JP4748518B2 - ダイシングダイボンドテープおよびダイシングテープ - Google Patents
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Description
更に、このチッピングはウエハの厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
この方式では、ダイシングされたチップとダイボンドシートの小片の寸法は完全に一致し、且つ、両者が全くズレの無い状態で貼り合わされた状態を作ることができる。しかしながらこの場合、半導体ウエハの下方にはダイシングテープのみならず、両者の間にダイボンドシートが介在することになるため、ダイシング時にブレードからかかる切削抵抗によりウエハ、或いはチップはダイボンドシートが無い場合に比べ余計にブレを生じ易くなるため、顕著にチッピングが発生しやすくなるため、半導体ウエハのダイシングは、特に慎重を期すものとなり、その結果、加工速度の低下を招いている。
例えば、特許文献1では、半導体ウエハのスクライブラインに沿ってウエハ厚さよりも浅い切り込み深さの溝を形成後、パターン面を保護テープで保護した状態にてウエハ裏面を研削し、ウエハ厚を薄くするとともに個々のチップに分割し、ダイシングテープを貼着し、保護テープを剥離するという方法が提案されている。
この方法では、バックグラインド工程での裏面研削により、チップが個々に分割されるものであるため、チッピングの発生防止には一定の効果がある手段であるといえる。
この方法によれば、比較的小さな力で半導体ウエハを切断することができるので、半導体ウエハの表面に切断予定ラインから外れたチッピングを発生させることなく半導体ウエハの切断が可能な方法であるため、チッピングの発生防止には一定の効果がある手法であるといえる。
(a)半導体ウエハの、個々の半導体チップ又は半導体ウエハの半導体チップへと分割する分割予定部分にあらかじめレーザ光線を照射し、多光子吸収によって改質領域を内部に形成したのち、半導体ウエハにダイボンドシートとダイシングテープを積層して得たダイシングダイボンドテープを貼り付ける工程、
(b)ダイシングダイボンドテープをエキスパンドし、ダイボンドシートを各半導体チップに分断することにより、複数のダイボンドシート付半導体チップを得る工程
を含む半導体装置の製造方法に使用するダイシングダイボンドテープであって、該ダイシングダイボンドテープのダイシングテープが、幅25mm、標線間距離及びつかみ間距離100mm、引張速度300mm/minの試験条件下におけるテープ伸び率10%での引張荷重が16〜34Nであることを特徴とするダイシングダイボンドテープ、
(2)前記基材フィルム背面の表面粗さRaが0.76〜0.92μmとするかもしくは潤滑剤処理を行っていることを特徴とする(1)記載のダイシングダイボンドテープ。
(3)前記ダイシングダイボンドテープに使用される粘着剤層は、放射線硬化型粘着剤であって、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のダイシングダイボンドテープ、
(4)前記ダイシングダイボンドテープに使用される粘着剤層は、放射線硬化型粘着剤であって、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドテープ、
(5)前記の粘着剤層が放射線硬化性を有し、半導体ウエハにダイシングダイボンドテープを貼り付ける工程以前に放射線硬化が行われていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドテープ、
(6)前記のダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレームに貼合される部分にはダイボンドシートがないことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドテープ
を提供するものである。
図1における本発明のダイシングダイボンドテープは、基材フィルム1上に粘着剤層2、ダイボンドシート3がこの順に設けられた構造を有している。
本発明のダイシングダイボンドテープ10は、使用工程や装置に併せて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよく、ウエハ等が貼合される前のダイシングダイボンドテープ10を保護するためにカバーフィルムが設けられていてもよい。また、本発明のダイシングダイボンドテープ10は、ウエハ1枚分ごとに切断されていてもよいし、これを長尺にしたロール状であってもよい。
図3は、図2の実施態様に対して、半導体ウエハにダイボンドシートを貼り付けた後、ダイボンドシート付半導体ウエハにダイシングテープを貼り付けた状態が示されている。
(基材フィルム)
本発明のダイシングテープ及びダイシングダイボンドテープを構成する基材フィルムについて説明する。基材フィルムは複層でもよいし、単層で構成されていてもよい。エキスパンドの際に、エキスパンドの際にはダイボンドシートと半導体チップとの切断面をほぼ一致させて分断できるようにするために基材フィルムは、幅25mm、標線間距離及びつかみ間距離100mm、引張速度300mm/minの試験条件下におけるテープ伸び率10%での引張荷重が15N以上、さらに好ましくは伸び率が15%での引張荷重が20N以上である。標線間距離及びつかみ間距離についてはJIS K 7113で規定すると同じ意味である。
また基材フィルムの粘着剤層が塗布されない側の基材フィルム背面に、例えばシボ加工を施す等の方法により、表面粗さRaは0.3μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは基材フィルム背面の表面粗さRaは0.5μm以上である。このような表面粗さRaを有することにより、ブロッキング防止、ダイシングテープおよびダイシングダイボンドテープのエキスパンド時の治具との摩擦を減少することによるダイボンドシートの分断性向上の効果が得られ、好ましい。その他基材フィルム背面に潤滑剤を塗布するのでもよい。
基材フィルムを構成する樹脂組成物としては上記物性値の範囲内であれば特に限定されるものではなく、従来公知の各種プラスチック、ゴムなどを用いることができる。
粘着剤層は、基材フィルム上に粘着剤を塗工して製造してよい。本発明のダイシングテープ及びダイシングダイボンドテープを構成する粘着剤層に特に制限はなく、エキスパンドの際にダイボンドシートと半導体ウエハが剥離したりしない程度の保持性や、ピックアップ時にはダイボンドシートと剥離が容易とする特性を有するものであればよい。ピックアップ性を向上させるために、粘着剤層は放射線硬化性のものが好ましく、ダイボンドシートとの剥離が容易な材料であることが好ましい。
なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の質量平均分子量である。
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、ニカラックMX−45(三和ケミカル株式会社製、商品名)、メラン(日立化成工業株式会社製、商品名)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製、商品名)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(C)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
粘着剤層の厚さは少なくとも5μm、より好ましくは10μm以上であることが好ましい。なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよい。
本発明の好ましい実施態様である、ダイシングダイボンドテープの例は前記のダイボンドシートが積層された構成とすることができる。
なお、ここでダイボンドシートとは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、カットされたダイボンドシートが粘着剤層と剥離してチップに付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。ダイボンドシートは、特に限定されるものではないが、ダイシングダイボンドテープに一般的に使用されるダイボンドシートでフィルム状であれば良く、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂/無機フィラーのブレンド系粘接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
(基材フィルム1A)
エチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル社製、商品名、ハイミラン1706)の単層フィルムにシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
(基材フィルム1B)
エチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル社製、商品名、ハイミラン1706)を両側からエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポン・ケミカル製、商品名、ニュクレル0903HC)の層で挟んだ3層構成のフィルムにシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
(基材フィルム1C)
ポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名、FW3E)と水素添加してなるスチレン・ブタジエン共重合体(JSR社製、商品名、ダイナロン1320P)を7:3の割合で混合してなる単層フィルムにシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
(基材フィルム1D)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量20質量%)の単層フィルムにシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
(基材フィルム1E)
水素添加してなるスチレン・ブタジエン共重合体(JSR社製、商品名、ダイナロン1320P)の層を両側からポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名、FW3E)の層で挟んだ3層構成のフィルムにシボ加工を施してフィルム製膜を行った。
(基材フィルム1F)
エチレン−アイオノマー共重合体(三井デュポン・ケミカル社製、商品名、ハイミラン1706)の単層フィルムにシボ加工を施さずにフィルム製膜を行った。
(粘着剤組成物2A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整し、質量平均分子量60万、ガラス転移温度−60℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.8meq/gを有する化合物(A1)の溶液を得た。続いて、化合物(A1)溶液中の化合物(A1)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートL(商品名)2質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184(商品名)を3質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A1)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物2Aを調製した。
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整し、質量平均分子量60万、ガラス転移温度−60℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.8meq/gを有する化合物(A1)の溶液を得た。続いて、化合物(A1)溶液中の化合物(A1)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートL(商品名)0.5質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184(商品名)を3質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A1)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物2Bを調製した。
アクリル樹脂(質量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)4質量部を混合して粘着剤組成物2Cを得た。
(ダイボンドシート3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー60質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分間混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製、商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が25μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えたダイボンドシート3Aを作製した。
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分間混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製、商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
接着剤を厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が25μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えたダイボンドシート3Bを作製した。
表1に示すような作成例1〜11のダイボンドシートとダイシングテープ又はダイシングダイボンドテープを作製し、粘着剤ゲル分率、ダイシングテープ伸び率10%での引張荷重、破断伸び率、粘着力を下記のようにおこなった。ダイシングテープ伸び率10%での引張荷重、破断伸び率を作成例1〜10については紫外線照射前に測定を行い、作成例11については紫外線照射後に測定を行った。
粘着剤層約0.05gを秤取し、キシレン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥する。次に、乾燥した不溶解分の質量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(不溶解分の質量/秤取した粘着剤層の質量)×100
実施例および比較例に使用したダイシングテープの引張試験は、23±2℃の温度、50±5%の湿度、幅25mm、標線間距離及びつかみ間距離100mm、300mm/minの速度で試験を行ない、機械加工方向(MD)における測定値である。
実施例および比較例によって得られるダイシングテープを平滑なミラーウエハに貼合することで固定し基材フィルム背面側の算術表面粗さRaを表面粗さ測定器(ミツトヨ社製、商品名:サーフテストSJ−301)を使用してフィルム押し出し方向(MD方向)にN=5で測定し平均値を求めた。
JIS Z0237に準拠して紫外線照射前後のそれぞれの剥離力を測定した(紫外線照射量は、200mJ/cm2)。80℃に加熱されたシリコンウエハーミラー面にダイシングダイボンドテープを加熱貼合し、ダイボンドシートとダイシングテープ間の剥離力を測定した。試験は90°剥離、剥離速度50mm/分で行った。
半導体ウエハ11(厚さ75μm、縦5mm×横5mm)に図4に示されるようにレーザ加工により改質領域13を形成した。
下記の条件で、レーザ加工を行った。
レーザー加工装置として株式会社東京精密製 ML200RMEを用いてシリコンウエハの内部に集光点を合わせ、切断予定ラインに沿って半導体ウエハの表面側からレーザ光を照射し、半導体ウエハの内部に改質領域を形成した。
(A)半導体基板:シリコンウエハ(厚さ75μm、外径6インチ)
(B)レーザ光源:半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ
波長:1064nm
レーザ光スポット断面積:3.14×10−8 cm2
発振形態:Qスイッチパルス
繰り返し周波数:100kHz
パルス幅:30ns
出力:20μJ/パルス
レーザ光品質:TEM00 40
偏光特性:直線偏光
(C)集光用レンズ
倍率:50倍
NA:0.55
レーザ光波長に対する透過率:60パーセント
(D)半導体基板が載置される載置台の移動速度:100mm/秒
半導体ウエハ(厚さ75μm、縦5mm×横5mm)に図4に示されるようにレーザ加工により改質領域を形成した。この半導体ウエハ11とダイシングダイボンドテープ10を60℃で貼合した。ダイシングダイボンドテープ10の外周部にはステンレス製のリングフレーム12を貼り付けた。続いて、図5(a)及び(b)に示すように得られたダイシングダイボンドテープ付半導体ウエハをエキスパンド装置により、リングフレームを固定しダイシングダイボンドテープをエキスパンドした。このときのエキスパンド条件はエキスパンド速度が30mm/s、エキスパンド量が15mmであった。
半導体ウエハ(厚さ500μm、縦5mm×横5mm)に図6(a)、(b)に示されるようにダイシング加工により半導体ウエハをハーフカットした。図中17はダイシングブレード、18は切り込み溝、19は表面保護テープを示す。次いで図6(c)に示すようにこの半導体ウエハの裏面を厚さ75μmまで裏面研削することによって分割された個々の半導体チップ(縦5mm×横5mm)を得た。これらの半導体チップとダイボンドシートを60℃で貼合し、次に、ダイシングテープを貼合した。ダイシングテープの外周部にはステンレス製のリングフレームを貼り付けた。続いて、得られたダイボンドシート付半導体ウエハをエキスパンド装置により、図7(a)、(b)に示すステップでリングフレームを固定しダイシングテープをエキスパンドした。このときのエキスパンド条件はエキスパンド速度が30mm/s、エキスパンド量が15mmであった。
半導体ウエハ(厚さ500μm、縦5mm×横5mm)に図6に示されるように、ダイシング加工により半導体ウエハをハーフカットした。この半導体ウエハの裏面を厚さ75μmまで裏面研削することによって分割された個々の半導体チップを得た。ダイシングダイボンドテープの外周部にはステンレス製のリングフレームを貼り付けた。続いて、得られたダイシングダイボンドテープ付半導体ウエハを図7(a)、(b)に示すステップでエキスパンド装置により、リングフレームを固定しダイシングダイボンドテープをエキスパンドした。このときのエキスパンド条件はエキスパンド速度が30mm/s、エキスパンド量が15mmであった。
作成例1〜11のダイボンドシート、ダイシングテープまたはダイシングダイボンドテープと工程1〜4を適宜組合せて、下記の方法で分断性、端部はみ出し、ピックアップ試験の評価結果を表3に示す。
実施例、参考例、比較例に示された条件において、ダイボンドシート付半導体チップをチップサイズ5mm×5mmとなるように加工し、エキスパンド後に半導体付ダイボンドシートが分断されたか否かを光学顕微鏡で観察した。加工を施した半導体付ダイボンドシートが90%以上分断されたものを良好(○)、分断率が90%未満のものを不良(×)とした。
また、分断された部分のダイボンドシート付半導体チップをピックアップしダイボンドシートの端面を図8に示すように光学顕微鏡で観察した。チップ端面からはみ出したダイボンドシートの長さ20をはみ出し長さとした。その長さが0〜30μmの場合を極めて良好(◎)、30μmを越え60μm以下の場合を良好(○)、それより大きいものを不良(×)とした。
実施例、参考例、比較例に示された条件において、ダイボンドシート付半導体チップをチップサイズ5mm×5mmとなるように加工し、ダイシングテープ又はダイシングダイボンドテープをエキスパンド後に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、ダイボンドシート付半導体チップをダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によりピックアップ試験を行った。ピックアップが20チップ連続して成功する突上げピンの最小突上げ高さ(mm)を求めた。その際、ピックアップされた半導体チップに粘着剤層から剥離したダイボンドシートが保持されているものをピックアップが成功したものとした。
2 粘着剤層
3 ダイボンドシート
10 ダイシングダイボンドテープ
11 半導体ウエハ
12 リングフレーム
13 改質層(分断予定部分)
14 突上げ部
15 ステージ
16 エキスパンド量
17 ダイシングブレード
18 切り込み溝
19 表面保護テープ
20 端部はみ出し長さ
Claims (6)
- 基材フィルム上に粘着剤層、ダイボンドシートがこの順に積層されているダイシングダイボンドテープであって、該ダイシングダイボンドテープが、
(a)半導体ウエハの、個々の半導体チップ又は半導体ウエハの半導体チップへと分割する分割予定部分にあらかじめレーザ光線を照射し、多光子吸収によって改質領域を内部に形成したのち、半導体ウエハにダイボンドシートとダイシングテープを積層して得たダイシングダイボンドテープを貼り付ける工程、
(b)ダイシングダイボンドテープをエキスパンドし、ダイボンドシートを各半導体チップに分断することにより、複数のダイボンドシート付半導体チップを得る工程
を含む半導体装置の製造方法に使用するダイシングダイボンドテープであって、該ダイシングダイボンドテープのダイシングテープが、幅25mm、標線間距離及びつかみ間距離100mm、引張速度300mm/minの試験条件下におけるテープ伸び率10%での引張荷重が16〜34Nであることを特徴とするダイシングダイボンドテープ。 - 前記基材フィルム背面の表面粗さRaが0.76〜0.92μmとするかもしくは潤滑剤処理を行っていることを特徴とする請求項1記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記ダイシングダイボンドテープに使用される粘着剤層は、放射線硬化型粘着剤であって、該粘着剤層が、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有するアクリル系共重合体を主成分とし、かつゲル分率が60%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記ダイシングダイボンドテープに使用される粘着剤層は、放射線硬化型粘着剤であって、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)を付加反応させてなるポリマーを含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記の粘着剤層が放射線硬化性を有し、半導体ウエハにダイシングダイボンドテープを貼り付ける工程以前に放射線硬化が行われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドテープ。
- 前記のダイシングダイボンドテープであって、ダイシング用フレームに貼合される部分にはダイボンドシートがないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドテープ。
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