JP5519661B2 - 保護されたアミノ基を含むイミド化合物で官能化したポリマー - Google Patents

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Description

本願は2008年7月3日に出願された米国非仮出願第12/167,697号の優先権を主張し、本明細書に参照により組み入れる。
本発明の1つ以上の実施形態は、官能化ポリマーおよびそれらの製造方法に関する。
タイヤ製造の技術分野においては、ヒステリシスが低減されている、すなわち、機械的エネルギーの熱への損失がより少ないゴム加硫物を用いることが望ましい。例えば、ヒステリシスが低減されているゴム加硫物をサイドウォールおよびトレッド等のタイヤ部品に有利に用いて、望ましいことに、転がり抵抗が低いタイヤを生産する。ゴム加硫物のヒステリシスは、多くの場合、架橋ゴムの網目内の自由ポリマー鎖末端、および充填剤凝集物の解離が原因である。
官能化ポリマーは、ゴム加硫物のヒステリシスを低減するのに用いられてきた。官能化ポリマーの官能基は、充填剤粒子との相互作用によって自由ポリマー鎖末端の数を低減することができる。また、官能基は、充填剤の集塊を低減することができる。それにもかかわらず、ポリマーに付与された特定の官能基がヒステリシスを低減することができるかどうかは、予測不可能なことが多い。
官能化ポリマーは、特定の官能化剤で、反応性ポリマーを重合後に処理することにより調製することができる。しかしながら、反応性ポリマーを特定の官能化剤による処理で官能化できるかどうかは、予測不可能であり得る。例えば、あるタイプのポリマーに有効な官能化剤が別のタイプのポリマーに有効であるとは限らず、逆もまた同様である。
ランタニド系の触媒系は、共役ジエンモノマーを重合してシス-1,4結合の含量が高いポリジエンを生成させるのに有用であることが知られている。得られるシス-1,4-ポリジエンは、疑似リビング特性を示すことができ、すなわち、重合が完了すると、ポリマー鎖のいくつかが特定の官能化剤と反応して官能化シス-1,4-ポリジエンを生成できる反応性末端を有する。
ランタニド系の触媒系を用いて生成したシス-1,4-ポリジエンは、通常鎖状骨格を有するが、それはチタニウム系、コバルト系、およびニッケル系の触媒系等の他の触媒系を用いて調製されたシス-1,4-ポリジエンと比べ、より良好な引張特性、高耐摩耗性、低ヒステリシス、およびより良好な耐疲労性をもたらすものと考えられている。従って、ランタニド系触媒を用いて生成したシス-1,4-ポリジエンは、サイドウォールおよびトレッド等のタイヤ部品に用いるのに特に適している。しかしながら、ランタニド系触媒を用いて調製されたシス-1,4-ポリジエンの1つの不利な点は、ポリマーがその鎖状骨格構造に起因して高いコールドフローを示すことである。高いコールドフローは、ポリマーの貯蔵および移送中に問題を引き起こし、また、ゴム配合物の混合設備に自動供給装置を使用するのを妨げる。
アニオン開始剤は、共役ジエンモノマーを重合して、1,2-結合、シス-1,4-結合およびトランス-1,4-結合の組み合わせを有するポリジエンを生成させるのに有用であることが知られている。また、アニオン開始剤は、共役ジエンモノマーとビニル置換芳香族化合物との共重合にも有用であることが知られている。アニオン開始剤を用いて調製されたポリマーは、リビング特性を示すことができ、すなわち、重合が完了すると、ポリマー鎖は、さらなる連鎖成長のための追加モノマーと反応できるリビング末端、または官能化ポリマーをもたらす特定の官能化剤と反応できるリビング末端を有する。いずれかの結合または分岐構造の導入なしでは、アニオン開始剤を用いて調製されたポリマーは、高いコールドフローの問題を示すこともあり得る。
官能化ポリマーは特にタイヤ製造において有利であるので、ヒステリシスの低減およびコールドフローの低減をもたらす新規官能化ポリマーを開発する必要性がある。
本発明の1つ以上の実施形態は、官能化ポリマーの調製方法であって、反応性ポリマーを調製する工程と、該反応性ポリマーを保護されたアミノ基を含むイミド化合物と反応させる工程とを含む方法を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態は、官能化ポリマーの調製方法であって、共役ジエンモノマー、任意でそれと共重合可能なモノマー、および触媒または開始剤を導入して重合混合物を形成する工程と、該重合混合物に保護されたアミノ基を含むイミド化合物を加える工程とを含む方法を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態は、ポリマーの調製方法であって、活性重合混合物を調製する工程と、該活性重合混合物に保護されたアミノ基を含むイミド化合物を加える工程とを含む方法を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態は、モノマーを重合させて反応性ポリマーを生成させる工程と、該反応性ポリマーを保護されたアミノ基を含むイミド化合物と反応させる工程とにより調製した官能化ポリマーを提供する。
本発明の1つ以上の実施形態は、官能化ポリマーの調製方法であって、活性重合混合物を調製する工程と、該活性重合混合物に保護されたアミノ基を含むイミド化合物を加える工程と、該活性重合混合物に共官能化剤を加える工程とを含む方法を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態は、保護されたアミノ基を含むイミド化合物を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態によって調製した官能化シス-1,4-ポリブタジエンについて非官能化シス-1,4-ポリブタジエンと比較したコールドフローゲージ(8分でのmm)対ムーニー粘度(100℃でのML1+4)のプロット図である。 本発明の1つ以上の実施形態によって調製したシス-1,4-ポリブタジエンから調製した加硫物について非官能化シス-1,4-ポリブタジエンから調製した加硫物と比較したヒステリシスロス(tanδ)対ムーニー粘度(100℃でのML1+4)のプロット図である。 本発明の1つ以上の実施形態によって調製した官能化ポリ(スチレン-co-ブタジエン)について非官能化ポリ(スチレン-co-ブタジエン)と比較したコールドフローゲージ(8分でのmm)対ムーニー粘度(100℃でのML1+4)のプロット図である。 本発明の1つ以上の実施形態によって調製した官能化ポリ(スチレン-co-ブタジエン)から調製した加硫物について非官能化ポリ(スチレン-co-ブタジエン)から調製した加硫物と比較したヒステリシスロス(tanδ)対ムーニー粘度(100℃でのML1+4)のプロット図である。
本発明の1つ以上の実施形態によると、共役ジエンモノマーおよび任意でそれと共重合可能なモノマーを重合させることにより反応性ポリマーを調製し、その後、保護されたアミノ基を含むイミド化合物との反応によりこの反応性ポリマーを官能化することができる。得られた官能化ポリマーは、タイヤ部品の製造に用いることができる。1つ以上の実施形態では、シス-1,4-ポリジエンおよびポリ(スチレン-co-ブタジエン)等の得られた官能化ポリマーは、有利なコールドフロー耐性を示し、また、有利なことに、ヒステリシスが低いタイヤ部品を提供する。
共役ジエンモノマーの例としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、1,3-へキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、および2,4-へキサジエンが挙げられる。共重合に2種以上の共役ジエンの混合物を用いることもできる。
共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーの例としては、スチレン、p-メチルスチレン、α‐メチルスチレン、およびビニルナフタレン等のビニル置換芳香族化合物が挙げられる。
1つ以上の実施形態では、配位触媒系を用いることによりモノマーを重合させる配位重合により、反応性ポリマーを調製する。配位重合の重要な機構的特徴については、書籍(例えば、Kuran,W.,配位重合の原理;John Wiley & Sons:ニューヨーク,2001)および総説(例えば、Mulhaupt,R.,高分子の化学と物理 2003,204巻,289‐327頁)において論じられている。配位触媒は、成長ポリマー鎖へのモノマーの挿入前に活性な中心金属へのモノマーの配位または錯化を含む機構により、モノマーの重合を開始させるものと考えられる。配位触媒の有利な特徴は、重合を立体化学的に制御する能力、ひいては立体規則性ポリマーを生成する能力である。当該技術分野で公知のように、多数の配位触媒の作製方法があるが、すべての方法は、最終的には、モノマーを配位し、モノマーを活性な中心金属と成長ポリマー鎖との間の共有結合に挿入することが可能な活性中間体を生成する。共役ジエンの配位重合は、中間体としてのπ‐アリル錯体を介して進むものと考えられる。配位触媒は、1成分、2成分、3成分または多成分系とすることができる。1つ以上の実施形態では、配位触媒は、重金属化合物(例えば、遷移金属化合物またはランタニド化合物)、アルキル化剤(例えば、有機アルミニウム化合物)、および任意で他の共触媒成分(例えば、ルイス酸またはルイス塩基)を混合することにより形成することができる。
様々な方法を用いて配位触媒を調製することができる。1つ以上の実施形態では、逐次的にまたは同時に、触媒成分を重合させるモノマーへ別々に加えることにより、配位触媒をインサイチューで形成することができる。他の実施形態では、配位触媒を予備形成することができる。すなわち、重合系の系外で、モノマー非存在下または少量のモノマーの存在下で、触媒成分を予備混合する。得られる予備形成触媒組成物は、必要に応じて熟成させることができ、その後、重合させるモノマーに加えることができる。
有用な配位触媒系としては、ランタニド系の触媒系が挙げられる。これら触媒系は、有利なことに、失活させる前に反応性鎖末端を有し、疑似リビングポリマーと称することもできるシス-1,4-ポリジエンを生成させることができる。他の配位触媒系を用いることもできるが、ランタニド系触媒が特に有利であることが分かっているので、本発明の範囲を限定することなく、より詳細に説明する。
本発明の1つ以上の実施形態の実施は、いかなる特定のランタニド系触媒の選択によっても限定されない。1つ以上の実施形態では、触媒組成物は、ランタニド化合物、アルキル化剤、および1つ以上の不安定なハロゲン原子を含むハロゲン含有化合物を含むことができる。ランタニド化合物および/またはアルキル化剤が1つ以上の不安定なハロゲン原子を含む場合、触媒は別途ハロゲン含有化合物を含む必要はなく、例えば、触媒は単にハロゲン化ランタニド化合物およびアルキル化剤を含んでもよい。特定の実施形態では、アルキル化剤は、アルミノキサンと少なくとも1種の他の有機アルミニウム化合物の両方を含んでもよい。さらに他の実施形態では、非配位性のアニオンを含む化合物、または非配位性のアニオン前駆体、すなわち、非配位性のアニオンを形成する化学反応を受け得る化合物を、ハロゲン含有化合物の代わりに用いることができる。一実施形態では、アルキル化剤が水素化有機アルミニウム化合物を含む場合、ハロゲン含有化合物は、参照により本明細書に組み入れる米国特許第7,008,899号に開示されているようなハロゲン化スズでもよい。これらまたは他の実施形態では、上記成分に加えて、他の有機金属化合物、ルイス塩基、および/または触媒調整剤を用いることができる。例えば、一実施形態では、本明細書に参照により組み入れる米国特許第6,699,813号に開示されるように、分子量調整剤としてニッケル含有化合物を用いることができる。
様々なランタニド化合物またはその混合物を用いることができる。1つ以上の実施形態では、これら化合物は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、または脂環式炭化水素等の炭化水素溶剤に可溶性とすることができる。他の実施形態では、重合媒体中に懸濁して触媒活性種を形成できる炭化水素に不溶性のランタニド化合物も有用である。
ランタニド化合物は、ランタン、ネオジム、セリウム、プラセオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、およびジジムの少なくとも1つの原子を含むことができる。ジジムはモナズ砂から得られる希土類元素の市販の混合物を含むことができる。
ランタニド化合物中のランタニド原子は、これらに限定されるものではないが、0、+2、+3、および+4の酸素状態を含む様々な酸素状態とすることができる。ランタニド化合物としては、カルボン酸ランタニド化合物、有機リン酸ランタニド化合物、有機ホスホン酸ランタニド化合物、有機ホスフィン酸ランタニド化合物、カルバミン酸ランタニド化合物、ジチオカルバミン酸ランタニド化合物、キサントゲン酸ランタニド化合物、ランタニドβ‐ジケトネート化合物、ランタニドアルコキシドまたはアリールオキシド化合物、ハロゲン化ランタニド化合物、疑似ハロゲン化ランタニド化合物、オキシハロゲン化ランタニド化合物、および有機ランタニド化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の実施を限定することを望むことなく、ネオジム化合物を中心にさらに議論するが、当業者は他のランタニド金属をベースとする類似化合物を選択することができるだろう。
カルボン酸ネオジムとしては、ギ酸ネオジム、酢酸ネオジム、アクリル酸ネオジム、メタクリル酸ネオジム、吉草酸ネオジム、グルコン酸ネオジム、クエン酸ネオジム、フマル酸ネオジム、乳酸ネオジム、マレイン酸ネオジム、シュウ酸ネオジム、2-エチルヘキサン酸ネオジム、ネオデカン酸ネオジム(別名バーサチック酸ネオジム)、ナフテン酸ネオジム、ステアリン酸ネオジム、オレイン酸ネオジム、安息香酸ネオジム、およびピコリン酸ネオジムが挙げられる。
有機リン酸ネオジムとしては、リン酸ジブチルネオジム、リン酸ジペンチルネオジム、リン酸ジヘキシルネオジム、リン酸ジヘプチルネオジム、リン酸ジオクチルネオジム、リン酸ビス(1-メチルへプチル)ネオジム、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)ネオジム、リン酸ジデシルネオジム、リン酸ジドデシルネオジム、リン酸ジオクタデシルネオジム、リン酸ジオレイルネオジム、リン酸ジフェニルネオジム、リン酸ビス(p-ノニルフェニル)ネオジム、リン酸ブチル(2-エチルヘキシル)ネオジム、リン酸(1-メチルへプチル)(2-エチルヘキシル)ネオジム、およびリン酸(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)ネオジムが挙げられる。
有機ホスホン酸ネオジムとしては、ホスホン酸ブチルネオジム、ホスホン酸ペンチルネオジム、ホスホン酸ヘキシルネオジム、ホスホン酸ヘプチルネオジム、ホスホン酸オクチルネオジム、ホスホン酸(1-メチルへプチル)ネオジム、ホスホン酸(2-エチルヘキシル)ネオジム、ホスホン酸デシルネオジム、ホスホン酸ドデシルネオジム、ホスホン酸オクタデシルネオジム、ホスホン酸オレイルネオジム、ホスホン酸フェニルネオジム、ホスホン酸(p-ノニルフェニル)ネオジム、ブチルホスホン酸ブチルネオジム、ペンチルホスホン酸ペンチルネオジム、ヘキシルホスホン酸ヘキシルネオジム、ヘプチルホスホン酸ヘプチルネオジム、オクチルホスホン酸オクチルネオジム、(1-メチルヘプチル)ホスホン酸(1-メチルヘプチル)ネオジム、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸(2-エチルヘキシル)ネオジム、デシルホスホン酸デシルネオジム、ドデシルホスホン酸ドデシルネオジム、オクタデシルホスホン酸オクタデシルネオジム、オレイルホスホン酸オレイルネオジム、フェニルホスホン酸フェニルネオジム、(p-ノニルフェニル)ホスホン酸(p-ノニルフェニル)ネオジム、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸ブチルネオジム、ブチルホスホン酸(2-エチルヘキシル)ネオジム、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸(1-メチルヘプチル)ネオジム、(1-メチルへプチル)ホスホン酸(2-エチルヘキシル)ネオジム、(p-ノニルフェニル)ホスホン酸(2-エチルヘキシル)ネオジム、および(2-エチルヘキシル)ホスホン酸(p-ノニルフェニル)ネオジムが挙げられる。
有機ホスフィン酸ネオジムとしては、ブチルホスフィン酸ネオジム、ペンチルホスフィン酸ネオジム、ヘキシルホスフィン酸ネオジム、ヘプチルホスフィン酸ネオジム、オクチルホスフィン酸ネオジム、(1-メチルヘプチル)ホスフィン酸ネオジム、(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、デシルホスフィン酸ネオジム、ドデシルホスフィン酸ネオジム、オクタデシルホスフィン酸ネオジム、オレイルホスフィン酸ネオジム、フェニルホスフィン酸ネオジム、(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸ネオジム、ジブチルホスフィン酸ネオジム、ジペンチルホスフィン酸ネオジム、ジヘキシルホスフィン酸ネオジム、ジヘプチルホスフィン酸ネオジム、ジオクチルホスフィン酸ネオジム、ビス(1-メチルヘプチル)ホスフィン酸ネオジム、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、ジデシルホスフィン酸ネオジム、ジドデシルホスフィン酸ネオジム、ジオクタデシルホスフィン酸ネオジム、ジオレイルホスフィン酸ネオジム、ジフェニルホスフィン酸ネオジム、ビス(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸ネオジム、ブチル(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、および(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸ネオジムが挙げられる。
カルバミン酸ネオジムとしては、ジメチルカルバミン酸ネオジム、ジエチルカルバミン酸ネオジム、ジイソプロピルカルバミン酸ネオジム、ジブチルカルバミン酸ネオジム、およびジベンジルカルバミン酸ネオジムが挙げられる。
ジチオカルバミン酸ネオジムとしては、ジメチルジチオカルバミン酸ネオジム、ジエチルジチオカルバミン酸ネオジム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ネオジム、ジブチルジチオカルバミン酸ネオジム、およびジベンジルジチオカルバミン酸ネオジムが挙げられる。
キサントゲン酸ネオジムとしては、メチルキサントゲン酸ネオジム、エチルキサントゲン酸ネオジム、イソプロピルキサントゲン酸ネオジム、ブチルキサントゲン酸ネオジム、およびベンジルキサントゲン酸ネオジムが挙げられる。
ネオジムβ-ジケトネートとしては、ネオジムアセチルアセトネート、ネオジムトリフルオロアセチルアセトネート、ネオジムへキサフルオロアセチルアセトネート、ネオジムベンゾイルアセトネート、およびネオジム2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネートが挙げられる。
ネオジムアルコキシドまたはアリールオキシドとしては、ネオジムメトキシド、ネオジムエトキシド、ネオジムイソプロポキシド、ネオジム2-エチルへキソキシド、ネオジムフェノキシド、ネオジムノニルフェノキシド、およびネオジムナフトキシドが挙げられる。
ハロゲン化ネオジムとしては、フッ化ネオジム、塩化ネオジム、臭化ネオジム、およびヨウ化ネオジムが挙げられる。適切な疑似ハロゲン化ネオジムとしては、シアン化ネオジム、シアン酸ネオジム、チオシアン酸ネオジム、アジ化ネオジム、およびフェロシアン化ネオジムが挙げられる。適切なオキシハロゲン化ネオジムとしては、オキシフッ化ネオジム、オキシ塩化ネオジム、およびオキシ臭化ネオジムが挙げられる。ハロゲン化ネオジム、オキシハロゲン化ネオジム、または不安定なハロゲン原子を含む他のネオジム化合物を用いる場合、ネオジム含有化合物は、ハロゲン含有化合物としての機能を果たすこともできる。この部類のネオジム化合物を不活性有機溶剤中に可溶化するための補助剤として、テトラヒドロフラン(THF)等のルイス塩基を用いることができる。
「有機ランタニド化合物」という用語は、少なくとも1個のランタニド‐炭素結合を含む任意のランタニド化合物を指すことができる。これら化合物は、限定的ではないが、主に、シクロペンタジエニル(Cp)配位子、置換シクロペンタジエニル配位子、アリル配位子、および置換アリル配位子を含むものである。適切な有機ランタニド化合物としては、CpLn、CpLnR、CpLnCl、CpLnCl、CpLn(シクロオクタテトラエン)、(CMe)LnR、LnR、Ln(アリル)、およびLn(アリル)Clが挙げられ、式中、Lnはランタニド原子を表し、Rはヒドロカルビル基を表す。
様々なアルキル化剤、またはそれらの混合物を用いることができる。ヒドロカルビル化剤と称することもできるアルキル化剤としては、ヒドロカルビル基を他の金属に移すことができる有機金属化合物が挙げられる。典型的には、これら剤としては、第1、2、および3族の金属(第IA、IIA、およびIIIA族の金属)のような陽性金属の有機金属化合物が挙げられる。アルキル化剤が不安定なハロゲン原子を含む場合、アルキル化剤はハロゲン含有化合物としての機能を果たすこともできる。1つ以上の実施形態では、アルキル化剤としては、有機アルミニウム化合物および有機マグネシウム化合物が挙げられる。
「有機アルミニウム化合物」という用語は、少なくとも1個のアルミニウム‐炭素結合を含む任意のアルミニウム化合物を指すことができる。1つ以上の実施形態では、有機アルミニウム化合物は、炭化水素溶剤に可溶性とすることができる。
1つ以上の実施形態では、有機アルミニウム化合物としては、式AlR3−nで表されるものが挙げられ、式中、各Rは、同一でも異なってもよく、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合した一価の有機基であり、各Xは、同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基であり、nは1〜3の整数である。1つ以上の実施形態では、一価の有機基としては、これらに限定されるものではないが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルカリール基、もしくはアルキニル基等のヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基が挙げられる。これら基は、これらに限定されるものではないが、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、スズ原子、およびリン原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
式AlR3−nで表されるタイプの有機アルミニウム化合物としては、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物、水素化ジヒドロカルビルアルミニウム化合物、二水素化ヒドロカルビルアルミニウム化合物、ジヒドロカルビルアルミニウムカルボキシレート化合物、ヒドロカルビルアルミニウムビス(カルボキシレート)化合物、ジヒドロカルビルアルミニウムアルコキシド化合物、ヒドロカルビルアルミニウムジアルコキシド化合物、ハロゲン化ジヒドロカルビルアルミニウム化合物、二ハロゲン化ヒドロカルビルアルミニウム化合物、ジヒドロカルビルアルミニウムアリールオキシド化合物、およびヒドロカルビルアルミニウムジアリールオキシド化合物が挙げられる。
トリヒドロカルビルアルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-t-ブチルアルミニウム、トリ-n-ペンチルアルミニウム、トリネオペンチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリス(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリス(1-メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-p-トリルアルミニウム、トリス(2,6-ジメチルフェニル)アルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル-p-トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ-p-トリルアルミニウム、およびエチルジベンジルアルミニウムが挙げられる。
水素化ジヒドロカルビルアルミニウム化合物としては、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ-n-プロピルアルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化ジ-n-ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジ-n-オクチルアルミニウム、水素化ジフェニルアルミニウム、水素化ジ-p-トリルアルミニウム、水素化ジベンジルアルミニウム、水素化フェニルエチルアルミニウム、水素化フェニル-n-プロピルアルミニウム、水素化フェニルイソプロピルアルミニウム、水素化フェニル-n-ブチルアルミニウム、水素化フェニルイソブチルアルミニウム、水素化フェニル-n-オクチルアルミニウム、水素化p-トリルエチルアルミニウム、水素化p-トリル-n-プロピルアルミニウム、水素化p-トリルイソプロピルアルミニウム、水素化p-トリル-n-ブチルアルミニウム、水素化p-トリルイソブチルアルミニウム、水素化p-トリル-n-オクチルアルミニウム、水素化ベンジルエチルアルミニウム、水素化ベンジル-n-プロピルアルミニウム、水素化ベンジルイソプロピルアルミニウム、水素化ベンジル-n-ブチルアルミニウム、水素化ベンジルイソブチルアルミニウム、および水素化ベンジル-n-オクチルアルミニウムが挙げられる。
二水素化ヒドロカルビルアルミニウム化合物としては、二水素化エチルアルミニウム、二水素化n-プロピルアルミニウム、二水素化イソプロピルアルミニウム、二水素化n-ブチルアルミニム、二水素化イソブチルアルミニウム、および二水素化n-オクチルアルミニウムが挙げられる。
ハロゲン化ジヒドロカルビルアルミニウム化合物としては、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジ-n-プロピルアルミニウム、塩化ジイソプロピルアルミニウム、塩化ジ-n-ブチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、塩化ジ-n-オクチルアルミニウム、塩化ジフェニルアルミニウム、塩化ジ-p-トリルアルミニウム、塩化ジベンジルアルミニウム、塩化フェニルエチルアルミニウム、塩化フェニル-n-プロピルアルミニウム、塩化フェニルイソプロピルアルミニウム、塩化フェニル-n-ブチルアルミニウム、塩化フェニルイソブチルアルミニウム、塩化フェニル-n-オクチルアルミニウム、塩化p-トリルエチルアルミニウム、塩化p-トリル-n-プロピルアルミニウム、塩化p-トリルイソプロピルアルミニウム、塩化p-トリル-n-ブチルアルミニウム、塩化p-トリルイソブチルアルミニウム、塩化p-トリル-n-オクチルアルミニウム、塩化ベンジルエチルアルミニウム、塩化ベンジル-n-プロピルアルミニウム、塩化ベンジルイソプロピルアルミニウム、塩化ベンジル-n-ブチルアルミニウム、塩化ベンジルイソブチルアルミニウム、および塩化ベンジル-n-オクチルアルミニウムが挙げられる。
二ハロゲン化ヒドロカルビルアルミニウム化合物としては、二塩化エチルアルミニウム、二塩化n-プロピルアルミニウム、二塩化イソプロピルアルミニウム、二塩化n-ブチルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、および二塩化n-オクチルアルミニウムが挙げられる。
式AlR3−nで表される他の有機アルミニウム化合物としては、ジメチルアルミニウムヘキサノエート、ジエチルアルミニウムオクトエート、ジイソブチルアルミニウム2-エチルヘキサノエート、ジメチルアルミニウムネオデカノエート、ジエチルアルミニウムステアレート、ジイソブチルアルミニウムオレエート、メチルアルミニウムビス(ヘキサノエート)、エチルアルミニウムビス(オクトエート)、イソブチルアルミニウムビス(2-エチルヘキサノエート)、メチルアルミニウムビス(ネオデカノエート)、エチルアルミニウムビス(ステアレート)、イソブチルアルミニウムビス(オレエート)、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシド、イソブチルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノキシド、およびイソブチルアルミニウムジフェノキシドが挙げられる。
別の部類の有機アルミニウム化合物としては、アルミノキサンが挙げられる。アルミノキサンとしては、一般式:
で表すことができるオリゴマー状の鎖状アルミノキサン、および一般式:
で表すことができるオリゴマー状の環状アルミノキサンが挙げられ、式中、xは1〜約100、他の実施形態では約10〜約50の整数とすることができ、yは2〜約100、他の実施形態では約3〜約20の整数とすることができ、各Rは、同一でも異なってもよく、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合した一価の有機基とすることができる。一価の有機基については上で定義している。なお、この出願で用いるアルミノキサンのモル数は、オリゴマー状アルミノキサン分子のモル数ではなくアルミニウム原子のモル数をさす。この慣習は、アルミノキサンを用いる触媒反応の分野ではよく用いられるものである。
アルミノキサンは、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させることにより調製することができる。この反応は、(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶剤中に溶解させた後、水と接触させることができる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、例えば金属塩に含まれる結晶水、または無機もしくは有機化合物に吸着した水と反応させることができる方法、および(3)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を重合させるモノマーまたはモノマー溶液存在下で、水と反応させることができる方法等の公知の方法によって行うことができる。
アルミノキサン化合物としては、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアルミノキサン(MMAO)、エチルアルミノキサン、n-プロピルアルミノキサン、イソプロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、n-ペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、n-ヘキシルアルミノキサン、n-オクチルアルミノキサン、2-エチルヘキシルアルミノキサン、シクロヘキシルアルミノキサン、1-メチルシクロペンチルアルミノキサン、フェニルアルミノキサン、および2,6-ジメチルフェニルアルミノキサンが挙げられる。変性メチルアミノキサンは、当業者に公知の技術を用いて、メチルアミノキサンのメチル基の約20〜80%をC〜C12ヒドロカルビル基、好適にはイソブチル基で置換することにより生成させることができる。
アルミノキサンは、単独でまたは他の有機アルミニウム化合物と組み合わせて用いることができる。一実施形態では、メチルアルミノキサンと、水素化ジイソブチルアルミニウム等の少なくとも1種の他の有機アルミニウム化合物(例えば、AlR3−n)とを組み合わせて用いる。
「有機マグネシウム化合物」という用語は、少なくとも1個のマグネシウム‐炭素結合を含む任意のマグネシウム化合物を指すことができる。有機マグネシウム化合物は、炭化水素溶剤に可溶性とすることができる。
用いることができる有機マグネシウム化合物の1つの部類は、式MgRで表すことができ、式中、各Rは、同一でも異なってもよく、炭素原子を介してマグネシウム原子に結合した一価の有機基である。1つ以上の実施形態では、一価の有機基としては、これらに限定されるものではないが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルカリール基、もしくはアルキニル基等のヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基が挙げられる。これら基は、これらに限定されるものではないが、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、スズ原子、およびリン原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
式MgRで表される有機マグネシウム化合物の具体例としては、ジエチルマグネシウム、ジ-n-プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、およびジベンジルマグネシウムが挙げられる。
用いることができる有機マグネシウム化合物の他の部類としては、式RMgXで表すことができるものが挙げられ、式中、Rは炭素原子を介してマグネシウム原子に結合した一価の有機基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基である。一価の有機基については上で定義している。1つ以上の実施形態では、Xはカルボキシレート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基である。
式RMgXで表される有機マグネシウム化合物の典型的なタイプとしては、水素化ヒドロカルビルマグネシウム、ハロゲン化ヒドロカルビルマグネシウム、ヒドロカルビルマグネシウムカルボキシレート、ヒドロカルビルマグネシウムアルコキシド、およびヒドロカルビルマグネシウムアリールオキシドが挙げられる。
式RMgXで表される有機マグネシウム化合物の具体例としては、水素化メチルマグネシウム、水素化エチルマグネシウム、水素化ブチルマグネシウム、水素化ヘキシルマグネシウム、水素化フェニルマグネシウム、水素化ベンジルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、塩化ヘキシルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、塩化ベンジルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウム、臭化ヘキシルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、臭化ベンジルマグネシウム、メチルマグネシウムヘキサノエート、エチルマグネシウムヘキサノエート、ブチルマグネシウムヘキサノエート、ヘキシルマグネシウムヘキサノエート、フェニルマグネシウムヘキサノエート、ベンジルマグネシウムヘキサノエート、メチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムエトキシド、ヘキシルマグネシウムエトキシド、フェニルマグネシウムエトキシド、ベンジルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、ブチルマグネシウムフェノキシド、ヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムフェノキシド、およびベンジルマグネシウムフェノキシドが挙げられる。
1つ以上の不安定なハロゲン原子を含む様々なハロゲン含有化合物、またはその混合物を用いることができる。ハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられるが、これらに限定されない。異なるハロゲン原子を有する2種以上のハロゲン含有化合物の組み合わせを用いることもできる。1つ以上の実施形態では、ハロゲン含有化合物は、炭化水素溶剤に可溶性とすることができる。他の実施形態では、重合媒体中に懸濁して触媒活性種を形成することができる炭化水素に不溶性のハロゲン含有化合物も有用であり得る。
ハロゲン含有化合物の適切なタイプとしては、ハロゲン元素、混合ハロゲン、ハロゲン化水素、有機ハロゲン化物、無機ハロゲン化物、金属ハロゲン化物、および有機金属ハロゲン化物が挙げられる。
ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。混合ハロゲンとしては、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、三塩化ヨウ素、および五フッ化ヨウ素が挙げられる。
ハロゲン化水素としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、およびヨウ化水素が挙げられる。
有機ハロゲン化物としては、塩化t-ブチル、臭化t-ブチル、ヨウ化t-ブチル、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、四塩化炭素、四臭化炭素、四ヨウ化炭素、クロロホルム、ブロモホルム、ヨードホルム、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、塩化ジフェニルメチル、臭化ジフェニルメチル、塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、塩化ベンジリデン、臭化ベンジリデン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、塩化トリメチルシリル、臭化トリメチルシリル、ヨウ化トリメチルシリル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、塩化プロピオニル、臭化プロピオニル、クロロギ酸メチル、およびブロモギ酸メチルが挙げられる。
無機ハロゲン化物としては、三塩化リン、三臭化リン、三ヨウ化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、三塩化ヒ素、三臭化ヒ素、三ヨウ化ヒ素、四塩化セレン、四臭化セレン、四塩化テルル、四臭化テルル、および四ヨウ化テルルが挙げられる。
金属ハロゲン化物としては、四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三臭化アンチモン、三ヨウ化アルミニウム、三フッ化アルミニウム、三塩化ガリウム、三臭化ガリウム、三ヨウ化ガリウム、三フッ化ガリウム、三塩化インジウム、三臭化インジウム、三ヨウ化インジウム、三フッ化インジウム、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、二塩化亜鉛、二臭化亜鉛、二ヨウ化亜鉛、および二フッ化亜鉛が挙げられる。
有機金属ハロゲン化物としては、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、臭化ジイソブチルアルミニウム、フッ化ジメチルアルミニウム、フッ化ジエチルアルミニウム、フッ化ジイソブチルアルミニウム、ヨウ化ジメチルアルミニウム、ヨウ化ジエチルアルミニウム、ヨウ化ジイソブチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二フッ化メチルアルミニウム、二フッ化エチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、セスキ塩化イソブチルアルミニウム、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、塩化ベンジルマグネシウム、トリメチルスズクロリド、トリメチルスズブロミド、トリエチルスズクロリド、トリエチルスズブロミド、ジ-t-ブチルスズジクロリド、ジ-t-ブチルスズジブロミド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジブロミド、トリブチルスズクロリド、およびトリブチルスズブロミドが挙げられる。
当該技術分野では、非配位性アニオンを含む化合物が知られている。一般に、非配位性アニオンは、立体障害のため、例えば触媒系の活性中心と配位結合を形成しない立体的にかさ高いアニオンである。典型的な非配位性アニオンとしては、テトラアリールボレートアニオンおよびフッ素化テトラアリールボレートアニオンが挙げられる。また、非配位性アニオンを含む化合物は、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオン、またはホスホニウムカチオン等の対カチオンを含む。典型的な対カチオンとしては、トリアリールカルボニウムカチオンおよびN,N-ジアルキルアニリニウムカチオンが挙げられる。非配位性アニオンと対カチオンを含む化合物の例としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、およびN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートが挙げられる。
非配位性アニオン前駆体としては、反応条件下で非配位性アニオンを生成できる化合物が挙げられる。典型的な非配位性アニオン前駆体としては、トリアリールホウ素化合物、BRが挙げられ、式中、Rはペンタフルオロフェニル基または3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等の電子求引性の強いアリール基である。
本発明に用いるランタニド系触媒組成物は、上記触媒成分の混合により形成することができる。1つ以上の活性触媒種は、ランタニド系触媒成分の混合によって生じるものと考えられるが、様々な触媒成分間の相互作用または反応の度合は、しっかりとした確実度をもっては知られていない。従って、「触媒組成物」という用語は、成分の単純混合物、物理的または化学的引力によって生じる様々な成分の錯体、成分の化学反応生成物、または上記の組み合わせを包含するために用いた。
上記ランタニド系触媒組成物は、広範囲の触媒濃度および触媒成分比にわたり共役ジエンを重合させてシス-1,4-ポリジエンを生成する高い触媒活性を有することができる。いくつもの要素が触媒成分のいずれか1つの最適濃度に影響を与え得る。例えば、触媒成分は相互作用して活性種を形成することができるので、いずれか1つの触媒成分の最適濃度も、他の触媒成分の濃度によって決まり得る。
1つ以上の実施形態では、アルキル化剤のランタニド化合物に対するモル比(アルキル化剤/Ln)は、約1:1〜約1,000:1、他の実施形態では約2:1〜約500:1、他の実施形態では約5:1〜約200:1まで変化させることができる。
アルキル化剤としてアルミノキサンと少なくとも1種の他の有機アルミニウム剤の両方を用いる実施形態では、アルミノキサンのランタニド化合物に対するモル比(アルミノキサン/Ln)は、5:1〜約1,000:1、他の実施形態では約10:1〜約700:1、他の実施形態では約20:1〜約500:1まで変化させることができ、少なくとも1種の他の有機アルミニウム化合物のランタニド化合物に対するモル比(Al/Ln)は、約1:1〜約200:1、他の実施形態では約2:1〜約150:1、他の実施形態では約5:1〜約100:1まで変化させることができる。
ハロゲン含有化合物のランタニド化合物に対するモル比は、ハロゲン含有化合物中のハロゲン原子のランタニド化合物中のランタニド原子に対するモル比(ハロゲン/Ln)に換算して記載すべきである。1つ以上の実施形態では、ハロゲン/Lnモル比は、約0.5:1〜約20:1、他の実施形態では約1:1〜約10:1、他の実施形態では約2:1〜約6:1まで変化させることができる。
さらに別の実施形態では、非配位性アニオンまたは非配位性アニオン前駆体のランタニド化合物に対するモル比(An/Ln)は、約0.5:1〜約20:1、他の実施形態では約0.75:1〜約10:1、他の実施形態では約1:1〜約6:1とすることができる。
ランタニド系触媒組成物は、様々な方法により形成することができる。
一実施形態では、ランタニド系触媒組成物は、触媒成分をモノマーおよび溶剤を含む溶液またはバルクモノマーに逐次的または同時に加えることにより、インサイチューで形成することができる。一実施形態では、まずアルキル化剤、次にランタニド化合物、用いる場合はハロゲン含有化合物、または非配位性アニオンもしくは非配位性アニオン前駆体を含む化合物の順で加えることができる。
別の実施形態では、ランタニド系触媒組成物を予備形成することができる。すなわち、触媒成分を重合系の系外で、モノマー非存在下または少量の少なくとも1種の共役ジエンモノマー存在下、適温で予備混合し、温度は約−20℃〜約80℃とすることができる。触媒を予備形成するのに用いることができる共役ジエンモノマーの量は、ランタニド化合物1モルあたり約1〜約500モル、他の実施形態では約5〜約250モル、他の実施形態では約10〜約100モルの範囲とすることができる。得られる触媒組成物は、重合させるモノマーに加える前に、所望により熟成させることができる。
さらに別の実施形態では、ランタニド系触媒組成物は二段階の方法を用いることにより形成することができる。第1段階は、モノマー非存在下または少量の少なくとも1種の共役ジエンモノマー存在下、適温で、アルキル化剤をランタニド化合物と混合することを含み、温度は約−20℃〜約80℃とすることができる。第1段階で用いるモノマーの量は、触媒の予備形成について上で説明したものと同様とすることができる。第2段階では、第1段階で形成した混合物およびハロゲン含有化合物、非配位性アニオン、または非配位性アニオン前駆体を、重合させるモノマーに逐次的または同時に加えることができる。
1つ以上の実施形態では、反応性ポリマーは、アニオン開始剤を用いることによりモノマーを重合させるアニオン重合により調製する。アニオン重合の重要な機構的特徴については、書籍(例えば、Hsieh,H.L.;Quirk,R.P.アニオン重合:原理と実際の応用;Marcel Dekker:ニューヨーク,1996)および総説(例えば、Hadjichristidis,N.;Pitsikalis,M.;Pispas,S.;Iatrou,H.;Chem.Rev.2001,101(12),3747‐3792)に記載されている。アニオン開始剤は、有利なことに、クエンチする前に、さらなる連鎖成長のため追加モノマーと反応することができるリビングポリマー、または官能化ポリマーをもたらす特定の官能化剤と反応することができるリビングポリマーを生成することができる。
本発明の実施は、いかなる特定のアニオン開始剤の選択によっても限定されない。1つ以上の実施形態では、用いるアニオン開始剤は、ポリマー鎖の頭部(すなわち、ポリマー鎖が開始する場所)に官能基を付与する官能性の開始剤である。特定の実施形態では、官能基は、1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、ケイ素原子、硫黄原子、スズ原子、およびリン原子)またはヘテロ環基を含む。特定の実施形態では、官能基は、官能基を含まないポリマーから調製した同様のカーボンブラック充填加硫物と比べ、官能基を含むポリマーから調製したカーボンブラック充填加硫物の50℃でのヒステリシスロスを低減する。
典型的なアニオン開始剤としては、有機リチウム化合物が挙げられる。1つ以上の実施形態では、有機リチウム化合物はヘテロ原子を含んでもよい。これらまたは他の実施形態では、有機リチウム化合物は1つ以上のヘテロ環基を含んでもよい。
有機リチウム化合物のタイプとしては、アルキルリチウム化合物、アリールリチウム化合物、およびシクロアルキルリチウム化合物が挙げられる。有機リチウム化合物の具体例としては、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、n-アミルリチウム、イソアミルリチウム、およびフェニルリチウムが挙げられる。他の例としては、臭化ブチルマグネシウムおよび臭化フェニルマグネシウム等のハロゲン化アルキルマグネシウム化合物が挙げられる。さらに他のアニオン開始剤としては、フェニルナトリウムおよび2,4,6-トリメチルフェニルナトリウム等の有機ナトリウム化合物が挙げられる。同様に検討されるのは、ポリマー鎖の両末端がリビング末端であるジリビングポリマーを生成させるアニオン開始剤である。かかる開始剤の例としては、1,3-ジイプロペニルベンゼンをsec-ブチルリチウムと反応させることにより調製したもの等のジリチオ開始剤が挙げられる。これらおよび関連する二官能性開始剤については、本明細書に参照により組み入れる米国特許第3,652,516号に記載されている。ラジカルアニオン開始剤を用いることもでき、ラジカルアニオン開始剤としては、本明細書に参照により組み入れる米国特許第5,552,483号に記載されるものが挙げられる。
特定の実施形態では、有機リチウム化合物としては、リチオへキサメチレンイミン等の環状アミン含有化合物が挙げられる。これらおよび関連する有用な開始剤については、本明細書に参照により組み入れる米国特許第5,332,810号、第5,329,005号、第5,578,542号、第5,393,721号、第5,698,646号、第5,491,230号、第5,521,309号、第5,496,940号、第5,574,109号、および第5,786,441号に開示されている。他の実施形態では、有機リチウム化合物としては、2-リチオ-2-メチル-1,3-ジチアン等のアルキルチオアセタールが挙げられる。これらおよび関連する有用な開始剤については、本明細書に参照により組み入れる米国特許出願公開公報第2006/0030657号、第2006/0264590号、および2006/0264589号に開示されている。さらに他の実施形態では、有機リチウム化合物としては、リチオ化t-ブチルジメチルプロポキシシラン等のアルコキシシリル含有開始剤が挙げられる。これらおよび関連する有用な開始剤については、本明細書に参照により組み入れる米国特許出願公開公報第2006/0241241号に開示されている。
1つ以上の実施形態では、用いるアニオン開始剤はトリ-n-ブチルスズリチウム等のトリアルキルスズリチウム化合物である。これらおよび関連する有用な開始剤については、本明細書に参照により組み入れる米国特許第3,426,006号および第5,268,439号に記載されている。
共役ジエンモノマーおよびビニル置換芳香族モノマーを含むエラストマー状のコポリマーをアニオン重合により調製する場合、共役ジエンモノマーおよびビニル置換芳香族モノマーは95:5〜50:50、または他の実施形態では90:10〜65:35の重量比で用いることができる。共重合におけるコモノマーのランダム化を促進し、ポリマーの(共役ジエンモノマーの1,2-結合等の)ミクロ構造を制御するため、一般的には極性の配位剤であるランダマイザーをアニオン開始剤とともに用いてもよい。
ランダマイザーとして有用な化合物としては、酸素または窒素ヘテロ原子および非結合電子対を有するものが挙げられる。典型的なランダマイザーのタイプとしては、鎖状および環状のオリゴマー状オキソラニルアルカン;モノおよびオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル(別名グリムエーテル);「クラウン」エーテル;第3級アミン;鎖状THFオリゴマー;アルカリ金属アルコキシド;ならびにスルホン酸アルカリ金属が挙げられる。鎖状および環状のオリゴマー状オキソラニルアルカンについては、本明細書に参照により組み入れる米国特許第4,429,091号に記載されている。ランダマイザーの具体例としては、2,2-ビス(2'-テトラヒドロフリル)プロパン、1,2-ジメトキシエタン、N,N,N'N'-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、テトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジピペリジルエタン、ジピペリジルメタン、へキサメチルホスホラミド、N,N'-ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリ-n-ブチルアミン、カリウムt-アミレート、4-ドデシルスルホン酸カリウム、およびその混合物が挙げられる。
用いるランダマイザーの量は、ポリマーの所望のミクロ構造、モノマーのコモノマーに対する比率、重合温度、および用いる特定のランダマイザーの性質等の様々な要因によって決まり得る。1つ以上の実施形態では、用いるランダマイザーの量は、アニオン開始剤1モルあたり0.05〜100モルの範囲とすることができる。
アニオン開始剤およびランダマイザーは、様々な方法により重合系へ導入することができる。1つ以上の実施形態では、アニオン開始剤およびランダム化剤は、逐次的にまたは同時に、重合させるモノマーへ、別々に加えることができる。他の実施形態では、アニオン開始剤およびランダム化剤は、重合系の系外でモノマー非存在下または少量のモノマー存在下で予備混合することができ、得られる混合物は、所望により熟成させることができ、その後、重合させるモノマーに加えることができる。
1つ以上の実施形態では、反応性ポリマーを調製するのに配位触媒を用いるかアニオン開始剤を用いるかにかかわらず、重合系への触媒または開始剤の送達を促進するため、触媒または開始剤を溶解または懸濁させるキャリアとして溶剤を用いることができる。他の実施形態では、キャリアとしてモノマーを用いることができる。さらに他の実施形態では、触媒または開始剤を、溶剤なしで、そのままの状態で用いることができる。
1つ以上の実施形態では、適切な溶剤としては、触媒または開始剤の存在下でのモノマーの重合中に重合されたり、成長ポリマー鎖へ組み込まれない有機化合物が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これら有機化学種は、常温および常圧で液体である。1つ以上の実施形態では、これら有機溶剤は、触媒または開始剤に対して不活性である。典型的な有機溶剤としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、および脂環式炭化水素等の沸点が低いまたは比較的低い炭化水素が挙げられる。芳香族炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびメシチレンが挙げられる。脂肪族炭化水素の非限定的な例としては、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、イソペンタン、イソヘキサン類、イソペンタン類、イソオクタン類、2,2-ジメチルブタン、石油エーテル、ケロシン、および石油スピリットが挙げられる。また、脂環式炭化水素の非限定的な例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンが挙げられる。上記炭化水素の混合物を用いることもできる。当該技術分野で公知のように、望ましくは、環境保護の理由で脂肪族および脂環式炭化水素を用いることができる。低沸点炭化水素溶剤は、通常、重合完了時にポリマーから分離する。
有機溶剤の他の例としては、パラフィン油、芳香油、または油展ポリマーによく用いられる他の炭化水素油等の高分子量の高沸点炭化水素が挙げられる。これら炭化水素は不揮発性であるので、通常分離を要さず、ポリマーに組み込んだまま残存する。
本発明による反応性ポリマーの生成は、共役ジエンモノマーを、任意で共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーと一緒に、触媒作用に効果的な量の触媒または開始剤の存在下で重合させることにより達成することができる。触媒または開始剤、共役ジエンモノマー、任意でコモノマー、および用いる場合いずれかの溶剤の導入で、反応性ポリマーを生成する重合混合物を形成する。用いる触媒または開始剤の量は、用いる触媒または開始剤のタイプ、成分の純度、重合温度、所望の重合速度および転化率、所望の分子量、ならびに多くの他の要素等の様々な要因の相互作用によって決まり得る。従って、特定の触媒または開始剤の量について、触媒作用に効果的な量の触媒または開始剤を用いることができるという以外は、断定的に示すことはできない。
配位触媒(例えば、ランタニド系触媒)を用いる1つ以上の実施形態では、用いる配位金属化合物(例えば、ランタニド化合物)の量は、モノマー100グラムあたり約0.001〜約2mmol、他の実施形態では約0.005〜約1mmol、さらに他の実施形態では約0.01〜約0.2mmolまで変化させることができる。
アニオン開始剤(例えば、アルキルリチウム化合物)を用いる他の実施形態では、アニオン開始剤の充填量は、モノマー100グラムあたり約0.05〜約100mmol、他の実施形態では約0.1〜約50mmol、さらに他の実施形態では約0.2〜約5mmolまで変化させることができる。
1つ以上の実施形態では、重合は相当量の溶剤を含む重合系の中で行うことができる。1つの実施形態では、重合させるモノマーおよび形成したポリマー両方が溶剤に可溶な溶液重合系を用いることができる。別の実施形態では、形成したポリマーが不溶性である溶剤を選択することにより、沈殿重合系を用いることができる。どちらの場合においても、触媒または開始剤の調製に用いることができる量の溶剤に加えて、通常ある量の溶剤を重合系に加える。追加の溶剤は、触媒または開始剤の調製に用いた溶剤と同一でも異なってもよい。典型的な溶剤については上で説明した。1つ以上の実施形態では、重合混合物の溶剤含量は、重合混合物の全重量を基準として20重量%より多く、他の実施形態では50重量%より多く、さらに他の実施形態では80重量%より多い。
他の実施形態では、用いる重合系は、溶剤をほぼ含まない、または必要最低限量の溶剤を含むバルク重合系を検討してもよい。当業者はバルク重合プロセス(すなわち、モノマーが溶剤としての機能を果たすプロセス)の利点を理解するので、重合系はバルク重合を行うことにより得られる利点に悪影響を与えるよりも少ない溶剤を含む。1つ以上の実施形態では、重合混合物の溶剤含量は、重合混合物の全重量を基準として約20重量%未満、他の実施形態では約10%未満、さらに他の実施形態では約5%未満とすることができる。別の実施形態では、重合混合物は、用いる原材料に内在するもの以外の溶剤を含まない。さらに別の実施形態では、重合混合物は、溶剤をほぼ欠いており、これはそうでなければ重合プロセスに相当の影響を与える量の溶剤が存在しないことを意味する。溶剤をほぼ欠いた重合システムとは溶剤をほぼ含まないということを意味することができる。特定の実施形態では、重合混合物は溶剤を欠いている。
重合は、当該技術分野で公知のいずれかの従来の重合槽中で行うことができる。1つ以上の実施形態では、溶液重合は、従来の撹拌槽型反応器で行うことができる。他の実施形態では、バルク重合は、とくにモノマー転化率が約60%未満である場合、従来の撹拌槽型反応器で行うことができる。さらに他の実施形態では、とくにバルク重合プロセスにおけるモノマー転化率が約60%より高い場合、これは通常高粘性セメントをもたらすが、バルク重合は、ピストンにより、またはほぼピストンにより重合下の粘性セメントを動かす細長い反応器で行うことができる。例えば、セメントを自浄式単軸スクリューまたは2軸スクリュー撹拌器により押し出す押出機がこの目的に適している。有用なバルク重合プロセスの例については、本明細書に参照により組み入れる米国特許出願公開公報第2005/0197474A1号に開示されている。
1つ以上の実施形態では、重合に用いる成分のすべてを単一槽(例えば、従来の撹拌槽型反応器)内で混合することができ、重合プロセスのすべての工程をこの槽内で行うことができる。他の実施形態では、成分の2つ以上を1つの槽で予備混合した後、モノマー(または少なくともその大部分)の重合を行うことができる別の槽に移すことができる。
重合はバッチプロセス、連続プロセス、または半連続プロセスで行うことができる。半連続プロセスでは、すでに重合させたモノマーと置換するため、必要に応じて断続的にモノマーを加える。1つ以上の実施形態では、重合が進む条件を制御し、重合混合物の温度を約−10℃〜約200℃、他の実施形態では約0℃〜約150℃、他の実施形態では約20℃〜約100℃の範囲内に維持することができる。1つ以上の実施形態では、重合熱は、熱的に制御された反応器ジャケットによる外部冷却、反応器に接続した還流冷却器を用いることによるモノマーの蒸発および液化による内部冷却、または上記2つの方法の組み合わせにより取り除くことができる。また、重合条件を制御し、約0.1気圧〜約50気圧、他の実施形態では約0.5気圧〜約20気圧、他の実施形態では約1気圧〜約10気圧の圧力下で重合を行うことができる。1つ以上の実施形態において、重合を行うことができる圧力としては、モノマーの大部分を確実に液相にする圧力が挙げられる。これらまたは他の実施形態では、重合混合物を嫌気条件下に維持してもよい。
重合が配位触媒系(例えば、ランタニドベースの系)により触媒されるかアニオン開始剤(例えば、アルキル開始剤)により開始されるかにかかわらず、得られるポリマー鎖のいくつかまたはすべては、重合混合物を失活させる前は、疑似リビングまたはリビング反応性末端を有することができる。上記のように、反応性ポリマーは、配位触媒を用いる場合疑似リビングポリマーまたはアニオン開始剤を用いる場合リビングポリマーと称することができる。1つ以上の実施形態では、反応性ポリマーを含む重合混合物は、活性重合混合物と称することができる。反応性末端を有するポリマー鎖の割合は、触媒または開始剤のタイプ、モノマーのタイプ、成分の純度、重合温度、モノマー転化率、および多くの他の要素等の様々な要因によって決まる。1つ以上の実施形態では、ポリマー鎖の少なくとも約20%は反応性末端を有し、他の実施形態ではポリマー鎖の少なくとも約50%が反応性末端を有し、さらに他の実施形態では、ポリマー鎖の少なくとも約80%が反応性末端を有する。いずれの場合も、反応性ポリマーを保護されたアミノ基を含むイミド化合物と反応させ、本発明の官能化ポリマーを形成することができる。
1つ以上の実施形態では、保護されたアミノ基を含むイミド化合物は、本明細書では簡単にイミド化合物と称することがあるが、イミド基と直接的にまたは間接的につながっている保護されたアミノ基を含む化合物を包含する。保護されたアミノ基は、親アミノ基(すなわち、−NH)の2つの酸性水素原子をヒドロカルビル基またはシリル基等の置換基で置き換えることにより形成または誘導されるアミノ基を包含する。
典型的なイミド基としては、フタルイミド基、マレイミド基、シトラコンイミド基、スクシンイミド基、1,8-ナフタルイミド基、2,3-ナフタルイミド基、1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド基、および1,2-シクロへキサンジカルボキシイミド基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら基は、以下の式により定義することができる。
保護されたアミノ基の典型的なタイプとしては、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ基、ビス(ジヒドロカルビルヒドロシリル)アミノ基、1-アザ-ジシラ-1-シクロヒドロカルビル基、(トリヒドロカルビルシリル)(ヒドロカルビル)アミノ基、(ジヒドロカルビルヒドロシリル)(ヒドロカルビル)アミノ基、1-アザ-2-シラ-1-シクロヒドロカルビル基、ジヒドロカルビルアミノ基、および1-アザ-1-シクロヒドロカルビル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ基の具体例としては、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、ビス(トリエチルシリル)アミノ基、ビス(トリイソプロピルシリル)アミノ基、ビス(トリ-n-プロピルシリル)アミノ基、ビス(トリイソブチルシリル)アミノ基、ビス(トリ-t-ブチルシリル)アミノ基、およびビス(トリフェニルシリル)アミノ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビス(ジヒドロカルビルヒドロシリル)アミノ基の具体例としては、ビス(ジメチルヒドロシリル)アミノ基、ビス(ジエチルヒドロシリル)アミノ基、ビス(ジイソプロピルヒドロシリル)アミノ基、ビス(ジ-n-プロピルヒドロシリル)アミノ基、ビス(ジイソブチルヒドロシリル)アミノ基、ビス(ジ-t-ブチルヒドロシリル)アミノ基、およびビス(ジフェニルヒドロシリル)アミノ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1-アザ-ジシラ-1-シクロヒドロカルビル基の具体例としては、2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル基、2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル基、2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル基、2,2,6,6-テトラメチル-1-アザ-2,6-ジシラ-1-シクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラエチル-1-アザ-2,6-ジシラ-1-シクロヘキシル基、および2,2,6,6-テトラフェニル-1-アザ-2,6-ジシラ-1-シクロヘキシル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(トリヒドロカルビルシリル)(ヒドロカルビル)アミノ基の具体例としては、(トリメチルシリル)(メチル)アミノ基、(トリエチルシリル)(メチル)アミノ基、(トリフェニルシリル)(メチル)アミノ基、(トリメチルシリル)(エチル)アミノ基、(トリエチルシリル)(フェニル)アミノ基、および(トリイソプロピルシリル)(メチル)アミノ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(ジヒドロカルビルヒドロシリル)(ヒドロカルビル)アミノ基の具体例としては、(ジメチルヒドロシリル)(メチル)アミノ基、(ジエチルヒドロシリル)(メチル)アミノ基、(ジイソプロピルヒドロシリル)(メチル)アミノ基、(ジ-n-プロピルヒドロシリル)(エチル)アミノ基、(ジイソブチルヒドロシリル)(フェニル)アミノ基、(ジ-t-ブチルヒドロシリル)(フェニル)アミノ基、および(ジフェニルヒドロシリル)(フェニル)アミノ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1-アザ-2-シラ-1-シクロヒドロカルビル基の具体例としては、2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル基、2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル基、2,2-ジフェニル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル基、2,2-ジイソプロピル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル基、2,2-ジブチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル基、および2,2-ジフェニル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジヒドロカルビルアミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、およびジシクロヘキシルアミノ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1-アザ-1-シクロヒドロカルビル基の具体例としては、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基、4-メチルピペラジニル基、および4-メチルホモピペラジニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1つ以上の実施形態では、保護されたアミノ基を含むイミド化合物は、式I:
で表すことができ、式中、RおよびRは、それぞれ独立して二価の有機基であり、RおよびRは、それぞれ独立して一価の有機基または加水分解性の基であるか、RおよびRは結合して二価の有機基を形成する。1つ以上の実施形態では、RおよびRが結合することにより形成される二価の有機基は、1つ以上の加水分解性の基を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、イミド化合物は、式II:
で表すことができ、式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して二価の有機基であり、RおよびRは、それぞれ独立して結合または加水分解性の基である。
1つ以上の実施形態では、一価の有機基としては、これらに限定されるものではないが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルカリール基、もしくはアルキニル基等のヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基を挙げることができる。置換ヒドロカルビル基は、1つ以上の水素原子をアルキル基等の置換基で置き換えたヒドロカルビル基を包含する。1つ以上の実施形態では、これら基は1個または基を形成するのに適当な最小個数〜20個の炭素原子を含むことができる。これら基は、これらに限定されるものではないが、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、スズ原子、およびリン原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、加水分解性の基は、非水環境すなわち水を欠いたまたはほぼ欠いた環境において比較的安定しており、従って窒素原子に化学的に結合したままである基または置換基を包含する。しかしながら、水、水分、または水もしくは水分を含む物質にさらされると、加水分解性の基または置換基は加水分解し、それにより窒素原子から切断される。その結果、加水分解性の基は水素原子で置換される。
典型的な加水分解性の基としては、トリヒドロカルビルシリル基およびジヒドロカルビルヒドロシリル基が挙げられる。トリヒドロカルビルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ-n-プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ-n-ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、トリ-t-ブチルシリル基、トリフェニルシリル基、およびt-ブチルジメチルシリル基が挙げられる。ジヒドロカルビルヒドロシリル基の具体例としては、ジメチルヒドロシリル基、ジエチルヒドロシリル基、ジ-n-プロピルヒドロシリル基、ジイソプロピルヒドロシリル基、ジ-n-ブチルヒドロシリル基、ジイソブチルヒドロシリル基、ジ-t-ブチルヒドロシリル基、およびジフェニルヒドロシリル基が挙げられる。触媒を用いて、保護されたアミノ基からシリル基を取り除くこともできる。適切な触媒としては、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩酸等の強酸、および四塩化チタン等のルイス酸が挙げられる。
1つ以上の実施形態では、二価の有機基としては、これらに限定されるものではないが、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキニレン基、もしくはアリーレン基等のヒドロカルビレン基または置換ヒドロカルビレン基を挙げることができる。ヒドロカルビレン基は、1つ以上の水素原子をアルキル基等の置換基で置き換えたヒドロカルビレン基を包含する。1つ以上の実施形態では、これら基は、2個または基を形成するのに適当な最小個数〜20個の炭素原子を含むことができる。これら基は、これらに限定されるものではないが、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、ケイ素原子、硫黄原子、スズ原子、およびリン原子等のヘテロ原子を1つ以上含んでもよい。
特定の実施形態では、式IのRおよびRはそれぞれ独立してシリル基であり、イミド化合物は、式III:
で表すことができ、式中、RおよびRは、それぞれ独立して二価の有機基であり、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、少なくとも1つのRと少なくとも1つのRは結合して二価の有機基を形成する。RおよびRが結合して二価の有機基を形成する場合、イミド化合物は、式IV:
で表すことができるが、式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して二価の有機基であり、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基である。
保護されたアミノ基を含むイミド化合物の典型的なタイプとしては、N-[ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノヒドロカルビル]イミド、N-[ビス(ジヒドロカルビルヒドロシリル)アミノヒドロカルビル]イミド、N-[(1-アザ-ジシラ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド、N-[(トリヒドロカルビルシリル)(ヒドロカルビル)アミノヒドロカルビル]イミド、N-[(ジヒドロカルビルヒドロシリル)(ヒドロカルビル)アミノヒドロカルビル]イミド、N-[(1-アザ-2-シラ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド、N-(ジヒドロカルビルアミノヒドロカルビル)イミド、およびN-[(1-アザ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミドが挙げられる。
N-[ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[2-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[2-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[2-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[4-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-ブチル]フタルイミド、N-[4-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-ブチル]フタルイミド、N-[4-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-ブチル]フタルイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]マレイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]マレイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]マレイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、N-[3-ビス(トリエチルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、およびN-[3-ビス(トリフェニルシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロへキサンジカルボキシイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N-[ビス(ジヒドロカルビルヒドロシリル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-[3-ビス(ジメチルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-ビス(ジフェニルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]マレイミド、N-[3-ビス(ジメチルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-ビス(ジフェニルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-ビス(ジエチルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-ビス(ジエチルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-ビス(ジメチルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、およびN-[3-ビス(ジエチルヒドロシリル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N-[(1-アザ-ジシラ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[2-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[2-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[4-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-ブチル]フタルイミド、N-[4-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-ブチル]フタルイミド、N-[4-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-ブチル]フタルイミド、N-[3-(2,2,6,6-テトラメチル-1-アザ-2,6-ジシラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2,6,6-テトラエチル-1-アザ-2,6-ジシラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2,6,6-テトラフェニル-1-アザ-2,6-ジシラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、N-[3-(2,2,5,5-テトラエチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、およびN-[3-(2,2,5,5-テトラフェニル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N-[(トリヒドロカルビルシリル)(ヒドロカルビル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-[3-(トリメチルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(トリフェニルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(トリメチルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(トリフェニルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(トリエチルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(トリエチルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(トリメチルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、およびN-[3-(トリエチルシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N-[(ジヒドロカルビルヒドロシリル)(ヒドロカルビル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-[3-(ジメチルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(ジフェニルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(ジメチルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(ジフェニルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(ジエチルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(ジエチルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(ジメチルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、およびN-[3-(ジエチルヒドロシリル)(メチル)アミノ-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N-[(1-アザ-2-シラ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-[3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2-ジフェニル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(2,2-ジフェニル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-[3-(2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、N-[3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]フタルイミド、N-[3-(2,2-ジフェニル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]マレイミド、N-[3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]シトラコンイミド、N-[3-(2,2-ジフェニル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]スクシンイミド、N-[3-(2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]-1,8-ナフタルイミド、N-[3-(2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]-2,3-ナフタルイミド、N-[3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、およびN-[3-(2,2-ジエチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロヘキシル)-1-プロピル]-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N-(ジヒドロカルビルアミノヒドロカルビル)イミド化合物の具体例としては、N-(3-ジメチルアミノ-1-プロピル)フタルイミド、N-(3-ジフェニルアミノ-1-プロピル)マレイミド、N-(3-ジメチルアミノ-1-プロピル)シトラコンイミド、N-(3-ジフェニルアミノ-1-プロピル)スクシンイミド、N-(3-ジエチルアミノ-1-プロピル)-1,8-ナフタルイミド、N-(3-ジエチルアミノ-1-プロピル)-2,3-ナフタルイミド、N-(3-ジメチルアミノ-1-プロピル)-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、およびN-(3-ジエチルアミノ-1-プロピル)-1,2-シクロへキサンジカルボキシイミドを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
N-[(1-アザ-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド化合物の具体例としては、N-(3-ピロリジニル-1-プロピル)フタルイミド、N-(3-ホモピペリジニル-1-プロピル)マレイミド、N-(3-ピロリジニル-1-プロピル)シトラコンイミド、N-(3-ホモピペリジニル-1-プロピル)スクシンイミド、N-(3-ピペリジニル-1-プロピル)-1,8-ナフタルイミド、N-(3-ピペリジニル-1-プロピル)-2,3-ナフタルイミド、N-(3-ピロリジニル-1-プロピル)-1,2-シクロペンタンジカルボキシイミド、N-(3-ピペリジニル-1-プロピル)-1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、N-[3-(4-メチルピペラジニル)-1-プロピル]フタルイミド、およびN-[3-(4-メチルホモピペラジニル)-1-プロピル]フタルイミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1つ以上の実施形態では、本発明を実施するのに用いるイミド化合物は、ガブリエル合成に用いるものと同様の技術を用いることにより、カリウムフタルイミド等の金属イミド塩を保護されたアミノ基を含む有機ハロゲン化合物と反応させることにより調製することができる。この反応は、N,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルアセトアミド等の極性の非プロトン性溶剤中で行い、有利な反応速度を達成することができる。
重合混合物に加えることができるイミド化合物の量は、重合を開始するのに用いる触媒または開始剤のタイプおよび量ならびに所望の官能化度等の様々な要素によって決まり得る。ランタニド系触媒を用いることにより反応性ポリマーを調製する1つ以上の実施形態では、用いるイミド化合物の量についてはランタニド化合物のランタニド金属を基準にして記載することができる。例えば、イミド化合物のランタニド金属に対するモル比は、約1:1〜約200:1、他の実施形態では約5:1〜約150:1、他の実施形態では約10:1〜約100:1とすることができる。
アニオン開始剤を用いることにより反応性ポリマーを調製するような他の実施形態では、用いるイミド化合物の量については開始剤に付随する金属カチオンの量を基準にして記載することができる。例えば、有機リチウム開始剤を用いる場合、イミド化合物のリチウムカチオンに対するモル比は、約0.3:1〜約2:1、他の実施形態では約0.6:1〜約1.5:1、他の実施形態では0.8:1〜約1.2:1とすることができる。
1つ以上の実施形態では、イミド化合物に加えて、重合混合物に共官能化剤を加えて、所望の特性を有する官能化ポリマーを生成させることもできる。2種以上の共官能化剤の混合物を用いることもできる。共官能化剤は、イミド化合物の導入の前、同時、または後に、重合混合物に加えることができる。1つ以上の実施形態では、共官能化剤はイミド化合物の導入の少なくとも5分後、他の実施形態では少なくとも10分後、他の実施形態では少なくとも30分後に重合混合物に加える。
1つ以上の実施形態では、共官能化剤としては、本発明により生成させた反応性ポリマーと反応し、それにより共官能化剤と反応していない成長鎖とは異なる官能基を有するポリマーをもたらすことができる化合物または試薬が挙げられる。官能基は、他の(成長および/または非成長)ポリマー鎖とまたはポリマーと混合することができる補強性充填剤(例えばカーボンブラック)等の他の成分とよく反応または相互作用することができる。1つ以上の実施形態では、共官能化剤と反応性ポリマーとの間の反応は、付加反応または置換反応によって進む。
有用な共官能化剤としては、2つ以上ポリマー鎖を一緒に結合することなくポリマー鎖の末端に単に官能基を付与する化合物、および官能性の結合によって2つ以上のポリマー鎖を一緒にカップリング乃至結合して単一高分子を生成させることができる化合物を挙げることができる。共官能化剤の後者のタイプは、カップリング剤と称することもできる。
1つ以上の実施形態では、共官能化剤としては、ポリマー鎖にヘテロ原子を加えるまたは与える化合物が挙げられる。特定の実施形態では、共官能化剤としては、ポリマー鎖に官能基を与え、非官能化ポリマーから調製した同様のカーボンブラック充填加硫物に比べて、官能化ポリマーから調製したカーボンブラック充填加硫物の50℃ヒステリシスロスを低減する官能化ポリマーを形成する化合物が挙げられる。1つ以上の実施形態では、このヒステリシスロスの低減は、少なくとも5%、他の実施形態では少なくとも10%、他の実施形態では少なくとも15%である。
1つ以上の実施形態では、適切な共官能化剤としては、本発明によって生成した反応性ポリマーと反応することができる基を含む化合物が挙げられる。典型的な共官能化剤としては、ケトン、キノン、アルデヒド、アミド、エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、イミン、アミノケトン、アミノチオケトン、および酸無水物が挙げられる。これら化合物の例については、本明細書に参照により組み入れる米国特許第4,906,706号、第4,990,573号、第5,064,910号、第5,567,784号、第5,844,050号、第6,838,526号、第6,977,281号、および第6,992,147号;米国特許出願公開公報第2006/0004131A1号、第2006/0025539A1号、第2006/0030677A1号、および第2004/0147694A1号;日本国特許出願第05‐051406A号、第05‐059103A号、第10‐306113A号、および11‐035633A号に開示されている。共官能化剤の他の例としては、米国特許第11/640,711号に記載されているアジン化合物、米国特許出願第11/710,713号に記載されるヒドロベンズアミド化合物、米国特許出願第11/710,845号に記載されるニトロ化合物、および米国特許出願第60/875,484号に記載される保護されたオキシム化合物が挙げられ、それらの開示はすべて本明細書に参照により組み入れる。
特定の実施形態では、用いる共官能化剤は、ハロゲン化金属、ハロゲン化半金属、アルコキシシラン、カルボン酸金属塩、カルボン酸ヒドロカルビル金属塩、ヒドロカルビル金属エステル−カルボキシレート、および金属アルコキシドとすることができる。
典型的なハロゲン化金属化合物としては、四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ、三塩化n‐ブチルスズ、三塩化フェニルスズ、二塩化ジ-n-ブチルスズ、二塩化ジフェニルスズ、塩化トリ-n-ブチルスズ、塩化トリフェニルスズ、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム、四ヨウ化ゲルマニウム、三塩化n-ブチルゲルマニウム、二塩化ジ-n-ブチルゲルマニウム、および塩化トリ-n-ブチルゲルマニウムが挙げられる。
典型的なハロゲン化半金属化合物としては、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、三塩化リン、三臭化リン、および三ヨウ化リンが挙げられる。
1つ以上の実施形態では、アルコキシシランは、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1つの基を含むことができる。
典型的なエポキシ基を含むアルコキシシラン化合物としては、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-グリシジルオキシプロピル)トリエトキシシラン、(3-グリシジルオキシプロピル)トリフェノキシシラン、(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジフェノキシシラン、[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン、および[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル]トリエトキシシランが挙げられる。
典型的なイソシアネート基を含むアルコキシシラン化合物としては、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン、(3-イソシアネートプロピル)トリエトキシシラン、(3-イソシアネートプロピル)トリフェノキシシラン、(3-イソシアネートプロピル)メチルジメトキシシラン、(3-イソシアネートプロピル)メチルジエトキシシラン、(3-イソシアネートプロピル)メチルジフェノキシシラン、および(イソシアネートメチル)メチルジメトキシシランが挙げられる。
典型的なカルボン酸金属塩化合物としては、四酢酸スズ、ビス(2-エチルヘキサン酸)スズ、およびビス(ネオデカン酸)スズが挙げられる。
典型的なカルボン酸ヒドロカルビル金属塩化合物としては、2-エチルヘキサン酸トリフェニルスズ、2-エチルヘキサン酸トリ-n-ブチルスズ、ネオデカン酸トリ-n-ブチルスズ、2-エチルヘキサン酸トリイソブチルスズ、ビス(2-エチルヘキサン酸)ジフェニルスズ、ビス(2-エチルヘキサン酸)ジ-n-ブチルスズ、ビス(ネオデカン酸)ジ-n-ブチルスズ、トリス(2-エチルヘキサン酸)フェニルスズ、およびトリス(2-エチルヘキサン酸)n-ブチルスズが挙げられる。
典型的なヒドロカルビル金属エステル−カルボキシレート化合物としては、ジ-n-ブチルスズビス(n-オクチルマレエート)、ジ-n-オクチルスズビス(n-オクチルマレエート)、ジフェニルスズビス(n-オクチルマレエート)、ジ-n-ブチルスズビス(2-エチルヘキシルマレエート)、ジ-n-オクチルスズビス(2-エチルヘキシルマレエート)、およびジフェニルスズビス(2-エチルヘキシルマレエート)が挙げられる。
典型的な金属アルコキシド化合物としては、ジメトキシスズ、ジエトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトラ-n-プロポキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラ-n-ブトキシスズ、テトライソブトキシスズ、テトラ-t-ブトキシスズ、およびテトラフェノキシスズが挙げられる。
重合混合物に加えることができる共官能化剤の量は、重合を開始するために用いる触媒または開始剤のタイプおよび量ならびに所望の官能化度等の様々な要素によって決まり得る。ランタニド系触媒を用いることにより反応性ポリマーを調製する1つ以上の実施形態では、用いる共官能化剤の量は、ランタニド化合物のランタニド金属を基準として記載することができる。例えば、共官能化剤のランタニド金属に対するモル比は、約1:1〜約200:1、他の実施形態では約5:1〜約150:1、他の実施形態では約10:1〜約100:1とすることができる。
アニオン開始剤を用いることにより反応性ポリマーを調製するような他の実施形態では、用いる共官能化剤の量は、開始剤に付随する金属カチオンの量を基準として記載することができる。例えば、有機リチウム開始剤を用いる場合、共官能化剤のリチウムカチオンに対するモル比は、約0.3:1〜約2:1、他の実施形態では約0.6:1〜約1.5:1、他の実施形態では0.8:1〜約1.2:1とすることができる。
用いる共官能化剤の量は、イミド化合物を基準として記載することもできる。1つ以上の実施形態では、共官能化剤のイミド化合物に対するモル比は、約0.05:1〜約1:1、他の実施形態では約0.1〜約0.8:1、他の実施形態では約0.2:1〜約0.6:1とすることができる。
1つ以上の実施形態では、所望のモノマー転化率を達成した後、重合混合物を停止剤により失活させる前に、イミド化合物(および任意で共官能化剤)を反応性ポリマーと反応させることができる。1つ以上の実施形態では、イミド化合物と反応性ポリマーとの間の反応は、ピーク重合温度に達した後30分以内に、他の実施形態では5分以内に、他の実施形態では1分以内に起こり得る。1つ以上の実施形態では、イミド化合物と反応性ポリマーとの間の反応は、ピーク重合温度に達すると起こり得る。他の実施形態では、イミド化合物と反応性ポリマーとの間の反応は、反応性ポリマーを貯蔵した後に起こり得る。1つ以上の実施形態では、反応性ポリマーは室温以下、不活性雰囲気下で貯蔵する。1つ以上の実施形態では、イミド化合物と反応性ポリマーとの間の反応は、約10℃〜約150℃、他の実施形態では約20℃〜約100℃で起こり得る。イミド化合物と反応性ポリマーとの間の反応を完了するのに要する時間は、反応性ポリマーを調製するのに用いる触媒または開始剤のタイプおよび量、イミド化合物のタイプおよび量、ならびに官能化反応を行う温度等の様々な要素によって決まる。1つ以上の実施形態では、イミド化合物と反応性ポリマーとの間の反応は、約10〜60分間行うことができる。
1つ以上の実施形態では、反応性ポリマーとイミド化合物(および任意で共官能化剤)との間の反応を達成または完了した後、重合混合物に停止剤を加え、残存する反応性のポリマー鎖および触媒または触媒成分を不活性化することができる。停止剤としては、これらに限定されるものではないが、アルコール、カルボン酸、無機酸、水、またはその混合物等のプロトン性化合物を挙げることができる。停止剤の添加と同時、その前、または後に、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等の酸化防止剤を加えてもよい。用いる酸化防止剤の量は、ポリマー生成物の0.2重量%〜1重量%の範囲内とすることができる。
重合混合物を失活させたら、当該技術分野で公知の脱溶剤および乾燥の従来方法を用いることにより、ポリマー生成物を重合混合物から回収することができる。例えば、ポリマーセメントを水蒸気脱溶剤し、次に得られたポリマークラムを熱風トンネル中で乾燥することにより、ポリマーを回収することができる。もう1つの方法として、ポリマーセメントをドラム乾燥機上で直接乾燥することにより、ポリマーを回収することができる。乾燥ポリマー中の揮発性物質の含量は、ポリマーの1重量%未満、他の実施形態では0.5重量%未満とすることができる。
反応性ポリマーとイミド化合物(および任意で共官能化剤)とが反応して新規官能化ポリマーを生成すると考えられるが、すべての実施形態で生成する官能化ポリマーの正確な化学構造は、とくにイミド化合物および任意で共官能化剤によりポリマー鎖の末端に付与された残基に関連する構造として、しっかりとした確実度をもっては分かっていない。実際、官能化ポリマーの構造は、反応性ポリマーを調製するのに用いる条件(例えば、触媒または開始剤のタイプおよび量)およびイミド化合物(および任意で共官能化剤)を反応性ポリマーと反応させるのに用いる条件(例えば、イミド化合物および共官能化剤のタイプおよび量)等の様々な要素によって決まり得ると推測される。
1つ以上の実施形態では、本発明によって調製した官能化ポリマーは、不飽和を含むことができる。これらまたは他の実施形態では、官能化ポリマーは加硫可能である。1つ以上の実施形態では、官能化ポリマーは、0℃未満、他の実施形態では−20℃未満、他の実施形態では−30℃未満のガラス転移温度(T)を有することができる。1つの実施形態では、これらポリマーは、単一のガラス転移温度を示すことができる。特定の実施形態では、ポリマーを水素化または部分水素化することができる。
1つ以上の実施形態では、本発明の官能化ポリマーは、シス-1,4結合をとるジエンマー単位数対総ジエンマー単位数に基づく割合で、60%より大きい、他の実施形態では約75%より大きい、他の実施形態では約90%より大きい、他の実施形態では約95%より大きいシス-1,4-結合含量を有するシス-1,4-ポリジエンとすることができる。また、これらポリマーは、1,2-結合をとるジエンマー単位数対総ジエンマー単位数に基づく割合で、約7%未満、他の実施形態では5%未満、他の実施形態では2%未満、他の実施形態では1%未満の1,2-結合含量を有することができる。残りのジエンマー単位は、トランス-1,4-結合とることができる。シス1,4-結合含量、1,2-結合含量、およびトランス-1,4-結合含量は、赤外分光法により測定することができる。これらポリマーの数平均分子量(M)は、標準ポリスチレンおよび対象のポリマーに対するMark-Houwink定数によって校正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定して、約1,000〜約1,000,000、他の実施形態では約5,000〜約200,000、他の実施形態では約25,000〜約150,000、他の実施形態では約50,000〜約120,000とすることができる。これらポリマーの多分散性(M/M)は約1.5〜約5.0、他の実施形態では約2.0〜約4.0とすることができる。
1つ以上の実施形態では、本発明の官能化ポリマーは、中程度または低シス-1,4‐結合含量を有するポリジエンとすることができる。これらポリマーは、アニオン重合法により調製することができるが、約10%〜60%、他の実施形態では約15%〜55%、他の実施形態では約20%〜約50%のシス-1,4‐結合含量を有することができる。これらポリジエンは、約10%〜約90%、他の実施形態では約10%〜約60%、他の実施形態では約15%〜約50%、他の実施形態では約20%〜約45%の1,2-結合を有することもできる。官能性のアニオン開始剤を用いることによりポリジエンを調製する特定の実施形態では、ポリマー鎖の頭部は官能性開始剤の残基である官能基を含む。
特定の実施形態では、本発明の官能化ポリマーは、1,3-ブタジエン、スチレン、および任意でイソプレンのコポリマーである。これらは、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーを含むことができる。
1つ以上の実施形態では、官能化ポリマーは、官能化ポリブタジエン、官能化ポリイソプレン、官能化ポリ(スチレン-co-ブタジエン)、官能化ポリ(スチレン-co-ブタジエン-co-イソプレン)、官能化ポリ(イソプレン-co-スチレン)、および官能化ポリ(ブタジエン-co-イソプレン)からなる群から選択されるアニオン重合ポリマーである。これらポリマーの数平均分子量(M)は、標準ポリスチレンおよび対象のポリマーのMark-Houwink定数によって校正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定して、約1,000〜約1,000,000、他の実施形態では約5,000〜約1,000,000、他の実施形態では約50,000〜約500,000、他の実施形態では約100,000〜約300,000とすることができる。これらポリマーの多分散性(M/M)は、約1.0〜約3.0、他の実施形態では約1.1〜約2.0とすることができる。
有利なことに、本発明の官能化ポリマーは、コールドフロー耐性が向上しており、ヒステリシスが低減されている加硫物を提供する。官能化ポリマーは、タイヤ部品の製造にとくに有用である。タイヤ部品は、官能化ポリマーを単独でまたは他のゴム状ポリマー(例えば、加硫してエラストマー特性を有する組成物を形成することができるポリマー)と一緒に用いることにより製造することができる。用いることができる他のゴム状ポリマーとしては、天然および合成のエラストマーが挙げられる。合成エラストマーは、通常、共役ジエンモノマーの重合から得る。これら共役ジエンモノマーは、ビニル置換芳香族モノマー等の他のモノマーと共重合させることができる。他のゴム状ポリマーは、エチレンの1種以上のα‐オレフィンおよび任意で1種以上のジエンモノマーとの重合から得ることができる。
有用なゴム状ポリマーとしては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン-co-イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン-co-プロピレン)、ポリ(スチレン-co-ブタジエン)、ポリ(スチレン-co-イソプレン)、ポリ(スチレン-co-イソプレン-co-ブタジエン)、ポリ(イソプレン-co-ブタジエン)、ポリ(エチレン-co-プロピレン-co-ジエン)、多硫化ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、およびそれらの混合物が挙げられる。これらエラストマーは、直鎖、分岐および星型等の無数の高分子構造を有することができる。ゴム配合に通常用いる他の成分を加えることもできる。
ゴム組成物は、無機および有機充填剤等の充填剤を含むことができる。有機充填剤としては、カーボンブラックおよびスターチが挙げられる。無機充填剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー(ケイ酸アルミニウム水和物)、およびそれらの混合物を挙げることができる。
硫黄または過酸化物系の硬化系等の、多数のゴム硬化剤(加硫剤とも称する)を用いることができる。硬化剤については、本明細書に参照により組み入れる、Kirk‐Othmer,化学技術百科事典,20巻,365‐468頁,(第3版、1982)、とくに加硫剤及び助剤,390‐402頁、およびA.Y.Coran,加硫,ポリマー科学及び工学百科事典,(第2版、1989)に記載されている。
用いることができる他の成分としては、促進剤、オイル、ワックス、スコーチ防止剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘着樹脂、補強性樹脂、ステアリン酸等の脂肪酸、しゃく解剤、および1種以上の追加ゴムが挙げられる。
これらゴム組成物は、トレッド、サブトレッド、ブラックサイドウォール、ボディプライスキン、ビードフィラー等のタイヤ部品の形成に有用である。好適には、官能化ポリマーをトレッドおよびサイドウォール配合物に用いる。1つ以上の実施形態では、これらのトレッド配合物は、配合物内のゴムの総重量を基準として、約10重量%〜約100重量%、他の実施形態では約35重量%〜約90重量%、他の実施形態では約50重量%〜約80重量%の官能化ポリマーを含むことができる。
1つ以上の実施形態では、加硫可能なゴム組成物は、ゴム成分および充填剤を含む初期マスターバッチを形成することにより調製することができる(ゴム成分は任意に本発明の官能化ポリマーを含む)。この初期マスターバッチは、約25℃〜約125℃の開始温度および約135℃〜約180℃の排出温度で混合することができる。早期加硫(別名スコーチ)を防止するため、この初期マスターバッチは加硫剤を含まないかもしれない。初期マスターバッチを処理したら、好適には加硫プロセスを開始させない最終混合段階において、加硫剤を低温で初期マスターバッチに導入およびブレンドすることができる。任意選択的に、リミルと称されることもある追加の混合段階を、マスターバッチ混合段階と最終混合段階との間で行うことができる。これらリミル中に、本発明の官能化ポリマーを含む様々な成分を加えることができる。ゴムの配合技術およびその中で用いる添加剤については、ゴム技術(第2版、1973)の中の「ゴムの配合及び加硫」に開示されるように一般に知られている。
米国特許第5,227,425号、第5,719,207号、第5,717,022号、および欧州特許第890,606号に記載されるように、シリカ充填タイヤ配合物に適用可能な混合条件および方法も周知であり、これらのすべては本明細書に参照により組み入れる。充填剤としてシリカを(単独でまたは他の充填剤と組み合わて)用いる1つ以上の実施形態では、混合中にカップリング剤および/または遮蔽剤をゴム配合物に加えることができる。有用なカップリング剤および遮蔽剤については、米国特許第3,842,111号、第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,674,932号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号、第6,608,145号、第6,667,362号、第6,579,949号、第6,590,017号、第6,525,118号、第6,342,552号、および第6,683,135号に開示されているが、これらは本明細書に参照により組み入れる。1つの実施形態では、本発明の官能化ポリマーおよびシリカを含むことにより、カップリング剤および遮蔽剤の実質非存在下で、初期マスターバッチを調製する。
タイヤ製造に加硫可能なゴム組成物を用いる場合、これら組成物は標準的ゴム成形、成型および硬化技術を含む一般的なタイヤ製造技術によってタイヤ部品に加工することができる。通常、加硫はモールド中において加硫可能な組成物を加熱することにより起こり、例えば、約140〜約180℃まで加熱することができる。硬化または架橋したゴム組成物は加硫物と称することができ、一般に熱硬化性である三次元ポリマーネットワークを含む。加工助剤および充填剤等の他の成分は、加硫ネットワークを通して均等に分散させることができる。本明細書に参照により組み入れる米国特許第5,866,171号、第5,876,527号、第5,931,211号、および第5,971,046号で論じられるようにして、空気タイヤを製造することができる。
本発明の実施を説明するため、以下の例を準備し、試験した。しかしながら、実施例は、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。特許請求の範囲が本発明を定義する。
・例1:N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド(BTMSAPPI)の合成
フラスコ中において、カリウムフタルイミド約4.60g、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-ブロモ-1-プロピルアミン6.37g、およびN,N-ジメチルホルムアミド15mLを混合した。フラスコを80℃に維持したオイルバス中に保持しながら、混合物を6時間かき混ぜた。N,N-ジメチルホルムアミドを真空下で取り除いた。残渣をシクロヘキサン90mLで抽出してろ過した。ろ液を真空下で蒸発させた。残渣をヘキサン80mLと共に粉砕し、ドライアイスで冷却した後ろ過して、白色の固体(5.95g、収率76%)としてN-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド(BTMSAPPI)を得た。生成物のH NMRデータ(C、25℃、テトラメチルシラン基準):δ7.41(多重線、2H、芳香族プロトン)、6.85(多重線、2H、芳香族プロトン)、3.44(三重線、J=7.1Hz、2H、CHプロトン)、2.81(多重線、2H、CHプロトン)、1.75(多重線、2H、CHプロトン)、0.06(単一線、18H、Si-CHプロトン)。
・例2:N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド(TMADSCPPI)の合成
フラスコ中においてカリウムフタルイミド約3.36g、1-(3-ブロモプロピル)-2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラシクロペンタン4.89g、およびN,N-ジメチルホルムアミド12mLを混合した。フラスコを75℃に維持したオイルバス中に保持しながら、混合物を5時間かき混ぜた。N,N-ジメチルホルムアミドを真空下で取り除いた。残渣をトルエン90mLで抽出してろ過した。ろ液を真空下で蒸発させた。残渣をヘキサン80mLと共に粉砕し、ドライアイスで冷却した後ろ過して、白色の固体(4.3g、収率68%)としてN-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド(TMADSCPPI)を得た。生成物のH NMRデータ(C、25℃、テトラメチルシラン基準):δ7.41(多重線、2H、芳香族プロトン)、6.81(多重線、2H、芳香族プロトン)、3.55(多重線、2H、CHプロトン)、2.79(多重線、2H、CHプロトン)、1.77(多重線、2H、CHプロトン)、0.70(単一線、4H、CH-Siプロトン)、0.06(単一線、12H、Si-CHプロトン)。
・例3:未変性シス-1,4-ポリブタジエンの合成
2ガロンの窒素でパージしたタービン撹拌翼を装備した反応器に、ヘキサン1383gおよび20.6重量%のブタジエンのヘキサン溶液3083gを加えた。予備形成触媒は、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液8.08ml、20.6重量%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液1.83g、0.537Mのバーサチック酸ネオジムのシクロヘキサン溶液0.65ml、1.0Mの水素化ジイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液7.33ml、および1.0Mの塩化ジエチルアルミニウムのヘキサン溶液1.40mlを混合することにより調製した。触媒を15分間熟成し、反応器に加えた。次に、反応器のジャケット温度を65℃にセットした。触媒添加の45分後、重合混合物を室温まで冷却した。得られたポリマーセメントを2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール5gを含むイソプロパノール12リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたポリマーのムーニー粘度(ML1+4)を、大ローター、予熱時間1分、および測定時間4分で、モンサント社のムーニー粘度計を用いて測定したところ、100℃で26.5であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したところ、ポリマーの数平均分子量(M)は111,800、重量平均分子量(M)は209,500、分子量分布(M/M)は1.87であった。ポリマーの赤外分光分析は、94.4%のシス-1,4-結合含量、5.1%のトランス-1,4-結合含量、および0.5%の1,2-結合含量を示した。
ポリマーのコールドフロー耐性を、スコット塑性試験機を用いることにより測定した。ポリマー約2.6gを100℃で20分間成型し、直径15mmおよび高さ12mmの円筒形ボタンとした。室温まで冷却した後、ボタンをモールドから取り出し、室温でスコット塑性試験機に入れた。試料に5kgの負荷をかけた。8分後、残存ゲージ(例えば、試料厚さ)を測定し、ポリマーのコールドフロー耐性の指標とした。一般に、残存ゲージ値が高い程、コールドフロー耐性が良好であることを示す。
未変性のシス-1,4-ポリブタジエンの特性を表1にまとめる。
・実施例4:未変性シス-1,4-ポリブタジエンの合成
2ガロンの窒素でパージしたタービン撹拌翼を装備した反応器に、ヘキサン1631gおよび22.4重量%のブタジエンのヘキサン溶液2835gを加えた。予備形成触媒は、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液6.10ml、22.4重量%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液1.27g、0.537Mのバーサチック酸ネオジムのシクロヘキサン溶液0.49ml、1.0Mの水素化ジイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液5.53ml、および1.0Mの塩化ジエチルアルミニウムのヘキサン溶液1.05mlを混合することにより調製した。触媒を15分間熟成し、反応器に加えた。次に、反応器のジャケット温度を65℃にセットした。触媒添加の72分後、重合混合物を室温まで冷却した。得られたポリマーセメントを2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール5gを含むイソプロパノール12リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたポリマーの特性を表1にまとめる。
・例5:N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド(BTMSAPPI)で変性したシス-1,4-ポリブタジエンの合成
2ガロンの窒素でパージしたタービン撹拌翼を装備した反応器に、ヘキサン1526gおよび21.6重量%のブタジエンのヘキサン溶液2940gを加えた。予備形成触媒は、4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液9.55ml、21.6重量%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液2.06g、0.537Mのバーサチック酸ネオジムのシクロヘキサン溶液0.77ml、1.0Mの水素化ジイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液8.67ml、および1.0Mの塩化ジエチルアルミニウムのヘキサン溶液1.65mlを混合することにより調製した。触媒を15分間熟成し、反応器に加えた。次に、反応器のジャケット温度を65℃にセットした。触媒添加の50分後、重合混合物を室温まで冷却した。
得られた未変性のポリマーセメント約424gを反応器から窒素パージした容器へ移し、0.220MのN-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド(BTMSAPPI)のトルエン溶液14.0mlを加えた。容器を65℃に維持した水槽中で25分間回転させた。得られた混合物を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたBTMSAPPI−変性ポリマーの特性を表1にまとめる。
・例6:N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド(TMADSCPPI)で変性したシス-1,4-ポリブタジエンの合成
実施例5で合成したリビングポリマーセメント約419gを反応器から窒素パージした容器へ移し、0.161MのN-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド(TMADSCP)のトルエン溶液18.9mlを加えた。容器を65℃に維持した水槽中で25分間回転させた。得られた混合物を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたTMADSCPPI−変性ポリマーの特性を表1にまとめる。
・例7(比較例):N-エチルフタルイミド(EPI)で変性したシス-1,4-ポリブタジエンの合成
実施例4で合成したリビングポリマーセメント約430gを反応器から窒素パージした容器へ移し、0.282MのN-エチルフタルイミド(EPI)のトルエン溶液11.1mlを加えた。容器を65℃に維持した水槽中で25分間回転させた。得られた混合物を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたEPI−変性ポリマーの特性を表1にまとめる。
図1では、例3〜7で合成した未変性および変性シス-1,4-ポリブタジエン試料のコールドフロー耐性をポリマーのムーニー粘度に対してプロットする。データは、同じポリマームーニー粘度では、BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性シス-1,4-ポリブタジエン試料が未変性のポリマーより残存コールドフローゲージ値が高く、従ってコールドフロー耐性がより良好であることを示している。その一方、EPI−変性シス-1,4-ポリブタジエン試料は、未変性のポリマーと比べてコールドフロー耐性の向上をもたらしていない。
・例8〜12:BTMSAPPI−変性、TMADSCPPI−変性およびEPI−変性シス1,4-ポリブタジエン対未変性のシス-1,4-ポリブタジエンの配合評価
例3〜7で生成させた未変性および変性シス-1,4-ポリブタジエン試料を、カーボンブラックを充填したゴム配合物において評価した。加硫物の組成を表2に示すが、表2中の数字はゴム100重量部あたりの重量部(phr)を表す。
未硬化配合物のムーニー粘度(ML1+4)を、大ローター、予熱時間1分、および測定時間4分で、アルファテクノロジーズ社のムーニー粘度計を用いることにより130℃で測定した。破断時引張強さ(T)および破断時伸び(E)は、ASTM D412によって測定した。加硫物のペイン効果のデータ(ΔG')およびヒステリシスのデータ(tanδ)は、50℃および15Hz、0.1%〜20%の歪み掃引で行った動的歪み掃引実験から得た。ΔG'は、歪み0.1%でのG'と歪み20%でのG'との差である。加硫物の物理的特性を表3および図2にまとめる。
表3および図2から分かるように、BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性シス-1,4-ポリブタジエン試料は、50℃で未変性のポリマーより低いtanδをもたらし、BTMSAPPIおよびTMADSCPPIでのシス-1,4-ポリブタジエンの変性はヒステリシスを低減することを示している。また、BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性シス-1,4-ポリブタジエン試料は、未変性のポリマーより低いΔG'をもたらし、変性ポリマーとカーボンブラックとの間のより強い相互作用のためペイン効果が低減したことを示している。その一方、EPI−変性シス-1,4-ポリブタジエン試料は、未変性のポリマーと比べてヒステリシスおよびペイン効果の有意な低減をもたらしていない。
・例13:未変性のポリ(スチレン-co-ブタジエン)の合成
5ガロンの窒素でパージしたタービン撹拌翼を装備した反応器に、ヘキサン5031g、33.0重量%のスチレンのヘキサン溶液1320g、および21.6重量%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液8064gを加えた。反応器に、1.6Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液11.34mlおよび1.6Mの2,2-ジ(テトラヒドロフリル)プロパンのヘキサン溶液3.74mlを加えた。反応器のジャケットに熱水を利用することにより、バッチを加熱した。バッチ温度が50℃に達したら、反応器ジャケットを冷水で冷却した。触媒添加の90分後、得られたリビングポリマーセメント約410gを反応器から窒素パージした容器へ移し、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.3gを含むイソプロパノール3mlの添加により、失活させた。得られた混合物を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。ポリマーのH NMR分析は、ポリマーのスチレン含量が20.6重量%で、1,2-結合含量(ブタジエン単位)が57.4%であることを示した。示差走査熱量測定法(DSC)により測定したところ、ポリマーのガラス転移温度(Tg)は−32℃であった。
未変性のポリ(スチレン-co-ブタジエン)のコールドフロー耐性を、スコット塑性試験機を用いることにより測定した。その方法は、試料に5kgの負荷をかけた30分後に残存ゲージ(すなわち、試料厚さ)を測定した以外は、例3に記載したものと同様である。
得られた未変性のポリ(スチレン-co-ブタジエン)の特性を表4にまとめる。
・例14:未変性のポリ(スチレン-co-ブタジエン)の合成
2ガロンの窒素でパージしたタービン撹拌翼を装備した反応器に、ヘキサン1597g、34.0重量%のスチレンのヘキサン溶液399g、および22.3重量%の1,3-ブタジエンのヘキサン溶液2440gを加えた。反応器に、1.6Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液2.58mLおよび1.6Mの2,2-ビス(2'-テトラヒドロフリル)プロパンのヘキサン溶液0.85mLを加えた。反応器のジャケットに熱水を利用することにより、バッチを加熱した。バッチ温度が55℃に達したら、反応器ジャケットを冷水で冷却した。触媒添加の2時間後、得られたポリマーセメントを反応器から取り出し、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール7gを含むイソプロパノール3ガロンで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られた未変性のSBRの特性を表4にまとめる。
・例15:N-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド(BTMSAPPI)で変性したポリ(スチレン-co-ブタジエン)の合成
例13で合成したリビングポリマーセメント約414gを反応器から窒素パージした容器へ移し、次に、0.220MのN-[3-ビス(トリメチルシリル)アミノ-1-プロピル]フタルイミド(BTMSAPPI)のトルエン溶液2.35mlを加えた。容器を65℃に維持した水槽中で15分間回転させた。得られた混合物を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたBTMSAPPI−変性ポリマーの特性を表4にまとめる。
・例16:N-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド(TMADSCPPI)で変性したポリ(スチレン-co-ブタジエン)の合成
例13で合成したリビングポリマーセメント約408gを反応器から窒素パージした容器へ移し、次に、0.161MのN-[3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)-1-プロピル]フタルイミド(TMADSCPPI)のトルエン溶液3.17mlを加えた。容器を65℃に維持した水槽中で15分間回転させた。得られた混合物を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3リットルで凝固させた後、ドラム乾燥させた。得られたTMADSCPPI−変性ポリマーの特性を表4にまとめる。
図3では、例13〜16で合成した未変性および変性ポリ(スチレン-co-ブタジエン)試料のコールドフロー耐性をポリマーのムーニー粘度に対してプロットする。データは、同じポリマームーニー粘度では、BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性ポリ(スチレン-co-ブタジエン)試料が未変性のポリマーより残存コールドフローゲージ値が高く、従ってコールドフロー耐性がより良好であることを示している。
・例17〜20:BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性ポリ(スチレン-co-ブタジエン)対未変性のポリ(スチレン-co-ブタジエン)の配合評価
例13〜16で生成させた未変性および変性ポリ(スチレン-co-ブタジエン)試料を、カーボンブラックを充填したゴム配合物において評価した。加硫物の組成を表5に示すが、表5中の数字はゴム100重量部あたりの重量部(phr)を表す。
未硬化配合物のムーニー粘度(ML1+4)を、大ローター、予熱時間1分、および測定時間4分で、アルファテクノロジーズ社のムーニー粘度計を用いることにより、100℃で測定した。破断時引張強さ(T)および破断時伸び(E)は、ASTM D412によって測定した。加硫物のペイン効果のデータ(ΔG')およびヒステリシスのデータ(tanδ)は、60℃および10Hzで、0.25%〜15%の歪み掃引で行った動的歪み掃引実験から得た。ΔG'は、歪み0.25%でのG'と歪み14%でのG'との差である。加硫物の物理的特性を表6および図4にまとめる。
表6および図4から分かるように、BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性ポリ(スチレン-co-ブタジエン)試料は、60℃で未変性のポリマーより低いtanδをもたらし、BTMSAPPIおよびTMADSCPPIでのポリ(スチレン-co-ブタジエン)の変性はヒステリシスを低減することを示している。また、BTMSAPPI−変性およびTMADSCPPI−変性ポリ(スチレン-co-ブタジエン)試料は、未変性のポリマーより低いΔG'をもたらし、このことは、変性ポリマーとカーボンブラックとの相互作用のためペイン効果が低減されたことを示す。
本発明の範囲および概念から逸脱しない様々な修正および変更は当業者に明らかとなるだろう。本発明は本明細書に記載した例示的な実施形態に正規に限定されるものではない。

Claims (13)

  1. (i)反応性鎖末端を有するリビングまたは疑似リビングポリマーを調製する工程と、
    (ii)前記反応性鎖末端下記式:
    [式中、R およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して一価の有機基または加水分解性の基であるか、R およびR は結合して二価の有機基を形成する]、
    [式中、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して結合または加水分解性の基である]、
    [式中、R およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、少なくとも1つのR および少なくとも1つのR は結合して二価の有機基を形成する]、および
    [式中、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して水素原子または一価の有機基である]の1つ以上で定義されるイミド化合物と反応させる工程と
    を含み、
    前記ポリマーを調製する工程が、共役ジエンモノマーおよび任意でそれと共重合可能なモノマーを重合させることを含み、該重合工程が、配位触媒系またはアニオン開始剤を用いることを含む、官能化ポリマーの調製方法。
  2. およびR の少なくとも1つが加水分解性の基である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記加水分解性の基が、トリヒドロカルビルシリル基およびジヒドロカルビルヒドロシリル基からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記イミド化合物が、N-[ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物、N-[ビス(ジヒドロカルビルヒドロシリル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物、N-[(1-アザ-ジシラ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド化合物、N-[(トリヒドロカルビルシリル)(ヒドロカルビル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物、N-[(ジヒドロカルビルヒドロシリル)(ヒドロカルビル)アミノヒドロカルビル]イミド化合物、N-[(1-アザ-2-シラ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド化合物、N-(ジヒドロカルビルアミノヒドロカルビル)イミド化合物、およびN-[(1-アザ-1-シクロヒドロカルビル)ヒドロカルビル]イミド化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記鎖末端を反応させる工程を、前記ポリマーを失活させる前に行う、請求項1に記載の方法。
  6. 前記配位触媒系がランタニド系の触媒系を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ランタニド系の触媒系が、(a)ランタニド化合物、(b)アルキル化剤、および(c)ハロゲン含有化合物を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記アルキル化剤が、アルミノキサンおよび式:AlR3−n[式中、各Rは、同一でも異なってもよく、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合した一価の有機基であり、各Xは、同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基であり、nは1〜3の整数である]で表される有機アルミニウム化合物を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ポリマーを調製する工程を、20重量%未満の有機溶剤を含む重合混合物中で行う、請求項1に記載の方法。
  10. 前記イミド化合物の前記ランタニド化合物のランタニド金属に対するモル比が1:1200:1である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記ポリマーを調製する工程が、アニオン開始剤を用いることを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記アニオン開始剤が有機リチウム化合物を含み、
    前記有機リチウム化合物が、アルキルリチウム化合物、アリールリチウム化合物、ヘテロ環式リチウム化合物、およびトリアルキルスズリチウム化合物からなる群から選択される、
    請求項1に記載の方法。
  13. (i)共役ジエンモノマー、任意でそれと共重合可能なモノマー、および触媒または開始剤を導入して重合混合物を形成する工程と、
    (ii)該重合混合物を失活させる前に、該重合混合物イミド化合物を加える工程と
    を含み、
    前記イミド化合物が、下記式:
    [式中、R およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して一価の有機基または加水分解性の基であるか、R およびR は結合して二価の有機基を形成する]、
    [式中、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して結合または加水分解性の基である]、
    [式中、R およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、少なくとも1つのR および少なくとも1つのR は結合して二価の有機基を形成する]、および
    [式中、R 、R 、およびR はそれぞれ独立して二価の有機基であり、R およびR はそれぞれ独立して水素原子または一価の有機基である]の1つ以上で定義される
    官能性ポリマーの調製方法。
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