JP4607270B2 - 熱硬化型接着剤とその接着シ―ト類 - Google Patents

熱硬化型接着剤とその接着シ―ト類 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の固定用途などに用いられる熱硬化型接着剤と、そのシ―ト状やテ―プ状などの接着シ―ト類とに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の固定用途などに、種々の接合材料が使用されている。この種の用途では、強接着性に加え、電子部品を基板に実装するときのハンダリフロ―に耐えうる高耐熱性が必要である。また、電子デバイスの信頼性確保の目的で、各種加湿条件に投入したのちハンダ耐熱性などの熱試験が行われるが、接合材料の吸水性が大きいと、熱試験時に吸湿した水分が気化・膨張し接着面の剥離異常をきたすため、接合材料自体の低吸水化が必要である。
【0003】
これに対し、一般の粘着シ―ト類を用いたのでは、接着強度や耐熱性に劣り、とくに熱プレス時に気泡の抱き込みを生じ、熱試験時に剥離や発泡などの異常をきたしやすい。また、エポキシ/ゴム系、ポリイミド系などの熱硬化型接着剤の使用が検討されているが、エポキシ/ゴム系の熱硬化型接着剤は、低圧・短時間で接着処理でき耐熱性も良好であるが、エポキシ樹脂の構造上吸水率が大きく、加湿条件投入後の熱試験において、接着界面で剥離異常をきたしやすい。また、ポリイミド系の熱硬化型接着剤は、耐熱性の面ではすぐれているが、熱接着温度での弾性率が高すぎて、接着処理に高圧・長時間が必要で作業性が悪く、しかも吸湿率も大きく、接着界面での信頼性に劣りやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に照らし、低圧・短時間の加熱接着処理で強固な接着強度と高耐熱性が得られ、しかも加湿条件投入後の熱試験においても剥離異常をきたすことのない、信頼性にすぐれた熱硬化型接着剤と、そのシ―ト状やテ―プ状などの接着シ―ト類を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的に対して、鋭意検討した結果、特定の(メタ)アクリル酸エステルを主モノマ―とするアクリル系ポリマ―にエポキシ樹脂を加え、上記ポリマ―の架橋度を調節して硬化前のガラス転移温度と貯蔵弾性率を特定すると、常温で非粘着ないし弱粘着であつて熱接着時に気泡の抱き込みを生じず、その際の流動性が適度なため、低圧・短時間での接着処理が可能であり、しかも上記主モノマ―自体が凝集成分として寄与し、通常凝集成分でありかつ吸湿成分でもあるアクリル酸などの極性モノマ―の使用量を低減できるので、上記ポリマ―の吸水率を低下でき、これを最終加熱処理で上記エポキシ樹脂により硬化させて硬化後の貯蔵弾性率を特定すると、強固な接着強度と高耐熱性が得られ、かつ加湿条件投入後の熱試験でも剥離異常をきたさない、信頼性にすぐれた熱硬化型接着剤とその接着シ―ト類が得られることを知り、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、つぎの式(1);
【化2】
Figure 0004607270
(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 はメチレン基、エチレン基またはプロピレン基、n=1〜3の整数、φはフェニル基、モノアルキル置換フェニル基またはジアルキル置換フェニル基である)

で表される(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとし、これに全モノマー中1〜5重量%のアクリル酸を加えたモノマー混合物の共重合体からなるアクリル系ポリマーと、エポキシ当量500以下のエポキシ樹脂とを、上記アクリル系ポリマー100重量部あたり、上記エポキシ樹脂が5〜30重量部となる割合で含有し、上記アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシル基と上記エポキシ樹脂との反応により硬化する熱硬化型接着剤であって、硬化前のガラス転移温度が−10℃以上、硬化前の貯蔵弾性率が100〜200℃の温度域で104 〜105 Pa、硬化後の貯蔵弾性率が200〜300℃の温度域で5×105 〜107 Paであり、かつ硬化後の30℃,80%RH保存下での飽和吸水率が1.0重量%以下であることを特徴とする熱硬化型接着剤(請求項1,2)と、基材の片面または両面に上記構成の熱硬化型接着剤からなる層を有することを特徴とするシート状やテープ状などの接着シート類(請求項)とに係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明におけるアクリル系ポリマ―は、式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルを主モノマ―とし、これに通常エポキシ樹脂との硬化反応に関与するアクリル酸を加え、必要により、イソボルニルアクリレ―トなどの各種のアルキル(メタ)アクリレ―トや、カプロラクトン変性(メタ)アクリレ―ト、スルホプロピル(メタ)アクリレ―ト、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ―ト、シアノアルキル(メタ)アクリレ―ト、(メタ)アクリルアミド、置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロニトリル、2−メトキシエチル(メタ)アクリレ―ト、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニルなどの改質用モノマ―を全モノマ―中20重量%以下の割合で加えて、これらを溶液重合法、電子線や紫外線などによる光重合法、それらの併用法などの公知の方法で重合処理することにより、得られるものである。
【0008】
式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、フエノキシエチル(メタ)アクリレ―ト、フエノキシプロピル(メタ)アクリレ―ト、ノニルフエノキシエチル(メタ)アクリレ―ト、ノニルフエノキシプロピル(メタ)アクリレ―トなどが挙げられる。また、フエノ―ル、クレゾ―ルノニルフエノ―ルなどのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物など(付加モル数3まで)と(メタ)アクリルとのエステルなども好ましく用いられる。これらのエステルは、その1種または2種以上が用いられる。
【0009】
アクリル酸は、エポキシ樹脂との反応性や、ポリマ―のガラス転移温度および貯蔵弾性率を設定するうえで、またこれに伴う接着性、耐熱性、低吸水性などの特性の向上をはかるうえで、とくに好ましいものとして選択されたものである。使用量は、全モノマ―中1〜5重量%とするのがよい。1重量%より少ないと、エポキシ樹脂による硬化反応が十分に進行せず、貯蔵弾性率の上昇も不十分で、耐熱性も不十分となる。5重量%より多いと、硬化後の架橋が密になりすぎて、接着強度の著しい低下をきたし、また吸水性の低下が起こりやすい。
【0010】
本発明におけるエポキシ樹脂は、これを上記のアクリル系ポリマ―に加えて、最終加熱処理で上記ポリマ―を構成するアクリル酸に由来するカルボキシル基と反応させて硬化させることにより、強固な接着強度と高耐熱性を得るためのものである。このようなエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、ビスフエノ―ルエポキシ樹脂、フエノリツクエポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフエノ―ルエポキシ樹脂などがあり、エポキシ当量が500以下のものが好適に用いられる。エポキシ当量が500を超えると、アクリル系ポリマ―とエポキシ樹脂の相溶性が悪くなり、均一な接着剤層を形成しにくい。
【0011】
エポキシ樹脂の使用量としては、アクリル系ポリマ―100重量部あたり、通常5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部とするのがよい。上記使用量が5重量部未満では、硬化反応が十分に進行せず、硬化後の貯蔵弾性率の上昇も不十分で、耐熱性に乏しくなる。また、30重量部を超えると、加熱硬化時の軟化、流動により、糊はみ出しなどの外観異常をきたしやすく、また熱硬化型接着剤としての貯蔵安定性が低下してくるなどの問題がある。
【0012】
本発明では、上記のアクリル系ポリマ―にエポキシ樹脂を混合した状態で上記ポリマ―を架橋処理しその架橋度を調節して、最終的にエポキシ樹脂により硬化させる前の状態において、ガラス転移温度が−10℃以上、好適には−10℃〜20℃となり、貯蔵弾性率が100〜200℃の温度域で104 〜105 Paとなるようにする。このように設定することで、常温で非粘着ないし弱粘着であつて、熱接着時に気泡の抱き込みを生じず、かつその際の流動性が適度なものとなつて、低圧・短時間での接着処理が可能となり、しかも最終加熱処理時に軟化や劣化などによる糊はみだしも生じず、すぐれた加工性や接着作業性を実現することができる。上記ガラス転移温度が−10℃より低いと、常温で粘着性を有して熱接着時に気泡の抱き込みを生じやすく、上記貯蔵弾性率が104 Pa未満では、熱接着時に流動を起こして糊はみだしの原因となり、また105 Paを超えると、熱接着処理に長時間を必要とする。
【0013】
架橋処理の方法としては、アクリル系ポリマ―の合成に際し内部架橋剤(交叉結合剤)を加えて架橋処理する方法が有効である。内部架橋剤には、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルテトラ(メタ)アクリレ―ト、1,2−エチレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、1,6−ヘキサジオ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、1,12−ドデカンジオ―ル(メタ)アクリレ―トなどの多官能(メタ)アクリレ―トが用いられる。
【0014】
架橋処理の他の有効な方法としては、アクリル系ポリマ―の合成後に外部架橋剤を加えて加熱などにより架橋処理する方法がある。外部架橋剤には、イソシアネ―ト系架橋剤として、エチレンジイソシアネ―ト、ブチレンジイソシアネ―ト、ヘキサメチレンジイソシアネ―トなどの低級脂肪族ポリイソシアネ―ト類、シクロペンチレンジイソシアネ―ト、シクロヘキシレンジイソシアネ―ト、イソホロンジイソシアネ―トなどの脂環族ポリイソシアネ―ト類、2,4−トリレンジイソシアネ―ト、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネ―ト、キシレンジイソシアネ―トなどの芳香族ポリイソシアネ―ト類、トリメチロ―ルプロパン/トリレンジイソシアネ―ト付加物などが挙げられる。また、エポキシ系架橋剤として、エチレングリコ―ルグリシジルエ―テル、プロピレングリコ―ルジグリシジルエ―テルなどの分子内に2個以上のエポキシ基を含有する化合物などが挙げられる。さらに、アジリジン系架橋剤として、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)アジリジニル〕フオスフインオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリフオスフアトリアジンなどを挙げることができる。
【0015】
これらの内部架橋剤および外部架橋剤は、その1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの使用量は、その種類により異なるが、前記特定範囲のガラス転移温度や貯蔵弾性率に設定して前記効果を奏しうるように、アクリル系ポリマ―(このポリマ―を構成するモノマ―混合物)100重量部あたり、通常0.02〜5重量部、好適には0.2〜3重量部とするのがよい。
【0016】
本発明の熱硬化型接着剤は、上記のように、前記アクリル系ポリマ―に対してエポキシ樹脂を混合し、上記ポリマ―を架橋処理して、硬化前のガラス転移温度および貯蔵弾性率を前記特定範囲に設定してなるものであり、この接着剤には、低吸水化、熱伝導率の増大による接着時間・硬化時間の短縮、加工性の向上などを目的として、無機充填剤を添加することができる。また、さらに必要により、シランカツプリング剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、老化防止剤などの公知の各種添加剤を配合することもできる。
【0017】
上記の無機充填剤には、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、酸化チタンなどが用いられ、通常は、0.5〜250μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜30μmの平均粒子径を有しているのがよい。粒子形状は、球状、針状、フレ―ク状、スタ―状などのいかなる形状でもよい。形状の選択は最終的な熱硬化型接着剤のレオロジカルな性質により決められる。使用量としては、アクリル系ポリマ―100重量部に対し、通常10〜100重量部、好ましくは10〜50重量部とするのがよい。10重量部未満では、吸水率低下などの効果が乏しく、また100重量部を超えると、接着性が阻害され、とくに高温下での接着力が大きく低下し、接着固定力に乏しくなる。
【0018】
本発明の接着シ―ト類は、このような熱硬化型接着剤からなる層を基材の片面または両面に設けて、シ―ト状やテ―プ状などの形態としたものである。基材上への上記層の形成は、基材上に熱硬化型接着剤を塗工したのち、必要により加熱などにより架橋処理する方式、紫外線照射による重合方式など従来公知の方式で行うことができる。基材には、ポリエステルフイルムなどの合成樹脂フイルムや繊維基材などの非剥離性基材を使用でき、また剥離紙などの剥離性基材を使用してもよい。剥離性基材では、この上に形成した熱硬化型接着剤からなる層を非剥離性基材上に転写してもよい。本発明の接着シ―ト類には、基材として非剥離性基材を用いたものと、剥離性基材を用いたものとの両方が含まれる。
【0019】
本発明の熱硬化型接着剤とその接着シ―ト類は、被着体への接着使用に際し、最終的に加熱処理して、アクリル系ポリマ―(に含まれるカルボキシル基)とエポキシ樹脂との反応により、硬化させる。この硬化後の貯蔵弾性率は、アクリル系ポリマ―の組成や架橋度に応じて、エポキシ樹脂の種類や使用量を選択して、200〜300℃の温度域で5×105 〜107 Paとなるようにする。また、このように硬化させたのちの吸水率は、上記ポリマ―の特性と相まつて、30℃,80%RH保存下での飽和吸水率が1.0重量%以下となり、これによつて強固な接着強度と高耐熱性、とくに100℃以上の高温での使用やハンダ付け工程での使用に耐える高耐熱性が得られ、しかも加湿条件投入後の熱試験でも剥離異常をきたさない、信頼性にすぐれたものとなる。
【0020】
最終加熱処理による硬化後の上記貯蔵弾性率が5×105 Pa未満となると、加熱処理時の吸湿水分の気化・膨張による発生応力の緩和には有利であるが、接着剤のバルクでの破壊が起こりやすく、またこの破壊が起こらないまでも、低弾性体のために接着剤の変形により応力を緩和するため、電子部品などの位置ずれを引き起こしやすい。また、硬化後の上記貯蔵弾性率が107 Paを超えてしまうと、応力緩和効果が少なく、応力集中を起こして接着界面で破壊する問題がある。さらに、硬化後の飽和吸水率が1.0重量%を超えると、加湿条件投入後の熱試験で剥離異常などの支障をきたしやすい。
【0021】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0022】
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル210部を溶媒として、フエノキシエチルアクリレ―ト95部、アクリル酸5部、過酸化ベンゾイル0.3部を入れ、窒素気流中で重合処理して、固形分が約30重量%のアクリル系ポリマ―の溶液を得た。この溶液に、その固形分100部あたり、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)15部、多官能イソシアネ―ト系架橋剤1部を均一に混合し、熱硬化型接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液セパレ―タ上に塗布し、130℃で5分間乾燥処理して、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0023】
実施例2
四つ口フラスコに、フエノキシエチルアクリレ―ト90部、イソボルニルアクリレ―ト5部、アクリル酸5部、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン0.05部を投入し、窒素雰囲気下、紫外線を照射して部分的に光重合させることにより、粘度が約30ポイズのシロツプを得た。この部分重合したシロツプ100部に、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)15部、交叉結合剤としての1,6−ヘキサンジオ―ルジアクリレ―ト0.3部を均一に混合し、光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をセパレ―タ上に塗布し、900mj/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0024】
実施例3
フエノキシエチルアクリレ―ト90部に代えて、クレゾ―ルのエチレンオキシド付加物(付加モル数1)とアクリル酸とのエステルを用いた以外は、実施例2と同様にして光重合性組成物を調製し、これを用いて実施例2と同様にして厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0025】
実施例4
四つ口フラスコに、フエノキシエチルアクリレ―ト90部、イソボルニルアクリレ―ト5部、アクリル酸5部、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン0.05部を投入し、窒素雰囲気下、紫外線を照射して部分的に光重合させることにより、粘度が約30ポイズのシロツプを得た。この部分重合したシロツプ100部に、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)10部、シリカ粉末(株式会社アドマテツクス製の商品名「アドマフアインSO−E5」)50部、交叉結合剤としての1,6−ヘキサンジオ―ルジアクリレ―ト0.3部を均一に混合し、光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をセパレ―タ上に塗布し、900mj/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0026】
実施例5
四つ口フラスコに、フエノキシエチルアクリレ―ト95部、アクリル酸5部、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン0.05部を投入し、窒素雰囲気下、紫外線を照射して部分的に光重合させることにより、粘度が約30ポイズのシロツプを得た。この部分重合したシロツプ100部に、アルミナ粉末(株式会社アドマテツクス製の商品名「アドマフアインAO−809)」)100部、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト815」)10部、交叉結合剤としてのトリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト0.2部を均一に混合し、光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をセパレ―タ上に塗布し、900mj/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0027】
比較例1
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル210部を溶媒として、ブチルアクリレ―ト95部、アクリル酸5部、過酸化ベンゾイル0.3部を入れ、窒素気流中で重合処理して、固形分が約30重量%のアクリル系ポリマ―の溶液を得た。この溶液に、その固形分100部あたり、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)15部、多官能イソシアネ―ト系架橋剤1部を均一に混合し、熱硬化型接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液をセパレ―タ上に塗布し、130℃で5分間乾燥処理して、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0028】
比較例2
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル210部を溶媒として、ブチルアクリレ―ト60部、アクリロニトリル35部、アクリル酸5部、過酸化ベンゾイル0.3部を入れ、窒素気流中で重合処理して、固形分が約30重量%のアクリル系ポリマ―の溶液を得た。この溶液に、その固形分100部あたり、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)15部、多官能イソシアネ―ト系架橋剤1部を均一に混合し、熱硬化型接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液をセパレ―タ上に塗布し、130℃で5分間乾燥処理して、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0029】
比較例3
四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレ―ト80部、アクリル酸20部、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン0.05部を投入し、窒素雰囲気下、紫外線を照射して部分的に光重合させることにより、粘度が約30ポイズのシロツプを得た。この部分重合したシロツプ100部に、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)10部、交叉結合剤としての1,6−ヘキサンジオ―ルジアクリレ―ト0.3部を均一に混合し、光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をセパレ―タ上に塗布し、900mj/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0030】
比較例4
四つ口フラスコに、フエノキシエチルアクリレ―ト90部、イソボルニルアクリレ―ト8部、アクリル酸2部、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン0.05部を投入し、窒素雰囲気下、紫外線を照射して部分的に光重合させることにより、粘度が約30ポイズのシロツプを得た。この部分重合したシロツプ100部に、エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製の商品名「エピコ―ト828」)3部、シリカ粉末(株式会社アドマテツクス製の商品名「アドマフアインSO−E5」)50部、交叉結合剤としての1,6−ヘキサンジオ―ルジアクリレ―ト0.3部を均一に混合し、光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をセパレ―タ上に塗布し、900mj/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、厚さが100μmの熱硬化型接着剤層を形成し、接着シ―トを得た。
【0031】
上記の実施例1〜5および比較例1〜4の各接着シ―トの熱硬化型接着剤層について、硬化前のガラス転移温度、硬化前および硬化後の貯蔵弾性率、硬化後の吸水率を、下記の方法により、測定した。また、上記の各接着シ―トについて、貼り付け性試験および硬化後の加湿耐熱試験を、下記の方法により調べた。これらの結果は、表1および表2に示されるとおりであつた。
【0032】
<ガラス転移温度、貯蔵弾性率の測定>
レオメトリツク社製の粘弾性スペクトルメ―タ(RDS−II)により、熱硬化型接着剤層について、硬化前のガラス転移温度を測定し、また100〜200℃の範囲での硬化前の貯蔵弾性率と、200〜300℃の範囲での硬化後(150℃で2時間)の貯蔵弾性率を、周波数1ヘルツの条件下で、測定した。
【0033】
<吸水率>
150℃で2時間の硬化処理を施した接着シ―トについて、セパレ―タを剥がして熱硬化型接着剤層のみの初期重量(Y1)を測定したのち、30℃,80%RHに168時間放置したのちの重量(Y2)を測定する。この両測定値より、吸水率(重量%)=〔(Y2−Y1)/Y1〕×100、として求めた。
【0034】
<貼り付け性試験>
接着シ―トをプレス機(温度:150℃、時間:1秒、圧力:5Kg/cm2 )によりガラス板に貼り合わせ、このときの接着界面の状態を観察し、気泡混入なしを〇、気泡混入ありを×、と評価した。
【0035】
<加湿耐熱試験>
接着シ―トを厚さが75μmのポリイミドフイルムにラミネ―タ(温度:100℃、圧力:5Kg/cm、速度:2m/分)により貼り合わせ、これを30mm角のSUS304にプレス機(温度:150℃、時間:1秒、圧力:5Kg/cm2 )で貼り合わせた。このサンプルについて、150℃で2時間の加熱処理を施して、熱硬化型接着剤層を硬化させたのち、30℃,80%RHの加湿条件下で168時間放置し、その後、このサンプルのSUS304面を260℃に加熱したホツトプレ―ト上に放置し、60秒間処理し、このときの外観変化を観察し、上記変化がないものを〇、剥離異常が発生したものを×、と評価した。
【0036】
Figure 0004607270
【0037】
Figure 0004607270
【0038】
上記表1の結果から明らかなように、実施例1〜5の各接着シ―トは、硬化前のガラス転移温度が−10℃以上、硬化前の貯蔵弾性率が100〜200℃の温度域で104 〜105 Pa、硬化後の貯蔵弾性率が200〜300℃の温度域で5×105 〜107 Paであり、かつ硬化後の30℃,80%RH保存下での飽和吸水率が1.0重量%以下であり、良好な貼り付け性を示して、接着性と耐熱性を満足させることができ、とくに加湿条件投入後の熱試験でも剥離異常をきたさない、信頼性にすぐれたものであることがわかる。
【0039】
これに対し、上記表2の結果から明らかなように、比較例1〜3の各接着シ―トは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマ―としたアクリル系ポリマ―を使用したものであつて、上記主モノマ―と共重合させるモノマ―組成を種々変更しても、硬化前のガラス転移温度、硬化前および硬化後の貯蔵弾性率、硬化後の吸水率のすべてを本発明の範囲内に設定することが難しく、結果として、接着性と耐熱性のバランスをとりにくく、とくに硬化前の貯蔵弾性率が高すぎる比較例2の接着シ―トでは低圧・短時間での接着処理すら困難である。また、比較例4の接着シ―トは、本発明と同様のアクリル系ポリマ―を使用したものであるが、エポキシ樹脂による硬化処理後の貯蔵弾性率が低すぎるため、加湿耐熱試験において剥離異常をきたし、信頼性に劣つたものとなる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、特定の(メタ)アクリル酸エステルを主モノマ―とするアクリル系ポリマ―にエポキシ樹脂を加え、上記ポリマ―の架橋度を調節して硬化前のガラス転移温度および貯蔵弾性率を特定し、かつ硬化後の貯蔵弾性率および吸水率を特定する構成としたことにより、接着処理に際しては、常温で非粘着ないし弱粘着のため、熱接着時に気泡の抱き込みを生じず、低圧・短時間での接着処理が可能であり、これを最終的に加熱処理して硬化させることにより、強固な接着強度と高耐熱性が得られ、かつ加湿条件投入後の熱試験でも剥離異常をきたさない、信頼性にすぐれた熱硬化型接着剤と、これをシ―ト状やテ―プ状などの形態とした接着シ―ト類とを提供することができる。

Claims (3)

  1. つぎの式(1);
    Figure 0004607270
    (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 はメチレン基、エチレン基またはプロピレン基、n=1〜3の整数、φはフェニル基、モノアルキル置換フェニル基またはジアルキル置換フェニル基である)

    で表される(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとし、これに全モノマー中1〜5重量%のアクリル酸を加えたモノマー混合物の共重合体からなるアクリル系ポリマーと、エポキシ当量500以下のエポキシ樹脂とを、上記アクリル系ポリマー100重量部あたり、上記エポキシ樹脂が5〜30重量部となる割合で含有し、上記アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシル基と上記エポキシ樹脂との反応により硬化する熱硬化型接着剤であって、硬化前のガラス転移温度が−10℃以上、硬化前の貯蔵弾性率が100〜200℃の温度域で104 〜105 Pa、硬化後の貯蔵弾性率が200〜300℃の温度域で5×105 〜107 Paであり、かつ硬化後の30℃,80%RH保存下での飽和吸水率が1.0重量%以下であることを特徴とする熱硬化型接着剤。
  2. アクリル系ポリマー100重量部あたり、無機充填剤10〜100重量部を含有する請求項1に記載の熱硬化型接着剤。
  3. 基材の片面または両面に請求項1または2に記載の熱硬化型接着剤からなる層を有することを特徴とする接着シート類。
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