JP5006126B2 - ウエハ表面保護テープおよびウエハ研削方法 - Google Patents

ウエハ表面保護テープおよびウエハ研削方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウエハ表面保護テープおよびそれを用いたウエハ研削方法に関し、さらに詳しくは、各種半導体の製造工程におけるウエハの研削工程においてウエハ表面を保護するために用いるウエハ表面保護テープおよびそれを用いたウエハ研削方法に関する。
半導体ウエハ製造工程において、ウエハ表面にパターンを形成した後、ウエハ裏面を所定厚さまで研削するいわゆるバックグラインド工程が行なわれる。その際、一般的には、ウエハ表面を保護する目的で、ウエハ表面にウエハ表面保護テープを貼り合わせ、その状態でウエハ裏面が研削される。ウエハ表面保護テープは、例えば特開2002−338911号公報(特許文献1)に開示されているように、基材フィルムの表面側に粘着層が設けられ、必要に応じて粘着層上にセパレータを有するものであり(特許文献1の0013、図1参照)、セパレータを剥離した状態で、基材フィルムの表面側を粘着層によってウエハ表面に貼り合わせて用いられる。
ウエハ表面保護テープは、一般的にはバックグラインド工程以降の工程では不要となり、バックグラインド工程後には、例えば特開平5−62950号公報(特許文献2)に開示されているように、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面(外方に露出している最外表面)に剥離テープを貼り付け、その剥離テープをウエハに対して鋭角的にめくり上げることで、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離している(特許文献2の0019、図5参照)。
上述したウエハ表面保護テープの剥離工程は、一般的には、真空吸着固定器によりウエハの裏面を真空吸着固定した状態で行う。また、そのウエハ裏面の真空吸着固定、剥離テープの貼り付けおよび剥離テープの剥離は、例えばウエハの外周上の一部に設けられたセンサ認識部(後記図3参照)をセンサで認識して、その真空吸着固定位置、貼り付け位置および剥離位置等を決定している。
特開2002−338911号公報 特開平5−62950号公報
前記バックグラインド工程において、ウエハ裏面の研削で発生する研削屑(シリコンダスト等)は、ウエハ表面保護テープの最外表面である基材フィルム裏面上に付着し、以下の問題を引き起こす。すなわち、研削屑が基材フィルム裏面上に付着した状態でウエハがウエハ表面保護テープ剥離工程に供されると、研削屑が前記センサ認識部を覆っているためセンサの認識性が低下し、剥離工程においてウエハの位置決め不良が起こり、その結果、ウエハ表面保護テープを剥離できなくなったり、テープの剥離不良が起こったりすることがある。また、極端な場合は、ずれた位置で固定されたウエハに対して剥離による無理な外力が伝わる結果、ウエハが欠けたり、割れたりすることもある。
さらに、前記剥離工程においては、ウエハ表面保護テープの基材フィルム裏面と剥離テープとの接着力は重要であり、それらの間の接着力が不十分であると、ウエハ表面保護テープの剥離不良が起こる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、ウエハ表面を保護するために用いるウエハ表面保護テープであって、剥離工程におけるウエハのセンサ認識部のセンサ認識性が良好で、位置決め不良等が起こりにくく、かつ、基材フィルム裏面と剥離テープとの接着力が高いことから、剥離不良、ウエハの欠けや割れ等を起こさずにウエハ表面から良好に剥離することができるウエハ表面保護テープおよびそれを用いたウエハ研削方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述した目的を達成するために鋭意検討を行った結果、ウエハ表面保護テープの基材フィルム裏面の中心線平均粗さ(Ra)は、研削屑(シリコンダスト等)のウエハ表面保護テープの基材フィルム裏面上への付着、およびセンサ認識性に大きく影響し、さらには剥離テープとの密着性に大きく影響することを見出し、本発明に至った。
本発明は、前記目的を達成するため、基材フィルムの表面側をセンサ認識部を具備するウエハの表面に貼り合わせてウエハの裏面を研削する工程に用いるウエハ表面保護テープであって、前記基材フィルムの裏面が、中心線平均粗さ(Ra)が1〜9μmの粗化領域と、中心線平均粗さ(Ra)が0.5μm以下の平坦領域とを有することを特徴とするウエハ表面保護テープを提供する。
また、本発明は、センサ認識部を具備するウエハの表面にウエハ表面保護テープを貼り合わせてウエハの裏面を研削するウエハ研削方法であって、
前記ウエハ表面保護テープとして、上記本発明のウエハ表面保護テープを用いるとともに、
前記ウエハのセンサ認識部に前記平坦領域の少なくとも一部が重なるように、前記ウエハの表面に前記基材フィルムの表面側を貼り合わせる工程と、
前記ウエハの裏面を研削する工程と、
ウエハの裏面を研削した後、前記基材フィルムの裏面の粗化領域の少なくとも一部に剥離テープを貼り付ける工程と、
前記剥離テープをウエハに対してめくり上げることにより、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離する工程とを行うことを特徴とするウエハ研削方法を提供する。
本発明ウエハ表面保護テープにおける基材フィルム裏面の平坦領域は、Raが0.5μm以下であるため、バックグラインド工程等の研削により発生する研削屑(シリコンダスト等)が表面に付着しにい。したがって、ウエハのセンサ認識部に上記平坦領域の少なくとも一部が重なるように、ウエハの表面に基材フィルムの表面側を貼り合わせることにより、剥離工程におけるウエハのセンサ認識部のセンサ認識性が良好になり、ウエハの位置決め不良等を起こりにくくすることができるため、テープの剥離不良、ウエハの欠けや割れ等が生じることを防止することができる。また、本発明ウエハ表面保護テープにおける基材フィルム裏面の粗化領域は、Raが1〜9μmであるため、その表面と剥離テープとの接着力が高くなる。したがって、上記粗化領域の少なくとも一部に剥離テープを貼り付け、この剥離テープをウエハに対してめくり上げることにより、剥離不良を生じさせることなく、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離することができる。
本発明に係るウエハ表面保護テープおよびウエハ研削方法によれば、剥離工程におけるウエハのセンサ認識部のセンサ認識性が良好で、位置決め不良等が起こりにくく、かつ、ウエハ表面保護テープの基材フィルム裏面と剥離テープとの接着力が高いことから、剥離不良、ウエハの欠けや割れ等を起こさずにウエハ表面からウエハ表面保護テープを良好に剥離することができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。図1は本発明に係るウエハ表面保護テープの一実施形態を示す一部断面図である。本例のウエハ表面保護テープ10は、図1に示すように、基材フィルム12上に粘着層14が設けられている。また、必要に応じて、粘着層14上にはセパレータ16を積層することができる。ウエハ表面保護テープ10は、平板状とすることもでき、ロール状に巻いたテープ状とすることもできる。なお、基材フィルム12において、粘着層14と接する面と反対側の面が基材フィルム12の裏面18、すなわちウエハに貼り付けたときに最外表面となる面である。
基材フィルム12の材料は、特に制限されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、およびこれらの架橋体などのポリマーが挙げられる。前記ポリマーは単体で用いてもよく、必要に応じて数種をブレンドしてもよく、また多層構造として用いてもよい。
基材フィルム12の厚さは、通常10〜300μm、より好ましくは30〜200μm程度である。基材フィルム12は、従来より公知の製膜方法により製膜することができる。例えば、湿式キャスティング法、インフレーション押出し法、Tダイ押出し法などが利用できる。基材フィルム12は、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。
本発明に係るウエハ表面保護テープ10では、基材フィルム12の裏面18が、Raが1〜9μmの粗化領域と、Raが0.5μm以下の平坦領域とを有する。粗化領域のRaはさらに好ましくは1.5〜8μm、平坦領域のRaはさらに好ましくは0.3μm以下である。
前記粗化領域のRaが1μmに満たないか、あるいは9μmを超えると、剥離テープと粗化領域表面との接着力が不十分となり、ウエハからのウエハ表面保護テープの剥離不良が発生することがある。前記平坦領域のRaが0.5μmを超えると、研削で発生する研削屑(シリコンダスト等)がウエハ表面保護テープの基材フィルム裏面上に付着しやすくなり、半導体ウエハのセンサ認識部を覆って、センサ認識性が低下し、剥離工程において、位置決め不良が起こり、その結果、ウエハ表面保護テープが剥離できなくなったり、剥離不良が起こったりすることがある。
前記粗化領域および平坦領域のそれぞれの位置、形状、面積比率等について特に制限はないが、例えば、図2のように平坦領域20を帯状に設け、その両側の領域を粗化領域22、24とする実施形態が挙げられる。図2の実施形態は、帯状の平坦領域20を形成できる平坦部と、その両側の領域に粗化領域22、24を形成できる粗化部とを有するロールで基材フィルムを押圧または圧延することにより、容易に製造することができる。
また、前記粗化領域および平坦領域を設ける方法は特に制限されず、上述したロールを用いる方法の他、例えば、エンボス加工法、サンドプラスト法、エッチング法、放電加工法、梨地処理法、マット処理法などの各種方法により行うことができる。粗化領域および平坦領域を設ける処理は、基材フィルムの製膜時、製膜後のいずれのときに施されていてもよい。
また、基材フィルムの裏面の前記平坦領域の透過率が高いほど、センサ認識性がさらに向上し、剥離工程において、位置決め不良、剥離不良をさらに低減できるので、好ましい。透過率とは、基材フィルムの裏面の前記平坦領域におけるウエハ表面保護テープ全体厚みでの透過率であり、センサに用いる光源の波長域における全光線透過率を分光光度計で測定した値である。なお、光源としては、例えば、波長が610nm付近の赤色の単色光、540nm付近の緑色の単色光、450nm付近の青色の単色光、あるいはそれら3波長からなる白色光等が挙げられる。
粘着層14の材料は、特に制限されるものではないが、例えば、通常のアクリル系粘着剤などが適用可能である。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体および硬化剤を成分とするものである。(メタ)アクリル系共重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを重合体構成単位とする重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル系重合体、および(メタ)アクリル酸エステルと官能性単量体との共重合体、ならびにこれらの重合体の混合物等が挙げられる。これらの重合体の分子量としては、重量平均分子量が50万〜100万程度の高分子量のものが一般的に適用される。
また、上記硬化剤は、(メタ)アクリル系共重合体が有する官能基と反応させて粘着力および凝集力を調整するために用いられるものである。硬化剤としては、例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物等が挙げられる。硬化剤の添加量は、所望の粘着力に応じて調整すればよく、好ましくは(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜5.0質量部である。
粘着層14の厚さは適宜選定することができるが、一般には1〜300μm程度以下、好ましくは3〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmである。
セパレータ16は、必要に応じて設けられる。セパレータ16の構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムなどが挙げられる。セパレータ16の表面には、粘着層14からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理が施されていてもよい。セパレータ16の厚さは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
本発明に係るウエハ研削方法は、前述したように、ウエハのセンサ認識部に上述したウエハ表面保護テープの平坦領域の少なくとも一部が重なるように、ウエハの表面に基材フィルムの表面側を貼り合わせる工程と、ウエハの裏面を研削する工程と、ウエハの裏面を研削した後、基材フィルムの裏面の粗化領域の少なくとも一部に剥離テープを貼り付ける工程と、剥離テープをウエハに対してめくり上げることにより、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離する工程とを行う。
この場合、ウエハとしては、例えば図3に示すものを用いることができる。図3のウエハ26は、外周の一部にセンサ認識部としてV字状の切り込み(Vノッチ)28を形成したものである。ただし、センサ認識部の形状、構造は適宜設定することができる。
ウエハにウエハ表面保護テープを貼り合わせる工程では、ウエハのセンサ認識部にウエハ表面保護テープの平坦領域の少なくとも一部が重なるように貼り合わせることによって、研削により発生する研削屑(シリコンダスト等)が基材フィルム裏面上のセンサ認識部に対応する箇所に付着しにくくなる。したがって、剥離工程においてウエハのセンサ認識部のセンサ認識性が良好で、位置決め不良等が起こりにくくなり、ウエハの欠けや割れ等を起こさずにウエハ表面からウエハ表面保護テープを良好に剥離できるようになる。
また、ウエハ表面保護テープに剥離テープを貼り付ける工程では、ウエハ表面保護テープの粗化領域の少なくとも一部に剥離テープを貼り付けることによって、ウエハ表面保護テープと剥離テープとの接着力が高くなり、ウエハ表面からウエハ表面保護テープを良好に剥離できるようになる。
前記ウエハのセンサ認識部にウエハ表面保護テープの平坦領域の少なくとも一部が重なるように貼り合わせる工程、そのウエハの裏面を研削する工程、ウエハ表面保護テープの粗化領域の少なくとも一部に剥離テープを貼り付ける工程、その剥離テープをウエハに対してめくり上げることでウエハからウエハ表面保護テープを剥離する工程を行う方法について特に限定はないが、例えば、ウエハにウエハ表面保護テープを貼り合わせる工程では、図4に示すように、帯状に平坦領域20が設けられ、その他の領域は粗化領域22、24とされたウエハ表面保護テープ10を、ウエハ26のセンサ認識部28に上記帯状の平坦領域20の一部が重なるように貼り合わせればよい。
また、例えば、ウエハ表面保護テープに剥離テープを貼り付ける工程では、図5に示すように、帯状に平坦領域20が設けられ、その他の領域は粗化領域22、24とされたウエハ表面保護テープ10がウエハ26に貼り合わされた状態で、ウエハ表面保護テープ10の粗化領域22、24の一部にかかるように剥離テープ30を貼り付ければよい。その際に、剥離テープ30の粗化領域22、24にかかる面積が大きいほど、剥離テープ30とウエハ表面保護テープ10との接着力が高くなり好ましい。
また、本発明に係るウエハ研削方法に用いる剥離テープに特に限定はないが、ウエハとウエハ表面保護テープとの接着力に対して、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面と剥離テープとの接着力の方が相対的に高いことが好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでない。まず、以下のようにして、ウエハ表面保護テープの作製、ウエハ表面保護テープの貼り合わせ、ウエハ裏面研削、センサ認識性試験、剥離テープによる剥離性試験を行い、本発明の効果を確認した。
(ウエハ表面保護テープの作製)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」(商品名、住友化学(株)製))の一方の面に対して、Raが表1に示した値になるように、ロールで押圧加工した。その基材フィルムの非加工面上にアクリル系粘着剤(アクリル酸エステル共重合体が100質量部、硬化剤(「コロネートL」(商品名、日本ポリウレタン(株)製)が2質量部)を塗布、乾燥し、基材フィルム上に厚さ30μmの粘着層を設けたウエハ表面保護テープ1〜10を作製した。なお、Raは、JIS B0601に基づき任意の10点につき東京精密ハンディサーフE−30Aを用いて測定し、平均化した値である。
(ウエハ表面保護テープの貼り合わせ、ウエハ裏面研削)
上記の方法にて得られたウエハ表面保護テープを、図3に示したようなセンサ認識部(Vノッチ)を有する厚さ650μmの8インチシリコンウエハの表面に貼合し、ディスコ(株)製グラインダー「DFG8560」(商品名)にて面粗さ「#2000」で最終仕上げ厚さ200μmになるようウエハ裏面研削を行った。
(センサ認識性試験)
上記研削後のウエハの裏面を真空吸着固定器により真空吸着固定した状態で、ウエハのセンサ認識部をセンサで認識するかどうか評価した。センサの光源には三波長蛍光灯を用いた。結果を表1に示す。表中の◎はセンサによる認識性が非常に優れること、○はセンサによる認識性が実用上問題ないレベルであること、×はセンサによる認識性に問題があることを示す。
(剥離テープによる剥離性)
その後、図5に示したようなウエハのセンサ認識部に対する剥離テープの相対位置で、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面に剥離テープを貼り付け、剥離テープをウエハに対してめくり上げることで、ウエハからのウエハ表面保護テープの剥離性を評価した。なお、剥離テープとしては、ウエハとウエハ表面保護テープとの接着力に対して、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面と剥離テープとの接着力の方が相対的に高いものを用いた。結果を表1に示す。表中の◎は全く問題なくウエハからウエハ表面保護テープを剥離できること、○はウエハ表面保護テープと剥離テープ間で一部剥離するものの、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離できること、×はウエハからウエハ表面保護テープを剥離できないことを示す。
Figure 0005006126
表1により、センサ認識性に関し、表面保護テープの基材フィルムの裏面のRaが0.5μm以下であればセンサ認識性が良好であり、さらに0.3μm以下であればセンサ認識性がより優れることが分かる。また、剥離性に関し、表面保護テープの基材フィルムの裏面のRaが1〜9μmであれば剥離性が良好であり、さらに1.5〜8μm以下であれば剥離性がより優れることが分かる。
(実施例1)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」(商品名、住友化学(株)製))の一方の面に対して、図3のように、8インチウエハに貼り合わせたときにウエハのセンサ認識部に重なるRa0.2μmの帯状の平坦領域と、その両側のRa2μmの粗化領域とを、ロールで押圧加工した。その基材フィルムの非加工面上にアクリル系粘着剤(アクリル酸エステル共重合体が100質量部、硬化剤(「コロネートL」(商品名、日本ポリウレタン(株)製)が2質量部)を塗布、乾燥し、基材フィルム上に30μmの粘着層を設けたウエハ表面保護テープを作製した。
得られたウエハ表面保護テープを、図3に示すようなセンサ認識部(Vノッチ)を有する厚さ650μmの8インチシリコンウエハの表面に、図4のようにウエハのセンサ認識部に前記帯状の平坦領域の一部が重なるように貼り合わせた。その後、ディスコ(株)製グラインダー「DFG8560」(商品名)にて面粗さ「#2000」で最終仕上げ厚さ200μmになるようウエハ裏面研削を行った。
上記研削後のウエハの裏面を真空吸着固定器により真空吸着固定した状態で、ウエハのセンサ認識部をセンサで認識するかどうか評価したところ、認識性が非常に優れていた。
その後、図5に示すようなウエハのセンサ認識部に対する剥離テープの相対位置で、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面に剥離テープを貼り付け、剥離テープをウエハに対してめくり上げることでウエハからのウエハ表面保護テープの剥離性を評価したところ、全く問題なくウエハからウエハ表面保護テープを剥離できた。なお、剥離テープとしては、ウエハとウエハ表面保護テープとの接着力に対して、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面と剥離テープとの接着力の方が相対的に高いものを用いた。
(比較例1)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」(商品名、住友化学(株)製))の一方の面の全面に対して、Raが0.2μmとなるようにロールで押圧加工した以外は、実施例1と同様にウエハ表面保護テープを作製した。
得られたウエハ表面保護テープを、図3に示すようなセンサ認識部(Vノッチ)を有する厚さ650μmの8インチシリコンウエハの表面に貼り合わせ、その後、ディスコ(株)製グラインダー「DFG8560」(商品名)にて面粗さ「#2000」で最終仕上げ厚さ200μmになるようウエハ裏面研削を行った。
上記研削後のウエハの裏面を真空吸着固定器により真空吸着固定した状態で、ウエハのセンサ認識部をセンサで認識するかどうか評価したところ、認識性が非常に優れていた。
その後、実施例1と同じ剥離テープを用いて、図5に示すようなウエハのセンサ認識部に対する剥離テープの相対位置で、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面に剥離テープを貼り付け、剥離テープをウエハに対してめくり上げることでウエハからのウエハ表面保護テープの剥離性を評価したところ、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離できなかった。
(比較例2)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」(商品名、住友化学(株)製))の一方の面の全面に対して、Raが2μmとなるようにロールで押圧加工した以外は、実施例1と同様にウエハ表面保護テープを作製した。
得られたウエハ表面保護テープを、図3に示すようなセンサ認識部(Vノッチ)を有する厚さ650μmの8インチシリコンウエハの表面に貼り合わせ、その後、ディスコ製グラインダー「DFG8560」(商品名)にて面粗さ「#2000」で最終仕上げ厚さ200μmになるようウエハ裏面研削を行った。
上記研削後のウエハの裏面を真空吸着固定器により真空吸着固定した状態で、ウエハのセンサ認識部をセンサで認識するかどうか評価したところ、センサによる認識性に問題があった。
その後、実施例と同じ剥離テープを用いて、図5に示すようなウエハのセンサ認識部に対する剥離テープの相対位置で、ウエハ表面保護テープの基材フィルムの裏面に剥離テープを貼り付け、剥離テープをウエハに対してめくり上げることでウエハからのウエハ表面保護テープの剥離性を評価したところ、全く問題なくウエハからウエハ表面保護テープを剥離できた。
本発明に係るウエハ表面保護テープの一実施形態を示す一部断面図である。 図1のウエハ表面保護テープの平面図である。 センサ認識部を具備するウエハの一例を示す平面図である。 図1のウエハ表面保護テープを図3のウエハの表面に貼り合わせた状態を示す平面図である。 ウエハの表面に貼り合わせたウエハ表面保護テープに剥離テープを貼り付けた状態を示す平面図である。
符号の説明
10 ウエハ表面保護テープ
12 基材フィルム
14 粘着層
16 セパレータ
18 基材フィルムの裏面
20 平坦領域
22 粗化領域
24 粗化領域
26 ウエハ
28 センサ認識部
30 剥離テープ

Claims (2)

  1. 基材フィルムの表面側をセンサ認識部を具備するウエハの表面に貼り合わせてウエハの裏面を研削する工程に用いるウエハ表面保護テープであって、前記基材フィルムの裏面が、中心線平均粗さ(Ra)が1〜9μmの粗化領域と、中心線平均粗さ(Ra)が0.5μm以下の平坦領域とを有することを特徴とするウエハ表面保護テープ。
  2. センサ認識部を具備するウエハの表面にウエハ表面保護テープを貼り合わせてウエハの裏面を研削するウエハ研削方法であって、
    前記ウエハ表面保護テープとして、請求項1に記載のウエハ表面保護テープを用いるとともに、
    前記ウエハのセンサ認識部に前記平坦領域の少なくとも一部が重なるように、前記ウエハの表面に前記基材フィルムの表面側を貼り合わせる工程と、
    前記ウエハの裏面を研削する工程と、
    ウエハの裏面を研削した後、前記基材フィルムの裏面の粗化領域の少なくとも一部に剥離テープを貼り付ける工程と、
    前記剥離テープをウエハに対してめくり上げることにより、ウエハからウエハ表面保護テープを剥離する工程とを行うことを特徴とするウエハ研削方法。
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