JP2013098443A - 半導体用接着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 剥離フィルムと、該剥離フィルム上に部分的に形成された接着剤層と、該接着剤層を覆い且つ、該接着剤層の周囲で該剥離フィルムに接するように形成された粘着フィルムとが積層された半導体用接着シートであって、JIS K 7127/2/300にしたがって、該粘着フィルムの25mm幅短冊状サンプルを、100mmの標線間距離およびつかみ間距離で引張強度試験を実施したときに、該粘着フィルムは伸び率が20%までは降伏点を持たず、かつ該粘着フィルムの5%モジュラスが6.0MPa以上であることを特徴とする半導体用接着シート。
【選択図】 図1
Description
しかし最近では、これらの半導体用接着シートは、上記作業性を考慮し、プリカット加工がなされているものが求められている。
ここで言うプリカット加工とは、基材フィルム及び粘着剤層に予め打ち抜き加工を施すことを指す。
つまり、基材フィルム及び粘着剤層を、リングフレームに貼合することができかつリングフレームから食み出さない大きさで予め円形に打ち抜き加工を施すことである。
ウェハマウンターによるウェハへの貼合工程においては、円形に打ち抜かれた半導体用接着シートが剥離用くさび(ピールプレート)によって保護フィルム(セパレーター)からの剥離のきっかけを得た後、プレスローラーによってウェハ及びリングフレームへの貼合が実施される。
そのためリングフレーム上での接着シートをカットする工程を省くことができる。
更にはこれによりリングフレームへのダメージを無くすこともできる。
その後ダイシングに入り、半導体素子の切断が行われた後に基材フィルム側より放射線を照射するなどによって粘着剤層と接着剤層間の剥離強度を十分に低下させてから、基材フィルムをエキスパンドさせて半導体素子のピックアップを行う。
この理由として、半導体素子のピックアップコレットの蓄熱による接着剤層の溶融が挙げられる。
最近では1つの半導体パッケージ内にてより多くの半導体素子を積層する為に、半導体素子を薄肉化し、接着剤層つきの半導体素子を2〜16段以上積層する技術が発展している。
ピックアップした接着剤層つき半導体素子は、一般的に130℃以上に熱せられたステージ上の基板上に順に積層されていく。この際、ピックアップコレットに吸いつけられた半導体素子は、コレットにより一定の圧力・時間で基板や下段の半導体素子に押し付けられるため、ピックアップコレットにも熱が伝導し、コレット蓄熱が発生してしまう。蓄熱したピックアップコレットが粘着フィルム上の接着剤層つき半導体素子に吸い付くことで、粘着フィルム上の半導体素子を熱が伝わり接着剤層が溶融し、隣接する接着剤層つき半導体素子と再融着してしまい、粘着フィルムからのピックアップを妨げている。さらには、多段積層の半導体製造工程においてタクトタイムの短縮の観点からも、短時間で積層・固定化できる流動性の高い接着剤層が普及してきており、この不具合の発生頻度を高くしてしまっている。
この際、安易にステージの温度を下げてしまうと、接着剤層つき半導体素子を積層する際に接着剤層の溶融が不十分となり、基板や下段の半導体素子と接着剤層の間に空気が入ってしまうボイドと呼ばれる不具合が発生してしまう。
すなわち、本発明の上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1)剥離フィルムと、該剥離フィルム上に部分的に形成された接着剤層と、該接着剤層を覆い且つ、該接着剤層の周囲で該剥離フィルムに接するように形成された粘着フィルムとが積層された半導体用接着シートであって、
JIS K 7127/2/300にしたがって、該粘着フィルムの25mm幅短冊状サンプルを、100mmの標線間距離およびつかみ間距離で引張強度試験を実施したときに、該粘着フィルムは伸び率が20%までは降伏点を持たず、かつ該粘着フィルムの5%モジュラスが6.0MPa以上であることを特徴とする半導体用接着シート。
(2)前記粘着フィルムを構成する基材の厚みが、50〜300μmであることを特徴とする(1)に記載の半導体用接着シート。
(3)前記接着剤層の硬化前の100℃における弾性率G’が1.0×105Pa以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体用接着シート。
以下に詳細を説明する。
粘着フィルムは、基材上に少なくとも1層の粘着剤層を有する。
本発明の粘着フィルムは、JIS K 7127/2/300にしたがって、該粘着フィルムの25mm幅短冊状サンプルを、100mmの標線間距離およびつかみ間距離で引張強度試験を実施したときに、該粘着フィルムは伸び率が20%までは降伏点を持たず、かつ該粘着フィルムの5%モジュラスが6.0MPa以上である。
伸び率が20%までに降伏点を有すると、エキスパンド時にチップ間距離を保つことができず、また、粘着フィルムの5%モジュラスが6.0MPa未満であると、エキスパンド状態でピックアップする際にチップへの衝撃が伝わりにくくピックアップできない。
粘着フィルムの5%モジュラスは好ましくは6.0MPa〜10.0MPaであり、さらに好ましくは6.0MPa〜8.5MPaである。
粘着フィルムの降伏点の伸び率、5%モジュラスの測定は、上記のようにJIS K 7127/2/300に準拠し、引張強度試験で行うが、使用する試験装置は、JIS K 7127/2/300に準拠して引張強度試験できるものであれば、どのようなものでも構わないが、例えば、ストログラフ試験機(東洋精機社製)で試験できる。試験条件は、粘着フィルムの25mm幅短冊状サンプルを、温度23±2℃(好ましくは23℃)、相対湿度50±5%(好ましくは50%)で、標線間距離およびつかみ間距離が100mm、引張り速度300mm/minで試験する。なお、測定値は機械加工方向(MD)における値である。また、応力−伸び率曲線より、伸び率20%までに降伏点の有無を確認した。
本発明に用いられる基材は、5%モジュラスが5.0MPa以上のものであればどれでも良く、フィルムとして、放射線透過性を有するものであれば公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、またはポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。またはこれらの群から選ばれる2種以上が混合されたものもしくは複層化されたものでもよい。
すなわち、少なくともエチレン成分と少なくともメタクリル酸やメタクリル酸エステルのようなメタクリル構造を有すモノマー成分との共重合体が好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」の両方を含むものであり、例えば、(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸の両方を含むものである。
また、基材を構成する樹脂が、水素結合性の官能基を有するものが好ましく、非結晶性のポリオレフィン樹脂(好ましくは、分岐構造を有する非結晶性のポリオレフィン樹脂)であって、水素結合性の官能基を有するものが好ましい。
ここで、水素結合性基とは、例えば、水素ドナーの基としてカルボキシル基、水酸基、スルホンアミド基、エノール性の基(エノール構造を有する基)が好ましく、カルボキシル基、水酸基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。
なお、水素アクセプターの基として、塩基性の基が共存してもよく、塩基性の基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、含窒素へテロ環基などが挙げられ、塩基ではないが弱いながら水素を受容するヘテロ原子(酸素原子、イオウ原子、窒素原子他)を有する基、例えば、アルコキシ基の酸素原子、アシル基の=Oの酸素原子、やアミド基の窒素原子もしくは=Oの酸素原子が挙げられる。
複層化されたものもとしては、例えば、上記アイオノマーの樹脂層と他の樹脂層、例えば、上記のアイオノマー以外の樹脂層の2層の樹脂構成の基材フィルムが挙げられる。
アイオノマーの樹脂層とアイオノマー以外の樹脂の層との層構成の割合は、全体の樹脂層100質量に対し、アイオノマーの樹脂が5〜95質量が好ましく、さらに好ましくは10〜90質量である。
なお、この場合、アイオノマーの樹脂でない樹脂は、ゴム類の混合樹脂も好ましい。ゴム類の混合割合は、樹脂全体の50質量%未満が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35%質量%以下が更に好ましい。ゴム類の混合割合の下限は1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、ゴム類としては、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましく、ポリエチレンとゴム類の混合樹脂が特に好ましい。ここで、スチレン−ブタジエン共重合体は、水素化スチレン−ブタジエン共重合体よりも好ましい。
粘着フィルムの基材上に設けられる粘着剤層に用いられる材料は、特に制限されるものではないが、放射線照射で重合することができる放射線重合性成分を含有してなるのが好ましい。
このような放射線重合性成分としては、放射線照射で重合する樹脂組成物が好ましい。
放射線照射で重合する樹脂としては、主鎖に対して、脂組成物のベース樹脂として主鎖の繰り返し単位に、放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用する残基が結合した(メタ)アクリル系共重合体(以下「(メタ)アクリル系共重合体(A)」と称する)が好ましい。
放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用する残基は、放射線で硬化性する炭素−炭素二重結合であればどのようなものでも構わないが、(メタ)アクリロイル部分構造〔−C(=O)CH=CH2又は−C(=O)C(CH3)=CH2〕を有する残基が結合した残基が好ましい。
このような(メタ)アクリル系共重合体(A)はどのように製造されたものでもよいが、例えば、上記(メタ)アクリル系共重合体(A)としては、主鎖の繰り返し単位に官能基(a)〔後の反応で、加えられた化合物と反応させるための官能基で好ましくは側鎖に有す。このような官能基としては、後述の単量体が有する官能基(a)で挙げた基が好ましい。〕を有する(メタ)アクリル系共重合体〕(A1)と、該官能基と反応し得る官能基(b)(好ましい官能基は後に挙げた基が挙げられる)及び放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用する(メタ)アクリロイル部分構造を有する化合物(A2)とを反応させて得たものを挙げることができる。
前記の主鎖の繰り返し単位に、前記の官能基(a)を有する(メタ)アクリル系共重合体(A1)は、例えば、前記官能基(a)を有さないアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルなどの単量体と、前記官能基(a)を有する単量体とを共重合させて得ることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリル系共重合体(A1)は、(メタ)アクリル酸エステルと、水酸基を含有する不飽和化合物または/およびカルボキシル基を含有する不飽和化合物との共重合体が好ましい。
これらのうち、上記単量体が有する官能基(a)としては、水酸基またはカルボキシル基が好ましい。
上記化合物(A2)の官能基(b)がカルボキシル基や環状酸無水基の場合は、(メタ)アクリル系共重合体(A1)の有する官能基(a)としては、例えば、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。
上記化合物(A2)の官能基(b)が水酸基の場合は、(メタ)アクリル系共重合体(A1)の有する官能基(a)としては、例えば、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができる。
上記化合物(A2)の官能基(b)がアミノ基の場合は、(メタ)アクリル系共重合体(A1)の有する官能基(a)としては、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。
上記化合物(A2)の官能基(b)がエポキシ基である場合には、(メタ)アクリル系共重合体(A1)の有する官能基(a)としては、例えば、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができる。
上記化合物(A2)の官能基(b)がイソシアネート基の場合は、(メタ)アクリル系共重合体(A1)の有する官能基(a)としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などを挙げることができる。
これらの具体例としては、官能基(a)を有する上記単量体の具体例で列挙したもののうち、無水フタル酸以外のものと同様のものを列挙することができる。
本発明において、粘着剤層のゲル分率は、(メタ)アクリル系共重合体(A)の質量平均分子量、硬化剤配合量により調整することが可能であるが、ゲル分率は60%以上であり、80%以上であることが更に好ましい。ゲル分率が小さすぎる場合には、粘着剤成分が接着界面で僅かに流動しやすく剥離力の経時安定性が得られにくい。
本発明の半導体用接着シート(ダイシング・ダイボンディングテープ)は、剥離フィルム上に部分的に形成された接着剤層と基材上に粘着剤層を有する粘着フィルムとが積層されている。
接着剤層に用いられる材料は、接着剤層の100℃における弾性率G’が1.0×105Pa以下であれば、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル系粘接着剤や、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/(メタ)アクリル樹脂のブレンド系など、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコンオリゴマー系等を好ましく使用することができる。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、例えば、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー、アクリロニトリル及び他の共重合性モノマーからなるモノマー溶液をラジカル重合法等によって溶液重合することにより得られる。また、重合に際し、重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾビス系化合物が使用される。
他の共重合性モノマーとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル、メタクリル酸、アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニル誘導体、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸、その酸無水物、そのモノメチルエステル、モノエチルエステル等のモノエステル、若しくは、そのジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエステルがある。
また、耐熱性の向上や流動性の調節を目的にフィラーを添加することが好ましい。フィラーとしてはシリカ、アルミナ、アンチモン酸化物などの無機フィラーが挙げられる。これらフィラーは異なる粒子径の物を任意の割合で配合することが出来る。
本発明の接着剤層は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン(MIBK)やメチルエチルケトン(MEK)等のケトン系、モノグライム、ジグライム等のエーテル系の単独又は混合物に本組成物を溶解させたワニスを、離型処理されたポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の剥離フィルム(基材である保護フィルム)に塗工し、樹脂混合物の硬化開始温度以下の熱処理を施し、乾燥することで得られる。
弾性率G’は硬化前の100℃における貯蔵弾性率を動的弾性測定において求めたものであり、具体的には、セパレータフィルム(ポリエチレンテレフタレート)上に接着剤からなる接着剤層を20μm塗工したものを2つ用意し、これらの接着剤層同士で貼り合わせ、セパレータフィルムを剥離した後、さらに、セパレータフィルムに接着剤層20μmを塗工したものを接着剤層同士で貼り合わせるという工程を繰り返して1mmの厚さになるまで積層し、8mmΦに打ち抜き、接着剤層のサンプルとした。このサンプルを動的弾性測定装置、例えば、動的弾性測定装置ARES(レオロジカ製)で求めることができる。
本発明において、弾性率G’は好ましくは0.5×102Pa〜1.0×105Paが好ましい。
上記半導体用接着シートの接着剤層の形状については、粘着剤層の形状の5mm以内に入っている部分が、半導体用接着シート繰出し方向の前半部分に含まれていれば特に制限はなく、例えば繰出し先端部分にて粘着剤層先端と接着剤層先端が揃っていることが挙げられる。
粘着剤層先端と接着剤層先端が揃っていることによって剥離用くさび(ピールプレート)を半導体用接着シート先端部分が通過する際に粘着剤層と接着剤層先端部分が同時に通過するため、粘着剤層から接着剤層先端部分が剥離することを防ぎ、接着剤層をウェハ全面へ密着させることが容易になる。
なお、本発明の半導体用接着シートには、粘接着剤層側にポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他剥離処理フィルム等周知のセパレーターを設ける。
<基材フィルム(A)>
ラジカル重合法によって合成されたエチレン−メタアクリル酸−メタアクリル酸エチル 8:1:1 3元共重合体の亜鉛アイオノマーa(密度0.96g/cm3,亜鉛イオン含有量4%, 塩素含有量1%未満,ビカット軟化点56℃,融点86℃)の樹脂ビーズ(三井デュポン社製 ハイミラン1855)を140℃で溶融し、押し出し機を用いて厚さ100μmの長尺フィルム状に成形した。
ラジカル重合法によって合成されたエチレン−メタアクリル酸 9.5:0.5 2元共重合体の亜鉛アイオノマーb(密度0.95g/cm3,亜鉛イオン含有量2%,塩素含有量1%未満,ビカット軟化点81℃,融点100℃)の樹脂ビーズ(三井デュポン社製 ハイミランAM7316)を140℃で溶融し、押し出し機を用いて厚さ100μmの長尺フィルム状に成形した。
日本ポリケム社製 ノバテックPP FG4(ポリプロピレン)とJSR社製 ダイナロン1320P(スチレン‐ブタジエン共重合体)を70:30の質量割合で混合し溶融混錬したものと、基材フィルム(A)の樹脂ビーズを溶融混錬したものを、押し出し機を用いて層構成70:30となるよう厚さ100μmの長尺フィルム状に成型した。
ラジカル重合によって合成されたエチレン−酢酸ビニル 9:1 共重合体 EVA(密度0.93g/cm3,塩素含有量1%未満,ビカット軟化点69℃,融点96℃)の樹脂ビーズ(日本ポリケム社製 FW3E)を140℃で溶融し、押し出し機を用いて厚さ100μmの長尺フィルム状に成形した。
EMAA(1):三井デュポン社製 ニュクレルN1560(エチレン−メタクリル酸共重合体)を溶融混練して成形し、厚さ100μmの基材フィルムを得た。
ポリプロピレン樹脂と水素化スチレン−ブタジエン共重合体からなる樹脂組成物を溶融混練して成形し、厚さ100μmの基材フィルムを得た。
放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーx(質量平均分子量70万、ガラス転移点(Tg)−65℃)100質量部、ポリイソシアネート系硬化剤5質量部に、光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)1質量部を配合し、粘着剤層とした。
なお、アクリル系ポリマーxは、ブチルアクリレート65質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部、アクリル酸10質量部を原料として溶液ラジカル重合により共重合体を得た。次にこの共重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを滴下反応させることで作成した。
乾燥後の粘着剤層の厚さを10μmとし、前記基材フィルムに塗工し、粘着フィルムを作成した。
次に、予め後述のように作成されたウェハサイズよりも大きい形状で打ち抜き加工を施した接着剤層(剥離フィルム上に形成された接着剤層)をこの粘着剤層上に図1のように貼合したものを半導体用接着シートとし、下記表1および2の組合せの実施例1〜6、比較例1〜7の各半導体用接着シートを作成した。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量160、東都化成株式会社製商品名YD−8170Cを使用)30質量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、東都化成株式会社製商品名YDCN−703を使用)10質量部;エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名プライオーフェンLF2882を使用)27質量部;エポキシ基含有アクリル系共重合体としてエポキシ基含有アクリルゴム(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる質量平均分子量80万、グリシジルメタクリレート3質量%、ガラス転移温店(Tg)−7℃、ナガセケムテックス株式会社製商品名HTR−860P−3DRを使用)28質量部;硬化促進剤としてイミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製キュアゾール2PZ−CNを使用)0.1質量部;シリカフィラー〔アドマファイン株式会社製、S0−C2(比重:2.2g/cm3、モース硬度7、平均粒径0.5μm、比表面積6.0m2/g)95質量部;シランカップリング剤として(日本ユニカー株式会社製商品名A−189)0.25質量部および(日本ユニカー株式会社製商品名A−1160)0.5質量部〕;からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて撹拌混合し、真空脱気して接着剤ワニスを得た。この接着剤ワニスを、厚さ50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、90℃10分間、120℃で5分間加熱乾燥して膜厚が70μmの塗膜とし、Bステージ状態の接着シートを作製した。この接着剤層(A)の動的粘弾性測定による硬化前100℃における貯蔵弾性率G’は7.1×104Paであった。
YP−50(フェノキシ樹脂、質量平均分子量59,000、ガラス転移温点(Tg)約100℃、東都化成社製)20g、YDCN−702(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、軟化点75℃、東都化成社製)50g、YD−127(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成社製)40gを秤量し、80gのMIBKを溶剤として500mlのセパラブルフラスコ中、110℃で2時間加熱攪拌して樹脂ワニスを得た。この溶液190gを800mlのプラネタリーミキサーに秤量し、FB−48(球状シリカ、平均粒径16μm、デンカ社製)240gとSO−C2(微粒子球状シリカ、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)40gを加えて混合したものを3本ロールで混練した。この混合物に、AH−150(ジシアンジアミド、味の素社製)8g、HX−3722(マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤、旭チバ社製)2gを加えてプラネタリーミキサーで攪拌混合後、真空脱泡して混合ワニスを得た。上記混合ワニスを厚さ50μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布後、60℃/5分、120℃/5分で熱風乾燥させ、接着剤層の厚み70μmの接着シート、すなわちフィルム状接着剤を得た。この接着剤層(B)の動的粘弾性測定による硬化前100℃における貯蔵弾性率G’は1.0×103Paであった。
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210g/eq、分子量1200、軟化点80℃)50質量部、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学(株)製商品名、水酸基当量175g/eq、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%)50質量部、シランカップリング剤としてZ−6044(東レ・ダウコーニング(株)製商品名、3−グリシドキシプロピルメチルメトキシシラン)0.35質量部、シリカフィラーとしてS0−C2(アドマファイン(株)製商品名、比重2.2g/cm3、モース硬度7、平均粒径0.5μm、比表面積6.0m2/g)35質量部、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)3質量部、アクリル樹脂としてSG-P3(ナガセケムテックス(株)製商品名、質量平均分子量85万、ガラス転移温度(Tg)10℃)250質量部を有機溶剤中で攪拌し、接着剤層組成物を得た。この接着剤層組成物を、厚さ50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工、乾燥して膜厚70μmの接着剤層(C)を有する接着フィルムを作製した。この接着剤層(C)の動的粘弾性測定による硬化前100℃における貯蔵弾性率G’は2.8×105Paであった。
なお、接着剤層(A)、(B)、(C)の動的粘弾性測定は動的弾性測定装置ARES(レオロジカ製)で行った。
5%モジュラスは以下のようにして測定した。
JIS K 7120/2/300(プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法)の引張試験方法に準拠し、上記で得た各粘着フィルムの25mm幅の短冊状サンプルに加工し、23±2℃の温度、50±5%の湿度、100mmの標線間距離及びつかみ間距離、300mm/minの速度で試験を行ない、機械加工方向(MD)における測定値を求めた。
また、この引張試験により、応力−伸び率曲線から、伸び率20%までに降伏点の有無を確認した。ここで、試験は、ストログラフ試験機(東洋精機社製)で行った。
ピックアップの評価は以下のようにして行った。
実施例および比較例によって得られるダイシングダイボンドフィルムに厚み100μmのシリコンウェハを70℃×10秒で加熱貼合した後、10mm×10mmにダイシングした。その後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/cm2照射した後、シリコンウェハ中央部のチップ60個についてダイボンダー装置(日立ハイテク製、商品名 DB−800HSL)により、ピックアップおよび4チップ積層のダイボンディング試験を行なった。この際、すべてのチップがミスなく、4チップずつ積層できた場合を○、1つでもミスがあり、積層できなかった場合を×とした。なお、ステージ温度は130℃とした。
以下のようにして、ボイドの評価を行った。
ダイボンディングしたチップと土台ウェハを175℃で4時間加熱硬化させたものをサンプルとして4個ずつ用意し、温度85℃、湿度(相対湿度)65%の雰囲気中に168時間さらした後(環境試験、JEDEC LEVEL2)、ダイボンディングしたチップと土台ウェハとの接着面において剥離の有無を超音波顕微鏡(SAT)にて観察した。観測した評価結果を表1及び表2の「ボイド」の項目に示した。なお、全てのサンプルで剥離が生じていない場合を良と評価して「○」で表し、全てのサンプルの中で1つでも剥離が生じたサンプルがあった場合を不良と評価して「×」で表した。
11 剥離フィルム
12 粘着フィルム
12a 基材
12b 粘着剤層
13 接着剤層
Claims (3)
- 剥離フィルムと、該剥離フィルム上に部分的に形成された接着剤層と、該接着剤層を覆い且つ、該接着剤層の周囲で該剥離フィルムに接するように形成された粘着フィルムとが積層された半導体用接着シートであって、
JIS K 7127/2/300にしたがって、該粘着フィルムの25mm幅短冊状サンプルを、100mmの標線間距離およびつかみ間距離で引張強度試験を実施したときに、該粘着フィルムは伸び率が20%までは降伏点を持たず、かつ該粘着フィルムの5%モジュラスが6.0MPa以上であることを特徴とする半導体用接着シート。 - 前記粘着フィルムを構成する基材の厚みが、50〜300μmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体用接着シート。
- 前記接着剤層の硬化前の100℃における弾性率G’が1.0×105Pa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体用接着シート。
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