JP5498426B2 - 内燃機関の気液分離室構造 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、内燃機関のヘッドカバーに、カムシャフトの状態を確認するための目視窓を設けるとともに、この目視窓を閉塞する目視窓カバーの内部空間を気液分離室(PCVルーム)として利用することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の内燃機関では、ヘッドカバーの上部に気液分離室を構成するための目視窓カバーが設けられているため、ヘッドカバーの上部にオイル供給口を設けることができず、目視窓カバーの上部にオイル供給口が設けられていた。そのため、内燃機関の高さ寸法が大きくなり、内燃機関のコンパクト化を阻害していた。
しかしながら、特許文献1に記載の気液分離室構造では、ヘッドカバーの強度を一定以上に保つために目視窓の大きさが制限されてしまうので、ブローバイガスの導入口の開口面積が制限されてしまうという問題があった。
また、気液分離室支持部材には、ブローバイガス導入口に隣接してオイル供給口が一体に設けられているので、ブローバイガス導入口の開口面積を大きくして、ブローバイガスの流速を上げずにブローバイガスの流量を増加させることができる。
また、かかる構成によれば、ブローバイガス用開口部とオイル供給用開口部を互いに連続して形成した単一の開口部が周囲壁によって囲われているので、開口部の形成によるヘッドカバーの強度の低下を抑制することができる。
なお、図示は省略するが、内燃機関は、シリンダブロック、オイルパン、ピストン、コンロッド、クランク軸、などの基本構成を当然に備えている。また、内燃機関は、図4に示すように、車体に対してシリンダ軸線CLが後傾するように設置されている。
図5に示すように、排気側カム軸62は、動弁機構収容部25の内部に、左右方向に互いに間隔を隔てて設けられた複数の軸支持部材65に回転自在に軸支されている。軸支持部材65は、いわゆる軸受部であり、シリンダヘッド2の上部に一体形成された下側部材65aと、ヘッドカバー3に一体形成された上側部材65bと、から構成されている。上側部材65bは、下側部材65aにボルト等で締結固定されている。排気側カム軸62は、隣り合う軸支持部材65の間であって、排気バルブ(図示省略)の頭部に対応する位置にカム63を備えている。排気側カム軸62の右側の端部62aは、伝達機構収容部75の側壁75aから伝達機構収容部75の内部に突出しており、排気側スプロケット72に連結されている。また、排気側カム軸62は、最も右側の軸支持部材65の両側に、カムスラストフランジ62b,62bを有している。
吸気側カム軸61は、排気側カム軸62と同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
伝達機構収容部75は、シリンダヘッド2、ヘッドカバー3及びシリンダブロック(図示せず)の側面を覆うチェーンケースカバー76を有している。
オイル供給口42は、ブローバイガス導入口41の前側に設けられた円形状の貫通孔であり、オイルフィラーキャップ42aが着脱自在に取り付けられている。オイル供給口42は、気液分離室支持部材4の前側の端部から前方に張り出すように設けられた張出部42bに設けられている。これにより、オイル供給口42は、シリンダヘッド2の前端やヘッドカバー3の前端よりも前方に張り出した状態(オーバーハングした状態)となる。
ブローバイガス導入口41とオイル供給口42とは、気液分離室支持部材4の上面では分離しているが、気液分離室支持部材4の下面では合流して単一の開口部44を構成している。
なお、気液分離室支持部材4の周囲には、気液分離室支持部材4を支持部材取付部31のボス部36aに締結するためのボス部4aが各所に設けられている。
なお、気液分離室部材5は、オイル供給口42との干渉を回避するための切欠部5aと、オイルレベルゲージ37aとの干渉を回避するための切欠部5bと、を有している。
また、気液分離室支持部材4のオイル落し孔45は、ヘッドカバー3に設けられた連通孔38を介して、ヘッドカバー3の下面(シリンダヘッド2の上面)で、オイルレベルゲージ挿入孔37(貫通孔28)に連通されている。
なお、オイル供給口42は、気液分離室支持部材4の張出部42bに設けられているので、給油作業が容易であり、また、ブローバイガス導入口41の開口面積や気液分離室51の容量に影響が少ない配置が可能となる。
また、連通孔38が、ヘッドカバー3の下面(シリンダヘッド2の上面)で、オイルレベルゲージ挿入孔37(貫通孔28)に連通されているので、加工が容易である。
なお、目視窓35は、内燃機関の製造過程において、シリンダヘッド2にヘッドカバー3を取り付けた状態で、軸支持部材65に排気側カム軸62の挿通孔を切削形成する際に、軸支持部材同士の間に切削工具を保持するための治具を配置するための開口部として利用することができる。
このようにすれば、オイルフィラーキャップ42aやオイルレベルゲージ37aなどの作業者が着脱する部材を、気液分離室支持部材4に集約することができ、作業者が視認し易く、また作業し易い構造となる。
2 シリンダヘッド
25 動弁機構収容部
3 ヘッドカバー
31 支持部材取付部
32 ブローバイガス用開口部
33 オイル供給用開口部
35 目視窓
36 周囲壁
37 オイルレベルゲージ挿入孔
38 連通孔
39 突出部
4 気液分離室支持部材
41 ブローバイガス導入口
42 オイル供給口
42a オイルフィラーキャップ
5 気液分離室部材
51 気液分離室
52 排出口
6 動弁機構
61 吸気側カム軸
62 排気側カム軸
63 カム
65 軸支持部材
7 伝達機構
75 伝達機構収容部
Claims (7)
- カム軸を有する動弁機構を上部に備えたシリンダヘッドと、
前記シリンダヘッドの上部に取り付けられ、前記シリンダヘッドとの間に前記動弁機構を収容する動弁機構収容部を形成するヘッドカバーと、
前記ヘッドカバーに取り付けられ、前記動弁機構収容部に連通するブローバイガス導入口を有する気液分離室支持部材と、
前記気液分離室支持部材に取り付けられ、前記ブローバイガス導入口と連通する気液分離室を有する気液分離室部材と、を備え、
前記気液分離室支持部材には、前記ブローバイガス導入口に隣接して、内燃機関にオイルを供給するためのオイル供給口が一体に形成され、
前記ヘッドカバーは、前記気液分離室支持部材を取り付けるための支持部材取付部を有し、
前記支持部材取付部は、前記ブローバイガス導入口に対応する部位に開口するブローバイガス用開口部と、前記オイル供給口に対応する部位に開口するオイル供給用開口部と、を有し、
前記ブローバイガス用開口部と前記オイル供給用開口部は、互いに連続して一つの開口を形成していることを特徴とする内燃機関の気液分離室構造。 - 前記ブローバイガス用開口部は、前記カム軸と直交する方向に延在し、前記ヘッドカバーの上方から前記ブローバイガス用開口部の内部を見たときに前記動弁機構を目視可能に形成され、
前記オイル供給用開口部は、前記ブローバイガス用開口部の前記カム軸と直交する方向の端部のうち、前記ヘッドカバーの側部に近い方の端部に連続して形成され、
前記支持部材取付部には、前記気液分離室支持部材の底面に当接し、前記ブローバイガス用開口部と前記オイル供給用開口部の周囲を囲う周囲壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の気液分離室構造。 - 前記内燃機関のカム軸方向の一端側には、前記カム軸にクランク軸の駆動を伝達する伝達機構が配設されており、
前記カム軸には、複数のカムが設けられ、
前記ブローバイガス用開口部は、前記伝達機構を収容する伝達機構収容部とこの伝達機構収容部に最も近い前記カムとの間に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の気液分離室構造。 - 前記動弁機構収容部には、前記カム軸を軸支する複数の軸支持部材が設けられ、
前記ブローバイガス用開口部の周囲壁のうち前記伝達機構収容部と反対側に位置する部位及び前記ブローバイガス用開口部に最も近い前記軸支持部材のいずれか一方には、他方に向かって突出する突出する突出部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の気液分離室構造。 - 前記支持部材取付部には、前記カム軸を目視可能であり、前記気液分離室支持部材によって閉塞される目視窓が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の気液分離室構造。
- 前記内燃機関は、車体に対してシリンダ軸線が後傾するように設置されており、
前記気液分離室支持部材及び前記気液分離室部材は、前記ヘッドカバーの車体前方側に設置され、
前記オイル供給口は、前記ヘッドカバーの前端部よりも前方側に張り出すように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関の気液分離室構造。 - 前記内燃機関は、前記内燃機関のオイルパンに連通するとともに、オイルレベルゲージを挿入するためのオイルレベルゲージ挿入孔を有し、
前記気液分離室支持部材は、前記オイルレベルゲージ挿入孔にオイルを戻すためのオイル落し孔を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関の気液分離室構造。
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