JP4913584B2 - ウェハ加工方法及びそれに用いるウェハ加工用テープ - Google Patents

ウェハ加工方法及びそれに用いるウェハ加工用テープ Download PDF

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本発明はウェハ加工方法及びそれに用いるウェハ加工用テープに関し、詳しくは、半導体装置やその部品を製造するにあたり、ウェハを加工するためのウェハ加工方法及びそれに用いるウェハ加工用テープに関する。
ICなどの半導体装置の組立工程においてパターン形成後の半導体ウェハ等の加工工程は、ウェハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する工程と、そのチップを基板等にマウントする工程、さらにそれを樹脂等で封止する工程からなっている。ウェハをダイシングして加工する工程では、例えばダイシングダイボンドテープが用いられる。ここで一般にダイシングダイボンドテープには、少なくとも基材フィルム、粘着剤層、接着剤層がこの順に積層されている。そしてダイシング工程において、半導体ウェハをダイシングダイボンドテープに貼り付けて固定した後、チップ形状に沿ってダイシングを行う。その後のマウント工程では、接着剤付きのチップを粘着剤層から剥離(ピックアップ)させ、チップに付着した接着固定用の接着剤で基板等に固定する。
上記目的に使用するダイシングダイボンドテープとしては、フィルム状接着剤をダイシングテープ上に付設し一体化したテープと、粘着剤層と接着剤層が一つの層になったテープがあり、いずれもダイシングする際にはウェハが剥離しないように十分な粘着力を必要とし、ピックアップの際には容易に剥離できる性質が要求される。
また、マウント工程においては、チップ−チップ間およびチップ−基板間において十分な接着力が要求され、各種のダイシングダイボンドテープが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらは、ダイシング後、チップ裏面に接着剤層を付けたままでピックアップし、基板等にマウントした後加熱などにより硬化接着させるいわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、接着剤の塗布工程を省略できるようにするものである。しかしながら、これらのダイシングダイボンドテープに用いられているフィルム状接着剤(ダイボンドフィルム)はエポキシ樹脂等の低分子量物質を多く含んでおり、軟らかく高タックである。そのため、ダイシング後のピックアップ工程でピックアップ不良をおこしやすく、ICチップの不良品が発生してしまうという問題点があった。
特開2002−226796号公報 特開2002−158276号公報 特開2004−123963号公報
そこで、本発明はウェハ等を固定しダイシングするための優れたウェハ加工方法及びそれに用いるウェハ加工用テープの提供を目的とする。詳しくは、ウェハ加工用テープ上のウェハをダイシングした後、接着剤層(例えばウェハと比べて柔らかく極性基を多くもった化合物からなる接着剤層)が付されたチップを容易に剥離することができ、糊残りを生じにくいウェハ加工方法及びそれに用いるウェハ加工用テープの提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により達成された。
(1)(a)ウェハの片面に、順に接着剤層と、表面に粘着剤層を設けた基材フィルムとを、少なくとも前記接着剤層と粘着剤層面とを貼合して配設する工程、(b)所望のチップ形状にそって前記ウェハをダイシングする工程、(c)接着剤層付チップを粘着剤層から剥離する工程を有するウェハ加工方法であって、
前記粘着剤層にアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有モノマーとの共重合物を含有させ、
前記接着剤層と接する側の粘着剤層表面について、FT−IRのATR法により求めた1710cm−1〜1740cm−1の範囲内における吸収極大値に対する3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における吸収極大値のIR吸収強度比を0.02以下としたことを特徴とするウェハ加工方法。
(2)基材フィルム上に間接的あるいは直接的に粘着剤層を設け、更に前記粘着剤層の基材フィルムとは反対側に接着剤層を設けたウェハ加工用テープであって、
前記粘着剤層にアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有モノマーとの共重合物を含有させ、
接着剤層と接する側の粘着剤層表面について、FT−IRのATR法により求めた1710cm−1〜1740cm−1の範囲内における吸収極大値に対する3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における吸収極大値のIR吸収強度比を0.02以下としたことを特徴とするウェハ加工用テープ。
(3)基材フィルム上に間接的あるいは直接的に粘着剤層を設けた、接着剤層付ウェハを加工するウェハ加工用テープであって、
前記粘着剤層にアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有モノマーとの共重合物を含有させ、
基材フィルムとは反対側の粘着剤層表面について、FT−IRのATR法により求めた1710cm−1〜1740cm−1の範囲内における吸収極大値に対する3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における吸収極大値のIR吸収強度比を0.02以下としたことを特徴とするウェハ加工用テープ。
(4)前記アルキル(メタ)アクリレートと極性基含有モノマーとの共重合体が、構成成分として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート成分または2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート成分を含有するものであることを特徴とする(2)または(3)記載のウェハ加工用テープ。
なお、ここで一般に言われるように、接着剤層は物体間に介在し、物体を結合する層であり、粘着剤層は物体間に介在し、一時的に物体を接着する層である。
本発明のウェハ加工方法及びウェハ加工用テープは、接着剤層と粘着剤層との剥離を容易にし、そのためウェハをダイシングした後、接着剤層が貼られたチップ(半導体素子等)のピックアップを容易にし、糊残りを生じにくくするという優れた効果を奏する。
本発明のウェハ加工方法及びウェハ加工用テープは、ウェハの加工品質を安定化し、さらには半導体素子の良好なダイレクトダイボンディングを可能とするものである。
本発明者らは、ウェハ加工用テープの粘着剤層表面に存在する水酸基量を少なくすることにより、ウェハに付される接着剤層が柔らかく極性基の多い表面を有する場合でも、その接着剤層と粘着剤層との良好な剥離が可能となることを見出し本発明に至った。以下、本発明について説明する。
本発明のウェハ加工用テープは、基材フィルムの上に間接的もしくは直接的に粘着剤層が設けられており、あるいは更に接着剤層が設けられている。このとき、例えば、基材フィルムと粘着剤層の間に中間樹脂層を設けることが好ましい。それぞれの層は使用工程や装置に合わせて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよい。また、ウェハ等が貼合される前のウェハ加工用テープには、接着剤層もしくは粘着剤層を保護するためにセパレータを設けてもよい。
(基材フィルム)
本発明のウェハ加工用テープに設けられる基材フィルムについて説明する。
基材フィルムは特に限定されるものではなく、通常のプラスチック、ゴムなどを用いることができる。一般に基材フィルムとしては熱可塑性のプラスチックフィルムが用いられている。特に粘着剤層に光重合性の粘着剤を使用する場合には、その粘着剤が硬化する波長での放射線透過性の良いものを選択する必要がある。ここでいう光重合性とは、例えば紫外線のような光、あるいはレーザ光、または電子線のような放射線等を照射することにより硬化する性質のことである。このような基材として選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、これらの混合物等が挙げられる。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。
なお、素子間隙を大きくするためには、ネッキング(基材フィルムを放射状延伸したときに起こる力の伝播性不良による部分的な伸びの発生)の極力少ないものが好ましく、ポリウレタン、分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を挙げることができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルムを用いることが好ましい。
さらには基材フィルムの粘着剤層又は中間樹脂層が設けられる側の表面には、粘着剤層又は中間樹脂層との接着性を向上させるためにコロナ処理、あるいはプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。
基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが適当である。なお、基材フィルムの粘着剤層が塗布されない側の表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすることによって、ブロッキングを防止し、テープを放射状延伸する時のテープと治具との摩擦を減少することにより基材フィルムのネッキングを防止するなどの効果が得られ、好ましい。
(粘着剤層)
本発明のウェハ加工用テープに設けられる粘着剤層は、通常のダイシングテープと同様に基材フィルムに直接的あるいは間接的に塗工して製造してもよい。そして、本発明のウェハ加工用テープは、ピックアップ時の接着剤層からの剥離を容易化するために粘着剤層表面の水酸基量を低減したものである。具体的には、粘着剤層表面についてFT−IRのATR法により求めた3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における水酸基由来の吸収極大値と、1710cm−1〜1740cm−1の範囲内におけるエステル基由来の吸収極大値とのIR吸収強度比([水酸基]/[エステル基])が0.02以下である粘着剤層表面としたものであり、IR吸収強度比を0.015以下とすることが好ましい。前記IR吸収強度比が0.02より大きいと、粘着剤層と接着剤層(ダイボンドフィルム)の剥離が困難になり、ピックアップ不良等を起こす場合がある。なお、粘着剤層としては、光重合性のものが好ましい。また、ダイシング時にはチップ飛びなどの不良を発生しない程度の保持性を有するものであればよい。
本発明において、FT−IRのATR法は、通常の固体試料の表面分析に用いられるATR法に従って行うことができ、例えばNicolet社製のNEXUS470等のATR法モードを用いて行うことができる。粘着剤層表面(粘着剤層と接着剤層とが貼合わせてあるダイシングダイボンドテープに関しては接着剤層を剥がした後の粘着剤層表面)の測定については、粘着剤層が光重合性である場合には放射線照射後の粘着剤層表面の測定を行うが、放射線硬化時の反応で水酸基量とエステル基量が変わらない場合は、照射前の粘着剤層表面を測定してもよい。詳しくは、それぞれ、使用セル:ZnSeプリズム、スキャン回数:100回、入射角:45度、ベースライン:4000cm−1と2000cm−1を結ぶ直線とする。尚、ATR法における測定試料への測定波長の進入深さdは下記の数式1で求められ、測定試料の屈折率nにより変わるが、通常のアクリル系粘着剤等においては1.5で近似することができる。したがって、各入射光の試料進入量dは測定試料間で同等であると近似できる。また、試料の屈折率はアッベ屈折計等を用いて測定することができ、測定試料の屈折率nが1.5より大きく異なる場合は、進入深さdが屈折率1.5と同等の深さとなるように吸収強度を補正する。
入深さd=λ/(2π(sinθ−(n/n 1/2) ・・・数式(1)
ここで、λはATR結晶中での測定波長、θは入射角、nは測定試料の屈折率、nはATR結晶の屈折率(ZnSeの場合、2.4)を表す。
本発明のウェハ加工用テープに設けられる粘着剤層にはアルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有モノマーの共重合体(以下、この共重合体を「アクリル系化合物」ともいう)を含有し、アクリル系化合物と後述する硬化剤とを主成分とするアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートや、官能基を有する、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルアルコール等が挙げられる。
アクリル系化合物は、1種もしくは複数種を用いてもよく、更に、相溶性や各種性能を上げる目的で低分子化合物を共存させることも可能である。前記アクリル系化合物としては、光重合性を有するものであることが好ましく、光重合性を付与する方法としては、前記アクリル系化合物に直接光重合性炭素−炭素二重結合を導入する方法、前記アクリル系化合物と混合可能な光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を添加する方法等が挙げられる。
前記アクリル系化合物に直接、光重合性炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、前記アクリル系化合物の側鎖に官能基を有するものを用い、これと付加反応可能な官能基と光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を前記アクリル系化合物に付加させて得ることができる。前記アクリル系化合物に付加反応可能な官能基と光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、付加反応の対象となる側鎖がカルボキシル基または酸無水物である場合には、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、付加反応の対象となる側鎖がエポキシ基である場合には、(メタ)アクリル酸等が挙げられ、付加反応の対象となる側鎖が水酸基である場合には、2−イソシアネートアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アクリル系化合物と混合可能な光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物であり、重量平均分子量が100から30000の範囲にある化合物を用いることができる。このような化合物の具体例として、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート等が挙げられる。また、この他にウレタンアクリレート系化合物を用いることもできる。ウレタンアクリレート系化合物は、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
アルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有モノマーの共重合体の水酸基価は特に限定されないが、水酸基価が150mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは50mgKOH/g以下である。このとき、極性基(例えば水酸基)含有モノマーの共重合率を調節して目的の水酸基価を有する共重合体を得ることが好ましく、用いられるモノマーの種類等にもよるが、例えば極性基含有モノマーの共重合率(極性基含有モノマーのモル数/共重合体を構成する全モノマーのモル数)を0モル%以上60モル%未満として所望の水酸基価の共重合体を得ることが好ましい。なお、前記共重合体においては本発明の効果を妨げなければその他のモノマーを含む共重合体としてもよい。アルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有モノマーの共重合体の分子量は特に限定されず、用いられるモノマーの種類等により適宜定めることができるが、例えば重量平均分子量で20万〜150万とすることが好ましい。
本発明のウェハ加工用テープの粘着剤層には、さらに硬化剤を含有させることができ、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれるものなどが挙げられ、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。硬化剤がアクリル系化合物と反応した結果できる架橋構造により、粘着剤の凝集力を粘着剤塗布後に向上させることができる。
ポリイソシアネート化合物としては特に制限がなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等を重合させたポリイソシアネート化合物を挙げることができ、具体的には、市販品としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業社製)等を用いることができる。さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学社製)等を用いることができる。本発明においては、中でもポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
硬化剤の添加量としては、アクリル系化合物の総量100質量部に対して0.1〜15質量部とすることが好ましく、1〜10質量部とすることがより好ましい。その量が0.1質量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、15質量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行して架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれることがある。
また、アクリル系化合物が光重合性を有する場合には、粘着剤層に光重合開始剤が含まれていることが好ましい。粘着剤層に含まれる光重合開始剤は特に限定されず、通常のものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の添加量としては、アクリル系化合物の総量100質量部に対して0.1〜15質量部とすることが好ましく、0.5〜12質量部とすることがより好ましい。
さらに本発明のウェハ加工用テープの粘着剤層には、必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤等を含有させることができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。粘着剤層の厚さは5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。粘着剤層の厚さの上限は特に限定されないが、100μm以下とすることが実際的である。
(中間樹脂層)
前述のように、本発明のウェハ加工用テープについては、基材フィルムと粘着剤層の間に中間樹脂層を設けてもよい。中間樹脂層とは、基材フィルムと粘着剤層の間に設けた樹脂層のことで、粘着成分と硬化成分とを含む混合物を基材フィルム上に塗工した後、硬化させることによって設けられる。また、放射線照射によって硬化する材料を使用してもよい。その場合には、粘着剤の塗工は中間樹脂層が放射線によって硬化された後に塗工することが必要である。
粘着成分は、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系などの種々の汎用粘着剤を用いることができるが、本発明においては、特にアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、特に制限なく使用することができ、前記粘着剤層に使用される様なアクリル系化合物や、更にこれに、光重合性を付与したものであってもよい。
硬化剤成分としては、前記粘着剤層で用いられるようなものを使用することができ、本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
放射線により中間樹脂層を重合させる場合には、各種光重合性開始剤を用いることができ、必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤等を含有させることができる。
中間樹脂層の厚さは5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。中間樹脂層の厚さの上限は特に限定されないが、100μm以下とすることが実際的である。なお、中間樹脂層は複数の層が積層された構成であってもよい。このような中間樹脂層を設けることで、基材フィルムと粘着剤層の密着性向上およびダイシング時の切削性が上がる。
(接着剤層)
本発明のウェハ加工用テープの好ましい態様としては、例えば、図1に示したように粘着剤層13の基材フィルム14とは反対側に接着剤層12を積層したウェハ加工用テープ15とし、ウェハ11を接着剤層12に貼合位置Aで貼合してダイシングを行う態様(態様I)のほか、図2に示したように接着剤層22をテープ内に有さず基材フィルム24に粘着剤層23を設けたウェハ加工用テープ25とし、ウェハ21に接着剤層22をあらかじめ貼合した接着剤層付ウェハ26を貼合位置Bで貼り合わせてダイシングを行う態様(態様II)が挙げられる。したがって、例えば、(態様I)のウェハ加工用テープにおいては、ウェハ等を固定しダイシングするために使用されるダイシングダイボンドテープとして用いることができ、(態様II)のウェハ加工用テープにおいては、ダイシング後にリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着工程に使用される接着剤付き半導体ウェハのダイシングテープとして用いることができる(但し、粘着剤層に直接ウェハを貼合して用いることを妨げるものではない。)。
なお、ここで接着剤層は半導体ウェハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に粘着剤層と剥離した後もチップに付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、特に限定されるものではないが、ダイシングダイボンドテープに一般的に使用されるフィルム状接着剤(ダイボンドフィルム)であればよく、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系粘接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
接着剤層としては予め接着剤層がフィルム化されたもの(ダイボンドフィルム)を用いることができる。接着剤層を粘着剤層に積層したウェハ加工用テープ(態様I)においては、例えば粘着剤層を基材フィルム上に設けたテープの粘着剤層面に、ダイボンドフィルムをラミネートして形成してもよい。ラミネート時の温度は10〜100℃の範囲で、0.1〜100kgf/cmの線圧をかけることが好ましい。なお、ダイボンドフィルムはセパレータ上に形成されたものを用い、ラミネート後にセパレータを剥離してもよく、あるいは、そのままダイシングダイボンドテープのカバーフィルムとして使用し、ウェハ等を貼合する際に剥離してもよい。
また、ダイボンドフィルムは粘着剤層の全面に積層してもよいが、予め貼合されるウェハ形状に応じた形状に切断(プリカット)されたダイボンドフィルムを積層してもよい。ウェハに応じたダイボンドフィルムを積層した場合、本発明のウェハ加工用テープの使用時において、ウェハが貼合される部分には接着剤層が有り、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層がなく粘着剤層に貼合される。一般に接着剤層は被着体と剥離しにくいため、リングフレーム等に糊残りを生じやすい。したがって、プリカットされたダイボンドフィルムを使用することで、リングフレームは粘着剤層に貼合することができ、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくくする点で好ましい。
本発明のウェハ加工用テープにおいては、上述のとおり、接着剤層をあらかじめ備えたもの(態様I)、あるいは、接着剤層をテープ内には備えず別途接着剤層付きウェハを貼合するもの(態様II)が挙げられる。いずれの場合においても粘着剤層は、ウェハをダイシングする際にはウェハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後にチップをピックアップする際には容易に粘着剤層と接着剤層とが剥離できるよう低い粘着力であることが好ましい。したがって粘着剤層の粘着力をダイシングの前後で変化させることが好ましく、その方法は特に限定されないが、例えばダイシング後に紫外線を照射して粘着力を低下させることが好ましい。紫外線照射前後の粘着力は特に限定されないが、剥離角度90°、剥離速度50mm/minにおいて、予め接着剤層を貼合したウェハの接着剤層面に対して、例えば紫外線照射前では粘着力を1〜5N/25mmとすることが好ましく、紫外線照射後において粘着力を0〜1.5N/25mmとすることが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(粘着剤層組成物A)
n−ブチルアクリレート50mol%、2−エチルヘキシルアクリレート40mol%、メチルメタクリレート4mol%、メタクリル酸1mol%、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート5mol%を共重合させたアクリル系共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを付加反応させて紫外線硬化性アクリル系共重合体を得た。このとき、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合量を、得られる紫外線硬化性アクリル系共重合体の水酸基価が5mgKOH/gとなるようにした。この紫外線硬化性アクリル系共重合体を100質量部、硬化剤として日本ポリウレタン社製コロネートLを3質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製イルガキュア184を2質量部、溶剤として酢酸エチル50質量部を用いて混合し、粘着剤組成物を得た。
(粘着剤層組成物B)
n−ブチルアクリレート50mol%、2−エチルヘキシルアクリレート20mol%、メチルメタクリレート9mol%、メタクリル酸1mol%、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート20mol%を共重合させたアクリル系共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを付加反応させて紫外線硬化性アクリル系共重合体を得た。このとき、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合量を、得られる紫外線硬化性アクリル系共重合体の水酸基価が30mgKOH/gとなるようにした。この紫外線硬化性アクリル系共重合体を100質量部、硬化剤として日本ポリウレタン社製コロネートLを3質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製イルガキュア184を2質量部、溶剤として酢酸エチル50質量部を用いて混合し、粘着剤層組成物を得た。
(粘着剤層組成物C)
n−ブチルアクリレート50mol%、2−エチルヘキシルアクリレート40mol%、メチルメタクリレート4mol%、メタクリル酸1mol%、及び2−ヒドロキシプロピルアクリレート5mol%を共重合させたアクリル系共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを付加反応させて紫外線硬化性アクリル系共重合体を得た。このとき、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合量を、得られる紫外線硬化性アクリル系共重合体の水酸基価が5mgKOH/gとなるようにした。この紫外線硬化性アクリル系共重合体を100質量部、硬化剤として日本ポリウレタン社製コロネートLを3質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製イルガキュア184を2質量部、溶剤として酢酸エチル50質量部を用いて混合し、粘着剤組成物を得た。
(中間樹脂層組成物D)
アクリル系樹脂(平均質量分子量:55万、ガラス転移温度:−18℃)100質量部、硬化剤として日本ポリウレタン社製コロネートLを5質量部、溶剤として酢酸エチル50質量部を用いて混合し、中間樹脂層組成物を得た。
(粘着剤層組成物E)
n−ブチルアクリレート39mol%、メタクリル酸1mol%、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート60mol%を共重合させたアクリル共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを付加反応させて紫外線硬化性アクリル系共重合体を得た。このとき、前記2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合量を、得られる紫外線硬化性アクリル系共重合体の水酸基価が120mgKOH/gとなるようにした。この紫外線硬化性アクリル系共重合体を100質量部、硬化剤として日本ポリウレタン社製コロネートLを3質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製イルガキュア184を2質量部、溶剤として酢酸エチル50質量部を用いて混合し、粘着剤層組成物を得た。
(ダイシングテープの作製)
[実施例1〜4、8及び比較例1、2]
厚さ100μmの基材フィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム)に、それぞれ表1に示した粘着剤層組成物を乾燥膜厚が10μmとなるように塗工してウェハ加工用テープ(ダイシングテープ)を作製した。
[実施例5、6、7及び比較例3、4]
中間樹脂層組成物Dを乾燥膜厚が10μmとなるように基材フィルム(厚さ100μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム)に塗工し、さらに中間樹脂層の上に、それぞれ表1に示した粘着剤層組成物を乾燥膜厚が10μmとなるように塗工してウェハ加工用テープ(ダイシングテープ)を作製した。
(ダイシングダイボンドテープの作製)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成社製、商品名:2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、ダイボンドフィルム組成物を得た。
ダイボンドフィルム組成物を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が40μmの塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えたダイボンドフィルムを作製した。
実施例1、2、5、7、8及び比較例1、3については、ダイシングテープの粘着剤層上にダイボンドフィルムを貼合して、接着剤層を有するウェハ加工用テープ(ダイシングダイボンドテープ)とした。
(試験例1)
(ウェハの貼合)
実施例1、2、5、7、8及び比較例1、3のウェハ加工用テープ(ダイシングダイボンドテープ)については既に接着剤層(ダイボンドフィルム)が貼合されているので、そこにウェハを貼合した。このとき上述のようにダイシングテープの粘着剤層上にダイボンドフィルムを室温で貼り合わせた後(ダイシングダイボンドテープにした後)、これをシリコンウェハ(厚さ100μm)に加熱貼合(70℃×10秒)した(以下、これを貼合方法(i)という。)。
実施例3、4、6及び比較例2、4のウェハ加工用テープ(ダイシングテープ)については、ウェハに先にダイボンドフィルムのみを貼った後、ダイシングテープと貼合した。このときシリコンウェハ(厚さ100μm)にダイボンドフィルムのみを加熱貼合(70℃×10秒)した後、ダイシングテープを室温で貼り合わせた(以下、これを貼合方法(ii)という。)。
(ATR法を用いたFT−IR測定)
実施例、比較例で得た各ウェハ加工用テープについて、接着剤層と接する側の粘着剤層表面のFT−IR測定を行った。このとき、Nicolet社製、NEXUS470を使用し、そのATR法モードを用いて測定を行った。得られた赤外吸収スペクトルにおいて、粘着剤層表面におけるOH伸縮振動由来のピーク(3506cm−1)とエステル基のC=O伸縮振動由来のピーク(1728cm−1)の吸収強度比([水酸基]/[エステル基])を求めた。粘着剤層と接着剤層が貼合わせてあるダイシングダイボンドテープに関しては接着剤層を剥がした後の粘着剤層表面を測定した。それぞれ、使用セル:ZnSeプリズム、スキャン回数:100回、入射角:45度、ベースライン:4000cm−1と2000cm−1を結ぶ直線とした(尚、測定波長の進入深さdは、先に述べたとおり通常のアクリル系粘着剤等においては試料間で同等であると近似することができ、必要なときには吸収強度を補正して同等の深さとなるようにした。)。
(ピックアップ試験)
前記貼合方法(i)及び貼合方法(ii)に従って作製したテープ付きシリコンウェハを、5mm×5mmにダイシングした後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm照射し、シリコンウェハ中央部のチップ50個についてダイボンダー装置(旧NECマシナリー社製、CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされた素子に粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
それぞれの実施例、比較例におけるFT−IR測定とピックアップ試験の結果を表1にまとめた。
Figure 0004913584
IR吸収強度比が0.02より大きい値である比較例1〜4のテープを使用した場合には、接着剤層からの剥離力が不十分でピックアップミスを起こした。
IR吸収強度比が0.02以下である実施例2、4、7、8については、ピンハイト0.5mmにおいてピックアップ成功率が100%であり、ピックアップ性が良好であった。IR吸収強度比が0.015以下である実施例1、3については、ピンハイト0.5mmと0.3mmにおいてピックアップ成功率が100%であり、ピックアップ性が更に良好であった。また、中間樹脂層を設けた実施例5、6、7については、ピンハイト0.5mmと0.3mm、0.1mmにおいてピックアップ成功率が100%であり、ピックアップ性が極めて良好であった。
また、実施例で得られたテープのピックアップ試験により得られた良好なICチップを、ダイボンダーを用いてリードフレーム上にダイマウントした後、170℃、2時間の条件で加熱を行いリードフレームとICチップとを強固に接着できることを確認した。
(試験例2)
従来用いられている、エチルアクリレート50mol%、2-エチルヘキチルアクリレート9mol%、メチルメタクリレート1mol%、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート40mol%を共重合させたアクリル系共重合体:100質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート:50質量部、トリレンジイソシアネート:2質量部、ベンゾフェノン:3質量部を含有する粘着剤組成物用いた以外、実施例2と同様にしてウェハ加工用テープ(ダイシングテープ)を作製した。得られたテープについて、貼合方法(ii)と同様にしてウェハに接着剤層のみを貼合した接着剤層付きウェハの接着剤層に対する粘着力を測定した(剥離角度90°、剥離速度50mm/min)。
粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm照射し、紫外線照射前後の粘着力を測定した。紫外線照射前の粘着力は約2N/25mmであり、紫外線照射後は約4N/25mmであった。
これとは別に実施例2で得たウェハ加工用テープ(ダイシングテープ)について、上記と同様にして紫外線照射及び粘着力の測定を行った。実施例2のものは、紫外線照射前の粘着力が約1.5N/25mmであり、紫外線照射後は約0.2N/25mmであった。
上記試験例2の結果から分かるとおり、従来の粘着剤組成物を用いたテープでは紫外線照射によって粘着力が増加してしまいピックアップに適さない。これに対し、本発明のウェハ加工用テープは紫外線照射により粘着力が大幅に低下し、ダイシングされたチップについて良好なピックアップが可能となることが分かる。
図1は本発明のウェハ加工用のテープ(ダイシングダイボンドテープ)にウェハを貼合する態様を模式的に示す部分断面図である。 図2は本発明のウェハ加工用のテープ(ダイシングテープ)にウェハを貼合する態様を模式的に示す部分断面図である。
符号の説明
11、21 ウェハ
12、22 接着剤層(ボンディングフィルム)
13、23 粘着剤層
14、24 基材フィルム
15 ダイシングダイボンドテープ(接着剤層を有するウェハ加工用テープ)
25 ダイシングテープ(接着剤層付ウェハを加工するウェハ加工用テープ)
26 接着剤層付ウェハ
A ウェハの貼合を示す矢印
B 接着剤付ウェハの貼合を示す矢印

Claims (5)

  1. (a)ウェハの片面に、順に接着剤層と、表面に粘着剤層を設けた基材フィルムとを、少なくとも前記接着剤層と粘着剤層面とを貼合して配設する工程、(b)所望のチップ形状にそって前記ウェハをダイシングする工程、(c)接着剤層付チップを粘着剤層から剥離する工程を有するウェハ加工方法であって、
    前記粘着剤層にアルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとの共重合体を含有させ、
    前記接着剤層と接する側の粘着剤層表面について、FT−IRのATR法により求めた1710cm−1〜1740cm−1の範囲内におけるエステル基由来の吸収極大値に対する3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における水酸基由来の吸収極大値のIR吸収強度比を0.02以下としたことを特徴とするウェハ加工方法。
  2. アルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとの共重合体が光重合性を有するものであって、
    (b)のダイシング工程後に放射線を照射して粘着剤層の粘着力を低下させ、その後、(c)の剥離工程を行う、請求項1に記載のウェハ加工方法。
  3. 基材フィルム上に間接的あるいは直接的に粘着剤層を設け、更に前記粘着剤層の基材フィルムとは反対側に接着剤層を設けたウェハ加工用テープであって、
    前記粘着剤層にアルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとの共重合体を含有させ、
    接着剤層と接する側の粘着剤層表面について、FT−IRのATR法により求めた1710cm−1〜1740cm−1の範囲内におけるエステル基由来の吸収極大値に対する3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における水酸基由来の吸収極大値のIR吸収強度比を0.02以下としたことを特徴とするウェハ加工用テープ。
  4. 基材フィルム上に間接的あるいは直接的に粘着剤層を設けた、接着剤層付ウェハを加工するウェハ加工用テープであって、
    前記粘着剤層にアルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとの共重合体を含有させ、
    基材フィルムとは反対側の粘着剤層表面について、FT−IRのATR法により求めた1710cm−1〜1740cm−1の範囲内におけるエステル基由来の吸収極大値に対する3480cm−1〜3560cm−1の範囲内における水酸基由来の吸収極大値のIR吸収強度比を0.02以下としたことを特徴とするウェハ加工用テープ。
  5. 前記アルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとの共重合体が、構成成分として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート成分または2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート成分を含有するものであることを特徴とする請求項または記載のウェハ加工用テープ。
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