JP4794971B2 - ダイシングダイボンドシート - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハを半導体素子に切断分離するダイシング工程と、前記半導体素子を支持部材に接着するダイボンド工程との両工程に使用するダイシングダイボンドシートに関する。
大径の状態で製造された半導体ウエハを半導体素子(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)し、切断された各半導体素子をリードフレームや誘起基板等の支持部材に接着(ダイボンド)する工程として、近年、ウエハ裏面貼付け方式が多く採用されている。
このウエハ裏面貼付け方式の場合には、まず(1)半導体ウエハの裏面にフィルム状接着剤を貼付け、(2)さらにフィルム状接着剤にダイシングテープを貼り合わせ、(3)その後前記ウエハからダイシングによって半導体素子を個片化し、(4)個片化したフィルム状接着剤付き半導体素子をピックアップし(5)それを支持部材に接合(ダイボンド)し、(6)その後の加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。
このウエハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤は、フィルム状接着剤付き半導体素子を支持部材に接合するためフィルム状接着剤を個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのままあるいは熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できる。そのため、フィルム状接着剤を用いた組立方法の中で製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
しかしながら、ウエハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いる方法にあっては、前記ダイシング工程までに、フィルム状接着剤とダイシングテープを貼付するといった2つの貼付工程が必要であることから、さらなる作業工程の簡略化が求められており、フィルム状接着剤をダイシングテープ上に付設した一体型のシート(ダイシングダイボンドシート)を作成し、これをウエハに貼り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
ところが、このフィルム状接着剤をダイシングテープ上に付設し一体化したシート(ダイシングダイボンドシート)の場合、フィルム状接着剤の接着剤層と、ダイシングテープの粘着剤層と剥離を容易にするために、接着剤層は常温で粘着性がないように設計されており、このダイシングダイボンドシートをウエハへ貼合する際にはウエハの加熱が必要となっていた。このため、ダイシングダイボンドシートを使用する際には、別途加熱装置が必要であった。また、ダイシングダイボンドシート製造に関しては、ダイシング時にウエハの固定用として繰り返し用いられる治具(例えばダイシングフレーム)へ貼着させるために、ダイシングフレーム貼着部分にはフィルム状接着剤が存在しないように加工する必要があり、この加工費のためコスト高になっていた。
特開平2−32181号公報 特開平8−53655号公報
本発明は、ダイシングフレームを貼合する部分に特別に加工する必要がなく、ウエハへの常温貼合が可能なダイシングダイボンドシートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、基材フィルムに粘着剤層、接着剤層がこの順に形成されて粘接着剤層が形成されたダイシングダイボンドシートであって、該接着剤層の最外層が放射線硬化型の樹脂組成物で構成されるとともに、該粘着剤層に接する接着剤層が熱硬化型の樹脂組成物で構成されるダイシングダイボンドシートが、ウエハ貼合部分でのチップ剥離時には、粘着剤層と接着剤層界面で剥離でき、かつダイシングフレームを剥離するときは、粘接着剤層とダイシングフレーム界面で剥離が可能であり、さらに優れた耐リフロー性も達成可能であることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルム上に、粘着剤層、接着剤層がこの順に形成されてなるダイシングダイボンドシートであって、前記接着剤層が少なくとも2層以上からなり、前記接着剤層の最外層が放射線硬化型の樹脂組成物で構成されるとともに、前記粘着剤層に接する接着剤層が熱硬化型の樹脂組成物で構成され、前記最外層である放射線硬化型接着剤層のプローブタックのピーク値が放射線照射前では57mN/mm以上でかつ放射線照射後では40mN/mm以下であり、前記最外層を構成する放射線硬化型の樹脂組成物が、ガラス転移点が−50℃以上0℃以下の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体を含有することを特徴とするダイシングダイボンドシート、
(2)前記最外層である放射線硬化型接着剤層の厚みが5μm以下であることを特徴とする(1)に記載のダイシングダイボンドシート、
(3)前記最外層を構成する放射線硬化型の樹脂組成物は、前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体のほかに、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載のダイシングダイボンドシート、
(4)前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体は、モノマー成分として少なくともグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のダイシングダイボンドシート、
を提供するものである。
本発明のダイシングダイボンドシートでは、ダイシングダイボンドシート製造時に特別な加工をする必要がなく、ダイシングフレームへの転着を防止し、更に優れたピックアップ性、耐リフロー性を得ることができる。
本発明のダイシングダイボンドシートは、基材フィルム上に粘着剤層、接着剤層がこの順に形成され、接着剤層が少なくとも2層以上からなるものである。以下さらに詳細に説明する。
なお本発明のダイシングダイボンドシートは、基材フィルム上に、粘着剤層、接着剤層がこの順に形成されたものであるが、粘着剤層は、接着剤層としての機能を有しているものでもよく、その場合には、その両方の機能を有している層を粘着剤層と称する。
(基材フィルム)
本発明における基材フィルムは、通常、ダイシングダイボンドシートに使用されるものであれば特に限定されず、プラスチック、ゴムなどを好ましく用いることができるが、基材フィルム側から放射線照射した場合でも接着剤層の最外層の樹脂組成物が硬化するよう、放射線透過性の点を考慮に入れて材料選択することが必要とされる。
なお本発明においては、放射線とは紫外線のような光線、または電子線などの電離性放射線をいうが、放射線のうち紫外線を選択し、その照射によって放射線硬化型樹脂組成物を硬化させる場合には、この基材として紫外線透過性のよいものを選択する必要がある。
このような基材として選択し得る材料の例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。
ハロゲンを含むポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、FEP、PFA等のポリマーは、遊離ハロゲンまたは遊離ハロゲン酸が、素子に悪影響を及ぼすため好ましくないので、使用するにしても少量とするのが好ましい。
なお、素子間隙を大きくするためには、ネッキング(基材フィルムを放射状延伸したときに起こる力の伝播性不良による部分的な伸びの発生)の極力少ないものが好ましく、ポリウレタンや分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を例示することができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルムを用いると効果的である。基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmとするのが好ましい。
また基材フィルムの粘接着剤層を塗布する側と反対側表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすると、ダイシングダイボンドシート保管時のブロッキング防止のほか、ダイシングダイボンドシートを放射状に延伸した場合のダイシングダイボンドシートと治具との摩擦を減少することができ、基材フィルムのネッキング防止などの効果があるので好ましい。
(粘着剤層)
本発明のダイシングダイボンドシートにおいて、粘着剤層は特に限定されないが、照射前後の粘着力制御の容易さの点から、放射線硬化型の樹脂組成物を使用することが好ましい。
その場合には、特に分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物(B)とを反応させて得られた樹脂をベース樹脂としたアクリル系粘着剤が好ましい。
粘着剤層を構成するベース樹脂の主成分の1つである化合物(A)について説明する。本発明において、化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の導入量はヨウ素価で0.5〜20、好ましくは0.8〜10とする。ヨウ素価が0.5以上であると、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができ、ヨウ素価が20以下であれば、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分で、延伸後の素子間隙を十分得ることができるため、ピックアップ時に各素子の画像認識が困難になるという問題が抑制できる。さらに、化合物(A)そのものに安定性があり、製造が容易となる。
上記化合物(A)は、ガラス転移点が−70℃〜0℃であることが好ましく、−66℃〜−28℃であることがより好ましい。ガラス転移点(以下、「Tg」とも言う。)が−70℃以上であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性が十分であり、0℃以下であれば、表面状態が粗いウエハにおけるダイシング後の素子の飛散防止効果が十分得られる。
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物(1)と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物(2)とを反応させて得たものが用いられる。
このうち、前記の放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(1)は、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、官能基を有する単量体((1)−2)とを共重合させて得ることができる。
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総重量の5重量%以下の範囲内で可能である。
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
化合物(2)において、用いられる官能基としては、化合物(1)、つまり単量体((1)−2)の有する官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、エポキシ基である場合には、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができ、具体例としては、単量体((1)−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
化合物(1)と化合物(2)の反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などの特性に関して、本発明で規定するものを製造することができる。
上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましい。また重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
以上のようにして、化合物(A)を得ることができるが、本発明において、化合物(A)の分子量は、30万〜100万程度が好ましい。30万未満では、放射線照射による凝集力が小さくなって、ウエハをダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。
なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
つぎに、粘着剤層のもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)または基材フィルムと反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。を挙げることができ、具体的には、市販品として、コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製、商品名)等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製、商品名)、メラン(日立化成工業株式会社製、商品名)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製、商品名)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(B)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.4〜3重量部とすることがより好ましい。その量が0.1重量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10重量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれる傾向がある。
また、本発明において、粘着剤層には、光重合開始剤(C)が含まれていることが好ましい。粘着剤層の含まれる光重合開始剤(C)に特に特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜5重量部とすることが好ましい。
さらに本発明に用いられる放射線硬化型の粘着剤には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤および慣用成分を配合することができる。粘着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常2〜50μmである。
(最外層の接着剤層)
本発明のダイシングダイボンドシートにおける接着剤層は少なくとも2層以上からなり、その最外層は、放射線硬化型の樹脂組成物で構成される。放射線硬化型であれば特に限定されないが、プローブタックのピーク値は放射線照射前では57mN/mm 以上でかつ放射線照射後では40mN/mm 以下となるよう選択することが好ましい。この範囲内であれば、放射線照射前には常温でダイシングフレームに転着可能であり、照射後にはダイシングフレームからの剥離が容易となる。
一般にプローブタックのピーク値は、金属などで作製された円柱(直径が3〜5mmのプローブ)断面を粘着面に一定の圧力、時間、温度などで押しつけ、一定の速度で引き剥がすときの最大強度として測定された値をいうが、本発明においては直径3mmの円柱型プローブを用いて、接触速さ0.5mm/s、接触荷重694mN/mm2、接触時間10秒、引き剥がし速さ10mm/sで25℃で測定されたものをいうものとする。
最外層である放射線硬化型接着剤層を構成する樹脂組成物は、基材フィルム側から放射線を照射することにより粘着性が低減するものであれば特に制限されないが、当該接着剤層は、伸び率60%における引張り応力が放射線照射後では10MPa以上であることが好ましい。
最外層である放射線硬化型接着剤層の厚みは、5μm以下とすることが好ましい。また最外層である放射線硬化型接着剤層が部分的形成されていることが好ましい。例えば、点状で一定形状、一定配列で形成されてなることが好ましい。また最外層である放射線硬化型接着剤層に貫通孔構造を採用することにより、部分的に接着剤層を設けることが好ましい。これらの構造を採用した場合には、特に耐リフロークラック性が特に優れるという効果が得られる。
また粘着剤層に接する接着剤層を10〜30μm程度と厚くし、最外層の放射線硬化型の接着剤層を10μm以下程度と薄くするのが好ましい。このようにすることにより、ダイシングフレームからの剥離時に接着剤層が残留する原因となる接着剤層の破断を抑制する効果が得られる。
最外層である接着剤層を構成する樹脂組成物は、常温でウエハに貼合できダイシング加工できるような粘着性を有するとともに、ダイシング加工が終了し放射線照射をすることにより被着体から剥離でき、その後加熱することにより接着性が発現し、ダイボンド剤として作用するものである。
このような性能を発揮できる接着剤であれば、特に制限なく最外層である接着剤層として使用できるが、エポキシ樹脂とともに放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体を含有することが好ましい
放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体として、例えば放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを例示することができる。
最外層の接着剤層には、炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)、エポキシ樹脂(b)の他にさらにフェノール樹脂(c)を含有する組成物とすることが好ましい。以下それぞれの成分について説明する。
炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)に関しては、粘着剤層に用いられる化合物(A)と同様の方法で製造することができる。例えば、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、エポキシ基を官能基として有する単量体((1)−2)を共重合させて得られた化合物(1)と、カルボキシル基、環状酸無水物、アミノ基を有する化合物(2)との反応により得ることできる。また、炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)のTgとしては、常温でタックを持たせるために−50℃以上0℃以下であることが好ましい。
本発明において使用されるエポキシ樹脂(b)は、硬化して接着作用を呈するものであれば特に制限はないが、二官能基以上で、好ましくは分子量が5000未満、より好ましくは3000未満のエポキシ樹脂が使用できる。また、好ましくは分子量が500以上、より好ましくは800以上のエポキシ樹脂が使用できる。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などの二官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、多官能エポキシ樹脂や複素環含有エポキシ樹脂等、一般に知られているものを適用することもできる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
より具体的には、例えば市販のものでは、エピコート807,エピコート815),エピコート825,エピコート827,エピコート828,エピコート834,エピコート1001,エピコート1002,エピコート1003,エピコート1055,エピコート1004,エピコート1004AF,エピコート1007,エピコート1009,エピコート1003F,エピコート1004F(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、DER−330,DER−301,DER−361,DER−661,DER−662,DER−663U,DER−664,DER−664U,DER−667,DER−642U,DER−672U,DER−673MF,DER−668,DER−669(以上、ダウケミカル社製、商品名)、YD8125,YDF8170(以上、東都化成株式会社製、商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、YDF−2004(東都化成株式会社製、商品名)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、エピコート152,エピコート154(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、EPPN−201(日本化薬株式会社製、商品名)、DEN−438(ダウケミカル社製、商品名)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート180S65(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、アラルダイトECN1273,アラルダイトECN1280,アラルダイトECN1299(以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)、YDCN−701,YDCN−702,YDCN−703,YDCN−704(以上、東都化成株式会社製、商品名)、EOCN−102S,EOCN−103S,EOCN−104S,EOCN−1012,EOCN−1020,EOCN−1025,EOCN−1027(以上、日本化薬株式会社製、商品名)、ESCN−195X,ESCN−200L,ESCN−220(以上、住友化学工業株式会社製、商品名)等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポン1031S,エピコート1032H60,エピコート157S70(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、アラルダイト0163(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)、デナコールEX−611,デナコールEX−614,デナコールEX−614B,デナコールEX−622,デナコールEX−512,デナコールEX−521,デナコールEX−421,デナコールEX−411,デナコールEX−321(以上、ナガセ化成株式会社製、商品名)、EPPN501H,EPPN502H(以上、日本化薬株式会社製、商品名)等の多官能エポキシ樹脂、エピコート604(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、YH−434(東都化成株式会社製、商品名)、TETRAD−X,TETRAD−C(以上、三菱ガス化学株式会社製、商品名)、ELM−120(住友化学株式会社製、商品名)等のアミン型エポキシ樹脂、アラルダイトPT810(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)等の複素環含有エポキシ樹脂、ERL4234,ERL4299,ERL4221,ERL4206(以上、UCC社製、商品名)等の脂環式エポキシ樹脂などを使用することができ、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明においては、耐熱性の観点から、室温で固体であり、環球式で測定した軟化点が50℃以上のエポキシ樹脂を使用することが好ましく、その使用量としては、エポキシ樹脂(b)全体の20重量%以上であることが好ましく、40重量%以上がより好ましく、60重量%以上が更に好ましい。例えば、市販品のものでは、YDCN−703,YDCN−704(以上、東都化成株式会社製、商品名)、エピコート1004,エピコート1007(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)等を挙げることができる。
分子量が600以上であり、軟化点が50℃以上であるエポキシ樹脂は、エポキシ基含有アクリル共重合体(a)との極性の差が大きく相溶しにくいことから、このようなエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
また、本発明において、エポキシ樹脂(b)のエポキシ当量は、100〜2000g/eqであることが好ましく、150〜1000g/eqであることがより好ましく、150〜300g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ当量が100g/eq未満であると、硬化物が脆く、接着性が低下する傾向があり、2000g/eqを超えると、Tgが低下し、耐熱性が悪化する傾向がある。
フェノール樹脂(c)としては、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば特に制限は無いが、吸湿時の耐電食性に優れることから、ノボラック型あるいはレゾール型の樹脂を用いることが好ましい。水酸基当量は、好ましくは150〜400g/eq、より好ましくは180〜300g/eq、さらに好ましくは180〜250g/eqである。水酸基当量が150g/eq未満であると、吸水率が増大し、耐リフロー性が悪化する傾向があり、400g/eqを超えると、Tgが低下し、耐熱性が悪化する傾向がある。
そのようなフェノール樹脂の具体例として、例えば、次記一般式(I)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。
(式中、R1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、nは、1〜3の整数を表し、そしてmは、0〜50の整数を表す)
Figure 0004794971
上記フェノール樹脂(c)は、耐湿性の観点から、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に48時間投入後の吸水率が2重量%以下であることが好ましい。また、熱重量分析計(TGA)で測定した350℃での加熱重量減少率(昇温速度:5℃/min,雰囲気:窒素)が5重量%未満のものを使用することは、加熱加工時などにおいて揮発分が抑制されることで、耐熱性、耐湿性などの諸特性の信頼性が高くなり、また、加熱加工などの作業時の揮発分による機器の汚染を低減することができるために、好ましい。
式(I)で示される本発明のフェノール樹脂は、例えば、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物を、無触媒又は酸触媒の存在下に反応させて得ることができる。また市販品としては、例えば、ミレックスXLC−シリーズ,同XLシリーズ(以上、三井化学株式会社製、商品名)などを挙げることができる。
上記フェノール樹脂(c)とエポキシ樹脂(b)との配合量は、それぞれエポキシ当量と水酸基当量の当量比で0.70/0.30〜0.30/0.70となるのが好ましく、0.65/0.35〜0.35/0.65となるのがより好ましく、0.60/0.30〜0.30/0.60となるのがさらに好ましく、0.55/0.45〜0.45/0.55となるのが特に好ましい。配合比が上記範囲を超えると、接着剤にした際、硬化性に劣る可能性がある。
式(I)のフェノール樹脂の製造に用いられるフェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−n−プロピルフェノール、m−n−プロピルフェノール、p−n−プロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、2,4,6−トリメチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−アリルフェノール、p−アリルフェノール、o−ベンジルフェノール、p−ベンジルフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール等が例示される。
これらのフェノール化合物は、単独用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。特に好ましくは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等が挙げられる。
式(I)のフェノール樹脂の製造に用いられる2価の連結基であるキシリレン化合物としては、次に示すキシリレンジハライド、キシリレンジグリコール及びその誘導体が用いることができる。すなわち、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−n−プロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−o−キシレン、α,α′−ジ−イソプロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−o−キシレンを挙げることができ、中でも好ましいのはα,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレンであり、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記したフェノール化合物とキシリレン化合物を反応させる際には、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機カルボン酸類;トリフロロメタンスルホン酸等の超強酸類;アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂のような、強酸性イオン交換樹脂類;パーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂の様な、超強酸性イオン交換樹脂類(商品名:ナフィオン、Nafion、Du Pont社製);天然及び合成ゼオライト類;活性白土(酸性白土)類等の酸性触媒を用い、50〜250℃において実質的に原料であるキシリレン化合物が消失し、且つ反応組成が一定になるまで反応させる。反応時間は原料や反応温度にもよるが、おおむね1時間〜15時間程度であり、実際には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等により反応組成を追跡しながら決定すればよい。
尚、例外的に、α,α’−ジクロロ−p−キシレンのようなハロゲノキシレン誘導体を用いる場合は、対応するハロゲン化水素ガスを生じながら無触媒にて反応が進行するため、酸触媒は必要としない。その他の場合は、酸触媒の存在下において反応が進行し、対応する水又はアルコールが生じる。
尚、フェノール化合物とキシリレン化合物との反応モル比は通常フェノール化合物を過剰に用い、反応後、未反応フェノール化合物を回収する。この時フェノール化合物の量により平均分子量が決定し、フェノール化合物がより多く過剰にあるほど平均分子量の低いフェノール樹脂が得られる。尚、フェノール化合物部分がアリルフェノールであるフェノール樹脂は、例えば、アリル化されていないフェノール樹脂を製造し、これにアリルハライドを反応させ、アリルエーテルを経て、クライゼン転移によりアリル化する方法により得ることができる。
本発明では、更に、フィラー(d)及び硬化促進剤(e)を添加することもできる。フィラー(d)としては、具体的には無機フィラー及び有機フィラーが挙げられるが、その取り扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整及びチキソトロピック性付与などのために、無機フィラーを添加することが好ましい。
無機フィラーとしては特に制限が無く、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカなどが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用することもできる。熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。特性のバランスの観点ではシリカが好ましい。
フィラーの(d)の平均粒径は、0.005〜0.1μmであることが好ましく、0.008〜0.05μmであることがより好ましく、0.01〜0.03μmであることがさらに好ましい。フィラーの平均粒径が0.005μm未満であると被着体へのぬれ性が低下し、接着性が低下する傾向があり、0.1μmを超えるとフィラー添加による補強効果が小さくなり、耐熱性が低下する傾向がある。なお、本発明において、平均粒径とは、TEM、SEM等により測定したフィラー100個の粒径から求められる平均値をいう。
上記フィラーの具体例としては、シリカはシーアイ化成株式会社からナノテックSiO2(接触角:43度、平均粒径:0.012μm)という商品名で、或いは日本アエロジル株式会社からアエロジルR972(平均粒径:0.016μm)という商品名で市販されている。アルミナは、シーアイ化成株式会社からナノテックAl(接触角:55度、平均粒径:0.033μm)という商品名で市販されている。三酸化二アンチモンは日本精鉱株式会社からPATOX−U(接触角:43度、平均粒径:0.02μm)という商品名で市販されている。
本発明の接着剤に使用される硬化促進剤(e)としては、特に制限が無く、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩などを用いることができる。本発明において好ましく使用されるイミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することもできる。イミダゾール類は、例えば、四国化成工業(株)から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
硬化促進剤(e)の配合量は、エポキシ樹脂(b)及びフェノール樹脂(c)との総量に対して0.01〜5重量%とすることが好ましく、0.05〜3重量%とすることがより好ましく、更には0.2〜3重量%とすることがより好ましい。硬化促進剤の配合量が0.01重量%未満であると、エポキシ樹脂の架橋が不充分であり、耐熱性が低下する傾向があり、5重量%を超えると、保存安定性が低下し、ポットライフが不充分となる傾向がある。
また、本発明の接着剤組成物には、異種材料間の界面結合を良くするために、更に、各種カップリング剤を添加することもできる。
カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。カップリング剤の添加量は、その効果や耐熱性およびコストから、樹脂の合計100重量部に対し、0〜10重量部とするのが好ましい。
また、この接着剤層を紫外線照射によって硬化させる場合には必要に応じて、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。粘接着剤層にアクリル系共重合体を使用した粘着剤を用いた場合、これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
(粘着剤層に接する接着剤層)
粘着剤層に接する接着剤層は、熱硬化型であれば特に制限されないが、エポキシ基含有アクリル共重合体(f)、エポキシ樹脂(b)、フェノール樹脂(c)を含有する組成物により形成されることが好ましい。
上記エポキシ基含有アクリル共重合体(f)は、モノマー成分としてグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを0.5〜6重量%含んでいる共重合体であることが好ましい。高い接着力を得るためには、0.5重量%以上が好ましく、6重量%以下であればゲル化を抑制できる。上記エポキシ基含有アクリル共重合体(f)のガラス転移点(Tg)としては、−50℃以上30℃以下、更には−10℃以上30℃以下であることが好ましい。
官能基モノマーとして用いるグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートの量は好ましくは0.5〜6重量%の共重合体比とされるが、その残部はメチルアクリレート、メチルメタクリレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、およびスチレンやアクリロニトリルなどの混合物を用いて共重合体とすることができる。これらの中でもエチル(メタ)アクリレート及び/又はブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。混合比率は、共重合体のTgを考慮して調整することが好ましい。重合方法は特に制限が無く、例えば、パール重合、溶液重合等が挙げられ、これらの方法により共重合体が得られる。このようなエポキシ基含有アクリル共重合体としては、例えば、HTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名)が挙げられる。
エポキシ基含有アクリル共重合体の重量平均分子量は10万以上であり、この範囲であると接着性及び耐熱性が高く、30万〜300万であることが好ましく、50万〜200万であることがより好ましい。300万以下であると、フロー性が低下することにより、半導体素子を貼付ける支持部材に必要に応じて形成された配線回路への充填性が低下する可能性を減らすことができる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
エポキシ樹脂(b)、フェノール樹脂(c)に関しては粘接着剤層と同様のものを使用できる。層間の密着強度を上げるため、最外層である放射線硬化型接着剤層に配合されるのと同じエポキシ樹脂(b)、フェノール樹脂(c)を使用することがより好ましい。
上記接着剤層に関しても粘接着剤層と同様に、フィラー(d)及び硬化促進剤(e)を添加することもできる。
(実施例)
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
基材フィルム、粘着剤層、接着剤層を以下の表の通りに組み合わせ、実施例1〜6,9〜11比較例1〜4,5〜6のダイシングダイボンドシートを作製した。
その作製手順は以下の通りである。すなわちまず粘着剤をコロナ処理が施された基材フィルム上に塗布し、粘着剤層付きの基材フィルムを得た。それとは別に、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(離型フィルム)に接着剤層となる塗膜(粘着剤層に接する層の接着剤層および接着剤層の最外層)をそれぞれ形成し、この2つの塗膜同士を積層した。
次に前記接着剤層となる塗膜のうち粘着剤層に接する層から離型フィルムを剥して、この層を基材フィルムに形成された粘着剤層に積層することで、粘着剤層に接する接着剤層、接着剤層の最外層が積層されたダイシングダイボンドシートを得た。
実施例9では、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに粘着剤層に接する層の接着剤層を形成し、さらにその層の上にグラビアコータにより接着剤層の最外層を塗工した。その後、粘着剤付きの基材フィルムと積層し、ダイシングダイボンドシートを得た。
実施例10では、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに粘着剤層に接する層の接着剤層を形成し、その上にグラビアロールを用いて点状で一定形状、一定配列の接着剤層の最外層を形成した。その後、粘着剤層付きの基材フィルムと積層し、ダイシングダイボンドテープを得た。
実施例11では、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに最外層となる接着剤層を形成した後、レーザー加工によって貫通孔を形成した。それとは別にポリエチレンテレフタレートフィルムに粘着剤層に接する層の接着剤層を形成し、それぞれの塗膜同士を積層した。その後、粘着剤層付きの基材フィルムと積層し、ダイシングダイボンドテープを得た。
比較例4に関しては、コロナ処理を施していない基材フィルム上に粘接着剤を塗布した。粘着剤層、接着剤層の厚さとそれぞれの組み合わせは表の通りである。
粘着剤層および接着剤層は以下の通り、作製した。
(基材フィルム)
基材フィルムに関しては、厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを使用した。粘着剤を塗布する場合は予めコロナ処理が施されたフィルムを使用し、比較例4の場合は、コロナ処理を施していないものを使用した。
(粘着剤層1)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物((2))の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物((1))として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100重量部に対してポリイソシアネート(B)としてコロネートL(日本ポリウレタン社製、商品名)を表1に示す重量部を加え、光重合開始剤としてイルガキュアー184(日本チバガイギー社製、商品名)を0.5重量部、溶媒として酢酸エチル150重量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を基材フィルムに塗布し、粘着剤層1が塗工された基材フィルムを得た。
(粘着剤層に接する接着剤層)
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃)55重量部、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学(株)製商品名、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱重量減少率4%)45重量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー(株)製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7重量部とNUC A−1160(日本ユニカー(株)製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2重量部、フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル(株)製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32重量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート3重量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス(株)製商品名、重量平均分子量80万)を280重量部、及び硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成(株)製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.5重量部加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤組成物を得た。
この接着剤組成物を厚さ35μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた粘着剤層に接する接着剤層を作製した。
(最外層の接着剤層1)
Tg−20℃の炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)280重量部に対して、接着剤層と同様にエポキシ樹脂(YDCN−703)55重量部、フェノール樹脂(XLC−3L)45重量部、硬化促進剤(2PZ−CN)0.5重量部加え、溶液を得た。続いて光重合開始剤としてイルガキュアー184(日本チバガイギー社製、商品名)を1重量部、溶媒としてメチルエチルケトン100重量部を上記エポキシ基含有アクリル共重合体(a)溶液に加えて混合して、放射線硬化型接着剤組成物を調整した。この接着剤組成物を前記粘着剤層に接する接着剤層作製時と同様に、最外層の接着剤層1を作製した。
(最外層の接着剤層2)
最外層の接着剤層1で使用したTg−20℃の炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)を、Tg−35℃の炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体に変更した。
(最外層の接着剤層3)
最外層の接着剤層1で使用した炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)を、官能基であるエポキシ基をカルボキシル基に変更した炭素−炭素二重結合を有するアクリル共重合に変更した。
(最外層の接着剤層4)
炭素−炭素二重結合を含まないアクリル共重合体(重量平均分子量20万、Tg−17℃)100重量部にエポキシ樹脂(YDCN−703)30重量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1重量部、硬化促進剤(2PZ−CN)0.3重量部、溶媒としてメチルエチルケトン50重量部を加えて混合して、放射線硬化型接着剤組成物を調整した。この接着剤組成物を前記粘着剤層に接する接着剤作製時と同様に、最外層の接着剤層4を作製した。
(最外層の接着剤層5)
最外層の接着剤層1で使用した炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)を、炭素−炭素二重結合を含まないエポキシ基含有アクリル共重合体に変更した。
このようにして作製されたダイシングダイボンドシートについて特性の評価試験を行った。各特性は次のように試験評価した。
1)常温貼合性
ダイシングダイボンドシートをウエハとダイシングフレームにローラーで常温貼合し、被着体を固定可能かどうかの確認を行なった。被着体を固定できたものは○、常温で被着体を固定できなかったものを×とした。
2)ダイシングフレームからの剥離性
1)同様にダイシングダイボンドシートをダイシングフレームに常温貼合し、1週間放置後、UV照射を行い、ダイシングフレームから糊残りせずに剥離可能かの確認を目視で行なった。
3)プローブタックのピーク値
被着体側の粘接着剤層のUV照射前後でのプローブタックのピーク値(タック力)を、(株)レスカ社製、タッキング試験機、TAC−II型を用いて測定した。測定条件としては以下の通りである。
プローブ :3mmφの円柱型
プローブの接触速さ :0.5mm/s
接触荷重 :694mN/mm
接触時間 :10秒
引き剥がし速さ :10mm/s
測定温度 :25℃
結果は、n=5の平均値とした。
4)引張り応力
UV照射前後の接着剤層フィルムにおいて、伸び率60%の際の引張り応力を測定した。接着剤層フィルムを25mm幅の短冊状に切断し、100mm長となるところでフィルムの両端を固定し、引張り速度300mm/minで測定を行なった。
5)ピックアップ性
ダイシングダイボンドシートをウエハへ貼合した後(常温でタックがないものについては70℃で加熱貼合)、10×10mmにダイシングした。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm照射した後、ダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によるピックアップ試験を行い、ピックアップチップ100個でのピックアップ成功率を求めた。その際、ピックアップされたチップに粘着剤層から剥離した接着剤層が保持されているものをピックアップが成功したものとした。チップに接着剤層が保持されていたものを○、保持されていなかったものを×とした。
6)ダイシェア強度
ピックアップ評価と同様にウエハ貼合後、5×5mmにダイシングした接着剤層付のチップピックアップし、15mm角にダイシングしたチップに150℃、1.5kgf、3秒間で加熱圧着した。その後、180℃、無荷重、3時間で加熱硬化し、ダイシェア強度測定用の試験片を得た。得られた試験片のダイシェア強度を、ダイシェアテスター機(Dage社製 Dage Series 4000)を用いて、265℃、30秒加熱時に測定した。このダイシェア強度が高いものほど、パッケージに組み込まれた際の信頼性が高くなる。
7)耐リフロークラック性
厚さ100μmのシリコンウエハの裏面にダイボンドシートを貼合し、10×10mmにダイシングし、UV照射した。その後、接着剤層とともにピックアップし得られた接着剤層付きチップをBT基板の上に150℃。15N、3秒でマウントし180℃、3時間でキュア処理し封止剤(住友ベークライト株式会社製G770)でモールドし半導体装置を製造した(BGAパッケージ18×18×1.5mm、チップサイズ10×10mm)。封止後の半導体装置を85℃/85%RHの恒温恒湿槽で168時間処理した後、IRリフロー炉で265℃30秒加熱した。その後、得られた半導体装置サンプル中のクラックをSAT(超音波映像装置:日立建機ファインテック株式会社製)で観察した。恒温恒湿処理、加熱処理を二回行いクラックの発生していないものを◎とし、二回目でクラックの発生したものを○とし、一回目でクラックの発生していたものを×とした。
Figure 0004794971
Figure 0004794971
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表から以下のことがわかる。
基材フィルムに粘着剤層を塗工し、粘着剤層に接する接着剤層を10〜30μm、最外層の接着剤層を10μmとした実施例1〜6のダイシングダイボンドシートの場合、放射線照射後、ウエハ貼合部分でのチップ剥離時には、粘着剤層と粘着剤層に接する接着剤層界面で容易にピックアップ可能であり、ダイシングフレーム剥離時には最外層の接着剤層とダイシングフレーム界面で剥離可能であり、さらに耐リフロークラック性も優れている。また最外層の接着剤層に使用されるアクリル共重合体のTgを変更してもこれらの特性に影響はないことがわかる。また、最外層の接着剤層を薄くした実施例9、点状に塗工した実施例10、貫通孔構造とした実施例11では実施例1〜6以上の耐リフロー性能が得られていることがわかる。
最外層の接着剤層を接着剤層3にした比較例5の場合、耐リフロー性は得られ、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基をカルボキシル基に変更した炭素−炭素二重結合を有するアクリル共重合体を使用した場合でも性能が得られることがわかるが、ダイシェア強度が低下する。
最外層の接着剤層を接着剤層4にした比較例6の場合も、耐リフロークラック性は得られ、炭素−炭素二重結合を含まないアクリル共重合体とアクリルモノマーを使用した場合でも性能が得られることがわかるが、ダイシェア強度が低下する。
最外層の接着剤層を接着剤層5にした比較例1の場合、最外層の接着剤層が放射線により硬化しないため、ダイシングフレームに接着剤の糊残りが発生する。
最外層の接着剤層を無くした比較例2の場合、常温貼合不可能であり、ダイシングフレームに貼合するために別途加工が必要となる。
粘着剤層に接する接着剤層を無くした比較例3の場合、放射線照射後に粘着剤層と接着剤層が強固に密着するためダイシングフレームからは剥離可能であるが、粘着剤と接着剤層界面でピックアップ不可能である。
基材フィルムにコロナ処理なしのものを使用し、粘着剤層と粘着剤層に接する接着剤層を無くし、最外層の接着剤層のみにした比較例4の場合、接着剤の強度が不足しているためダイシングフレームに糊残りが発生し、更に耐リフロー性でも劣っている。
本発明のダイシングダイボンドシートの使用状態を示す模式的断面図である。 最外層である放射線硬化型粘接着剤層が部分的に形成されているダイシングダイボンドシートの断面図を示す図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2 粘着剤層
3 粘着剤層に接する接着剤層
4 最外層の接着剤層
5 半導体ウエハ
6 ダイシングフレーム
7 吸着コレット
10 離型フィルム
41 部分的に形成された最外層である放射線硬化型接着剤層

Claims (4)

  1. 基材フィルム上に、粘着剤層、接着剤層がこの順に形成されてなるダイシングダイボンドシートであって、
    前記接着剤層が少なくとも2層以上からなり、
    前記接着剤層の最外層が放射線硬化型の樹脂組成物で構成されるとともに、
    前記粘着剤層に接する接着剤層が熱硬化型の樹脂組成物で構成され、
    前記最外層である放射線硬化型接着剤層のプローブタックのピーク値が放射線照射前では57mN/mm以上でかつ放射線照射後では40mN/mm以下であり、
    前記最外層を構成する放射線硬化型の樹脂組成物が、ガラス転移点が−50℃以上0℃以下の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体を含有することを特徴とするダイシングダイボンドシート。
  2. 前記最外層である放射線硬化型接着剤層の厚みが5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のダイシングダイボンドシート。
  3. 前記最外層を構成する放射線硬化型の樹脂組成物は、前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体のほかに、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のダイシングダイボンドシート。
  4. 前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体は、モノマー成分として少なくともグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイシングダイボンドシート。
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