JP2004338286A - 粘着テープ用基材および粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】均一拡張性に優れており、適度な引張強度を有し、柔軟性、透明性をもち、かつ、積層界面の層間剥離を起こすことのない粘着テープ用基材および粘着テープの提供。
【解決手段】直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、融点が140〜150℃の範囲にあり、重量平均分子量が8万〜45万の範囲にあり、且つ全樹脂量に対するクロス分別法による溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%であるポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロック(B)とからなる水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなる層(II)とが積層された多層積層体からなる粘着テープ用基材。
【選択図】なし
【解決手段】直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、融点が140〜150℃の範囲にあり、重量平均分子量が8万〜45万の範囲にあり、且つ全樹脂量に対するクロス分別法による溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%であるポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロック(B)とからなる水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなる層(II)とが積層された多層積層体からなる粘着テープ用基材。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイシングテープ、表面保護フィルム、マスキングフィルム、テーブルクロス、建築基材フィルム、ストレッチフィルム、医療用テープ原反等に用いることができる粘着テープ用基材および粘着シートに関する。特に、均一延伸生に優れており、半導体ウエハをダイシングによりチップ化する際に、ウエハの粘着固定に使用されるダイシングテープ用基材およびダイシングテープとして好適に使用される粘着テープ用基材および粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン等の半導体ウエハは、大径の状態で製造され、その後、小片にダイシングされ、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハはダイシング用粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング、洗浄、エキスパンド、ピックアップ、マウントの各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上に粘着剤が塗布されてなるものが用いられている。
【0003】
前記ダイシング工程においては、回転する丸刃によってウエハの切断が行われるが、かかるウエハの切断は、ウエハを保持する粘着シートの内部まで切り込みを行う切断方法が主流となってきている。ダイシング工程に用いられるダイシングフィルム基材の性能としては、均一な延伸性を有すると共に、その延伸性が優れていることが要求される。すなわち、ダイシングフィルムの均一延伸性が優れていると、フィルムを延伸させた場合に、各チップ間に均等な隙間を形成することができ、したがって、チップのピックアップの作業性が極めて良好なものとなる。
【0004】
上記ダイシングフィルムとして、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材に使用したダイシングフィルムが使用されているが、該ダイシング用フィルムは、塩化ビニル系樹脂フィルムを使用していることから、塩素イオンによるウエハの腐食の汚染、廃棄焼却時の有毒ガス発生等の問題がある。さらに柔軟性をもたせるため、フィルム中に大量の可塑剤が添加されており、該可塑剤がウエハに移行してウエハを汚染したり、粘着剤に移行して粘着力を低下させ、ダイシング時にチップが飛散したりする問題があった。
【0005】
一方、塩素イオンによる汚染や、焼却時の有害ガス発生の問題の無い、塩化ビニル系樹脂フィルムに代わる軟質のフィルム基材として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム基材が挙げられるが、従来のポリオレフィン系フィルム基材には、軟質ポリ塩化ビニルフィルムに比べると多くの問題があった。例えば、ポリプロピレンを主体とするフィルムは結晶性が高く、柔軟性、延伸性に劣るなどの課題があり、又、ポリエチレンを主体とするフィルムでもその機械的強度に課題があった。具体的には、一般のポリプロピレン系樹脂では応力ー歪み曲線をとると、低伸張時の力の立ち上がりが急であり、20〜30%伸張すると降伏し、その後100%伸張程度までは応力がほとんど増加しない、つまり、S−S曲線において歪みに対する応力がほぼ一定となる。このような樹脂を粘着シート基材に適用すると、エキスパンドの際に強く引っ張るとフィルムが伸びきってしまう恐れがある。この欠点を一般のポリプロピレン系樹脂で克服するためには、熱可塑性のエラストマーを多量に加える必要があり、経済的に塩化ビニル系樹脂フィルムを代替することは容易ではなかった。
【0006】
上記課題の解決のために、種々の検討が行われてきている。例えば、特許文献1には、プロピレン及び/又はブテン−1の含有率が50重量%以上の非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレンからなる層とポリエチレンからなる層とが積層されたフィルムが提案されていが、この積層フィルムは繰返し折り曲げられた場合や、延伸された場合、非晶性ポリオレフィンを主成分とする層とポリエチレン層とが界面で容易に剥離することがある。又、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べて、均一な延伸性は不十分であった。
【0007】
特許文献2には、ポリブテン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体からなるフィルムが開示されているが、これらのフィルムは柔軟性が改善されているが、ポリプロピレンとブレンドされる材料との相溶性の関係から透明性が不十分である場合があり、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べると、やはり引伸ばされた際の均一な延伸性では不十分であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−927号公報
【特許文献2】
特開平7−300548号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、均一拡張性に優れており、適度な引張強度を有し、柔軟性、透明性をもち、かつ、積層界面の層間剥離を起こすことのない粘着テープ用基材および粘着テープの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、融点が140〜150℃の範囲にあり、重量平均分子量が8万〜45万の範囲にあり、且つ全樹脂量に対するクロス分別法による溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%であるポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロック(B)とからなる水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなる層(II)とが積層された多層積層体からなることを特徴とする粘着テープ用基材。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記水素添加ブロック共重合体が、ビニル芳香族単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(A)と、水素添加されたブタジエン単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(B)から構成され、ビニル芳香族炭化水素化合物の割合が、10重量%を越え25重量%未満であり、水素添加される前のブタジエン部の1、2結合量が62モル%以上99モル%未満であり、該ポリブタジエン部のオレフィン性不飽和二重結合のうち、90%以上が水素添加され、少なくとも1個の末端が重合体ブロック(B)であり、末端にある1個の重合体ブロック(B)の量が、0.1重量%以上9.1重量%未満である水素添加ブロック共重合体である粘着テープ用基材である。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物が12重量%以上25重量%未満である請求項2記載の粘着テープ基材である。
【0013】
請求項4記載の発明は、水素添加ブロック共重合体中の、末端にある1個の重合体ブロック(B)が、0.5重量%を越え5.0重量%未満である請求項2に記載の粘着テープ用基材である。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材上に粘着剤層が設けられてなる粘着シートである。
【0015】
以下、本発明1に関して詳細に述べる。
本発明の層(I)に用いる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、公知の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂やメタロセン触媒で製造されたポリエチレン樹脂があげられる。
【0016】
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体であっても良く、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であっても良い。また、上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。上記炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、これらのα−オレフィンは1種であっても良く、また、2種以上が併用されていても良い。これらのα−オレフィンの内、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンが好適に用いられる。
【0017】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体中におけるエチレン成分は、多すぎると、加工性が低下したり、得られる基材フィルムにブロッキングが生じやすくなり、又、少なすぎると、得られる基材フィルムの強度が低下するので、90〜99重量%の範囲が好ましい。
【0018】
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度は0.89〜0.93g/cm3が好ましく、さらに好ましくは、0.895〜0.95g/cm3である。また、190度におけるMFRは2〜9g/10分であることが好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度やMFRが上記範囲を、均一な延伸性を有するフィルム基材の製造が困難になる。
【0019】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて公知の製造法により得ることができる。例えば、エチレンやα−オレフィンをメタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せからなる触媒系を用い、不活性ガス中での流動床式気相重合あるいは攪拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などで製造される。
【0020】
メタロセン触媒としては、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せが用いられる。メタロセン化合物の具体例としては、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドなどのケイ素架橋型メタロセン化合物、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド、エチレンビスインデニルハフニウムジクロライドなどのインデニル系架橋型メタロセン化合物などを挙げることができる。
【0021】
上記有機アルミニウム化合物としては、具体的には、例えば、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブチルエチルアルモキサン、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウムなどが挙げられる。
【0022】
イオン性化合物としては、一般式、C+・A−で示され、C+は有機化合物、有機金属化合物、あるいは無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基とプロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロセン配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生成することができる。それらの具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチオンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオン化合物がある。
【0023】
本発明の層(II)を構成するポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が好適に用いられ、融点が140〜150℃であって、かつ重量平均分子量(Mw)が80,000〜450,000の範囲である。さらに、クロス分別法において、全樹脂量に対する溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%である。
【0024】
上記分子量が80,000未満、又は450,000を超えた場合には、製膜性が低下してしまう。
またクロス分別法において、0℃以上10℃以下の樹脂溶出量が50重量%未満ではフィルムの柔軟性に欠け、60重量%を超えるとフィルムの強度が不十分であり、10℃超え70℃以下での樹脂溶出量が10重量%未満ではフィルムの柔軟性に欠け、20重量%を超えるとフィルムの延伸性に劣る。
また、70℃超え95℃以下での樹脂溶出量が10重量%未満ではフィルムの延伸性に劣り、20重量%を超えるとフィルムの強度が不十分であり、95℃超え125℃以下での樹脂溶出量が10重量%未満ではフィルムの強度が不十分であり、20重量%を超えるとフィルムの柔軟性に欠ける。
【0025】
上記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、例えば、WATERS社製高温GPC(150CV)で測定され得る。
本発明におけるクロス分別法による樹脂の溶出量の測定は以下のように行って求められた値である。即ち、まず、ポリオレフィン系樹脂を140℃あるいはポリオレフィン系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で0℃まで冷却し、予め用意しておいた不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させる。次に、この生成したポリマー層を連続又は段階的に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、その組成分布(結晶性分布)を測定する(温度上昇溶離分別)。同時に、溶出した成分について高温型GPCにより分子量および分子量分布を測定する。これにより、各温度領域での溶出量を算出する。本発明においては、上述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分とをシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ装置(CFC−T150A型、三菱油化社製)が使用して測定した。
【0026】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂において、融点、分子量、クロス分別法における各温度域での溶出量が上記範囲内にあることは、フィルム弾性率、強度、耐熱性、2次加工性などの物性を制御する上で非常に重要であり、本発明で示すような組成のポリオレフィン系樹脂を用いることにより、柔軟性に富み、延伸性の優れたフィルムが低コストで得られる。
【0027】
本発明の層(II)を構成する水素添加ブロック共重合体としては、ビニル芳香族単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(A)と、水素添加され共役ジエン単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(B)から構成されてなる。尚、上記の主体とするという意味は、当該単量体が少なくとも50モル%を越えて含有されていることを意味する。
【0028】
上記重合体ブロック(A)を構成するビニル芳香族単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、これらの内から1種、または2種以上が選択して用いられるが、スチレンが好適に用いられる。上記ブロック共重合体中におけるビニル芳香族単量体の量は10重量%を越え25重量%未満であり、12重量%以上25重量%未満が好ましい。ビニル芳香族単量体が10重量%以下であるとフィルムがブロッキングし易くなり、25重量%以上であると柔軟性が低下し、透明性が悪化する。尚、ビニル芳香族単量体の含有量は核磁気共鳴装置(NMR)、紫外分光光度計(UV)などにより測定できる。
【0029】
上記重合体ブロック(A)には、ビニル芳香族単量体と共重合可能な他のモノマーが含有されていて良く、共重合可能な他の単量体としては、共役ジエン化合物単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプロラクトン等が挙げられる。共重合の形態としては、ランダム共重合体、交互共重合体、徐々に組成比が変化するテーパー型共重合体等いかなる形態でも良く、また、ブロック共重合体中に2個以上含まれる重合体ブロック(A)はそれぞれその組成、分子量などが異なっても構わない。
【0030】
上記重合体ブロック(B)を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3,―ジメチル1,3―ブタジエン、1,3―ペンタジエン、2−メチル−1,3ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5ジエチル1,3オクタジエン、3―ブチル−1等が挙げられ、特に1,3−ブタジエン、イソプレンが好適に用いられる。
【0031】
上記重合体ブロック(B)中における水素添加前のジエン化合物の結合構造としては、例えば、ポリブタジエンの場合は1,2ビニル結合が62〜99モル%が好ましく、より好ましくは65〜99モル%であり、さらに好ましくは70〜99モル%である。1,2ビニル結合が62モル%未満の場合は均一延伸性が低下する。また、ポリイソプレンの場合は、1,4ビニル結合が80重量%以上が好ましく、さらに好ましくは90重量%以上である。1,4ビニル結合が80重量%未満の場合は、上記ポリオレフィン系樹脂との相溶性が低下してしまう。
尚、結合構造は核磁気共鳴装置(NMR)により測定される。
【0032】
上記重合体ブロック(B)を構成するブタジエンと共重合可能な他の単量体としては、ビニル芳香族単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプロラクトン等が挙げられ、共重合の形態としては、ランダム共重合体、交互共重合体、徐々に組成比が変化するテーパー型共重合体等いかなる形態でも良く、また、ブロック共重合体中に2個以上含まれる重合体ブロック(B)はそれぞれその組成、分子量などが異なってもよい。
【0033】
上記水素添加ブロック共重合体は、水素添加される前の重合体ブロック(A)中のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上が水素添加されたものである。90%未満であると、熱、光などにより劣化をおこし熱可塑性が低下する。 また、上記オレフィン性不飽和二重結合の水素添加の際に重合体ブロック(A)中のビニル芳香族化合物のベンゼン環の不飽和二重結合も水素添加される可能性があるが、ビニル芳香族化合物全体中の20%までは水素添加されていても良い。これらの水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
【0034】
上記水素添加ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.01g/10分以上50g/10分未満の範囲にあることが好ましく、1.0g/10分以上14g/10分以下であることがさらに好ましく、2.0g/10分以上6.0g/10分以下であることがとりわけ好ましい。0.01g/10分未満であると組成物の流動性が悪化し好ましくなく、50g/10分以上であるとフィルムブロッキング性が悪化するため好ましくない。MFRは、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.2Nの条件で求めた値である。
【0035】
本発明で層(II)に用いられる水素添加ブロック共重合体は、2個以上の重合体ブロック(A)と2個以上の重合体ブロック(B)とから構成されており、少なくとも1個の末端が重合体ブロック(B)であれば、その構造は、特に限定されず、線状、分岐状、放射状、櫛形状などいかなる形態であっても良い。例えば、B−A−B−A、B−A−B−A−B、(B−A−B)4 −Si、(B−A−B)3 (A−B)−Si、(B−A−B)2 (A−B)2 −Si、(B−A−B)(A−B)3 −Si、(B−A−B)3 −Si−R、(B−A−B)2 −Si−R、R’、(B−A−B)4 −Sn、(B−A−B)2 −Sn−R、R’等が挙げられる。
【0036】
水素添加ブロック共重合体中における、末端にある1個の重合体ブロック(B)の量は0.1重量%以上9.1重量%未満であり、好ましくは0.3重量%以上7.5重量%以下であり、更に好ましくは0.5重量%を越え5.0重量%未満である。重合体ブロック(B)の量が0.1重量%未満であると、柔軟性に劣り、応力緩和性が悪化し、9.1重量%以上であるとフィルムの耐ブロッキング性が低下する。
例えば、B1−A−B2−A−B3(B1、B2、B3:水素添加されたブタジエン単量体を主体とする重合体ブロック)の構造を例にとると、末端にある重合体ブロックB1が全体に占める割合は0.1重量%以上9.1重量%未満の範囲になければならず、また他方の末端にある重合体ブロックB3も全体に占める割合は0.1重量%以上9.1重量%未満の範囲になければならない。
【0037】
水素添加をする前のブロック共重合体は、公知の方法、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭49−36957号公報などに記載された方法で製造することができる。これらの方法は炭化水素溶剤中でアニオン重合開始剤として有機リチウム化合物等を用い、ビニル芳香族単量体とブタジエン単量体をブロック共重合する方法であり、直鎖状、分岐状、あるいは放射状の構造を有するブロック共重合体が得られる。
【0038】
上記の水素添加ブロック共重合体は、公知の方法、例えば、特公昭42−87045号公報等に記載の方法でブロック共重合体を水素添加することにより得られる。
【0039】
本発明で用いる水素添加ブロック共重合体には、本発明の効果を阻害しない半で、不飽和カルボン酸またはその誘導体等により官能基が導入されていても良いし、また、組成が異なる他の水素添加ブロック共重合体、またはエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のオレフィン系エラストマー等が併用されても良い。
【0040】
層(II)は上述したように、ポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と水素添加ブロック共重合体3〜50重量%からなる樹脂組成物からなる。ポリオレフィン系系樹脂の量が、97重量%を超えると延伸性の優れた均一な基材フィルムが得られ難く、50重量%未満であると、均一な膜が得られない
【0041】
本発明にあっては、層(I)が直鎖状低密度ポリエチレンからなり、層(II)が、上記範囲の組成を有するポリオレフィン系樹脂50〜97重量%および上記水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなり、層(I)と層(II)とが積層された多層積層体構造であるので、均一延伸性、テープとしての抗張力が優れた粘着テープ用基材となり、ダイシング用フィルムとして好適に用いられる。
【0042】
又、本発明の層(I)、層(II)には、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどが添加されていても良い。ブロッキング防止剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、エチレンビスステアリルアミド、タルク、アモルファスシリカ、金属石鹸等があげられる。
【0043】
本発明における粘着テープ用基材における、層構成は層(I)、層(II)からなる多層構造であれば特に限定されないが、一般的には3層構造であり、その層比は、通常1/2/1〜1/10/1が好ましい。
【0044】
本発明における粘着テープ用基材フィルムは、半導体ウエハをダイシングする際に、ウエハに粘着固定するダイシングフィルムの基材として好適に用いられるフィルムであり、その積層フィルムの厚さについては特に限定されるものではないが、上記ダイシング用途を想定した場合には、一般的には、0.05〜0.5mmであり、好ましくは、0.08〜0.3mmである。フィルムの厚さが厚すぎると、引っ張り応力が大きくなり、フィルムを伸ばすのに、大きな力が必要となる傾向があり、薄すぎると、引っ張り強度が小さくなり、破れやすくなる傾向がある。
【0045】
本発明が提供する粘着テープ用基材フィルムの成形方法としては、好ましくは、製造工程が簡略である共押出法や、カレンダー法、共押出インフレーション法を使用して成形するのがよい。
【0046】
本発明が提供するダイシング用フィルム基材にあっては、少なくとも一方の表面(後述の粘着加工の施されない面)を梨地調にエンボス加工しておくこともできる。本発明によるダイシングフィルム基材は、チップがダイシングされた後エキスパンダーリングに押し当てられて延伸される。その際、フィルムとエキスパンダーリングとの摩擦により、フィルムが局部的に延伸されることが生じる場合もあるため、本発明のフィルムにあっては、一方の表面を梨地エンボス加工することにより、エキスパンダーリングとの滑りを均一にさせることが可能である。
【0047】
請求項5記載の粘着シートは、前記粘着テープ用基材に、粘着剤層を設けられてなり、該粘着剤層は、公知もしくは慣用の粘着剤を使用することができ、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の各種の粘着剤が用いられる。
【0048】
上記粘着剤としてはアクリル系粘着剤が好ましく、アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体又は他の共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、そのホモポリマーのガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
【0049】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとしては、たとえば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等があげられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0050】
また、粘着剤としては、紫外線、電子線等により硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボンド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明の粘着シートをダイシング用粘着テープとして用いる際には、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。
【0051】
なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に粘着剤層に放射線が照射されるため、前記基材フィルムは十分な放射線透過性を有しているものが好ましい。
【0052】
上記放射線硬化型粘着剤は、例えば、前記ベースポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマーまたはポリマーを特に制限なく使用できる。放射線硬化成分としては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物などがあげられる。
【0053】
また、放射線硬化型粘着剤は、ベースポリマー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用することもでき、この場合においては、上記放射線硬化成分は加えられていても、加えられていなくても、どちらでも良い。
【0054】
上記紫外線硬化型粘着剤には、光重合開始剤が添加される。光重合開始剤としてはベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などが挙げられる。前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化合物、ポリアミン、カルボキシルキ含有ポリノマーなどがあげられる。
【0055】
放射線硬化型粘着剤には、さらには必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
【0056】
上記粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類等により適宜、決定されるが、通常は1〜100μm、好ましくは3〜50μm程度である。
【0057】
粘着剤層塗工の際に、セパレータを用いることがある。このセパレータは、ラベル加工のため、または粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。セパレータの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
【0058】
【実施例】
以下に本発明を具体的実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、以下にあげる実施例に限定されるものではない。
実施例1、2 比較例1、2
(基材フィルムの作製)
中心層用(層(II))の材料として、表1記載のポリプロピレン樹脂と表2記載の水素添加ブロック共重合体とからなる組成物(両樹脂の比は表3に記載)を用い、両外層(層(I))用の材料として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.905、MFR:3)を使用し、Tダイ押出機で各層の厚さ比が1/3/1となるように3層押出をして100μmのフィルムを製膜し、片面にコロナ処理を施した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
(粘着剤の調製)
アクリル酸ブチル95重量部及びアクリル酸5重量部を酢酸エチル中で常法により共重合させて得られた重量平均分子量80万のアクリル系共重合体を含有する溶液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」、日本化薬株式会社製)60重量部、ラジカル重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)3重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製した。
【0062】
(粘着テープの作製)
上記で得られた基材フィルムのコロナ処理面に粘着剤溶液を塗布し、80℃で10分間加熱して、厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外線硬化型半導体用粘着シートを作製した。
【0063】
〔評価〕
得られた粘着シ−トについて、下記の評価を行い結果を表3に示した。
(エキスパンド性)
基材フィルムの直交する2方向について、JIS K 7127に準拠して引っ張り試験を行い100%伸張時の応力を測定し、その比を求めてエキスパンド性の指標とした。比が1に近いほど均一性が良く、0.8〜1.2の範囲であれば問題が無い。
一方、得られた粘着シートを半導体ウエハに貼り付け、ダイシング、エキスパンド、ピックアップを行い下記の基準で評価を行った。結果を表2に示した。
○:全く問題なし。
×:エキスパンドが不均一でピックアップ時にトラブル発生。
(層間剥離)
得られた粘着シートを半導体ウエハに貼り付け、ダイシング、エキスパンドを行った。次に、10個のチップをピックアップし、チップの裏側にフィルムの一部が付着しているチップの個数を調べ、下記の基準で層間剥離を評価した。
○:全てのチップに付着していない。
△:1個のチップに付着していた。
×:2個以上のチップに付着していた。
【0064】
比較例3
中心層用(層(II))の材料として、表1記載のポリプロピレン樹脂10重量部とエチレン−プロピレンランダム共重合体(サンアロマー PF631S)90重量部とを用いる以外は実施例と同様に行った。結果を表3に示した。
比較例4
基材フィルムとして、ランダムポリプロピレン樹脂(MFR=3、エチレン含有量1.5%)のみからなるフィルムを用いて、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価したが、硬く、伸び率が低く、エキスパンド時に降伏してしまい、均一な延伸ができず、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
比較例5
基材フィルムとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:25重量%)のみからなるフィルムを用いて、実施例1と同様にして粘着シートを作製しエキスパンド性を評価したが、軟らかすぎて強度的が低く、エキスパンド時に裂けてしまい、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】
本発明の粘着テープ用基材は、上述したとおり、直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、特定の構造および性質を有するポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(II)とが積層されてなる構成であるので、均一な延伸性に優れ、適度な引張り強さを有し、ダイシング用粘着テープ等の基材として好適に使用される粘着テープ用基材である。
従って、上記基材の表面に粘着加工がされてなる粘着テープはダイシング用粘着テープとして好適に使用される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイシングテープ、表面保護フィルム、マスキングフィルム、テーブルクロス、建築基材フィルム、ストレッチフィルム、医療用テープ原反等に用いることができる粘着テープ用基材および粘着シートに関する。特に、均一延伸生に優れており、半導体ウエハをダイシングによりチップ化する際に、ウエハの粘着固定に使用されるダイシングテープ用基材およびダイシングテープとして好適に使用される粘着テープ用基材および粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン等の半導体ウエハは、大径の状態で製造され、その後、小片にダイシングされ、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハはダイシング用粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング、洗浄、エキスパンド、ピックアップ、マウントの各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上に粘着剤が塗布されてなるものが用いられている。
【0003】
前記ダイシング工程においては、回転する丸刃によってウエハの切断が行われるが、かかるウエハの切断は、ウエハを保持する粘着シートの内部まで切り込みを行う切断方法が主流となってきている。ダイシング工程に用いられるダイシングフィルム基材の性能としては、均一な延伸性を有すると共に、その延伸性が優れていることが要求される。すなわち、ダイシングフィルムの均一延伸性が優れていると、フィルムを延伸させた場合に、各チップ間に均等な隙間を形成することができ、したがって、チップのピックアップの作業性が極めて良好なものとなる。
【0004】
上記ダイシングフィルムとして、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材に使用したダイシングフィルムが使用されているが、該ダイシング用フィルムは、塩化ビニル系樹脂フィルムを使用していることから、塩素イオンによるウエハの腐食の汚染、廃棄焼却時の有毒ガス発生等の問題がある。さらに柔軟性をもたせるため、フィルム中に大量の可塑剤が添加されており、該可塑剤がウエハに移行してウエハを汚染したり、粘着剤に移行して粘着力を低下させ、ダイシング時にチップが飛散したりする問題があった。
【0005】
一方、塩素イオンによる汚染や、焼却時の有害ガス発生の問題の無い、塩化ビニル系樹脂フィルムに代わる軟質のフィルム基材として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム基材が挙げられるが、従来のポリオレフィン系フィルム基材には、軟質ポリ塩化ビニルフィルムに比べると多くの問題があった。例えば、ポリプロピレンを主体とするフィルムは結晶性が高く、柔軟性、延伸性に劣るなどの課題があり、又、ポリエチレンを主体とするフィルムでもその機械的強度に課題があった。具体的には、一般のポリプロピレン系樹脂では応力ー歪み曲線をとると、低伸張時の力の立ち上がりが急であり、20〜30%伸張すると降伏し、その後100%伸張程度までは応力がほとんど増加しない、つまり、S−S曲線において歪みに対する応力がほぼ一定となる。このような樹脂を粘着シート基材に適用すると、エキスパンドの際に強く引っ張るとフィルムが伸びきってしまう恐れがある。この欠点を一般のポリプロピレン系樹脂で克服するためには、熱可塑性のエラストマーを多量に加える必要があり、経済的に塩化ビニル系樹脂フィルムを代替することは容易ではなかった。
【0006】
上記課題の解決のために、種々の検討が行われてきている。例えば、特許文献1には、プロピレン及び/又はブテン−1の含有率が50重量%以上の非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレンからなる層とポリエチレンからなる層とが積層されたフィルムが提案されていが、この積層フィルムは繰返し折り曲げられた場合や、延伸された場合、非晶性ポリオレフィンを主成分とする層とポリエチレン層とが界面で容易に剥離することがある。又、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べて、均一な延伸性は不十分であった。
【0007】
特許文献2には、ポリブテン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体からなるフィルムが開示されているが、これらのフィルムは柔軟性が改善されているが、ポリプロピレンとブレンドされる材料との相溶性の関係から透明性が不十分である場合があり、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べると、やはり引伸ばされた際の均一な延伸性では不十分であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−927号公報
【特許文献2】
特開平7−300548号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、均一拡張性に優れており、適度な引張強度を有し、柔軟性、透明性をもち、かつ、積層界面の層間剥離を起こすことのない粘着テープ用基材および粘着テープの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、融点が140〜150℃の範囲にあり、重量平均分子量が8万〜45万の範囲にあり、且つ全樹脂量に対するクロス分別法による溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%であるポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロック(B)とからなる水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなる層(II)とが積層された多層積層体からなることを特徴とする粘着テープ用基材。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記水素添加ブロック共重合体が、ビニル芳香族単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(A)と、水素添加されたブタジエン単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(B)から構成され、ビニル芳香族炭化水素化合物の割合が、10重量%を越え25重量%未満であり、水素添加される前のブタジエン部の1、2結合量が62モル%以上99モル%未満であり、該ポリブタジエン部のオレフィン性不飽和二重結合のうち、90%以上が水素添加され、少なくとも1個の末端が重合体ブロック(B)であり、末端にある1個の重合体ブロック(B)の量が、0.1重量%以上9.1重量%未満である水素添加ブロック共重合体である粘着テープ用基材である。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物が12重量%以上25重量%未満である請求項2記載の粘着テープ基材である。
【0013】
請求項4記載の発明は、水素添加ブロック共重合体中の、末端にある1個の重合体ブロック(B)が、0.5重量%を越え5.0重量%未満である請求項2に記載の粘着テープ用基材である。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材上に粘着剤層が設けられてなる粘着シートである。
【0015】
以下、本発明1に関して詳細に述べる。
本発明の層(I)に用いる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、公知の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂やメタロセン触媒で製造されたポリエチレン樹脂があげられる。
【0016】
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体であっても良く、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であっても良い。また、上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。上記炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、これらのα−オレフィンは1種であっても良く、また、2種以上が併用されていても良い。これらのα−オレフィンの内、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンが好適に用いられる。
【0017】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体中におけるエチレン成分は、多すぎると、加工性が低下したり、得られる基材フィルムにブロッキングが生じやすくなり、又、少なすぎると、得られる基材フィルムの強度が低下するので、90〜99重量%の範囲が好ましい。
【0018】
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度は0.89〜0.93g/cm3が好ましく、さらに好ましくは、0.895〜0.95g/cm3である。また、190度におけるMFRは2〜9g/10分であることが好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度やMFRが上記範囲を、均一な延伸性を有するフィルム基材の製造が困難になる。
【0019】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて公知の製造法により得ることができる。例えば、エチレンやα−オレフィンをメタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せからなる触媒系を用い、不活性ガス中での流動床式気相重合あるいは攪拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などで製造される。
【0020】
メタロセン触媒としては、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せが用いられる。メタロセン化合物の具体例としては、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドなどのケイ素架橋型メタロセン化合物、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド、エチレンビスインデニルハフニウムジクロライドなどのインデニル系架橋型メタロセン化合物などを挙げることができる。
【0021】
上記有機アルミニウム化合物としては、具体的には、例えば、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブチルエチルアルモキサン、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウムなどが挙げられる。
【0022】
イオン性化合物としては、一般式、C+・A−で示され、C+は有機化合物、有機金属化合物、あるいは無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基とプロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロセン配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生成することができる。それらの具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチオンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオン化合物がある。
【0023】
本発明の層(II)を構成するポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が好適に用いられ、融点が140〜150℃であって、かつ重量平均分子量(Mw)が80,000〜450,000の範囲である。さらに、クロス分別法において、全樹脂量に対する溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%である。
【0024】
上記分子量が80,000未満、又は450,000を超えた場合には、製膜性が低下してしまう。
またクロス分別法において、0℃以上10℃以下の樹脂溶出量が50重量%未満ではフィルムの柔軟性に欠け、60重量%を超えるとフィルムの強度が不十分であり、10℃超え70℃以下での樹脂溶出量が10重量%未満ではフィルムの柔軟性に欠け、20重量%を超えるとフィルムの延伸性に劣る。
また、70℃超え95℃以下での樹脂溶出量が10重量%未満ではフィルムの延伸性に劣り、20重量%を超えるとフィルムの強度が不十分であり、95℃超え125℃以下での樹脂溶出量が10重量%未満ではフィルムの強度が不十分であり、20重量%を超えるとフィルムの柔軟性に欠ける。
【0025】
上記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、例えば、WATERS社製高温GPC(150CV)で測定され得る。
本発明におけるクロス分別法による樹脂の溶出量の測定は以下のように行って求められた値である。即ち、まず、ポリオレフィン系樹脂を140℃あるいはポリオレフィン系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で0℃まで冷却し、予め用意しておいた不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させる。次に、この生成したポリマー層を連続又は段階的に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、その組成分布(結晶性分布)を測定する(温度上昇溶離分別)。同時に、溶出した成分について高温型GPCにより分子量および分子量分布を測定する。これにより、各温度領域での溶出量を算出する。本発明においては、上述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分とをシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ装置(CFC−T150A型、三菱油化社製)が使用して測定した。
【0026】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂において、融点、分子量、クロス分別法における各温度域での溶出量が上記範囲内にあることは、フィルム弾性率、強度、耐熱性、2次加工性などの物性を制御する上で非常に重要であり、本発明で示すような組成のポリオレフィン系樹脂を用いることにより、柔軟性に富み、延伸性の優れたフィルムが低コストで得られる。
【0027】
本発明の層(II)を構成する水素添加ブロック共重合体としては、ビニル芳香族単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(A)と、水素添加され共役ジエン単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(B)から構成されてなる。尚、上記の主体とするという意味は、当該単量体が少なくとも50モル%を越えて含有されていることを意味する。
【0028】
上記重合体ブロック(A)を構成するビニル芳香族単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、これらの内から1種、または2種以上が選択して用いられるが、スチレンが好適に用いられる。上記ブロック共重合体中におけるビニル芳香族単量体の量は10重量%を越え25重量%未満であり、12重量%以上25重量%未満が好ましい。ビニル芳香族単量体が10重量%以下であるとフィルムがブロッキングし易くなり、25重量%以上であると柔軟性が低下し、透明性が悪化する。尚、ビニル芳香族単量体の含有量は核磁気共鳴装置(NMR)、紫外分光光度計(UV)などにより測定できる。
【0029】
上記重合体ブロック(A)には、ビニル芳香族単量体と共重合可能な他のモノマーが含有されていて良く、共重合可能な他の単量体としては、共役ジエン化合物単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプロラクトン等が挙げられる。共重合の形態としては、ランダム共重合体、交互共重合体、徐々に組成比が変化するテーパー型共重合体等いかなる形態でも良く、また、ブロック共重合体中に2個以上含まれる重合体ブロック(A)はそれぞれその組成、分子量などが異なっても構わない。
【0030】
上記重合体ブロック(B)を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3,―ジメチル1,3―ブタジエン、1,3―ペンタジエン、2−メチル−1,3ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5ジエチル1,3オクタジエン、3―ブチル−1等が挙げられ、特に1,3−ブタジエン、イソプレンが好適に用いられる。
【0031】
上記重合体ブロック(B)中における水素添加前のジエン化合物の結合構造としては、例えば、ポリブタジエンの場合は1,2ビニル結合が62〜99モル%が好ましく、より好ましくは65〜99モル%であり、さらに好ましくは70〜99モル%である。1,2ビニル結合が62モル%未満の場合は均一延伸性が低下する。また、ポリイソプレンの場合は、1,4ビニル結合が80重量%以上が好ましく、さらに好ましくは90重量%以上である。1,4ビニル結合が80重量%未満の場合は、上記ポリオレフィン系樹脂との相溶性が低下してしまう。
尚、結合構造は核磁気共鳴装置(NMR)により測定される。
【0032】
上記重合体ブロック(B)を構成するブタジエンと共重合可能な他の単量体としては、ビニル芳香族単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプロラクトン等が挙げられ、共重合の形態としては、ランダム共重合体、交互共重合体、徐々に組成比が変化するテーパー型共重合体等いかなる形態でも良く、また、ブロック共重合体中に2個以上含まれる重合体ブロック(B)はそれぞれその組成、分子量などが異なってもよい。
【0033】
上記水素添加ブロック共重合体は、水素添加される前の重合体ブロック(A)中のオレフィン性不飽和二重結合のうち90%以上が水素添加されたものである。90%未満であると、熱、光などにより劣化をおこし熱可塑性が低下する。 また、上記オレフィン性不飽和二重結合の水素添加の際に重合体ブロック(A)中のビニル芳香族化合物のベンゼン環の不飽和二重結合も水素添加される可能性があるが、ビニル芳香族化合物全体中の20%までは水素添加されていても良い。これらの水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
【0034】
上記水素添加ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.01g/10分以上50g/10分未満の範囲にあることが好ましく、1.0g/10分以上14g/10分以下であることがさらに好ましく、2.0g/10分以上6.0g/10分以下であることがとりわけ好ましい。0.01g/10分未満であると組成物の流動性が悪化し好ましくなく、50g/10分以上であるとフィルムブロッキング性が悪化するため好ましくない。MFRは、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.2Nの条件で求めた値である。
【0035】
本発明で層(II)に用いられる水素添加ブロック共重合体は、2個以上の重合体ブロック(A)と2個以上の重合体ブロック(B)とから構成されており、少なくとも1個の末端が重合体ブロック(B)であれば、その構造は、特に限定されず、線状、分岐状、放射状、櫛形状などいかなる形態であっても良い。例えば、B−A−B−A、B−A−B−A−B、(B−A−B)4 −Si、(B−A−B)3 (A−B)−Si、(B−A−B)2 (A−B)2 −Si、(B−A−B)(A−B)3 −Si、(B−A−B)3 −Si−R、(B−A−B)2 −Si−R、R’、(B−A−B)4 −Sn、(B−A−B)2 −Sn−R、R’等が挙げられる。
【0036】
水素添加ブロック共重合体中における、末端にある1個の重合体ブロック(B)の量は0.1重量%以上9.1重量%未満であり、好ましくは0.3重量%以上7.5重量%以下であり、更に好ましくは0.5重量%を越え5.0重量%未満である。重合体ブロック(B)の量が0.1重量%未満であると、柔軟性に劣り、応力緩和性が悪化し、9.1重量%以上であるとフィルムの耐ブロッキング性が低下する。
例えば、B1−A−B2−A−B3(B1、B2、B3:水素添加されたブタジエン単量体を主体とする重合体ブロック)の構造を例にとると、末端にある重合体ブロックB1が全体に占める割合は0.1重量%以上9.1重量%未満の範囲になければならず、また他方の末端にある重合体ブロックB3も全体に占める割合は0.1重量%以上9.1重量%未満の範囲になければならない。
【0037】
水素添加をする前のブロック共重合体は、公知の方法、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭49−36957号公報などに記載された方法で製造することができる。これらの方法は炭化水素溶剤中でアニオン重合開始剤として有機リチウム化合物等を用い、ビニル芳香族単量体とブタジエン単量体をブロック共重合する方法であり、直鎖状、分岐状、あるいは放射状の構造を有するブロック共重合体が得られる。
【0038】
上記の水素添加ブロック共重合体は、公知の方法、例えば、特公昭42−87045号公報等に記載の方法でブロック共重合体を水素添加することにより得られる。
【0039】
本発明で用いる水素添加ブロック共重合体には、本発明の効果を阻害しない半で、不飽和カルボン酸またはその誘導体等により官能基が導入されていても良いし、また、組成が異なる他の水素添加ブロック共重合体、またはエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のオレフィン系エラストマー等が併用されても良い。
【0040】
層(II)は上述したように、ポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と水素添加ブロック共重合体3〜50重量%からなる樹脂組成物からなる。ポリオレフィン系系樹脂の量が、97重量%を超えると延伸性の優れた均一な基材フィルムが得られ難く、50重量%未満であると、均一な膜が得られない
【0041】
本発明にあっては、層(I)が直鎖状低密度ポリエチレンからなり、層(II)が、上記範囲の組成を有するポリオレフィン系樹脂50〜97重量%および上記水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなり、層(I)と層(II)とが積層された多層積層体構造であるので、均一延伸性、テープとしての抗張力が優れた粘着テープ用基材となり、ダイシング用フィルムとして好適に用いられる。
【0042】
又、本発明の層(I)、層(II)には、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどが添加されていても良い。ブロッキング防止剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、エチレンビスステアリルアミド、タルク、アモルファスシリカ、金属石鹸等があげられる。
【0043】
本発明における粘着テープ用基材における、層構成は層(I)、層(II)からなる多層構造であれば特に限定されないが、一般的には3層構造であり、その層比は、通常1/2/1〜1/10/1が好ましい。
【0044】
本発明における粘着テープ用基材フィルムは、半導体ウエハをダイシングする際に、ウエハに粘着固定するダイシングフィルムの基材として好適に用いられるフィルムであり、その積層フィルムの厚さについては特に限定されるものではないが、上記ダイシング用途を想定した場合には、一般的には、0.05〜0.5mmであり、好ましくは、0.08〜0.3mmである。フィルムの厚さが厚すぎると、引っ張り応力が大きくなり、フィルムを伸ばすのに、大きな力が必要となる傾向があり、薄すぎると、引っ張り強度が小さくなり、破れやすくなる傾向がある。
【0045】
本発明が提供する粘着テープ用基材フィルムの成形方法としては、好ましくは、製造工程が簡略である共押出法や、カレンダー法、共押出インフレーション法を使用して成形するのがよい。
【0046】
本発明が提供するダイシング用フィルム基材にあっては、少なくとも一方の表面(後述の粘着加工の施されない面)を梨地調にエンボス加工しておくこともできる。本発明によるダイシングフィルム基材は、チップがダイシングされた後エキスパンダーリングに押し当てられて延伸される。その際、フィルムとエキスパンダーリングとの摩擦により、フィルムが局部的に延伸されることが生じる場合もあるため、本発明のフィルムにあっては、一方の表面を梨地エンボス加工することにより、エキスパンダーリングとの滑りを均一にさせることが可能である。
【0047】
請求項5記載の粘着シートは、前記粘着テープ用基材に、粘着剤層を設けられてなり、該粘着剤層は、公知もしくは慣用の粘着剤を使用することができ、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の各種の粘着剤が用いられる。
【0048】
上記粘着剤としてはアクリル系粘着剤が好ましく、アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体又は他の共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、そのホモポリマーのガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
【0049】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとしては、たとえば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等があげられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0050】
また、粘着剤としては、紫外線、電子線等により硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボンド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明の粘着シートをダイシング用粘着テープとして用いる際には、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。
【0051】
なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に粘着剤層に放射線が照射されるため、前記基材フィルムは十分な放射線透過性を有しているものが好ましい。
【0052】
上記放射線硬化型粘着剤は、例えば、前記ベースポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマーまたはポリマーを特に制限なく使用できる。放射線硬化成分としては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物などがあげられる。
【0053】
また、放射線硬化型粘着剤は、ベースポリマー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用することもでき、この場合においては、上記放射線硬化成分は加えられていても、加えられていなくても、どちらでも良い。
【0054】
上記紫外線硬化型粘着剤には、光重合開始剤が添加される。光重合開始剤としてはベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などが挙げられる。前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化合物、ポリアミン、カルボキシルキ含有ポリノマーなどがあげられる。
【0055】
放射線硬化型粘着剤には、さらには必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
【0056】
上記粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類等により適宜、決定されるが、通常は1〜100μm、好ましくは3〜50μm程度である。
【0057】
粘着剤層塗工の際に、セパレータを用いることがある。このセパレータは、ラベル加工のため、または粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。セパレータの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
【0058】
【実施例】
以下に本発明を具体的実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、以下にあげる実施例に限定されるものではない。
実施例1、2 比較例1、2
(基材フィルムの作製)
中心層用(層(II))の材料として、表1記載のポリプロピレン樹脂と表2記載の水素添加ブロック共重合体とからなる組成物(両樹脂の比は表3に記載)を用い、両外層(層(I))用の材料として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.905、MFR:3)を使用し、Tダイ押出機で各層の厚さ比が1/3/1となるように3層押出をして100μmのフィルムを製膜し、片面にコロナ処理を施した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
(粘着剤の調製)
アクリル酸ブチル95重量部及びアクリル酸5重量部を酢酸エチル中で常法により共重合させて得られた重量平均分子量80万のアクリル系共重合体を含有する溶液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」、日本化薬株式会社製)60重量部、ラジカル重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)3重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製した。
【0062】
(粘着テープの作製)
上記で得られた基材フィルムのコロナ処理面に粘着剤溶液を塗布し、80℃で10分間加熱して、厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外線硬化型半導体用粘着シートを作製した。
【0063】
〔評価〕
得られた粘着シ−トについて、下記の評価を行い結果を表3に示した。
(エキスパンド性)
基材フィルムの直交する2方向について、JIS K 7127に準拠して引っ張り試験を行い100%伸張時の応力を測定し、その比を求めてエキスパンド性の指標とした。比が1に近いほど均一性が良く、0.8〜1.2の範囲であれば問題が無い。
一方、得られた粘着シートを半導体ウエハに貼り付け、ダイシング、エキスパンド、ピックアップを行い下記の基準で評価を行った。結果を表2に示した。
○:全く問題なし。
×:エキスパンドが不均一でピックアップ時にトラブル発生。
(層間剥離)
得られた粘着シートを半導体ウエハに貼り付け、ダイシング、エキスパンドを行った。次に、10個のチップをピックアップし、チップの裏側にフィルムの一部が付着しているチップの個数を調べ、下記の基準で層間剥離を評価した。
○:全てのチップに付着していない。
△:1個のチップに付着していた。
×:2個以上のチップに付着していた。
【0064】
比較例3
中心層用(層(II))の材料として、表1記載のポリプロピレン樹脂10重量部とエチレン−プロピレンランダム共重合体(サンアロマー PF631S)90重量部とを用いる以外は実施例と同様に行った。結果を表3に示した。
比較例4
基材フィルムとして、ランダムポリプロピレン樹脂(MFR=3、エチレン含有量1.5%)のみからなるフィルムを用いて、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価したが、硬く、伸び率が低く、エキスパンド時に降伏してしまい、均一な延伸ができず、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
比較例5
基材フィルムとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:25重量%)のみからなるフィルムを用いて、実施例1と同様にして粘着シートを作製しエキスパンド性を評価したが、軟らかすぎて強度的が低く、エキスパンド時に裂けてしまい、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】
本発明の粘着テープ用基材は、上述したとおり、直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、特定の構造および性質を有するポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(II)とが積層されてなる構成であるので、均一な延伸性に優れ、適度な引張り強さを有し、ダイシング用粘着テープ等の基材として好適に使用される粘着テープ用基材である。
従って、上記基材の表面に粘着加工がされてなる粘着テープはダイシング用粘着テープとして好適に使用される。
Claims (5)
- 直鎖状低密度ポリエチレンからなる層(I)と、融点が140〜150℃の範囲にあり、重量平均分子量が8万〜45万の範囲にあり、且つ全樹脂量に対するクロス分別法による溶出量が、0℃以上10℃以下で50〜60重量%であり、10℃超え70℃以下で10〜20重量%であり、70℃超え95℃以下で10〜20重量%であり、95℃超え125℃以下で10〜20重量%であるポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロック(B)とからなる水素添加ブロック共重合体50〜3重量%からなる層(II)とが積層された多層積層体からなることを特徴とする粘着テープ用基材。
- 請求項1記載の層(II)を構成する水素添加ブロック共重合体が、ビニル芳香族単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(A)と、水素添加されたブタジエン単量体を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(B)から構成され、ビニル芳香族部分の割合が、10重量%を越え25重量%未満であり、水素添加される前のブタジエン部分の1、2結合量が62モル%以上99モル%未満であり、該ポリブタジエン部分のオレフィン性不飽和二重結合のうち、90%以上が水素添加され、少なくとも1個の末端が重合体ブロック(B)であり、末端にある1個の重合体ブロック(B)の量が、0.1重量%以上9.1重量%未満であることを特徴とする水素添加ブロック共重合体であることを特徴とする粘着テープ用基材。
- 上記水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物が12重量%以上25重量%未満であることを特徴とする請求項2記載の粘着テープ用基材。
- 水素添加ブロック共重合体中の、末端にある1個の重合体ブロック(B)が、0.5重量%を越え5.0重量%未満であることを特徴とする請求項2に記載の粘着テープ用基材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材上に粘着剤層が設けられたことを特徴とする粘着シート。
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