JP5158896B2 - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、先ダイシングとレーザーダイシングによりダイボンドシート付きウエハをチップ状に分割個片化する半導体チップの製造方法に関する。
ここ最近において、実装部品の小型化のニーズはより一層高まり、半導体パッケージングの小型化技術はますます進化してきている。これに伴い、半導体チップも薄膜化・小チップ化を余儀なくされ、同時に、それら薄膜・小チップの半導体チップをコンパクトにパッケージングするための技術的ニーズは今後も高まる傾向にある。従来、これらの半導体チップは、バックグラインド工程において裏面研削され薄膜化された半導体ウエハを、ダイシング工程にてチップ化されることにより得られる。更に、チップ化された半導体チップは、ピックアップダイボンダ等により、連続的に流れるリードフレームにダイボンディング毎に液状接着剤を必要量塗布し、その位置にダイボンディングされることになる。
これらの工程のうちダイシング工程(図8参照)において、半導体ウエハ(以下、単にウエハという場合がある)1にはダイジングテープ6を貼り合わせ、リングフレーム3でダイサーのチャックテーブル7に固定し、そしてダイシングブレード2により切断されるわけであるが、この際、ウエハ1にはブレード2による切削抵抗がかかるため、半導体チップ(以下、単にチップという場合がある)1’に微小な欠けやクラック(以下、チッピングという)が発生することがある。このチッピング発生は、昨今、重要な問題のうちの1つとして捉えられ、これまでにもチッピング低減のための検討が種々行われてきたが、未だ満足できる手段は無いのが現状である。
更に、このチッピングはウエハ1の厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
更に、図9に示すように、チップ化された薄膜・小チップの半導体チップ1′は、チッピング発生防止と共に、コンパクトにパッケージングされることも求められる。これは、パーケージサイズの小型化のニーズからくるものであり、望ましくは半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングされることが求められている。通常、チップ化された半導体チップ1’は、ピックアップダイボンダ等により液状接着剤8が塗布されたリードフレーム11のダイパッド10にダイボンディングされるわけであるが、液状接着剤の場合はダイボンディング毎の必要塗布量の制御が非常に困難であり、更には、液状であるためダイパッド10の上に塗布された時の寸法にばらつきが生じ易い。
この場合、半導体チップ1’の寸法と液状接着剤8の寸法が合わなくなるため、パッケージングの際にはその両者の寸法の差を考慮し、半導体チップ1’の寸法よりも幾分大きい寸法でパッケージングする必要がある。これは、前述の通り、半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性から、望ましい方法とは言えない。
一方、ダイボンディング用の接着剤としてダイボンドシート(シート状の接着剤)を使用する方法がある。
このダイボンドシートを使用する方法として、半導体チップと同寸法のダイボンドシートの小片を準備し、リードフレーム上に予め搭載しておく、或いは、チップ裏面に一枚一枚貼り付ける、という方法が広く知られている。しかしながら、この場合、作業が非常に煩雑であり好ましくないのに加え、リードフレーム、或いはチップ裏面にダイボンドシートの小片を貼り付ける際に微小なズレが生じてしまうことがあり、これらの理由により望ましい方法とは言えない。
また、図10に示すように、半導体ウエハ1の裏面に予めダイボンドシート12を貼合し、次いでこれをダイシングテープ6に貼合し、リングフレーム3でダイサーのチャックテーブル7に支持固定させ、ブレードカットダイシング装置にて半導体ウエハ1とダイボンドシート12を同時にフルカットする方式がある。
この方式では、ダイシングされたチップ1′とダイボンドシートの小片12’の寸法は完全に一致し、且つ、両者が全くズレの無い状態で貼り合わされた状態を作ることができる。しかしながらこの場合、半導体ウエハ1の下方にはダイシングテープ6のみならず、両者の間にダイボンドシート12が介在することになるため、ダイシング時にブレード2からかかる切削抵抗によりウエハ1、或いはチップ1’はダイボンドシート12が無い場合に比べ余計にブレを生じ易くなるため、顕著にチッピングが発生しやすくなり、この点が問題となるわけである。
以上のチッピング発生防止、コンパクトパッケージングの要求を解決する方法として提案されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで提案されているのは、半導体ウエハのスクライブラインに沿ってウエハ厚さよりも浅い切り込み深さの溝を形成後、パターン面を保護テープで保護した状態にてウエハ裏面を研削し、ウエハ厚を薄くするとともに個々のチップに分割し、更に、研削面に基材とその上に形成された接着剤層(ダイボンドシート)とからなるダイシング・ダイボンドシートを貼着し、保護テープを剥離後、ダイシングブレードを用いてチップ間に露出している接着剤層を切断し、チップと接着剤層とを基材から剥離するという方法である。
この方法では、バックグラインド工程での裏面研削により、チップが個々に分割されるものであるため、チッピングの発生防止には一定の効果がある手段であるといえる。
特開平2001−156027号公報
しかしながら、この方法では、図11(イ)に示すようにダイシングブレードを用いてチップ間に露出している接着剤層を切断する際、チップ間の溝とダイシングブレードとを正確に位置合わせすることは非常に困難であり、図11(ロ)に示すようにチップ側面にブレードが接触するなどしてチッピングを生じてしまう可能性が高い。
また、接着剤層の切断において用いるダイシングブレードの幅はチップ間の溝幅よりも狭い幅のものを使用し、更にそのダイシングブレード幅はチップ間溝幅の30〜90%程度が望ましいとあり、この場合、チップの裏面に形成される接着剤層小片はチップの寸法よりも大きくなってしまう場合が多々ある(図12、図13)。
そのため、半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性を考慮すると満足できる手段であるとは言えない。
したがって本発明の目的は、チッピングの発生防止とコンパクトパッケージの要求を両立させる接着剤付きの薄膜・小チップの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、次の製造方法がその目的に適合することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)(a)予め半導体ウエハ基板表面の貫通部相当部位に、半導体ウエハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く溝切り加工する工程、
(b)溝切り加工された前記半導体ウエハ基板表面に保護用粘着テープを貼合する工程、
(c)予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで前記半導体ウエハ基板を薄膜化する工程、
(d)前記半導体ウエハ基板の裏面研削加工終了後に当該保護用粘着テープを貼り合わせたまま、半導体ウエハ基板の裏面に、下記(e)工程で照射するレーザーを透過する基材フィルム上に紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型粘着剤からなる粘着剤層と接着剤層とが少なくとも形成されたダイボンドダイシングテープの接着剤層面を貼り合せる工程、
(de)前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側から紫外線を照射し前記粘着剤層を硬化する工程、および
(e)前記半導体ウエハの貫通部に沿って、当該接着剤層及び前記硬化後の粘着剤層に、前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側からレーザーを照射して、該レーザーにより、当該接着剤層または粘着剤層を切断する工程、
を有する、接着剤付き半導体チップの製造方法、
(2)(a)予め半導体ウエハ基板表面の貫通部相当部位に、半導体ウエハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く溝切り加工する工程、
(b)溝切り加工された前記半導体ウエハ基板表面に保護用粘着テープを貼合する工程、
(c)予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで前記半導体ウエハ基板を薄膜化する工程、
(d)前記半導体ウエハ基板の裏面研削加工終了後に当該保護用粘着テープを貼り合わせたまま、半導体ウエハ基板の裏面に、下記(e)工程で照射するレーザーを透過する基材フィルム上に紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型粘着剤からなる下記粘接着剤層が少なくとも形成されたダイボンドダイシングテープの粘接着剤層面を貼り合せる工程、
(de)前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側から紫外線を照射し前記粘接着剤層を硬化する工程、および
(e)前記半導体ウエハの貫通部に沿って、前記硬化後の粘接着剤層に、前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側からレーザーを照射して、該レーザーにより、当該粘接着剤層を切断する工程、
を有する、接着剤付き半導体チップの製造方法、
[前記粘接着剤層とは接着剤層としての特性とダイシングテープの粘着剤層としての特性とを兼ね備えた層をいう。]
(3)前記(c)予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで半導体ウエハ基板を薄膜化する工程において、当該半導体ウエハ基板の裏面に研削加工を施した後、ドライエッチング処理を施して、所定の厚さとすることを特徴とする(1)または(2)に記載の接着剤付き半導体チップの製造方法、および
(4)前記(e)工程の後、前記粘着剤層から前記接着剤層を剥離させる工程を含むことを特徴とする(1)に記載の接着剤付き半導体チップの製造方法
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、予め溝切り加工されるものであり、ダイジング時にブレードの切削抵抗が小さくチッピングが生じ難く、また、研削後の接着剤層の切断はレーザー照射によるものであるので溝とレーザーとの位置合わせは正確かつ容易であり、チッピングが生じ難く、チップと同寸法の接着剤層の付着したチップが容易に得られる。
よって、本発明の方法を採用することにより、チッピング発生防止とコンパクトパッケージの要求を両立可能とするものである。
ウエハの貫通部相当部位に切り込み溝を入れた状態を表す断面図である。 ウエハ表面に保護用粘着テープを貼合した断面図で、(イ)は貫通部が開口する前の状態であり、(ロ)はウエハ裏面を研削し分割個片化した状態を表す。 ウエハの研削した面にダイボンドシートを貼合した状態を表す断面図である。 ダイボンドシートが貼合された面にレーザーが透過する基材フィルムを持つダイシングテープを貼合しリングフレームにて支持固定した状態を表す断面図である。 ダイシングテープの基材フィルム側から開口した貫通部に沿ってレーザーを照射する断面図で、(イ)は照射中を表し、(ロ)はダイボンドシートを分割個片化した状態を表す。 図5(ロ)の状態から保護用粘着テープ剥離後の状態を表す断面図である。 ダイボンドシート付チップがダイシングテープ粘着剤層から剥離し採取される状態を表す断面図である。 一般的なブレードカットダイシング方式の例を示す断面図である。 液状接着剤によりリードフレームにチップが接合された状態示す断面図である。 ウエハ裏面にダイシングテープが貼合された状態でのダイシングを示す断面図である。 チップ−チップ間幅とほぼ同じ厚さのダイシングブレードでチップ間のダイボンドシートを切断するする時の断面図で、(イ)は切断前、(ロ)はチップ側面にブレードが接触してしまう状態を表す。 チップ−チップ間幅よりも薄厚のダイシングブレードでチップ間のダイボンドシートを切断する時の断面図で、(イ)は切断前、(ロ)は切断している状態を表す。 図12の方式でダイボンドシートを切断した結果、ダイボドシートがチップ寸法よりも大きい寸法で切断された状態を表す断面図である。
本発明の半導体チップの製造方法とそれに使用するダイボンドダイシングテープの好ましい実施の態様について、添付図面に基づいて説明する。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本発明の方法は次の工程を含む接着剤付き半導体チップの製造方法である。
(a)先ず半導体ウエハ1(図1(イ)参照)の表面のチップ−チップ間の貫通を予定している部位にウエハ厚よりも浅く、半導体ウエハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く切り込み溝13を形成する(図1(ロ)参照)。[溝切り加工工程]
切り込み溝13の切り込みは、広く利用されているブレードダイジング装置により、きり込み深さを適宜調整して行う。ウエハ1の厚さは限定されるものではなく、通常の300〜700μm程度であり、切り込み溝13の深さは目的とするチップの厚さと同一とするのが好ましいが、同程度に、またはそれより深く適宜設定され、一般に20〜200μm程度である。
(b)次に、その溝切り加工された半導体ウエハ1の表面に、表面保護のため、粘着剤層14と基材フィルム15とからなる保護用粘着テープ16を貼り付ける(図2(イ)参照)。[保護用粘着テープ貼り合せ工程]
(c)そして、保護用粘着テープ16を貼り付けた状態で、その貫通部の溝切り加工された部位が完全に開口し、貫通するまでウエハ基板の裏面を研削し、薄膜化し、チップ1'状に分割個片化する(図2(ロ)参照)。[薄膜化工程]
(d)その半導体ウエハ基板の裏面研削が終了した後、保護用粘着テープを貼り合わせたまま、その半導体ウエハの裏面側にダイボンドシート12を貼り合せる(図3参照)。「ダイボンドシート貼り合せ工程]
(e)次いで、リングフレーム3にて支持固定した状態にて、レーザーダイシングにより開口した貫通部に沿ってレーザーをダイボンドシートに照射して、ダイボンドシート12をチップ状に分割個片化する。[切断工程]
さらに、本発明の方法では、前記(d)工程の後で、(e)工程の前に、ダイボンドシート12の上に更に、レーザーが透過する基材フィルム17上に粘着剤層4が形成されたダイシングテープ18を貼り合せる(図4参照)のも好ましい方法である。
そして、その後、ダイシングテープ18の基材フィルム17側から開口した貫通部に沿ってレーザー19を照射して(図5(イ)参照)、ダイボンドシート12をチップ状に分割個片化する(図5(ロ)参照)こともできる。
さらに本発明の方法は、上記(d)工程の半導体ウエハ基板の裏面研削が終了した後、保護用粘着テープを貼り合わせたまま、その半導体ウエハの裏面側にダイボンドシートを貼り合わせる方法、あるいはダイボンドシートとダイシングテープの両者を貼合する方法に代えて、ダイボンドダイシングテープを貼り合わせるように変更するのも好ましい。
そのダイボンドダイシングテープとしては、レーザーが透過する基材フィルム17を持つダイシングテープ18の粘着剤層4側にダイボンドシート12が積層一体化された積層型ダイボンド・ダイシングテープ、あるいはレーザーが透過する基材フィルム17上に粘接着剤層が積層されたダイボンド・ダイシングテープ、粘着剤層と接着剤層がこの順に積層されたダイボンド・ダイシングテープ等が好ましい。
そして、リングフレーム3にて支持固定した状態にて、レーザーダイシングによりダイボンドダイシングテープの基材フィルム側から開口した貫通部に沿ってレーザー19を接
着剤層にあて、切断しチップ状に分割個片化する方法である。(図4、図5の変形)
また、本発明の方法は、前記(c)工程の予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで半導体ウエハ基板を薄膜化する場合、その半導体ウエハ基板の裏面に研削加工を施した後、ドライエッチング処理を施して所定の厚さとするのが好ましい。
その場合には、溝切り加工された部位が貫通しない厚さまでウエハ裏面を研削加工し、その後ウエハ裏面全面のドライエッチングを行ない不要な厚さ分の基板ウエハを除去する。これにより、基板片などの屑やダストを発生させること無く前記溝切り部を貫通させ、溝部を貫通させ、薄いウエハを安定に製造できる。
ドライエッチングの具体的な方法としてはプラズマ照射によるプラズマエッチングで、例えばシリコンウエハを回路基板として使用する場合には、減圧下において不要な厚さ分の基板ウエハを高周波で励起されたフッ素ガスによる反応で気化除去する方法がある。
これらのドライエッチングは通常、減圧雰囲気でおこなわれるが、その際、溝切りされたウエハ裏面に保護用粘着テープが貼合された時に溝切り部位に閉じ込められた空気が膨張し、ウエハを破損してしまう場合がある。そのため、ドライエッチングによってウエハの厚さを調整する場合には、保護用粘着テープの貼り合せは大気圧よりも減圧された雰囲気中でおこなっておくことが好ましい。
本発明の方法では、(e)工程のリングフレーム3にて支持固定した状態で、レーザーダイシングにより開口した貫通部に沿ってレーザーをダイボンドシートに照射する場合、保護用粘着テープの上側から、あるいは保護用粘着テープを剥離して、チップ間の隙間を利用して照射することができる。
また、本発明の方法においては、図5(イ)に示すように、分割個片化されたチップ−チップ間に露出したダイボンドシート12を、ダイシングテープ18或いはダイボンド・ダイシングテープ(積層型ダイボンド・ダイシングテープを含む)の基材フィルム17側からその露出した貫通部に沿ってレーザー19を照射して、図5(ロ)に示すようにダイボンドシート12を切断しチップ状に分割個片化する方法を採用するのが好ましい。この場合、レーザー19はダイボンドシート12を切断するのに消費されチップ1′にまで到達することはなく、前述のように分割個片化されたチップ側面にダメージを与えるようなことはなく、チッピングを生起することが極めて少ない。
仮にチップ側からレーザーを照射すると、やはりチップ側面にダメージを与える結果となってしまい好ましくない。更に、貫通幅に合わせてレーザー径を絞ることも可能であるため分割個片化されたダイボンドシート12′の寸法がチップ1′からはみ出ることも防止できる。
本発明の方法では、図6、図7に示すように基材フィルム17は後のピックアップ工程においても支持固定の役割を果たす必要があるため、レーザー19をあてることによって基材フィルム17が完全に切断されたり、貫通穴が開いたりしてはならない。そのためには本発明において、ダイシングテープ18或いはダイボンドダイシングテープに適用される基材フィルム17はレーザー19が透過するものでなければならない。レーザー19が透過すれば基材フィルム17は切断されることもなく、支持固定の役割を果たせることになる。ここで言うレーザーが透過する基材フィルム17とは、基材フィルム17に照射されたレーザー19が100%基材フィルム17を透過しなければならないわけではなく、前述の通りレーザー19により基材フィルム17が完全に切断されたり、貫通する程度の穴が開かなければ良い程度の透過性、という意味である。
例えば、該基材フィルム17が2層以上からなる多層構造である場合、仮に何層かがレーザーにより切断されるものであったとしても、多層構造のうちの少なくとも1層がレーザーにより切断されたり貫通穴が開かないものであれば、後のピックアップ工程においても十分に支持固定の役割が果たせることになるため問題無い。基材フィルムがレーザーにより切断されるか否かについては、一般的にそのレーザーの波長における基材フィルムの透過率、レーザーの照度、基材フィルムの厚みといった因子に左右されるものと言える。透過率が高ければ基材フィルムによるレーザーの吸収はその分小さく、切断される可能性は少なくなるが、レーザーの照度が高くなるとその分切断され易くなる。
また、基材フィルムの厚みは厚いほど切り残される可能性が高く、完全切断されにくくなるものと言える。従って、本発明で使用される基材フィルムとしては、使用されるレーザーの波長・照度に応じて、適切な材質を選定し、適切な厚みに設定する必要がある。ダイシングテープ或いはダイボンド・ダイシングテープとしての性能を考慮した場合、基材フィルムの厚みは50〜300μmの範囲に入るのが一般的と言えるが、この範囲内においてレーザーが透過する設定、或いは材質の選定をすれば良い。
基材フィルムとして適用可能な材質としては、特に制限されるわけではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のポリエチレン多元共重合体、、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマー等が種々適用可能であるが、使用されるレーザーの波長等の要因によって、これらのうちから適切な材質が選定されることになる。
例えば、使用されるレーザーの波長が355nmである場合には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレン系多元共重合体、アイオノマー樹脂等が選定可能である。逆に、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等はこれらの樹脂に比べ355nmでの透過率が低いためレーザーにより切断されたり貫通する程度の穴が開いたりする可能性がある。
本発明で言うダイボンドシートには汎用のダイボンドシートが適用可能であり、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂及びその変生物、又はこれらの混合物からなるダイボンドシートが広く知られている。
本発明においては、ウエハ裏面研削によりチップ状に分割個片化した後その裏面側にこのダイボンドシート12を貼合し、次いでレーザー19が透過する基材フィルム17を持つダイシングテープ18を貼合する、といった手順によりリングフレーム3にて支持固定されることになる。この場合のダイシングテープ18は基材フィルム17と粘着剤層4からなるもので、ダイシングテープ18の粘着剤層4がダイボンドシート12に貼合される構成となる。この場合、後のピックアップ工程においてダイボンドシート付のチップがダイシングテープから分離されリードフレーム等に搭載されることになるため、ダイボンドシート12とダイシングテープ粘着剤層4との剥離性は良好でなければならない。
ダイシングテープの粘着剤層には、一般的なアクリル系粘着剤等が適用可能であるが、ダイボンドシートとの剥離力を軽くするためには、アクリル系粘着剤と放射線重合性化合物とを主成分としてなる放射線硬化型の粘着剤が適用されるケースが多い。この放射線硬化型の粘着剤は紫外線を照射することにより粘着力が消失する特徴を持つものであり、ダイボンドシートとの剥離性がより良好となる。これらのアクリル系粘着剤、放射線重合性化合物として具体的に適用可能なものについては後述の通りである。この粘着剤層の厚みとしては3〜50μmの範囲が好ましく、更には5〜20μmの範囲がより好ましい。
また、本発明においては、前述のダイボンドシート12とダイシングテープ18の両者が予め積層一体化された積層型ダイボンド・ダイシングテープを使用しても良い。このタイプのものは、一般的には積層型ダイボンド・ダイシングテープとして、出荷段階で既に積層一体化されているものであり、これを適用することにより貼合の工程が削減可能となるためスループット上のメリットがある。よって、ダイボンド・ダイシングテープそのもののコストとの兼ね合いで適宜選定すれば良い。この場合も前述の場合と同様に、ダイボンドシートとダイシングテープ粘着剤層との剥離性は良好でなければならないため、前述と同様なことが言える。
さらには、単にレーザーが透過する基材フィルム上に粘接着剤層が積層されたダイボンド・ダイシングテープを適用しても良い。この場合は、後のピックアップ工程において基材フィルムから粘接着剤層が分離されリードフレーム等に搭載されることになる。この粘接着剤層は、接着剤層(ダイボンドシート)としての特性と、ダイシングテープの粘着剤層としての特性の両方を兼ね備えたものであり、一般的には、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系などの粘着剤にエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、効果促進剤、シランカップリング剤、フェノキシ樹脂などの接着成分を含んだ公知の粘接着剤が用いられる。
本発明においては特に後述のアクリル系粘接着剤が好ましく用いられる。また、この場合も、基材フィルムからの剥離性を向上させる目的で、放射線硬化型の粘着剤を適用して良い。チップとリードフレームを接着する接着剤としての信頼性とコストの兼ね合いにより、適宜、積層型のものと使い分ければ良い。この粘接着剤層の厚みとしても、一般的には3〜50μmの範囲が好ましく、更には5〜20μmの範囲がより好ましい範囲と言える。
このアクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体及び硬化剤を成分とするものである。(メタ)アクリル系共重合体は、例えば(メタ)アクリル酸エステルを重合体構成単位とする重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル系重合体、或いは官能性単量体との共重合体、及びこれらの重合体の混合物等が挙げられる。これらの重合体の分子量としては重量平均分子量が50万〜100万程度の高分子量のものが一般的に適用される。
また、硬化剤は、(メタ)アクリル系共重合体が有する官能基と反応させて粘着力及び凝集力を調整するために用いられるものである。例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物等が挙げられる。硬化剤の添加量は、書房の粘着力に応じて調整すればよく、(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜5.0質量部が適当である。
更に、前記の放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が広く適用可能である。
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
放射線硬化型粘着剤中のアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物との配合比としては、アクリル系粘着剤100質量部に対して放射線重合性化合物を50〜200質量部、好ましくは50〜150質量部の範囲で配合されるのが望ましい。この配合比の範囲である場合、放射線照射後に粘着剤層の粘着力は大きく低下する。
更には、放射線硬化型粘着剤は、上記のようにアクリル系粘着剤に放射線重合性化合物を配合する替わりに、アクリル系粘着剤自体を放射線重合性アクリル酸エステル共重合体とすることも可能である。
また、放射線により粘着剤層を重合させる場合には、光重合性開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を併用することができる。これらのうち少なくとも1種類を粘着剤層に添加することにより、効率よく重合反応を進行させることができる。
通常、粘着剤層を硬化させるために照射される紫外線は、レーザーに比べ非常に波長分布が広く、その波長範囲内に吸収波長を有する種々の光重合開始剤を使用することができる。
しかしながら、本発明の接着剤付き半導体チップの製造方法においては、粘着剤層に使用される光重合開始剤の吸収波長がレーザーの波長と非常に近い場合、粘着剤層がダイボンドシートを切断するためのレーザーの透過を妨げ、ダイシングテープの基材フィルム側からレーザーを照射してダイボンドシートを切断することが困難となる。本発明においては、予め紫外線を照射し粘着剤層を硬化させることによって、レーザーが粘着剤層を透過し、ダイボンドシートの切断が容易となる。これは、紫外線の照射によって光重合開始剤が反応し、その波長の光を吸収しなくなるためである。
次に、ダイボンドダイシングテープを使用した実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内でさまざまに改変可能なものである。
参考例1〜4、比較例1〜4
ディスコ製ブレードダイサーDAD340にて厚さ650μmの8インチ(20.3cm)ウエハの表面側に、5mm間隔の格子状となるよう、幅50μm、深さ100μmの溝を作成した。次いで、該ウエハの溝が形成された表面側に保護用粘着テープ(古河電気工業製、商品名SP−575B−150)を貼合し、ディスコ製グラインダーDFG850にて裏面を研削し、表面に形成された溝が完全に開口するまで研削を行った。次いで、表1の参考例・比較例に示されたダイボンドシートA及びダイシングテープ、又はダイボンドシートとダイシングテープが積層一体化された積層型ダイボンド・ダイシングテープA、又は基材フィルム上に粘接着剤層が積層されたダイボンド・ダイシングテープAを研削された裏面側に貼合しリングフレームにて支持固定した(図4参照)。
次いで、ディスコ社製レーザーダイシング装置DFL7160(レーザー波長355nm)に、リングフレームにて支持固定したウエハ付サンプルをレーザーが基材フィルム側からあてられるようにセットし、50μm幅のチップ−チップ間貫通部に露出したダイボンドシート、又は粘接着剤層にカーフ幅が約50μmとなるよう、基材フィルムを通してレーザーをあてこれらをダイシングした(図5参照)。
また、比較例1については、リングフレームにて支持固定したウエハ付サンプルをディスコ製ブレードダイサーDAD340に再度セットし、50μm幅のチップ−チップ間貫通部に露出したダイボンドシート、又は粘接着剤層をカーフ幅が約50μmとなるようブレードにてダイシングした。比較例2については比較例1と同様にディスコ製ブレードダイサーDAD340に再度セットしカーフ幅が約30μmとなるようブレードにてダイシングした。
後記の表1に示した各々の材料の作製は、以下の通りである。
・ダイボンドシートAの作製
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50重量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5重量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3重量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30重量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。これにアクリル樹脂(重量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100重量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5部、2−フェニルイミダゾール(四国化成工業(株)製、商品名キュアゾール2PZ)2.5部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。この接着剤を厚さ25μmの離型フィルムに塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が40μmのBステージ状態の塗膜を形成し、ダイボンドシートAを作製した。
・基材フィルムの作製
比較例3を除いては、表1の基材フィルムの欄に記載の材料を用いてTダイ法によりフィルム成形して得た。但し、比較例3のみ東洋紡製PETフィルム「エステルフィルムE5100−100」をそのまま用いた。
・ダイシングテープの作製
上記の基材フィルムの作製に記載の方法にて得られた基材フィルムに、表1の粘着剤層の欄に記載した粘着剤をいずれも厚さ10μmになるよう塗工して得た。
・積層型ダイボンド・ダイシングテープAの作製
ダイボンドシートAの離型フィルムの無い接着剤層がむき出しになった面とダイシングテープの粘着剤層が接するようにラミネートし、その後、ダイボンドシートAの離型フィルムを剥離して得た。ラミネートの条件は、10〜100℃で0.1〜100kgf/cm(1〜980N/cm)の線圧とした。尚、用いたダイシングテープは参考例1で用いたダイシングテープ(基材フィルム:ポリエチレン100μm厚、粘着剤層:粘着剤A10μm厚)とした。
・ダイボンド・ダイシングテープAの作製
ブチルアクリレート55重量部とメチルメタクリレート10重量部とグリシジルメタクリレート20重量部と2−ヒドロキシエチルアクリレート15重量部とを共重合してなる重量平均分子量900,000、ガラス転移温度−28℃の共重合体100重量部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002)100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート152)20重量部、エネルギー線重合性化合物テトラメチロールメタンテトラアクリレート50重量部、エポキシの硬化剤としてジシアンジアミド2重量部、硬化促進剤として2−フェニル−4,5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製、商品名:キュアゾール2PHZ)1重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量部を混合し、粘接着剤を得た。
この粘接着剤層を厚さ10μmになるように100μm厚のポリエチレンフィルムに塗工し、ダイボンド・ダイシングテープAを得た。100μm厚のポリエチレンフィルムは、参考例1にて用いた基材フィルムを用いた。
Figure 0005158896
各参考例1〜4、比較例1〜4について、下記に示す観察を行い、これらの評価を表2に示した。
・ダイボンドシート又は粘接着剤層の切断性
ダイボンドシート又は粘接着剤層の切断状態を観察し、切断性を評価した。
・基材フィルムの状態
基材フィルムの貫通部に相当する箇所(レーザーのあてられた部分)を観察し、レーザーによる切断や貫通穴の有無について観察した。
・チップの側面の切断性
チップの側面の切断仕上がりや、欠け、クラックについて観察した。
Figure 0005158896
評価結果
参考例1〜4:レーザーの基材透過性が良好なため、ダイボンドシート又は粘接着剤層は、チップ−チップ間貫通幅50μmのカーフ幅でウエハ全面にわたって完全に切断されている。基材フィルムも切断・貫通穴等観られず、損傷・外傷も全く無し。チップ側面は欠け・クラックとも全く無く、仕上がりもきれいである。
比較例1:チップ−チップ間の貫通幅50μmにむき出しのダイボンドシートAを、カーフ幅が50μmとなるようダイシングしたが、位置合わせが困難でブレードがチップ側面に接触しながらダイボンドシートAを切断した。その結果、チップ側面に欠けやクラックが多発した。
比較例2:チップ−チップ間の貫通幅50μmよりも狭いカーフ幅(30μm)となるようダイシングしたため、チップ側面にブレードが接触するようなことは無かった。但し、チップサイズよりもチップ化されたダイボンドシートAのサイズの方が大きくチップ裏面からダイボンドシートがはみ出す状態となった。コンパクトパッケージ化には不利で好ましくない。
比較例3、4:基材フィルムのレーザー透過性が悪く、基材フィルムが一部切断され、貫通穴も多発した。その結果、レーザーのエネルギーは基材フィルムに吸収されてしまい、ダイボンドシートAは全く切断されなかった。
実施例1、2、参考例5及び比較例5〜6
実施例1、2、参考例5及び比較例5〜6においては、後記の表3に示されるように、ダイボンドシートとして参考例1と同じダイボンドシートAを用いた。ダイシングテープは表1に記載されたものと同様であるが、粘着剤として表1の粘着剤Aと違い、表3の粘着剤層の欄に記載したように光重合開始剤としては、吸収波長が355nmであるイソプロピルベンゾインエーテルを使用した紫外線硬化型粘着剤を塗工したものである。
・積層型ダイボンド・ダイシングテープBの作製
粘着剤層の光重合開始剤としてイソプロピルベンゾインエーテルを使用した以外は参考例3に用いた積層型ダイボンド・ダイシングテープAと同様に作製した。
・ダイボンド・ダイシングテープBの作製
ブチルアクリレート55重量部とメチルメタクリレート10重量部とグリシジルメタクリレート20重量部と2−ヒドロキシエチルアクリレート15重量部とを共重合してなる重量平均分子量900,000、ガラス転移温度−28℃の共重合体100重量部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1002)100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート152)20重量部、エネルギー線重合性化合物テトラメチロールメタンテトラアクリレート50重量部、エポキシの硬化剤としてジシアンジアミド2重量部、硬化促進剤として2−フェニル−4,5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製、商品名:キュアゾール2PHZ)1重量部、光重合開始剤としてイソプロピルベンゾインエーテル2質量部を混合し、粘接着剤を得た。
この粘接着剤層を厚さ10μmになるように100μm厚のポリエチレンフィルムに塗工し、ダイボンド・ダイシングテープBを得た。100μm厚のポリエチレンフィルムは、参考例1にて用いた基材フィルムを用いた。
以上のように作製されたダイボンドシートA及びダイシングテープ、又はダイボンドシートとダイシングテープが積層一体化された積層型ダイボンド・ダイシングテープB、又は基材フィルム上に粘接着剤層が積層されたダイボンド・ダイシングテープBを用いて参考例1〜4と同様に、接着剤付き半導体の製造を行った。その際、実施例1、2、参考例5においては、ダイボンドシート、又は粘接着剤層にレーザーを照射してダイシングする工程の前に、予め、基材フィルム側から紫外線の照射を行ったが、比較例5〜6においてはレーザーダイシングの前に紫外線の照射は行わなかった。
実施例1、2、参考例5及び比較例5〜6について、ダイボンドシート又は粘接着剤層の切断状態を観察し、これらの切断性を評価し表4に示した。
Figure 0005158896
Figure 0005158896
評価結果
実施例1、2、参考例5:レーザーの基材透過性が良好なため、ダイボンドシートA又は粘接着剤層は、チップ−チップ間ストリート幅50μmのカーフ幅でウエハ全面にわたって完全に切断されている。
比較例5、6:レーザーが粘着剤層に吸収されてしまい、ダイボンドシートA又は粘接着剤層は殆ど切断されなかった。
1 半導体ウエハ
1’ 半導体チップ
2 ブレード
3 リングフレーム
4 ダイシングテープ粘着剤層
5 ダイシングテープ基材フィルム
6 ダイシングテープ
7 ダイサーのチャックテーブル
8 液状接着剤
9 インナーリード
10 ダイパッド
11 リードフレーム
12 ダイボンドシート
12’個片化されたダイボンドシート
13 切り込み溝
14 保護用粘着テープの粘着剤層
15 保護用粘着テープの基材フィルム
16 保護用粘着テープ
17 レーザーが透過する基材フィルム
18 レーザーが透過する基材フィルムを持つダイシングテープ
19 レーザー

Claims (4)

  1. (a)予め半導体ウエハ基板表面の貫通部相当部位に、半導体ウエハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く溝切り加工する工程、
    (b)溝切り加工された前記半導体ウエハ基板表面に保護用粘着テープを貼合する工程、
    (c)予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで前記半導体ウエハ基板を薄膜化する工程、
    (d)前記半導体ウエハ基板の裏面研削加工終了後に当該保護用粘着テープを貼り合わせたまま、半導体ウエハ基板の裏面に、下記(e)工程で照射するレーザーを透過する基材フィルム上に紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型粘着剤からなる粘着剤層と接着剤層とが少なくとも形成されたダイボンドダイシングテープの接着剤層面を貼り合せる工程、
    (de)前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側から紫外線を照射し前記粘着剤層を硬化する工程、および
    (e)前記半導体ウエハの貫通部に沿って、当該接着剤層及び前記硬化後の粘着剤層に、前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側からレーザーを照射して、該レーザーにより、当該接着剤層または粘着剤層を切断する工程、
    を有する、接着剤付き半導体チップの製造方法。
  2. (a)予め半導体ウエハ基板表面の貫通部相当部位に、半導体ウエハの最終製品厚さ程度に、またはそれより深く溝切り加工する工程、
    (b)溝切り加工された前記半導体ウエハ基板表面に保護用粘着テープを貼合する工程、
    (c)予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで前記半導体ウエハ基板を薄膜化する工程、
    (d)前記半導体ウエハ基板の裏面研削加工終了後に当該保護用粘着テープを貼り合わせたまま、半導体ウエハ基板の裏面に、下記(e)工程で照射するレーザーを透過する基材フィルム上に紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型粘着剤からなる下記粘接着剤層が少なくとも形成されたダイボンドダイシングテープの粘接着剤層面を貼り合せる工程、
    (de)前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側から紫外線を照射し前記粘接着剤層を硬化する工程、および
    (e)前記半導体ウエハの貫通部に沿って、前記硬化後の粘接着剤層に、前記ダイボンドダイシングテープの基材フィルム側からレーザー光を照射して、該レーザーにより、当該粘接着剤層を切断する工程、
    を有する、接着剤付き半導体チップの製造方法。
    [前記粘接着剤層とは接着剤層としての特性とダイシングテープの粘着剤層としての特性とを兼ね備えた層をいう。]
  3. 前記(c)予め溝切り加工された部位が貫通する厚さまで半導体ウエハ基板を薄膜化する工程において、当該半導体ウエハ基板の裏面に研削加工を施した後、ドライエッチング処理を施して、所定の厚さとすることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤付き半導体チップの製造方法。
  4. 前記(e)工程の後、前記粘着剤層から前記接着剤層を剥離させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の接着剤付き半導体チップの製造方法。
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