JP4712468B2 - ダイシングダイボンドテープ - Google Patents

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Description

本発明は、先ダイシングとレーザーダイシングにより接着剤付きウエハをチップ状に分割個片化する際に使用されるダイシングダイボンドテープに関する。
ここ最近において、実装部品の小型化のニーズはより一層高まり、半導体パッケージングの小型化技術はますます進化してきている。これに伴い、半導体チップも薄膜化・小チップ化を余儀なくされ、同時に、それら薄膜・小チップの半導体チップをコンパクトにパッケージングするための技術的ニーズは今後も高まる傾向にある。従来、これらの半導体チップは、バックグラインド工程において裏面研削され薄膜化された半導体ウェハを、ダイシング工程にてチップ化されることにより得られる。更に、チップ化された半導体チップは、ピックアップダイボンダ等により、連続的に流れるリードフレームにダイボンディング毎に液状接着剤を必要量塗布し、その位置にダイボンディングされることになる。
これらの工程のうちダイシング工程(図8参照)において、半導体ウェハ(以下、単にウェハという場合がある)1にはダイシングテープ6を貼り合わせ、リングフレーム3でダイサーのチャックテーブル7に固定し、そしてブレード2により切断されるわけであるが、この際、ウェハ1にはブレード2による切削抵抗がかかるため、個片化された半導体チップ(以下、単にチップという場合がある)1’に微小な欠けやクラック(以下、チッピングという)が発生することがある。このチッピング発生は、昨今、重要な問題のうちの1つとして捉えられ、これまでにもチッピング低減のための検討が種々行われてきたが、未だ満足できる手段は無いのが現状である。
更に、このチッピングはウェハ1の厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
更に、図9に示すように、個片化された半導体チップ1’には、チッピング発生防止と共に、コンパクトにパッケージングされることも求められる。これは、パッケージサイズの小型化のニーズからくるものであり、望ましくは半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングされることが求められている。通常、個片化された半導体チップ1’は、ピックアップダイボンダ等により液状接着剤8が塗布されたリードフレーム11のダイパッド10にダイボンディングされるわけであるが、液状接着剤の場合はダイボンディング毎の必要塗布量の制御が非常に困難であり、更には、液状であるためダイパッド10の上に塗布された時の寸法にばらつきが生じ易い。
この場合、個片化された半導体チップ1’の寸法と液状接着剤8の寸法が合わなくなるため、パッケージングの際にはその両者の寸法の差を考慮し、個片化された半導体チップ1’の寸法よりも幾分大きい寸法でパッケージングする必要がある。これは、前述の通り、半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性から、望ましい方法とは言えない。
一方、ダイボンディング用の接着剤としてダイボンドシート(シート状の接着剤)を使用する方法がある。
このダイボンドシートを使用する方法として、半導体チップと同寸法のダイボンドシートの小片を準備し、リードフレーム上に予め搭載しておく、或いは、チップ裏面に一枚一枚貼り付ける、という方法が広く知られている。しかしながら、この場合、作業が非常に煩雑であり好ましくないのに加え、リードフレーム、或いはチップ裏面にダイボンドシートの小片を貼り付ける際に微小なズレが生じてしまうことがあり、これらの理由により望ましい方法とは言えない。
また、図10に示すように、半導体ウェハ1の裏面に予めダイボンドフィルム12を貼合し、次いでこれをダイシングテープ6に貼合し、リングフレーム3でダイサーのチャックテーブル7に支持固定させ、ブレードカットダイシング装置にて半導体ウェハ1とダイボンドフィルム12を同時にフルカットする方式がある。
この方式では、ダイシングされ個片化された半導体チップ1’と個片化されたダイボンドフィルムの小片12’の寸法は完全に一致し、且つ、両者が全くズレの無い状態で貼り合わされた状態を作ることができる。しかしながらこの場合、半導体ウェハ1の下方にはダイシングテープ6のみならず、両者の間にダイボンドフィルム12が介在することになるため、ダイシング時にブレード2からかかる切削抵抗によりウェハ1、或いはチップ1’はダイボンドフィルム12が無い場合に比べ余計にブレを生じ易くなるため、顕著にチッピングが発生しやすくなり、この点が問題となるわけである。
以上のチッピング発生防止、コンパクトパッケージングの要求を解決する方法として提案されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで提案されているのは、半導体ウェハのスクライブラインに沿ってウェハ厚さよりも浅い切り込み深さの溝を形成後、パターン面を保護テープで保護した状態にてウェハ裏面を研削し、ウェハ厚を薄くするとともに個々のチップに分割し、更に、研削面に基材とその上に形成された接着剤層(ダイボンドシート)とからなるダイシング・ダイボンドシートを貼着し、保護テープを剥離後、ダイシングブレードを用いてチップ間に露出している接着剤層を切断し、チップと接着剤層とを基材から剥離するという方法である。
この方法では、バックグラインド工程での裏面研削により、チップが個々に分割されるものであるため、チッピングの発生防止には一定の効果がある手段であるといえる。
特開2001−156027号公報
しかしながら、この方法では、図11(イ)に示すようにダイシングブレードを用いてチップ間に露出している接着剤層を切断する際、チップ間の溝とダイシングブレードとを正確に位置合わせすることは非常に困難であり、図11(ロ)に示すようにチップ側面にブレードが接触するなどしてチッピングを生じてしまう可能性が高い。
また、接着剤層の切断において用いるダイシングブレードの幅はチップ間の溝幅よりも狭い幅のものを使用し、更にそのダイシングブレード幅はチップ間溝幅の30〜90%程度が望ましいとあり、この場合、チップの裏面に形成される接着剤層小片はチップの寸法よりも大きくなってしまう場合が多々ある(図12,図13)。
そのため、半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性を考慮すると満足できる手段であるとは言えない
したがって本発明の目的は、チッピングの発生防止とコンパクトパッケージの要求を両立させるのに好適なダイシングダイボンドテープを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下のダイシングダイボンドテープが
その目的に適合することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルム上に直接にまたは間接に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層に直接また
は間接に接着剤層が形成されたダイシングダイボンドテープにおいて、前記粘着剤層は、
分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)
に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選
ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有しており、前
接着剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射した場合の355nmでの全光線透過
率が70%以上でかつ平行光線透過率が40%以上であって、該基材フィルムのうち該接
着剤層が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0.5μm以下であり、前記接着剤層
は、355nmの光線により切断されることを特徴とするダイシングダイボンドテープ、
(2)前記基材フィルムが、ポリオレフィンフィルムであることを特徴とする(1)記載
のダイシングダイボンドテープ、
(3)半導体装置を製造するにあたり、ダイシング時にはダイシング用フレームに固定さ
れて、ウエハを固定しダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせ
るための接着工程に使用されるダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレ
ームに貼合される部分には接着剤層がないことを特徴とする(1)または(2)に記載の
ダイシングダイボンドテープ
(4)粘着剤層の厚みが5μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1
項に記載のダイシングダイボンドテープ
を提供するものである。
本発明の方法に適用されるダイボンドダイシングテープの基材フィルムは、レーザーの透過性が良好なため、基材フィルム側からレーザーをあて接着剤層を切断することが可能で、その結果、チップと同サイズに接着剤層をダイシングすることが可能で、且つ先ダイシング方式によるチッピング品質を低下させることがなく、コンパクトパッケージができる。
本発明のダイボンドダイシングテープが使用される好ましい実施の態様について、添付図面に基づいて説明する。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
(a)先ず半導体ウェハ1(図1(イ)参照)の表面のチップ−チップ間の貫通を予定している部位にウェハ厚よりも浅く、半導体ウェハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く切り込み溝13を形成する(図1(ロ)参照)。[溝切り加工工程]
切り込み溝13の切り込みは、広く利用されているブレードダイシング装置により、切り込み深さを適宜調整して行う。ウエハ1の厚さは限定されるものではなく、通常の300〜700μm程度であり、切り込み溝13の深さは目的とするチップの厚さと同一とするのが好ましいが、同程度に、またはそれより深く適宜設定され、一般に20〜200μm程度である。
(b)次に、その溝切り加工された半導体ウェハ1の表面に、表面保護のため、粘着剤層14と基材フィルム15とからなる表面保護テープ16を貼り付ける(図2(イ)参照)。[保護用粘着テープ貼り合せ工程]
(c)そして、表面保護テープ16を貼り付けた状態で、その貫通部の溝切り加工された部位が完全に開口し、貫通するまでウェハ基板の裏面を研削し、薄膜化し、個片化された半導体チップ1’状に分割する(図2(ロ)参照)。[薄膜化工程]
(d)その半導体ウェハ基板の裏面研削が終了した後、表面保護テープを貼り合わせたまま、その半導体ウェハの裏面側に本発明のダイシングダイボンドテープ18を貼り合せる(図4参照)。[ダイシングダイボンドテープ貼り合せ工程]
(e)次いで、リングフレーム3にて支持固定した状態にて、レーザーダイシングにより開口した貫通部に沿ってレーザーをダイシングダイボンドテープに照射して、ダイボンドフィルム12をチップ状に分割個片化する。[切断工程]
本発明のダイシングダイボンドテープは基材フィルム上に直接にまたは間接に粘着剤層
が設けられ、該粘着剤層に直接または間接に接着剤層が形成されたダイシングダイボンド
テープにおいて、前記粘着剤層は、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−
炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデ
ヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させ
てなるポリマーを含有しており、前記接着剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射し
た場合の355nmでの全光線透過率が70%以上でかつ平行光線透過率が40%以上で
あって、該基材フィルムのうち該接着剤層が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0
.5μm以下であり、前記接着剤層は、355nmの光線により切断される。
本発明のダイシングダイボンドテープは、使用工程や装置に合わせて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよく、ウエハ等が貼合される前のダイシングダイボンドテープあるいはダイシングテープは接着剤層もしくは粘着剤層を保護するためにカバーフィルムあるいはセパレータフィルムが設けられていてもよい。
ダイシングリングフレームの部分では基材フィルム上に粘着剤層が形成されているだけであるが、該リングフレーム内側の半導体ウエハ貼合部分にのみ該粘着剤層上に接着剤層が形成された本発明のダイシングダイボンドテープでもよく、その場合にはリングフレームには粘着剤層が貼合されているだけで、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
次に、本発明のダイシングダイボンドテープの構成について順に説明する。
(基材フィルム)
本発明のダイシングダイボンドテープを構成する基材フィルムについて説明する。本発
明においては、接着剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射した場合の355nmで
の全光線透過率が70%以上でかつ平行光線透過率が40%以上であって、該基材フィル
ムのうち該接着剤層が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0.5μm以下とされ、
この条件を満たすよう、基材フィルムの選択が行われる。
そのうち好ましいのはポリオレフィンであり、ポリオレフィンのうちでもポリエチレン
、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーが
好ましい。
さらに放射線透過性であることが好ましく、特に粘着剤層に放射線硬化性の粘着剤を使
用する場合にはその粘着剤が硬化する波長での放射線透過性のよいものを選択することが
必要とされる。
このような基材として選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。
なお、素子間隙を大きくするためには、ネッキング(基材フィルムを放射状延伸したときに起こる力の伝播性不良による部分的な伸びの発生)の極力少ないものが好ましく、ポリウレタン、分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を例示することができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルムを用いると効果的である。
さらには基材フィルムの表面には、粘着剤層との接着性を向上させるためにコロナ処理、あるいはプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが適当である。なお、基材フィルムの粘着剤層が塗布されない側の表面の表面粗さRaが0.5μm以下とされる。これは光の散乱を抑制し平行光線透過率を高めてレーザーダイシングにより接着剤層の加工を容易とするためである。そのため表面粗さは0μmに近いほどよい。Raの好ましい範囲は0.3μm以下とされる。その場合には、基材フィルム上に設けられる粘接着剤層とは反対側の背面に、シボ加工などで表面を荒らさないのが好ましい。
(粘接着剤層)
以上のように基材フィルム上には粘接着剤層が形成されることにより、本発明のダイシングダイボンドテープが製造される。以下、基材フィルム上に直接または間接に粘着剤、接着剤が順次形成される粘接着剤層が積層タイプのものからなる場合について説明する。
(粘着剤層)
本発明のダイシングダイボンドテープは基材フィルム上に粘着剤層が形成され、該粘着
剤層は基材フィルム上に粘着剤を塗工して製造してよい。
本発明においては、該基材フィルム側からの波長355nmでの全光線透過率が70%
以上、平行光線透過率が40%以上とされる。
レーザーダイシングによる接着剤層の加工性を良好とするため、該基材フィルム側から
の波長355nmでの全光線透過率、平行光線透過率を高くすることが好ましく全光線透
過率、平行光線透過共に100%に近いほど良い。そのため、特に好ましくは全光線透過
率は80%以上、平行光線透過率は40%以上とされる。この範囲内であればレーザーダ
イシングによる接着剤層の加工性が良好となる効果がある。
この条件を満たすのであれば特に制限はなく、レーザーダイシング時には接着剤層との
チップ剥がれなどの不良を発生しない程度の保持性や、ピックアップ時には接着剤層と剥
離が容易とする特性を有するものであればよい。ダイシング後のピックアップ性を向上さ
せるために、粘着剤層は放射線硬化性のものが好ましく、特に粘着剤と接着剤が積層され
たタイプのダイシングダイボンドテープにおいては、接着剤層との剥離が容易な材料であ
ることが好ましい。

例えば、本発明の粘着剤においては、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有していることが好ましい。
粘着剤層に含有されるポリマーの主成分の1つである化合物(A)について説明する。化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の好ましい導入量はヨウ素価で0.5〜20、より好ましくは0.8〜10である。ヨウ素価が0.5以上であると、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができ、ヨウ素価が20以下であれば、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分で、延伸後の素子間隙を十分得ることができるため、ピックアップ時に各素子の画像認識が困難になるという問題が抑制できる。さらに、化合物(A)そのものに安定性があり、製造が容易となる。
上記化合物(A)は、ガラス転移点が−70℃〜0℃であることが好ましく、−66℃〜−28℃であることがより好ましい。ガラス転移点(以下、Tgと言う。)が−70℃以上であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性が十分であり、0℃以下であれば、表面状態が粗いウエハにおけるダイシング後の素子の飛散防止効果が十分得られる。
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物(1)と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物(2)とを反応させて得たものが用いられる。
このうち、前記の放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(1)は、アクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、官能基を有する単量体((1)−2)とを共重合させて得ることができる。
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総重量の5重量%以下の範囲内で可能である。
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
化合物(2)において用いられる官能基としては、((1)−2)の有する官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、エポキシ基である場合には、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができ、具体例としては、単量体((1)−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
化合物(1)と化合物(2)の反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などの特性に関して、本発明で規定するものを製造することができる。
上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
以上のようにして、化合物(A)を得ることができるが、本発明において、化合物(A)の分子量は、30万〜100万程度が好ましい。30万未満では、放射線照射による凝集力が小さくなって、ウエハをダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。
なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
つぎに、粘着剤層のもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)または基材フィルムと反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。を挙げることができ、具体的には、市販品として、コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製商品名)等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル株式会社製商品名)、メラン(日立化成工業株式会社製商品名)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製商品名)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(B)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.4〜3重量部とすることがより好ましい。その量が0.1重量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10重量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれるからである。
また、本発明において、粘着剤層には、光重合開始剤(C)が含まれていることが好ましい。粘着剤層の含まれる光重合開始剤(C)に特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることがより好ましい。
さらに本発明に用いられる放射線硬化性の粘着剤 には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤および慣用成分を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
粘着剤層の厚さは、通常のウエハダイシング加工と併用して処理を行うことがある場合には少なくとも5μm、より好ましくは10μm以上であることが好ましい。また、レーザーダイシング加工のみ行う場合には少なくとも5μm以下、より好ましくはチップ保持力を失わない範囲でできる限り薄くすることが好ましい。なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよい。
(接着剤層)
本発明のダイシングダイボンドテープは、その一態様として、粘着剤層にさらに接着剤層が積層された構成とすることができる。
なお、ここで接着剤層とは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、粘着剤層と剥離してチップに付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、特に限定されるものではないが、ダイシングダイボンドテープに一般的に使用されるフィルム状接着剤であれば良く、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系粘接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
本発明のダイシングダイボンドテープにおいて接着剤層は予め接着剤層がフィルム化されたもの(以下、接着フィルムと言う。)を、前述の中間樹脂層および粘着剤層が基材フィルム上に形成された本発明のダイシングテープの粘着剤層面にラミネートして形成してもよい。ラミネート時の温度は10〜100℃の範囲で、0.1〜100kgf/cmの線圧をかけることが好ましい。なお、接着剤フィルムはセパレータ上に形成されたものを用い、ラミネート後にセパレータを剥離してもよく、あるいは、そのままダイシングダイボンドテープのカバーフィルムとして使用し、ウエハ等を貼合する際に剥離してもよい。また、接着フィルムは粘着剤層の全面に積層してもよいが、予め貼合されるウエハに応じた形状に切断された(プリカットされた)接着フィルムを積層してもよい。ウエハに応じた接着フィルムを積層した場合、本発明のダイシングダイボンドテープの使用時において、ウエハが貼合される部分には接着剤層が有り、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層がなく、粘着剤層に貼合されて使用される。一般に接着剤層は被着体と剥離しにくいため、リングフレーム等に糊残りを生じやすい。プリカットされた接着剤フィルムを使用することで、リングフレームは粘着剤層に貼合することができ、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記のように粘着剤層組成物、接着剤を調整し、基材フィルム1A〜1Eに、粘着剤層組成物2A〜2Bを乾燥膜厚が10μm又は5μmとなるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、ダイシングテープを作製した。これらの粘着テープの粘着剤層上に接着フィルム3A〜3Cを貼合し、表1、表2に示すような実施例1〜6、比較例1〜3のダイシングダイボンドテープを作製し、特性評価をおこなった。
基材フィルムに使用した樹脂及び処理を下記に示す。
基材フィルム1A:ポリプロピレン(日本ポリケム製 FW3E)をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
基材フィルム1B:エチレン−酢酸ビニル共重合体 ビニルアクリレート含量 5質量%をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
基材フィルム1C:エチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル製 ハイミラン1706)をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
基材フィルム1D:ポリプロピレン(日本ポリケム製 FW3E)をシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
基材フィルム1E: ポリエチレンテレフタレート(PET)をシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
粘着剤層組成物の調製
(粘着剤組成物2A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調製し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、表1に示すヨウ素価、分子量、ガラス転移点をもつ放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100重量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1重量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5重量部、溶媒として酢酸エチル150重量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物2Aを調製した。
(粘着剤組成物2B)
アクリル樹脂(重量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)5質量部を混合して粘着剤組成物2Bを得た。
接着フィルムの作製
(接着フィルム3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50重量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5重量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3重量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30重量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(重量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100重量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部、キュアゾール2PZ(四国化1成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着フィルム3Aを作製した。
(接着剤3B)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50重量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体1部とした以外は接着フィルム3Aの作製と全く同様の操作を行い、接着フィルム3Bを作製した。
(接着剤3C)
硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部とし、キュアゾール2PZにかえてキュアゾール2PHZ(四国化1成(株)製商品名、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール)2.5部とした以外は接着フィルム3Aの作成と全く同様の操作を行い、接着フィルム3Cを作製した。
(特性評価)
表1、表2に示すような実施例1〜6、比較例1〜3のダイシングダイボンドテープについて、平行光線透過率、全光線透過率、基材フィルム背面表面粗さRa、接着剤層レーザー加工性、ピックアップ成功率特性評価を下記のようにおこなった。
(平行光線透過率、全光線透過率)
実施例および比較例によって得られる、ダイシングダイボンドテープの基材フィルムと粘着剤層を積層した接着剤を含まない部分について、基材フィルム背面側からの波長355nmでの全光線透過率、平行光線透過率を透過率測定器(島津製作所製、商品名:UV3101PC&MPC−3100)を使用してN=5で測定し平均値を求めた。この装置は積分球方式の受光部を有する全光線透過率測定が可能な装置となっているが、サンプルの固定位置を積分球入射窓から70mm引き離すことで、平行光線透過率も併せて測定した。
(表面粗さRa)
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドテープを平滑なミラーウエハに貼合することで固定し基材フィルム背面側の算術表面粗さRaを表面粗さ測定器(ミツトヨ社製、商品名:サーフテスト SJ−301)を使用してフィルム押し出し方向(MD方向)にN=5で測定し平均値を求めた。
(接着剤層レーザー加工性)
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドテープに半導体ウエハのチップ−チップ間のストリート部にウエハ厚よりも浅い10mm×10mmの切り込み溝を形成し、該半導体ウエハの表面に表面保護テープを貼り付け、該ストリート部が完全に開口するまでウエハ裏面を厚み80μmまで研削しチップ状に分割個片化した表面保護テープ付のシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFL7160)を使用しチップ−チップ間のストリート部に沿ってレーザーダイシングを行った。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm照射しダイシングテープ部分を接着剤層から剥離した後、シリコンウエハ中央部のチップ100個について顕微鏡観察を行った。その際の判定は下記の通り。

○・・・接着剤層がチップ−チップ間のストリート部でつながること無く切断加工されている場合
×・・・接着剤層がチップ−チップ間のストリート部でつながりが発生しうまく切断加工されていない場合
(ピックアップ成功率)
実施例および比較例記載のダイシングダイボンドテープに半導体ウエハのチップ−チップ間のストリート部にウエハ厚よりも浅い10mm×10mmの切り込み溝を形成し、該半導体ウエハの表面に表面保護テープを貼り付け、該ストリート部が完全に開口するまでウエハ裏面を厚み80μmまで研削しチップ状に分割個片化した表面保護テープ付のシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFL7160)を使用しチップ−チップ間のストリート部に沿ってレーザーダイシングを行った。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm照射した後、シリコンウエハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
(ピックアップ成功率(2))
実施例および比較例記載のダイシングダイボンドテープに半導体ウエハのチップ−チップ間のストリート部にウエハ厚よりも浅い15mm×15mmの切り込み溝を形成し、該半導体ウエハの表面に表面保護テープを貼り付け、該ストリート部が完全に開口するまでウエハ裏面を厚み80μmまで研削しチップ状に分割個片化した表面保護テープ付のシリコンウエハを70℃×10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFL7160)を使用しチップ−チップ間のストリート部に沿ってレーザーダイシングを行った。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm照射した後、シリコンウエハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
それぞれの実施例、比較例における平行光線透過率、全光線透過率、基材フィルム背面表面粗さRa、接着剤層レーザー加工性、ピックアップ成功率を表1、表2にまとめた。
Figure 0004712468
Figure 0004712468
基材フィルムにシボ加工を施した比較例1や主として芳香族系の樹脂からなるPETフィルム基材を使用した比較例2のテープを使用した場合には、レーザーダイシング時に接着剤層加工性が悪くチップ−チップ間でつながりが発生しそれに伴ってピックアップ不良も多発した。粘着剤層として放射線硬化性を持たない粘着剤層を使用した比較例3ではレーザーダイシング加工性は良好であったが、ピックアップが不可能であった。
実施例1〜5のダイシングダイボンドテープを用いてシリコンウエハをレーザーダイシングして得られた、10mm×10mmの大きさのICチップを、ダイボンダーを用いてリードフレーム上にダイレクトマウントした後、170℃、2時間の条件で加熱を行いリードフレームとICチップとを強固に接着できていることを確認した。
ウエハの貫通部相当部位に切り込み溝を入れた状態を表す断面図である。 ウエハ表面に保護用粘着テープを貼合した断面図で、(イ)は貫通部が開口する前の状態であり、(ロ)はウェハ裏面を研削し分割個片化した状態を表す。 ウエハの研削した面にダイボンドシートを貼合した状態を表す断面図である。 ダイボンドシートが貼合された面にダイシングダイボンドテープを貼合しリングフレームにて支持固定した状態を表す断面図である。 ダイシングダイボンドテープの基材フィルム側から開口した貫通部に沿ってレーザーを照射する断面図で、(イ)は照射中を表し、(ロ)はダイボンドフィルムを分割個片化した状態を表す。 図5(ロ)の状態から保護用粘着テープ剥離後の状態を表す断面図である。 ダイボンドフィルム付チップがダイシングダイボンドテープ粘着剤層から剥離し採取される状態を表す断面図である。 一般的なブレードカットダイシング方式の例を示す断面図である。 液状接着剤によりリードフレームにチップが接合された状態示す断面図である。 ウエハ裏面にダイシングテープが貼合された状態でのダイシングを示す断面図である。 チップ−チップ間幅とほぼ同じ厚さのダイシングブレードでチップ間のダイボンドシートを切断する時の断面図で、(イ)は切断前、(ロ)はチップ側面にブレードが接触してしまう状態を表す。 チップ−チップ間幅よりも薄厚のダイシングブレードでチップ間のダイボンドシートを切断する時の断面図で、(イ)は切断前、(ロ)は切断している状態を表す。 図12の方式でダイボンドシートを切断した結果、ダイボンドシートがチップ寸法よりも大きい寸法で切断された状態を表す断面図である。
符号の説明
1 半導体ウエハ
1’ 個片化された半導体チップ
2 ブレード
3 リングフレーム
4 ダイシングテープ粘着剤層
5 ダイシングテープ基材フィルム
6 ダイシングテープ
7 ダイサーのチャックテーブル
8 液状接着剤
9 インナーリード
10 ダイパッド
11 リードフレーム
12 ダイボンドフィルム(接着剤層)
12’ 個片化されたダイボンドフィルム
13 切り込み溝
14 表面保護テープの粘着剤層
15 表面保護テープの基材フィルム
16 表面保護テープ
17 ダイシングダイボンドテープの基材フィルム
18 ダイシングダイボンドテープ
19 レーザー

Claims (4)

  1. 基材フィルム上に直接にまたは間接に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層に直接または間接
    に接着剤層が形成されたダイシングダイボンドテープにおいて、前記粘着剤層は、分子中
    にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポ
    リイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた
    少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有しており、前記接着
    剤層を剥離し該基材フィルムから光線を照射した場合の355nmでの全光線透過率が7
    0%以上でかつ平行光線透過率が40%以上であって、該基材フィルムのうち該接着剤層
    が設けられた面とは反対側の表面粗さRaが0.5μm以下であり、前記接着剤層は、3
    55nmの光線により切断されることを特徴とするダイシングダイボンドテープ。
  2. 前記基材フィルムが、ポリオレフィンフィルムであることを特徴とする請求項1記載のダ
    イシングダイボンドテープ。
  3. 半導体装置を製造するにあたり、ダイシング時にはダイシング用フレームに固定されて、
    ウエハを固定しダイシングし、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるため
    の接着工程に使用されるダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレームに
    貼合される部分には接着剤層がないことを特徴とする請求項1または2に記載のダイシン
    グダイボンドテープ。
  4. 粘着剤層の厚みが5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のダイシングダイボンドテープ。
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