JP5764519B2 - ダイシングテープ及び半導体ウエハ加工方法 - Google Patents

ダイシングテープ及び半導体ウエハ加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイシングテープに関する。特に、本発明は、半導体ウエハなどを素子小片に切断分離(ダイシング)する際に、当該半導体ウエハなどの被切断体を固定するために用いる半導体ウエハダイシングテープに関する。
また本発明は、ダイシングテープを用いた半導体ウエハ加工方法に関する。
従来、シリコン、ガリウム、砒素などを材料とする半導体ウエハは、大径の状態で製造された後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハはダイシングテープに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工程の各工程が施される。前記ダイシングテープとしては、プラスチックなどの基材樹脂フィルム上にアクリル系粘着剤等の粘着剤層が塗布、形成されたものが用いられている。
前記ピックアップ工程では、ダイシング工程で得られた素子小片(以下、半導体チップともいう。)同士の間隙を広げて、半導体チップをピックアップしやすくすることが行われることが多い。すなわち、図2に示すように、ピックアップする半導体チップ12が貼合されたダイシングテープ1を突き上げピン13により、点状または線状で持ち上げまたはこすりつけ、当該半導体チップ12とダイシングテープ1の剥離を助長した状態で、上部から吸着コレット11等の真空吸着により半導体チップ12をピックアップする方式が主流となっている。
近年、半導体ウエハは大口径化、薄型化の傾向にあり、また酸によるウエハ裏面のエチング工程が加わっていることがある。そこで、エッチング処理が施されたウエハ裏面に貼合して、ダイシング工程終了後にピックアップしても、ウエハ裏面への粘着剤層などに起因する汚染物の少ないダイシングテープが求められている。このために、分子量10以下の低分子量成分の含有量が10質量%以下の粘着剤層を有する再剥離用粘着シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、薄型化された半導体ウエハの破損の防止を目的として、ウエハ裏面研削工程が終了した後、数時間以内に、半導体ウエハをダイシングテープ又はシートに貼り付けるケースが増加している。半導体ウエハをウエハ裏面研削工程の後、数時間以内の状態では、半導体ウエハの研削面には自然酸化膜が全面的に形成されておらず、未酸化状態の活性な原子が存在する活性面が存在するため、ウエハ裏面の活性な原子と粘着剤相互作用を起こし、ピックアップ性が悪化するという問題が生じている。この問題に対し、ポリアルキレングリコール類又はその誘導体を特定量含有する粘着剤層を用いたダイシング用粘着テープ又はシートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1に記載の再剥離用粘着シートのように、低分子量成分の含有量を少なくしても、汚染物を十分低減することは困難である。また、本発明者らは、特許文献2記載のダイシング用粘着テープを用いて、ダイシング工程及びピックアップ工程を行い、半導体チップを製造する実験を行った。その結果、本発明者らは、単にポリアルキレングリコール類又はその誘導体を粘着剤層中に含む樹脂組成物を使用しただけでは、低分子量のポリアルキレングリコールが、半導体ウエハに移行し、ダイシング工程を終了後、得られた半導体チップをピックアップする際に、被着体表面である半導体チップに有機物汚染が生じる場合が多いことを見出した。
特開2001−234136号公報 特開2008−60434号公報
本発明は、ダイシング工程後のピックアップ工程において、薄型の半導体チップを効率よくピックアップでき、ピックアップされた半導体チップ表面への汚染物の付着を著しく低減できるダイシングテープ及びそのダイシングテープを用いた半導体ウエハ加工方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材樹脂フィルムの少なくとも一方の面に放射線硬化性の粘着剤層が形成されたダイシングテープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールが、架橋剤としてポリイソシアネートを用いて架橋されてなるダイシングテープが、薄型の半導体チップを効率よくピックアップでき、ピックアップされた半導体チップ表面への汚染物の付着を著しく低減できることを見出した。
本発明はこの知見に基づきなされたものである。
すなわち本発明は、
<1>基材樹脂フィルムの少なくとも一方の面に放射線硬化性の粘着剤層が形成されたダイシングテープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)、該(A)成分100質量部に対して、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオール(B)を0.1〜1.5質量部、および架橋剤(C)としてポリイソシアネートを含む粘着剤組成物を、前記架橋剤(C)成分で架橋されてなることを特徴とするダイシングテープ、
<2>前記粘着剤層が、放射線硬化性化合物と光重合開始剤を含むことを特徴とする<1>に記載のダイシングテープ、
<3>前記アクリル重合体が、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体を含むことを特徴とする<1>または<2>に記載のダイシングテープ、
<4>前記アクリル重合体の水酸基価が15〜60であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載のダイシングテープ、
<5>23℃、50%RHの条件下でSiミラー面に貼付した後、23℃、50%RHの条件下で1時間経過後の、放射線硬化前における剥離力(対Siミラー面、剥離角度:90°、引張速度:50mm/min、23℃、50%RH)が、0.5N/25mm以上であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載のダイシングテープ、
<6>さらに有機金属化合物を含有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
<7>半導体ウエハの加工方法であって、ウエハ裏面研削工程の後、1時間以内に、半導体ウエハの研削面に、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のダイシングテープを貼り付けダイシングした後、放射線の照射によって放射線硬化性粘着剤層を硬化せしめ、個片化された半導体チップをピックアップすることを特徴とする半導体ウエハ加工方法、
を提供するものである。
本発明は、ダイシング工程後のピックアップ工程において、薄型の半導体チップを効率よくピックアップでき、ピックアップされた半導体チップ表面への汚染物の付着を著しく低減できるダイシングテープ及びそのダイシングテープを用いた半導体ウエハ加工方法を提供することができる。
本発明のダイシングテープの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のダイシングテープを用いて半導体チップをピックアップする工程を模式的に示す断面図である。
本発明のダイシングテープについて図面を参照して説明する。図1に示されるように、本発明のダイシングテープ1は、基材樹脂フィルム2上に、粘着剤層3及び必要に応じて設けられるセパレータ4が形成されている。図1には、基材樹脂フィルム2の一方の面に粘着剤層3が設けられたダイシングテープが示されているが、基材樹脂フィルム2のうち、粘着剤層3が設けられた他方の面にも粘着剤層を設けてもよい(図示せず)。
本発明のダイシングテープは、基材樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層が、該粘着剤層が、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールが、架橋剤としてポリイソシアネートを用いて架橋されてなるため、ウエハ研磨面と粘着剤層との間で、化学的な結合が生じるのを抑制または防止することができ、放射線照射して粘着剤層を硬化させた後に、容易に半導体チップをピックアップすることができる。その効果は、ウエハ研磨直後、例えば、研磨終了後1時間以内の自然酸化膜が全面的に形成されていない状態の不安定なウエハ研削面に、ダイシングテープが貼り合わせられた場合に特に顕著に現れる。
また、ポリエーテルポリオールが架橋剤のポリイソシアネートを介してアクリル重合体結合しているため、半導体チップへのポリエーテルポリオールの移行が抑制され、被着体表面を汚染することなく、ピックアップ工程でダイシングテープの剥離が可能となる。
1.基材樹脂フィルム
基材樹脂フィルム2としては、特に制限されるものでなく、従来の基材樹脂フィルムの中から適宜選択して用いることができる。粘着剤層3に用いられる粘着剤として放射線硬化性樹脂を用いるため、基材樹脂フィルム2は、ダイシング後に切断されて得られた半導体チップをピックアップできる程度に粘着剤層の粘着力を低減できる程度に放射線を透過することが必要である。使用する基材樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、およびポリブテンのようなポリオレフィン、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−水添ブタジエン−スチレン共重合体およびスチレン−水添イソプレン/ブタジエン−スチレン共重合体のような熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸金属塩系アイオノマーのようなエチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。また、これらの群から選ばれる2種以上が混合されたものもしくは複層化されたものでもよく、粘着剤層との接着性によって任意に選択することができる。基材樹脂フィルムの厚さは、特に制限するものではないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは40〜300μm、特に好ましくは70〜150μmである。
2.放射線硬化性の粘着剤層
本発明のダイシングテープにおいて、基材樹脂フィルムの少なくとも一方の面に設けられた放射線硬化性の粘着剤層は、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールが、架橋剤としてポリイソシアネートを用いて架橋されてなるものである。
(A)主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体
放射線硬化性粘着剤層は、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む。アクリル重合体(A)は、水酸基価が15〜60の場合は、放射線照射後の粘着力を減少させることによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、アクリル重合体(A1)は、水酸基価が15〜60が好ましい。ここで水酸基価はJIS K 0070に記載のピリジン−無水酢酸によるアセチル化法で測定された値をいう。上記アクリル重合体(A)の水酸基価を適切な範囲内とすることにより、ポリエーテルポリオールが架橋剤のポリイソシアネートを介してアクリル重合体と結合し、半導体チップへのポリエーテルポリオールの移行を抑制し、被着体表面の汚染を著しく低減することができる。
アクリル重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸エステル成分をモノマー主成分(重合体中の質量%が50%を越える)とし、該(メタ)アクリル酸エステル成分に対して、共重合が可能で分子内に水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)成分とを共重合したものなどが挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの両者を含む。
アクリル重合体(A)において、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステル成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル重合体(A)は、架橋剤のポリイソシアネート(C)とウレタン結合を介して、ポリエーテルポリオール(B)と反応させるとともに、架橋剤で架橋させて質量平均分子量(Mw)を高めるために、主鎖に対して、水酸基が結合されていることが必要である。主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)は、前記(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつ水酸基を有するモノマーを共重合することによって得ることができる。(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつ水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリル重合体(A)中には、主鎖に対して水酸基が結合(ペンダントされている)以外に、カルボキシル基、グリシジル基といった官能基がペンダントされていてもよい。水酸基以外の官能基を有するアクリル重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつ水酸基以外の官能基を有するモノマーを共重合することによって得ることができる。(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつカルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつグリシジル基を有するモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリル重合体(A)が、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体(A1)を含むことが好ましい。重合体(A1)を得る方法としては特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル成分に、官能基を有するモノマーを用いて共重合して、官能基が主鎖に対してペンダントされたアクリル重合体(a11)を調製した後、該官能基と反応し得る官能基と、炭素−炭素二重結合とを有する化合物(a2)を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性(放射線重合性)を維持した状態で、縮合反応又は付加反応させることにより、分子内に放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A1)を調製することができる。
上記重合体(a11)を構成する(メタ)アクリル酸エステル成分としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、炭素数5以下のペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
上記重合体(a11)を構成する、前記(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつ水酸基を有するモノマー成分としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記重合体(a11)を構成する、前記(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつカルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。上記重合体(a11)を構成する、前記(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつグリシジル基を有するモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能であり、かつアミド基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド(アクリルアミド、メタクリルアミド)等が挙げられる。
上記重合体(a11)における官能基がカルボキシル基又は環状酸無水基である場合には、(a2)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。上記重合体(a11)における官能基が水酸基またはアミノ基である場合には、(a2)としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、 2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなどを挙げることができる。上記重合体(a11)における官能基が水酸基またはグリシジル基である場合には、(a2)としては、(メタ)アクリル酸などを挙げることができる。
上記アクリル重合体(A)、(A1)の合成において、共重合を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系の有機溶剤が挙げられるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α'−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾベルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節し、その後官能基における付加反応を行うことにより、所望の分子量のアクリル重合体(A)、(A1)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この共重合は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
アクリル重合体(A1)は、半導体ウエハ等の被加工物の汚染防止などの観点から、低分子量物の含有量が少ないものが好ましい。この観点から、アクリル重合体(A1)の質量平均分子量(Mw)としては、10万以上であることが好ましく、さらには20万〜200万であることが好適である。なお、アクリル重合体(A1)の質量平均分子量(Mw)が小さすぎると、半導体ウエハなどの被加工物に対する汚染防止性が低下し、アクリル重合体(A1)の質量平均分子量(Mw)が大きすぎると放射線硬化性粘着剤層を形成するための粘着剤組成物の粘度が極めて高くなり、ダイシングテープの製造が困難となる。アクリル重合体(A1)は、粘着性発現の観点から、ガラス転移点が−70℃〜0℃であることが好ましく、更に好ましくは、−65℃〜−20℃である。ガラス転移点が小さすぎると、アクリル重合体(A1)の粘度が低くなりすぎ、安定した塗膜形成が困難となり、ガラス転移点が高すぎると、粘着剤が硬くなりすぎ、被着体に対する濡れ性が悪化する。
(B)分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオール
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオール(B)としては、分子内に水酸基を3つ以上有するものであれば特に制限されず、従来のポリエーテルポリオールの中から適宜選択することができる。ポリエーテルポリオールが分子内に3つ以上の水酸基を有することで、ポリエーテルポリオールの水酸基と後述のポリイソシアネート架橋剤との反応により、ポリエーテルポリオールが架橋構造中に取り込まれる。これにより、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)と、ウレタン架橋を介して結合しやすくなり、ポリエーテルポリオールが被着体界面へ移行し、被着体表面を汚染することを防ぐことができる。
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとしては、分子内に水酸基を3つ有する、ポリオキシエチレン−グリセリルエーテル(例えば、日油株式会社製ユニオールG−450、ユニオールG−750等)やポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(例えば、日油株式会社製ユニオールTG−330、TG−1000、TG−2000、TG−3000、TG−4000、旭硝子株式会社製エクセノール3030、5030、プレミノールS3006、プレミノールS3011等)、分子内に水酸基を4つ有する、ポリオキシプロピレン−ジグリセリルエーテル(例えば、日油株式会社製ユニルーブDGP−700、DGP−700F等)、分子内に水酸基を6つ有する、ポリオキシプロピレン−ソルビット(例えば、日油株式会社製ユニオールHS−1600D等)、または、分子内に10〜14個の水酸基を有する多官能ポリエーテルポリオール(例えば、DIC株式会社製プライアデックHBP−100等)が挙げられる。
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールの配合量としては(特に制限されず、目的とする粘着力が得られる範囲内で適宜調整可能であるが)、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)100質量部に対して、0.1〜3質量部、好ましくは0.5〜2.5質量部の範囲から適宜選択することができるが、本発明では、0.1〜1.5質量部の範囲で使用する。分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールの配合量が少なすぎると、特に、自然酸化膜が全面的に形成されていない状態の不安定なウエハ研削面に、ダイシングテープが貼り合わせた場合に薄型でかつ大口径の半導体ウエハからダイシング加工を行い、その後、半導体チップを効率よくピックアップことができない。分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールの配合量が多すぎると、放射線硬化前における粘着性が不十分となり、ダイシング時にチップの端部が剥離し、チップ裏面に切削ダストが付着する。
(C)架橋剤
本発明では、架橋剤として、少なくとも架橋剤としてポリイソシアネートを用いて、放射線硬化前に架橋されていることが必要である。ポリイソシアネート架橋剤としては、イソシアネート基を有する架橋剤であれば特に制限されない。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等もしくはこれらのビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、ブロック型等の各種多量体などを挙げることができる。架橋剤として水酸基に対して反応性を有するポリイソシアネートを用いることにより、ポリエーテルポリオールを架橋構造中に取り込むことが可能となり、ポリエーテルポリオールが半導体ウェハ表面へ移行し、ウエハ表面を汚染することを防ぐことができる。そのほか、架橋剤として、ポリイソシアネート以外の架橋剤を併用することができる。ただし、アクリル重合体(A)中に、架橋剤に対して反応性を有する官能基を有している必要がある。架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、酸無水化合物系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、カルボキシル基含有ポリマー系架橋剤等から適宜選択して用いることができる。
また、後述の(F)有機金属化合物も好ましい。
(C)の架橋剤の使用量としては特に制限されず、目的とする粘着力が得られる範囲内で適宜調整可能である。架橋剤の配合量は、アクリル重合体(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましい。架橋剤の配合量が少なすぎる場合は、十分な架橋構造を得ることができず、配合量が多すぎる場合は、粘着剤組成物のポットライフが短くなり、ダイシングテープの製造中に短時間でゲル化してしまう、もしくは、ダイシングテープとして製造可能であったとしても、貼り付け時に粘着性を発現できなくなる、といった問題が発生する。
(D)放射線硬化性化合物
粘着剤層には、放射線硬化性化合物を含ませることにより、放射線硬化性とすることができる。放射線硬化性化合物としては、炭素−炭素二重結合を含有する基(「炭素−炭素二重結合含有基」と称する場合がある)などの放射線硬化性(放射線の照射による重合性)の官能基を有する化合物であれば特に制限されず、モノマー成分、オリゴマー成分のいずれであってもよい。具体的には、放射線硬化性成分としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と、多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2−プロペニル−ジ−3−ブテニルシアヌレート等の炭素−炭素二重結合含有基を有しているシアヌレート系化合物;トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、2−ヒドロキシエチル ビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−アクリロキシエチル) 2−[(5−アクリロキシヘキシル)−オキシ]エチルイソシアヌレート、トリス(1,3−ジアクリロキシ−2−プロピル−オキシカルボニルアミノ−n−ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(1−アクリロキシエチル−3−メタクリロキシ−2−プロピル−オキシカルボニルアミノ−n−ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(4−アクリロキシ−n−ブチル)イソシアヌレート等の炭素−炭素二重結合含有基を有しているイソシアヌレート系化合物などが挙げられる。放射線硬化性成分としては、分子中に、炭素−炭素二重結合含有基を、平均2個以上含んでいるものを好適に用いることができる。
放射線硬化性成分の粘度は、特に制限されない。放射線硬化性成分は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
放射線硬化性成分の配合量は、特に制限されるものではないが、ピックアップ時、すなわち、放射線照射後の引き剥がし粘着力を低下させることを考慮すると、放射線硬化性粘着剤組成物中の固形分全量に対して10質量%以上、好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは25〜55質量%となる割合であることが望ましい。
(E)光重合開始剤
放射線硬化性粘着剤層中に、放射線を照射した際に、効率よく、分子内に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマー(や放射線硬化性成分)の重合、硬化を行うために、光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等の芳香族ケトン系開始剤;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール系開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤、ベンジル等のベンジル系開始剤、ベンゾイン等のベンゾイン系開始剤の他、α−ケトール系化合物(2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなど)、芳香族スルホニルクロリド系化合物(2−ナフタレンスルホニルクロリドなど)、光活性オキシム系化合物(1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなど)、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートなどが挙げられる。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の配合量としては、分子内に放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A1)100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の範囲から適宜選択することができる。
(F)有機金属化合物
放射線硬化性粘着剤層中に、有機金属化合物を含有させることが好ましい。特に有機ジルコニウム、有機チタンの各アルコキシドやキレートはそれ自身が架橋剤として作用すると共に、エステル化触媒、およびウレタン化触媒として作用し、ポリエーテルポリオールを架橋構造中に取り込み、ポリエーテルポリオールが半導体ウェハ表面へ移行し、ウエハ表面を汚染することを防ぐのに効果的である。
これらの化合物は、下記一般式(I)、(IIA)または(IIB)で表される。
Figure 0005764519
式中、MはTiまたはZrを表し、Rはアルキル基を表し、Lは中心金属と5員環構造で配位する有機残基を表す。
Rは、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシルが挙げられる。
Lは、β−ジケトン、ケトエステル、ヒドロキシアミネート、ジオレート、ヒドロキシアシレートの有機残基(部分構造)を表す。−O−L−O→で表される部分の配位子としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、オクチレングリコール、トリエタノールアミン、乳酸が挙げられる。
有機チタン化合物は、アルコキシドとしては、TA−10、TA−22、TA−25、TA−30(いずれも商品名:マツモトファインケミカル(株)製)、キレートとしては、TC−100、TC−200、TC−300、TC−310、TC−315、TC−401、TC−750(いずれも商品名:マツモトファインケミカル(株)製)が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物は、アルコキシドとしては、ZA−40、ZA−65(いずれも商品名:マツモトファインケミカル(株)製)、キレートとしては、ZC−150、ZC−540、ZC−570、ZC−580、ZC−700、ZB−126(いずれも商品名:マツモトファインケミカル(株)製)が挙げられる。有機金属化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機金属化合物の配合量としては、分子内に放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A1)100質量部に対して0.0005〜10質量部、好ましくは0.001〜1質量部の範囲から適宜選択することができる。有機金属化合物の配合量が少なすぎると、架橋剤、エステル化触媒、ウレタン化触媒としての十分な効果を得ることができず、配合量が多すぎると、粘着剤のポットライフが短くなり、粘着テープの製造が困難となる。
(その他の配合剤)
放射線硬化型粘着剤層を形成するための粘着剤組成物中には、必要に応じて、例えば、粘着付与剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが含まれていてもよい。
3.ダイシングテープ
本発明における粘着剤層は、従来の粘着剤層の形成方法を利用して形成することができる。例えば、粘着剤組成物を、基材の所定の面に塗布して形成する方法や、粘着剤組成物を、セパレータ(例えば、離型剤が塗布されたプラスチック製フィルム又はシートなど)上に塗布して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材の所定の面に転写する方法により、基材上に粘着剤層を形成することができる。なお、粘着剤層は単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
放射線硬化性粘着剤層の厚さとしては、特に制限されないが、3〜20μmであることが好ましい。粘着剤層の厚さが薄すぎると、ダイシングの際に被加工物が容易に剥離してしまうため、切断加工された半導体チップを保持できず、チップ飛びが発生することがある。粘着剤層が厚すぎると、半導体ウエハをダイシングする際に発生する振動の振動幅が大きくなり、チッピングと呼ばれる欠けが発生し、または、チップの側面や表面にダイシング時に巻き上げられた粘着剤屑が付着し、チップを汚染することがある。
本発明のダイシングテープは、23℃、50%RHの条件下でシリコンミラー面に貼合した後、23℃で50%RHの条件下で1時間経過後の、放射線硬化前における剥離力(対シリコンミラー面、剥離角度:90°、引張速度:50mm/min、23℃で50%RH)が、0.5N/25mm以上であることが好ましい。この範囲内の粘着力を有するダイシングテープは、ダイシング時において切断加工された半導体チップを効果的に保持することができ、チップ飛びや半導体チップ裏面への切削ダスト浸入を防ぐ効果を奏することができる。
図1に示すように、セパレータ4は、粘着剤層3を保護する目的のため、ラベル加工のため、また粘着剤を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムなどが挙げられる。セパレータの表面には粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていても良い。また、必要に応じて、粘着シートが環境紫外線によって反応してしまわないように、紫外線防止処理が施されていてもよい。セパレータの厚さは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μm程度である。
4.半導体ウエハの加工方法
本発明のダイシングテープは、被切断物である半導体部品へ貼り付けるマウント工程の後に、常法に従ってダイシングに供され、更に放射線照射、ピックアップ工程へと移される。半導体部品としてはシリコン半導体、化合物半導体、半導体パッケージ、ガラス、セラミックス等が挙げられる。
マウント工程は、通常、ウエハ裏面研削工程や、ウエハ裏面研削工程に続いて行われる破砕層除去工程などの後に、連続して(ウエハ裏面研削工程や破砕層除去工程の直後に)、または短期間のうちに(ウエハ裏面研削工程や破砕層除去工程が終了してから数時間以内に)実施することができる。マウント工程では、通常、半導体ウエハ等の被加工物と、ダイシングテープとを、被加工物における研削面と、粘着剤層とが接触する形態で重ね合わせ、圧着ロールを用いた押圧手段などの従来の押圧手段により押圧しながら、被加工物とダイシングテープとの貼り付けを行う。
ダイシング工程は、ブレードを高速回転させ、被切断体を所定のサイズに切断する。ダイシングは、ダイシングテープの一部まで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式等を採用できる。ダイシング後には、放射線、特に好ましくは、紫外線の照射により粘着剤層を硬化させ、粘着性を低下させ、ダイシングテープから半導体チップの剥離を容易に行うことができる。
放射線、特に好ましくは、紫外線照射の後は、ピックアップ工程に供される。ピックアップ工程では、図2に示すように、エキスパンド工程を設けることができる。ピックアップ方法としては、特に限定されず、従来の種々のピックアップ方法を採用することができる。例えば、図2に示すように、個々の切断片を、ダイシングテープから突き上げピン13によって突き上げ、突き上げられた切断片をピックアップ装置によってピックアップする方法などが挙げられる。
次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1)
アクリル酸ブチルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートを質量比7:3の割合で、酢酸エチル中で常法により共重合させて、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む溶液(アクリル共重合体含有溶液Aa)を得た。
次に、前記アクリル共重合体含有溶液Aaに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、また、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズを加えて、50℃で24時間反応させて、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル重合体A2を含む溶液A2aを得た。このアクリル重合体の水酸基価を後述の方法で測定したところ、35.2mgKOH/gであった。
続いて、前記、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2の100質量部に対して、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.5質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−1000」(日油株式会社製)):5質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X1を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X1を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例2)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−3000」(日油株式会社製)):4質量部を用いた以外は参考例1と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例3)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を4つ有するポリオキシプロピレン−ジグリセリルエーテル(商品名「ユニループDGP−700」(日油株式会社製))を用いた以外は参考例1と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例4)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を6つ有するポリオキシプロピレン−ソルビット(商品名「ユニオールHS−1600D」(日油株式会社製))を用いた以外は参考例1と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例5)
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシルと2−ヒドロキシエチルアクリレートを質量比7:3の割合で、酢酸エチル中で共重合させて、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む溶液(アクリル共重合体含有溶液Ab)を得た。
次に、このアクリル共重合体含有溶液Abに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、また、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズを加えて、50℃で24時間反応させて、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル重合体A2を含む溶液A2bを得た。このアクリル重合体の水酸基価を後述の方法で測定したところ、60.3mgKOH/gであった。
続いて、前記、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2bの100質量部に、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.5質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−3000」(日油株式会社製)):5質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X2を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X2を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例6)
モノマー成分として、アクリル酸エチルと2−ヒドロキシエチルアクリレートを質量比7:3の割合で、酢酸エチル中で常法により共重合させて、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む溶液(アクリル共重合体含有溶液Ac)を得た。
次に、このアクリル共重合体含有溶液Acに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、また、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズを加えて、50℃で24時間反応させて、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル重合体(A2)を含む溶液A2cを得た。このアクリル重合体の水酸基価を後述の方法で測定したところ、14.6mgKOH/gであった。
続いて、前記、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2cの100質量部に対して、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.5質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−3000」(日油株式会社製)):5質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X3を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X3を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例7)
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシルと2−ヒドロキシエチルアクリレートを質量比8:2の割合で、酢酸エチル中で共重合させて、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む溶液(アクリル共重合体含有溶液Ad)を得た。
次に、前記アクリル共重合体含有溶液Adに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、また、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズを加えて、50℃で24時間反応させて、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル重合体(A2)を含む溶液(アクリル共重合体含有溶液A2d)を得た。このアクリル重合体(A2)の水酸基価を後述の方法で測定したところ、9.8mgKOH/gであった。
続いて、前記、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2dの100質量部に対して、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.5質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−3000」(日油株式会社製)):5質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X4を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X4を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例8)
モノマー成分として、アクリル酸エチルと2−ヒドロキシエチルアクリレートを質量比6:4の割合で、酢酸エチル中で共重合させて、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む溶液(アクリル共重合体含有溶液Ae)を得た。
次に、前記アクリル共重合体含有溶液Aeに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、また、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズを加えて、50℃で24時間反応させて、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル重合体(A2)を含む溶液A2eを得た。このアクリル重合体の水酸基価を後述の方法で測定したところ、68.7mgKOH/gであった。
続いて、前記、側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2eの100質量部に対して、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.5質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−3000」(日油株式会社製)):5質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X5を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X5を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例9)
モノマー成分として、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシルと2−ヒドロキシエチルアクリレートを質量比5:14:1の割合で、酢酸エチル中で共重合させて、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)を含む溶液(アクリル重合体含有溶液Af)を得た。このアクリル重合体の水酸基価を後述の方法で測定したところ、22.5であった。
続いて、前記、アクリル系ポリマーを含む溶液Afの100質量部に対して、紫外線硬化性化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレートおよびジイソシアネートを反応させて得た紫外線硬化性オリゴマー:50質量部と、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1.0質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−1000」(日油株式会社製)):8質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X6を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液X6を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例10)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を6つ有するポリオキシプロピレン−ソルビット(商品名「ユニオールHS−1600D」(日油株式会社製))を用いた以外は参考例9と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考11
側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2の100質量部に対して、さらに有機金属化合物のジルコニウムキレート(商品名「ZC−150」(マツモトファインケミカル(株)社製)):0.0005質量部を加えた以外は参考例2と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例12〜15)
参考例11で使用した有機金属化合物の添加量を下記表2に記載の量に変更した以外は参考例11と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを各々作製した。
参考例16)
側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2の100質量部に対して、さらに有機金属化合物のジルコニウムキレート(商品名「ZC−150」(マツモトファインケミカル(株)社製)):0.1質量部を加えた以外は参考例4と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考例17)
有機金属化合物を、ジルコニウムアルコキシド(商品名「ZA−45」(マツモトファインケミカル(株)社製))に変更した以外は参考例13と同様にして紫外線硬化型の各ダイシングテープを作製した。
参考例18、19)
有機金属化合物を、下記表2に記載のチタンキレート(商品名「TC−750」(マツモトファインケミカル(株)社製))、チタンアルコキシド(商品名「TA−10」(マツモトファインケミカル(株)社製))に変更した以外は参考例13、18と同様にして紫外線硬化型の各ダイシングテープを作製した。
参考例20)
アクリル系ポリマーを含む溶液Afの100質量部に対して、さらに実施例で使用した有機金属化合物のジルコニウムキレート:0.1質量部を加えた以外は参考例9と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(実施例
分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−3000」(日油株式会社製))の量を1.5質量部、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製)の量を0.25質量部に変更した以外は参考例2と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
参考21
分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−1000」(日油株式会社製))の量を4質量部、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製)の量を0.5質量部に変更した以外は参考例9と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(比較例1)
ポリプロピレンオキシドの添加を行わない以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(比較例2)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールの代わりに、分子内に水酸基を2つ有するポリプロピレングリコール(商品名「ポリプロピレングリコール1000」(純正化学株式会社製))を用いた以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(比較例3)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールの代わりに、分子内に水酸基を2つ有するポリエチレンオキシド(商品名「エクセノール2020」(旭硝子株式会社製))を用いた以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(比較例4)
分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールの代わりに、分子内に水酸基を2つ有するポリエチレンオキシド(商品名「エクセノール2020」(旭硝子株式会社製))を用いた以外は、実施例5と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(比較例5)
モノマー成分として、メタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルを質量比1:3の割合で、酢酸エチル中で共重合させて、アクリル重合体を含む溶液(アクリル系共重合体含有溶液Ya)を得た。このアクリル重合体の水酸基価を後述の方法で測定したところ、0mgKOH/gであった。
続いて、前記、アクリル系ポリマーを含む溶液Fの100質量部に、紫外線硬化性化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレートおよびジイソシアネートを反応させて得た紫外線硬化性オリゴマー:50質量部と、光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):2.5質量部と、ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1.0質量部と、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールとして、分子内に水酸基を3つ有するポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル(商品名「ユニオールTG−1000」(日油株式会社製)):8質量部とを加えて、紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液Y1を得た。
(ダイシングテープの作製)
基材樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理が施された低密度ポリエチレン製フィルム(厚み:100μm)を用い、コロナ放電処理面に、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤溶液Y1を塗布し、80℃で10分間加熱して、加熱架橋させた。これにより、基材樹脂フィルム上に、放射線硬化性粘着剤層としての紫外線硬化型粘着剤層(厚さ:5μm)を形成した。次に、この紫外線硬化型粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせて、紫外線硬化型のダイシングテープを作製した。
(比較例6)
ポリイソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製)を添加しない以外は実施例5と同様にして、ダイシングテープを作製した。
(参考例22
側鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを含む溶液A2の100質量部に対して、さらに有機金属化合物のジルコニウムキレート(商品名「ZC−150」(マツモトファインケミカル(株)社製)):11質量部を加えた以外は参考例2と同様にして紫外線硬化型のダイシングテープを作製したが、基材樹脂フィルム上への塗布前に粘着剤がゲル化してしまい、ダイシングテープの作成ができなかった為、各種評価を実施することができなかった。
(水酸基価)
上記アクリル重合体の水酸基価を、JIS K 0070に記載のピリジン−無水酢酸によるアセチル化法で測定した。
(粘着力)
実施例1〜22および比較例1〜6で得られたダイシングテープについて、23℃、50%RHの条件下でSiミラー面に貼付した後、23℃、50%RHの条件下で1時間経過後の、放射線硬化前における接着力(剥離力)(対Siミラー面、剥離角度:90°、引張速度:50mm/min、23℃、50%RH)を測定した。
(ピックアップ性)
実施例1〜22および比較例1〜6で得られたダイシングテープについて、以下の手順に従って試験を行い、ピックアップ性について評価した。
(1)8インチのシリコンウエハの裏面を2軸にて30μm研削後、シリコンウエハの最終厚みが50μmとなるまで研削した。
(研磨条件)
グラインダー:DISCO社製、商品名「DFG−840」
1軸:#600砥石(回転数:4800rpm、ダウンスピード:P1:3.0μm/sec、P2:2.0μm/sec)
2軸:#2000砥石(回転数:5500rpm、ダウンスピード:P1:0.8μm/sec、P2:0.6μm/sec)
(2)(1)の研削終了後5分以内に、各例のダイシングテープを、前記(1)で得られた半導体ウエハの研削面に貼着すると共に、リングフレームに固定した。
(3)(2)でリングフレームに固定された半導体ウエハを、ダイシング装置(ディスコ社製DAD340)を用いて、設定した分割予定ラインに沿って15×10mm角にフルカットした。
(ダイシング条件)
ダイサー:DISCO社製、商品名「DFD−340」
ブレード:DISCO社製、商品名「27HECC」
ブレード回転数:40000rpm
ダイシング速度:100mm/sec
ダイシング深さ:25μm
カットモード:ダウンカット
ダイシングサイズ:15.0×10.0mm
(4)ダイシングテープを貼着してから7日間経過した後、ダイシングテープの基材フィルム側から、紫外線を100mJ/mm照射して粘着剤層を硬化させた後、個片化した半導体チップを、ダイスピッカー装置(キャノンマシナリー社製CAP−300II)を用いてピックアップする。任意の半導体チップ50個を、下記のピックアップ条件でピックアップし、ピックアップが成功した半導体チップ数をカウントし、50個全ての半導体チップのピックアップが成功した場合を○、45〜49個の半導体チップのピックアップが成功した場合を△とし、それ以外は×として、ピックアップ性を評価した。○および△をピックアップ性合格とした。
(ピックアップ条件)
ダイボンダー:NEC社製「CPS−100」
ピン数:4本
ピンの間隔:7.8×7.8mm
ピン先端曲率:0.25mm
ピン突き上げ量:0.40mm
<ダスト浸入評価方法>
ピックアップ評価においてピックアップしたチップについて、光学顕微鏡を用いてチップの裏面を観察し、端部に切削ダストの付着が見られるチップの数をカウントし、50個全ての半導体チップで切削ダストの付着が見られなかった場合を○、45〜49個の半導体チップで切削ダストの付着が見られなかった場合を△とし、それ以外は×として、ダスト浸入の評価とした。○及び△をダスト浸入合格とした。
(耐汚染性)
実施例1〜22および比較例1〜6で得られたダイシングテープについて、以下の手順に従って試験を行い、耐汚染性の評価試験を行った。
(1)5インチの半導体ウエハにダイシングテープを貼合した。
(2)ダイシングテープ貼合から7日間経過した後、ダイシングテープの基材フィルム側から、紫外線を100mJ/mm照射して粘着剤層を硬化させた後、ダイシングテープを剥離した。
(3)下記の条件でX線光電子分光分析を実施、元素ピークの強度比から有機物汚染物量の反定量分析を行い、C1sのatom%が30%未満のものを○、30%以上60%未満のものを△、60%以上のものを×とした。○および△を耐汚染性合格とした。
(X線光電子分光分析)
励起X線:単色化AlKα線(1486.6eV)
脱出角:45°
wide scan:1350〜0eV
narrow scan:C1s、N1s、O1s、Si2p
測定領域:1.1mmΦ
得られた結果をまとめて下記表1〜3に示す。
Figure 0005764519
Figure 0005764519
Figure 0005764519
Figure 0005764519
表3に示されるように、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールを含まない粘着剤層を使用した場合は、ピックアップ性と耐汚染性のいずれかが不合格であった(比較例1〜4)。分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオールを含んだ場合であっても、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体を使用しない場合は、耐汚染性に問題を生じた。比較例5はポリイソシアネート架橋剤を使用していないために、耐汚染性に問題を生じた。
これに対して、実施例1のダイシングテープは、ピックアップ性及び耐汚染性に優れていた。
1:ダイシングテープ
2:基材樹脂フィルム
3:粘着剤層
4:セパレータ
11:吸着コレット
12:半導体チップ
13:突き上げピン
14:ピンハイト

Claims (7)

  1. 基材樹脂フィルムの少なくとも一方の面に放射線硬化性の粘着剤層が形成されたダイシングテープであって、該粘着剤層が、主鎖に対して水酸基が結合されたアクリル重合体(A)、該(A)成分100質量部に対して、分子内に水酸基を3つ以上有するポリエーテルポリオール(B)を0.1〜1.5質量部、および架橋剤(C)としてポリイソシアネートを含む粘着剤組成物を、前記架橋剤(C)成分で架橋されてなることを特徴とするダイシングテープ。
  2. 前記粘着剤層が、放射線硬化性化合物と光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のダイシングテープ。
  3. 前記アクリル重合体が、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のダイシングテープ。
  4. 前記アクリル重合体の水酸基価が15〜60であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  5. 23℃、50%RHの条件下でSiミラー面に貼付した後、23℃、50%RHの条件下で1時間経過後の、放射線硬化前における剥離力(対Siミラー面、剥離角度:90°°、引張速度:50mm/min、23℃、50%RH)が、0.5N/25mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  6. さらに有機金属化合物を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  7. 半導体ウエハの加工方法であって、ウエハ裏面研削工程の後、1時間以内に、半導体ウエハの研削面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のダイシングテープを貼り付けダイシングした後、放射線の照射によって放射線硬化性粘着剤層を硬化せしめ、個片化された半導体チップをピックアップすることを特徴とする半導体ウエハ加工方法。
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