JP5207660B2 - ダイシング用基体フイルム及びダイシングフイルム - Google Patents

ダイシング用基体フイルム及びダイシングフイルム Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ等をチップ状にダイシングする際に、半導体ウエハ等を固定するためのダイシングフイルムに関する。
半導体ウエハは、予め大面積で作られた後、チップ状にダイシング(切断分離)されてエキスパンド工程に移される。そのダイシングに際して、半導体ウエハを固定するために用いられるのがダイシングフイルムである。
ダイシングフイルムは、基本的には半導体ウエハを固定する粘着剤層とダイシングブレードの切り込みを受ける樹脂層(ダイシング用基体フイルム)とから構成されている。ダイシングフイルムに固定された半導体ウエハは、チップ状にダイシングされ、各チップ同士を分離するためにエキスパンドリング上で面方向に一様にエキスパンドされた後、ピックアップされる。
半導体ウエハのダイシング工程では、ウエハとともに粘着剤層又はダイシング用基体フイルムの一部も切断されるため、樹脂の摩擦熱により溶融状態となり樹脂由来の切削屑(ダイシング屑)が発生する。この切削屑は、ウエハを汚染しチップの歩留まりを低下させるため、極力低減させる必要がある。
例えば、ダイシング工程における切削屑をなくすことを主な目的として、次のようなダイシングフイルムが報告されている。
特許文献1には、基材フイルムとして、電子線又はγ線を1〜80Mrad照射したポリエチレン等のポリオレフィン系フイルムが記載されている。しかし、このフイルムは、架橋性樹脂全体を電子線等で架橋するものであるため硬くなり充分なエキスパンド性が得られない。
特許文献2には、基材フイルムとして、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体フイルムが記載されている。しかし、このフイルムは、ある程度の切削屑を低減できるが、必ずしも充分ではない。
特許文献3には、主に、エチレン、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルの3元共重合体を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂を主成分とする樹脂層Bと粘着剤層Aとが積層された半導体ウエハ固定用粘着テープが記載されている。しかし、このフイルムは、金属イオンを含むためウエハの汚染が問題となる。
特許文献4には、粘着剤被塗布層と、熱可塑性エラストマー層と樹脂層とがこの順に積層され、前記熱可塑性エラストマー層が、水素添加したスチレン−ブタジエン共重合体を70質量%以上含む樹脂組成物からなり、層厚が基材肉厚に対して30%以上である粘着テープ用基材が記載されている。しかし、このフイルムは、切削屑の低減効果は必ずしも充分ではない。
特許文献5には、少なくとも2層からなる基材フイルムにおいて、粘着剤層側の層の樹脂としてポリプロピレンが、粘着剤層側の樹脂層以外の層としてスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物を用いることが記載されている。
特開平5−211234号公報 特開平5−156214号公報 特開平9−8111号公報 特開2005−272724号公報 特開2005−174963号公報
本発明は、半導体ウエハのダイシング工程における切削屑(ダイシング後にフイルムから発生する糸状又はヒゲ状の屑)の発生がほとんどなく、フイルムの表面層とアクリル系粘着剤との密着性に優れ、ダイシング後の半導体チップをピックアップした際にチップ側にアクリル系粘着剤が残留しない(即ち、半導体チップの汚染を防止することができる)ダイシングフイルムを提供することを目的とする。また、該ダイシングフイルムに用いられるダイシング用基体フイルムを提供することも目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むA層、及びゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層を積層してなる少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルム、及び該ダイシング用基体フイルムにアクリル系粘着剤層を設けたダイシングフイルムが、上記の課題を解決できることを見いだした。
さらに、上記のA層及びC層の間に、ポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むB層を有する少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルム、及び該ダイシング用基体フイルムにアクリル系粘着剤層を設けたダイシングフイルムも、上記の課題を解決できることを見いだした。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のダイシング用基体フイルム及びダイシングフイルムを提供する。
項1. A層及びC層を積層してなる少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルムであって、A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含んでなる、ダイシング用基体フイルム。
項2. A層が前記アクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、請求項1に記載のダイシング用基体フイルム。
項3. C層が前記ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、項1又は2に記載のダイシング用基体フイルム。
項4. 前記ダイシング用基体フイルムの全厚さが50〜300μmであり、A層の厚さがダイシング用基体フイルムの全厚さに対し50〜95%である項1、2又は3に記載のダイシング用基体フイルム。
項5. A層、B層及びC層の順に積層してなる少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムであって、A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、B層はポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含んでなる、ダイシング用基体フイルム。
項6. A層が前記アクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、項5に記載のダイシング用基体フイルム。
項7. B層が前記ポリプロピレン系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、項5に記載のダイシング用基体フイルム。
項8. C層が前記ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、項5、6又は7に記載のダイシング用基体フイルム。
項9. 前記ダイシング用基体フイルムの全厚さが50〜300μmであり、A層+B層の厚さがダイシング用基体フイルムの全厚さに対し50〜95%である項5〜8のいずれかに記載のダイシング用基体フイルム。
項10. 前記項1〜9のいずれかに記載のダイシング用基体フイルムのA層上にさらにアクリル系粘着剤層を有するダイシングフイルム。
項11. 少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルムの製造方法であって、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むA層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、多層共押出成形することを特徴とする製造方法。
項12. 少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムの製造方法であって、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むA層用樹脂、ポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むB層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、この順で多層共押出成形することを特徴とする製造方法。
本発明のダイシング用基体フイルムは、ダイシング工程における切削屑の発生がほとんどないためウエハの汚染の心配がなく、半導体チップをピックアップした際にチップ側にアクリル系粘着剤が残留しないため、半導体チップの汚染を効果的に防止することができる。
I.ダイシング用基体フイルム
本発明のダイシング用基体フイルムは、A層及びC層を積層してなる少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルムであって、A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含んでなる。
また、本発明のダイシング用基体フイルムは、A層、B層及びC層の順に積層してなる少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムであって、A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、B層はポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含んでなる。
以下、各層毎に説明する。
A層:
A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含んでいる。
A層で用いられるアクリル系樹脂としては、炭素数1〜8のアルキル基をエステル残基として有するアクリル酸エステルを主な単量体単位として含む樹脂である。アクリル系樹脂中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は、一般に70〜99重量%である。アクリル酸エステル単量体の具体例として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。残り共重合可能な単量体の具体例として、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロへキシル等のメタクリル酸エステル単量体;スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体等が挙げられる。
A層で用いられるスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物としては、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の炭素−炭素二重結合を水素添加した化合物が挙げられる。水素添加物を用いるのは、アクリル系樹脂との相溶性が良く且つ共役ジエン中の二重結合の存在により起こる酸化劣化等に起因してもろくなるのを防止するためである。
共役ジエンの具体例として、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。共役ジエンブロックとしては、イソプレン単位を主体とするポリイソプレンブロックの不飽和結合部が水素添加された水添ポリイソプレンブロック、ブタジエン単位を主体とするポリブタジエンブロックの不飽和結合部が水素添加された水添ポリブタジエンブロック、あるいはイソプレン単位とブタジエン単位を主体とするイソプレン/ブタジエン共重合ブロックの不飽和結合部が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合ブロックが好ましい。
スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の具体例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体水素添加物、又はスチレン−イソプレン/ブタジエンブロック共重合体水素添加物を単独、或いはこれらの混合物が挙げられる。
また、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物中のスチレン単位の含有率は、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは5〜15重量%である。
A層の樹脂組成物中におけるアクリル系樹脂の含有量は、10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは、10〜30重量%である。一方、A層の樹脂組成物中におけるスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の含有量は、50〜90重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは70〜90重量%である。基体フイルムの表面層(A層)の樹脂組成物中にアクリル系樹脂をこの範囲で含むと、A層とアクリル系粘着剤との密着性に優れるため、半導体チップのピックアップ時にチップ側にアクリル系粘着剤が残留しない。また、ダイシング時、ダイシングブレードによる樹脂由来の切削屑(ダイシング屑)の発生を効果的に抑制することができるため好適である。
A層には、アクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物に加えて、帯電防止剤を含んでいてもよい。帯電防止剤としては、アニオン系,カチオン系、ノニオン系等の公知の界面活性剤を選択できるが、とりわけ持続性,耐久性の点から、ポリエーテルエステルアミド樹脂(以下「PEEA樹脂」と表記する)、親水性ポリオレフィン樹脂(以下「親水性PO樹脂」と表記する)等のノニオン系界面活性剤が好適である。
前記PEEA樹脂は、親水性付与の主たるユニット成分であるポリエーテルエステルと、ポリアミドユニットとから構成されるポリマであり、市販されているか、或いは公知の方法で容易に製造することができる。PEEA樹脂として、例えば、三洋化成工業(株)のペレスタットNC6321等が例示される。また、特開昭64−45429号公報、特開平6−287547号公報等にその製法が記載されており、これによれば、例えば、主鎖中にエーテル基を有するポリジオ−ル成分にジカルボン酸成分を反応させて末端エステルに変え、これにアミノカルボン酸又はラクタムを反応させて製造できる。PEEA樹脂は、前記いずれの層の樹脂とも相溶性が良く、ブリードアウトするような現象は一切ない。
親水性PO樹脂としては、例えば、親水性ポリエチレン(以下「親水性PE樹脂」と表記する)又は親水性ポリプロピレン(以下「親水性PP樹脂」と表記する)が例示される。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、基本的にはポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖とポリオキシアルキレン鎖とがブロック結合したものであり、高い除電作用が発揮され静電気の蓄積をなくす。この結合は、エステル基、アミド基、エーテル基、ウレタン基等によって行われている。フイルム樹脂との相溶性の点から、この結合はエステル基又はエーテル基であるのが好ましい。親水性PP樹脂として、例えば、三洋化成工業(株)のペレスタット230等が例示される。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂におけるポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖の分子量は、例えば1200〜6000程度である。この分子量範囲であると、ポリオキシアルキレン鎖にポリエチレン又はポリプロピレンをブロック結合させる前段階の、ポリエチレン又はポリプロピレンの酸変性化が容易であるためである。
また、親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂におけるポリオキシアルキレン鎖の分子量は、耐熱性及び酸変性後のポリエチレン又はポリプロピレンとの反応性の点から、1000〜15000程度であるのが良い。なお、上記した分子量は、GPCを用いて測定した値である。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、例えば、前記した分子量を有するポリエチレン又はポリプロピレンを酸変性し、これにポリアルキレングリコールを反応させて製造することができる。より詳細については、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−48990号公報に記載されている。
A層が帯電防止剤を含む場合、帯電防止剤の含有量は、上記アクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対し10〜45重量部程度、好ましくは15〜30重量部程度である。かかる範囲であれば、本発明のフイルムの特性を損なうことなく有効に半導電性が付与されるため、発生する静電気をすばやく除電することができる。例えば、上記した範囲で帯電防止剤を含有させた本発明のフイルムは、表面抵抗率は、10〜1012Ω/□程度となる。
B層:
B層はポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含んでいる。
A層で用いられるスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物としては、上記A層で記載したものが挙げられる。A層及びB層のスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の種類は、同一でも異なっていてもよい。
B層で用いられるポリプロピレン系樹脂は結晶性のものが好ましい。結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと少量のα−オレフィン及び/又はエチレンとのランダム又はブロック共重合体が挙げられる。前記ポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合には、ランダム共重合体の場合、該共重合体中の他のα−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は一般に合計で10重量%以下、好ましくは0.5〜7重量%であり、ブロック共重合体の場合、該共重合体中の他のα−オレフィン及び/又はエチレンの共重合割合は一般に1〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%である。これらのポリプロピレン系重合体は、2種以上の重合体を混合したものであってもよい。ポリプロピレンの結晶性の指標としては例えば、融点、結晶融解熱量などが用いられ、融点は120℃〜176℃、結晶融解熱量は60J/g〜120J/gの範囲にあることが好ましい。
該ポリプロピレン系樹脂は、気相重合法、バルク重合法、溶媒重合法及び任意にそれらを組み合わせて多段重合を採用することができ、また、重合体の数平均分子量についても特に制限はないが、好ましくは10,000〜1,000,000に調整される。
この結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)が0.5〜20g/10分好ましくは0.5〜10g/10分の範囲のものがよい。
B層における樹脂組成物中におけるスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の含有量は、40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%である。また、該樹脂組成物中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、10〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。かかる範囲であると、ダイシング時、ダイシングブレードによる、樹脂由来の切削屑(ダイシング屑)の発生を効果的に抑制することができるため好適である。
B層にはさらに帯電防止剤を含んでいてもよい。B層で用いられる帯電防止剤としては、上記A層で記載したものが挙げられる。A層及びB層の帯電防止剤の種類は、同一でも異なっていてもよい。
B層が帯電防止剤を含む場合、帯電防止剤の含有量は、上記ポリプロピレン系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対し10〜45重量部程度、好ましくは15〜30重量部程度である。かかる範囲であれば、本発明のフイルムの特性を損なうことなく有効に半導電性が付与されるため、発生する静電気をすばやく除電することができる。
C層:
C層で用いられるはゴム弾性を有する熱可塑性樹脂は、エキスパンドリングと接して一様にエキスパンドされる。該ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン若しくは超低密度ポリエチレンであって、α−オレフィンがプロピレン、ブテン−1、オクテン−1、4メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1である樹脂、スチレン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、これらの樹脂の混合物等が挙げられる。これらのうち、EMA,EMAA又はEMMAが好ましく、EMAが特に好ましい。
C層には、上記のゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を必須成分として含むが、さらに帯電防止剤を含んでいてもよい。C層で用いられる帯電防止剤としては、上記A層で記載したものが挙げられる。A層及びC層の帯電防止剤の種類は、同一でも異なっていてもよい。
C層が帯電防止剤を含む場合、帯電防止剤の含有量は、前記ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂100重量部に対し10〜45重量部、好ましくは15〜30重量部である。かかる範囲であれば、C層のエキスパンドリングと接して一様にエキスパンドされる場合の滑り性を損なうことなく、有効に半導電性が付与されるため、発生する静電気をすばやく除電することができる。例えば、上記した範囲で帯電防止剤を含有させた本発明のフイルムは、その裏面の表面抵抗率が10〜1012Ω/□程度となるため好ましい。
C層には、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、さらにアンチブロッキング剤等を加えてもよい。アンチブロッキング剤を添加することにより、ダイシング用基体フイルムをロール状に巻き取った場合等のブロッキングが抑えられ好ましい。アンチブロッキング剤としては、無機系または有機系の微粒子を例示することができる。
各層の厚み
ダイシング用基体フイルムの厚さは、ダイシングブレードの切り込み深さよりも厚くし、且つ容易にロ−ル状に巻くことができる程度であれば良く、例えば50〜300μmであり、好ましくは60〜250μm、より好ましくは70〜200μmである。
ダイシング用基体フイルムがA層及びC層を含む少なくとも2層構成の場合、ダイシング用基体フイルム全厚さに対するA層の厚さの割合は、通常50〜95%であり、好ましくは50〜80%であり、C層の厚さの割合は、通常5〜50%であり、好ましくは10〜30%である。
好ましい具体例としては、ダイシング用基体フイルムの全厚さが130〜170μmの場合、A層の厚さは、75〜140μm、好ましくは80〜130μm、より好ましくは100〜130μmである。また、C層の厚さは、通常10〜75μm、好ましくは20〜70μm、より好ましくは20〜50μmである。
A層の厚さはダイシングブレードの切り込みの最深部の深さよりも厚くし、ダイシングブレードの切込みがC層にまで達しない厚さとすることが必要である。このような厚さのA層を設けることにより基材フイルムとしての切削屑はほとんど発生しない。
また、ダイシング用基体フイルムがA層、B層及びC層の順で構成される少なくとも3層構成の場合、ダイシング用基体フイルム全厚さに対するA層+B層の厚さの割合は、50〜95%、好ましくは50〜80%であり、A層とB層の厚さの比は、1:60〜1:1、好ましくは1:28〜1:2、より好ましくは1:10〜1:3であることが好ましい。C層の厚さの割合は、通常5〜50%であり、好ましくは10〜30%である。
好ましい具体例としては、ダイシング用基体フイルムの全厚さが130〜170μmの場合、A層の厚さは、5〜40μm、好ましくは10〜40μm、より好ましくは15〜35μmである。B層の厚さは、70〜100μm、好ましくは70〜90μm、より好ましくは85〜95μmである。C層の厚さは、10〜75μm、好ましくは20〜70μm、より好ましくは20〜50μmである。
A層及びB層の合計厚さはダイシングブレードの切り込みの最深部の深さよりも厚くし、ダイシングブレードの切込みがC層にまで達しない厚さとすることが必要である。このような厚さのA層及びB層を設けることにより基材フイルムとしての切削屑はほとんど発生しない。
II.ダイシング用基体フイルムの製法
本発明の少なくとも2層又は少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムは、それぞれA層及びC層用樹脂、又はA層、B層及びC層用樹脂を多層共押出成形して製造する。
具体的には、少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルムは、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むA層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、多層共押出成形することにより製造される。
また、少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムは、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むA層用樹脂、ポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むB層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、この順で多層共押出成形することにより製造される。
A層用樹脂は、所定割合のアクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とをドライブレンド又は溶融混練し調製する。B層用樹脂は、所定割合のポリプロピレン系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とをドライブレンド又は溶融混練し調製する。C層用樹脂は、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂から調製する。なお、各層を構成する樹脂には、必要に応じてさらに帯電防止剤、熱可塑性エラストマー等の他の添加剤を加えてもよい。
上記した各層用樹脂をそれぞれこの順でスクリュー式押出機に供給し、180〜225℃で多層Tダイからフイルム状に押出し、これを50〜70℃の冷却ロ−ルに通しながら冷却して実質的に無延伸で引き取る。或いは、各層用樹脂を一旦ペレットとして取得した後、上記の様に押出成形してもよい。
なお、引き取りの際に実質的に無延伸とするのは、ダイシング後に行うフイルムの拡張を有効に行うためである。この実質的に無延伸とは、無延伸、或いは、ダイシングフイルムの拡張に悪影響を与えない程度の僅少の延伸を含むものである。通常、フイルム引き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであればよい。
III.ダイシングフイルム
上記により得られるダイシング用基体フイルムは、そのフイルム上に公知のアクリル系粘着剤をコートして粘着剤層が形成され、さらに必要に応じ該アクリル系粘着剤層上に離型フイルムが設けられて、ダイシングフイルムが製造される。つまり、ダイシング用基体フイルムのA層上に、アクリル系粘着剤層及び離型フイルムが形成される。
アクリル系粘着剤層で用いられる粘着剤成分としては、公知のものが用いられ、例えば、特開平5−211234号公報等に記載された粘着剤成分を用いることができる。なお、離型フイルムも公知のものが用いられる。
アクリル系粘着剤の具体的例としては、(メタ)アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体、その他の官能性単量体との共重合体、およびこれら重合体の混合物が用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが好ましく使用できる。アクリル系重合体の分子量は、1.0×105〜10.0×105であり、好ましくは、4.0×105〜8.0×105である。
また、上記のような粘着剤層中に放射線重合性化合物を含ませることによって、ウエハを切断分離した後、該粘着剤層に放射線を照射することによって、粘着力を低下させることができる。このような放射線重合性化合物としては、たとえば、光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる(例えば、特開昭60−196,956号公報、特開昭60−223,139号公報等)。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
さらに、放射線重合性化合物として、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートを反応させて得られる。このウレタンアクリレート系オリゴマーは、炭素−炭素二重結合を少なくとも1個以上有する放射線重合性化合物である。
さらに、粘着剤層中には、上記のような粘着剤と放射線重合性化合物とに加えて、必要に応じ、放射線照射により着色する化合物(ロイコ染料等)、光散乱性無機化合物粉末、砥粒(粒径0.5〜100μm程度)、イソシアネート系硬化剤、UV開始剤等を含有させることもできる。
ダイシングフイルムは、通常テープ状にカットされたロール巻き状態で取得される。
本発明のダイシングフイルムでは、ダイシング用基体フイルムの表面層(粘着剤層が形成される層、つまりA層)にアクリル系樹脂を添加することにより、アクリル系粘着剤との密着性が向上している。そのため、半導体チップをピックアップした際に、チップ側に粘着剤が残らないようにすることができ、半導体チップの汚染を防止することができる。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、「%」は重量%を意味し、「部」は重量部を意味する。
実施例及び比較例において下記の原料を用いた。
・スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物:クレイトンポリマージャパン株式会社製 MD6945
・スチレン−イソプレンブロック共重合体水素添加物:株式会社クラレ製 ハイブラー7311
・アクリル系樹脂:株式会社クラレ製 パラペット SA−1000−FR201
・ポリプロピレン系樹脂:サンアロマー株式会社製 PC412
・エチレン−メチルアクリレート共重合体:アトフィナジャパン株式会社製 9MA
・親水性PO樹脂系帯電防止剤:三洋化成株式会社製 ペレスタット230
実施例1
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物90重量%とアクリル系樹脂10重量%をドライブレンドし、A層用樹脂とした。エチレン−メチルアクリレート共重合体をC層用樹脂とした。
A層用樹脂及びC層用樹脂をバレル温度180〜220℃の押出機にそれぞれ投入し、230℃の多層Tダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フイルムの厚さは、A層120μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表1を参照。
実施例2−4
表1に記載の配合量にて実施例1と同様に処理して多層フイルムを得た。各フイルムの厚さは表1に記載のとおり。
Figure 0005207660
実施例5
スチレン−イソプレンブロック共重合体水素添加物90重量%とアクリル系樹脂10重量%をドライブレンドし、A層用樹脂とした。エチレン−メチルアクリレート共重合体をC層用樹脂とした。
A層用樹脂及びC層用樹脂をバレル温度180〜220℃の押出機にそれぞれ投入し、230℃の多層Tダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フイルムの厚さは、A層120μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表2を参照。
実施例6−8
表2に記載の配合量にて実施例1と同様に処理して多層フイルムを得た。各フイルムの厚さは表2に記載のとおり。
Figure 0005207660
実施例9
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物45重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体水素添加物45重量%とアクリル系樹脂10重量%をドライブレンドし、A層用樹脂とした。エチレン−メチルアクリレート共重合体をC層用樹脂とした。
A層用樹脂及びC層用樹脂をバレル温度180〜220℃の押出機にそれぞれ投入し、230℃の多層Tダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フイルムの厚さは、A層120μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表3を参照。
実施例10−12
表3に記載の配合量にて実施例1と同様に処理して多層フイルムを得た。各フイルムの厚さは表3に記載のとおり。
Figure 0005207660
実施例13
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物90重量%とアクリル系樹脂10重量%をドライブレンドし、該ブレンド100重量部に対し親水性PO樹脂系帯電防止剤を10重量部添加し、これをA層用樹脂とした。エチレン−メチルアクリレート共重合体をC層用樹脂とした。
A層用樹脂及びC層用樹脂をバレル温度180〜220℃の押出機にそれぞれ投入し、230℃の多層Tダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フイルムの厚さは、A層120μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表4を参照。
実施例14
表4に記載の配合量にて実施例13と同様に処理して多層フイルムを得た。各フイルムの厚さは表4に記載のとおり。
Figure 0005207660
実施例15
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物90重量%とアクリル系樹脂10重量%をドライブレンドし、A層用樹脂とした。スチレンブタジエンブロック共重合体65重量%とポリプロピレン系樹脂35重量%をブレンドし、B層用樹脂とした。エチレン−メチルアクリレート共重合体をC層用樹脂とした。
A層用樹脂、B層用樹脂及びC層用樹脂をバレル温度180〜220℃の押出機にそれぞれ投入し、230℃の多層Tダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フイルムの厚さは、A層20μm、B層100μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表5を参照。
実施例16−18
表5に記載の配合量にて実施例15と同様に処理して多層フイルムを得た。各フイルムの厚さは表5に記載のとおり。
Figure 0005207660
実施例19
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物90重量%とアクリル系樹脂10重量%をドライブレンドし、該ブレンド100重量部に対し親水性PO樹脂系帯電防止剤を10重量部添加し、これをA層用樹脂とした。スチレンブタジエンブロック共重合体65重量%とポリプロピレン系樹脂35重量%をブレンドし、B層用樹脂とした。エチレン−メチルアクリレート共重合体をC層用樹脂とした。
A層用樹脂、B層用樹脂及びC層用樹脂をバレル温度180〜220℃の押出機にそれぞれ投入し、230℃の多層Tダイスから押出し、設定温度40℃の引き取りロールにて冷却固化して、無延伸の状態で巻き取った。
得られた多層フイルムの厚さは、A層30μm、B層90μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表6を参照。
実施例20
表6に記載の配合量にて実施例19と同様に処理して多層フイルムを得た。各フイルムの厚さは表6に記載のとおり。
Figure 0005207660
比較例1
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物95重量%とアクリル系樹脂5重量%をドライブレンドし、A層用樹脂とした以外は、実施例1と同様にして多層フイルムを得た。
得られた多層フイルムの厚さは、A層120μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表7を参照。
比較例2
スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物40重量%とアクリル系樹脂60重量%をドライブレンドし、A層用樹脂とした以外は、実施例1と同様にして多層フイルムを得た。
得られた多層フイルムの厚さは、A層120μm、C層30μm、全体厚み150μmであった。表7を参照。
Figure 0005207660
試験例1(切削屑の評価方法)
上記実施例1〜20及び比較例1〜2で得られた多層フイルムの一部を直径180mmの大きさの円形にカットして測定用試料とし、研削装置(株式会社ディスコ製 AUTOMATIC DICING SAW DAD-2H/6)にセットし、以下の条件で基体フイルムへの切削を行い、次に試料を研削装置から取り外し、クリーンブース内で24時間常温乾燥させた後、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープ(VHX−100)を用いて、倍率150倍で切削屑の有無の評価を行った。
試料の表面を任意に10箇所観察し、切削屑が全くない場合を「○」、切削屑がわずかでもあると認められる場合を「×」とした。結果を表8にまとめた。
(切削条件)
回転数:30000rpm
速度:80mm/sec
カットモード:10mm□のフルオートダイシング
カット深さ:100μm
ブレード:株式会社ディスコ製 B1A801 SDC 400N50M51(外径56mm×厚み0.2mm×内径40mm)
水量:1.2L/min
試験例2(接着性の評価方法)
上記実施例1〜20及び比較例1〜2で得られた多層フイルムのA層の面にアクリル系粘着剤を10μmの厚みに塗布し、その上に100μmの厚さのポリイミドシートを貼り付け、直径180mmの円形にカットして測定用試料とした。この試料を研削装置(株式会社ディスコ製 AUTOMATIC DICING SAW DAD-2H/6)にセットし、以下の条件でポリイミドシート側から切削を行った。
(切削条件)
回転数:30000rpm
速度:80mm/sec
カットモード:3mm□のフルオートダイシング
カット深さ:150μm
ブレード:株式会社ディスコ製 B1A801 SDC 400N50M51(外径56mm×厚み0.2mm×内径40mm)
水量:1.2L/min
次に試料を研削装置から取り外し、3mm×3mmに切削されたポリイミドシートを1枚ずつ剥がしていき、900片のポリイミドシート側にアクリル系粘着剤がついているかを目視で確認した。900片のポリイミドシートのうち、アクリル系粘着剤がポリイミドシート側についているものが、29片以下のものを「○」、30片以上のものを「×」とした。結果を表8にまとめた。
Figure 0005207660

Claims (12)

  1. A層及びC層を積層してなる少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルムであって、A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、前記アクリル系樹脂はアクリル酸エステル単量体を70〜99重量%含み、且つメタクリル酸エステル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体を含むものであり、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含んでなる、ダイシング用基体フイルム。
  2. A層が前記アクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、請求項1に記載のダイシング用基体フイルム。
  3. C層が前記ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、請求項1又は2に記載のダイシング用基体フイルム。
  4. 前記ダイシング用基体フイルムの全厚さが50〜300μmであり、A層の厚さがダイシング用基体フイルムの全厚さに対し50〜95%である請求項1、2又は3に記載のダイシング用基体フイルム。
  5. A層、B層及びC層の順に積層してなる少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムであって、A層はアクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、前記アクリル系樹脂はアクリル酸エステル単量体を70〜99重量%含み、且つメタクリル酸エステル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体を含むものであり、B層はポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、C層はゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含んでなる、ダイシング用基体フイルム。
  6. A層が前記アクリル系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、請求項5に記載のダイシング用基体フイルム。
  7. B層が前記ポリプロピレン系樹脂とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物とからなる樹脂組成物100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、請求項5に記載のダイシング用基体フイルム。
  8. C層が前記ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂100重量部に対しさらに帯電防止剤を10〜45重量部含んでなる、請求項5、6又は7に記載のダイシング用基体フイルム。
  9. 前記ダイシング用基体フイルムの全厚さが50〜300μmであり、A層+B層の厚さがダイシング用基体フイルムの全厚さに対し50〜95%である請求項5〜8のいずれかに記載のダイシング用基体フイルム。
  10. 前記請求項1〜9のいずれかに記載のダイシング用基体フイルムのA層上にさらにアクリル系粘着剤層を有するダイシングフイルム。
  11. 少なくとも2層構成のダイシング用基体フイルムの製造方法であって、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、前記アクリル系樹脂はアクリル酸エステル単量体を70〜99重量%含み、且つメタクリル酸エステル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体を含むものであるA層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、多層共押出成形することを特徴とする製造方法。
  12. 少なくとも3層構成のダイシング用基体フイルムの製造方法であって、アクリル系樹脂10〜50重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物50〜90重量%とからなる樹脂組成物を含み、前記アクリル系樹脂はアクリル酸エステル単量体を70〜99重量%含み、且つメタクリル酸エステル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体を含むものであるA層用樹脂、ポリプロピレン系樹脂10〜60重量%とスチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物40〜90重量%とからなる樹脂組成物を含むB層用樹脂、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を含むC層用樹脂を、この順で多層共押出成形することを特徴とする製造方法。
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