JP5019619B2 - ウェハ表面保護テープ - Google Patents
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Description
ウェハ表面保護テープは、基材フィルムの表面側に粘着剤層が設けられ、必要に応じて粘着剤層上にセパレータを有し、セパレータを剥離してウェハ表面に貼り合わせて用いられる(例えば、特許文献1参照)。テープが貼られた後、カセットに収納されて研削工程へ搬送される。テープはカセットから取出したウェハ表面に貼り合わされ、テープ側からチャックテーブルで吸着保持される。その後、ウェハの裏面を砥石で研削され所定の厚さまで研削される。
(1)ウェハ表面に表面保護テープを貼着して、ウェハを裏面から100μm以下の厚さまで研削し、その後、表面保護テープ背面を真空吸着固定器により吸着して搬送する工程に用いられるウェハ表面保護テープであって、該ウェハ表面保護テープの単層又は多層のポリオレフィン系ポリマーで構成される基材フィルムに厚さ10〜200μmの感圧型粘着剤が塗工され、基材フィルムの前記粘着剤が塗工されていない表面保護テープ背面の幅方向及び長さ方向のそれぞれの中心線平均粗さ(Ra)を0.2〜1.8μmとし、かつ基材フィルムの厚さを50〜300μmとした、前記粘着剤が塗工されていない背面に前記真空吸着固定器を真空吸着固定するウェハ表面保護テープ、及び
(2)ウェハ表面に表面保護テープを貼着して、ウェハを裏面から100μm以下の厚さまで研削し、その後、表面保護テープ背面を真空吸着固定器により吸着して搬送する工程に用いられるウェハ表面保護テープの使用方法であって、該ウェハ表面保護テープの単層又は多層のポリオレフィン系ポリマーで構成される基材フィルムに厚さ10〜200μmの感圧型粘着剤が塗工され、基材フィルムの前記粘着剤が塗工されていない表面保護テープ背面の幅方向及び長さ方向のそれぞれの中心線平均粗さ(Ra)を0.2〜1.8μmとし、かつ基材フィルムの厚さを50〜300μmとした、前記粘着剤が塗工されていない背面に前記真空吸着固定器を真空吸着固定するウェハ表面保護テープの使用方法
を提供するものである。
なお、上記の「中心線平均粗さ(Ra)」は、日本工業規格(JIS)B0601の「表面粗さ−定義及び表示」の付属書「中心線平均粗さの定義及び表示」に準拠し、測定したRa75である。
また、研削屑の付着がほとんど無いことから、ウェハのセンサ認識部の認識性が良好であり剥離テープの位置決めが容易で、さらに剥離テープとの密着性に優れる。
図1は本発明に係るウェハ表面保護テープの一実施形態を示す一部の断面図である。このウェハ表面保護テープ1は、図1に示すように、少なくとも基材フィルムと粘着剤層から構成されるもので、基材フィルム2上に粘着剤層3が設けられている。また、必要に応じて、粘着剤層3上にはセパレータ4を積層することができる。
ウェハ表面保護テープ1は、平板状とすることもでき、ロール状に巻いたテープ状とすることもできる。なお、基材フィルム2において、粘着剤層3と接する面と反対側の背面が基材フィルム2の粘着剤が塗工されていない面5、すなわちウェハに貼り付けたときに最外表面となる面である。本発明のウェハ表面保護テープでは、この面の平均粗さを規定するものである。
前記ポリマーは単体で用いてもよく、必要に応じて数種をブレンドしてもよく、また基材フィルムは単層構造でも多層構造としてもよい。
基材フィルム2は、従来より公知の製膜方法により製膜することができ、例えば、湿式キャスティング法、インフレーション押出し法、Tダイ押出し法などが利用できる。種々の樹脂を積層する基材フィルムの場合には、共押出し法、ラミネート法などがある。基材フィルム2は、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。
なお、この背面の長さ方向は半導体製造工程におけるフィルムの送り方向であり、これに対し幅方向とは半導体製造工程におけるフィルムの送り方向に直交する方向であり、そのそれぞれ方向の中心線平均粗さ(Ra)を規定するものである。
この感圧型粘着剤の中でも特に好ましいアクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル系共重合体および硬化剤を成分とするものである。(メタ)アクリル系共重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを重合体構成単位とする重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル系重合体、および(メタ)アクリル酸エステルと官能性単量体との共重合体、ならびにこれらの重合体の混合物等が挙げられる。これらの重合体の分子量としては、重量平均分子量が50万〜100万程度の高分子量のものが適用される。
硬化剤としては、例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物等が挙げられる。
硬化剤の添加量は、所望の粘着力に応じて調整すればよく、好ましくは(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜5.0質量部である。
セパレータ4の表面には、粘着剤層3からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理が施されていてもよい。セパレータ4の厚さは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
厚さ100μmのエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」:商品名、住友化学(株)製)を基材フィルムとして用い、この基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向それぞれの中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ1.8μm、1.7μmになるように、押圧後ロール加工した。その基材フィルムの非加工面上に、アクリル系粘着剤(アクリル酸エステル共重合体が100質量部、硬化剤2質量部)を塗工し、乾燥させ30μm厚の感圧型粘着剤層を形成し、ウェハ表面保護テープを作成した。
なお、Raは、JIS B0601に基づきフィルムの幅方向及び長さ方向のそれぞれについて幅230mmのフィルムの幅方向に見た場合の中心と中心から左右に80mm離れた位置の3箇所を、測定長さ5mmとして長さ方向、幅方向の2方向について、「ハンディサーフE−30A」(商品名:東京精密(株)製)を用いて測定し、中心線平均粗さを求めた値である。
基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ1.0μm、1.0μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ0.5μm、0.5μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ0.2μm、0.2μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ0.1μm、0.1μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「東洋紡エステルフィルム」:商品名、東洋紡(株)製)を基材フィルムとして用い基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ1.8μm、1.8μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ0.5μm、0.5μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例6と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向の中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ0.2μm、0.2μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例6と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
厚さ100μmのエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」:商品名、住友化学(株)製)を基材フィルムとして用い、この基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向それぞれの中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ4.0μm、3.9μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
厚さ100μmのエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)フィルム(「アクリフトWD−210」:商品名、住友化学(株)製)を基材フィルムとして用い、この基材フィルムの一方の面に対して、幅方向及び長さ方向それぞれの中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれ2.9μm、2.7μmになるように、ロールで押圧加工した以外は実施例1と同様にウェハ表面保護テープを作成した。
研削後、表面保護テープを貼り合わせた状態でウェハの表面保護テープ側を真空吸着固定器により真空吸着固定した状態で、ダイシングテープ貼付工程に搬送し、ダイシングテープに貼付け後に表面保護テープを剥離する。搬送行程における保持、搬送試験を各実施例につき5回繰り返して行った。得られた結果を、吸着がうまくでき搬送終点まで落下しないものを「◎」で、吸着できるが搬送途中で少なくとも1回搬送終点までに落下したものを「○」で、吸着がうまくできずに、搬送できないものを「×」で、下記の表1に示した。
この結果、本発明の実施例1〜8で示すウェハ表面保護テープは、実際の半導体製造工程でも充分使用できる搬送保持性に優れ、信頼性の高い表面保護テープが得られることが分かった。
2 基材フィルム
3 粘着剤層
4 セパレータ
5 粘着剤が塗工されていない面(背面)
Claims (2)
- ウェハ表面に表面保護テープを貼着して、ウェハを裏面から100μm以下の厚さまで研削し、その後、表面保護テープ背面を真空吸着固定器により吸着して搬送する工程に用いられるウェハ表面保護テープであって、該ウェハ表面保護テープの単層又は多層のポリオレフィン系ポリマーで構成される基材フィルムに厚さ10〜200μmの感圧型粘着剤が塗工され、基材フィルムの前記粘着剤が塗工されていない表面保護テープ背面の幅方向及び長さ方向のそれぞれの中心線平均粗さ(Ra)を0.2〜1.8μmとし、かつ基材フィルムの厚さを50〜300μmとした、前記粘着剤が塗工されていない背面に前記真空吸着固定器を真空吸着固定するウェハ表面保護テープ。
- ウェハ表面に表面保護テープを貼着して、ウェハを裏面から100μm以下の厚さまで研削し、その後、表面保護テープ背面を真空吸着固定器により吸着して搬送する工程に用いられるウェハ表面保護テープの使用方法であって、該ウェハ表面保護テープの単層又は多層のポリオレフィン系ポリマーで構成される基材フィルムに厚さ10〜200μmの感圧型粘着剤が塗工され、基材フィルムの前記粘着剤が塗工されていない表面保護テープ背面の幅方向及び長さ方向のそれぞれの中心線平均粗さ(Ra)を0.2〜1.8μmとし、かつ基材フィルムの厚さを50〜300μmとした、前記粘着剤が塗工されていない背面に前記真空吸着固定器を真空吸着固定するウェハ表面保護テープの使用方法。
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