JP2642432B2 - 耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造方法

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JP2642432B2 JP63206213A JP20621388A JP2642432B2 JP 2642432 B2 JP2642432 B2 JP 2642432B2 JP 63206213 A JP63206213 A JP 63206213A JP 20621388 A JP20621388 A JP 20621388A JP 2642432 B2 JP2642432 B2 JP 2642432B2
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    • Y10S524/923Treating or preparing a nonaqueous dispersion or emulsion of a solid polymer or specified intermediate condensation product

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、イオン系添加剤を用いて強化用ラテックス
粒子をマトリックスのモノマー中に移行させる段階を含
んだ耐衝撃性の熱可塑性樹脂の製造方法に関するもので
ある。
本発明はさらに、この方法により得られる変性された
熱可塑性樹脂に関するものである。
従来の技術 従来、耐衝撃性熱可塑性樹脂は、エラストマーのラテ
ックスを凝固し、脱水および乾燥させて得られる粉末に
熱可塑性樹脂すなわち「硬質」ポリマーの粒子を高温で
混合して、「ポリマーアロイ」とよばれるものにする方
法によって製造されている。しかし、この方法は経済性
の観点からだけでなく、得られるポリマーアロイの品質
の面においても満足できるものではなかった。
この問題を解決するため、上記の脱水および乾燥段階
を省略して、エラストマーのラテックスを乳化する工程
から熱可塑性樹脂の重合工程へ直接送る方法が提案され
ている。この方法では、エラストマーのラテックスに電
解質または酸と、重合によって熱可塑性樹脂のマトリッ
クスとなる不飽和モノマーとが添加される。この電解質
または酸は、エラストマーのラテックス中のイオン性界
面活性剤の安定化作用を弱くして、エラストマーラテッ
クスを凝結させるための添加剤である。この不安定化剤
を添加した後にモノマーを添加すると、モノマーによっ
てラテックスが比較的速く膨潤するので、懸濁重合が可
能になる。この不安定化剤を添加する前にモノマーを添
加した場合には、モノマー中へラテックス粒子が直ちに
移行するので、懸濁重合または塊重合が可能なゴム状懸
濁物を含む有機相になる。これらの方法は、日本国特許
第82−36102号、第78−44959号、第81−50907号、第74
−02347号、第74−11748号、第74−11749号、第79−188
93号および第75−31598号、ならびにアメリカ合衆国特
許第4,141,932号、第3,450,796号および第3,950,455
号、およびドイツ特許第2,524,471号に記載されてい
る。
発明が解決しようとする課題 しかし、これらの方法では多量の凝固剤を使用する必
要がある。実際に、日本国特許第75−31598号の実施例
では、ラテックスを不安定にするためは、最終的に得ら
れる樹脂に対して一般に約3重量%の割合の硫酸マグネ
シウムを必要としている。さらに、最終的に得られる樹
脂に対して「硬質」ポリマー(被グラフト化粒子)が表
面グラフトしたエラストマー粒子が35重量%以上になっ
た場合には、エラストマー粒子を分散・膨潤させるモノ
マー溶液の粘性が高くなるため、懸濁重合が難しいとい
うことが明らかにされている。
従って、本発明の目的は、上記の問題点がほとんど無
いゴム変成耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造方法を提案する
ことにある。
課題を解決するための手段 本発明は、下記段階(a)〜(c)で構成されること
を特徴とするエラストマーラテックスで変性された耐衝
撃性熱可塑性樹脂の製造方法を提供する: (a)イオン系界面活性剤の存在下で、少なくとも1種
のエチレン系不飽和モノマーの水性エマルジョン状のエ
ラストマーラテックスを製造する第1段階、 (b)下記工程からなる第2段階、 b−1) 得られたラテックスに、アルキルメタクリレ
ート、置換基を有していてもよいスチレン、アクリロニ
トリルおよびメタアクリロニトリルの中から選択される
水に不溶またはわずかに可溶な少なくとも1種のビニル
系モノマーを、必要に応じてモノエチレン系不飽和コモ
ノマーと一緒に、添加する段階、 b−2) 上記の(ラテックス+モノマー)系に段階
(a)で用いた界面活性剤の電荷とは反対のイオン電荷
を有する移行剤を添加することによって上記ラテックス
の有するイオン電荷を化学量論的に中和して、ビニル系
モノマー中へラテックス粒子を移行させる段階、 (c)移行したラテックス粒子を含む、段階(b)のモ
ノマーからなる相を懸濁重合または塊重合する第3段
階。
上記モノマーの量は、製品の熱可塑性樹脂が1〜90重
量%のエラストマー成分を含むように選択するのが望ま
しい。
以上、各段階を最も一般的に定義したが、以下では各
段階の各種実施態様を示す。
段階(a) 段階(a)で製造するラテックスは、硬質熱可塑性マ
トリックスを強化するための変質剤である。このラテッ
クスは最終的に得られる樹脂に透明性を与えるものを選
択すれば有利である。
モノマーとして使用できるジエンとしては、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンおよび2,3−ジメチルブ
タジエンを挙げることができる。また、使用可能なアク
リル酸アルキルとしては、C1〜C15、望ましくはC1
C8、さらに望ましくはC2〜C8のアルキル基を有するもの
が挙げられる。特に、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリ
ル酸イソブチルを挙げることができる。また、アルキル
基がさらに長い鎖をもつアクリル酸アルキルを使用する
こともできる。上記定義に含まれるアクリル酸アラルキ
ルとしては、環状部分が、付加的にアルキルボンドを有
する、または有しない、5、6または7個の炭素原子を
含み、アルキル部分が15個まで炭素原子を含むものを挙
げることができる。以上のアルキレートには、アクリル
酸アルキルチオアルキル(アクリル酸アルキルチオエチ
ル)およびアクリル酸アルコキシアルキル(アクリル酸
メトキシエチル)のような置換されたアクリレートも含
まれる。さらに、使用可能なオレフィンとしては、エチ
レン、イソブチレンおよび3〜12個の炭素原子を有する
α−オレフィンを挙げることができる。
同様に、使用できる共重合可能なモノマーとしては、
特に、低級アルキルアクリレートおよびメタクリレー
ト、低級アルコキシ、シアノエチルアクリレート、アク
リルアミド、低級ヒドロキシアルキルアクリレートおよ
びメタクリレート、アクリル酸およびメタクリル酸、ア
クリロニトリル、スチレン、置換されたスチレンおよび
メタクリル酸アルキルの中から選択する。特に、スチレ
ン、アクリロニトリルおよびメタクリル酸メチルを挙げ
ることができる。
ラテックスを主にジエンまたはアクリレートから製造
する場合には、公知の方法でこれらモノマーの乳化重合
によってラテックスを直接得ることができる。一方、ラ
テックスが主にポリイソブチレン、エチレン−プロピレ
ンゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエン等のオレフ
ィンによって構成されている場合には、先ず、カチオン
重合またはチーグラー・ナッタ触媒を用いてこれらポリ
マーを製造し、次に、溶剤中にポリマーを溶解させる。
その後、水と界面活性剤を添加してから、蒸発させる。
また、段階(a)で使用する前記モノマーには、この
モノマー100重量%に対して、少なくとも1つの架橋用
モノマーを20重量部まで添加することができる。
この架橋用モノマーは、この目的で一般に用いられて
いるモノマーの中から選択するが、特に、エチレン−グ
リコールジメタクリレート、ブタジエン−1,3−グリコ
ールジメタクリレートおよびプロピレングリコールジメ
タクリレート等のアルキレン−グリコールジメタクリレ
ート;エチレングリコールジアクリレート、ブチレン−
1,3または1,4−グリコールジアクリレートおよびトリメ
チロール−プロパントリメタクリレート等のアルキレン
−グリコールジアクリレート;ジビニルベンゼンまたは
トリビニルベンゼン等のポリビニル−ベンゼン;エチル
ビニルベンゼン;さらにはアクリル酸ビニルおよびメタ
クリル酸ビニルのようなポリメタクリル酸ポリオールお
よびポリアクリル酸ポリオールの中から選択することが
できる。
同様に、段階(a)において、使用する前記モノマー
に少なくとも1種のグラフト化用モノマーを前記モノマ
ー100重量部に対し10重量部以下の量、例えば0.5〜10重
量部添加することができる。特に基本モノマーがブタジ
エンおよび置換されたブタジエン以外である場合には、
少なくとも1つのグラフト化用モノマーを使用するのが
望ましい。
このグラフト化用モノマーは、最終重合段階、すなわ
ち、以下で説明する段階(a1)または段階(b)で形成
されるポリマーをグラフト化できるように、上記重合後
も不飽和性を残すためのものである。
このグラフト化用モノマーは、この目的で一般に用い
られているモノマー、特に、不飽和α、β−カルボン酸
またはその不飽和α、β−ジカルボン酸のアリルエステ
ル、メタリルエステル、クロチルエステル、例えば、ア
リルエステル、メタリルエステル、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸(モノおよびジエステル)、フマル
酸(モノおよびジエステル)およびイタコン酸(モノお
よびジエステル)のアリルエステル、メタクリルエステ
ルおよびクロチルエステル;アリルエーテル、メタリル
エーテル、クロチルエーテルおよびビニルエーテル;ア
リルチオエーテル、メタリルチオエーテル、クロチルチ
オエーテルおよびビニルチオエーテル;N−アリルマレイ
ミド、メタリルマレイミドまたはクロチルマレイミド;3
−ブタン酸ビニルエステルおよび4−ペンテン酸ビニル
エステル;トリアリルシアヌレート;O−アリルホスフェ
ート、メタリルホスフェート、O−アルキルクロチル−
ホスフェート、アリルホスフェート、アルカアリルホス
フェート、アラルキル−P−ビニルホスフェート、アリ
ルホスフェートまたたメタリルホスフェート;トリアリ
ルホスフェート、トリメタリルホスフェートまたはトリ
クロチルホスフェート;O−ビニルホスフェート、O,O−
ジアリルホスフェート、ジメタリルホスフェートまたは
ジクロチルホスフェート;アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸(モノおよびジエステル)、フマル酸(モノ
およびジエステル)、イタコン酸(モノおよびジエステ
ル)のシクロアルセニルエステル、例えば、2−,3−ま
たは4−シクロヘキセニルアクリレート:アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸(モノおよびジエステル)、
フマル酸(モノおよびジエステル)およびイタコン酸
(モノおよびジエステル)のビシクロ−(2,2,1)−ヘ
プト−5−エン−2−イルエステル;シクロアルセノー
ルおよびシクロアルセン−のビニルエーテルおよびチオ
エーテル、例えばシクロヘキス−4−エン−1−イルビ
ニルエーテル、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エ
ン−2−オールビニルエーテル;シクロアルセン−カル
ボン酸のビニルエステル、例えば、ビニルシクロ−ヘキ
ス−3−エン−1カルボン酸のエステルおよびビシクロ
−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2−カルボン酸のビ
ニルエステルの中から選択することができる。
上記グラフト化用モノマーの中では、少なくとも1個
のアリル基を有する化合物、特にエチレン系不飽和酸の
アリルエステルが望ましい。最も望ましいものとして、
アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリル
マレート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネー
ト、アリル酸マレート、アリル酸フマレート、アリル酸
イタコネートが挙げられる。また、重合可能な不飽和を
含まないカルボン酸を基本繰返し単位とするポリマーま
たはコポリマージアリルエステルを用いることもでき
る。
さらに、一般には上記段階(a)の後に、追加的段階
(a1)が続いて行われる。この追加的段階(a1)では、
段階(a)で得られたラテックスと、段階(b)で導入
されるモノマーと同種の少なくとも1種のモノエチレン
系不飽和モノマーとの乳化重合を行う。このモノエチレ
ン系不飽和モノマーの例は、段階(b)に関して以下で
説明する。この追加的段階(a1)の目的は、上記段階
(a)のラテックスのエラストマー粒子表面に熱可塑性
樹脂との相溶性ポリマーをグラフト化することにある。
従って、以下では、このようなモノマーを「相溶化用モ
ノマー」という表現で表すことにする。また、以下に用
いられる「グラフト化粒子、グラフト化ラテックス」と
いう表現は上記段階(a1)が行われたことを意味する。
上記の追加的段階(a1)を実施する場合には、この段
階(a1)でのグラフト化を可能にする不飽和性が重合後
に残るようにする少なくとも1種のグラフト化用モノマ
ーを段階(a)において使用することが望ましい。
段階(a1)の重合用には、段階(b)で用いるものと
同じ種類の相溶化用モノマーを用いるのが有利である。
このようなモノマーの例は後で示す。
さらには、段階(a1)においては、ラテックス+モノ
マーの混合物100重量部に対して、ラテックスの固形分
を99〜15重量部、相溶化用モノマーを1〜85重量部の割
合で用いるのが好ましい。
同様に、段階(a1)では、使用する前記モノマーに、
このモノマー100重量部に対して5重量部以下の少なく
とも1種の架橋用モノマーを添加することができる。こ
こで用いる架橋用モノマーはすでに記載したものと同じ
である。
また、段階(a1)において、前述のような少なくとも
1種のグラフト化用モノマーを添加することも可能であ
る。
段階(a)および(a1)の乳化重合は、遊離ラジカル
開始剤(例えば、過硫酸塩)の存在下で行われ、通常の
反応条件で、当業者に公知の試薬を用いて行うことがで
きる。
段階(b) この段階は、前段階で得られたラテックス粒子をマト
リックスを構成するモノマー中に移行させる段階であ
る。この移行原理は第1図に模式的に表わしてある。
段階(a)または(a1)終了時に得られたエラストマ
ーポリマーのラテックスにモノマーを添加し、この混合
物を充分撹拌する。ラテックスを不安定にさせる移行剤
を添加すると、ラテックス粒子は完全にモノマー中に移
行される。この操作によって、よく分散され且つ膨潤状
態にあるエラストマー(これは必要に応じてグラフト化
されていてもよい)を含む有機相が直ちに得られ、これ
は水相から分離してほぼ透明になる。
この段階(b)で用いられる水に不溶またはわずかに
可溶なマトリックス用モノマーとしては、メチルメタク
リレートのようなアルキルメタクリレートを挙げること
ができ、特にイソプロピルメタクリレート、第二ブチル
メタクリレート、ターシャルブチルメタクリレート、な
らびにα−メチルスチレン、モノクロロスチレンおよび
ターシャルブチルスチレンのようなスチレンおよび置換
されたスチレンが望ましい。
段階(b)で導入できるモノエチレン系不飽和コモノ
マーについては、先に述べた段階(a)のラテックスの
製造用コモノマーを挙げることができる。
さらに、段階(b)では、ハロゲン化ビニル、特に塩
化ビニルを使用することもできる。この場合に使用可能
なモノエチレン系不飽和コモノマーとしては、酢酸ビニ
ル、ビニルブチレート、クロロ酢酸ビニル、クロロプロ
ピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、クロロ安息香酸ビニ
ル等のビニルエステル、さらにはアクリル酸およびメタ
クリル酸等のアクリル酸およびα−アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メ
タクリル酸メチル、アクリルアミド、N−メチルアクリ
ルアミドおよびメタクリルアミドが挙げられる。
この段階(b)では、一般に、段階(a)または(a
1)の終了時に得られたラテックスの固形分100重量部に
対して上記モノマーを少なくとも10重量部用いる。
添加すべき移行剤の量は極めて重要である。すなわ
ち、安定化イオン電荷が移行剤の電荷と反対の電荷によ
って化学量論的に中和されると、全てのエラストマーラ
テックス(必要に応じてグラフト化されていてもよい)
の移行が起こるためである。
移行剤としては、段階(a)で用いた界面活性剤の電
荷と反対の電荷を持つイオン系界面活性剤、場合によっ
てはポリアニオンまたはポリカチオンおよび/または段
階(a)で用いた界面活性剤の電荷とは反応の電荷を持
つ界面活性剤の存在下で合成されたラテックスを用いる
ことができる。
移行剤として陽イオン系界面活性剤を用いる場合に
は、長鎖のアルキル残基のような疎水性置換基を有する
第四オニウム(アンモニウム、ホスホニウム、またはピ
リジニウム)塩の中から選択する。また、メチレンブル
ーおよびシクロヘキシルアミンアセテート等の立体障害
置換基を有する第四オニウム塩を用いることができる。
移行剤としてポリカチオンを用いる場合には、第四級
化されたポリ(ビニルピリジン)、第四級化されたポリ
(ビニルベンジルアミン)、第四級化されたセルロー
ス、第四級化されたビニルポリアルコール、第四級化さ
れたポリ(メタクリル酸アルキル)からの誘導体の中か
ら選択する。
移行剤として、ラテックスを用いる場合には、段階
(b)で用いられるモノマーと同じ種類のモノマーから
上記のようなラテックスを製造するのが望ましい。
段階(b)の移行は、一般に0℃〜約100℃の温度下
で行う。いずれにせよ、温度はこの段階において決定的
な要因ではない。
段階(b)の終了時に得られる有機相中では、エラス
トマー(必要に応じてグラフト化されている)粒子は別
々に膨潤した状態になっており、これら粒子は融合して
互いに結合することはない。移行した粒子を含むこのよ
うな有機相の粘度は、移行した粒子の量、特に、粒子の
膨潤率HVによって異なる。ここで、HVは、乾燥ポリマー
の体積に対する段階(b)のモノマー中での膨潤したポ
リマーの体積の比を表す。
本発明方法により得られる熱可塑性樹脂中のゴム成分
が上記の含有量範囲にある場合には、一定の濃度限界が
存在する。すなわち、最終的に得られる樹脂100重量部
に対する移行した粒子の重量で表わされた濃度限界C1
C2(C1<C2)が存在する。これらの値は膨潤率HVとゴム
成分(好ましくはグラフト化されたゴム成分)の粒子の
モルホロジーによって違ってくる。
この濃度限界の間では、移行粒子を含む有機相の粘弾
特性のために、有機相を懸濁重合用分散剤を用いて直接
分散させることは困難である。例えば、本発明出願人に
より行われた実験によると、最少値C1は35重量%近傍で
あり、最大値C2は50重量%近傍であった。また、HVが増
えると、C1は減少する。濃度がC1以下またはC2以上であ
れば、有機相を容易に分散することが可能になる。な
お、C1とC2の中間濃度においては、ラテックスタイプの
移行剤を用いれば、有機相を容易に分散することができ
る。すなわち、 (1) 段階(a)または段階(a1)の終了時に得られ
たラテックスの固形分がC1より小さい場合には、ラテッ
クスが分散されたモノマー溶液は比較的粘性の高い液体
となるので、塊重合が可能となり、さらに、段階(c)
における懸濁重合のために従来の分散剤を用いて分散が
できる。この分散剤としては、特にヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼ
ラチン、水溶性アルギネート、(メタ)アクリル酸とメ
チルメタクリレートのコポリマー、一般に疎水性の繰返
し単位と親水性の繰返し単位とを含むコポリマーを用い
ることができ、望ましい分散剤はビニルポリアルコール
である。分散剤は、一般に最終的に得られる樹脂に対し
て0.05〜3重量%の水溶液の形で用いられる。
(2) 段階(a)または(a1)の終了時に得られたラ
テックスの固形部がC2より大きい場合には、移行したラ
テックス粒子を含む有機相は、移行の時に自己分散し
て、互いに凝結することのないゴムの凝集塊(50μm〜
1.5mmの大きさ)となる。また、従来の分散剤(通常懸
濁液重合に用いられている)をこの移行剤とともに添加
するのが望ましい。この場合には、懸濁重合が起こる。
分散剤の例としては、上記パラグラフ(1)中に列挙し
たものがある。また、分散剤の量は上記パラグラフ中に
示したものと同じ量である。
(3) エラストマー(必要に応じてグラフト化されて
いてもよい)粒子の含有率がC1とC2の間である場合に
は、懸濁重合によって耐衝撃性のあるポリマーアロイを
製造するのはさらに困難になる。その理由は、移行した
エラストマー粒子の濃度が上記の中間濃度にある場合に
は、これらの分散粒子を含むモノマー相が粘稠で付着性
の強いペースト状となるため、従来のように真珠状に分
散させるのが非常に難しく、段階(c)における懸濁重
合が困難となる。
この問題は、移行剤として従来のイオン系界面活性剤
を用いるのではなく、界面活性剤により安定化された好
ましくは架橋されていないラテックスを添加することに
より解決することができる。
このイオン系ラテックス〔これは段階(a)または
(a1)のイオン系ラテックスと同時に移行される〕の作
用は、移行粒子を含んだ有機相の粘性を高くして、その
粘度を、グラフト化エラストマー粒子(前述のケース)
のC2より大きい比率で移行した場合と同じくらい高くす
ることにある。
これより低い粘度では、移行粒子を含むモノマーの混
合物は、撹拌ならびに従来の分散剤の作用で自己分散す
る。このようにして、段階(a)または(a1)のポリマ
ー粒子を含むモノマーと移行剤としてのイオン系ラテッ
クスの可溶性ポリマーとの細かい分散液(直径50〜300
μm)が得られる。この分散液は懸濁重合が可能であ
り、重合すべきモノマーが少なくなっているので、最終
的な懸濁重合はより高速に行われる。
移行を定量的にするためには、移行剤としてのラテッ
クス中に存在するイオン電荷の数を、移行すべきラテッ
クスに含まれる反対のイオン電荷の数と等しくなければ
ならない。また、この場合には、移行剤として、イオン
系ラテックス+イオン系界面活性剤〔段階(a)のラテ
ックス上に存在する界面活性剤が陰イオン系である場合
には、陽イオン系ラテックス+陽イオン系界面活性剤〕
の混合物を使用することもできる。
段階(b)の移行が行われた場合には、最終的に得ら
れる熱可塑性樹脂/エラストマー(必要に応じてグラフ
ト化されていてもよい)の重量比は、この樹脂を構成す
るモノマーで上記有機相を希釈することにより調節する
ことができる。
段階(c) 本発明方法の段階(c)は、懸濁重合または塊重合で
ある。これらの重合は、公知の撹拌条件、温度条件およ
び反応時間で行われる。
懸濁重合の場合には、段階(b)の終了時に得られた
分散液を、窒素雰囲気下で、約300〜400回転/分の撹拌
を行いながら、モノマーを完全に重合するのに充分な時
間、好ましくは60〜100℃に加熱する。重合時間は存在
するゴム成分比率に応じて異なるが、一般に約3〜5時
間である。分散相/水相の比は一般に0.1〜1.5の間であ
る。
さらに、理想的な真珠状の大きさの粒子(約200〜300
μm)を得るため、重合時に分散剤および無機塩を添加
することもできる。反応終了後、反応器から取り出し、
デカンテーション、洗浄および乾燥の後、真珠状の熱可
塑性樹脂を回収する。
塊重合の場合には、段階(b)の終了時に、デカンテ
ーションおよび遠心分離により水を分離する必要があ
る。重合は一般に50〜200℃の温度下で行うことができ
る。
本発明の目的をさらに詳しく説明するため、以下、本
発明のいくつかの実施例を示すが、これら実施例は、純
粋に説明のために示すのであり、本発明を何ら制限する
ものではない。
実施例1 この実施例は、グラフト化されたエラストマーポリマ
ーを19重量%含む耐衝撃性ポリ(メチルメタクリレー
ト)タイプのポリマーアロイの製造方法に関するもので
ある。
段階(a): 乳化共重合によるアクリル酸ブチル−スチレンコポリマ
ーラテックスの製造 上記重合に用いられる原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) アクリル酸ブチル …… 78.5 スチレン …… 21.5 ラウリル硫酸ナトリウム …… 0.63 エチレン−グリコールジメタクリレ ート(架橋用モノマー) …… 4.2 過硫酸カリウム …… 0.42 脱イオン水 ……314 撹拌器を備えたガラス製反応器中で、水とラウリル硫
酸ナトリウムを混合し、得られた混合物を70℃に加熱す
る。アクリル酸ブチル、スチレンおよび架橋用モノマ
ー、さらに水溶液状態の過硫酸カリウムを添加する。温
度を70℃に保ちながら、混合物を約250回転/分の速度
で撹拌する。重合時間は4時間に定める。こうして得ら
れたラテックスは、乾燥抽出分24.8重量%、平均粒径72
nm、メチルメタクリレート中の膨潤率3.9を示した。
段階(a1): 段階(a)で得られたラテックスへのポリメチルメタク
リレートのグラフト化 グラフト化を伴う上記重合に用いられる原料は、次の
通りである。原料 導入量(重量部) 段階(a)で得られたラテックス …… 49.6 (固形部) メチルメタクリレート …… 45 過硫酸カリウム …… 0.2 存在する脱イオン水 ……300 エチレン−グリコールジメタクリレート …… 1.4 撹拌器を備えたガラス製反応器中で、窒素雰囲気下、
温度70℃の条件下で3時間、上記重合を行う。
重合率は99.9%であった。得られたグラフト化された
アクリル系ラテックスは、乾燥抽出分23.8%、平均粒系
86.5nmを示した。
段階(b): 段階(a1)で得られたグラフト化アクリルラテックス粒
子のメチルメタクリレート中への移行 段階(a1)で得られたラテックス100重量部に、メチ
ルメタクリレート100重量部、過酸化ラウロイル0.375重
量部およびラウリル−メルカプタン0.375重量部を添加
し、得られた混合物を撹拌する。
次に、水40重量部に塩化ヘキサデシルトリメチルアン
モニウム0.16重量部を添加し、1分後に、メチルメタク
リレート−アクリル酸のコポリマー0.075重量部、燐酸
二ナトリウム0.75部および水14.2重量部から成る混合物
を添加する。
段階(c): 段階(b)で得られた系の有機相の重合 上記重合を70℃で約2時間、次に90℃で1時間行う。
こうして、真珠状の粒子を回収し、通常の方法で処理す
る。
これらの粒を180℃、200バールの圧力下で成形して平
板にした。この板は透明で、耐衝撃性であった。
この樹脂を極めて薄く切断したものを電子顕微鏡で観
察した。その時の写真を第2図(拡大10,000倍)に示
す。エラストマー粒子は充分に分散され、吸蔵は見られ
なかった。
実施例2 この実施例は、グラフト化されたゴム系ポリマーを5
9.6重量%含むブタジエン−アクリロニトリル−スチレ
ンコポリマータイプのポリマーアロイ製造に関するもの
である。
段階(a): ポリブタジエンラテックスの製造 上記重合に用いられる原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) ブタジエン ……100 ラウリン酸カリウム …… 0.9 過硫酸カリウム …… 0.4 脱イオン水 ……220 水酸化カリウム …… 0.2 撹拌器を備えたガラス製反応器中に、水、ラウリン酸
カリウムおよび水酸化カリウムを導入し、混合物を70℃
に加熱する。次いで、ブタジエン、さらに水溶液状の過
硫酸カリウムを添加する。70℃の温度を維持しながらこ
の混合物を約250回転/分の速度で回転する。重合を6
時間行う。こうして得られたポリブタジエンラテックス
は粒径90nm、乾燥抽出物31%を示した。
段階(a1): 段階(a)で得られたラテックス上のアクリロニトリル
−スチレンコポリマーのグラフト化 上記グラフト化に用いられる原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) 段階(a)で得られたラテックス ……14.5 (固形分) スチレン …… 9.1 アクリロニトリル …… 2.9 過硫酸カリウム …… 0.1 存在する蒸留水 ……73.4 上記重合を窒素流下で、温度70℃で5時間行う。得ら
れたラテックスは平均粒径110nmであり、乾燥抽出分26.
6%を示した。
段階(b): 段階(a1)で得られたグラフト化ポリブタジエンラテッ
クス粒子のスチレンおよびアクリロニトリル混合物への
移行 段階(a1)で得られたラテックス240重量部に、スチ
レン32.4重量部、アクリロニトリル10.3重量部、ラウリ
ルメルカプタン0.2重量部および過酸化ラウロイル0.3重
量部を添加する。この混合物を撹拌した後、これに、臭
素化ラウリルエチルジメチルアンモニウム0.333重量
部、「ロードピオル(RHODOVIOL)135」の商品名で市販
されているポリビニルアルコール0.12重量部および水14
8重量部から成る混合物を添加する。数秒間撹拌した後
に、直径約500μm〜1mmの真珠状の粒を含む安定した分
散液が得られた。
段階(c): 段階(b)で得られた系の有機相の懸濁重合 段階(b)で得られた分散液を60℃の温度で10時間、
懸濁重合した。得られた真珠状の粒子を回収し、従来の
方法で処理した。
実施例3 この実施例は、グラフト化エラストマーポリマー粒子
を54.6重量%含む耐衝撃性ポリ(メチルメタクリレー
ト)タイプのポリマーアロイ製造に関するものである。
段階(a): 乳化共重合によるブチアクリレート−スチレンコポリマ
ーラテックスの製造 上記重合に用いられる原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) アクリル酸ブチル …… 80.7 スチレン …… 19.3 ラウリル硫酸ナトリウム …… 0.31 ジビニルベンゼン(架橋用モノマー) …… 1.6 過硫酸カリウム …… 0.62 脱イオン水 ……375 撹拌器を備えたガラス製容器中で、水とラウリル硫酸
ナトリウムを混合し、この混物を70℃に加熱する。モノ
マーの混合物50重量%、次いで水溶液状の過硫酸カリウ
ム67重量%を添加する。70℃に維持しながら、得られた
混合物を約250回転/分の速度で3時間撹拌する。次
に、残った33%の過硫酸カリウムを添加した後、残った
50%のモノマー混合物を20ml/時の速度で連続的に注ぎ
込む。重合時間を6時間に定める。得られたラテックス
は、乾燥抽出物21.4重量%、平均粒径148nm、メチルメ
タクリレート中での膨潤率5.2を示した。
段階(a1): 段階(a)で得られたラテックスへのポリ(メチルメタ
クリレート)のグラフト化 グラフト化を伴う上記重合に用いられる原料は次の通
りである。原料 導入量(重量部) 段階(a)で得られたラテックス …… 74.9 (固形部) メタクリル酸メチル …… 18.9 過硫酸カリウム …… 0.2 存在する脱イオン水 ……294 ジビニルベンゼン …… 0.06 温度70℃で3時間重合を行う。得られたグラフト化ア
クリルラテックスは乾燥抽出物24.3%、平均粒径158.5n
mを示した。
段階(b): 段階(a1)で得られたグラフト化アクリルラテックス粒
子のメチルメタクリレート中への移行 段階(a1)で得られたラテックス200重量部に、メチ
ルメタクリレート40重量部、過酸化ラウロイル0.2重量
部を添加し、得られた混合物を撹拌する。
次に、臭化ラウリルエチルジメチルアンモニウム0.2
重量部、「ロードビオル(RHODOVIOL)135」の商品名で
市販されているポリビニルアルコール0.12重量部および
蒸留水160重量部から成る混合物を上記混合物に添加す
る。強度の撹拌を数秒行った後、直径約100〜400μmの
粒を含む安定した分散液が得られた。
段階(c): 段階(b)で得られた系の有機相の懸濁重合 この懸濁重合は、70℃で5時間行う。真珠状の粒を回
収し、従来の方法で処理する。
実施例4 この実施例は、カチオン性ポリ(メチルメタクリレー
ト)ラテックスにより相変換法によってグラフト化した
エラストマーポリマー42.3重量%を含む耐衝撃性ポリ
(メチルメタクリレート)タイプのポリマーアロイの製
造方法に関するものである。
段階(a): 乳化共重合によるブチルアクリレート−スチレンコポリ
マーラテックスの製造 この重合に用いられる原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) アクリル酸ブチル …… 80.7 スチレン …… 19.3 ラウリル硫酸ナトリウム …… 0.34 メタクリル酸アリル(グラフト化用 モノマー) …… 3.4 過硫酸カルシウム …… 0.46 脱イオン水 ……393 実施例1の段階(a)と同様に走査を行い、乾燥抽出
物20.8重量%、平均粒径170nm、メチルメタクリレート
中の膨潤率2.3を示すラテックスを得た。
段階(a1): 段階(a)で得られたラテックスへのポリ(メチルメタ
クリレート)のグラフト化上記グラフト化に用いられる
原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) 段階(a)で得られたラテックス …… 83.2 (固形分) メタクリル酸メチル …… 17.5 過硫酸カリウム …… 0.2 存在する蒸留水 ……331 重合を3時間にわたり70℃で行い、乾燥抽出物23.3
%、平均粒径180nmを示すラテックスを得た。
段階(b): 段階(a1)で得られたグラフト化アクリルラテックス粒
子のメチルメタクリレート中への移行 この段階は、乳化重合されたポリメチルメタクリレー
トのカチオン性粒子を用いてメチルメタクリレート中
へ、段階(a1)で得られたグラフト化アクリルラテック
スの陰イオン粒子を移行させるものである。
ポリ(メチルメタクリレート)のカチオン性粒子の製造 上記製造に用いられる原料は次の通りである。原料 導入量(重量部) メタクリル酸メチル ……100 ラウリルメルカプタン …… 0.3 臭素化セチルトリメチルアンモニウム …… 1.13 蒸留水 ……365 過硫酸カリウム …… 0.4 この重合を70℃で2時間行い、乾燥抽出物21.6%、平
均粒径112nmを示すラテックスを得た。
用いた原料は次の通りである:原料 導入量(重量部) 上記のようにして得られた陽イオン 系ポリ(メタクリル酸メチル)ラテ ックス(固形分で表示) …… 21.6 段階(a1)で得られたグラフト化エ ラストマーラテックス(固形分で表 示) …… 35.9 「ロードビオル(RHODOVIOL)135」 の商品名で販売されているポリビニ ルアルコール …… 0.1 燐酸二ナトリウム …… 0.5 メタクリル酸メチル …… 27 過酸化ラウロイル …… 0.2 ラウリルメルカプタン …… 0.2 存在する蒸留水 ……281 段階(a1)で得られたグラフト化エラストマーラテッ
クスを、上記のカチオン性ポリ(メチルメタクリレー
ト)のラテックス、ポリビニルアルコール、過酸化ラウ
ロイルおよびラウリルメルカプタンを含むメチルメタク
リレートから成る混合物中に1度に添加し、強度の撹拌
を行う。
濃い混合物が得られ、これに水溶液状の燐酸二ナトリ
ウムを添加することにより、液状化する。グラフト化エ
ラストマー粒子および移行剤として用いたポリ(メチル
メタクリレート)粒子を含むモノマーの粒子分散液の粒
度は200μmの大きさであった。
段階(c): 段階(b)の分散液の懸濁重合 段階(b)で得られた分散液の懸濁重合を温度70℃で
6時間行う。真珠状の粒を回収し、従来の方法で処理す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、段階(a)で得られたラテックス粒子をマト
リックスを構成するモノマー中に移行させる段階(b)
における移行原理を示す模式図である。 第2図は、実施例1で得られた本発明による樹脂を極め
て薄く切断したものを電子顕微鏡で観察した写真(拡大
10,000倍)に基づいて作成した模写図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08F 279/04 212:10)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記段階(a)〜(c)で構成されること
    を特徴とするエラストマーラテックスで変性された耐衝
    撃性熱可塑性樹脂の製造方法: (a)イオン系界面活性剤の存在下で、少なくとも1種
    のエチレン系不飽和モノマーの水性エマルジョン状のエ
    ラストマーラテックスを製造する第1段階、 (b)下記工程からなる第2段階、 b−1) 得られたラテックスに、アルキルメタクリレ
    ート、置換基を有していてもよいスチレン、アクリロニ
    トリルおよびメタアクリロニトリルの中から選択される
    水に不溶またはわずかに可溶な少なくとも1種のビニル
    系モノマーを、必要に応じてモノエチレン系不飽和コモ
    ノマーと一緒に、添加する段階、 b−2) 上記の(ラテックス+モノマー)系に段階
    (a)で用いた界面活性剤の電荷とは反対のイオン電荷
    を有する移行剤を添加することによって上記ラテックス
    の有するイオン電荷を化学量論的に中和して、ビニル系
    モノマー中へラテックス粒子を移行させる段階、 (c)移行したラテックス粒子を含む、段階(b)のモ
    ノマーからなる相を懸濁重合または塊重合する第3段
    階。
  2. 【請求項2】最終的に得られる熱可塑性樹脂がエラスト
    マー成分を1〜90重量%含むように、各モノマーの使用
    量を選択する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】段階(a)の後に追加段階(a1)を行い、
    この追加段階(a1)では段階(a)で得られたラテック
    スを用いて、段階(b)で導入されるモノマーと同じ種
    類の相溶化用モノマーとよばれる少なくとも1種のモノ
    エチレン系不飽和モノマーを乳化重合する請求項1また
    は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】追加段階(a1)の重合で段階(b)で用い
    られたものと同じ種類の相溶化用モノマーを用いる請求
    項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】追加段階(a1)で(ラテックス+相溶化用
    モノマー)の混合物100重量部に対して、99〜15重量部
    のラテックス固形分と、1〜85重量部の相溶化用モノマ
    ーとを用いる請求項3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】段階(a)および/または追加段階(a1)
    で使用するモノマーに、このモノマー100重量部に対し
    て10重量部以下の量のグラフト化用モノマーを添加する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】段階(a)で用いられるモノマーに、この
    モノマー100重量部に対し20重量部以下の少なくとも1
    種の架橋用モノマーを添加し、追加段階(a1)がある場
    合には、この段階で導入するモノマーに、このモノマー
    100重量部に対して5重量部以下の少なくとも1種の架
    橋用モノマーを添加する請求項1〜6のいずれか一項に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】段階(b)で導入するモノマーを、段階
    (a)または追加段階(a1)の終了時に得られるラテッ
    クスの固形部100重量部に対して少なくとも10重量部に
    する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】段階(b)で用いる移行剤が、段階(a)
    で用いた界面活性剤の電荷と反対の電荷をもつイオン系
    界面活性剤、ポリアニオンまたはポリカチオンおよび/
    または段階(a)で用いた界面活性剤の電荷と反対の電
    荷をもつ界面活性剤の存在下で合成されたラテックスで
    ある請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】移行剤としてカチオン系界面活性剤を用
    いた場合には、移行剤を疎水性置換基を有する第四オニ
    ウム塩および立体障害特性を有するオニウム塩の中から
    選択し、移行剤としてポリカチオンを用いた場合には、
    移行剤を第四級化されたポリ(ビニルピリジン)、第四
    級化されたポリ(ビニルベンジルアミン)、第四級化さ
    れたセルロース、第四級化されたポリビニルアルコー
    ル、第四級化されたポリ(アルキルメタクリレート)か
    ら誘導されたものの中から選択する請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】移行剤として段階(b)で用いたモノマ
    ーと同じ種類のモノマーから得られるラテックスを用い
    る請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】段階(b)で、移行した粒子を含むモノ
    マーを、段階(c)での懸濁重合のために、分散剤を用
    いて分散させる請求項1〜11のいずれか一項に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】段階(b)での移行を0〜100℃の温度
    で行う請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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