JP5520673B2 - 接着フィルムおよびウエハ加工用テープ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハと貼合される接着剤層を有する接着フィルム、および、基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープに関する。
半導体ウエハ(またはウエハと呼ぶ)を加工して半導体装置を製造する際に、近年、半導体ウエハ裏面上に接着フィルムの接着剤層を熱圧着し、接着剤層付き半導体ウエハを得、この接着剤付き半導体ウエハをダイシングシートに貼り付け、ダイシングにより半導体素子をチップ単位に切断(ダイシング)することが行われている。
しかし、更なる半導体素子(チップ)の薄型化に伴い、個片の半導体素子に切断する際に、ダイシングブレードの回転振動により、隣接するチップ同士が接触して、チップ割れやチップ欠け等、ダイシング時のチッピングが発生するという問題があった。
このような問題を解決する接着フィルムとして、ガラス転移温度が90℃以下であって、100〜200℃で5〜120分加熱処理するとガラス転移温度が100℃以上となることを特徴とする半導体用接着フィルムが開示されている(特許文献1参照)。
また、ダイシング時のチッピングを低減するために、半導体素子の厚みをW(μm)とし、接着剤層の厚みをA(μm)、接着剤層の硬化後の25℃における貯蔵弾性率をE(GPa)としたとき、W×E/A=Qで表されるQの値が0.5〜80とするウエハ加工用テープが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−213224号公報 特開2005−026547号公報
上記特許文献1に記載の接着フィルムでは、ガラス転移温度についての上記条件を、ポリイミド樹脂を主成分として用いることにより実現しているが、アクリル樹脂等に汎用化するのは困難であり、ポリイミド樹脂はアクリル樹脂等より高価であるという問題があった。
また、上記特許文献2では、チップ、接着剤層の厚さと硬化後の貯蔵弾性率の選択により、チッピングを低減できることが示されているが、ダイシング工程は、接着剤層の硬化前に行われるものであり、接着剤層の厚さと硬化後の貯蔵弾性率を選択しても、ダイシング時のチッピングを実質的に低減できるものではない。ここで、接着剤層の硬化前の貯蔵弾性率を低くすることによりチッピングを低減することも考えられるが、単に貯蔵弾性率を低くするのみでは、ウエハを貼合できなくなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、接着剤層に使用する樹脂をアクリル樹脂等に汎用化することができ、ウエハの貼合性を確保しつつダイシング時におけるチップ割れやチップ欠け等のチッピングを低減することができる接着フィルムおよびウエハ加工用テープを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る接着フィルムは、半導体ウエハと貼合される接着剤層を有する接着フィルムであって、前記接着剤層は、エポキシ樹脂とアクリル共重合体と無機フィラーとを必須成分とし、前記接着剤層の密度をρ(g/cm)とし、硬化前の前記接着剤層を周波数1Hzで、室温より200℃まで昇温速度10℃/分の条件で昇温した際の貯蔵弾性率の最小値を、前記接着剤層の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上で、前記接着剤層を60℃で前記半導体ウエハに貼り合せた後に、室温にて引張速度50mm/分で、90度ピール条件で剥離した際の前記接着剤層の貼合剥離力が50mN/cm以上であることを特徴とする。
接着剤層の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gminは、チッピングを低減するには低くする必要があるが、低くしすぎるとウエハを貼合できなくなってしまう。これに対して、接着剤層の密度ρは、チッピングを低減するには高くする必要があるが、高くしすぎるとウエハを貼合できなくなってしまう。この構成によれば、ρ×Gminが0.2以上であるので、ρとGminの2つの要素を組み合わせ、互いに補完させることで、ウエハへの貼合性を確保しつつ、チッピングを低減することができる。また、接着剤層を60℃で半導体ウエハに貼り合せた後に、室温にて引張速度50mm/分で、90度ピール条件で剥離した際の接着剤層の貼合剥離力が50mN/cm以上であるので、ダイシング時に、ダイシングブレードの回転振動でチップが飛んでしまうのを低減することができる。また、接着剤層の主成分としてアクリル樹脂等の安価な樹脂を用いることができ、接着剤層に使用する樹脂をアクリル樹脂等に汎用化することができる。従って、低コストの接着フィルムを実現することができる。尚、室温は、約23℃とする。
本発明の第2の態様に係る接着フィルムは、上記の本発明の第1の態様に係る接着フィルムにおいて、前記アクリル共重合体は、重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であり、前記接着剤層は、熱活性硬化剤をさらに含んでいることを特徴とする。
この構成によれば、接着剤層に含まれるアクリル共重合体の重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であるため、耐リフロー性を向上させることができる。
本発明の第3の態様に係る接着フィルムは、上記の本発明の第1または2の態様に係る接着フィルムにおいて、前記エポキシ樹脂が、エポキシ当量が100g/eqより大きく、かつ、1000g/eq未満であることを特徴とする。
この構成によれば、エポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq以下であるときに発生する硬化時の大きな収縮を抑えて、十分な接着信頼性を得ることができる。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量が1000g/eq以上であるときに発生するGminの増大を防いで、貼合剥離力の低下を防止することにより、ダイシング時のチッピングを低減することができる。
本発明の第4の態様に係る接着フィルムは、上記の本発明の第1乃至3のいずれか1つの態様に係る接着フィルムにおいて、前記無機フィラーが、平均粒子径が前記接着剤層の厚みの80%未満であることを特徴とする。
この構成によれば、接着剤層の表面の無機フィラー凝集物等の異物の発生を抑えることができる。
本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープは、基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、前記粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープであって、前記接着剤層は、エポキシ樹脂とアクリル共重合体と無機フィラーとを必須成分とし、前記接着剤層の密度をρ(g/cm)とし、硬化前の前記接着剤層を周波数1Hzで、室温より200℃まで昇温速度10℃/分の条件で昇温した際の貯蔵弾性率の最小値を、前記接着剤層の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上で、前記接着剤層を60℃で前記半導体ウエハに貼り合せた後に、室温にて引張速度50mm/分で、90度ピール条件で剥離した際の前記接着剤層の貼合剥離力が50mN/cm以上であることを特徴とする。
この構成によれば、ρとGminの2つの要素を組み合わせ、互いに補完させることで、ウエハへの貼合性を確保しつつ、チッピングを低減することができる。また、接着剤層を60℃で半導体ウエハに貼り合せた後に、室温にて引張速度50mm/分で、90度ピール条件で剥離した際の接着剤層の貼合剥離力が50mN/cm以上であるので、ダイシング時に、ダイシングブレードの回転振動でチップが飛んでしまうのを低減することができる。また、接着剤層の主成分としてアクリル樹脂等の安価な樹脂を用いることができ、接着剤層に使用する樹脂をアクリル樹脂等に汎用化することができる。従って、低コストのウエハ加工用テープを実現することができる。
本発明の第2の態様に係るウエハ加工用テープは、上記の本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記アクリル共重合体は、重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であり、前記接着剤層は、熱活性硬化剤をさらに含んでいることを特徴とする。
この構成によれば、接着剤層に含まれるアクリル共重合体の重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であるため、耐リフロー性を向上させることができる。
本発明の第3の態様に係るウエハ加工用テープは、上記の本発明の第1または2の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記エポキシ樹脂が、エポキシ当量が100g/eqより大きく、かつ、1000g/eq未満であることを特徴とする。
この構成によれば、エポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq以下であるときに発生する硬化時の大きな収縮を抑えて、十分な接着信頼性を得ることができる。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量が1000g/eq以上であるときに発生するGminの増大を防いで、貼合剥離力の低下を防止することにより、ダイシング時のチッピングを低減することができる。
本発明の第4の態様に係るウエハ加工用テープは、上記の本発明の第1乃至3のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記無機フィラーが、平均粒子径が前記接着剤層の厚みの80%未満であることを特徴とする。
この構成によれば、接着剤層の表面の無機フィラー凝集物等の異物の発生を抑えることができる。
本発明によれば、接着剤層に使用する樹脂をアクリル樹脂等に汎用化することができ、ウエハの貼合性を確保しつつダイシング時におけるチップ割れやチップ欠け等のチッピングを低減することができる接着フィルムおよびウエハ加工用テープを実現することができる。
本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープを示す断面図である。 ウエハ加工用テープ上に半導体ウエハを貼り合せた図である。 ダイシング工程を説明するための図である。 エキスパンド工程を説明するための図である。 ピックアップ工程を説明するための図である。 低分子成分とポリマーとの配合比と、フィラー量と、ρ×Gminとの間の相関関係を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態に係る接着フィルムおよびウエハ加工用テープを図面に基づいて説明する。
(一実施形態に係るウエハ加工用テープ)
本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープを図1乃至図6に基づいて説明する。図1は一実施形態に係るウエハ加工用テープ10を示す断面図である。図2は、ウエハ加工用テープ10上に半導体ウエハ1を貼り合せた状態を示す図である。また、図3は、半導体装置の製造工程におけるダイシング工程を説明するための図であり、図4は、エキスパンド工程を説明するための図であり、図5は、ピックアップ工程を説明するための図である。また、図6は、低分子成分とポリマーとの配合比と、フィラー量と、ρ×Gminとの間の相関関係を説明するための図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、基材フィルム12aとその上に形成された粘着剤層12bとからなる粘着フィルム12と、この粘着フィルム12上に積層された接着剤層13とを有する。
ウエハ加工用テープ10は、半導体ウエハ1を半導体素子2(チップ又は半導体チップ)に切断するダイシング工程と、切断されたチップ2をリードフレームや他のチップに接着するダイボンディング工程との両工程に使用される。ダイシング工程については図3を参照して後述する。
なお、粘着剤層12bは一層の粘着剤層により構成されていても良いし、二層以上の粘着剤層が積層されたもので構成されていても良い。なお、図1においては、接着剤層13を保護するため、剥離ライナー11がウエハ加工用テープ10に設けられている様子が示されている。
粘着フィルム12及び接着剤層13は、使用工程や装置にあわせて予め所定形状に切断(プリカット)されていても良い。本発明のウエハ加工用テープは、半導体ウエハ1枚分ごとに切断された形態と、これが複数形成された長尺のシートをロール上に巻き取った形態とを含む。
以下、本実施形態のウエハ加工用テープ10の各構成要素について詳細に説明する。
(接着剤層)
接着剤層13は、半導体ウエハ1等が貼り合わされてダイシングされた後、個片化された半導体チップ2をピックアップする際に、粘着フィルム12から剥離して半導体チップ2に付着し、半導体チップ2を他の半導体チップや基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。従って、接着剤層13は、ピックアップ工程において、個片化された半導体チップ2に付着したままの状態で、粘着フィルム12から剥離することができる剥離性を有し、さらに、ダイボンディング工程において、半導体チップ2を他の半導体チップや基板やリードフレームに接着固定するために、十分な接着信頼性を有するものである。ピックアップ工程については図5を参照して後述する。
接着剤層13は、接着剤を予めフィルム化したものであり、例えば、接着剤に使用される公知のアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができる。
アクリル樹脂は、例えば、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー、アクリロニトリル及び他の共重合性モノマーからなるモノマー溶液をラジカル重合法等によって溶液重合することにより得られる。また、重合に際し、重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾビス系化合物が使用される。
エポキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等の共重合性二重結合を有する化合物が使用される。
他の共重合性モノマーとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル、メタクリル酸、アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニル誘導体、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸、その酸無水物、そのモノメチルエステル、モノエチルエステル等のモノエステル、若しくは、そのジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエステルがある。
また、半導体チップ2やリードフレーム20に対する接着力を強化するために、シランカップリング剤もしくはチタンカップリング剤を添加剤として上記樹脂材料やその混合物に加えることが望ましい。
また、耐熱性の向上や流動性の調節を目的にフィラーを添加する。フィラーとしてはシリカ、アルミナ、アンチモン酸化物などの無機フィラーがあげられる。これらフィラーは異なる粒子径の物を任意の割合で配合することが出来る。
接着剤層13は、エポキシ樹脂とアクリル共重合体(アクリルポリマー)と無機フィラーとを必須成分とし、密度をρ(g/cm)、接着剤層13の硬化前における最小の貯蔵弾性率をGmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上である。ここで、最小の貯蔵弾性率とは、周波数1Hzの条件で室温より200℃まで昇温速度10℃/分の条件で昇温した際の貯蔵弾性率の極小値である。尚、本明細書では、室温は、約23℃とする。
接着剤層13の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gminは、チッピングを低減するには低くする必要があるが、低くしすぎると半導体ウエハ1を貼合できなくなってしまう。これに対して、接着剤層13の密度ρは、ダイシング時のチッピングを低減するには高くする必要があるが、高くしすぎると半導体ウエハ1を貼合できなくなってしまう。そこで、最小の貯蔵弾性率Gminと密度ρの2つの要素を組み合わせ、互いに補完させることで、接着剤層13の半導体ウエハ1への貼合性を確保しつつ、ダイシング時のチッピングを低減することができる。
ρ×Gminが0.2未満であると、接着剤層13の半導体ウエハ1への貼合性が確保されなくなり、ダイシング時に、ダイシングブレード21の回転振動により、隣接するチップ2同士が接触して、チップ割れやチップ欠け等、ダイシング時のチッピングが発生する。
<ρ×Gminの調整方法>
(ρの調整方法)
接着剤層13の密度ρは、フィラー量(例えばシリカフィラー量)の調整により増減させることができる。フィラー量を多くするほど密度が高くなり、フィラー量を少なくすると、密度が低くなる。
(Gminの調整方法)
接着剤層13の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gminは、フィラー量又はフィラーの平均粒子径又はエポキシ樹脂のエポキシ当量又は低分子量の成分量(エポキシ樹脂、フェノール樹脂)又はアクリルポリマーの重量平均分子量又はアクリルポリマーの分散度を増減させることにより調整することができる。フィラー量を低減することにより、又はフィラーの平均粒子径を大きくすることにより、又はエポキシ当量を低減することにより、又は低分子量の成分量を増加させることにより、又はアクリルポリマーの重量平均分子量を低下させることにより、又はアクリルポリマーの分散度を大きくすることにより、最小の貯蔵弾性率Gminが低くなる。最小の貯蔵弾性率Gminを高くするには、その逆を行う。このようにして接着剤層13の密度ρとGminを調製することにより、ρ×Gminを0.2以上に設定することができる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜1000g/eqである事が好ましく、さらに好ましくは150〜500g/eqである。エポキシ当量が100g/eq以下であると硬化時の収縮が大きくなり接着信頼性が低下する。また、エポキシ当量が1000g/eq以上であるとGminが増大し、貼合剥離力が低下してしまい、ダイシング時にチッピングが発生してしまう。
無機フィラーの平均粒子径は、接着剤層13の厚みの80%未満であることが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。平均粒子径が、接着剤層13の厚みの80%以上の場合、接着剤層13の表面に無機フィラー凝集物等の異物が発生してしまう。
また、ウエハ加工用テープ10において、耐リフロー性を向上させるためには、接着剤層13のアクリルポリマーの重量平均分子量が50万以上であり、分散度(分散係数)が4未満であることが好ましい。アクリルポリマーの重量平均分子量が50万未満であり、分散度が4以上であると、リフロー時クラックの発生率が高くなり、耐リフロー性が悪くなる。ただし、アクリルポリマーの重量平均分子量が増加するとGminが上昇するので、Gminを下げるためには、熱硬化性樹脂(エポキシ、フェノール)の重量平均分子量を下げると良い。例えば、ここで、熱可塑性樹脂として重量平均分子量が50万のアクリルゴムを用いる場合、熱硬化性樹脂として重量平均分子量が5000未満であり2官能以上のエポキシ樹脂を、熱活性硬化剤として重量平均分子量が5000未満であるフェノール水酸基を有するフェノール樹脂を用いると良い。また、熱可塑性樹脂として重量平均分子量が100万のアクリルゴムを用いる場合は、熱硬化性樹脂として重量平均分子量が3000未満であり2官能以上のエポキシ樹脂を、熱活性硬化剤として重量平均分子量が3000未満であるフェノール水酸基を有するフェノール樹脂を用いると良い。
以上から、ρ×Gminの調整は、例えば以下のように行うと良い。まず、ρ×Gminの以外の所望の特性を満たしうるアクリルポリマーと、エポキシ樹脂およびその硬化剤と、フィラーとを選定する。このとき、アクリルポリマーについては、併せて耐リフロー時クラック性を考慮して重量平均分子量及び分散度を定める。また、エポキシ樹脂については、併せて接着信頼性及び貼合剥離力を考慮してエポキシ当量を定める。また、フィラーについては、併せて無機フィラー凝集物等の異物の発生を考慮して平均粒子径を定める。
その後、フィラー量を3つ(例えば、10重量%、40重量%、70重量%)に変化させ、更に、エポキシ樹脂及びその硬化剤と(低分子成分と)アクリルポリマーと(ポリマーと)の配合比を3つ(例えば、0.5:1、1:1、2:1)に変化させて調整した9つの接着剤組成物のワニスを使用して、9つのサンプル(接着フィルム)を作製する。次に、作製したサンプルを用いて、最小の貯蔵弾性率Gmin及び密度ρを測定する。次に、測定した最小の貯蔵弾性率Gmin及び密度ρの結果からρ×Gminを算出する。算出したρ×Gminの結果を棒グラフに表した例を図6に示す。
図6から、低分子成分とポリマーとの配合比と、フィラー量と、ρ×Gminとの間には、格子状に塗りつぶされている曲面S1で表される関係を満たすことがわかる。即ち、「ρ×Gminが0.2以上」を満足するためには、図6に示す、ρ×Gmin=0.2である平面S2よりも上(大きい)に存在する曲面S1上の領域を満たす(平面S2上も含む)、低分子成分とポリマーとの配合比、及びフィラー量である接着剤組成物とすると良い。
より詳細に説明すると、曲面S1は、例えば、フィラー量がa1重量%(10≦a1≦70)であるとき、低分子成分とポリマーとの配合比とρ×Gminとの間に曲線L1の関係を満たすことを示す。曲線L1とρ×Gmin=0.2である平面S2とが交差する点をP1としたとき、「ρ×Gminが0.2以上」を満足する低分子成分とポリマーとの配合比は、c:1(0.5≦c≦c1)であれば良い。ここで、点P1における低分子成分とポリマーとの配合比はc1:1である。即ち、フィラー量がa1重量%であり、かつ、低分子成分とポリマーとの配合比がc:1(0.5≦c≦c1)である接着剤組成物は、「ρ×Gminが0.2以上」を満足する。また、曲面S1は、例えば、低分子成分とポリマーとの配合比がc2:1(0.5≦c2≦2)であるとき、フィラー量とρ×Gminとの間に曲線L2の関係を満たすことを示す。曲線L2とρ×Gmin=0.2である平面S2とが交差する点をP2としたとき、「ρ×Gminが0.2以上」を満足するフィラー量は、a重量%(a2≦a≦70)であれば良い。ここで、点P2におけるフィラー量はa2重量%である。即ち、フィラー量がa重量%(a2≦a≦70)であり、かつ、低分子成分とポリマーとの配合比がc2:1である接着剤組成物は、「ρ×Gminが0.2以上」を満足する。以上のようにして、ρ×Gminを調整する。
上述では、フィラー量と低分子成分とポリマーとの配合比を用いて、最終的にρ×Gminを調整するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、フィラー量が決まっているのであれば、次のようにしてρ×Gminを調整することができる。まず、有機樹脂成分(ポリマー、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤)のおおよその密度を1.0g/cmとし、無機フィラー(例えばシリカフィラー)のおおよその密度を2.0g/cmとすると、無機フィラーの配合量をX重量%とした場合、その接着剤組成物のおおよその密度ρは次の式で表すことができる。
ρ = (1.0×(100−X) + (2.0×X))÷100
上記の式で得られたおおよそのρを用い、ρ×Gminが0.2以上となるGminの最小値を算出し、Gminがこの最小値を上回るように、例えば、低分子成分とポリマー成分との比率とポリマーの重量平均分子量を用いて、上記フィラー量と低分子成分とポリマーとの配合比の場合と同様の手法により、ρ×Gminを調整することができる。
また、上述では、フィラー量と低分子成分とポリマーとの配合比、低分子成分とポリマーとの配合比とポリマーの重量平均分子量というように2つの要素を用いてρ×Gminを調整する方法を説明したが、他の特性からの要請で、密度ρと最小の貯蔵弾性率Gminに関わる要素が1つを除いて全て決定されてしまう場合は、残る1つの要素について、3つ程度値の異なるサンプルを作成して、そこからρ×Gminを予測して、0.2以上になるように調整すると良い。
また、ウエハ加工用テープ10にあっては、接着剤層13を60℃で半導体ウエハ1(図2参照)に貼り合せた際の接着剤層13の貼合剥離力が50mN/cm未満であると、ダイシング時に、振動(ダイシングブレードの回転振動)でチップが飛んでしまうので、貼合剥離力が50mN/cm以上であることが好ましい。
<貼合剥離力の調整方法>
貼合剥離力は、アクリルポリマーのガラス転移温度Tg又は最小の貯蔵弾性率Gminを増減させることにより調整することができる。アクリルポリマーのTgを低くすることにより又はGminを低くすることにより、貼合剥離力が増加する。
なお、貼合剥離力が50mN/cm以上となるGminは1.0MPa以下であるため、この1.0MPaに、接着剤層13としての機能を損なうことのない最大密度を積算した値がρ×Gminの上限となる。例えば、接着剤層13の密度が大きい場合として、銀のフィラーを50wt%配合した場合が挙げられるが、このとき密度ρは5.0程度となるので、ρ×Gminは5.0となる。
接着剤層13の厚さは特に制限されるものではないが、通常5〜100μm程度が好ましい。また、接着剤層13は粘着フィルム12の粘着剤層12bの全面に積層しても良いが、予め貼り合わされる半導体ウエハ1に応じた形状に切断された(プリカットされた)接着剤層13を粘着剤層12bの一部に積層しても良い。半導体ウエハ1に応じた形状に切断された接着剤層13を積層した場合、図2に示すように、半導体ウエハ1が貼り合わされる部分には接着剤層13があり、ダイシング用のリングフレーム20が貼り合わされる部分には接着剤層13がなく粘着フィルム12の粘着剤層12bのみが存在する。一般に、接着剤層13は被着体と剥離しにくいため、プリカットされた接着剤層13を使用することで、リングフレーム20は粘着フィルム12に貼り合わすことができ、使用後のシート剥離時にリングフレーム20への糊残りを生じにくいという効果が得られる。
(粘着フィルム)
粘着フィルム12は、半導体ウエハ1をダイシングする際には半導体ウエハ1が剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後に個片化された半導体チップ2をピックアップする際には容易に接着剤層13から剥離できるような低い粘着力を有するものである。本実施形態において、粘着フィルム12は、図1に示すように、基材フィルム12aに粘着剤層12bを設けたものを使用した。
粘着フィルム12の基材フィルム12aとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述するように、本実施形態においては、粘着剤層12bとして、エネルギー硬化性の材料のうち放射線硬化性の材料を使用することから、放射線透過性を有するものを使用する。
例えば、基材フィルム12aの材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体もしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルム12aはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでも良い。基材フィルム12aの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定して良いが、50〜200μmが好ましい。
本実施形態においては、紫外線などの放射線を粘着フィルム12に照射することにより、粘着剤層12bを硬化させ、粘着剤層12bを接着剤層13から剥離しやすくしていることから、粘着剤層12bの樹脂には、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、付加反応型オルガノポリシロキサン系樹脂、シリコンアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリイソプレンやスチレン・ブタジエン共重合体やその水素添加物等の各種エラストマー等やその混合物に、放射線重合性化合物を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。また、各種界面活性剤や表面平滑化剤を加えても良い。粘着剤層12bの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定して良いが、5〜30μmが好ましい。
放射線重合性化合物としては、例えば、光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物や、光重合性炭素−炭素二重結合基を置換基に持つポリマーやオリゴマーが用いられる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等、シリコンアクリレート等、アクリル酸や各種アクリル酸エステル類の共重合体等が適用可能である。
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。なお、粘着剤層12bには、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでも良い。
なお、粘着剤層12bの樹脂には、放射線を粘着フィルム12に照射して粘着剤層12bを硬化させる放射線重合性化合物の他、アクリル系粘着剤、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤層12bを調製することもできる。
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
(ウエハ加工用テープの使用方法)
半導体装置の製造工程の中で、ウエハ加工用テープ10は、以下のように使用される。図2においては、ウエハ加工用テープ10に、半導体ウエハ1とリングフレーム20とが貼り合わされた様子が示されている。
まず、図2に示すように、粘着フィルム12の粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付け、半導体ウエハ1を接着剤層13に貼り合わせる。これらの貼り付け順序に制限はなく、半導体ウエハ1を接着剤層13に貼り合わせた後に粘着フィルム12の粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付けても良い。また、粘着フィルム12のリングフレーム20への貼り付けと、半導体ウエハ1の接着剤層13への貼り合わせとを、同時に行っても良い。
そして、図3に示すように、半導体ウエハ1のダイシング工程を実施し、次いで、粘着フィルム12にエネルギー線、例えば紫外線を照射する工程を実施する。具体的には、まず、ダイシングブレード21によって半導体ウエハ1と接着剤層13とをダイシングするため、吸着ステージ22により、ウエハ加工用テープ10を粘着フィルム12面側から吸着支持する。そして、ダイシングブレード21によって半導体ウエハ1と接着剤層13を半導体チップ2単位に切断して個片化し、その後、粘着フィルム12の下面側からエネルギー線を照射する。このエネルギー線照射によって、粘着剤層12bを硬化させてその粘着力を低下させる。なお、エネルギー線の照射に代えて、加熱などの外部刺激によって粘着フィルム12の粘着剤層12bの粘着力を低下させても良い。粘着剤層12bが二層以上の粘着剤層により積層されて構成されている場合、各粘着剤層の内の一層又は全層をエネルギー線照射によって硬化させて、各粘着剤層の内の一層又は全層の粘着力を低下させても良い。
その後、図4に示すように、ダイシングされた半導体チップ2及び接着剤層13を保持した粘着フィルム12をリングフレーム20の周方向に引き伸ばすエキスパンド工程を実施する。具体的には、ダイシングされた複数の半導体チップ2及び接着剤層13を保持した状態の粘着フィルム12に対して、中空円柱形状の突き上げ部材30を、粘着フィルム12の下面側から上昇させ、粘着フィルム12をリングフレーム20の周方向に引き伸ばす。
エキスパンド工程を実施した後、図5に示すように、粘着フィルム12をエキスパンドした状態のままで、半導体チップ2をピックアップするピックアップ工程を実施する。具体的には、粘着フィルム12の下面側から半導体チップ2をピン31によって突き上げるとともに、粘着フィルム12の上面側から吸着冶具32で半導体チップ2を吸着することで、個片化された半導体チップ2を接着剤層13とともにピックアップする。
そして、ピックアップ工程を実施した後、ダイボンディング工程を実施する。具体的には、ピックアップ工程で半導体チップ2とともにピックアップされた接着剤層13により、半導体チップ2を他の半導体チップやリードフレームやパッケージ基板等に接着する。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記の表1および表2には、各実施例(実施例1〜11)および各比較例(比較例1〜5)に係るウエハ加工用テープおよび接着剤層の組成と、各実施例および各比較例に係るウエハ加工用テープの特性評価と、各実施例および各比較例に係る接着剤層を有する接着フィルムの特性評価とを示してある。具体的には、各実施例および各比較例(に係るウエハ加工用テープおよび接着剤層の組成と、各実施例および各比較例に係るウエハ加工用テープを使用したサンプルのリフロー時クラック発生率及びチッピング性能と、各実施例および各比較例に係る接着フィルムの接着剤層の密度ρ、最小の貯蔵弾性率Gmin、ρ×Gmin、60℃貼合剥離力及びフィルム外観と、を示してある。
Figure 0005520673
Figure 0005520673
<アクリルポリマーの製造法>
まず、各実施例および各比較例に係るウエハ加工用テープの接着剤層に含まれるアクリルポリマー(表1および表2に示すアクリルポリマー(1)〜(4))の製造法について説明する。
(アクリルポリマー(1))
混合機及び冷却器を備え付けた反応器にグリシジグメタクリレート5重量部、アクリロニトリル25重量部、ブチルアクリレート25重量部、エチルアクリレート45重量部を入れ、85℃に加熱し、ここに2−ブタノン2重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.05重量部を添加した後8時間保温し、冷却後メタノールを加えポリマーを沈殿させ上澄み液を取り除き、ポリマー中に残ったメタノールを乾燥させ、続いて2−ブタノンを加え固形分が15%になるよう調整して、アクリルポリマー(1)を得た。この重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography: GPC)による重量平均分子量は85万、分散度は3.5であった。
(アクリルポリマー(2))
保温時間を4時間とした以外は、アクリルポリマー(1)と同様の製造法によりアクリルポリマー(2)を作製した。この重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量は35万、分散度は2.3であった。
(アクリルポリマー(3))
t−ブチルパーオキシベンゾエートの添加量を0.2質量部とした以外は、アクリルポリマー(1)と同様の製造法によりアクリルポリマー(3)を作製した。この重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量は80万、分散度は6.6であった。
(アクリルポリマー(4))
t−ブチルパーオキシベンゾエートの添加量を0.4質量部とした以外は、アクリルポリマー(1)と同様の製造法によりアクリルポリマー(4)を作製した。この重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量は82万、分散度は11.5であった。
<重量平均分子量の測定方法>
各アクリルポリマー(1)〜(4)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した。
(GPC法による測定条件)
使用機器:日立635型HPLC[(株)日立製作所製]
カラム :ゲルパックR−440、R450、R400M[日立化成工業(株)製商品名]
溶離液 :テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量 :2.0ml/min
検出器 :示差屈折計
(実施例1)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え接着剤料組成物のワニスを得た。得られたワニスを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、120℃で10分間加熱乾燥して、膜厚50μmと20μmのBステージ状態の塗膜を形成し、接着剤層を有する実施例1の接着フィルムを作製した。
(実施例2)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例2の接着フィルムを作製した。
(実施例3)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例3の接着フィルムを作製した。
(実施例4)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例4の接着フィルムを作製した。
(実施例5)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例5の接着フィルムを作製した。
(実施例6)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例6の接着フィルムを作製した。
(実施例7)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例7の接着フィルムを作製した。
(実施例8)
得られた上記アクリルポリマー(2)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例8の接着フィルムを作製した。
(実施例9)
得られた上記アクリルポリマー(3)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例9の接着フィルムを作製した。
(実施例10)
得られた上記アクリルポリマー(4)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例10の接着フィルムを作製した。
(実施例11)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表1に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する実施例11の接着フィルムを作製した。
(比較例1)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表2に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する比較例1の接着フィルムを作製した。
(比較例2)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表2に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する比較例2の接着フィルムを作製した。
(比較例3)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表2に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する比較例3の接着フィルムを作製した。
(比較例4)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表2に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する比較例4の接着フィルムを作製した。
(比較例5)
得られた上記アクリルポリマー(1)に対して表2に示す各材料を同表に示す配合割合で加え、実施例1と同様の方法で接着剤層を有する比較例5の接着フィルムを作製した。
なお、表1および表2中の各材料は、以下の通りである。
(エポキシ樹脂(1))
YDCN−703(東都化成(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210g/eq、重量平均分子量1200、軟化点80℃)
(エポキシ樹脂(2)) エピコート806(ジャパンエポキシレジン(株)製商品名、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量175g/eq、重量平均分子量400、室温液状)
(エポキシ樹脂(3))
エピコート4005P(ジャパンエポキシレジン(株)製商品名、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量1070g/eq、重量平均分子量2500、軟化点90℃) (フェノール樹脂)
ミレックスXLC−LL(三井化学(株)製商品名、水酸基当量175g/eq、吸水率1.8%、350℃における加熱重量減少率4%)
(シランカップリング剤)
Z−6044(東レ・ダウコーニング(株)製商品名、3−グリシドキシプロピルメチルメトキシシラン)
(シリカフィラー(1))
S0−C2(アドマファイン(株)製商品名、比重2.2g/cm、平均粒子径0.5μm、比表面積6.0m/g)
(シリカフィラー(2))
シルフィルNSS−5N(トクヤマ(株)製商品名、比重2.2g/cm、平均粒子径0.07μm、比表面積50m/g)
(シリカフィラー(3))
MSR−8000−SC4((株)龍森製商品名、比重2.2g/cm、平均粒子径16.7μm、比表面積4.6m/g)
(硬化促進剤)
キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)
以上の様にして得られた各実施例および各比較例の接着フィルムについて、接着剤層の密度ρ、硬化前における最小の貯蔵弾性率Gmin、および60℃貼合剥離力を測定した。
(密度ρ)
表1および表2に示す各実施例および各比較例の接着剤層の密度ρはJIS K 7112に準じて測定した。
(最小の貯蔵弾性率Gmin)
得られた実施例1の膜厚50μmの接着フィルムを2つ用意し、2つの接着フィルムの接着剤層同士を貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを剥離した後、さらに、PETフィルムを剥離した接着剤層の面に、得られた実施例1の別の接着フィルムの接着剤層を貼り合わせるという工程を繰り返して、接着剤層を1mmの厚さになるまで積層し、8mmφに打ち抜き実施例1の接着剤層のサンプルとした。実施例2〜11及び比較例1〜5の各接着剤層のサンプルも、実施例1のサンプルと同様に作製した。
動的粘弾性測定装置ARES(レオロジカ製)を用いて、硬化前の各接着剤層のサンプルに対して、サンプル厚み1mm、プレート径8mmφ、周波数1Hzの条件で室温より200℃まで昇温速度10℃/分の条件で昇温した際の貯蔵弾性率の極小値を取り、これをGminとした。各実施例および各比較例のGminは、表1および表2に示す通りである。
(60℃貼合剥離力)
1cm幅の短冊状に調整した各実施例および各比較例の膜厚50μmの接着フィルムを温度60℃、ラミネート圧力0.1MPa、ラミネート速度300mm/分の条件でシリコンウエハの裏面にラミネートした後、室温にて引張速度50mm/分、90度ピール条件で剥離した際の剥離強度を測定した。各実施例および各比較例の60℃貼合剥離力は、表1および表2に示す通りである。
さらに、以上の様にして得られた各実施例および各比較例の接着フィルムについて、接着剤層の外観を評価した。
(フィルム外観)
表1および表2に示す各実施例および各比較例の膜厚20μmの接着フィルムの接着剤層の外観を、透過型光学顕微鏡を用いて観察した。4視野(4つの領域)を観察し、異物が確認された視野数(領域数)が1視野のものを○、2視野以上で異物が確認されたものを×とした。
さらに、下記に示す粘着フィルム及び上記50μm厚みの接着フィルムを、それぞれ直径370mm、320mmの円形にカットし、粘着フィルムの粘着剤層と接着フィルムの接着剤層とを貼り合わせた。最後に、接着フィルムのPETフィルムを接着剤層から剥離し、各実施例および各比較例に係るウエハ加工用テープを得、耐リフロー性(リフロー時クラック発生率)、チッピング性能の評価を行った。
(粘着フィルムの作製)
ブチルアクリレート65重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量部、アクリル酸10重量部をラジカル重合させ、2−イソシアネートエチルメタクリレートを滴下反応させて合成した重量平均分子量80万のアクリル共重合体に硬化剤としてポリイソシアネート3重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1重量部を加えて混合し、粘着剤層組成物とした。
作製した粘着剤層組成物を乾燥膜厚が10μmとなるようにフィルム(基材フィルム以外の塗工用フィルム)に塗工し、120℃で3分間乾燥する。この後、そのフィルムに塗工した粘着剤層組成物を、基材フィルムである厚さ100μmのポリプロピレン−エラストマー(PP:HSBR=80:20のエラストマー)樹脂フィルム上に転写させることで粘着フィルムを作製した。
なお、ポリプロピレン(PP)は、日本ポリケム株式会社製のノバテックFG4を用い、水添スチレンブタジエン(HSBR)はJSR株式会社製のダイナロン1320Pを用いた。また、塗工用フィルムはシリコーン離型処理されたPETフィルム(帝人:ヒューピレックスS−314、厚み25μm)を用いた。
(リフロー時クラック発生率)
厚み200μmのシリコンウエハの裏面に各実施例および各比較例に係るウエハ加工用テープの接着剤層を貼り付け、7.5mm×7.5mmにダイシングした後、銀メッキ処理されたリードフレーム上に、温度160℃、圧力0.1MPa、時間1秒の条件でマウントした。更に、封止材(KE−1000SV、京セラケミカル(株)製)でモールドし、各実施例および各比較例のサンプルを20個作製した。
各実施例および各比較例の封止後のサンプルを85℃/60%RHの恒温恒湿層で196時間処理した後、サンプル表面の最高温度が260℃で20秒になるよう設定したIR(赤外線)リフロー炉にサンプルを通し、室温放置により冷却する処理を3回繰り返した。各実施例および各比較例において、上記のような処理を行った20個のサンプルに対してクラックの有無を観察し、20個のサンプル中のクラックが発生したサンプルの割合を算出し、リフロー時クラック発生率とした。
なお、クラックの有無を観察する際には、超音波探査装置(Scanning Acoustic Tomograph:SAT)を使用して透過法にて各サンプルを観察し、剥離が見られたものは全てクラックとした。
(チッピング性能)
厚み200μmのシリコンウエハの裏面にウエハ加工用テープの接着剤層を貼り付け、7.5mm×7.5mmにダイシングした後、ダイの断面を光学顕微鏡にて観察しチップ欠けの有無を評価した。チップ欠けが多発しているものを×、チップ欠けが殆ど観察されなかったものを○とした。尚、ダイシング時に振動でチップが飛んでしまった場合も×とした。
実施例1〜7では、ρ×Gminが0.2以上であるため、チップ欠けが殆ど観察されておらず、チッピング性能が向上しており、ダイシング時におけるチップ割れやチップ欠け等のチッピング(ダイシング時のチッピング)が十分に低減されていることが表1から分かる。また、接着剤層の60℃貼合剥離力が50mN/cm以上と高いため、ダイシング時に、振動(ダイシングブレードの回転振動)でチップが飛んでしまうのを低減できることが表1から分かる。さらに、重量平均分子量が85万、分散度が3.5のアクリルポリマー(1)を使用したため、リフロー時クラック発生率が0%であった。また、実施例1〜7では、接着剤層の厚みに対して平均粒子径が80%未満のシリカフィラー(1)とシリカフィラー(2)を使用したため、フィルム外観が良好であった。
実施例8では、ρ×Gminが0.2以上であるため、チップ欠けが殆ど観察されておらず、チッピング性能が向上しており、ダイシング時におけるチップ割れやチップ欠け等のチッピング(ダイシング時のチッピング)が十分に低減されていることが表1から分かる。また、接着剤層の60℃貼合剥離力が50mN/cm以上と高いため、ダイシング時に、振動(ダイシングブレードの回転振動)でチップが飛んでしまうのを低減できることが表1から分かる。ただし、重量平均分子量が50万未満のアクリルポリマー(2)を使用しているため、リフロー時クラックが発生した。
実施例9及び実施例10では、ρ×Gminが0.2以上であるため、チップ欠けが殆ど観察されておらず、チッピング性能が向上しており、ダイシング時におけるチップ割れやチップ欠け等のチッピング(ダイシング時のチッピング)が十分に低減されていることが表1から分かる。また、接着剤層の60℃貼合剥離力が50mN/cm以上と高いため、ダイシング時に、振動(ダイシングブレードの回転振動)でチップが飛んでしまうのを低減できることが表1から分かる。ただし、実施例9では、分散度が4を超えるアクリルポリマー(3)を使用しているため、また、実施例10では、分散度が4を超えるアクリルポリマー(4)を使用しているため、リフロー時クラックが発生した。
実施例11では、ρ×Gminが0.2以上であるため、チップ欠けが殆ど観察されておらず、チッピング性能が向上しており、ダイシング時におけるチップ割れやチップ欠け等のチッピング(ダイシング時のチッピング)が十分に低減されていることが表1から分かる。また、接着剤層の60℃貼合剥離力が50mN/cm以上と高いため、ダイシング時に、振動(ダイシングブレードの回転振動)でチップが飛んでしまうのを低減できることが表1から分かる。ただし、接着剤層の厚みの80%以上の平均粒子径を有するシリカフィラー(3)を使用しているため、フィルム外観が悪化した。
一方、比較例1では、エポキシ当量が1000g/eq以上であるエポキシ樹脂(3)を使用しているため、Gminを十分に低下させられず、60℃貼合剥離力が規定範囲(50mN/cm以上)外の30mN/cmとなってしまった。また、60℃貼合剥離力が規定範囲外の30mN/cmと低いために、ダイシング時に、振動でチップが飛んでしまい、チッピング性能が低下した。また、リフロー時クラック発生率も80%であった。
比較例2では、Gminが高いため、60℃貼合剥離力が規定範囲(50mN/cm以上)外の20mN/cmとなってしまった。また、60℃貼合剥離力が規定範囲外の20mN/cmと低いために、ダイシング時に、振動でチップが飛んでしまい、チッピング性能が低下した。た、リフロー時クラック発生率も75%であった。
比較例3では、接着剤層の密度ρは高いが、Gminが低いため、ρ×Gminが規定範囲(0.2以上)外の0.09となり、接着剤層のシリコンウエハへの貼合性が確保されず、チッピング性能が低下した。また、接着剤層の厚みの80%以上の平均粒子径を有するシリカフィラー(3)を使用しているため、フィルム外観が悪化した。
比較例4では、接着剤層の密度ρは高いが、Gminが低いため、ρ×Gminが規定範囲(0.2以上)外の0.19となり、接着剤層のシリコンウエハへの貼合性が確保されず、チッピング性能が低下した。
比較例5では、無機フィラーを使用していないため、Gminが低く、ρ×Gminが規定範囲(0.2以上)外の0.11となり、接着剤層のシリコンウエハへの貼合性が確保されず、チッピング性能が低下した。
本実施形態に係るウエハ加工用テープ10によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)接着剤層13の密度をρ(g/cm)、接着剤層13の硬化前における最小の貯蔵弾性率をGmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上であるので、密度ρとGminとの2つの要素を組み合わせ、互いに補完させることで、接着剤層13の半導体ウエハへの貼合性を確保しつつ、ダイシング時のチッピングを低減することができる。
(2)接着剤層13を60℃で半導体ウエハ1に貼り合せた際の接着剤層13の貼合剥離力が50mN/cm以上であるので、ダイシング時に、ダイシングブレードの回転振動でチップが飛んでしまうのを低減することができる。
(3)接着剤層13に含まれるアクリルポリマーの重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であるため、耐リフロー性を向上させることができる。
(4)接着剤層13に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eqより大きく、かつ、1000g/eq未満であるので、十分な接着信頼性を得るとともに、貼合剥離力の低下を防止することで、ダイシング時のチッピングを低減することができる。
(5)接着剤層13に含まれる無機フィラーの平均粒子径が、接着剤層13の厚みの80%未満であるので、接着剤層の表面の無機フィラー凝集物等の異物の発生を抑えることができる。
(6)接着剤層13の主成分としてアクリル樹脂等の安価な樹脂を用いることができ、接着剤層13に使用する樹脂をアクリル樹脂等に汎用化することができる。従って、低コストのウエハ加工用テープ10を実現することができる。
本発明は、上記実施形態に係るウエハ加工用テープ10に限らず、半導体ウエハ1(図2)と貼合される接着剤層13を有し、ダイシングにて半導体チップ(半導体素子)2と同一大に個片化される接着フィルムであって、接着剤層13は、エポキシ樹脂とアクリル共重合体(アクリルポリマー)と無機フィラーとを必須成分とし、接着剤層13の密度をρ(g/cm)、接着剤層の硬化前における最小の貯蔵弾性率をGmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上であり、かつ、接着剤層13を60℃で半導体ウエハ1に貼り合せた後に、室温にて50(mm/分)で、90度ピール条件で剥離した際の接着剤層13の貼合剥離力が50mN/cm以上である接着フィルムにも適用される。
すなわち、本発明は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の離型フィルム(例えば、図1に示す剥離ライナー11)と、この離型フィルム上に形成された接着剤層13とからなる接着フィルムであって、上記実施例1〜7の接着フィルムのように、ρ×Gminが0.2以上である接着フィルムにも適用される。
本発明に係る接着フィルムは、使用工程や装置にあわせて予め所定形状に切断(プリカット)されていても良い。また、本発明に係る接着フィルムは、半導体ウエハ1枚分ごとに切断された形態と、これが複数形成された長尺のシートをロール上に巻き取った形態とを含む。
1:半導体ウエハ
2:半導体チップ(半導体素子)
10:ウエハ加工用テープ
12:粘着フィルム
12a:基材フィルム
12b:粘着剤層
13:接着剤層

Claims (6)

  1. 半導体ウエハと貼合される接着剤層を有する接着フィルムであって、
    前記接着剤層は、エポキシ樹脂とアクリル共重合体と無機フィラーと熱活性硬化剤とを必須成分とし、
    前記アクリル共重合体は、重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であり、
    前記接着剤層の密度をρ(g/cm3)とし、硬化前の前記接着剤層を周波数1Hzで、室温より200℃まで昇温速度10℃/分の条件で昇温した際の貯蔵弾性率の最小値を、前記接着剤層の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上で、
    前記接着剤層を60℃で前記半導体ウエハに貼り合せた後に、室温にて引張速度50mm/分で、90度ピール条件で剥離した際の前記接着剤層の貼合剥離力が50mN/cm以上であることを特徴とする接着フィルム。
  2. 前記エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100g/eqより大きく、かつ、1000g/eq未満であることを特徴とする請求項1に記載の接着フィルム。
  3. 前記無機フィラーは、平均粒子径が前記接着剤層の厚みの80%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着フィルム。
  4. 基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、前記粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープであって、
    前記接着剤層は、エポキシ樹脂とアクリル共重合体と無機フィラーと熱活性硬化剤とを必須成分とし、
    前記アクリル共重合体は、重量平均分子量が50万以上であり、分散度が4未満であり、
    前記接着剤層の密度をρ(g/cm 3 )とし、硬化前の前記接着剤層を周波数1Hzで、室温より200℃まで昇温速度10℃/分の条件で昇温した際の貯蔵弾性率の最小値を、前記接着剤層の硬化前における最小の貯蔵弾性率Gmin(MPa)としたとき、ρ×Gminが0.2以上で、
    前記接着剤層を60℃で前記半導体ウエハに貼り合せた後に、室温にて引張速度50mm/分で、90度ピール条件で剥離した際の前記接着剤層の貼合剥離力が50mN/cm以上であることを特徴とするウエハ加工用テープ。
  5. 前記エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100g/eqより大きく、かつ、1000g/eq未満であることを特徴とする請求項4に記載のウエハ加工用テープ。
  6. 前記無機フィラーは、平均粒子径が前記接着剤層の厚みの80%未満であることを特徴とする請求項4または5に記載のウエハ加工用テープ。

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