JP5549768B2 - 中空状多孔質膜 - Google Patents

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Description

本発明は、精密濾過膜または限外濾過膜として、水処理に適した中空状多孔質膜に関する。
本願は、2008年5月21日に、日本に出願された特願2008−133504号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化とにより、分離の完全性やコンパクト性などに優れた濾過膜を用いた膜法による水処理が注目を集めている。このような水処理の用途において、濾過膜には優れた分離特性や透水性能、そして高い機械的強度が要求されている。
従来、透水性能に優れた濾過膜として、湿式または乾湿式紡糸法により製造される、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート、ポリフッ化ビニリデン製などの濾過膜が知られている。これらの濾過膜は、高分子溶液をミクロ相分離させた後、同高分子溶液を非溶媒中で凝固させて製造するものであり、高空孔率で且つ非対称な構造を持つ。
上記濾過膜素材の中でもポリフッ化ビニリデン樹脂は、耐薬品性、耐熱性に優れているので、分離膜の素材として好適に用いられている。しかしながらこれまでに提案されているポリフッ化ビニリデン中空糸膜からなる濾過膜は、分離特性・透水性能・機械的強度のいずれかが十分でないものが多く、またすべてを満たすものは製造方法が複雑であるという問題があった。
機械的強度を上げるために、中空組紐を多孔質半透膜内に完全に埋設させた多孔質膜が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この多孔質膜には、組紐が多孔質半透膜内に完全に埋設されていることに加え、単繊維間のほとんどに多孔質膜が含浸している構造のために、透水性が低いという問題があった。
これに対し、機械的強度と透水性能を同時に上げるために、中空状組紐を支持体とし、その表面上に多孔質膜が設けられた分離膜が提案されている(特許文献2)。しかしながらこの中空状多孔質膜は、組紐の表面のみに多孔質膜を配置しているため、多孔質膜が組紐から剥がれやすいという問題があった。また、膜構造内部に大きなマクロボイドを有しており、外的要因による膜外表面の損傷等による分離特性の低下を招きやすいという問題があった。
また、上述の支持体として用いられている中空状組紐は、通常、製紐機により製造される。製紐機においては、平板上に立設した多数のボビンから各糸を引き出し、各糸を相互に交差させて組むとともに、各ボビンを所定の経路に沿って移動させることにより糸の位置関係を所定のパターンで変化させて組紐が製造される。製紐機によって製造された組紐および前記組紐を支持体とする中空状多孔質膜には、下記問題点がある。
問題点1:
製紐機は、糸を小分けした多数のボビンが複雑な動きをしているため、製紐速度が遅い。そのため、支持体の生産性が低いという問題がある。生産性が低いと、支持体のコストが上昇し、その結果、前記支持体を用いる中空状多孔質膜のコストの上昇にもつながる。
問題点2:
製紐機の製紐速度は、中空状多孔質膜の製造速度に比べ、一桁以上遅い。そのため、中空状多孔質膜を連続して製造するために必要な支持体を供給するためには、多くの製紐機が必要となる。しかも、前記製紐機においては、ボビンの糸がなくなると、製紐機を一旦停止し、ボビンの交換、新しい糸の組紐への組み込み、組紐の表面から突出した糸の端部の切り取り、といった糸継ぎ作業を、ボビンの数(糸の打ち数)×製紐機の数だけ行う必要がある。このような煩雑な作業により支持体のコストが上昇し、その結果、前記支持体を用いる中空状多孔質膜のコストの上昇にもつながる。
問題点3:
支持体と多孔質膜層との接着性を十分に得るためには、支持体の内部に多孔質膜層の一部を十分に侵入させる必要がある。しかし、組紐の組目が緻密だったり、糸を構成する単繊維間が緻密だったりする場合、多孔質膜層の製膜時に、製膜原液が支持体の組目または繊維間に十分に侵入できず、多孔質膜層が支持体から剥離しやすくなる。
一方、膜分離特性の安定性向上を目的とした、非溶媒である親水性高分子から成る紡糸原液を管状編物の補強材に塗布することによって得られる、10μm以上の欠損部位が無いという複合中空糸膜が提案されている(特許文献3)。しかしながらこの中空糸膜は、分離特性を左右する緻密層が外表面付近にしかないために、外的要因による膜外表面の損傷等による分離特性の低下を依然生じやすいという問題があった。さらに、紡糸原液に非溶媒を加えているために紡糸原液のゲル化が生じやすく、製造工程の安定性に劣っていた。また、この中空糸膜では機械的強度を上げるために補強材として管状編物を採用しているが、機械的強度を上げながら透水性能を維持するために高分子樹脂薄膜の補強材中への浸透距離を補強材の厚さの30%未満としているため、高分子樹脂薄膜の補強材からの耐剥離性という点での強度と透水性能との両立は十分ではないという問題があった。
これに対し、多孔質膜を支持体から剥がれ難くすると共に、緻密層を二つ持たせることで、膜外表面の損傷に強く、分離特性の安定性に優れた複合多孔質膜が提案されている(特許文献4+5)。しかしながらこの多孔質膜は、緻密層を二箇所形成させるために製膜工程を二回採用しているため、二つの層が完全に一体化しないことがあり、この場合、層間に隙間が生じて外側の層が剥離しやすくなったり、それぞれの層の損傷部や欠陥部がこの隙間を介して連通し、分離特性の低下を招いたりする可能性があった。また、透水性能を維持するためには二つの層を完全に一体化できず、透水性能と耐剥離性の両立の観点からは問題があった。また、支持体と多孔質膜層との耐剥離性改善の手段として、ポリマー濃度の低い製膜液を組紐の主要部分に含浸させる方法を採用しているが、この方法では、耐剥離製を担う多孔質層との支持体側の接着部分が、組紐の繊維間に入りこんだ細かい多孔質部に過ぎず、しかもこの多孔質部は透過性能を維持するために低い濃度のポリマーから形成されており、耐剥離性に改善は見られるものの、その強度にはまだ課題があった。また、希薄製膜原液の製造および塗布工程が必要になることに加え、製膜工程を二回採用しているため、製造工程が長く、生産コストに課題があった。
特開昭53−132478号 米国特許第5472607号 特開2003−225542号 特開2006−68710号 WO2004/043579号
よって、本発明の目的は、コストが抑えられ、分離特性・透水性能・機械的強度に優れた中空状多孔質膜にある。
本発明は、緻密層を持つ多孔質膜層を中空状の支持体上に有し、前記支持体がマルチフィラメントからなる1本の糸を丸編した中空状編紐である中空状多孔質膜に関する。
本発明の中空状多孔質膜は、コストが抑えられ、分離特性・透水性能・機械的強度に優れる。
本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 中空状編紐からなる支持体の一例を示す側面図である。 従来の中空状組紐の一例を示す側面図である。 中空状編紐の構造を示す図である。 中空状編紐の編目を示す拡大図である。 支持体製造装置の一例を示す概略構成図である。 支持体製造装置の一例を示す概略構成図である。 中空状多孔質膜製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明の中空状多孔質膜を構成する多孔質膜層においては、その厚さを200μm以下とするのが好ましい。これは、厚さを200μm以下とすることによって、膜分離時における透過抵抗が低減され、優れた透水性能が得られるとともに、高分子樹脂溶液である製膜原液を用いて多孔質膜層を形成させる際の凝固時間を短くでき、マクロボイド(欠損部位)抑制に効果的であると共に、優れた生産性を得ることができる傾向にあるためである。より好ましくは、150μm以下である。
また、本発明の中空状多孔質膜を構成する多孔質膜層においては、その厚さを100μm以上とするのが好ましい。これは、厚さを100μm以上とすることによって、実用上問題のない機械的強度を得ることができる傾向にあるためである。ただし、膜外径が細い場合は厚みが100μm未満でも機械的強度が維持できる場合があるためこの限りではない。
この多孔質膜層は、その外表面近傍と内表面近傍のそれぞれに緻密層を有するものである。すなわち、本発明の中空状多孔質膜おいては、外表面近傍の緻密層が損傷しても、内表面近傍の緻密層により、膜分離特性の低下を防ぐことができ、安定した分離性能とともに高い耐久性を有するものである。
ここで緻密層とは、多孔質膜層中において、より小孔径の微細孔が集合している領域のことをいうが、本発明においては、中空状多孔質膜の透水性能と分離性能を両立できることから、その平均孔径を0.01〜2μmの範囲とするのが好ましい。
外表面近傍の緻密層においては、分離性能を重視する必要があることから、その平均孔径を0.01〜1μmの範囲とするのがより好ましい。
一方、内表面近傍の緻密層においては、膜内部での透水抵抗の上昇を避ける観点から透水性能を重視し、平均孔径を0.05〜2μmの範囲とし、外表面近傍の緻密層の平均孔径よりも大きくするのがより好ましい。さらに好ましくは、0.1〜1.5μmの範囲である。
本発明における緻密層の厚さは、分離特性の安定性向上と透水性能向上の両方の点から、10〜125μmの範囲とするのが好ましい。
外表面近傍の緻密層においては、分離特性の安定性向上の点から、その厚さを25〜100μmの範囲とするのがより好ましい。さらに好ましくは、40〜75μmの範囲である。
一方、内表面近傍の緻密層においては、膜内部での透水抵抗の上昇を避ける観点から、その厚さを15〜75μmの範囲とし、外表面近傍の緻密層よりも薄くなるようにするのがより好ましい。さらに好ましくは、20〜50μmの範囲である。
外表面近傍の緻密層の位置は、膜内部での透水抵抗の上昇を避ける観点からこの多孔質膜層の外表面から20μm以内の位置に存在するのが好ましい。さらに、この緻密層自体が多孔質膜層の外表面を構成するのが特に好ましい。
一方、内表面近傍の緻密層の位置は、外的要因による損傷を受けた際に、外表面近傍の緻密層と内表面近傍の緻密層とが、同時に傷つくことを極力回避するために、多孔質膜層の外表面から遠いほど良く、この多孔質膜層の内表面から50μm以内の位置に存在するのがより好ましい。さらに、この緻密層自体が多孔質膜層の内表面を構成するのが特に好ましい。
また、本発明の中空状多孔質膜が、支持体上に多孔質膜層を有する場合は、内表面近傍の緻密層は、外的要因による損傷回避の点から、この支持体の外表面から50μm以内の位置に存在するのが好ましく、支持体上に一体化して存在するのがさらに好ましい。なお、この場合の緻密層は、支持体上に露出している部分を意味する。
この多孔質膜層は、上述の外表面近傍の緻密層と内表面近傍の緻密層との間に、平均孔径が2μm以上の中間多孔質層を有するのが好ましい。この中間多孔質層は、特に本発明の中空状多孔質膜における透水性能に寄与するものであるので、その孔径は大きいほど良いが、大きすぎるとマクロボイドとなり、その機械的強度を低下させる。従って、その平均孔径は8μm以下とするのが好ましく、実質的に10μm以上の細孔は存在しないのがより好ましい。
さらに好ましくは、3〜5μmの範囲である。
また、透水性能向上の点から、この中間多孔質層は、外表面近傍の緻密層から内表面近傍の緻密層に向かって孔径が漸増し、二つの緻密層の間に最大孔径部を持つ、傾斜構造を有するのが好ましい。
また、優れた透水性能と機械的強度を両立できることから、この中間多孔質層においては、その厚さを50〜150μmの範囲とするのが好ましい。
本発明の中空状多孔質膜は、上述の多孔質膜層のみからなるものであっても良いが、優れた機械的強度が得られることから、中空状の支持体上にこの多孔質膜層を有するものが特に好ましい。なお、ここでは多孔質膜層と支持体との位置関係を明確にするために支持体上と表現しているが、多孔質膜層が支持体の空隙を通じて支持体内部に含浸している場合もある。
支持体としては、高い機械的強度を有し、かつ多孔質膜層と一体化できるものであれば、適宜選択して使用することができ、特に限定するものではないが、製造コストが低く、柔軟性と断面の形状安定性(真円性)を両立でき、多孔質膜層との接着性にも優れることから、編紐が好ましい。中でも、マルチフィラメントからなる1本の糸を丸編した中空状編紐であることが好ましい。
この場合、多孔質膜層と支持体(中空状編紐)とは、必ずしも密着している必要はないが、これらの接着性が低いと、中空糸膜を引っ張った時にこれらが分離し、多孔質膜層が巣抜けてしまう可能性がある。
従って、本発明の中空状多孔質膜においては、この多孔質膜層の一部を中空状編紐の編目を通じて、編紐内に浸入させ、多孔質膜層と中空状編紐とを一体化させるのが好ましい。
多孔質膜層と支持体に充分な接着性を付与するためには、多孔質膜層が、中空状編紐の厚さの50%以上浸入しているのがより好ましい。さらには、異なる編目を通じて50%以上侵入した多孔質膜層同士が連結し、支持体の一部を包み込んだ状態になっているものが耐剥離性の観点からさらに好ましい。加えて、支持体の一部を包み込んだ部分が繊維軸方向につながって存在すると、耐剥離性がさらに増すため好ましい。さらには、繊維軸方向へのつながり方がらせん状であれば、耐剥離性が著しく向上することからさらに好ましい。
なお、このような場合においても、本発明における上述の膜厚は、支持体上に露出している部分の厚さを意味するものとする。
次に、本発明の中空状多孔質膜の製造方法について説明する。
本発明の中空状多孔質膜は、環状ノズルを用いて、中空状の支持体の外周面に、多孔質膜層の材料および溶剤を含む、第一製膜原液と第二製膜原液の製膜原液を連続的に塗布して積層し、これらの製膜原液を同時に凝固させることによって製造することができる。
この場合、凝固は片面からのみの凝固でよく、この方法によって二種類の製膜原液から一体の多孔質膜構造を得ることができる。
例えば、特許文献4の図1に記載されているような二重環状ノズルを使用し、その支持体通路に中空状支持体(編紐)を通過させ、第一供給口からの第一製膜原液(内層側製膜原液)と第二供給口からの第二製膜原液(外層側製膜原液)とを同時に吐出させ、第一製膜原液を中空状編紐の外周面に塗布した後に、第二製膜原液を前記第一製膜原液の塗布層上に塗布する。この後、所定時間空走させた後、凝固液に浸漬して凝固させ、水洗及び乾燥させることによって、本発明で特定する中空状多孔質膜の構造を得ることができる。
また、二重環状ノズルを用いる場合は、ノズル内で第一製膜原液と第二製膜原液を予め合流させ、ノズル面からこれらを同時に吐出させ、中空状支持体に塗布することもできる。
さらに、中央部、内側部、外側部を有する三重環状ノズルを用い、中央部に中空状支持体を通過させながら、内側部からの第一製膜原液と外側部からの第二製膜原液とを同時に吐出させ、製膜原液を中空状の支持体に塗布することもできる。
上述のような環状ノズルを用いることによって、第一製膜原液及び第二製膜原液のそれぞれを均一に塗布することができ、さらに、第一製膜原液と第二製膜原液を積層させた際に層間に気泡が生じないようにすることができる。
上記の場合では二種類の製膜原液が使用されるが、いずれも高分子樹脂、添加剤、及び有機溶媒を含有するものである。
これら製膜原液に用いられる高分子樹脂としては、例えば、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はポリエステルイミド樹脂等を挙げることができる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができるが、中でも耐薬品性に優れることから、ポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
添加剤としては、相分離の制御等を目的として使用することができ、例えば、ポリエチレングリコールによって代表されるモノオール系、ジオール系、トリオール系、ポリビニルピロリドンなどの親水性高分子樹脂を使用することができる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができるが、中でも増粘効果に優れることから、ポリビニルピロリドンが好ましい。
有機溶媒としては、上述の高分子樹脂および添加剤を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
上述の二種類の製膜原液の組成は、特に限定されるものではないが、層間剥離を防ぎ機械的強度を向上させる観点から、凝固に際して二種類の製膜原液から一体構造を形成させるために、使用する溶媒ならびに高分子樹脂は同種類のものであることが好ましい。
本発明の中空状多孔質膜を上述の方法で製造する場合においては、内層側製膜原液である第一製膜原液の粘度を外層側製膜原液である第二製膜原液のそれよりも高くすることが好ましい。
これは、粘度のより高い第一製膜原液を前記中空状の支持体の外周面に塗布することによって、製膜原液が中空状支持体の内部に過度に侵入することを抑え、中空状多孔質膜の中空部の閉塞を防ぐことができるためである。
これを達成するためには、この第一製膜原液は、充分な粘度を有する必要があり、40℃での粘度が5万mPa・sec以上であることが好ましい。より好ましくは10万mPa・sec以上であり、さらに好ましくは15万mPa・sec以上である。
また、上述の製膜原液の粘度調整方法は特に限定されるものではなく、例えば、高分子樹脂の分子量を変えたり、高分子樹脂の濃度を変えたりすることによっても可能である。高分子樹脂の分子量を変える方法として、異なる分子量の二種類の高分子樹脂をブレンドする方法を用いることもできる。
製膜原液の粘度調整は、上述のように適宜選択することができるが、第一製膜原液においては、高分子樹脂の濃度で調整し、かつ濃度をより高くするのが、凝固速度の遅い内層においても、マクロボイドの発生を抑制できる傾向にあり好ましい。また、第一製膜原液の濃度をより高くすることにより多孔質膜層全体の構造安定性を向上できる傾向にあり好ましい。
一方、第二製膜原液においては、高分子樹脂の分子量で調整するのが、多孔質膜層の外表面の開孔率を高く維持できる傾向にあり好ましい。
上述のように、製膜原液を凝固させて製膜する場合は、相分離により多孔質構造が形成される。製膜条件によって種々の構造が得られるが、代表的な多孔質構造としては、高分子樹脂が海側となる海島構造より導かれるスポンジ構造、高分子樹脂が島側となる海島構造より導かれる粒子凝集構造、スピノーダル分解により高分子樹脂と溶媒がネットワーク状にからみ合った共連続構造より導かれる三次元網目構造の三つを挙げることができる。
これらの構造は、適宜選択することができるが、粒子凝集構造は、高分子樹脂層が凝集
した構造となりやすく、機械的強度に劣る傾向にあるため、本発明においては、スポンジ構造や三次元網目構造を採用するのが好ましい。
スポンジ構造は、孔径が膜厚方向に対して大きく変化しない均質構造となる傾向にあり、分離特性の安定性向上に適した構造である。
一方、三次元網目構造は、スポンジ構造と比較して、空孔同士の連通度が高い構造となる傾向にあり、透過性能の向上に適した構造である。
内層側製膜原液である第一製膜原液の組成は、形成させる膜構造に応じて適宜選択することができる。
第一製膜原液から、スポンジ構造を得る条件についても同様であり、組成について特に限定されるものではないが、製膜原液中の添加剤と高分子樹脂の質量比(添加剤/高分子樹脂)を0.45未満とするのが好ましい。
この質量比を0.45未満とすることによって、均質構造が緻密化する傾向にあり、またマクロボイドも発生しにくくなる傾向にある。
一方、この質量比が低すぎると、孔径が小さくなりすぎ、透過性能が低下しやすくなる傾向にあるため、この質量比は0.3以上とするのが好ましい。
製膜原液の組成の例としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂20〜30質量%、ポリビニルピロリドン5〜12質量%、ジメチルアセトアミド60〜85質量%であり、かつ、ポリビニルピロリドンとポリフッ化ビニリデン樹脂の質量比(ポリビニルピロリドン/ポリフッ化ビニリデン樹脂)が0.3〜0.45の範囲にあるものを挙げることができる。
第一製膜原液から三次元網目構造を得る条件についても、特に限定されるものではないが、製膜原液中の添加剤と高分子樹脂の質量比(添加剤/高分子樹脂)を0.45以上とするのが好ましい。
また、有機溶媒の比率を70質量%以下とするのが好ましい。これによって、マクロボイドの発生が抑制される傾向にあると共に、多孔質膜層全体の構造安定性を向上できる傾向にあるためである。より好ましくは68質量%以下である。
製膜原液の組成の例としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂20〜30質量%、ポリビニルピロリドン10〜20質量%、ジメチルアセトアミド55〜68質量%であり、かつ、ポリビニルピロリドンとポリフッ化ビニリデン樹脂の質量比(ポリビニルピロリドン/ポリフッ化ビニリデン樹脂)が0.45以上であるものを挙げることができる。
外層側製膜原液である第二製膜原液の組成についても、多孔質膜層の外表面近傍に緻密層を持ち、多孔質膜層の内表面に向けて孔径が漸増する傾斜構造が相分離により形成できるものであれば、特に限定されない。
第二製膜原液の組成は、目的とする膜構造に応じて適宜選択することができるが、多孔質膜層の表面開孔率を高くできる点から、有機溶媒の比率を70質量%以上とすることが好ましい。
また、大きなマクロボイドの無い傾斜構造を形成できる傾向があることから、添加剤/高分子樹脂の質量比は0.45以上であることが好ましい。製膜原液の組成の例としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂15〜25質量%、ポリビニルピロリドン5〜15質量%、ジメチルアセトアミド70〜80質量%であり、かつ、(ポリビニルピロリドン/ポリフッ化ビニリデン樹脂)が0.45以上であるものを挙げることができる。
外層と内層それぞれの塗布時の厚みは、適宜設定することができるが、有機溶媒の比率がより高い傾向にある外層を厚くすると、製膜時にマクロボイドが発生しやすい傾向にあることから、外層の膜厚は150μm以下とするのが好ましい。より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下である。
支持体として中空状編紐を使用する場合は、支持体内部への過度の製膜原液の浸入を防ぐため、予め製膜原液に対する非溶媒を支持体に含浸させておいても良い。上述の組成の製膜原液を使用する場合の非溶媒としては、グリセリンを例示することができる。ただし、使用する製膜原液に対する凝固能力の高すぎる非溶媒や、粘度の高すぎる非溶媒は、多孔質膜層の支持体内部への侵入を阻害し耐剥離性が大きく低下するため、好適ではない。
また、添加剤としてポリビニルピロリドンを用いた場合は、凝固から膜構造形成後の洗浄において、次亜塩素酸ナトリウム等を用いて、中空状多孔質膜の薬液洗浄を施すことが好ましい。
<中空状多孔質膜>
図1は、本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。中空状多孔質膜1は、中空状の支持体10と、支持体10の外周面に設けられた多孔質膜層11とを有する。
(支持体)
図2は、支持体の一例を示す側面図である。支持体10は、1本の糸16を丸編した中空状編紐12からなる。中空状編紐12は、図3に示すような、従来の中空状組紐14とは異なるものである。
丸編とは、丸編機を用いて筒状のよこメリヤス生地を編成することである。
中空状編紐12は、図4および図5に示すように、糸16を湾曲させたループ17(図5中の黒い部分)を螺旋状に連続して形成し、これらループ17を上下につなげたものであり、図5に示すように、ループ17内およびループ17同士の接続部に編目18を有する。
糸としては、複数の単繊維からなるマルチフィラメントを用いる。
糸を構成する繊維としては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。
合成繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリエステル系繊維;ポリアクリロニトリル等のアクリル系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニリデン系繊維;ポリ塩化ビニル系繊維:ポリウレタン系繊維;フェノール樹脂系繊維;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系繊維;ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維等が挙げられる。
半合成繊維としては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、キチン、キトサン等を原料としたセルロース誘導体系繊維:プロミックスと呼称される蛋白質系繊維等が挙げられる。
再生繊維としては、ビスコース法、銅−アンモニア法、有機溶剤法等により得られるセルロース系再生繊維(レイヨン、キュプラ、ポリノジック等。)が挙げられる。
天然繊維としては、亜麻、黄麻等が挙げられる。
繊維としては、耐薬品性に優れる点から、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、またはポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維が好ましく、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、またはポリ塩化ビニル系繊維が特に好ましい。
繊維としては、多孔質膜層11と支持体10との接着性の点から、製膜原液に含まれる溶剤に可溶な繊維が好ましい。前記繊維としては、アクリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維等が挙げられる。
マルチフィラメントは、種類の異なる繊維を2種類以上混合したものであってもよい。
種類が異なるとは、繊度、単繊維径、機械特性および材料のうち少なくとも1つが異なることを意味する。
例えば、繊度の異なる繊維を複数組み合わせ、単一の糸では得られない繊度とすることで、支持体10の構造、特性等の自由度を広げることができる。
また、強度は低いが安価な汎用繊維と、高価な高強力繊維とを組み合わせることで、支持体10に必要とされる外径および内径を得るための繊度を汎用繊維で確保し、汎用繊維だけでは不足する強度を高強力繊維で確保することができ、コストと強度とのバランスに優れた支持体10を得ることができる。
また、材料の異なる繊維を複数組み合わせる場合は、例えば、比較的強度が高く安価で、中空多孔質膜の洗浄に用いる次亜塩素酸に対する耐性に優れたポリエステル系繊維と、製膜原液に含まれる溶剤に可溶で、安価であり、中空多孔質膜の洗浄に用いる次亜塩素酸に対する耐性にも優れるアクリル系繊維とを組み合わせたものが好ましい。
単繊維の繊度は、5dtex以下が好ましく、3dtex以下がより好ましい。単繊維の繊度が5dtex以下であれば、支持体10の表面に糸継ぎ部または繊維破断部の単繊維端が突出していた場合でも、単繊維の熱伝導性や熱容量が小さいため、支持体10表面を火炎処理することで突出した単繊維端を選択的に焼き除いたり、支持体10表面方向に熱収縮させることができ、それらが多孔質膜層11を貫通するのを防ぐことができる。さらに、単繊維の繊度が3dtex以下であれば、単繊維の剛性も大きく低下するため、支持体10の表面に糸継ぎ部または繊維破断部の単繊維端が突出していても、製膜原液の塗布時に多孔質膜層11を貫通することがない。
製膜原液の塗布時に支持体10の表面に突出した糸継ぎ部または繊維破断部の単繊維端が多孔質膜層11を貫通すると、その周りに大きなピンホールが発生したり、当初密着していた単繊維と多孔質膜層11が、繰り返し応力作用で剥離した部分がピンホールとなり、中空状多孔質膜1の分離特性が低下する場合がある。
ループ17の数は、1周あたり5以上が好ましい。ループ17の数は、後述の丸編機のメリヤス針の数と同じである。ループ17の数が5以上であれば、支持体10の中空部の断面形状が略円形となり、外圧に対する耐潰れ性が向上し、内径縮小化による通水性の低下が抑えられる。
ループ17の数の上限は、中空状編紐12の外径、糸16の繊度、編目の大きさ等により決まる。
ループ17(図5中の黒い部分)の長さと支持体10の外径との比(長さ/外径)は、0.1〜0.5が好ましい。前記比が0.1以上であれば、支持体10に曲げや捻りの力が作用した際、ループ17が変形し支持体として必要な屈曲特性や捻れ特性を発揮することができる。前記比が0.5以下であれば、支持体10の耐つぶれ性を維持し、支持体10の中心軸に並行な圧縮力に対し耐座屈性を維持することができる。
編目18の数は、1mmあたり3以上が好ましい。編目18の数が1mmあたり3以上であれば、多孔質膜層11と支持体10とを強く接着できる。編目18の数は多いほど立体的接着部が増えるため、多孔質膜層11と支持体10の強く接着することができるが、単位面積あたりの編目18の数を多くするほど編目18が緻密化し、製膜原液を、編目18を通って支持体10の厚さ方向に十分侵入させることが困難になる。
単位面積あたりの編目18の数を多くしながら編目18の緻密化を防ぐには、支持体10を構成する糸16の繊度を落さなければならない。しかし、その場合には支持体10の破断強度低下や外圧による耐つぶれ性の低下を招くため、編目18の数の上限は、支持体10に必要な特性を損なわない範囲で適宜決定する必要がある。
編目18の大きさは、多孔質膜層11の製膜温度、製膜原液の塗布圧力、製膜原液の粘度、支持体10の厚さ等の条件に対し、製膜原液が支持体10の厚さの50%以上侵入し、かつ中空部に過剰に流入しないよう適正な大きさになるよう調節される。編目18の大きさは、1周当たりのループ17の数、糸16の繊度、糸16の仮撚り(捲縮処理)、編目18の長さ、熱処理条件等により決まる。
編目18の最大開口幅(図5中のL)は、製膜原液の支持体10への侵入性に大きく関係し、製膜条件により適性範囲は異なるが、通常の湿式紡糸に用いられる数万mPa・sec前後の製膜原液粘度であれば0.01mm〜0.3mmの範囲が好ましい。編目18の最大開口幅が0.01mm以上であれば、製膜原液が編目18から支持体10に侵入可能であり、0.3mm以下であれば、製膜原液が編目18から支持体10の中空部を閉塞させるほどの過剰侵入は抑えることができる。
支持体10は、その表面の一部または全部が、多孔質膜層11と異なる色であることが好ましい。支持体10の表面の色が多孔質膜層11と異なれば、多孔質膜層11が支持体10から脱落した場合、脱落箇所を目視にて容易に確認できる。
(支持体の製造方法)
図6は、支持体製造装置の一例を示す概略構成図である。支持体製造装置20は、ボビン22と、ボビン22から引き出された糸16を丸編する丸編機24と、丸編機24によって編成された中空状編紐12を一定の張力で引っ張る紐供給装置26と、中空状編紐12を熱処理する加熱ダイス28と、熱処理された中空状編紐12を引き取る引取り装置30と、中空状編紐12を支持体10としてボビンに巻き取る巻き取り機32とを具備する。
なお、図7に示す如く、中空状編紐12を一定の張力で引っ張る紐供給装置26の代わりにダンサーロール27を用いて一定の荷重(張力)を付与しても良い。
丸編機24は、回転可能な中空状のシリンダと、前記シリンダの内側に配置された回転しないスピンドルと、前記スピンドルの外円周上に配置された上下動する複数のメリヤス針と、シリンダに固定され一緒に回転し、上下動する複数のメリヤス針に糸を供給するための糸ガイドとを有して構成される。支持体10の外径、内径、1周あたりのループ17の数および編目18の大きさは、メリヤス針の数、メリヤス針を配置するスピンドルの円周直径、糸16の繊度等により決まる。
加熱ダイス28は、金属製のブロック、プレート等からなる本体と、加熱手段とを有して構成される。加熱ダイス28の本体には、貫通孔(図示略)が形成されている。
貫通孔の、中空状編紐12の入口側の内径Dは、熱処理前の中空状編紐12の外径D’と等しいか、若干大きく、中空状編紐12の出口側の内径dは、熱処理前の中空状編紐12(支持体10)の外径D’以下であり、熱処理後の中空状編紐12の外径d’と等しい。貫通孔は、中空状編紐12の引っ掛かりを回避する点から、入口から出口に向かって漸次縮径しており、内周面がテーパー状となっていることが好ましい。
紐供給装置26および引取り装置30としては、ネルソンロール、ニップロール、カレンダーロール等が挙げられる。ニップロールは中空状編紐12や支持体10をつぶす恐れがある。つぶれると中空部が閉塞し、中空状膜多孔質膜用の支持体としての用を成さない。従って、紐供給装置26および引取り装置30にはネルソンロールまたはカレンダーロールが好ましい。これらのロールを用いて支持体10を引き取るには、ロールと中空状編紐12もしくは支持体10との接触面積をある程度大きくする必要がある。カレンダーロールの場合、中空状編紐12および支持体10との接触面積を確保するためにロール本数を多くする必要がある。ネルソンロールは、2本のロールに中空状編紐12および支持体10を複数回巻き付けることで接触面積を確保できる点でより好ましい。
なお、ボビン22は、1つであってもよく、2つ以上であってもよく、2つ以上が好ましい。繊度Xの糸16が巻かれた1つのボビンから引き出した糸を編成する場合に比べ、繊度X/nの糸が巻かれたn個のボビンから引き出した糸を1つにまとめて編成する場合(ただし、nは2以上の整数である。)は、1つのボビンから引き出される単位時間あたりの糸の量は1/nとなるため、1つのボビンに巻かれた糸の質量が同じであれば、糸継ぎの間隔がn倍長くなる。また、種類の異なる2種類以上の繊維を混合しやすくなる。
以下、支持体製造装置20を用いた支持体10の製造方法を説明する。
支持体10は、下記(a)工程、および下記(b)工程を有する製造方法によって製造される。
(a)糸16を丸編して中空状編紐12を編成する工程。
(b)前記中空状編紐12を、外径を規制しつつ、繊維の熱変形温度より高く、かつ繊維の溶融温度よりも低い温度で熱処理する工程。
(a)工程:
中空状編紐12は、丸編機24を用いて編成される。
製紐速度は、中空状編紐12の形状により若干変わるが、シリンダの回転数によってほぼ決まる。シリンダ回転数は、1〜4000rpmに設定可能であり、安定して編成できる点から、100〜3000rpmが好ましい。この際の製紐速度は、およそ6〜200m/hrであり、組紐の製紐速度に比べ一桁以上速い。
(b)工程:
中空状編紐12は、糸継ぎ部または繊維破断部に、表面に突出した繊維端を有している。よって、中空状編紐12を、外径を規制しつつ熱処理することによって、糸継ぎ部または繊維破断部の繊維端を支持体10の表面に押さえつけた状態で形態固定することが好ましい。これにより、繊維端が多孔質膜層を貫通してピンホールが発生することがなく、その結果、中空状多孔質膜の分離特性が低下することがない。
中空状編紐12は、その構造上、伸縮性を有しているが、加熱処理を施すことによって、中空状編紐12の伸縮性(外径変化)を抑制することができる。
中空状編紐12は、加熱ダイス28を通過するとき、材料として用いた糸16の溶融温度未満の温度で加熱処理される。これにより中空状編紐12は熱収縮を起こし、伸縮性が抑制されるとともに、編目が緻密になる。さらに、出口14b近傍のストレート部14cにおいて中空状編紐12の外径が規制されて、所望の外径d’に成型される。加熱ダイス28において、中空状編紐12は糸の溶融温度未満で処理されるため、編紐表面の糸が溶融することはない。その結果、製膜原液が十分に編目18に侵入でき、多孔質膜層11と支持体10との密着性を維持できる。支持体10の表面が溶融すると、編目18が閉塞し、処理水が通過できなくなり、濾過膜としての性能を発揮できない。
(多孔質膜層)
多孔質膜層11の材料としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、耐薬品性、耐熱性等の点から、ポリフッ化ビニリデン、またはポリフッ化ビニリデンとポリビニルピロリドンとの組み合わせが好ましい。
多孔質膜層11は、単層であってもよく、2層以上の複合多孔質膜層であってもよい。
多孔質膜層11は、支持体10の編目18を通り、支持体10の表面から中空部に向かって、支持体10の厚さの50%以上浸入していることが好ましい。支持体10においては、糸16のループ17が重なった部分と重なっていない部分とがあり、ループ17が重なった部分の厚さを支持体10の厚さとする。
図20に、中空状多孔質膜1を中心軸方向に切断した際の膜の縦断面構造の1例を示す。図中のaがループ17が重なった部分を示し、図中のbがループ17が重なっていない部分を示す。
多孔質膜層11が支持体10の厚さ方向に50%以上侵入すれば、多孔質膜層11がループ17を形成する糸16の一部を包み込むことができ、多孔質膜層11と支持体10とを強く接着できる。この場合においても、支持体の単繊維間の大部分には多孔質膜層が含浸しておらず、そして支持体内表面の大部分は露出しているため、膜厚部を通過してきた水は通水抵抗の小さい支持体を通って内表面まで通過することが可能であることから、透水性能を維持することが可能である。なお、多孔質膜層11が支持体10の厚さを超えて進入すると、支持体内表面のほとんどが覆われてしまうとともに、支持体10の中空部の狭化が生じると、水の中空部流動圧損が増し、透水性が低下する場合があるため、多孔質膜層11の支持体10の厚さ方向への侵入は、50%以上100%未満が好ましい。糸16の一部を包み込んだ部分が繊維軸方向につながって存在すると、耐剥離性がさらに増すため好ましい。さらには、繊維軸方向へのつながり方がらせん状であれば、耐剥離性が著しく向上することからさらに好ましい。
多孔質膜層11中には、多孔質膜層11にピンホールが発生しない範囲において、支持体10の表面に突出した糸継ぎ部または繊維破断部の繊維端が存在することが好ましい。多孔質膜層11中に繊維端が存在すれば、多孔質膜層11と支持体10とを強く接着できる。多孔質膜層11中に存在する繊維端の数は、1mmあたり10〜40が好ましい。
<中空状多孔質膜の製造方法>
中空状多孔質膜1は、多孔質膜層11が2層の複合多孔質膜層の場合、下記(i)〜(vii)工程を有する製造方法によって製造される。
(i)支持体10の外周面に製膜原液を塗布する工程。
(ii)支持体10に塗布された製膜原液を凝固させて、第1の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜前駆体を得る工程。
(iii)中空状多孔質膜前駆体の外周面に製膜原液を塗布する工程。
(iv)中空状多孔質膜前駆体に塗布された製膜原液を凝固させて、第2の多孔質膜層
を形成し、中空状多孔質膜1を得る工程。
(v)中空状多孔質膜1を洗浄する工程。
(vi)中空状多孔質膜1を乾燥する工程。
(vii)中空状多孔質膜1を巻き取る工程。
図8は、(i)〜(iv)工程に用いられる中空状多孔質膜製造装置の一例を示す概略構成図である。中空状多孔質膜製造装置40は、巻き出し装置(図示略)から連続的に供給された支持体10に、連続的に製膜原液を塗布する第1の環状ノズル42と、第1の環状ノズル42に製膜原液を供給する第1の原液供給装置44と、支持体10に塗布された製膜原液を凝固させる凝固液が入った第1の凝固浴槽46と、製膜原液が塗布された支持体10を第1の凝固浴槽46に連続的に導入する第1のガイドロール48と、第1の凝固浴槽46から連続的に引き出された中空状多孔質膜前駆体50に、連続的に製膜原液を塗布する第2の環状ノズル52と、第2の環状ノズル52に製膜原液を供給する第2の原液供給装置54と、中空状多孔質膜前駆体50に塗布された製膜原液を凝固させる凝固液が入った第2の凝固浴槽56と、製膜原液が塗布された中空状多孔質膜前駆体50を第2の凝固浴槽56に連続的に導入する第2のガイドロール58とを具備する。
(i)工程:
第1の環状ノズル42の中央には、支持体10が通過する管路が形成されている。管路の途中には、管路の円周方向にスリット状の製膜原液吐出口が上流側および下流側に2箇所形成され、組成の異なる2種類の製膜原液を吐出する構造となっている。
支持体10が管路を通過する際、第1の原液供給装置44から2種類の製膜原液が一定量で供給され、まず支持体10の外周面に製膜原液(2)が塗布され、ついで、製膜原液(2)の上に製膜原液(1)が塗布されて所定の膜厚の塗膜が形成される。
第1の環状ノズル42の管路の内径は、支持体10の外径より若干大きく、環状ノズル42の管路の内周面と支持体とは一定の間隙を有する。前記間隙は、塗膜の厚さ、製膜原液の粘度、支持体10の走行速度等によって決まり、通常、0.15〜0.25mmである。
製膜原液は、上述の多孔質膜層の材料と溶剤とを含む液である。溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、形成される多孔質膜層の透水性が高い点から、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
製膜原液(1)(100質量%)中の多孔質膜層の材料の濃度は、12〜25質量%が好ましい。
製膜原液(2)(100質量%)中の多孔質膜層の材料の濃度は、0.1〜12質量%が好ましい。
環状ノズル42の温度は、20〜40℃が好ましい。
(ii)工程:
第1の凝固浴槽46内の凝固液と製膜原液の塗膜とを接触させ、製膜原液を凝固させて、第1の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜前駆体50を得る。
凝固液としては、製膜原液の溶剤と同じ溶剤を含む水溶液が好ましい。製膜原液の溶剤がN,N−ジメチルアセトアミドの場合、溶剤の濃度は、凝固液(100質量%)中、1〜50質量%が好ましい。
凝固液の温度は、50〜90℃が好ましい。
(iii)〜(iv)工程:
(i)〜(ii)工程と同様な条件にて、中空状多孔質膜前駆体50の外周面に第2の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜1を得る。
(iii)工程においては、製膜原液(2)として内部凝固液を用いてもよい。内部凝固液としては、グリセリン、アルコール類、エチレングリコール等が挙げられる。
(v)工程:
例えば、中空状多孔質膜1を60〜100℃の熱水中で洗浄して溶剤を除去し、ついで、次亜塩素酸等の薬液で洗浄し、ついで、60〜100℃の熱水中で洗浄して薬液を除去する。
(vi)〜(vii)工程:
中空状多孔質膜1を、60℃以上100℃未満で、1分以上24時間未満乾燥した後、ボビン、カセ等に巻き取る。
以上説明した中空状多孔質膜1にあっては、支持体10がマルチフィラメントからなる1本の糸16を丸編した中空状編紐12であるため、コストが抑えられ、かつ支持体10と多孔質膜層11との接着性に優れる。
すなわち、1本の連続した糸16を筒状に丸編した中空状編紐12は、組紐より製紐速度が一桁以上速い。そして、糸16を多数のボビンに小分けする必要がないため、糸継ぎ作業も簡便である。よって、中空状編紐12は、生産性、作業性が非常に高いため、組紐に比べコストを抑えることができ、前記中空状編紐12を中空状多孔質膜1の支持体10として用いることで中空状多孔質膜1のコストを低減できる。
また、中空状編紐12の編目18は、糸16の単繊維間の隙間に比べ非常に大きく、かつ中空状編紐12の表面から中空部に貫通しているため、多孔質膜層11の製膜時に、製膜原液が編目18を通って支持体10の内部に侵入でき、多孔質膜層11と支持体10との接着性が向上する。
さらに、本発明を以下の実施例により具体的に説明する。
(支持体の外径)
支持体の外径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを約10cmに切断し、数本を束ねて、全体をポリウレタン樹脂で覆った。ポリウレタン樹脂は支持体の中空部にも入るようにした。
ポリウレタン樹脂硬化後、カミソリ刃を用いて厚さ(膜の長手方向)約0.5mmの薄片をサンプリングした。
次にサンプリングした支持体の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している支持体断面のX方向、Y方向の外表面の位置にマーク(ライン)をあわせて外径を読み取った。これを3回測定して外径の平均値を求めた。
(支持体の内径)
支持体の内径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。
次にサンプリングした支持体の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している支持体断面のX方向、Y方向の内表面の位置にマーク(ライン)をあわせて内径を読み取った。これを3回測定して内径の平均値を求めた。
(中空状多孔質膜の外径)
中空状多孔質膜の外径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを約10cmに切断し、数本を束ねて、全体をポリウレタン樹脂で覆った。ポリウレタン樹脂は支持体の中空部にも入るようにした。
ポリウレタン樹脂硬化後、カミソリ刃を用いて厚さ(膜の長手方向)約0.5mmの薄片をサンプリングした。
次に、サンプリングした中空状多孔質膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している中空状多孔質膜断面のX方向、Y方向の外表面の位置にマーク(ライン)をあわせて外径を読み取った。これを3回測定して外径の平均値を求めた。
(中空状多孔質膜の内径)
中空状多孔質膜の内径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。
次に、サンプリングした中空状多孔質膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している中空状多孔質膜断面のX方向、Y方向の支持体内面の位置にマーク(ライン)をあわせて内径を読み取った。これを3回測定して内径の平均値を求めた。
(多孔質膜層の膜厚)
実施例における多孔質膜層の膜厚は、支持体の表面から中空状多孔質膜の表面までの厚さであり、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。
次に、サンプリングした中空状多孔質膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している中空状多孔質膜断面の3時方向位置の膜厚の外表面と内表面の位置にマーク(ライン)をあわせて膜厚を読み取った。同様に、9時方向、12時方向、6時方向の順で膜厚を読み取った。これを3回測定して内径の平均値を求めた。
(多孔質膜層の孔径)
多孔質膜層の孔径は、以下の方法で測定した。
測定したい断面構造を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率5,000倍で撮影し、得られた写真の画像解析処理によりその構造の平均孔径を求めた。画像解析処理ソフトとしては、Media Cybernetics社のIMAGE−PRO PLUS version5.0を使用した。
(中空状多孔質膜の透水性能)
中空状多孔質膜の透水性能は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを4cmに切断し、片端面をポリウレタン樹脂で中空部を封した。
次に、サンプルをエタノール中で5分間以上減圧した後、純水中に浸して置換した。
容器に純水(25℃)を入れ、サンプルの他端面とチューブで繋ぎ、容器に200kPaの空気圧をかけてサンプルから出る純水の量を1分間測定した。これを3回測定して平均値を求めた。この数値をサンプルの表面積で割り、透水性能とした。
(中空状多孔質膜の破断強度)
中空状多孔質膜の破断強度は、テンシロン型引張試験機(オリエンテック社製、UCT−1T型)を用い、中空状多孔質膜を試長10cmになるようにテンシロン型引張試験機のチャック部に把持させた状態で引張荷重を加え、荷重変化における支持体伸度を中空状多孔質膜が破断するまで測定した。この測定を3回行い、中空状多孔質膜が破断した荷重の平均値を求めた。
(多孔質膜層の支持体への含浸度合い)
中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断した際、その一断面において支持体10の厚みの最も厚い部分(ループ17が重なった部分)の厚みをaとする。また、多孔質膜層が最も含浸した箇所の、支持体の最外表面を結んだラインから支持体の内表面側へ最も含浸した多孔質膜層までの距離をcとする(図21参照)。
多孔質膜層の支持体への含浸度合いは、次式によって算出される。
多孔質膜層の支持体への含浸度合い(%) = c/a×100
図21において、図中のbはループ17の重なっていない部分の厚みを示す。
(中空状多孔質膜の耐剥離性)
中空状多孔質膜の耐剥離性は、中空状多孔質膜の一面をカミソリを用いて繊維軸方向に裂き、中空状多孔質膜を平膜状に開いた後、多孔質膜の外表面側がガムテープの接着面にくるように多孔質膜をガムテープに貼り付け、その後、支持体部をピンセットでつかんでガムテープから剥がし、多孔質膜が支持体から剥がれるかどうかで評価した。
(中空状多孔質膜の分離特性)
中空状多孔質膜の分離特性は、バブルポイント法により求められる最大孔径より評価した。JIS K 3832に従って、エタノールを測定媒体として測定した。
<実施例1>
(支持体の製造)
図6に示す支持体製造装置20を用いて、中空状編紐12からなる支持体10を製造した。
糸としては、ポリエステル繊維(繊度:84dtex、フィラメント数:36)を用いた。ボビン22としては、前記ポリエステル繊維の5kgを巻いたものを5つ用意した。丸編機24としては、卓上型紐編機(圓井繊維機械社製、メリヤス針数:12本、針サイズ:16ゲージ、スピンドルの円周直径:8mm)を用いた。紐供給装置26および引取り装置30としては、ネルソンロールを用いた。加熱ダイス28としては、加熱手段を有するステンレス製のダイス(内径D:5mm、内径d:2.2mm、長さ:300mm)を用いた。
5つボビン22から引き出されたポリエステル繊維を1つにまとめて糸16(合計繊度は420dtex)とした後、丸編機24によって丸編して中空状編紐12を編成し、前記中空状編紐12を195℃の加熱ダイス28に通し、熱処理された中空状編紐12を支持体10として巻き取り速度100m/hrで巻き取り装置32に巻き取った。ボビン22のポリエステル繊維がなくなるまで支持体10の製造を続けた。
得られた支持体10の外径は約2.1mmであり、内径は約1.3mmであった。支持体10を構成する中空状編紐12のループ17の数は、1周あたり12個、編目18の最大開口幅は約0.05mmであった。支持体10の長さは12000mであった。
(中空状多孔質膜の製造)
ついで、図8に示す中空状多孔質膜製造装置40を用いて中空状多孔質膜1を製造した。
ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン社製、商品名:カイナー301F)、ポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン社製、商品名:カイナー9000LD)、ポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名:K−90)、N,N−ジメチルアセトアミドを、表1に示す質量比となるように混合し、製膜原液(1)および製膜原液(2)を調製した。
(i)工程:
第1の環状ノズル42を30℃に保温し、管路に支持体10を通しながら、上流側の第1の吐出口から製膜原液(2)を吐出して支持体10の外周面に製膜原液(2)を塗布し、さらに下流側の第2の吐出口から製膜原液(1)を吐出して製膜原液(2)上に製膜原液(1)を塗布した。
(ii)工程:
ついで、製膜原液が塗布された支持体10を、第1の凝固浴槽46内にて80℃に保温した凝固液(N,N−ジメチルアセトアミド5質量%および水95質量%)中に通して、第1の多孔質膜層を形成し、第1のガイドロール48にて方向転換して第1の凝固浴槽46から引き上げ、中空状多孔質膜前駆体50を得た。
(iii)工程:
ついで、30℃に保温した第2の環状ノズル52に、中空状多孔質膜前駆体50を通しながら、上流側の第1の吐出口から内部凝固液としてグリセリン(和光純薬工業社製、一級)を吐出して第1の多孔質膜層上にグリセリンを塗布し、さらに下流側の第2の吐出口から製膜原液(1)を吐出してグリセリン上に製膜原液(1)を塗布した。
(iv)工程:
ついで、(ii)工程と同様の条件にて、中空状多孔質膜前駆体50の外周面に第2の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜1を得た。
(v)工程:
ついで、中空状多孔質膜1を98℃の熱水中で3分間洗浄して、残存するN,N−ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドンの一部を除去した後、下記(x)〜(z)の工程を2回繰り返し、残存するポリビニルピロリドンを、多孔質膜層11に対する質量比で2%未満まで除去した。
(x)中空状多孔質膜1を50000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬する工程。
(y)中空状多孔質膜1を90℃のスチーム槽中で2分間加熱する工程。
(z)中空状多孔質膜1を90℃の熱水中で3分間洗浄する工程。
(vi)〜(vii)工程:
中空状多孔質膜1を85℃で10分間乾燥した後、巻取り機にてボビンに巻き取った。
得られた中空状多孔質膜1の外径は、約2.80mmであり、内径は約1.2mmであり、多孔質膜層11の膜厚は平均約350μmであり、バブルポイントは160kPa、透水性能は105m/m/h/MPaであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜の二層目部の全てが一層目部から剥がれガムテープ上に残ったが、多孔質中空糸膜の一層目部に対して同様に試験したところ、一層目部の全体が支持体から剥がれず、ガムテープ上には一層目部の表皮の一部のみが残った。
前記中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断し、断面を観察した。多孔質膜層11は、糸16には、その表面から約30%程度しか侵入していなかった。一方、多孔質膜層11は、編目18を通って支持体10の中空部まで侵入しており、多孔質膜層11と支持体10とは強固に接着されていた。なお、支持体10の中空部の内周面に多孔質膜層11の一部が薄く付着していたが、中空部の内径は製膜原液の塗布前とほぼ同じであった。
<実施例2>
(中空状多孔質膜の製造)
第1の環状ノズル42において、支持体10の外周面に製膜原液(1)のみを塗布した以外は、実施例1と同様にして中空状多孔質膜1を製造した。
得られた中空状多孔質膜1の外径は、約2.78mmであり、内径は約1.2mmであり、多孔質膜層11の膜厚は平均約340μmであり、バブルポイントは110kPa、透水性能は115m/m/h/MPaであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜の二層目部の全てが一層目部から剥がれガムテープ上に残ったが、多孔質中空糸膜の一層目部に対して同様に試験したところ、一層目部の全体が支持体から剥がれず、ガムテープ上には一層目部の表皮の一部のみが残った。
前記中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断し、断面を観察した。多孔質膜層11は、糸16には、その極表面にしか侵入していなかった。一方、多孔質膜層11は、編目を通って支持体10の厚さの約90%まで侵入しており、糸16のループ17の一部が多孔質膜層11に覆われた状態で、多孔質膜層11と支持体10とは強固に接着されていた。
<実施例3>
(支持体の製造)
糸16として、ポリエステル繊維A(繊度:84dtex、フィラメント数:72)およびポリエステル繊維B(高強力ポリエステル繊維、繊度:235dtex、フィラメント数:24)を用い、ボビン22として、ポリエステル繊維Aの5kgを巻いたボビンAを1つおよびポリエステル繊維Bの5kgを巻いたボビンBを2つ用意し(合計繊度は、554dtex)、丸編機24として、卓上型紐編機(圓井繊維機械社製、メリヤス針数:10本、針サイズ:16ゲージ、スピンドルの円周直径:10mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ボビンAのポリエステル繊維Aがなくなるまで支持体10を製造した。
得られた支持体10の外径は約2.1mmであり、内径は約1.2mmであった。支持体10を構成する中空状編紐12のループ17の数は、1周あたり10個、編目18の最大開口幅は約0.15mmであった。支持体10の長さは4200mであった。
(中空状多孔質膜の製造)
前記中空状編紐12を支持体10として用いた以外は、実施例2と同様にして中空状多孔質膜1を製造した。
得られた中空状多孔質膜1の外径は、約2.8mmであり、内径は約1.1mmであり、多孔質膜層11の膜厚は平均約340μmであり、透水性能は105m/m/h/MPaであった。
前記中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断し、断面を観察した。多孔質膜層11は、ポリエステル繊維Aが表面に位置する部分では、糸16の深部まで侵入し、ポリエステル繊維Bが表面に位置する部分では、糸16の極表面にしか侵入していなかった。一方、多孔質膜層11は、編目18を通って支持体10の厚さの約80%まで侵入しており、多孔質膜層11と支持体10とは強固に接着されていた。
また、中空状多孔質膜1の破断強度は、実施例2の中空状多孔質膜1の約1.5倍の約400Nであった。
<実施例4>
図6に示す支持体製造装置20を用いて、中空状編紐12からなる支持体10を製造した。
糸としては、ポリエステル繊維(繊度:84dtex、フィラメント数:36、仮撚り糸)を用いた。ボビン22としては、前記ポリエステル繊維の5kgを巻いたものを5つ用意した。丸編機24としては、卓上型紐編機(圓井繊維機械社製、メリヤス針数:12本、針サイズ:16ゲージ、スピンドルの円周直径:8mm)を用いた。紐供給装置26および引取り装置30としては、ネルソンロールを用いた。加熱ダイス28としては、加熱手段を有するステンレス製のダイス(内径D:5mm、内径d:2.5mm、長さ:300mm)を用いた。
5つボビン22から引き出されたポリエステル繊維を1つにまとめて糸16(合計繊度は420dtex)とした後、丸編機24によって丸編して中空状編紐12を編成し、前記中空状編紐12を210℃の加熱ダイス28に通し、熱処理された中空状編紐12を支持体10として巻き取り速度200m/hrで巻取り装置32に巻き取った。ボビン22のポリエステル繊維がなくなるまで支持体10の製造を続けた。
得られた支持体10の外径は約2.5mmであり、内径は約1.7mmであった。支持体10を構成する中空状編紐12のループ17の数は、1周あたり12個、編目18の最大開口幅は約0.1mmであった。支持体10の長さは12000mであった。
ポリフッ化ビニリデン(アトフィナジャパン製、商品名カイナー301F)19重量%及びポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名K−80)10質量%をN,N−ジメチルアセトアミド71質量%に撹拌溶解させて第二側製膜原液を調製した。この第二製膜原液の40℃での粘度は13万mPa・secであった。
また、ポリフッ化ビニリデン(アトフィナジャパン製、商品名カイナー301F)22質量%及びポリビニルピロリドン(日本触媒社製、商品名K−80)9質量%をN,N−ジメチルアセトアミド69質量%に撹拌溶解させて第一製膜原液を調製した。この第一製膜原液の40℃での粘度は21万mPa・secであった。
次いで、第二製膜原液を直径が5.24mmφである30℃に保温した三重環状ノズルの外側ラインに、第一製膜原液を内側ラインに供給すると共に、支持体10を前記ノズルの中央部に通過させて、前記編紐支持体に2種類の製膜原液を塗布・積層した後、40mmのエアギャップ内を通過させ、N,N−ジメチルアセトアミド8質量%及び水92質量%から成る75℃に保温した凝固浴中を通過させて凝固させた。
次いでこれを98℃の熱水中で1分間脱溶剤させた後、50,000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬後、98℃の熱水中で15分間洗浄し、110℃で10分間乾燥した後、巻き取って多孔質中空糸膜を得た。
この多孔質中空糸膜の、編紐支持体から膜外表面までの膜厚みは150μmであり、バブルポイントは140kPa、透水性能は122m/m/h/Mpa、破断点荷重は270Nであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜部の全体が支持体から剥がれず、ガムテープ上には多孔質中空糸膜の表皮の一部のみが残った。
この多孔質中空糸膜の断面構造を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、外表面近傍に平均孔径0.2μmの緻密層を、また内表面から40μmの範囲に高分子樹脂を海側とするスポンジ構造を有する平均孔径0.8μmの緻密層を、そして両緻密層の間に平均孔径4.8μmの中間多孔質層を形成していた。また、多孔質膜層が支持体の編目を通って支持体10の厚さの約90%まで浸入していた。また、支持体10の単繊維間の大部分には多孔質膜部は含浸していなかった。この多孔質中空糸膜の内表面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、支持体の一部が編目を通って侵入した多孔質膜部によって包まれていた。また、この多孔質膜部は内表面側で繊維軸方向に向かって螺旋状につながった状態になっていた。走査型電子顕微鏡によって撮影した膜断面構造を図9に、内表面近傍の断面構造を図10に、多孔質膜層の支持体への浸入状態を図11に示した。
<実施例5>
第一製膜原液として、ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン製、商品名カイナー301F)11.5質量%、ポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン製、商品名カイナー9000LD)11.5質量%及びポリビニルピロリドン12質量%をN,N−ジメチルアセトアミド65質量%に撹拌溶解させた製膜原液を用いた以外は、実施例4と同様にして多孔質中空糸膜を得た。この第一製膜原液の40℃での粘度は21万mPa・secであった。
この多孔質中空糸膜の、編紐支持体から膜外表面までの膜厚みは170μmであり、バブルポイントは140kPa、透水性能は143m/m/h/Mpa、破断点荷重は270Nであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜部の全体が支持体から剥がれず、ガムテープ上には多孔質中空糸膜の表皮の一部のみが残った。
この多孔質中空糸膜の断面構造を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、外表面近傍に平均孔径0.2μmの緻密層を、また内表面近傍に三次元網目構造を有する平均孔径1.3μmの緻密層を、そして両緻密層の間に平均孔径3.6μmの中間多孔質層を形成していた。また、多孔質膜層が支持体の編目を通って支持体10の厚さの約70%まで浸入していた。また、支持体10の単繊維間の大部分には多孔質膜部は含浸していなかった。この多孔質中空糸膜の内表面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、支持体の一部が編目を通って侵入した多孔質膜部によって包まれていた。また、この多孔質膜部は内表面側で繊維軸方向に向かって螺旋状につながった状態になっていた。走査型電子顕微鏡によって撮影した膜断面構造を図12に、内表面近傍の断面構造を図13に示した。
<実施例6>
第二製膜原液として、ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン製、商品名カイナー301F)19質量%及びポリビニルピロリドン11質量%をN,N−ジメチルアセトアミド70質量%に撹拌溶解させた製膜原液を用い、70mmのエアギャップ内を通過させた以外は、実施例5と同様にして多孔質中空糸膜を得た。この第二製膜原液の40℃での粘度は14万mPa・secであった。
この多孔質中空糸膜の、編紐支持体から膜外表面までの膜厚みは150μmであり、バブルポイントは205kPa、透水性能は115m/m/h/MPa、破断点荷重は270Nであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜部の全体が支持体から剥がれず、ガムテープ上には多孔質中空糸膜の表皮の一部のみが残った。
この多孔質中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、外表面近傍に平均孔径0.1μmの緻密層を、また内表面近傍に三次元網目構造を有する平均孔径1.6μmの緻密層を、そして両緻密層の間に平均孔径4.6μmの中間多孔質層を形成していた。また、多孔質膜層が支持体の編目を通って支持体10の厚さの約60%まで侵入していた。また、支持体10の単繊維間の大部分には多孔質膜部は含浸していなかった。この多孔質中空糸膜の内表面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、支持体の一部が編目を通って侵入した多孔質膜部によって包まれていた。また、この多孔質膜部は内表面側で繊維軸方向に向かって螺旋状につながった状態になっていた。走査型電子顕微鏡によって撮影した膜断面構造を図14および図15に、内表面構造を図16および図17に示した。
<実施例7>
図6に示す支持体製造装置20を用いて、中空状編紐12からなる支持体10を製造した。
糸としては、ポリエステル繊維(繊度:84dtex、フィラメント数:72)を用いた。ボビン22としては、前記ポリエステル繊維の5kgを巻いたものを6つ用意した。丸編機24としては、卓上型紐編機(圓井繊維機械社製、メリヤス針数:12本、針サイズ:16ゲージ、スピンドルの円周直径:8mm)を用いた。紐供給装置26および引取り装置30としては、ネルソンロールを用いた。加熱ダイス28としては、加熱手段を有するステンレス製のダイス(内径D:5mm、内径d:3.0mm、長さ:300mm)を用いた。
6つボビン22から引き出されたポリエステル繊維を1つにまとめて糸16(合計繊度は504dtex)とした後、丸編機24によって丸編して中空状編紐12を編成し、前記中空状編紐12を200℃の加熱ダイス28に通し、熱処理された中空状編紐12を支持体10として巻き取り速度100m/hrで巻き取り装置32に巻き取った。ボビン22のポリエステル繊維がなくなるまで支持体10の製造を続けた。
得られた支持体10の外径は約2.9mmであり、内径は約1.9mmであった。支持体10を構成する中空状編紐12のループ17の数は、1周あたり12個、編目18の最大開口幅は約0.3mmであった。支持体10の長さは12000mであった。
環状ノズル42を30℃に保温し、管路に支持体10を通しながら、下流側の第2の吐出口から製膜原液(1)を吐出して、支持体10に製膜原液(1)を塗布した。
次いで、製膜原液が塗布された支持体10を、第1の凝固浴槽46内にて80℃に保温した凝固液(N,N−ジメチルアセトアミド5質量%および水95質量%)中に通して凝固させた。
次いでこれを98℃の熱水中で1分間脱溶剤させた後、50,000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬後、98℃の熱水中で15分間洗浄し、110℃で10分間乾燥した後、巻き取って多孔質中空糸膜を得た。
この多孔質中空糸膜の、編紐支持体から膜外表面までの膜厚みは80μmであり、バブルポイントは45kPa、透水性能は58m/m/h/MPa、破断点荷重は250Nであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜部の全体が支持体から剥がれず、ガムテープ上には多孔質中空糸膜の表皮の一部のみが残った。
この多孔質中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、外表面近傍に平均孔径0.2μmの緻密層を形成していた。また多孔質膜層が支持体の編目を通って支持体10の厚さの100%以上侵入していた。また、支持体10の単繊維間の大部分には多孔質膜部は含浸していなかった。走査型電子顕微鏡によって撮影した膜断面構造を図18に示した。
<実施例8>
支持体10を環状ノズル42の管路に通す前に、支持体10を予めグリセリン30%水溶液に浸した以外は、実施例7と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
この多孔質中空糸膜の、編紐支持体から膜外表面までの膜厚みは200μmであり、バブルポイントは50kPa、透水性能は45m/m/h/MPa、破断点荷重は200Nであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜部の全てが支持体から剥がれ、ガムテープ上に残った。
この多孔質中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、外表面近傍に平均孔径0.2μmの緻密層を形成していた。また、多孔質膜層が支持体の編目を通って支持体10の厚さの約30%まで侵入していた。また、支持体10の単繊維間の大部分には多孔質膜部は含浸していなかった。この多孔質中空糸膜の内表面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、支持体は多孔質膜部によって包まれておらず、全体が露出していた。走査型電子顕微鏡によって撮影した膜断面構造を図19に示した。
<比較例1>
支持体として、ポリエステルマルチフィラメント単織組紐(マルチフィラメント;トータルデシテックス830/96フィラメント、16打ち)を用いた以外は、実験例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
得られた中空状多孔質膜1の外径は、約2.80mmであり、内径は約1.2mmであり、多孔質膜層11の膜厚は平均約350μmであり、バブルポイントは127kPa、透水性能は107m/m/h/MPaであった。
この多孔質中空糸膜の耐剥離性試験をしたところ、多孔質中空糸膜の二層目部の全てが一層目部から剥がれガムテープ上に残った。さらに多孔質中空糸膜の一層目部に対して同様に試験したところ、一層目部の全てが支持体から剥がれ、ガムテープ上に残った。
この多孔質中空糸膜の断面構造を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、多孔質膜層が支持体の編目を通って支持体10の厚さの100%まで浸入していた。また、支持体10の単繊維間の大部分には多孔質膜部は含浸していなかった。この多孔質中空糸膜の内表面を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、支持体の内表面に多孔質膜層の一部が薄く付着していたが、支持体を包んでいるような状態ではなく、また繊維軸方向に向かってつながった状態にもなっていなかった。
本発明の中空状多孔質膜は、精密濾過、限外濾過等による水処理に用いる濾過膜として好適である。
以上の方法により製造された多孔質中空糸膜は、補強支持体を有する一体型の多孔質膜であり、膜材の外表面近傍に緻密層を有し、内表面側に向かって孔径が漸増する傾斜型網目構造を形成した後、内表面付近に再度緻密層を有する構造を示すことから、簡便に作られながら、かつ分離特性・透水性能・機械的特性に優れた性質を示す。
1 中空状多孔質膜
10 支持体
11 多孔質膜層
12 中空状編紐
14 中空状組紐
16 糸
17 ループ
18 編目
20 支持体製造装置
22 ボビン
24 丸編機
26 紐供給装置
27 ダンサーロール
28 加熱ダイス
30 引取り装置
32 巻き取り機
40 中空状多孔質膜製造装置
42 環状ノズル
44 原液供給装置
46 凝固浴槽
48 ガイドロール
50 中空状多孔質膜前駆体
52 環状ノズル
54 原液供給装置
56 凝固浴槽
58 ガイドロール

Claims (13)

  1. 緻密層を持つ多孔質膜層を中空状の支持体上に有し、前記支持体がマルチフィラメントからなる1本の糸を丸編した中空状編紐である中空状多孔質膜。
  2. 前記緻密層の平均孔径が0.01〜2μmの範囲である請求項1に記載の中空状多孔質膜。
  3. 前記緻密層が、前記支持体の外表面から50μm以内の位置に存在する請求項1又は2に記載の中空状多孔質膜。
  4. 前記多孔質膜層は、平均孔径が0.01〜2μmの範囲である緻密層と、平均孔径が2〜8μmの範囲である中間多孔質層とで構成されている請求項1、2、3のいずれか一項に記載の中空状多孔質膜。
  5. 前記多孔質膜層の厚さが200μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空状多孔質膜。
  6. 前記多孔質膜層が、前記支持体の編目を通って、支持体の厚さの50%以上浸入している請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空状多孔質膜。
  7. 前記多孔質膜層が、前記支持体の編目を通って、支持体の厚さの50%以上100%未満侵入していると共に、前記支持体の一部が前記多孔質膜層によって覆われた状態になっている請求項6に記載の中空状多孔質膜。
  8. 前記支持体の単繊維間に前記多孔質膜層が含浸していない部分を有する請求項6に記載の中空状多孔質膜。
  9. 前記支持体の一部を覆っている前記多孔質膜層が、前記支持体の内表面側で繊維軸方向につながった状態になっている請求項7に記載の中空状多孔質膜。
  10. 前記支持体の一部を覆っている前記多孔質膜層が、前記支持体の内表面側で繊維軸方向に向かって螺旋状につながった状態になっている請求項7に記載の中空状多孔質膜。
  11. 前記マルチフィラメントが、種類の異なる繊維を2種類以上混合したものである請求項1〜10のいずれか一項に記載の中空状多孔質膜。
  12. 前記多孔質膜層がポリフッ化ビニリデンで構成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の中空状多孔質膜。
  13. 前記支持体が熱処理された中空編紐である請求項1〜12のいずれか一項に記載の中空状多孔質膜。
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