JP2013128865A - 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法 - Google Patents

中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013128865A
JP2013128865A JP2011278066A JP2011278066A JP2013128865A JP 2013128865 A JP2013128865 A JP 2013128865A JP 2011278066 A JP2011278066 A JP 2011278066A JP 2011278066 A JP2011278066 A JP 2011278066A JP 2013128865 A JP2013128865 A JP 2013128865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
hollow fiber
fiber membrane
multifilament
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011278066A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusaku Takahashi
周作 高橋
Shigeyuki Umeda
重之 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2011278066A priority Critical patent/JP2013128865A/ja
Publication of JP2013128865A publication Critical patent/JP2013128865A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

【課題】支持体由来の欠陥点に伴うピンホールの生じない支持体由来を提供することを目的とする。
【解決手段】マルチフィラメントを筒状に横編みする工程と、前記横編みしたマルチフィラメントを熱処理する工程とを含む中空糸膜用支持体の製造方法であって、前記マルチフィラメントを筒状に横編みする工程において張力調節装置を用いてマルチフィラメントに付与する張力を一定に保ちながら編機に供給する中空状多孔質膜用支持体の製造方法による。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、排水処理や水の浄化等の水処理に用いられる中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法に関する。
近年、環境問題への関心が高まりや、水質に関する規制が強化されていることから、分離の完全性、コンパクト性等に優れた中空糸膜を用いた水処理が注目を集めている。該中空状多孔質膜には、優れた分離特性及び透過特性のみならず、高い機械特性も必要とされる。機械特性に優れた中空糸膜としては、糸を丸編みした円筒状編紐からなる中空状多孔質膜用支持体及び該支持体の外周面に多孔質膜層を設けた中空糸膜が知られている(特許文献1)。該中空糸膜は、支持体を2重管紡糸ノズルに連続的に通す際に、2重管紡糸ノズルから製膜原液を吐出し、支持体の外周面に製膜原液を塗布した後、製膜原液が塗布された支持体を凝固浴槽に通し、凝固浴槽内の凝固液で製膜原液を凝固させることにより製造することができる。
特開2008−126199号公報
このようにして得られる中空糸膜の製造過程において、多孔質層内や当初密着していた支持体層と多孔質膜層が繰り返し応力作用で剥離することによりその部分にピンホールが発生すると、中空糸膜の分離特性が低下する場合がある。
特許文献1では、単繊維の繊度が3dtex未満であれば、剛性が小さいため、マルチフィラメント継ぎ部又は繊維破断部にピンホールは発生する可能性が低いと記載されている。しかしながら、中空糸膜の強度との兼ね合いで単繊維の繊度として3dtex以上のものを使用する場合も多い。
発明者らは、本発明は上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、かかるピンホールが支持体由来の欠陥点にあることを見出した。そして、マルチフィラメントを筒状に丸編みする段階で、張力調節装置を用いることで、特許文献1にて問題となるマルチフィラメント継ぎ部又は繊維破断部の単繊維端の発生を抑制する方法を見出した。
具体的には、マルチフィラメントを筒状に丸編みし、熱処理されてなる中空糸膜用支持体であって、該支持体外周面に多孔質膜層を設けた際に支持体由来の欠陥点を有さない中空糸膜用支持体を用いて該支持体の外周面に多孔質膜層を設けて中空糸膜とするものである。
すなわち本発明の第1の要旨は、マルチフィラメントからなる中空糸膜用支持体であって、前記支持体外周面を走査型電子顕微鏡で観察した場合に、前記マルチフィラメントを構成する単繊維が突出していない中空糸膜用支持体である。
そして、かかる支持体を製造するための発明である本発明の第2の要旨は、マルチフィラメントを筒状に横編みする工程と、前記横編みしたマルチフィラメントを熱処理する工程とを含む中空糸膜用支持体の製造方法であって、前記マルチフィラメントを筒状に横編みする工程において張力調節装置を用いてマルチフィラメントに付与する張力を一定に保ちながら編機に供給する中空状多孔質膜用支持体の製造方法である。
本発明の中空糸膜用支持体は、マルチフィラメント継ぎ部又は繊維破断部の単繊維端に起因する膜の欠陥点の発生を抑制することが出来る。
本発明の中空糸膜用支持体の一例を示す側面図である。 中空糸膜用支持体由来の欠陥点の一例を示す膜表面図である。 支持体製造装置の一例を示す概略構成図である。 中空糸膜製造装置の一例を示す概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい中空糸膜用支持体(以下、支持体と記す。)について説明する。
<中空糸膜用支持体>
図1は、本発明の支持体の一例を示す側面図である。支持体10は、マルチフィラメントを丸編した円筒状編紐12からなる。
丸編とは、丸編機を用いて筒状のよこメリヤス生地を編成することであり、円筒状編紐12は、マルチフィラメントを湾曲させて螺旋状に伸びる連続したループを形成し、これらループを前後左右に互いに関係させたものである。
本発明の支持体の製造に用いられるマルチフィラメントの素材としては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。マルチフィラメントは、複数種類の繊維を組み合わせたものであってもよい。
合成繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリエステル系繊維;ポリアクリロニトリル等のアクリル系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニリデン系繊維;ポリ塩化ビニル系繊維:ポリウレタン系繊維;フェノール樹脂系繊維;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系繊維;ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維等が挙げられる。
半合成繊維としては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、キチン、キトサン等を原料としたセルロース誘導体系繊維:プロミックスと呼称される蛋白質系繊維等が挙げられる。再生繊維としては、ビスコース法、銅−アンモニア法、有機溶剤法等により得られるセルロース系再生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジック等。)が挙げられる。天然繊維としては、亜麻、黄麻等が挙げられる。
これらの素材のうち、中空糸膜は次亜塩素酸塩などにより薬品洗浄されることが多いことから、耐薬品性に優れる、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維又はポリオレフィン系繊維が好ましく用いることができる。
マルチフィラメントの繊度は特に限定されるものではないが、中空糸膜の耐久性の点から、75〜1000dtexが好ましく、100〜420dtexがより好ましい。また、マルチフィラメントの加工形態としては、特に限定されるものではないが、本発明の支持体の製造に用いるバネ式の張力調整装置を最大限に機能させる点では、捲縮マルチフィラメントなどのようにマルチフィラメント自体に伸縮性を有するものよりは、ストレートマルチフィラメントのようにマルチフィラメント自体の伸縮性の小さいものが望ましい。
本発明の支持体は、外周面を走査型電子顕微鏡で観察した場合に、外周面より前記マルチフィラメントを構成する単繊維の突出が観測されないものである。
中空糸膜の製造時に発生する欠陥点とその発生要因としては、例えば、製膜原液中のゲル成分に由来する欠陥、工程通過時の擦過による欠陥など製膜工程(多孔質膜層形成工程)由来の他に、支持体由来の欠陥が考えられる本発明の支持体を用いることで、当該単繊維の突出(支持体由来の欠陥)の発生を抑えることが可能となる。これらはそれぞれ欠陥の形態が異なり、該当部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで分類することが出来る。支持体由来の欠陥とは、図2に示すように、中空糸膜の外表面をSEMで観察した際に、欠陥点の周辺に支持体を構成する短繊維が存在しているものを指す。本発明は、このように中空糸膜の断面観察しても支持体表面に単繊維の突出を確認することが可能である。
<中空糸膜用支持体の製造方法>
次に本発明の支持体の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、マルチフィラメントを筒状に横編みする工程と、前記横編みしたマルチフィラメントを熱処理する工程を含む。
図3は、支持体10の製造に用いられる支持体製造装置の一例を示す概略構成図である。支持体製造装置20は、複数のボビン22と、ボビン22から引き出されたマルチフィラメント16を丸編する丸編機24と、丸編機24によって編成された円筒状編紐12を一定の張力で引っ張る紐供給装置26と、円筒状編紐12を熱処理する金型28と、熱処理された円筒状編紐12を引き取る引取り装置30と、円筒状編紐12を支持体10としてボビンに巻き取る巻取り機32とを具備し、丸編機24の前には従来技術では、バネの押付けによって張力を付加するバネテンサーをしている。一方、本発明では、バネの付勢によってマルチフィラメントの張力調節を行う張力調節装置23を具備している。この張力調節装置を用いた場合、ボビン22から引き出されたマルチフィラメント16が張力調節装置23を介して、丸編機24へと供給する間に、何らかの理由により張力が変動した際にマルチフィラメント16が緩んだ場合、張力調整装置23がバネの付勢によってマルチフィラメントに張力をかける方向に働き、逆にマルチフィラメント16に過剰に張力がかかった場合には張力を低減する方向に働くことで、丸編機24へと供給されるマルチフィラメント16の張力を一定に保つことが可能となる。
丸編機24は、回転可能な円筒状のシリンダと、該シリンダの内側に配置された回転しないスピンドルと、該スピンドルの外円周上に配置された複数のメリヤス針とを有して構成される。円筒状編紐12の外径、内径、編目の数及び大きさは、メリヤス針の数、メリヤス針を配置するスピンドルの円周直径、マルチフィラメントの繊度等により決まる。
張力調節装置23により付与される張力値は3〜18cNとすると好ましく、さらに好ましくは6〜14cNである。張力値が3cN未満であると、実質的には張力ムラにより張力を一定に保つことが困難となる恐れがあるため期待する効果が発揮されず、また18cNを超えると、値が大きすぎると編み針にかかる負担が増大し、製編安定性に悪影響を与える。
紐供給装置26及び引取り装置30としては、ネルソンロール、ニップロール、カレンダーロール等が挙げられる。ニップロールは円筒状編紐12をつぶすおそれがあるため、ネルソンロール又はカレンダーロールが好ましい。
マルチフィラメント16を丸編して円筒状編紐12を編成する工程についてさらに説明する。製編速度は、円筒状編紐12の形状により若干変わるが、シリンダの回転数によってほぼ決まる。シリンダ回転数は、1〜4000rpmに設定可能であり、安定して編成できる点から、100〜3000rpmが好ましい。
円筒状編紐12は、その編地という構造上、伸縮性を有している。よって、製膜時のつぶれ等の発生を抑えるため円筒状編紐12に熱処理を施すことによって、円筒状編紐12の伸縮性(外径変化)を抑制することが好ましい。そこで本発明では、円筒状編紐12に金型28を用いて熱処理を施すことによって、円筒状編紐12がつぶれにくくするよう処理する。
丸編機24によって丸編されたマルチフィラメントは金型28によって加熱処理され成型される。金型28は、長手方向両端に貫通孔が形成された金属製のブロック、プレート等からなる本体と、加熱手段とを有して構成される。加熱手段としては、バンドヒーター、アルミ鋳込みヒーター等が挙げられる。
金型28の処理温度は、マルチフィラメントの素材にもよるが、素材の融点(又はガラス転移温度)をTmとした場合に(Tm−80℃)以上Tm以下で熱処理することが好ましい。例えば、マルチフィラメント16の材料がポリエステル系繊維の場合、処理温度は通常180〜250℃が好ましく、190〜230℃がより好ましい。
なお、図示例では、ボビン22は3つであるが、ボビンは1つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、マルチフィラメント16は、複数のボビンから供給して合マルチフィラメントしてもよい。合マルチフィラメントすることにより、所望の繊度及びフィラメント数のマルチフィラメントを供給できる。また、同じ種類のマルチフィラメントでも、熱収縮性等の性状の異なるマルチフィラメントを合マルチフィラメントしたり、種類の異なるマルチフィラメントを合マルチフィラメントしたりすることにより、円筒状編紐12の性状を変えてもよい。なお、張力管理を適切に行うためにも、マルチフィラメントを合マルチフィラメントする際はマルチフィラメント1本ごとに張力調節装置23を設ける必要がある。
また、マルチフィラメント16の熱収縮率が小さい場合、紐供給装置26を設置しなくてもよい。この場合、円筒状編紐12の熱収縮により丸編機24と金型28との間にダンサーロール等を配置して張力を一定に保つとよい。
<中空糸膜>
本発明の中空糸膜は、本発明の中空糸膜用支持体と、該支持体の外周面に設けられた多孔質膜層とを有するものである。
多孔質膜層の基材としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリアセテートなどを基材ポリマーに用いることができ、耐薬品性、耐熱性等の点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。さらに、非溶媒誘起相分離法や熱誘起層分離法などで中空糸膜を製造する場合、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の孔形成剤を含んでいてもよい。
<中空糸膜の製造方法>
本発明の中空糸膜は、下記(i)〜(vii)工程を有する製造方法によって製造することができる。
(i)支持体の外周面に製膜原液を塗布する工程。
(ii)支持体に塗布された製膜原液を凝固させて、第1の多孔質膜層を形成し、中空糸膜前駆体を得る工程。
(iii)中空糸膜前駆体の外周面に製膜原液を塗布する工程。
(iv)中空糸膜前駆体に塗布された製膜原液を凝固させて、第2の多孔質膜層を形成し、中空糸膜を得る工程。
(v)中空糸膜を洗浄する工程。
(vi)中空糸膜を乾燥する工程。
(vii)中空糸膜を巻き取る工程。
図4は、(i)〜(ii)工程に用いられる中空糸膜製造装置の一例を示す概略構成図である。中空糸膜製造装置40は、巻き出し装置(図示略)から連続的に供給された支持体10に、連続的に製膜原液を塗布する2重管紡糸ノズル42と、2重管紡糸ノズル42に製膜原液を供給する原液供給装置44と、支持体10に塗布された製膜原液を凝固させる凝固液が入った凝固浴槽46と、製膜原液が塗布された支持体10を凝固浴槽46に連続的に導入するガイドロール48とを具備する。
(i)工程:
2重管紡糸ノズル42の中央には、支持体10が通過する管路が形成されている。管路の途中には、管路の円周方向にスリット状の製膜原液吐出口が形成され、製膜原液を吐出する構造となっている。支持体10が管路を通過する際、原液供給装置44から製膜原液が一定量で供給され、支持体10の外周面に製膜原液が塗布されて所定の膜厚の塗膜が形成される。
2重管紡糸ノズル42の管路の内径は、支持体10の外径より若干大きく、2重管紡糸ノズル42の管路の内周面と支持体とは一定の間隙を有する。該間隙は、塗膜の厚さ、製膜原液の粘度、支持体の走行速度等によって決まる。
製膜原液は、上述の多孔質膜層の材料と溶剤とを含む液である。溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルー2−ピロリドン等が挙げられ、形成される多孔質膜層の透水性が高い点から、N,N−ジメチルアセトアミドもしくはN-メチルー2−ピロリドンが好ましい。
(ii)工程:
凝固浴槽46内の凝固液と製膜原液の塗膜とを接触させ、製膜原液を凝固させて、第1の多孔質膜層を形成し、中空糸膜前駆体18を得る。凝固液としては、製膜原液の溶剤と同じ溶剤を含む水溶液が好ましい。製膜原液の溶剤がN,N−ジメチルアセトアミドの場合、溶剤の濃度は、凝固液(100質量%)中、1〜50質量%が好ましい。また、凝固液の温度は、50〜90℃が好ましい。
(ii)工程と(iii)工程との間でも、後述の(v)〜(vii)工程を行ってもよい。
(iii)〜(iv)工程:
(i)〜(ii)工程で用いた装置と同様の装置を用い、(i)〜(ii)工程と同様な条件にて、中空糸膜前駆体18の外周面に第2の多孔質膜層を形成し、中空糸膜を得る。(iii)工程においては、製膜原液(2)として内部凝固液を用いてもよい。内部凝固液としては、グリセリン、アルコール類、エチレングリコール等が挙げられる。
(v)工程:
例えば、中空糸膜前駆体を60〜100℃の熱水中で洗浄し、ついで、次亜塩素酸等の薬液で洗浄し、ついで、60〜100℃の熱水中で洗浄する。前半では主に溶剤を、後半では孔形成剤を除去することを目的とするが、前半において熱水処理することにより孔形成剤の分解効果も期待できる。
(vi)〜(vii)工程:
中空糸膜を、60℃以上110℃未満で、1分以上24時間未満乾燥した後、ボビン、カセ等に巻き取る。
以上説明した支持体10を用いた中空糸膜の製造方法により得られる中空糸膜は、糸継ぎ部又は繊維破断部の単繊維端に起因する膜の欠陥点のない中空糸膜となる。
なお、上述の例では非溶媒誘起相分離法による製造例により説明したが、これ以外にも、(ii)工程以下を例えば公知の熱誘起層分離法に置き換えて製造することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例に沿って、より具体的に説明する。なお、本発明は以下実施例に限定されるものではない。
(中空糸膜の外径)
中空糸膜の外径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは支持体の外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。次に、サンプリングした中空糸膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。観察している中空糸膜断面のX方向、Y方向の支持体内面の位置にマーク(ライン)をあわせて外径を読み取った。これを3回測定して外径の平均値を求めた。
(欠陥点の検査方法)
工程iiにて支持体に製膜原液を塗布し、凝固せしめ、第1の多孔質膜層を形成した中空糸膜前駆体を採取し、30mの長さに切り出し、膜の両端部をチューブにつなぎ純水中に浸漬した後に、空気圧30kPaの内圧をかけ、膜から泡が発生した箇所を数え、これを10回繰り返した。続いて膜から泡の出た箇所を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行い、前述した支持体由来の欠陥点の個数を計測した。支持体を構成する短繊維はおよそ数μmの外径のため、観察倍率は数十倍〜500倍が望ましい。なお、膜外表面を観察した際に支持体を構成する短繊維が存在していても、内圧をかけた際に膜から泡が発生しなければ欠陥点としては扱わない。
(中空糸膜の透水性能)
中空糸膜の透水性能は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを4cmに切断し、片端面をポリウレタン樹脂で中空部を封した。次にエタノール中で5分間以上減圧した後、純水中に浸して置換した。容器に純水(25℃)を入れ、サンプルの他端面とチューブで繋ぎ、容器に100kPaの空気圧をかけてサンプルから出る純水の量を1分間測定した。これを3回測定して平均値を求めた。この数値をサンプルの表面積で割り、1Mpaに換算した値を透水性能とした(すなわち、単位は<m/m/h/Mpa>であらわされる)。
<実施例1>
図3に示す支持体製造装置20を用いて、円筒状編紐12からなる支持体10を製造した。
マルチフィラメント16としては、ポリエステル繊維(繊度:111dtex、フィラメント数:48、Tm:260℃)を用い、バネの付勢によって糸の張力調節を行う張力調節装置を用いた。なお、このときの張力値は7cNであった。金型28の処理温度t(℃)を220℃とし、得られた支持体10の外径は1.38mmであった。
第1の多孔質膜層を形成した中空糸膜前駆体を用いて欠陥点の検査を行ったところ、300mの膜量に対し、支持体由来の欠陥点は0であった。
また、得られた支持体に下記方法にて多孔質膜を形成した。得られた中空糸膜の外径は1.46mmで、透水性能は7.2m/m/h/Mpaであった。
(第1の製膜原液の調製)
ポリフッ化ビニリデン(質量平均分子量(Mw)=6×10)の16.2質量%と、孔形成剤としてポリビニルピロリドン(質量平均分子量(Mw)=4×10)の11.4質量%と、溶媒であるN−メチルピロリドンの72.4質量%を常温にて撹拌混合して、第1の製膜原液を得た。
(第2の製膜原液の調製)
ポリフッ化ビニリデン(質量平均分子量(Mw)=1.1×10)の18.3質量%と、孔形成剤としてポリビニルピロリドン(質量平均分子量(Mw)=4×10)の8.3質量%と、溶媒であるN−メチルピロリドンの73.4質量%を常温にて撹拌混合して、第2の製膜原液を得た。
(中空糸膜の製造)
図4に示す製造装置を用いて中空糸膜を製造した。
第1の製膜原液を、第1の2重管紡糸ノズル42の外層部へ送液し、該ノズルの内層部より導いた中空編紐の外周部に塗布した後、N−メチルピロリドン水溶液(凝固液)で満たされている第1の凝固浴槽46へ導き、固化させて第1次膜を形成した。
次いで、第2の製膜原液を、第1の製膜原液同様に、第1次膜に塗布し凝固することで第2次膜を得た。
得られた第2次膜は、次に13質量%で常温の次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬し、その次に100℃の水蒸気雰囲気中に滞在させ、その次に90℃の温水中に浸漬するというこれら一連の工程を3回繰り返し、第2次膜中に残存するポリビニルピロリドンを洗浄・除去した。
洗浄の後に、105℃に熱した乾燥炉にて第2次膜中に残存する水分を蒸発させて乾燥し、中空糸膜を得た。
<比較例1>
バネの押付けによって張力を付加するバネテンサーを用いた以外は実施例1と同様に支持体を製造した。なお、このときの張力値は7cNであった。得られた支持体10の外径は1.38mmであった。
第1の多孔質膜層を形成した中空糸膜前駆体を用いて欠陥点の検査を行ったところ、300mの膜量に対し、支持体由来の欠陥点は1であった。
本発明の支持体は、下排水処理や水の浄化におけるろ過に用いられる精密濾過膜、限外濾過膜等の中空糸膜の支持体として好適であり、該支持体を用いた中空糸膜は、精密濾過、限外濾過等による水処理に用いる濾過膜として好適である。
10 支持体(中空糸膜用支持体)
12 円筒状編紐
16 マルチフィラメント
18 中空糸膜
23 張力調節装置
24 丸編機
26 編紐供給装置
28 金型
30 引取り装置
42 2重管紡糸ノズル
46 凝固浴槽

Claims (5)

  1. マルチフィラメントからなる中空糸膜用支持体であって、前記支持体外周面を走査型電子顕微鏡で観察した場合に、外周面より前記マルチフィラメントを構成する単繊維の突出が観測されない中空糸膜用支持体。
  2. 請求項1に記載の中空糸膜用支持体の外周側に多孔質膜層が設けられた中空糸膜。
  3. マルチフィラメントを筒状に横編みする工程と、前記横編みしたマルチフィラメントを熱処理する工程とを含む中空糸膜用支持体の製造方法であって、前記マルチフィラメントを筒状に横編みする工程において張力調節装置を用いてマルチフィラメントに付与する張力を一定に保ちながら編機に供給する中空状多孔質膜用支持体の製造方法。
  4. 前記一定の張力が、3〜18cNである請求項3に記載の中空状多孔質膜用支持体の製造方法。
  5. 前記張力調節装置が、バネ付勢による張力調節装置である請求項3又は4に記載の中空状多孔質膜用支持体の製造方法。
JP2011278066A 2011-12-20 2011-12-20 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法 Pending JP2013128865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011278066A JP2013128865A (ja) 2011-12-20 2011-12-20 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011278066A JP2013128865A (ja) 2011-12-20 2011-12-20 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013128865A true JP2013128865A (ja) 2013-07-04

Family

ID=48906909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011278066A Pending JP2013128865A (ja) 2011-12-20 2011-12-20 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013128865A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014003130A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 三菱レイヨン株式会社 中空状多孔質膜
US9694327B2 (en) 2012-06-01 2017-07-04 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Hollow porous membrane

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9694327B2 (en) 2012-06-01 2017-07-04 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Hollow porous membrane
WO2014003130A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 三菱レイヨン株式会社 中空状多孔質膜
JP2015205273A (ja) * 2012-06-29 2015-11-19 三菱レイヨン株式会社 中空状多孔質膜
JPWO2014003130A1 (ja) * 2012-06-29 2016-06-02 三菱レイヨン株式会社 中空状多孔質膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115592B2 (ja) 中空状多孔質膜
JP2008114180A (ja) 中空状多孔質膜用支持体、中空状多孔質膜およびそれらの製造方法
JP5341760B2 (ja) 中空状多孔質膜及びその製造方法
JP5207220B2 (ja) 中空状多孔質膜用支持体、中空状多孔質膜およびそれらの製造方法
JP2008126199A (ja) 中空状多孔質膜およびその製造方法
JP2019022893A (ja) 中空状多孔質膜及びその製造方法
JP2013128865A (ja) 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法
JP5772959B2 (ja) 中空状多孔質膜
JP5796433B2 (ja) 細径中空状多孔質膜
JP5666502B2 (ja) 中空状多孔質膜およびその製造方法
JP6638276B2 (ja) 多孔質中空糸膜の製造方法
JP5637176B2 (ja) 中空状多孔質膜用支持体の製造方法、中空状多孔質膜およびその製造方法
JP5197865B2 (ja) 中空状多孔質膜用支持体、中空状多孔質膜およびそれらの製造方法
JP5458141B2 (ja) 中空状多孔質膜の製造方法
JP6131430B2 (ja) 中空糸膜モジュールの検査方法
JP5659940B2 (ja) 熱処理金型
KR101596037B1 (ko) 복합 중공사막 및 그 제조방법