塗り、15秒間、放置し、蒸留水ですすぎ洗いをし、次いで乾燥するまで拭った。スコッチボンドTMプライマーの一滴をブラシで、艶出しした歯の表面の各々に塗り、すぐに5秒間、圧縮空気で吹き込み、乾燥させた。
接着材料14A〜14Bを前記歯の表面の各々に塗り、ヴィシラックス2TM歯科用硬化光で10秒、照射して硬化させた。貫通する直径4mmの孔を有する厚さ2mmのテフロン(登録商標)TM(デラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポンドゥヌムール製)シートから作られた予め用意した型を、型の孔の中心軸が歯の表面に垂直であるように、各々の用意した歯にクランプした。各々の型の孔にZ100修復剤を充填し、40秒間照射してヴィシラックス2TM歯科用硬化光で硬化させた。
歯及び型をおよそ24時間、37℃の蒸留水中に保管した。次に、型を歯から慎重に取り除き、修復剤の成形ボタンを各々の歯に付着させておいた。
接着力を測定するために、インストロン装置のジョーにクランプされたホルダーにアクリルディスクを取り付け、艶出しした歯の表面を引張りの方向に平行に方向付けた。歯科矯正ワイヤーのループ(直径0.44mm)を、艶出しした歯の表面に隣接した修復ボタンの周りに配置した。歯科矯正ワイヤーの端部を、インストロン装置の引張りジョーにクランプし、それによって結合部を剪断応力に配置した。結合部は、2mm/分のクロスヘッド速度を用いて、それ(または象牙質またはボタン)が不良になるまで、応力をかけられた。

Claims (2)

  1. シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムから選択され、300nmより小さい平均直径を有する非重金属酸化物粒子と、
    酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化イッテリビウム、酸化ビスマス及びこれらの混合物から選択された、酸改質重金属酸化物と、
    アクリレート、メタクリレート及びこれらの混合物から選択された、硬化性樹脂とを含む、歯科材料。
  2. 300nmより小さい平均直径を有するシリカ粒子と、酸改質重金属酸化物と、硬化性樹脂とを含み、前記酸改質重金属酸化物が酸化ジルコニウムであり、前記硬化性樹脂がアクリレートである、歯科材料。
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