JP2010168541A - 粘着テープ又はシート - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止、ダイシング時のチップ飛び、ピックアップ時の作業性及び粘着剤残渣の全てに対して良好な特性を有する粘着テープ又はシートを提供する。
【解決手段】紫外線及び/又は放射線に対して透過性を有する基材と、該基材上に積層され、紫外線及び/又は放射線により重合硬化反応する粘着剤からなる粘着剤層と、粘着剤層に接触する剥離シートとを含んでなる粘着テープ又はシートであって、粘着剤層、基材及び剥離シートの一面側及び他面側のいずれか2つ以上に帯電防止層を備える粘着テープ又はシート。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープ又はシートに関し、より詳細には、基材と粘着剤層とを備え、半導体ウェハ及び/又は基板加工用に好適に用いられる粘着テープ又はシートに関する。
従来から、半導体ウェハ及び/又は基板に貼着し、ダイシング、エキスパンディング等を行い、次いで、これら半導体ウェハ等をピックアップすると同時にマウンティングする際に用いる半導体ウェハ等の加工用シートとして、基材上に、電子線により重合硬化反応する粘着剤層が塗布された粘着シートが用いられている。この粘着シートでは、ダイシング後に、電子線を粘着剤層に照射することにより、粘着剤層を重合硬化させ、粘着力を低下させて半導体ウェハ(チップ)等を容易にピックアップすることができる。
一方、近年の半導体基板の配線の微細化に伴って、基板耐電圧が低下する傾向にある。このため、工程中に生じる静電気又は剥離帯電によって、基板回路が破壊されるか又は製品不良を招くなどの問題が生じることがある。
このようなことから、帯電防止処理がなされた粘着シートが強く要望されている。
例えば、アクリル系粘着剤に、ポリエーテルポリオールとアルカリ金属塩とを混合することによって、帯電防止機能を付与した粘着シートが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平6−128539号公報
しかし、粘着剤に、帯電防止機能を付与し得る成分を混合して、帯電防止機能を増大させると、その成分の増加に伴って粘着性等の低下を招くこととなり、上述したようなダイシング時のチップの飛び防止、ピックアップ作業性、粘着剤残渣の発生防止、工程中における帯電防止等のすべてにおいて十分満足する粘着シートが得られていないのが現状である。
従って、帯電防止、ダイシング時のチップ飛び防止、ピックアップ作業性及び粘着剤残渣の発生防止の全てに対して良好な特性を有する粘着シートが要望されている。
本発明の一つの目的は、帯電防止、ダイシング時のチップ飛び防止、ピックアップ時の作業性及び粘着剤残渣の発生防止の全てに対して良好な特性を有する粘着テープ又はシートを提供することである。
本発明の粘着テープ又はシートは、
紫外線及び/又は放射線に対して透過性を有する基材と、
該基材上に積層され、紫外線及び/又は放射線により重合硬化反応する粘着剤からなる粘着剤層と、
粘着剤層に接触する剥離シートとを含んでなる粘着テープ又はシートであって、
粘着剤層、基材及び剥離シートの一面側及び他面側のいずれか2つ以上に帯電防止層を備えることを特徴とする。
このような粘着テープ又はシートは、少なくとも1つの以下の要件を備えていることが好ましい。
剥離シートが、剥離基材上に、金属蒸着膜からなる帯電防止層を備えており、該帯電防止層が粘着剤層と接触してなる。
帯電防止層における粘着剤層との接触面に離型処理がなされている。
基材における粘着剤層積層面と反対側の面に、イオン導電性材料を含有する樹脂層の形成によって帯電防止処理がなされている。
基材における粘着剤層積層面と反対側の面に、4級アンモニウム塩を含む帯電防止処理剤によって帯電防止処理がなされている。
粘着剤層が、アクリル酸メチルモノマー、アクリル酸エチルモノマー又はアクリル酸メチルモノマー及びアクリル酸エチルモノマーと、
アクリル酸モノマーと、
アクリル酸2−エチルヘキシルモノマーとの3成分の共重合体からなるアクリル系粘着剤100重量部に対し、
ポリエーテルポリオール化合物0.3〜10重量部及び
少なくとも1種のアルカリ金属塩0.005〜2重量部が含有されてなる粘着剤を含んで形成されている。
ポリエーテルポリオール化合物が、4000以下の重量平均分子量を有する。
アルカリ金属塩が、Li、Na、K、Mg、Caからなるカチオンと、Cl、Br、I、BF4、PF6、ClO4、NO3、CO3からなるアニオンとからそれぞれ選択される1種以上のイオンを組合せてなる。
半導体ウェハ又は基板加工用途に使用される。
本発明の粘着テープ又はシートによれば、半導体ウェハ等のダイシング時において、ウェハ等の飛びを確実に防止することができる。また、電子線を照射した後のピックアップ工程において、糊残りを生じさせることなく、作業効率を向上させることができる。さらに、工程中で生じる静電気又は剥離帯電によって、半導体ウェハ等における回路破壊、製品不良等の発生を低減させることができる。
本発明の粘着テープ又はシートは、基材と、粘着剤層と、剥離シートがこの順に積層されて構成されている。
本発明の粘着テープ又はシートは、粘着剤層、基材及び剥離シートの一面側及び他面側のいずれか2つ以上に帯電防止機能を有する層を備えている。このような機能層を備えることにより、上述した効果を効率的に発揮させることができる。
この場合、帯電防止層は、粘着剤層においては剥離シートに接触する位置、剥離シートにおいては粘着剤層に接触する位置に配置することが好ましい。また、基材層(好ましくは背面(他面ともいう)において)に帯電防止機能を有する層又は帯電防止処理が施されている(つまり、帯電防止層を備える)ことが好ましい。これにより、意図する効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、本発明においては、帯電防止層は、必ずしも粘着剤層、基材及び剥離シートの最表面に配置していなくてもよく、その表面に後述する剥離処理等が施されていてもよい。また、帯電防止層は、粘着剤層、基材又は剥離シートの表裏面(つまり、一面及び他面)に形成されていてもよいし、粘着剤層の一面及び基材の一面、基材の他面及び剥離シートの他面、粘着剤層の一面及び剥離シートの他面等のように、異なる層の対向する側又はそれとは反対側に形成されていてもよい。
基材は、特に限定されるものではなく、紫外線及び/又は放射線に対し透過性を有しているものが例示される。なかでも、紫外線及び/又は放射線に対して75%程度以上、80%程度以上、90%程度以上の透過性を有しているものが好ましい。
例えば、基材を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン;低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、フッ素樹脂、セルロース系樹脂及びこれらの架橋体などのポリマー等が挙げられる。これらは、単層であっても多層構造であってもよい。また、アルミ箔、銀箔等の導電性の金属箔によって形成されていてもよいし、これら金属箔とポリマー等との積層構造であってもよい。基材の厚さは、通常、5〜400μm程度が適しており、20〜300μmが好ましい。
基材は、その片面又は両面に、例えば、コロナ処理等の表面処理を行ったものであってもよい。
また、その片面又は両面、特に、基材における粘着剤層積層面と反対側の面(背面)に帯電防止処理されていることが好ましい。ここでの帯電防止処理は、特に限定されるものではなく、例えば、帯電防止剤を基材中に混練して基材全体に含有させるか、帯電防止剤を混練した基材を共押出しして、基材中の少なくとも1層に含有させるか、基材の片面又は両面に、帯電防止剤を下塗り層として塗工する方法等が挙げられる。
ここで、帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、4級アンモニウム塩(例えば、特開平11−335633号、特開2008−274255号)、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種カチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、スルホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等、無機塩又は金属化合物(例えば、酸化第二スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、アンチモンドープ二酸化スズ、アンチモン・インジウム・スズ複合酸化物、インジウム・スズ複合酸化物、導電性カーボンブラック、銀、銅、ニッケル、鉄など)、高分子型帯電防止剤(例えば、特開2008−274100号に記載されたポリエーテルエステルアミド、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー、ポリチオフェンポリチオフェン系導電性ポリマー、特開2008−174727号に記載されたオレフィンブロックと親水性ブロックとを有するブロック共重合体等)、イオン導電性材料(例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、三フッ化メタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiN(CF3SO22)等)が挙げられる。特に、4級アンモニウム塩は、溶媒への溶解性、溶媒塗工性などの取り扱いの簡便性から、好適に用いられる。
帯電防止処理は、基材の帯電防止処理面の固有抵抗値が1.0×1012Ω程度以下、より好ましくは1.0×1010Ω程度以下、さらに好ましくは1.0×109Ω程度以下となるように行うことが適している。特に、帯電防止剤を基材中に含有させるか基材表面に塗布する場合には、基材の帯電防止処理面の固有抵抗値が1.0×10910Ω程度となるように設定することが適している。この場合の固有抵抗値は、例えば、測定機として三菱化学社製MCP−HT450を用い、印加電圧1000Vで、電極を試料に押し当て、30秒後に測定した値である。
粘着剤層は、基材上に積層されている。この粘着剤層は、片面又は両面に帯電防止処理がなされている基材のいずれの面上に積層されていてもよいが、少なくとも、基材における粘着剤層が積層される面とは反対側に(より好ましくは、この反対側にのみ)帯電防止処理面が配置するように、粘着剤層を積層することが好ましい。粘着剤層は、紫外線及び/又は放射線により重合硬化反応する粘着剤であれば特に限定されず、当該分野で公知の粘着剤を利用して形成することができる。
例えば、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
特に、アクリル系粘着剤と、ポリエーテルポリオール化合物と、アルカリ金属塩とを含んで形成されるものが好ましい。
アクリル系粘着剤は、3成分の共重合体からなるアクリル系粘着剤が適しており、具体的には、
(1)アクリル酸メチルモノマーと、アクリル酸モノマーと、アクリル酸2−エチルヘキシルモノマーとの共重合、
(2)アクリル酸エチルモノマーと、アクリル酸モノマーと、アクリル酸2−エチルヘキシルモノマーとの共重合、または
(3)アクリル酸メチルモノマーと、アクリル酸エチルモノマーと、アクリル酸モノマーと、アクリル酸2−エチルヘキシルモノマーとの共重合が好適に用いられる。
粘着剤を、このような共重合体を配合して形成することにより、帯電防止処理された基材の作用と相まって、帯電防止、ダイシング時のチップ飛び抑制、ピックアップ時の作業性の向上及び粘着剤残渣の低減という、従来から求められていたにもかかわらず、実現し得なかった特性の全てを満足させることができる。つまり、強力に被粘着体を粘着させながら、適当な時点で粘着力を確実に低減させ、しかも、粘着剤層として常に適当な強度を確保することができる。また、帯電防止のために配合する成分を、帯電防止のために十分量確保しながら、かつ、粘着剤層を構成する全ての成分について良好な相溶性を示して、成分の粘着剤層における不均一性、分離、偏り等をなくして、均一に混合・分布することにより、各成分の個々の性能を最大限に発揮させることが可能となる。
これらの共重合体において、アクリル酸メチルモノマー及び/又はアクリル酸エチルモノマーと、アクリル酸モノマーと、アクリル酸2−エチルヘキシルモノマーとは、例えば、40〜70:0.5〜20:30〜60の割合、好ましくは、45〜75:1〜15:30〜50の割合で、重合させたものが適している。この範囲とすることにより、粘着剤層を構成するために添加剤を添加する場合においても、添加剤との相溶性を確保することができる。また、長期間の貼付の状態でも、粘着力の増減、熱的な影響による粘着力の増加等を防止することができる。さらに、応力に対して十分な強度を有する粘着剤層を与えることができ、ピックアップ工程において粘着剤残り等の不具合を防止することができる。
これらの共重合体の分子量は、例えば、30万〜150万、特に50万〜120万が好ましい。この範囲とすることにより、紫外線等の照射後の粘着剤層におけるストレスに対して、十分な強度を有することができる。その結果、ピックアップ等において、粘着剤残り等の不具合を防止することができる。また、粘着剤層を構成するために添加剤を添加する場合においても、添加剤との相溶性を確保し、粘着力、帯電防止等において、安定した特性を得ることができる。
ポリエーテルポリオール化合物は、通常、ポリマー分子におけるエーテル結合が、アルカリ金属と錯体を形成し、このような構造によって導電性を付与するものである。ポリマー分子としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコールとポリオキシプロピレングリコールとのブロック共重合体等が例示される。
このポリエーテルポリオール化合物としては、特に限定されず、公知のもののいずれをも使用することができる。例えば、特開2007−70420等に記載の導電性付与剤等を用いることができる。具体的には、商品名サンニックス(三洋化成工業社製)のPP−400、PP−1000、PP−2000、GP−400、GP−600、TP−400等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール化合物は、重量平均分子量が4000以下のものが適しており、200〜1000のものが好ましい。アクリル系粘着剤中で経時によるアルカリ金属塩の結晶化を抑制し、ひいては粘着剤の表面固有抵抗値の上昇を防止して、安定な粘着テープを作製するためである。
ポリエーテルポリオール化合物は、上述したアクリル系粘着剤100重量部に対し、0.3以上かつ10重量部以下、好ましくは0.3以上かつ7重量部以下、より好ましくは0.45重量部以上かつ7重量部未満、さらに、0.45重量部以上かつ6重量部以下、0.45重量部以上かつ5重量部以下含有されていることが好ましい。アクリル系粘着剤表面の表面固有抵抗値を低減させ、十分な静電気防止機能を付与するためである。また、粘着剤を構成する全ての成分との相溶性を確保し、各成分の偏析を有効に防止するためである。これによって、粘着物性の低下を防止して、粘着テープとしての接着性を向上させることができる。
アルカリ金属塩としては、例えば、Li、Na、K、Mg、Caからなるカチオンと、Cl、Br、I、BF4、PF6、ClO4、NO3、CO3 からなるアニオンとから、それぞれ選択される1種以上のイオンを組合せてなるものが使用できる。特に、イオン伝導性に優れ、静電気防止機能に優れるLiClO4が好適に使用できる。
アルカリ金属塩は、アクリル系粘着剤100重量部に対し、0.005〜2重量部、好ましくは0.005〜1.8重量部、より好ましくは0.005〜1.5重量部、0.05〜1.2重量部、さらに0.03〜1.0重量部含有されていることが好ましい。アルカリ金属塩をこの範囲とすることにより、粘着剤の表面固有抵抗値を低減させ、十分な静電気防止性を付与するためである。また、保存時において、アクリル系粘着剤中でのアルカリ金属塩の結晶化を防止して、安定に機能を発揮させることができる。
本発明の粘着テープ又はシートにおける粘着剤層には、さらに、紫外線硬化型オリゴマーが含有されていることが好ましい。紫外線硬化型オリゴマーとしては、紫外線照射によって硬化する機能を有するオリゴマーであれば特に限定されることなく、いずれのオリゴマーを用いてもよい。例えば、このようなオリゴマーは、分子量が、500〜50000程度、さらに1000〜30000程度が好ましい。この範囲の分子量とすることにより、紫外線等の照射後の粘着剤の強度を確保し、結果としてピックアップ作業時等の作業でのチップへの粘着剤の付着を防止することができる。また、粘着剤層を構成する各成分との相溶性を確保し、粘着力及び帯電防止特性等の安定性を向上させることができる。
このようなオリゴマーは、例えば、分子内に2個以上の炭素−炭素二重結合を有していればよく、例えば、ウレタン系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系など種々のオリゴマーが挙げられる。なかでも、紫外線等の照射後の粘着剤の可撓性等の観点から、ウレタンアクリレート系オリゴマーが好ましい。また、2種以上のオリゴマーを併用してもよい。
特に、ウレタン系(メタ)アクリレート系オリゴマーは、分子内に2〜4個、さらに2個のアクリロイル基を有するものが好ましい。例えば、60〜90℃に保持した反応槽で、まずジイソシアネートとポリオールとを反応させ、反応が完了した後、ヒドロキシ(メタ)アクリレートを添加してさらに反応させる方法等により製造することができる。
ジイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等を挙げることができる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドルキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドルキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
紫外線硬化型オリゴマーは、アクリル系粘着剤100重量部に対し、20〜170重量部程度、さらに、40〜150重量部程度含有されていることが好ましい。この範囲とすることにより、上述した粘着剤の成分のいずれとも、良好な相溶性を確保して、粘着剤層中で偏在等することなく、均一に分散させながら、紫外線照射によって適度に粘着剤層を硬化させ、所望の粘着力を容易に与えることができる。
また、本発明の粘着テープ又はシートにおける粘着剤層には、さらに粘着付与剤が含有されていることが好ましい。粘着付与剤は、公知のもののいずれをも用いることができる。なかでも、そのヒドロキシル価が、120〜230mg/g、さらに、120〜210mg/gであるものが好ましい。ヒドロキシル価が大きすぎる又は小さすぎる場合には、半導体ウェハ又は封止樹脂等に対して紫外線照射前において十分な接着性を付与されない傾向がある。また、粘着シートの貼り付け面における封止樹脂等の種類によっては、あるいはその樹脂表面に添加又は付着した離型剤の存在が少ない場合には、紫外線照射後所定の値まで粘着力が下がらない傾向がある。
粘着付与剤は、アクリル系粘着剤100重量部に対し、0.1〜70重量部程度、さらに、1〜50重量部程度含有されていることが好ましい。この範囲とすることにより、粘着力を有効に上昇させることができ、粘着シートの保存安定性を確保して、長期間安定した特性を得ることができる。
このようなヒドロキシル価を有する粘着付与剤としては、例えば、テルペンフェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂等が例示される。
テルペンフェノール樹脂としては、アルファーピネン・フェノール樹脂、ベーターピネンフェノール樹脂、ジペンテン・フェノール樹脂、テルペンビスフェノール樹脂が挙げられる。このテルペンフェノール樹脂を用いることにより、粘着剤におけるベースポリマーに対する高い相溶性を得ることができる。よって、テープ保存中における粘着剤の変化が殆どなく、長期間安定した品質を維持することが可能となる。
なお、本発明の粘着テープ又はシートにおける粘着剤層には、さらに、軟化剤、老化防止剤、硬化剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、(光)重合開始剤等の1種以上を適宜選択して添加してもよい。各剤は、単一種を単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
軟化剤としては、例えば、可塑剤、ポリブテン、液状粘着付与剤樹脂、ポリイソブチレン低重合物、ポリビニルイソブチルエーテル低重合物、ラノリン、解重合ゴム、プロセスオイル又は加流オイル等が挙げられる。
老化防止剤としては、フエノール系老化防止剤(例えば、2,6ジ・ターシヤリブチル−4−メチルフエノール、1,1ビス(4ヒドロキシフエノール)シクロヘキサン等)、アミン系老化防止剤(例えば、フエニールベーターナフチルアミン等)、ベンズイミダゾール系老化防止剤等(例えば、メルカプトベンゾイダゾール等)、2,5ジ・ターシヤリブチルハイドロキノン等が挙げられる。
ゴム系粘着剤の硬化剤としては、イソシアネート、硫黄及び加硫促進剤、ポリアルキルフエノール、有機過酸化物等が挙げられる。
イソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフエニルメタジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート又はシクロヘキサンジイソシアネートが挙げられる。
硫黄及び加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系加硫促進剤、スルフエンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオ酸塩系加硫促進剤等が挙げられる。
ポリアルキルフエノールとしては、例えば、ブチルフエノール、オクチルフエノール、ノニルフエノール等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクロミルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル又はパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
充填剤としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、澱粉、クレー又はタルク等が挙げられる。
光重合開始剤は、紫外線を照射することにより励起、活性化してラジカルを生成し、多官能オリゴマーをラジカル重合により硬化させる作用を有する。具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン等の特殊光重合開始剤等を挙げることができる。
重合開始剤としては、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物系が挙げられる。単独で用いるのが望ましいが、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤として使用してもよい。還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト塩などのイオン化の塩、トリエタノールアミン等のアミン類、アルドース、ケトース等の還元糖などが挙げられる。また、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオアミジン酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド等のアゾ化合物を使用してもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
本発明の粘着テープ又はシートは、上述した各成分を、任意に溶剤を用いて、直接混合して粘着剤組成物を形成し、この組成物を基材上に塗布又は散布等することにより形成することができる。
各成分の混合は、十分かつ均一な混合を実現するために、プロペラ攪拌機、ディスパー攪拌機等を利用して行うことが好ましい。
粘着剤組成物を基材へ塗布する方法は、例えば、グラビアコーティング、ロールコーティング、リバースコーティング、ディップコーティング、流し塗り、刷毛塗り等の公知の方法のいずれを利用してもよい。
塗布した後、加熱乾燥することが好ましい。加熱は、例えば、80〜100℃、30秒〜10分間程度が挙げられる。
粘着剤層の厚さは特に限定されるものではないが、1〜50μm程度が適している。
本発明の粘着テープ又はシートには、粘着剤層保護のために、粘着剤層に接触して剥離シートが積層されていることが好ましい。
剥離シートは、剥離基材のみからなるものであってもよいが、剥離基材上に、帯電防止層を備えることが好ましい。
ここで、剥離基材としては、上述した基材と同様のものが例示される。
帯電防止層は、帯電を防止し得る材料、通常、導電性材料によって形成された層であれば特に限定されることなく、どのような材料によって形成されていてもよい。導電性材料としては、金属(例えば、アルミニウム、銅)及びそれらの合金等が挙げられる。導電性材料は、どのような方法によって帯電防止層として形成してもよく、例えば、剥離基材への蒸着、粒子状態の導電性材料を含有する導電性ペースト等を利用した塗布、モールディング等の種々の方法が挙げられる。帯電防止層の厚みは、例えば、1〜10μm程度、さらに5μm前後が適している。
剥離シートは、粘着剤層と実質的に接着しないように、離型処理が施されているものが適している。例えば、剥離基材の表面、特に、粘着剤層との接触面に離型処理されていることが好ましい。従って、剥離基材に帯電防止層が形成されている場合には、帯電防止層の表面が、離型処理されていることが好ましい。離型処理は、当該分野で公知の方法及び材料を用いて行うことができる。例えば、シリコーンによる処理、フッ素樹脂による処理等が挙げられる。
本発明の粘着テープ又はシートは、通常用いられている方法で、例えば、半導体ウェハ及び/又は基板加工用に使用することができる。
具体的には、半導体ウェハ及び/又は基板を粘着テープ又はシートに貼り付けて固定した後、回転丸刃で半導体ウェハ又は基板を素子小片(チップ)に切断する。その後、加工用粘着シートの基材側から紫外線及び/又は放射線を照射する。次いで、専用治具を用いてウェハ加工用粘着シートを放射状にエキスパンディグ(拡大)し、素子小片(チップ)間隔を一定間隔に広げる。続いて、素子小片をニードル等で突き上げると共に、エアピンセット等で吸着する。これによって、ピックアップすると同時にマウンティングすることができる。
このような使用のために、本発明の粘着テープ又はシートでは、使用に先立って、剥離シートを粘着剤層側から剥離した際に、粘着シート側の帯電量が10kV以下であることが好ましい。このような帯電量への調整は、上述した各層の材料、成分の組成、処理法又は条件、各層の位置等を適宜調整することによって実現できる。これによって、工程中に生じる静電気又は剥離帯電を最小限にとどめることができ、基板回路の破壊及び製品不良を有効に防止することが可能となる。
本発明の粘着シートは、半導体ウェハ、半導体基板、単数又は複数のチップ等をリード及び封止樹脂等で個々に又は一体的に封止した封止樹脂基板など、種々の被着体に対して用いることができる。被着体の貼り付け面は、半導体に限らず、金属、プラスチック、硝子、セラミック等の無機物など、種々の材料とすることができる。また、本発明の粘着シートは、特に表面に微細な凹凸、いわゆる梨子地状などの凹凸がある被着面を有するもの、レーザ等による印字がある被着面を有するものなどに対して、さらに、被着面の少なくとも1箇所以上に、100μm程度以下の深さの窪みを有する被着面を備えるものに良好に利用することができる。
以下、本発明の粘着テープ又はシートの実施例を具体的に説明する。なお、粘着付与剤のそのヒドロキシル価はJIS K0070−1992の7.1中和滴定法によって導き出される値を用いた。
実施例1
アクリル酸メチル60重量部と、アクリル酸10重量部と、アクリル酸2エチルヘキシル40重量部とを共重合して得られた重量平均分子量80万の共重合体(固型分35%)を調製した。
この共重合体を100重量部、多官能アクリレート系オリゴマーである日本合成化学製UV−1700を100重量部、粘着付与剤としてヒドロキシル価が160〜170KOHmg/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製YSポリスターN125)を20重量部、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン製)を1重量部、光重合開始剤としてチバスペシャリティーケミカルズ製イルガキュア651を3重量部配合し、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、アルミ蒸着膜上にシリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、4級アンモニウム塩を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートして転写し、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを50℃にて加温し、4日以上熟成した後、以下に示す評価を行った。
実施例2
実施例1の粘着剤溶液の調製時にポリアルキレングリコール化合物と過塩素酸リチウムの混合液(日本カーリット(株)製、商品名PEL−20A)を0.5重量部追加した以外は、実施例1と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、実施例1と同様にアルミ蒸着膜上にシリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、実施例1と同様に、4級アンモニウム塩を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートして転写し、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
実施例3
実施例1と同様に粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、実施例1と同様に、アルミ蒸着膜上にシリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、過塩素酸リチウム塩を含む帯電防止処理剤を含有した層を少なくとも1層備えた多層ポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートして転写し、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
実施例4
実施例2と同様に粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、実施例1と同様に、アルミ蒸着膜上にシリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、ポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
実施例5
実施例2と同様に粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、シリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、イオン導電性材料(過塩素酸リチウム)を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
実施例6
実施例2と同様に粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、実施例1と同様、アルミ蒸着膜上にシリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、実施例5と同様に、イオン導電性材料(過塩素酸リチウム)を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
比較例1
実施例1と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、シリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、ポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、このポリエチレンフィルムに、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
比較例2
実施例1と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、シリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、実施例1と同様、4級アンモニウム塩を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
比較例3
実施例2と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、シリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、比較例1と同様、ポリエチレンフィルム(厚み:150μm)に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
比較例4
実施例1と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、実施例1と同様、アルミ蒸着膜上にシリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、比較例1と同様、ポリエチレンフィルム(厚み:150μm)に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
比較例5
実施例1と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、シリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、実施例1と同様に、4級アンモニウム塩を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、この帯電防止処理した面に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
比較例6
実施例1と同様に、粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、剥離シートとして、シリコーン剥離処理したポリエステルフィルム(厚み:38μm)におけるシリコーン剥離処理した面上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、120℃にて5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。
その後、基材として、実施例5と同様、イオン導電性材料(過塩素酸リチウム)を含む帯電防止処理剤によって一方の面を帯電防止処理したポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を用い、その帯電防止処理した面と反対側の面に、上記粘着剤層をラミネートし、半導体加工用の粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを実施例1と同様に熟成した後、以下に示す評価を行った。
テープ貼り付け
半導体チップがうめこまれた基板の封止樹脂面(樹脂面に深さ15μmのレーザ印字があるタイプ)に日東精機製M−286Nの貼り付け装置を用い、速度60mm/sec、テーブル温度45℃にて粘着シートを貼り合せた。
貼り合わせの前にテープから剥離シートを剥離した時点で、10mmの高さより静電電位測定器(春日電機(株)製 KSD−0103S)を用い、表面電位を測定した。
貼り付け後、サンプルを取り出し、基板表面より100mmの高さより表面電位を測定した。
帯電量の測定
春日電機(株)製 KSD−0103
試験片:10mm×100mm
剥離シートの剥離速度:1m/秒
測定距離:10mm
切断
DISCO製DFG−651のダイサーを用い、回転数:38000rpm、刃厚:300μmのレジンブレードを用いて、粘着層及び基材切り込みの総量を90μmとし、速度40mm/sec、切断時水量:1.5L/minの条件で切断を実施した。
この際に、5mm四方に切断した2000個のパッケージに対して飛んだパッケージの数をカウントした。
粘着剤硬化のための紫外線照射
切断後、基材側から20mW/cm2の高圧水銀ランプを用いて30秒間紫外線を照射し、粘着剤層を硬化させた。その後、室温まで冷却し、手でパッケージを剥離し、2000個のパッケージに対する剥離可能の有無と粘着剤残渣の有無を確認した。
これらの結果を表1及び2に示す。
Figure 2010168541
Figure 2010168541
表1から、実施例では、ダイシング後のパッケージ飛びを確実に防止することができた。また、電子線を照射した後のピックアップ工程において、糊残りを生じさせることなく、作業効率を向上させることができた。さらに、剥離シート剥離後の粘着テープにおける静電気及び帯電を低減させることができるとともに、工程中で生じる静電気又は剥離帯電を劇的に低減させることができ、半導体ウェハ等における回路破壊、製品不良等の発生を低減させることができた。
一方、表2から、比較例では、剥離シート剥離後及び工程中において、静電気又は剥離帯電をほとんど抑制することができなかった。
本発明の半導体素子の製造方法は、ダイシングを行うことができる対象、すなわち、半導体関連材料(例えば、半導体ウェハ、BGAパッケージ、プリント回路、セラミック板、液晶装置用のガラス部品、シート材料、回路基板、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、半導体レーザの発光/受光素子基板、MEMS基板又は半導体パッケージ等)等のみならず、あらゆる種類の材料に対して、広範囲に利用することができる。

Claims (9)

  1. 紫外線及び/又は放射線に対して透過性を有する基材と、
    該基材上に積層され、紫外線及び/又は放射線により重合硬化反応する粘着剤からなる粘着剤層と、
    粘着剤層に接触する剥離シートとを含んでなる粘着テープ又はシートであって、
    粘着剤層、基材及び剥離シートの一面側及び他面側のいずれか2つ以上に帯電防止層を備えることを特徴とする粘着テープ又はシート。
  2. 剥離シートが、剥離基材上に、金属蒸着膜からなる帯電防止層を備えており、該帯電防止層が粘着剤層と接触してなる請求項1に記載の粘着テープ又はシート。
  3. 帯電防止層における粘着剤層との接触面に離型処理がなされている請求項2に記載の粘着テープ又はシート。
  4. 基材における粘着剤層積層面と反対側の面に、イオン導電性材料を含有する樹脂層の形成によって帯電防止処理がなされている請求項1〜3のいずれか1つに記載の粘着テープ又はシート。
  5. 基材における粘着剤層積層面と反対側の面に、4級アンモニウム塩を含む帯電防止処理剤によって帯電防止処理がなされている請求項1〜4のいずれか1つに記載の粘着テープ又はシート。
  6. 粘着剤層が、アクリル酸メチルモノマー、アクリル酸エチルモノマー又はアクリル酸メチルモノマー及びアクリル酸エチルモノマーと、
    アクリル酸モノマーと、
    アクリル酸2−エチルヘキシルモノマーとの3成分の共重合体からなるアクリル系粘着剤100重量部に対し、
    ポリエーテルポリオール化合物0.3〜10重量部及び
    少なくとも1種のアルカリ金属塩0.005〜2重量部が含有されてなる粘着剤を含んで形成された請求項1〜5のいずれか1つに記載の粘着テープ又はシート。
  7. ポリエーテルポリオール化合物が、4000以下の重量平均分子量を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の粘着テープ又はシート。
  8. アルカリ金属塩が、Li、Na、K、Mg、Caからなるカチオンと、Cl、Br、I、BF4、PF6、ClO4、NO3、CO3からなるアニオンとからそれぞれ選択される1種以上のイオンを組合せてなる請求項1〜7のいずれか1つに記載の粘着テープ又はシート。
  9. 半導体ウェハ又は基板加工用途に使用される請求項1〜8のいずれか1つに記載の粘着テープ又はシート。
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