JP5414256B2 - 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体素子(ICチップ)を有機基板もしくはリードフレームのダイパッド部または別のICチップなどの被着部にダイボンディングする工程、および半導体ウエハなどをダイシングしてICチップとし、該ICチップを被着部にダイボンディングする工程での使用に特に適した接着剤組成物;該接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シート;ならびに該接着シートを用いた半導体装置の製造方法に関する。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは大径の状態で製造され、該ウエハは半導体素子(ICチップ。以下、単に「チップ」ともいう。)に切断分離(ダイシング)された後に、次の工程であるマウント工程に移送されている。この際、半導体ウエハは予め接着シートに貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップの各工程が加えられた後、次工程のボンディング工程に移送される。
上記工程の中で、ピックアップ工程およびボンディング工程のプロセスを簡略化するために、ウエハ固定機能とダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンド用接着シートが種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
上記特許文献1〜4には、特定の接着剤組成物からなる接着剤層と、基材とを有する接着シートが開示されている。前記接着剤層は、ウエハダイシング時にはウエハを固定する機能を、ダイボンディング時にはチップを接着する機能を有する。
上記特許文献1〜4に開示されている接着シートは、いわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、この接着シートを用いることにより、ダイ接着用接着剤の塗布工程を省略できるようになる。具体的には、半導体ウエハをダイシングした後、チップのピックアップを行い、接着剤層をチップとともに剥離する。次いで、チップを接着剤層を介して基板に載置して加熱することにより、接着剤層中の熱硬化樹脂が接着力を発現し、チップと基板との接着が完了する。
また、上記特許文献1〜4に開示されている接着剤組成物には、エネルギー線重合性成分として、低分子量のエネルギー線重合性化合物が配合されている。このような接着剤組成物からなる接着剤層にエネルギー線を照射することによって、エネルギー線重合性化合物が重合・硬化し、接着剤層と基材との接着力が低下し、基材からの接着剤層の剥離が容易になる。
ところで近年、半導体装置(以下、「半導体パッケージ」ともいう。)に対する要求物性は、非常に厳しいものとなっている。例えば、厳しい熱湿環境下において、高い信頼性を有する半導体パッケージが求められている。しかしながら、チップ自体が薄型化した結果、チップの強度が低下し、厳しい熱湿環境下における半導体パッケージの信頼性は充分なものとは言えなくなってきている。
また、電子部品の接続において近年行われている表面実装法では、半導体パッケージ全体が半田融点以上の高温下に曝されている。最近では、環境への配慮から鉛を含まない半田への移行により、実装温度が従来の240℃から260℃と上昇し、半導体パッケージ内部で発生する応力が大きくなり、該パッケージにおいてクラック発生の危険性はより一層高くなっている。
さらに、チップ自体が薄型化した結果、チップの強度が低下し、接着剤層が固着残存したチップを基材から取り上げる際にチップの破損が起こりやすくなっている。
上記問題に対しては、接着剤組成物中のエネルギー線重合性化合物の配合量を増やせばチップを基材から取り上げることは容易となる。しかしながら、このようなエネルギー線重合性成分は熱硬化成分と比較して耐熱性・接着性に劣るため、半導体パッケージにおいてクラック発生の危険性が高まってしまう。
すなわち、チップの薄型化および実装温度の上昇が、半導体パッケージの信頼性低下を招いている。このため、薄型化しつつあるチップを実装した半導体パッケージにおいて、該パッケージが厳しいリフロー条件に曝された場合であっても、高い信頼性を実現することが要求されている。
一方、半導体装置の分野ではないものの、特許文献5には、アクリル系共重合体を含むアクリル系粘着剤からなる粘着剤層が、基材の一面に積層されているアクリル系粘着シートが開示されている。前記文献には、アクリル系共重合体のガラス転移温度や粘着剤組成物の粘着力を調整するため、多種多様の他のビニルモノマー(例えば、無水ビニルカルボン酸、水酸基含有ビニルモノマー、窒素含有ビニルモノマーなど)を用いてもよいことが記載されている。また、特許文献6には、基材とベースポリマーを含む粘着剤層とを備えてなる半導体基板加工用粘着シートが開示され、該ペースポリマーを構成する共重合可能なモノマーの一例として、前記と同様種々のモノマーが記載されている。
また、特許文献7には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体およびアクリロイルモルフォリンなどの窒素含有ビニル単量体を構成成分とするアクリル系共重合体からなる、電磁波遮蔽フィルムと光学機能性フィルムとの貼合用粘着剤が開示されている。
特開平02−032181号公報 特開平08−239636号公報 特開平10−008001号公報 特開2000−017246号公報 特開2000−001653号公報 国際公開2008/081725号パンフレット 特開2007−246879号公報
本発明は、上記要求を満たす半導体パッケージの製造に適した接着剤組成物を提供することを目的とする。ここで、半導体装置の分野以外に用いられる接着剤組成物に目を向けると、例えば、上記特許文献5および7に開示されているような、窒素含有ビニルモノマーなどに由来する構成単位を有するアクリル系共重合体を含む接着剤が知られている。
しかしながら、特許文献5には、アクリル系粘着シートを半導体パッケージの製造において用いられる接着シートなどとして使用することは何ら検討されていない。このため、アクリル系共重合体の原料成分として、どのようなビニルモノマーが好適であるかなどの情報は不明である(ペースポリマーを構成する共重合可能なモノマーとして、どのようなモノマーが好適であるかなどの情報が不明な点は、特許文献6についても同様である)。
また、特許文献7が開示する内容は半導体装置に関する技術分野とは全く異なる。さらに、貼合用粘着剤を熱硬化することは想定されていないので、熱硬化前後のその特性の向上を図るといった検討(例えば、熱硬化前のチップのピックアップ性、熱硬化後のチップと基板との接着性など)は何らなされていない。
すなわち、どのような窒素含有ビニルモノマーを重合して得られるアクリル系共重合体が、チップのピックアップ性およびダイボンディング時の接着性の向上、半導体パッケージの高い信頼性に寄与するかなどの、半導体パッケージの製造に使用される接着剤組成物に重要な情報を以上の文献から得ることはできない。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、薄型化しつつあるチップを破損することなくピックアップすることが可能な、また厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高い信頼性を有する半導体パッケージを製造することが可能な、接着シートの接着剤層を構成する接着剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、アクリル共重合体を合成する際に用いる単量体として、種々ある窒素含有ビニルモノマーのうち、(メタ)アクリロイルモルフォリンを用いること、すなわち、(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有するアクリル共重合体を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[4]に関する。
[1](メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有するアクリル共重合体(A)、エポキシ系熱硬化樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含有することを特徴とする接着剤組成物。
[2]前記アクリル共重合体(A)における(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位の含有量の合計が、10重量%以上90重量%以下であることを特徴とする前記[1]に記載の接着剤組成物。
[3]基材、および該基材上に形成された前記[1]または[2]に記載の接着剤組成物からなる接着剤層を有することを特徴とする接着シート。
[4]前記[3]に記載の接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングしてICチップとし、該ICチップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、該ICチップを被着部に該接着剤層を介して熱圧着する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、薄型化しつつあるチップを破損することなくピックアップすることが可能な、また厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高い信頼性を有する半導体パッケージを製造することが可能な、接着シートの接着剤層を構成する接着剤組成物が提供される。また、このような接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートおよび該接着シートを用いた半導体装置の製造方法が提供される。
以下、本発明に係る接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法について、順次説明する。なお、以下では、本発明に係る接着剤組成物からなる層を単に「接着剤層」とも称する。
〔接着剤組成物〕
本発明に係る接着剤組成物は、(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有するアクリル共重合体(A)、エポキシ系熱硬化樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含有することを特徴とする。また、前記接着剤組成物の各種物性を改良するため、必要に応じて他の成分を配合してもよい。以下、これら各成分について具体的に説明する。
<アクリル共重合体(A)>
アクリル共重合体(A)は、(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有するアクリル共重合体であり、好ましくは(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位と、(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体(ただし、(メタ)アクリロイルモルフォリンを除く。)から選択される1種または2種以上の単量体に由来する構成単位とを有するアクリル共重合体である。ここで、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルおよびメタクリロイルの少なくとも一方を指す。
(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有するアクリル共重合体(A)を用いることで、耐熱性を維持しつつ吸湿率が低減した接着剤層が得られる。このため、このような接着剤層を有する接着シートを用いることで、高い信頼性を有する半導体パッケージを製造することができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
シクロアルキルエステルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレートなどの環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体の中では、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが、これを用いることによりエポキシ系熱硬化樹脂(B)との相溶性に優れたアクリル共重合体(A)が得られる点で好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体とともに、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどの他の単量体を用いてもよい。
アクリル共重合体(A)における(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位の含有量の合計は、10重量%以上90重量%以下が好ましく、15重量%以上85重量%以下がより好ましく、20重量%以上80重量%以下がさらに好ましく、35重量%以上75重量%以下が特に好ましい。このようなアクリル共重合体(A)を用いることにより、チップを破損することなくピックアップすることが可能な、また厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高い信頼性を有する半導体パッケージを製造することが可能な接着剤組成物を提供できる。特に、(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位の含有量の合計が多いアクリル共重合体(A)を用いることで、基材からの剥離力が軽くピックアップ性に特に優れるとともに、表面実装性にも優れた半導体パッケージを製造することが可能な接着剤組成物を提供できる。
一方、上記構成単位の含有量の合計が上記範囲を上回ると、ダイパッド部などの被着部の凹凸へ接着剤層が追従できずボイドなどの発生要因になることがあり、上記範囲を下回ると、(メタ)アクリロイルモルフォリンによる効果が充分に発現されないことがある。
また、上記(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体として、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合には、アクリル共重合体(A)における水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量の合計は、1重量%以上30重量%
以下が好ましく、3重量%以上20重量%以下がより好ましい。
アクリル共重合体(A)の重量平均分子量は、1万以上200万以下であることが好ましく、10万以上150万以下であることがより好ましい。アクリル共重合体(A)の重量平均分子量が前記範囲を下回ると、接着剤層と基材との粘着力が高くなりピックアップ不良が起こることがあり、前記範囲を上回ると、ダイパッド部などの被着部の凹凸へ接着剤層が追従できずボイドなどの発生要因になることがある。
なお、本発明におけるアクリル共重合体(A)の重量平均分子量の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン標準)により、後述する実施例での測定条件下で測定される場合の値である。
アクリル共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−30℃以上70℃以下、より好ましくは−15℃以上60℃以下、さらに好ましくは−5℃以上50℃以下の範囲にある。アクリル共重合体(A)のガラス転移温度が低過ぎると、接着剤層と基材との剥離力が大きくなってチップのピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎると、半導体ウエハを固定するための接着力が不充分となるおそれがある。このようなアクリル共重合体(A)は、従来公知の方法に従って合成することができる。
本発明においては、上記のような(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有するアクリル共重合体(A)を用いることにより、接着剤組成物にUV硬化成分などのエネルギー線重合性成分を特に配合することなく、チップのピックアップ性を良好に維持しつつ、かつ耐熱性および接着性に優れた接着剤層を実現可能な接着剤組成物を得ることができる。
すなわち、このような接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートはチップのピックアップ性に優れるとともに、該接着シートを用いることにより、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても、該チップを実装した、高い信頼性を有する半導体パッケージを製造することが可能となる。
<エポキシ系熱硬化樹脂(B)>
エポキシ系熱硬化樹脂(B)としては、従来公知の種々のエポキシ樹脂が用いられる。前記エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(1)で表されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、下記式(2)で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、下記式(3)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂、下記式(4)で表されるビフェニル化合物、ならびにビスフェノールAジグリシジルエーテルおよびその水添物などの分子中に2つ以上の官能基(エポキシ基)が含まれるエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数である。)
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数である。)
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数である。)
Figure 0005414256
(但し、式中Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)
本発明に係る接着剤組成物において、エポキシ系熱硬化樹脂(B)は、アクリル共重合体(A)100重量部に対して1〜1500重量部含まれることが好ましく、3〜1000重量部含まれることがより好ましい。
エポキシ系熱硬化樹脂(B)の含有量が上記範囲を下回ると、充分な接着力を有する接着剤層が得られないことがある。また、エポキシ系熱硬化樹脂(B)の含有量が上記範囲を上回ると、接着剤層と基材との接着力が高くなり、チップのピックアップ不良が起こることがある。
<熱硬化剤(C)>
本発明において、熱硬化剤(C)はエポキシ系熱硬化樹脂(B)を硬化させるために用いられる。熱硬化剤(C)としては、エポキシ基と反応しうる官能基を1分子中に2個以
上有する化合物が挙げられ、その官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基が挙げられる。これらの中では、フェノール性水酸基、アミノ基および酸無水物基が好ましく、フェノール性水酸基およびアミノ基がより好ましい。
熱硬化剤(C)の具体的な例としては、下記式(5)で表されるノボラック型フェノール樹脂、下記式(6)で表されるジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、下記式(7)で表される多官能系フェノール樹脂、下記式(8)で表されるアラルキルフェノール樹脂などのフェノール系硬化剤;DICY(ジシアンジアミド)などのアミン系硬化剤が挙げられる。これらの熱硬化剤(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数を表す。)
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数を表す。)
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数を表す。)
Figure 0005414256
(但し、式中nは0以上、好ましくは0以上20以下の整数を表す。)
本発明に係る接着剤組成物において、熱硬化剤(C)は、エポキシ系熱硬化樹脂(B)100重量部に対して0.1〜500重量部含まれることが好ましく、1〜200重量部含まれることがより好ましい。熱硬化剤(C)の含有量が過小であると、接着剤組成物の硬化不足で充分な接着力を有する接着剤層が得られないことがあり、過大であると、接着剤組成物の吸湿率が高まり半導体装置の信頼性が低下することがある。
<他の成分>
本発明に係る接着剤組成物には、該接着剤組成物または接着剤層の各種物性を改良するため、必要に応じて、硬化促進剤(D)、カップリング剤(E)、架橋剤(F)、無機充填材(G)、他の添加剤(H)などの各種添加剤を配合してもよい。
≪硬化促進剤(D)≫
接着剤組成物の硬化速度を調整するために、硬化促進剤(D)を用いてもよい。
硬化促進剤(D)としては、例えばエポキシ基とフェノール性水酸基やアミノ基などとの反応を促進しうる化合物が挙げられ、具体的には、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤組成物において、硬化促進剤(D)は、エポキシ系熱硬化樹脂(B)100重量部に対して0.001〜100重量部含まれることが好ましく、0.01〜50重量部含まれることがより好ましく、0.1〜10重量部含まれることがさらに好ましい。
≪カップリング剤(E)≫
接着剤組成物の、半導体ウエハなどの被着体に対する接着性および密着性を向上させるために、カップリング剤(E)を用いてもよい。また、カップリング剤(E)を用いることで、接着剤組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上させることができる。
カップリング剤(E)としては、アクリル共重合体(A)またはエポキシ系熱硬化樹脂(B)などが有する官能基と反応する基を有する化合物が好ましく用いられる。このようなカップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤組成物において、カップリング剤(E)は、アクリル共重合体(A)とエポキシ系熱硬化樹脂(B)との合計100重量部に対して0.1〜20重量部含まれることが好ましく、0.2〜10重量部含まれることがより好ましく、0.3〜5重量部含まれることがさらに好ましい。
カップリング剤(E)の含有量が前記範囲を下回るとカップリング剤を配合した効果が得られない可能性があり、前記範囲を上回るとアウトガスの原因となる可能性がある。
≪架橋剤(F)≫
接着剤組成物の初期接着力および凝集力を調整するために、架橋剤(F)を用いてもよい。架橋剤(F)としては、例えば、有機多価イソシアナート化合物、有機多価イミン化合物が挙げられる。
上記有機多価イソシアナート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアナート化合物、脂肪族多価イソシアナート化合物、脂環族多価イソシアナート化合物;これらの多価イソシアナート化合物の三量体;これらの多価イソシアナート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーが挙げられる。
上記有機多価イソシアナート化合物のさらに具体的な例としては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアナ
ート、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアナート、3−メチルジフェニルメタンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−2,4'−ジイソシアナート、リジンイソシアナートが挙げられる。
上記有機多価イミン化合物の具体的な例としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミンが挙げられる。
本発明に係る接着剤組成物において、架橋剤(F)は、アクリル共重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部含まれることが好ましく、0.1〜5重量部含まれることがより好ましく、0.5〜3重量部含まれることがさらに好ましい。
≪無機充填材(G)≫
接着剤組成物の熱膨張係数を調整するために、無機充填材(G)を用いてもよい。チップまたは金属基板もしくは有機基板の熱膨張係数に対し、無機充填材(G)を接着剤組成物に配合して、硬化後の接着剤層の熱膨張係数を最適化することで、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、硬化後の接着剤層の吸湿率を低減させることも可能となる。
好ましい無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素などの粉末;これらを球形化したビーズ;単結晶繊維;ガラス繊維が挙げられる。これらの中では、シリカ粉末、アルミナ粉末が好ましい。また、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤組成物において、無機充填材(G)は、該接着剤組成物100重量%に対して0〜80重量%含まれることが好ましい。
≪他の添加剤(H)≫
本発明に係る接着剤組成物には、他の添加剤(H)(例えば、可とう性成分、エネルギー線重合性化合物、光重合開始剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料)を配合してもよい。
−可とう性成分−
本発明に係る接着剤組成物には、可とう性成分を配合してもよい。このような可とう性成分は、硬化後の接着剤層の可とう性を保持するために配合される。上記可とう性成分としては、常温および加熱下で可とう性を有する成分であり、加熱やエネルギー線照射では実質的に硬化しない成分が選択される。
上記可とう性成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、エラストマーなどのポリマー;ブロックコポリマー;これらのポリマーのグラフトポリマーが挙げられる。また、上記可とう性成分として、前記ポリマーがエポキシ樹脂により予め変性されたエポキシ変性樹脂を用いてもよい。
−エネルギー線重合性化合物−
本発明に係る接着剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲(具体的には、該接着剤組成物または接着剤層の耐熱性および接着性を損なわない範囲)で、エネルギー線重合性化合物を配合してもよい。エネルギー線重合性化合物をエネルギー線照射によって重合・硬化させることで、接着剤層の接着力を低下させることができるため、基材と接着剤層との層間剥離を容易に行えるようになる。
エネルギー線重合性化合物は、紫外線、電子線などのエネルギー線の照射を受けると重合・硬化する化合物である。このようなエネルギー線重合性化合物は分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有する。
本発明に係る接着剤組成物において、エネルギー線重合性化合物を使用する場合は、全ての樹脂の合計100重量部に対して通常は1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは3〜15重量部の割合で用いられる。エネルギー線重合性化合物の使用量が前記範囲を超えると、有機基板やリードフレームのダイパッド部に対する接着剤層の接着力が低下することがある。
−光重合開始剤−
本発明に係る接着剤組成物は、その使用に際して、紫外線などのエネルギー線を照射して、接着力を低下させることがある。この際、前記組成物中に光重合開始剤を配合することで、重合硬化時間および光線照射量を少なくすることができる。光重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の配合割合は、理論的には、接着剤組成物中に存在する重合性二重結合量およびその反応性ならびに光重合開始剤の反応性に基づいて決定されるべきであるが、複雑な混合物系においては必ずしも容易ではない。一般的な指針として、光重合開始剤は、
エネルギー線重合性化合物100重量部に対して0.1〜10重量部含まれることが好ましく、1〜5重量部含まれることがより好ましい。
光重合開始剤の含有量が上記範囲を下回ると光重合性が不足して満足なピックアップ性が得られないことがあり、上記範囲を上回ると光重合に寄与しない未反応物が残存し、接着剤層の耐熱性を低下させることがある。
<接着剤組成物の調製>
上記各成分からなる接着剤組成物は、感圧接着性と加熱硬化性とを有し、未硬化状態では半導体ウエハなどの被着体を一時的に保持する機能を有する。また、熱硬化を経て、最終的には耐衝撃性の高い硬化物を与えることができる。しかも、前記接着剤組成物からなる接着剤層は、剪断強度と剥離強度とのバランスにも優れ、厳しい熱湿条件下においても充分な接着性を保持しうる。
本発明に係る接着剤組成物は、上記各成分を適宜の割合で混合して得られる。混合に際しては、上記各成分を予め溶媒で希釈しておいてもよく、また混合時に溶媒を加えてもよい。
本発明に係る接着剤組成物は、いわゆるダイシングシート、ダイボンディングシート、ダイシング・ダイボンディングシート、特にダイシング・ダイボンディングシートを構成する接着剤層の原料として、好適に用いるができる。
〔接着シート〕
本発明に係る接着シートは、基材、および該基材上に形成された上記接着剤組成物からなる接着剤層を有する。本発明に係る接着シートは、テープ状、ラベル状など、あらゆる形状をとりうる。
上記基材としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどの透明フィルム;該透明フィルムを着色した着色透明フィルム、着色不透明フィルムが用いられる。また、これらの架橋フィルムや積層フィルムを用いてもよい。
ただし、本発明に係る接着シートには、その使用に際して、基材側から紫外線などのエネルギー線照射を行う場合がある。このような場合には、上記基材フィルムはエネルギー線に対して透明であることが好ましい。
また、通常は、本発明に係る接着シートは半導体ウエハなどの被着体に貼付され、被着体に所要の加工を施した後、接着剤層を被着体に固着残存させて基材から剥離する。すなわち、接着剤層を、基材から被着体に転写する工程を含むプロセスに好適に使用される。このため、基材の接着剤層に接する面の表面張力は、好ましくは1mN/m以上40mN/m以下、より好ましくは5mN/m以上37mN/m以下、さらに好ましくは10mN/m以上35mN/m以下である。このような表面張力が低い基材は、材質を適宜選択して得ることが可能であるし、また基材の表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
上記剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などの剥離剤が挙げられる。これらの中では、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するため好ましい。
上記剥離剤を用いて基材表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、(1)グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどを用いて該剥離剤を基材表面に塗布して、常温硬化もしくは加熱硬化または電子線硬化させる、あるいは(2)ウェットラミネーション、ドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などを実施することにより、基材と剥離剤からなる層との積層体を形成すればよい。
基材の厚みは、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μm程度である。また、接着剤層の厚みは、通常は0.1〜500μm、好ましくは0.5〜300μm、特に好ましくは1〜150μm程度である。
接着シートの製造方法は特に限定はされず、基材上に、接着剤層を構成する上記接着剤組成物を塗布、乾燥することで製造してもよく、また接着剤層を剥離フィルム上に設け、該接着剤層を上記基材に転写することで製造してもよい。
なお、接着シートの使用前に、接着剤層を保護するために、接着剤層の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。また、接着剤層の表面外周部には、リングフレームなどの他の治具を固定するために別途感圧性接着剤層が設けられていてもよい。
次に、本発明に係る接着シートの利用方法について、該接着シートを半導体装置の製造に適用した場合を例にとって説明する。
〔半導体装置の製造方法〕
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングしてICチップとし、該ICチップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、該ICチップを被着部に該接着剤層を介して熱圧着する工程を含む。
本発明に係る半導体装置の製造方法においては、まず、本発明に係る接着シートをダイシング装置上に、リングフレームにより固定し、半導体ウエハを接着シートの接着剤層上に載置し、軽く押圧し、該ウエハを固定する。その後、前記接着剤層にエネルギー線重合性化合物などのエネルギー線硬化成分が含まれる場合には、接着剤層に基材側からエネルギー線を照射し、接着剤層の凝集力を上げ、接着剤層と基材との間の接着力を低下させておく。照射されるエネルギー線としては、通常は紫外線(UV)および電子線(EB)などが用いられ、好ましくは紫外線が用いられる。
次いで、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記半導体ウエハを切断しチップを得る。この際の切断深さは、半導体ウエハの厚みと接着剤層の厚みとの合計、およびダイシングソーの摩耗分を加味した深さにする。
なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハ貼着後〜チップ剥離前の何れの段階で行ってもよい。例えば、ダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
次いで、必要に応じて接着シートのエキスパンドを行うと、チップ間隔が拡張するため、該チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。この際、接着剤層と基材と
の間にずれが発生することになり、接着剤層と基材との間の接着力が減少し、チップのピックアップ性が向上する。このようにしてチップのピックアップを行うと、切断された接着剤層を該チップ裏面に固着残存させて基材から剥離することができる。
次いで、接着剤層を介してチップを有機基板もしくはリードフレームのダイパッド部または別のICチップなどの被着部に載置する。被着部はチップを載置する前に加熱されるか、載置直後に加熱される(加熱処理)。加熱温度は、通常は80〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、加熱時間は、通常は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜3分であり、チップマウント圧力は、通常は1kPa〜200MPaである。
チップを被着部にマウントした後、必要に応じてさらに加熱を行ってもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常は1〜180分、好ましくは10〜120分である。
また、チップは被着部にマウントされた後に、封止工程にて樹脂で封止されることがある。その際には、封止樹脂を硬化させるために、通常は150〜180℃、2〜8時間程度の加熱が行われる。上記の加熱処理に代えて、封止工程での加熱処理を利用してもよい。
このような工程を経ることで、接着剤層が硬化し、チップと被着部とを強固に接着することができる。また、接着剤層はダイボンド条件下では流動化しているため、該接着剤層は被着部の凹凸にも充分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できる。
すなわち、上記のようにして得られる半導体装置においては、チップの固着手段である接着剤層が硬化し、かつ被着部の凹凸にも該接着剤層が充分に埋め込まれた構成となる。このため、上記半導体装置においては、過酷な条件下にあっても、充分なパッケージ信頼性とボード実装性とが達成される。
なお、本発明に係る接着剤組成物および接着シートは、上記のような使用方法の他、半導体化合物、ガラス、セラミックス、金属などの接着に使用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、ピックアップ性の評価および表面実装性の評価は次のように行った。
〔ピックアップ性の評価〕
(1)ピックアップ力の測定
粗さ#2000に研磨したシリコンウエハ(150mm径、厚み350μm)の研磨面と、実施例または比較例の接着シートの接着剤層とが接するように、40℃にてテープマウンター(リンテック社製、Adwill RAD2500)により該ウエハを該接着シートに貼着し、この接着シートをウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、エネルギー線重合性化合物および光重合開始剤を含有する接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートの場合には、紫外線照射装置(リンテック社製、Adwill RAD2000)を用いて基材側から紫外線(350mW/cm2、190mJ/cm2)を照射した。
次いで、ダイシング装置((株)ディスコ製、DFD651)を使用して、上記シリコンウエハを5mm×5mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、基材を20μm切り込むようにした。
次いで、プッシュプルゲージの先端にピックアップニードルをセットして、基材側からチップを突き上げ、基材から接着剤層付チップが剥がれる荷重の最大値を測定した(ここで、エキスパンド量は12mmとした。)。チップ30個を取り上げた際の荷重の最大値の平均値をピックアップ力とした。
(2)ピックアップ適性の評価
ドライポリッシュ処理したシリコンウエハ(150mm径、厚み75μm)の研磨面と、実施例または比較例の接着シートの接着剤層とが接するように、40℃にてテープマウンター(リンテック社製、Adwill RAD2500)により該ウエハを該接着シートに貼着し、この接着シートをウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、エネルギー線重合性化合物および光重合開始剤を含有する接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートの場合には、紫外線照射装置(リンテック社製、Adwill RAD2000)を用いて基材側から紫外線(350mW/cm2、190mJ/cm2)を照射した。
次いで、ダイシング装置((株)ディスコ製、DFD651)を使用して、上記シリコンウエハを5mm×5mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、基材を20μm切り込むようにした。
次いで、ダイボンダー(キャノンマシナリー製BESTEM−D02)を用いて、4ピン、突き上げ量600μm、突き上げスピード10mm/sの条件で基材側からチップを25個突き上げ、チップが取り上げられずに装置が停止する、チップが破損するなどの不良が発生せずに、チップを基板に載置できた個数を求めた。
〔表面実装性の評価〕
(3)チップの製造
ドライポリッシュ処理したシリコンウエハ(150mm径、厚み75μm)の研磨面と、実施例または比較例の接着シートの接着剤層とが接するように、40℃にてテープマウンター(リンテック社製、Adwill RAD2500)により該ウエハを該接着シートに貼着し、この接着シートをウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、エネルギー線重合性化合物および光重合開始剤を含有する接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートの場合には、紫外線照射装置(リンテック社製、Adwill RAD2000)を用いて基材側から紫外線(350mW/cm2、190mJ/cm2)を照射した。
次いで、ダイシング装置((株)ディスコ製、DFD651)を使用して、上記シリコンウエハを8mm×8mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、基材を20μm切り込むようにした。
(4)半導体パッケージの製造
基板として、銅箔張り積層板(三菱ガス化学(株)製CCL−HL830)の銅箔(厚み18μm)に回路パターンが形成され、この回路パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製PSR−4000 AUS5)を有する基板(日立超LSIシステムズ(株)製)を用いた。
上記(3)で得られた、接着シートの接着剤層上に載置されたチップを接着剤層とともに基材から取り上げ、120℃、100gf、1秒間の条件で、該チップを上記基板に該接着剤層を介して圧着した。その後、モールド樹脂(京セラケミカル(株)製KE−1100AS3)で封止厚み400μmになるように、上記基板に接着剤層を介して圧着され
たチップを封止し(封止装置 アピックヤマダ(株)製MPC−06M TriAl Press)、175℃、5時間で該モールド樹脂を硬化させた。
次いで、封止された基板をダイシングテープ(リンテック(株)製Adwill D−510T)に貼着して、ダイシング装置((株)ディスコ製、DFD651)を使用して12mm×12mmサイズにダイシングすることで、表面実装性評価用の半導体パッケージを得た。
(5)半導体パッケージの表面実装性の評価
上記半導体パッケージを85℃、60%RHの条件下に168時間放置して吸湿させた後、予備加熱温度130℃、最高温度260℃、加熱時間1分間のIRリフロー(リフロー炉:相模理工製WL−15−20DNX型)を3回行った際に、基板/チップの接合部の浮き・剥がれの有無およびパッケージクラック発生の有無を、走査型超音波探傷装置(日立建機ファインテック(株)製Hye−Focus)および断面観察により評価した。
基板/チップの接合部に、0.5mm以上の幅の剥離が観察された場合を剥離している(接合部の浮き・剥がれ、およびクラック発生が有る。)と判断して、上記半導体パッケージを25個試験に投入し、剥離が発生しなかった個数を数えた。
〔接着剤組成物〕
接着剤組成物を構成する各成分は下記の通りである。
なお、アクリル共重合体(A)の重量平均分子量は下記方法で測定した。
測定方法:ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法
標準物質:ポリスチレン標準
装置:東ソー社製GELPERMEATION CHROMATOGRAPH
カラム:東ソー社製 TSK−GEL GMHXL 7.8×300mm
溶媒:THF
濃度:1%
注入量:80μm
流速:1.0ml/min
≪アクリル共重合体(A)≫
単量体としてブチルアクリレート45g、アクリロイルモルフォリン40g、2−ヒドロキシエチルアクリレート15g;重合開始剤としてα,α'−アゾビスイソブチロニト
リル0.2g;溶剤としてトルエン60g、酢酸エチル60gを混合し、60℃、24時間窒素雰囲気下で攪拌することで、アクリル共重合体(A)−1を得た。また、アクリル共重合体(A)−2、(A)−3、(A)−4、(A)−5および(A)−6も、以下のような単量体比率としたこと以外は、アクリル共重合体(A)−1と同様にして得た。
(A)−1:ブチルアクリレート/アクリロイルモルフォリン/2−ヒドロキシエチルアクリレート(45/40/15重量%)からなるアクリル共重合体(重量平均分子量約50万、Tg5℃)
(A)−2:ブチルアクリレート/アクリロイルモルフォリン/メチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(30/30/25/15重量%)からなるアクリル共重合体(重量平均分子量約50万、Tg9℃)
(A)−3:ブチルアクリレート/アクリロイルモルフォリン/メチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(10/10/65/15重量%)からなるアクリル共重合体(重量平均分子量約50万、Tg7℃)
(A)−4:2−エチルヘキシルアクリレート/アクリロイルモルフォリン/2−ヒドロキシエチルアクリレート(25/70/5)からなるアクリル共重合体(重量平均分子量約50万、Tg50℃)
(A)−5:メチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(85/15重量%)からなるアクリル共重合体(重量平均分子量約50万、Tg6℃)
(A)−6:ブチルアクリレート/アクリルアミド/2−ヒドロキシエチルアクリレート(45/40/15重量%)からなるアクリル共重合体(重量平均分子量約50万、Tg−1℃)
≪エポキシ系熱硬化樹脂(B)≫
(B)−1:エポキシ系熱硬化樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート828、エポキシ当量189g/eq)
(B)−2:エポキシ系熱硬化樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート1055、エポキシ当量850g/eq)
≪熱硬化剤(C)≫
ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子(株)製ショウノールBRG−556、フェノール性水酸基当量104g/eq)
≪硬化促進剤(D)≫
イミダゾール(四国化成工業(株)製キュアゾール2PHZ)
≪カップリング剤(E)≫
シランカップリング剤(三菱化学(株)製MKCシリケートMSEP2)
≪架橋剤(F)≫
芳香族性ポリイソシアナート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)
≪エネルギー線重合性化合物≫
(H)−1:2官能性アクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−684)
≪光重合開始剤≫
(H)−2:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア184)
〔接着シートの基材〕
接着シートの基材:ポリエチレンフィルム(厚み100μm、表面張力33mN/m)
[実施例および比較例]
表1に記載の組成の接着剤組成物を使用した。表1中、数値は固形分換算の重量部を示す。表1に記載の組成の接着剤組成物をシリコーン処理された剥離フィルム(リンテック(株)製SP−PET3811(S))上に、接着剤層の乾燥後厚みが30μmになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃、1分間)した後に、該接着剤層と基材とを貼り合せて、該接着剤層を基材上に転写することで接着シートを得た。前記接着シートを用いて、「ピックアップ性の評価」および「表面実装性の評価」を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005414256
Figure 0005414256

Claims (4)

  1. (メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位を有し、前記構成単位の含有量の合計が20重量%以上90重量%以下であるアクリル共重合体(A)、エポキシ系熱硬化樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記アクリル共重合体(A)における(メタ)アクリロイルモルフォリンに由来する構成単位の含有量の合計が、35重量%以上90重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 基材、および該基材上に形成された請求項1または2に記載の接着剤組成物からなる接着剤層を有することを特徴とする接着シート。
  4. 請求項3に記載の接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングしてICチップとし、該ICチップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、該ICチップを被着部に該接着剤層を介して熱圧着する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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