JP4712468B2 - ダイシングダイボンドテープ - Google Patents
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Description
更に、このチッピングはウェハ1の厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
この場合、個片化された半導体チップ1’の寸法と液状接着剤8の寸法が合わなくなるため、パッケージングの際にはその両者の寸法の差を考慮し、個片化された半導体チップ1’の寸法よりも幾分大きい寸法でパッケージングする必要がある。これは、前述の通り、半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性から、望ましい方法とは言えない。
このダイボンドシートを使用する方法として、半導体チップと同寸法のダイボンドシートの小片を準備し、リードフレーム上に予め搭載しておく、或いは、チップ裏面に一枚一枚貼り付ける、という方法が広く知られている。しかしながら、この場合、作業が非常に煩雑であり好ましくないのに加え、リードフレーム、或いはチップ裏面にダイボンドシートの小片を貼り付ける際に微小なズレが生じてしまうことがあり、これらの理由により望ましい方法とは言えない。
この方式では、ダイシングされ個片化された半導体チップ1’と個片化されたダイボンドフィルムの小片12’の寸法は完全に一致し、且つ、両者が全くズレの無い状態で貼り合わされた状態を作ることができる。しかしながらこの場合、半導体ウェハ1の下方にはダイシングテープ6のみならず、両者の間にダイボンドフィルム12が介在することになるため、ダイシング時にブレード2からかかる切削抵抗によりウェハ1、或いはチップ1’はダイボンドフィルム12が無い場合に比べ余計にブレを生じ易くなるため、顕著にチッピングが発生しやすくなり、この点が問題となるわけである。
ここで提案されているのは、半導体ウェハのスクライブラインに沿ってウェハ厚さよりも浅い切り込み深さの溝を形成後、パターン面を保護テープで保護した状態にてウェハ裏面を研削し、ウェハ厚を薄くするとともに個々のチップに分割し、更に、研削面に基材とその上に形成された接着剤層(ダイボンドシート)とからなるダイシング・ダイボンドシートを貼着し、保護テープを剥離後、ダイシングブレードを用いてチップ間に露出している接着剤層を切断し、チップと接着剤層とを基材から剥離するという方法である。
この方法では、バックグラインド工程での裏面研削により、チップが個々に分割されるものであるため、チッピングの発生防止には一定の効果がある手段であるといえる。
また、接着剤層の切断において用いるダイシングブレードの幅はチップ間の溝幅よりも狭い幅のものを使用し、更にそのダイシングブレード幅はチップ間溝幅の30〜90%程度が望ましいとあり、この場合、チップの裏面に形成される接着剤層小片はチップの寸法よりも大きくなってしまう場合が多々ある(図12,図13)。
そのため、半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性を考慮すると満足できる手段であるとは言えない
したがって本発明の目的は、チッピングの発生防止とコンパクトパッケージの要求を両立させるのに好適なダイシングダイボンドテープを提供することを目的とする。
その目的に適合することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルム上に直接にまたは間接に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層に直接また
は間接に接着剤層が形成されたダイシングダイボンドテープにおいて、前記粘着剤層は、
分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)
に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選
ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有しており、前
記接着剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射した場合の355nmでの全光線透過
率が70%以上でかつ平行光線透過率が40%以上であって、該基材フィルムのうち該接
着剤層が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0.5μm以下であり、前記接着剤層
は、355nmの光線により切断されることを特徴とするダイシングダイボンドテープ、
(2)前記基材フィルムが、ポリオレフィンフィルムであることを特徴とする(1)記載
のダイシングダイボンドテープ、
(3)半導体装置を製造するにあたり、ダイシング時にはダイシング用フレームに固定さ
れて、ウエハを固定しダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせ
るための接着工程に使用されるダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレ
ームに貼合される部分には接着剤層がないことを特徴とする(1)または(2)に記載の
ダイシングダイボンドテープ、
(4)粘着剤層の厚みが5μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1
項に記載のダイシングダイボンドテープ、
を提供するものである。
(a)先ず半導体ウェハ1(図1(イ)参照)の表面のチップ−チップ間の貫通を予定している部位にウェハ厚よりも浅く、半導体ウェハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く切り込み溝13を形成する(図1(ロ)参照)。[溝切り加工工程]
切り込み溝13の切り込みは、広く利用されているブレードダイシング装置により、切り込み深さを適宜調整して行う。ウエハ1の厚さは限定されるものではなく、通常の300〜700μm程度であり、切り込み溝13の深さは目的とするチップの厚さと同一とするのが好ましいが、同程度に、またはそれより深く適宜設定され、一般に20〜200μm程度である。
(b)次に、その溝切り加工された半導体ウェハ1の表面に、表面保護のため、粘着剤層14と基材フィルム15とからなる表面保護テープ16を貼り付ける(図2(イ)参照)。[保護用粘着テープ貼り合せ工程]
(c)そして、表面保護テープ16を貼り付けた状態で、その貫通部の溝切り加工された部位が完全に開口し、貫通するまでウェハ基板の裏面を研削し、薄膜化し、個片化された半導体チップ1’状に分割する(図2(ロ)参照)。[薄膜化工程]
(d)その半導体ウェハ基板の裏面研削が終了した後、表面保護テープを貼り合わせたまま、その半導体ウェハの裏面側に本発明のダイシングダイボンドテープ18を貼り合せる(図4参照)。[ダイシングダイボンドテープ貼り合せ工程]
(e)次いで、リングフレーム3にて支持固定した状態にて、レーザーダイシングにより開口した貫通部に沿ってレーザーをダイシングダイボンドテープに照射して、ダイボンドフィルム12をチップ状に分割個片化する。[切断工程]
が設けられ、該粘着剤層に直接または間接に接着剤層が形成されたダイシングダイボンド
テープにおいて、前記粘着剤層は、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−
炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデ
ヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させ
てなるポリマーを含有しており、前記接着剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射し
た場合の355nmでの全光線透過率が70%以上でかつ平行光線透過率が40%以上で
あって、該基材フィルムのうち該接着剤層が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0
.5μm以下であり、前記接着剤層は、355nmの光線により切断される。
ダイシングリングフレームの部分では基材フィルム上に粘着剤層が形成されているだけであるが、該リングフレーム内側の半導体ウエハ貼合部分にのみ該粘着剤層上に接着剤層が形成された本発明のダイシングダイボンドテープでもよく、その場合にはリングフレームには粘着剤層が貼合されているだけで、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
(基材フィルム)
本発明のダイシングダイボンドテープを構成する基材フィルムについて説明する。本発
明においては、接着剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射した場合の355nmで
の全光線透過率が70%以上でかつ平行光線透過率が40%以上であって、該基材フィル
ムのうち該接着剤層が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0.5μm以下とされ、
この条件を満たすよう、基材フィルムの選択が行われる。
そのうち好ましいのはポリオレフィンであり、ポリオレフィンのうちでもポリエチレン
、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーが
好ましい。
さらに放射線透過性であることが好ましく、特に粘着剤層に放射線硬化性の粘着剤を使
用する場合にはその粘着剤が硬化する波長での放射線透過性のよいものを選択することが
必要とされる。
以上のように基材フィルム上には粘接着剤層が形成されることにより、本発明のダイシングダイボンドテープが製造される。以下、基材フィルム上に直接または間接に粘着剤、接着剤が順次形成される粘接着剤層が積層タイプのものからなる場合について説明する。
本発明のダイシングダイボンドテープは基材フィルム上に粘着剤層が形成され、該粘着
剤層は基材フィルム上に粘着剤を塗工して製造してよい。
本発明においては、該基材フィルム側からの波長355nmでの全光線透過率が70%
以上、平行光線透過率が40%以上とされる。
レーザーダイシングによる接着剤層の加工性を良好とするため、該基材フィルム側から
の波長355nmでの全光線透過率、平行光線透過率を高くすることが好ましく全光線透
過率、平行光線透過共に100%に近いほど良い。そのため、特に好ましくは全光線透過
率は80%以上、平行光線透過率は40%以上とされる。この範囲内であればレーザーダ
イシングによる接着剤層の加工性が良好となる効果がある。
この条件を満たすのであれば特に制限はなく、レーザーダイシング時には接着剤層との
チップ剥がれなどの不良を発生しない程度の保持性や、ピックアップ時には接着剤層と剥
離が容易とする特性を有するものであればよい。ダイシング後のピックアップ性を向上さ
せるために、粘着剤層は放射線硬化性のものが好ましく、特に粘着剤と接着剤が積層され
たタイプのダイシングダイボンドテープにおいては、接着剤層との剥離が容易な材料であ
ることが好ましい。
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物(1)と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物(2)とを反応させて得たものが用いられる。
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総重量の5重量%以下の範囲内で可能である。
化合物(1)と化合物(2)の反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などの特性に関して、本発明で規定するものを製造することができる。
なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
つぎに、粘着剤層のもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)または基材フィルムと反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製商品名)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(B)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.4〜3重量部とすることがより好ましい。その量が0.1重量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10重量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれるからである。
さらに本発明に用いられる放射線硬化性の粘着剤 には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤および慣用成分を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
粘着剤層の厚さは、通常のウエハダイシング加工と併用して処理を行うことがある場合には少なくとも5μm、より好ましくは10μm以上であることが好ましい。また、レーザーダイシング加工のみ行う場合には少なくとも5μm以下、より好ましくはチップ保持力を失わない範囲でできる限り薄くすることが好ましい。なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよい。
本発明のダイシングダイボンドテープは、その一態様として、粘着剤層にさらに接着剤層が積層された構成とすることができる。
なお、ここで接着剤層とは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、粘着剤層と剥離してチップに付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、特に限定されるものではないが、ダイシングダイボンドテープに一般的に使用されるフィルム状接着剤であれば良く、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系粘接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
下記のように粘着剤層組成物、接着剤を調整し、基材フィルム1A〜1Eに、粘着剤層組成物2A〜2Bを乾燥膜厚が10μm又は5μmとなるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、ダイシングテープを作製した。これらの粘着テープの粘着剤層上に接着フィルム3A〜3Cを貼合し、表1、表2に示すような実施例1〜6、比較例1〜3のダイシングダイボンドテープを作製し、特性評価をおこなった。
基材フィルム1A:ポリプロピレン(日本ポリケム製 FW3E)をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
基材フィルム1B:エチレン−酢酸ビニル共重合体 ビニルアクリレート含量 5質量%をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
基材フィルム1C:エチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル製 ハイミラン1706)をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
基材フィルム1D:ポリプロピレン(日本ポリケム製 FW3E)をシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
基材フィルム1E: ポリエチレンテレフタレート(PET)をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
(粘着剤組成物2A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調製し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、表1に示すヨウ素価、分子量、ガラス転移点をもつ放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100重量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1重量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5重量部、溶媒として酢酸エチル150重量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物2Aを調製した。
アクリル樹脂(重量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)5質量部を混合して粘着剤組成物2Bを得た。
(接着フィルム3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50重量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5重量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3重量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30重量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(重量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100重量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部、キュアゾール2PZ(四国化1成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着フィルム3Aを作製した。
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50重量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体1部とした以外は接着フィルム3Aの作製と全く同様の操作を行い、接着フィルム3Bを作製した。
硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部とし、キュアゾール2PZにかえてキュアゾール2PHZ(四国化1成(株)製商品名、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール)2.5部とした以外は接着フィルム3Aの作成と全く同様の操作を行い、接着フィルム3Cを作製した。
表1、表2に示すような実施例1〜6、比較例1〜3のダイシングダイボンドテープについて、平行光線透過率、全光線透過率、基材フィルム背面表面粗さRa、接着剤層レーザー加工性、ピックアップ成功率特性評価を下記のようにおこなった。
実施例および比較例によって得られる、ダイシングダイボンドテープの基材フィルムと粘着剤層を積層した接着剤を含まない部分について、基材フィルム背面側からの波長355nmでの全光線透過率、平行光線透過率を透過率測定器(島津製作所製、商品名:UV3101PC&MPC−3100)を使用してN=5で測定し平均値を求めた。この装置は積分球方式の受光部を有する全光線透過率測定が可能な装置となっているが、サンプルの固定位置を積分球入射窓から70mm引き離すことで、平行光線透過率も併せて測定した。
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドテープを平滑なミラーウエハに貼合することで固定し基材フィルム背面側の算術表面粗さRaを表面粗さ測定器(ミツトヨ社製、商品名:サーフテスト SJ−301)を使用してフィルム押し出し方向(MD方向)にN=5で測定し平均値を求めた。
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドテープに半導体ウエハのチップ−チップ間のストリート部にウエハ厚よりも浅い10mm×10mmの切り込み溝を形成し、該半導体ウエハの表面に表面保護テープを貼り付け、該ストリート部が完全に開口するまでウエハ裏面を厚み80μmまで研削しチップ状に分割個片化した表面保護テープ付のシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFL7160)を使用しチップ−チップ間のストリート部に沿ってレーザーダイシングを行った。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射しダイシングテープ部分を接着剤層から剥離した後、シリコンウエハ中央部のチップ100個について顕微鏡観察を行った。その際の判定は下記の通り。
○・・・接着剤層がチップ−チップ間のストリート部でつながること無く切断加工されている場合
×・・・接着剤層がチップ−チップ間のストリート部でつながりが発生しうまく切断加工されていない場合
実施例および比較例記載のダイシングダイボンドテープに半導体ウエハのチップ−チップ間のストリート部にウエハ厚よりも浅い10mm×10mmの切り込み溝を形成し、該半導体ウエハの表面に表面保護テープを貼り付け、該ストリート部が完全に開口するまでウエハ裏面を厚み80μmまで研削しチップ状に分割個片化した表面保護テープ付のシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFL7160)を使用しチップ−チップ間のストリート部に沿ってレーザーダイシングを行った。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、シリコンウエハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
(ピックアップ成功率(2))
実施例および比較例記載のダイシングダイボンドテープに半導体ウエハのチップ−チップ間のストリート部にウエハ厚よりも浅い15mm×15mmの切り込み溝を形成し、該半導体ウエハの表面に表面保護テープを貼り付け、該ストリート部が完全に開口するまでウエハ裏面を厚み80μmまで研削しチップ状に分割個片化した表面保護テープ付のシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFL7160)を使用しチップ−チップ間のストリート部に沿ってレーザーダイシングを行った。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、シリコンウエハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
それぞれの実施例、比較例における平行光線透過率、全光線透過率、基材フィルム背面表面粗さRa、接着剤層レーザー加工性、ピックアップ成功率を表1、表2にまとめた。
実施例1〜5のダイシングダイボンドテープを用いてシリコンウエハをレーザーダイシングして得られた、10mm×10mmの大きさのICチップを、ダイボンダーを用いてリードフレーム上にダイレクトマウントした後、170℃、2時間の条件で加熱を行いリードフレームとICチップとを強固に接着できていることを確認した。
1’ 個片化された半導体チップ
2 ブレード
3 リングフレーム
4 ダイシングテープ粘着剤層
5 ダイシングテープ基材フィルム
6 ダイシングテープ
7 ダイサーのチャックテーブル
8 液状接着剤
9 インナーリード
10 ダイパッド
11 リードフレーム
12 ダイボンドフィルム(接着剤層)
12’ 個片化されたダイボンドフィルム
13 切り込み溝
14 表面保護テープの粘着剤層
15 表面保護テープの基材フィルム
16 表面保護テープ
17 ダイシングダイボンドテープの基材フィルム
18 ダイシングダイボンドテープ
19 レーザー
Claims (4)
- 基材フィルム上に直接にまたは間接に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層に直接または間接
に接着剤層が形成されたダイシングダイボンドテープにおいて、前記粘着剤層は、分子中
にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポ
リイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた
少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有しており、前記接着
剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射した場合の355nmでの全光線透過率が7
0%以上でかつ平行光線透過率が40%以上であって、該基材フィルムのうち該接着剤層
が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0.5μm以下であり、前記接着剤層は、3
55nmの光線により切断されることを特徴とするダイシングダイボンドテープ。 - 前記基材フィルムが、ポリオレフィンフィルムであることを特徴とする請求項1記載のダ
イシングダイボンドテープ。 - 半導体装置を製造するにあたり、ダイシング時にはダイシング用フレームに固定されて、
ウエハを固定しダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるため
の接着工程に使用されるダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレームに
貼合される部分には接着剤層がないことを特徴とする請求項1または2に記載のダイシン
グダイボンドテープ。 - 粘着剤層の厚みが5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
のダイシングダイボンドテープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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