JP5963411B2 - ダイシング用基体フィルム - Google Patents
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本発明のダイシング用基体フィルムは、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物、及びポリスチレン系樹脂を含む樹脂成分から形成される表面層を有する。以下、本発明のダイシング用基体フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
表面層を形成する樹脂成分であるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物におけるビニル芳香族炭化水素とは、少なくとも1つのビニル基を有する芳香族炭化水素を意味する。具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等を挙げることができる。これらは1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
本発明のダイシング用基体フィルムは、引落し台を押し当てることによって、フィルムがエキスパンドされる。そのため、引落し台に対するダイシング用基体フィルムの滑り性が高いことが好ましい。このような特性を付与するために、引落し台と接するダイシング用基体フィルムの面に裏面層を設けることが好ましい。
本発明のダイシング用基体フィルムにおいて、表面層と裏面層との接着性を向上させるためにさらに中間層を設けてもよい。
本発明のダイシング用基体フィルムは、Tダイス又は環状ダイスを使用した押出法やカレンダー法等、従来から用いられている方法で成形することが可能である。基体フィルムの厚み精度の点から考えると、Tダイスを使用した押出し法が好ましいため、以下Tダイスを使用した押出法について説明する。ダイシング用基体フィルムを形成するための樹脂組成物としては、前記樹脂成分をドライブレンド又は溶融混練し調製することができる。
上記により得られるダイシング用基体フィルムは、その表面に公知の粘着剤をコートして粘着剤層、必要に応じて離型フィルムを設けることによって、ダイシングフィルムが得られる。
実施例及び比較例において下記の原料を用いた。
・スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS(St含量:30重量%)):クレイトンポリマー(株)製のG1645MO(スチレン単位の含有割合:30重量%、水添率:95%以上)
・ポリスチレン樹脂(PS):PSジャパン(株)製のGPPS(685)
・ポリプロピレン樹脂(PP):サンアロマー(株)製のPL500A
・低密度ポリエチレン(LDPE):住友化学(株)製のエクセレンCB2001(190℃におけるMFR:2.0g/10min、密度:0.920g/cm2)
・直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE):住友化学(株)製のGA401(190℃におけるMFR:3.0g/10min、密度:0.935g/cm2)。
表1に記載の表面層及び裏面層となるように、表1に示す成分及び組成で配合した。得られた各層を構成する樹脂組成物を、220℃に調整されたそれぞれの押出機に投入し表面層/裏面層の順序になるように、220℃のTダイスにより押出し、積層し、30℃の冷却水が循環するチルロール上に共押出しせしめて、フラット状の二層フィルムを得た。
表1及び表2に記載の各層(表面層、中間層及び裏面層)となるように、表1及び表2に示す成分及び組成で配合した。得られた、各層を構成する樹脂組成物を、220℃に調整されたそれぞれの押出機に投入し表面層/中間層/裏面層の順序になるように、220℃のTダイスにより押し出し、積層し、30℃の冷却水が循環するチルロール上に共押出しせしめて、フラット状の三層フィルムを得た。
ディスコ社製のダイシング装置(DAD−2H/6)を用い、ブレード(ZH05−SD2000−N1−90 CD 刃30μm巾)、フィルム基材のみに、表面層から以下の条件1〜3の条件で切り込みを入れ、できた溝の切り屑を評価した。
条件2:水量目盛(1.4L/min)・切り込み深さ(40μm)
条件3:水量目盛(1.2L/min)・切り込み深さ(40μm)。
東洋アドテック社製のウェハエキスパンダー装置(TAE−800)を用い上記ダイシング装置で切り込みを入れた後、エキスパンドを行った(切り込み深さは40μmで固定)。
[エキスパンド性]及び[30mm引落としの伸び(MD、TD)]
ダイシングフィルムに縦幅100mm、及び横幅100mmに3本ずつ格子状にラインを引き、上記のダイシング条件及びエキスパンド条件にて、ダイシング及びエキスパンドを行った。エキスパンド後30mm引落し量で、エキスパンド前後の変化を測定した。また、以下の基準からエキスパンド性を評価した。なお、下記の評価は、3本のサンプルを測定し、その平均値をとった。
○:エキスパンドにより、MD及びTDの変化量が10%以上
×:エキスパンドにより、MD及びTDの変化量が10%未満。
上記で製膜した基体フィルムを、長さ110mm(標線間隔40mm+つかみシロ(上下に35mmずつ))、巾10mmの大きさに切り出し、引張スピード200mm/minでMD方向(フィルム成形の押出し方向)、TD方向(フィルム成形により成形されたフィルムの幅方向)にそれぞれ25%伸ばした時の応力(N)をサンプル巾(10mm)で割った値を、25%モジュラスとして評価した。なお、測定装置としては、(株)島津製作所製の「オートグラフAG−500NX TRAPEZIUM X」を用いた。
得られた基体フィルムの任意の場所から、縦50mm×横30mm(フィルムの流れ方向を縦方向、幅方向を横方向としてサンプルを切り出した)の大きさに測定用サンプルを切り出した。測定用サンプルの裏面層側を上にした状態でガラス板に両面テープで固定し、東京精密製表の面粗さ形状測定器(SURFCOM 1400D−3D)にセットし、JIS−‘82規格に準拠して、カットオフ波長0.8mm、測定速度0.3mm/sにて表面粗さ(Ra)を測定した。
以下のダイシング条件により、サンプルにダイシングを行い、切り込み部の切り屑の評価を以下の基準で評価した。
○:MDとTDの溝が交差した部分の拡大写真において、10μm以下の切削屑が10本以下
△:10〜50μmの切削屑が10本以上であって、50μm以上の切削屑が存在しない
×:50μm以上の切削屑が存在。
得られたダイシング用基体フィルムの任意の場所から、MD方向100mm×TD方向30mmの大きさに測定用サンプルを2枚切り出した。2枚の測定用サンプルを、同一面(冷却ロールと接する面)同士がMD方向40mm×TD方向30mmの面積で重なり合うようにし、この重なり合った測定用サンプルを2枚のガラス板で挟み、その上から、サンプルが重なり合っている部分に600gの重りをのせた。これを40℃の恒温槽の中に入れ、7日間放置した。7日後、恒温槽より取り出したサンプルを、新東科学(株)製の剥離試験器(Peeling TESTER HEIDON−17)にセットし、引張り速度200mm/分で、180度せん断剥離強度を測定した。
Claims (14)
- ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物60〜90重量%、及びポリスチレン系樹脂10〜40重量%のみからなる樹脂成分から形成される表面層、並びに
裏面層
を有する、ダイシング用基体フィルム。 - ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物におけるビニル芳香族炭化水素単位の含有割合が、40〜70重量%である請求項1に記載のダイシング用基体フィルム。
- ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物におけるビニル芳香族炭化水素がスチレンである請求項1又は2に記載のダイシング用基体フィルム。
- ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物における共役ジエン炭化水素共重合体が1,3−ブタジエンである請求項1〜3のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 裏面層が、低密度ポリエチレンを含む樹脂成分から形成される請求項1〜4のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 表面層と裏面層との間に、さらに中間層を有する請求項1〜5のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 中間層が、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物を含む樹脂成分から形成される請求項6に記載のダイシング用基体フィルム。
- 中間層におけるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物におけるビニル芳香族炭化水素がスチレンである請求項7に記載のダイシング用基体フィルム。
- 中間層におけるビニル芳香族炭化水素−共役ジエン炭化水素共重合体の水素添加物における共役ジエン炭化水素共重合体が1,3−ブタジエンである請求項7又は8に記載のダイシング用基体フィルム。
- 中間層を形成する樹脂成分が、さらにポリスチレン系樹脂を含有する請求項7〜9のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 25%モジュラスが16N/cm以下である請求項1〜10のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 表面粗さ(Ra)が0.5μm以上である請求項1〜11のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 全体の厚みが50〜200μmである請求項1〜12のいずれかに記載のダイシング用基体フィルム。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のダイシング用基体フィルムの表面層の上に粘着剤層及び離型フィルムを有するダイシングフィルム。
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