JP4002236B2 - ウエハ貼着用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、基材フィルムの片面に粘着剤層を設けてなる粘着テープに関するものである。さらに詳しくはシリコンウェハ等の半導体装置を製造するにあたりウェハ等を固定し、ダイシングし、さらに基板や半導体チップと重ね合わせるための接着工程に使用される半導体ウェハ貼着用粘着テープに関するものである。
ICなどの半導体装置の組立工程においては、パターン形成後の半導体ウェハ等は個々のチップに切断分離(ダイシング)する工程と、チップを基板等にマウントする工程、さらに樹脂等で封止する工程からなっている。
ダイシング工程は、半導体ウェハをあらかじめ粘着テープに貼り付けて固定した後、チップ形状に沿ってダイシングを行い、マウント工程は、チップを粘着テープから剥離(ピックアップ)させ、接着固定用の接着剤で基板等に固定する。
上記目的に使用するテープとしては、通常の感圧接着タイプのものと紫外線、電子線など放射線により硬化して粘着力が低下する性質を有するテープがあり、いずれもダイシングする際にはウェハが剥離しないような十分な粘着力を必要とし、ピックアップの際には容易に剥離できる性質が要求される。
また、マウント工程においては、チップと基板等において十分な接着力が要求される。
上記工程に使用されるダイシング用粘着テープと基板等への接着剤の機能を兼ね備え、接着剤の塗布の作業性を改善し、プロセスを簡略化させた粘接着テープが種々提案されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
これらの粘着テープは、ダイシング後、チップ裏面に粘着剤層を付けたままでピックアップし、基板等にマウントした後加熱などにより硬化接着させるいわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、接着剤の塗布工程を省略できるようにするものである。
しかしながら、これらの粘着テープに用いられている粘接着剤は、低粘度の塗布液であるためにテープ基材に対する濡れ性が低いため歩留まりが悪い問題があった。また、既存のダイ接着用接着剤に比べて接着強度が低く信頼性が得られにくいという問題を抱えている。
特開平2−32181号公報 特開平8−53655号公報
接着信頼性を確保しながらダイシング性能を付与する手段としては、ダイ接着用接着剤層とダイシングテープを積層して使用することが考えられる。しかしながら、この積層型テープの問題点は、接着剤とダイシングテープ間の剥離力コントロールが難しくなることである。接着信頼性の高いダイ接着用接着剤はウエハへの仮止めに通常加熱貼合を必要とするが、積層型テープではこの加熱貼合によりダイシングテープとダイボンドシート接着剤層間の剥離力も高まりダイシング後のピックアップ不良率が上昇してしまうと言う問題を抱えている。
また、予めダイボンドシートをウエハに加熱貼合し、ウエハに貼合されたダイ接着用接着剤層にダイシングテープを積層して使用することも考えられる。その場合においても、ウエハのダイボンドシートもしくはダイシングテープが貼合されない面には、通常、裏面研磨用の表面保護テープが貼合されており、表面保護テープの粘着力を低下させてウエハから剥離するために、一般的に加熱処理が施されている。加熱温度は40℃以上、一般には60℃程度である。そのため同様に、ダイ接着用接着剤層とダイシングテープの剥離力が上昇してしまうという問題を生ずる。
そこで、本発明は、ダイシング時には粘着剤層と接着剤層およびウェハと剥離しない十分な粘着力を有し、ピックアップの際には放射線硬化により粘着剤層と接着剤層付きチップが容易に剥離でき、マウント工程においては、チップと基板等において十分な接着力が得られるいわゆるダイレクトダイボンディングを可能にするウエハ貼着用粘着テープを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前述した目的を達成するために鋭意検討した結果、粘着テープに使用される粘接着組成物として、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上である粘着テープにダイ接着用接着剤層を積層することにより十分な接着信頼性を維持しつつピックアップ不良を生じないことを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材表面上に、放射線硬化型粘着剤層が形成されてなるウェハ貼着用粘着テープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とするウエハ貼着用粘着テープ、
(2)基材表面に順に、放射線硬化型粘着剤層及びダイ接着用接着剤層が形成されてなるウェハ貼着用粘着テープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とするウエハ貼着用粘着テープ、及び、
(3)前記粘着剤層に含まれる炭素−炭素二重結合の割合が0.5〜2.0meq/g(ミリ当量/g)であることを特徴とする(1)または(2)項に記載のウエハ貼着用粘着テープ
を提供するものである。
本明細書において、「主成分とし」とは、粘着成分と、硬化剤、重合開始剤で構成される粘着剤層の粘着成分の主成分が炭素−炭素2重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基をそれぞれ有するアクリル系共重合体であることを意味し、本発明の粘着テープは該粘着剤層の60重量%以上が炭素−炭素2重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基をそれぞれ有するアクリル系共重合体で構成されているものである。
本発明のウエハ貼着用粘着テープは、ダイシングの際にはダイシングテープとして使用でき、マウントの際には接着剤層を容易に剥離して使用でき、ダイレクトダイボンディングを可能とし、かつ、保存安定性に優れる。また、本発明のウエハ貼着用粘着テープは、予めダイボンドシートをウエハに加熱貼合し、ウエハに貼合されたダイ接着用接着剤層にダイシングテープを積層して使用する場合にも、好適に使用することができる。さらに、延伸後の素子間隙を十分なものとしつつ、放射線硬化後の粘着力の低減効果を得ることができる。
本発明のウエハ貼着用粘着テープは、基材表面上に、放射線硬化型粘着剤層が形成されてなり、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であるものである。また、基材表面には、放射線硬化型粘着剤層及びダイ接着用接着剤層が形成されていてもよく、基材表面に順に、放射線硬化型粘着剤層及びダイ接着用接着剤層が形成されていることが好ましい。
本発明に用いられる、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体(以下「アクリル系共重合体(A)」と称する)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物等からなる共重合体(A1)の炭素鎖を主鎖とし、共重合体(A1)が有する官能基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物(A2)を付加反応して得られる。
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。この場合、単量体として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも5質量%以下の範囲内でできる。
また、ヒドロキシル基含有不飽和化合物の例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
前記の付加反応することが可能な官能基と炭素−炭素二重結合を有する化合物(A2)の官能基としては、共重合体(A1)の官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、イソシアネート基などを挙げることができる。化合物(A2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および光重合性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
上記のアクリル系共重合体(A)の合成において、共重合を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α'−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾベルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節し、その後官能基における付加反応を行うことにより、所望の分子量のアクリル系共重合体(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この共重合は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
以上のようにして、アクリル系共重合体(A)を得ることができるが、本発明において、アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、30万〜100万程度が好ましい。30万未満では、放射線照射の凝集力が小さくなって、ウエハをダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。また、この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性があるからである。なお、特性面からは、ガラス転移点が低いので分子量が大きくても、パターン状ではなく全体を放射線照射した場合、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分ではないため、延伸後の素子間隙が不十分であり、ピックアップ時の画像認識が困難であるといった問題が発生することはないが、それでも90万以下である方が好ましい。なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
また、本発明において、アクリル系共重合体(A)の光重合性炭素−炭素二重結合の導入量は、放射線硬化後に十分な粘着力の低減効果が得られる量であればよく、UV照射量等の使用条件などにより異なり一義的ではないが、好ましくは0.5〜2.0meq/g、より好ましくは0.8〜1.5meq/gである。二重結合量が少なすぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が小さくなり、二重結合量が多すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分ではなく、延伸後の素子間隙が不十分であり、ピックアップ時に各素子の画像認識が困難になることがある。さらに、アクリル系共重合体(A)そのものが安定性に欠け、製造が困難となる。
本発明において、粘着剤層のゲル分率は、アクリル系共重合体(A)の平均分子量、硬化剤配合量により調整することが可能であるが、ゲル分率は60%以上であり、80%以上であることが更に好ましい。ゲル分率が小さすぎる場合には、粘着剤成分が接着界面で僅かに流動しやすく剥離力の経時安定性が得られにくい。
さらに、アクリル系共重合体(A)は、主鎖に対して、未反応の水酸基及びカルボキシル基を含有する基を有するものである。アクリル系共重合体(A)が、水酸基価5〜100となるような水酸基を有すると放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。水酸基価は20〜70であることがさらに好ましい。また、アクリル系共重合体(A)が、酸価0.5〜30となるようなカルボキシル基を有するとテープ復元性を改善することにより、使用済テープ収納型の機構への対応が容易とすることができるので好ましい。酸価は1〜10であることがさらに好ましい。ここで、アクリル系共重合体(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう。
なお、本発明に用いられる放射線硬化性粘着剤層を紫外線照射によって硬化させる場合には、必要に応じ副成分として、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
さらに、放射線硬化性粘着剤層には、必要に応じ副成分として、例えばポリイソシアネート化合物などの硬化剤等を含むことができる。硬化剤の配合量は、主成分であるアクリル系重合体100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。
粘着剤層の厚さは、5〜50μmが好ましい。
本発明に用いられる基材は、フィルムとして、放射線透過性を有するものであれば公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、またはポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。またはこれらの群から選ばれる2種以上が混合されたものもしくは複層化されたものでもよい。
基材フィルムの厚みは50〜200μmが好ましく用いられる。
このようにして得られた粘着テープとダイ接着用接着剤を積層ラミネートすることにより高性能なウエハ貼着用粘着テープを作成することが可能である。ダイ接着用接着剤にはアクリル/エポキシ系ダイ接着用接着剤等が使用される。ウエハ貼着用粘着テープを半導体ウエハに加熱貼合することでダイシング時には接着剤層、ウエハ、粘着剤層および基材フィルムが剥離しない十分な粘着力を有し、ピックアップの際には放射線硬化により粘着剤層と接着剤層付きチップが容易に剥離できる。
また、ダイ接着用接着剤フィルムが貼合されたウエハのダイ接着用接着剤層側に、本発明の粘着テープを貼着しても同様の効果が得られる。
ダイシング時の接着剤層と粘着剤層の剥離力は、好ましくは0.5〜10N/25mm、放射線照射後の接着剤層付きチップと粘着剤層付きテープの剥離力は0.5〜0.05N/25mmが好ましい。
本発明では、基材面上に放射線硬化型粘着剤層とダイ接着用接着剤層がこの順に形成されている。本発明におけるダイ接着用接着剤層には、例えば、エポキシ樹脂を主成分とするフィルム状接着剤などのダイ接着用として通常用いられる接着剤を用いることができる。ダイ接着用接着剤層の厚さは5〜50μmであることが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明する。
実施例1〜4
(アクリル系共重合体Aの合成)
ブチルアクリレート65質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部、アクリル酸10質量部を原料として溶液ラジカル重合により共重合体を得た。次にこの共重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを滴下反応させることで共重合体Aを作成した。2−イソシアネートエチルメタクリレート滴下量と溶液ラジカル重合の反応時間を適宜調整して、炭素−炭素二重結合量および分子量の異なる共重合体A1〜A5を作成した。
(ウエハ貼着用粘着テープの作成)
共重合体A1〜A5に硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)、光重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを下記表1の配合比で混合し、粘着剤を得た。
各々乾燥後の粘着剤厚さを10μmとし、高密度ポリエチレン樹脂フィルム(100μm)に塗工し、粘着テープを作成した。この粘着テープと厚さ25μmのエポキシ樹脂を主成分とするフィルム状接着剤を室温にて積層ラミネートすることで、表1に示した、実施例1〜4及び比較例1のウエハ貼着用粘着テープを作成した。
(特性試験)
上記のようにして作成したウエハ貼着用粘着テープの下記1〜6の特性について、それぞれ以下に記載のとおり試験を行った。試験結果を合わせて表1に示した。
1.ゲル分率
粘着剤層約0.05gを秤取し、キシレン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥する。次に、乾燥した不溶解分の質量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(不溶解分の質量/秤取した粘着剤層の質量)×100
2.粘着剤二重結合量
加熱乾燥された粘着剤約10gに含まれる炭素−炭素二重結合量を真空中暗所における臭素付加反応による重量増加法により定量測定した。
3.エキスパンド性(素子間隔)
作成したウエハ貼着用粘着テープを80℃×10秒でウエハへ加熱貼合した後、直径5インチの大きさのシリコンウエハを3×3mmの大きさにフルカットし、紫外線硬化(パターン状でなく全体を照射)後、ウエハ拡張装置(エアー圧2.0kg/cm2 )にて延伸した際の縦方向、横方向の素子間隙量を測定し、平均値を算出した。素子間隙量は、ダイシング時のブレード厚さ40μmを含む。
素子間隙の大きさ(q)を指標に下記の通り評価する。
○:q≧100μm:素子の画像認識が良好に行える
△:100>q≧80μm:素子の画像認識が困難である
×:q<80μm:素子の画像認識が不可能である
4.ピックアップ成功率
作成したウエハ貼着用粘着テープを80℃×10秒でウエハへ加熱貼合した後、10mm×10mmにダイシングした。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、ダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ100個でのピックアップ成功率を求めた。
5.剥離力
JIS Z0237に準拠してUV照射前後のそれぞれの剥離力を測定した(UV照射量は、1000mJ/cm2)。80℃に加熱されたシリコンウエハーミラー面にウエハ貼着用粘着テープを加熱貼合し、接着剤層と粘着テープ間の剥離力を測定した。試験は90°剥離、剥離速度50mm/分で行った。
6.保存安定性
作成したウエハ貼着用粘着テープを80℃×10秒でウエハへ加熱貼合した後、10mm×10mmにダイシングし、その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射し、室温条件(25℃、60%RH)に2週間放置した後のピックアップ成功率で評価した。
Figure 0004002236
表1からわかるように、本発明の実施例1〜3では、ピックアップ成功率及び保存安定性がいずれも100%であるのに加え、エキスパンド性も良好であった。また、実施例4では、エキスパンドの際の素子間隔がやや劣るものの、ピックアップ成功率及び保存安定性はいずれも100%であった。これに対し、比較例1は、保存安定性が著しく低いものであった。
これらの結果から、本発明のウエハ貼着用粘着テープは、ダイシングの際にはダイシングテープとして使用でき、マウントの際には接着剤層を容易に剥離して使用でき、ダイレクトダイボンディングを可能とし、かつ、保存安定性に優れることがわかる。
なお、粘着剤層に含まれる炭素−炭素二重結合の割合が低すぎる例として、炭素−炭素二重結合の割合を0.3meq/gに変化させて実施例1と同様に試験したところ、ピックアップ成功率が25%であった。このときのUV照射前の剥離力は1.42N/25mmであり、UV照射後の剥離力は0.4N/25mmである。
実施例5
実施例1と同様の粘着剤を乾燥後の厚さが10μmとなるように高密度ポリエチレン樹脂フィルム(厚さ100μm)に塗工して、粘着テープを作製した。一方、研削時の表面保護テープが貼合された直径5インチのシリコンウエハにおいて、該ウエハの保護テープが貼合されていない研削面に厚さ25μmフィルム状接着剤を80℃×10秒で加熱貼合した。作製した粘着テープをウエハに貼合された接着剤層に貼合し、次いで、表面保護テープを剥離するために60℃×100秒で加熱処理を施した。
その後、実施例1と同様にこのシリコンウエハを3×3mmの大きさにフルカットし、紫外線硬化後、エキスパンドしピックアップ試験を行ったところ、実施例1と同様の良好なエキスパンド性及びピックアップ性を示した。また、粘着テープの保存安定性も良好であった。
このことから、予めダイボンドシートをウエハに加熱貼合し、ウエハに貼合されたダイ接着用接着剤層に本発明の粘着テープを貼着して積層して使用する場合にも、好適に使用できることがわかる。

Claims (3)

  1. 基材表面上に、放射線硬化型粘着剤層が形成されてなるウェハ貼着用粘着テープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とするウエハ貼着用粘着テープ。
  2. 基材表面に順に、放射線硬化型粘着剤層及びダイ接着用接着剤層が形成されてなるウェハ貼着用粘着テープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とするウエハ貼着用粘着テープ。
  3. 前記粘着剤層に含まれる炭素−炭素二重結合の割合が0.5〜2.0meq/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のウエハ貼着用粘着テープ。
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