JPH0615598B2 - 共重合体の製造方法 - Google Patents

共重合体の製造方法

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JPH0615598B2
JPH0615598B2 JP60203360A JP20336085A JPH0615598B2 JP H0615598 B2 JPH0615598 B2 JP H0615598B2 JP 60203360 A JP60203360 A JP 60203360A JP 20336085 A JP20336085 A JP 20336085A JP H0615598 B2 JPH0615598 B2 JP H0615598B2
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一郎 岩間
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、共重合体の製造方法に関し、更に詳細にはマ
クロモノマーとビニル化合物および/または共役ジエン
化合物とを特定の条件下でラジカル共重合することによ
り、共重合体からなる均一で、かつ分散安定性に優れた
水性乳化分散体を製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、マクロモノマーとビニル化合物または共役ジエン
化合物とを共重合してグラフト共重合体を製造する方法
については、多々提案されており、例えばアニオン重
合法により第1番目のモノマーを重合した後、該重合体
末端にラジカル重合可能な官能基を導入してマクロモノ
マーを構成し、次いでこのようにして得られたマクロモ
ノマーと第2番目のモノマーとをラジカル共重合するこ
とによって、グラフト共重合体を製造する方法がある
(特開昭52−144086号公報、特公昭53−45
358号公報、特公昭54−10996号公報参照)。
また、他の方法としては、チオグリコール酸を連鎖移
動剤としてスチレン、メチルメタクリレートなどとラジ
カル重合を行い、次いで得られる高分子末端のカルボキ
シル基を例えばメタクリル酸グリシジルと反応させて、
高分子末端にメタクリル基を有するマクロモノマーを合
成し、更に得られたマクロモノマーと第2番目のモノマ
ーとをラジカル共重合することによって、グラフト共重
合体を製造する方法が提案されている(特公昭43−1
1224号公報、特開昭58−164656号公報参
照)。
これらあるいはで得られるグラフト共重合体の製造
方法においては、マクロモノマーと第2番目のモノマー
の両者が約一に溶解する溶媒中でラジカル共重合を行う
溶液重合法が一般に採用されており、そのほかマクロモ
ノマーを第2番目のモノマーなどに溶解した後、分散剤
を使用してラジカル開始剤の存在下に懸濁重合法により
共重合体を得る方法も知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの共重合体の製造方法では、グラ
フト共重合体の溶液(溶液重合法)あるいは粒子径の大
きいビーズ状のグラフト共重合体(懸濁重合法)は得ら
れるが、粒子径の細かい水性乳化分散体を得ることはで
きない。
一方、粒子径の細かい水性乳化分散体は、一般的にラテ
ックスとして知られ、ABS樹脂などの耐衝撃性改良
剤、塗料、バインダー、紙加工用材料、自動車タイヤ用
接着剤、繊維処理剤、建築用防水剤、ワックス、各種工
業部品などに使用され、工業的に非常に有益な重合体で
ある。
このように水性乳化分散体を得るために、前記の如き従
来の技術により予め生成したグラフト共重合体を水性乳
化分散体にするには、該グラフト共重合体をまず溶媒に
溶解し、これに乳化剤(石鹸など)を添加し、超音波も
しくは高剪断力を加えることによって乳化し、水性乳化
分散体となすことは可能である。
しかし、このようにして得られる水性乳化分散体は、乳
化分散工程が必要なため製造コストが高くなり、また水
性乳化分散体の安定性が劣り、更に部分的に架橋したグ
ラフト共重合体は乳化できない、などの欠点を有してい
る。
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたもの
で、マクロモノマーとビニル化合物および/または共役
ジエン化合物とを効率よくグラフト共重合するととも
に、均質で分散安定性に優れた共重合体水性乳化分散体
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、少なくとも1種のスチレン系単量体をアニオ
ン重合開始剤の存在下に重合し、末端に(メタ)アクリ
ロイル基を導入して得られ、予め水性乳化したマクロモ
ノマー(A)と、ビニル化合物および/または共役ジエ
ン化合物(B)、あるいは該化合物(B)の水性乳化分
散体とを、ラジカル開始剤により共重合することを特徴
とする共重合体の製造方法を提供するものである。
本発明において、マクロモノマー(A)の重量平均分子
量は、好ましくは1,000〜1,000,000、更
に好ましくは3,000〜50,000であり、1,0
00未満ではグラフト共重合体にした場合マクロモノマ
ーの性質がグラフト共重合体の性質に反映され難く、一
方1,000,000を超えると共重合するビニル化合
物および/または共役ジエン化合物(B)の性質が反映
され難い。
また、かかるマクロモノマー(A)は、その末端に前記
一般式(I)中のAで表される、ラジカル共重合可能な
アクリルエステル基、メタクリルエステル基などの末端
重合性官能基を有するものである。
かかるマクロモノマー(A)の具体例としては、 下記一般式(I)で表されるものを例示することができ
る。
(X)−A・・・・・(I) (式中、Xはスチレン誘導体単位を示し、Aは(メタ)
アクリロイル基を含有する基を示し、nは10〜10,
000の整数を示す。) ここで、Xは、スチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのスチレン
誘導体単位の1種または2種以上から構成されており、
またnは10〜10,000、好ましくは30〜500
の整数である。
前記マクロモノマー(A)は、例えば少なくとも1種の
アニオン重合性単量体をアニオン重合開始剤の存在下に
重合させて一官能性リビングポリマーを形成させ、次い
で該一官能性リビングポリマーを共重合し得る末端基を
含む停止剤と反応させるか(特公昭53−45358号
公報、特公昭54−10996号公報など)などの公知
の方法によって容易に製造することが可能である。
本発明において、かかるマクロモノマー(A)をグラフ
ト共重合に先立ち、予め水性乳化することが必要であ
る。
マクロモノマー(A)は、末端基に末端重合性官能基が
結合している以外、実質的に通常の高分子と異ならない
ため、主鎖が親水性の繰り返し構造単位を有しない限
り、一般的に水に不溶性である。このため、マクロモノ
マー(A)を水性乳化しても、生成するミセル中のマク
ロモノマー(A)は、水に溶解して化合物(B)のミセ
ルに移行することはないのに対して、化合物(B)はモ
ノマーであるため比較的容易に水相中に溶解もしくは拡
散してマクロモノマー(A)のミセル中に到達する。
本発明は、かかるマクロモノマー(A)と化合物(B)
との水性媒体中での溶解挙動の基づいてなされたもの
で、共重合するに際して予めマクロモノマー(A)を水
性乳化することを必須とするものである。
マクロモノマー(A)と化合物(B)とを共重合するに
際し、マクロモノマー(A)と化合物(B)とを同時に
水性乳化しても、マクロモノマー(A)の乳化効率が悪
く、微細な均一な共重合体水性乳化分散体を得ることが
困難であり、またマクロモノマー(A)を水性乳化する
ことなくグラフト共重合に供すると実質的に懸濁重合と
なり、水性乳化分散体を得ることができない。
グラフト共重合に先立ち、予めマクロモノマー(A)を
水性乳化することにより、水に不溶あるいは極めて難溶
のマクロモノマー(A)は微細なミセルを構成し、これ
に化合物(B)もしくはこの水性乳化分散体を加える
と、化合物(B)はモノマーであるため水中に(ラジカ
ル開始剤とともに)一旦溶解もしくは拡散してマクロモ
ノマー(A)のミセルの到達し、ここでグラフト共重合
を開始するものと推論される。
従って、本発明において予めマクロモノマー(A)を水
性乳化しない場合には、本発明の目的を達することはで
きない。
ここで、マクロモノマー(A)を予め水性乳化し、水性
乳化分散体を調製するための乳化剤としては、乳化分散
が可能な限り特に制限されるものではなく、通常乳化剤
として使用されるものが用いられる。
これらの乳化剤の具体例としては、例えばドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホ
ン酸のホルマリン縮合物などのアニオン系乳化剤を挙げ
ることができ、更にポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、
ソルビタンモノステアレートなどの非イオン系界面活性
剤を併用することも可能である。
かかるマクロモノマー(A)を水性乳化するに際して
は、水100重量部当たり、通常、マクロモノマー
(A)が0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量
部、前記乳化剤が0.1〜10重量部、好ましくは1〜
5重量部使用される。
また、マクロモノマー(A)の水性乳化分散体の調製
は、通常、マクロモノマー(A)を溶媒に溶解した後、
前記乳化剤を加え、次いで水の存在下にホモミキサー、
マントンガウリンホモジナイザー、超音波などの高剪断
力を作用させることによって行われる。
次に、本発明に使用されるビニル化合物(B)として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのスチレ
ン誘導体;メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、ポリフロロアクリレート、
メタクリル酸、アクリル酸などの(メタ)アクリル酸誘
導体;アクリロニトリル、α,α′−ジシアノエチレ
ン、シアノエチルアクリレートなどのニトリル化合物;
酢酸ビニル、塩化ビニル、弗化エチレン、イソブチレ
ン、アクリルアミド、4−ビニルピリジンなどのオレフ
ィン化合物などを挙げることができ、また共役ジエン化
合物(B)としては、例えばブタジエン、イソプレン、
ピペリレン、クロロプレンを挙げることができる。
これら化合物(B)は、1種単独で使用することもまた
2種以上を併用することもできる。
本発明においては、前記のようにマクロモノマー(A)
を共重合に先立ち、水性乳化することが必須であり、化
合物(B)は共重合に際し予め水性乳化しても、あるい
は水性乳化せずともよい。
水性乳化する場合には、前記マクロモノマー(A)の水
性乳化と同様にして実施することができ、通常、水10
0重量部当たり化合物(B)1〜50重量部、好ましく
は5〜30重量部、乳化剤0.1〜10重量部、好まし
くは1〜5重量部使用される。
マクロモノマー(A)と化合物(B)とを共重合するに
際しては、両者の使用割合は、得られる共重合体の使用
目的により任意の割合で共重合させることができるが、
通常、マクロモノマー(A)100重量部に対して、好
ましくは化合物(B)1〜5,000重量部、更に好ま
しくは10〜1,000重量部程度である。
共重合に使用されるラジカル開始剤としては重合温度な
どの条件に適する化合物であれば特に制限はなく、例え
ばベンゾイル−オキサイド、ジ−tert−ブチルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチ
ルクミルパーオキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムなどの過酸化物およびアゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスシクロヘキサン、カルボニトリルなどの
アゾ化合物などを用いることができる。
そのほか、過酸化物と還元性物質を組み合わせた酸化還
元系開始剤を使用することもでき、更に光や熱によるラ
ジカル共重合も可能である。
この際のラジカル開始剤の使用量は、化合物(B)1モ
ル当たり0.1〜50ミリモル、好ましくは1〜10ミ
リモルである。
また、ラジカル共重合温度は、通常の乳化ラジカル共重
合と同様であり、5〜100℃、好ましくは5〜70で
ある。
更に、ラジカル共重合に使用される水の量は、重合時お
よび重合後の水性乳化分散体が安定であれば特に制限は
なく、通常、マクロモノマー(A)および化合物(B)
の合計100重量部当たり100〜10,000重量
部、好ましくは150〜1,000重量部程度使用され
る。
本発明によって得られる共重合体は、極めて微細な粒子
径のミセルを形成しており、均質でかつ分散安定性の良
い水性乳化分散体となされているため、そのままで例え
ばABS樹脂などの耐衝撃性改良剤、塗料、バインダ
ー、紙加工用材料、自動車タイヤ用接着剤、繊維処理
剤、建築用防水剤、ワックス、そのほか各種工業用途に
使用できる。
〔作用〕
本発明は、本質的に水の難溶性のマクロモノマー(A)
をまず水性乳化することによって、極めて微細なミセル
となし、これに化合物(B)を加えて共重合することに
より、前記ミセル上で化合物(B)をグラフト重合さ
せ、よって均一でかつ分散安定性の良好なグラフト共重
合体の水性乳化分散体を得るものである。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 マクロモノマー(A)の調製 特公昭53−45358号公報の参考例8に準じてステ
ンレス製の反応器内にベンゼン1.2を仕込み、反応
器内の温度を40℃に加熱し、次いで反応器内にsec
−ブチルリチウム1.0モル/を含むヘキサン溶液を
合計19.5ml添加し、更に精製スチレンを合計30
0g除々に添加して温度を50℃に保って重合した。ス
チレン重合後、エチレンオキサイドを1.2g添加して
キャッピング処理を行った後、次いでメタクリル酸クロ
ライド3.0mlを添加することにより、末端にメタク
リレートが付加したスチレンマクロモノマーが得られ
た。
このスチレンマクロモノマーの重量平均分子量は9,4
00、重量平均分子量/数平均分子量=1.04、末端
メタクリレート官能基の割合は86%であった。
マクロモノマーの水性乳化分散体の調製 500mlのビーカーに蒸留水375gを入れて、これ
にラウリル硫酸ナトリウム15gを溶解させた。更に、
これに58.1gのトルエンに溶解した前記スチレンマ
クロモノマー14.5gをゆっくりと撹拌しつつ加え、
次いでビーカーに超音波発振機を入れて約30分間超音
波を照射することによってスチレンマクロモノマーの水
性乳化分散体を得た。このスチレンマクロモノマーの水
性乳化分散体の粒子径をナノサイザー(コール社製、モ
デルN4、以下同じ)により測定したところ、0.24
μmであった。
共重合 300mlの耐圧瓶に31.8gの前記スチレンマクロ
モノマー水性乳化分散体(スチレンマクロモノマー1.
0g含有)とブチルアクリレート1.0gとベンゾイル
パーオキサイド0.05gとを加え、回転重合槽におい
て重合温度70℃で1時間重合したところ、均一で分散
安定性の優れた分散体が得られた。
重合終了後、乳化分散体中の固形分を測定したところ、
6.59重量%であり、ブチルアクリレートの重合転化
率は13%であった。この共重合体の乳化分散体の粒子
径をナノサイザーにより測定したところ、0.25μm
であった。
生成した乳化分散体の一部を採取し、1重量%の2,6
−ジ−tert−ブチルヒドロオキシトルエン(BH
T)を含むエタノールにて凝固した後、50℃の温度に
保たれた真空乾燥機(真空圧;1mmHg以下)にて27
時間乾燥した。
乾燥後、テトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により分子量を測
定した。なお、この際の検出器としては、屈折率法(R
I法)と紫外線吸収法(UB法)に基づく2種類を用い
て測定した。
このGPCチャートを、第1図に示す。
第1図において、横軸はカウント数であり、また縦軸
は、RI法の場合には屈折率の変化を、UV法の場合に
は吸光度(UVの吸光度)の変化を示している。即ち、
第1図の実線はRI法による濃度変化を示し、破線はU
V法(紫外線波長;254mμ)による濃度変化を示し
ている。
そして、RI法では総重合体の濃度の変化に対応してお
り、UV法ではポリスチレンの吸収に対応している。
第1図から明らかなように、生成共重合体は、RI法、
UV法とも同じような挙動を示しており、また高分子側
にポリスチレンが存在していることを示しており、この
事実はスチレンマクロモノマーとブチルアクリレートと
が共重合していることを示唆するものである。
このことは、後記する実施例2〜4に対応する第2〜4
図においても同様である。
なお、本実施例で得られたグラフト共重合体の重量平均
分子量は93,000であり、重量平均分子量/数平均
分子量=4.4であった。
実施例2 実施例1のブチルアクリレート量を2gに、ベンゾイル
パーオキサイド量を0.1gに増量した以外、実施例1
と同様にして重合、後処理を行った。得られた乳化分散
体の固形分量は11.1重量%であり、ブチルアクリレ
ートの転化率は87%、グラフト共重合体の重量平均分
子量は199,000、であり、重量平均分子量/数平
均分子量=3.0であった。この共重合体のGPCチャ
ートを第2図に示す。
この共重合体の乳化分散体をナノサイザーにより測定し
た結果、粒子径は0.31μmであった。
実施例3 実施例1のブチルアクリレート量を4gに、ベンゾイル
パーオキサイド量を0.2gに増量した以外、実施例1
と同様にして重合、後処理を行った。得られた乳化分散
体の固形分量は13.7重量%であり、ブチルアクリレ
ートの転化率は73%、グラフト共重合体の重量平均分
子量は324,000、であり、重量平均分子量/数平
均分子量=3.4であった。この共重合体のGPCチャ
ートを第3図に示す。
この共重合体の乳化分散体をナノサイザーにより測定し
た結果、粒子径は0.35μmであった。
実施例4 実施例1のブチルアクリレート量を20gに、ベンゾイ
ルパーオキサイド量を0.2gに増量した以外、実施例
1と同様にして重合、後処理を行った。得られた乳化分
散体の固形分量は23.5重量%であり、ブチルアクリ
レートの転化率は51%、グラフト共重合体の重量平均
分子量は1,050,000であり、重量平均分子量/
数平均分子量=5.6であった。
この共重合体のGPCチャートを第4図に示す。
この共重合体の乳化分散体をナノサイザーにより測定し
た結果、粒子径は0.45μmであった。
以上の実施例1〜4までで得られた共重合体の乳化分散
体は、いずれも安定であり、かつポリエステルビロード
により濾過したところ、凝固物は極少量しか認められな
かった。
実施例5 マクロモノマーの調製 山下らの方法〔ポリマー ジャーナル(Polymer Journa
l)、14、255−260(1982)〕に準じて、
マクロモノマーを調製した。
即ち、スチレン100gとヨード酢酸7.5gおよびア
ゾビスイソブチロニトリル0.7gを300mlのアン
プルに入れ、窒素置換の後、アンプルを溶封し、60℃
で10時間重合を行った。
次いで、メタノールでポリマーを凝固した後、トルエン
に溶解し、再びメタノールで凝固した。
得られた凝固物を60℃にて一夜真空乾燥したところ、
29.6gの重合体を得た。
このようにして得られた末端カルボキシポリスチレン1
0gを150gのキシレンに溶解し、0.5gのグリシ
ジルメタクリレートと50mgのラウリルジメチルアミ
ンおよび50mgのヒドロキノンを加え、300mlの
アンプルに入れ、窒素置換の後、溶封し、140℃にて
6時間反応を行った。反応後、重合体をメタノール凝固
し、再びトルエンに溶解し、メタノール凝固を行った。
凝固物を60℃にて一夜真空乾燥したところ、10.3
gのスチレンマクロモノマーを得た。
この重合体は、末端にグリシジルメタクリル基が結合し
たスチレンマクロモノマーであり、その重合平均分子量
は11,000、重量平均分子量/数平均分子量=2.
1であった。
マクロモノマーの水性乳化分散体の調製 300mlのビーカーに蒸留水150gを入れて、これ
にラウリル硫酸ナトリウム6gを溶解させた。更に、こ
れに前記スチレンマクロモノマーの20重量%のトルエ
ン溶液30gをゆっくりと撹拌しつつ加え、次いでビー
カーに超音波発振機を入れて約20分間超音波を照射す
ることによってスチレンマクロモノマーの水性乳化分散
体を得た。このスチレンマクロモノマー乳化分散体の粒
子径をナノサイザーにより測定したところ、0.23μ
mであった。
共重合 300mlの耐圧瓶に12.4gの前記スチレンマクロ
モノマー水性乳化分散体(スチレンマクロモノマー0.
4g含有)を入れ、更に1重量%ラウリル硫酸ナトリウ
ム水溶液10.1gとブチルアクリレート/アクリル酸
/ベンゾイルパーオキサイド(重量比)=100/2/
1の混合液10gを加え、回転重合槽において重合温度
80℃で3時間重合したところ、均一で分散安定性の優
れた分散体が得られた。
重合終了後、乳化分散体中の固形分を測定したところ、
32.9重量%であり、ブチルアクリレートの重合転化
率は98%であった。生成した乳化分散体の一部を採取
し、1重量%の2,6−ジ−tert−ブチルヒドロオ
キシトルエン(BHT)を含むエタノールにて凝固した
後、50℃の温度に保たれた真空乾燥機(真空圧;1mm
Hg以下)に24時間乾燥した。
乾燥後、テトラヒドロフランに溶解しようとしたところ
溶解しなかったので、分子量の測定はできず、得られた
共重合体は架橋していた。この共重合体の乳化分散体を
前記と同様にしてナノサイザーにより測定したところ、
粒子径は0.47μmであった。
これにより、本発明の方法に従えば、架橋された共重合
体においても安定した水性乳化分散体が得られることが
分かる。
比較例1 300mlの耐圧瓶に、実施例5で得られたスチレンマ
クロモノマー1gをトルエン4gに溶かしたものと1.
25gのラウリル酸ナトリウムを50gの水に溶かした
水溶液とを加えマグネチックスターラーで撹拌したとこ
ろ、該スチレンマクロモノマーの懸濁液が生成した。
これに、更にブチルアクリレート/アクリル酸/ベンゾ
イルパーオキサイド(重量比)=100/2/1の混合
液25gを加え、80℃の回転重量槽において3時間共
重合を行った。
重合後の耐圧瓶の中には、大量の凝固物が発生し、安定
な乳化分散体は得られなかった。この凝固物は、共重合
体の約65重量%であり、ブチルアクリレートの転化率
は約90%であった。
これにより、予めマクロモノマー(A)を水性乳化させ
ずに直接化合物(B)と共重合を行うと安定性の優れた
グラフト共重合体の水性乳化分散体が得られないことが
分かる。
比較例2 500mlのビーカーに蒸留水300gを入れて、これ
にラウリル硫酸ナトリウム10gを溶解させた。次いで
実施例1で得られたスチレンマクロモノマー20%トル
エン溶液50gとブチルアクリレート40gとベンゾイ
ルパーオキサイド2gとを溶解させたものをゆっくりと
撹拌しつつ加え、次いでビーカーに超音波発振機を入れ
て約30分間超音波を照射することによってスチレンマ
クロモノマー−ブチルアクリレートの水性乳化分散体を
得た。
次いで、300mlの耐圧瓶に前記水性乳化分散体50
gを加え、実施例1と同様に重合を行った。重合終了
後、乳化分散体中の固形分を測定したところ、9.2重
量%であり、ブチルアクリレートの重合転化率は65%
であった。
更に実施例1と同様にして後処理して、分子量を測定し
たところ、その重量平均分子量は256,000、重量
平均分子量/数平均分子量=3.6であった。また、こ
の共重合体の乳化分散体を電子顕微鏡により測定したと
ころ、粒子径は2〜3μmと、粒子径が大きいことが判
明した。
〔発明の効果〕
本発明の共重合体の製造方法によれば、グラフト共重合
体の安定な水性乳化分散体が得られる。
また、本発明においては、共重合の際に重合処方、転化
率、モノマーを選択することによって一部架橋されたグ
ラフト共重合体の水性乳化分散体を得ることもできる。
これらのグラフト共重合体の水性乳化分散体は、塗料改
質剤;重合体、フィラー、顔料、金属粉などの分散性改
良剤;感圧接着剤;重合用分散剤;抗血栓性医用材料;
樹脂改質剤;接着剤;ワックスなどに使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は、本発明によって得られる共重合体のGP
Cチャートである。
フロントページの続き (72)発明者 奥谷 栄太郎 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−133310(JP,A) 特開 昭55−35373(JP,A) 特公 昭46−18138(JP,B1) 特公 昭53−24477(JP,B2) 特公 昭55−33797(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種のスチレン系単量体をアニ
    オン重合開始剤の存在下に重合し、末端に(メタ)アク
    リロイル基を導入して得られ、予め水性乳化したマクロ
    モノマー(A)と、ビニル化合物および/または共役ジ
    エン化合物(B)、あるいは該化合物(B)の水性乳化
    分散体とを、ラジカル開始剤により共重合することを特
    徴とする共重合体の製造方法。
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