JP2010174776A - 多気筒内燃機関 - Google Patents

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謙一 大森
Akihito Nomura
明史 野村
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Abstract

【課題】シリンダブロックの下方に、これと一体又は別体で設けられる上部クランクケースと、これの下方に接続される下部クランクケースとを備え、複数のシリンダにそれぞれ対応する複数のクランク室の内部空間を連通する連通流路を設けた多気筒内燃機関において、適切な位置に連通流路を配置することによって、クランクケースの高さを低くし、エンジンの小型化を図ろうとするものである。
【解決手段】上部クランクケース又は下部クランクケースの少なくとも一方側に上記連通流路に連通する連通孔を設け、上記連通流路を構成する蓋部材を、上記連通孔を覆うように配置すると共に、上部クランクケースと下部クランクケースの接合面を跨いでこれら両方に取付けたことを特徴とする多気筒内燃機関。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数のシリンダにそれぞれ対応する複数のクランク室の内部空間を連通する連通流路を備えた多気筒内燃機関に関するものである。
従来技術において、隣り合うクランク室間をクランクケース外部で連通する連通流路をシリンダブロック下部のスカート部に設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような技術においては、連通流路をスカート部に配置するスペースの確保のために、スカート部を大きくする必要があるが、スカート部を大きくすると、エンジンの高さが高くなり大型化を招くおそれがあった。
特開2006−70795号公報(図1、図3)
本発明は、適切な位置に連通流路を配置することによって、クランクケースの高さを低くし、エンジンの小型化を図ろうとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
シリンダブロックの下方に、これと一体又は別体で設けられる上部クランクケースと、これの下方に接続される下部クランクケースとで構成し、複数のシリンダにそれぞれ対応する複数のクランク室の内部空間を連通する連通流路を設けた多気筒内燃機関において、
上部クランクケース又は下部クランクケースの少なくとも一方側に上記連通流路に連通する連通孔を設け、
上記連通流路を構成する蓋部材を、上記連通孔を覆うように配置すると共に、上部クランクケースと下部クランクケースの接合面を跨いでこれら両方に取付けたことを特徴とする多気筒内燃機関に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多気筒内燃機関において、
上記蓋部材のクランクケースへの当接面にシール部材を配置する溝を形成し、他方の上部及び下部クランクケース側の当接面を平坦面に形成したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の多気筒内燃機関において、
上記連通流路は前面視で、連通孔を覆って大きく椀状に形成されるものであって、連通流路の空間を、蓋部材の内面及びクランクケースの前面とで構成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の多気筒内燃機関において、
前面視で、蓋部材と重なる上部及び下部クランクケースの一方または両方の前面を窪ませて凹部が設けられたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の多気筒内燃機関において、
蓋部材は、その上下で、締結部材を介して上部及び下部クランクケースにそれぞれ固定されることを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
連通流路を上下のクランクケースにまたがって配置することによって、何れか一方のみに配置した場合に比べて、配置スペースを分担させてレイアウトできるから、それぞれのクランクケースの高さを低くすることができ、エンジンを小型化することができる。
請求項2の発明において、
クランクケース側に上下クランクケースに跨ってシール溝を形成する場合に比べて、蓋部材側にシール溝を形成ことにより、溝が容易に形成でき、更に形状の調整を容易に行うことが出来る。
請求項3の発明において、
連通孔を覆う椀状の蓋部材をクランクケース前面に取付けることにより、クランクケースの一部を利用して連通流路を構成することができ、従来技術のような複雑な形状の連通流路部材を用いることなく簡単な部材で連通流路を構成することができる。
請求項4の発明において、
蓋部材の大きさ及び深さを大にすることなく、クランクケース側を窪ませるだけで連通流路の空間を大きくすることができるので、連通流路の外形の大型化を抑制することができる。
請求項5の発明において、
クランクケースの上下にそれぞれ蓋部材を固定することにより、上下のクランクケースの結合強度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る4筒内燃機関を備えた自動二輪車の側面図である。 上記内燃機関の縦断面を左方から見た図である。 上記内燃機関の上部の、吸気弁を通る横断面を後方から見た図である。 上記内燃機関の外観正面図である。 上記内燃機関の斜視図である。 連通流路部の縦断面の拡大図である。 クランクケースとシリンダブロックの正面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関1を備えた自動二輪車2の側面図である。図において、矢印Fは前方をさしている。車両前端部にヘッドパイプ3が設けられ、車体フレーム4は上記ヘッドパイプ3から左右に分かれて後下がりに傾斜しつつ後方へ伸びる一対のメインフレーム5を備えている。上記ヘッドパイプ3には、前輪6を支持するフロントフォーク7が操向可能に支持され、フロントフォーク7の上部には操向ハンドル8が連結されている。車体フレーム4には、後輪9を支持するリヤフォーク10が懸架手段を介して上下揺動可能に支承されている。車体フレーム4に搭載されている内燃機関1は、車両進行方向に直交する方向にシリンダが並ぶ4気筒内燃機関1である。上記内燃機関1のクランクケース11は、変速機一体型のクランクケース11であり、クランク軸12、および常時噛合い式変速機のメイン軸13とカウンタ軸14を備えている。この内燃機関1の出力軸は変速機のカウンタ軸14であり、カウンタ軸14の左端のクランクケース11外部に突出した部分に設けられた駆動スプロケット(図示なし)と後輪駆動用チェーン15を介して、動力が後輪9に伝達される。車体フレーム4の上部には燃料タンク16が設けてあり、後部にはタンデムシート17が設けてある。
図2は、上記内燃機関1の縦断面を左方から見た図である。クランクケース11は上下半割り形式のものであり、上部クランクケース11Aと下部クランクケース11Bとから成っている。上部クランクケース11Aには、4個のシリンダ20を備えたシリンダブロック21が一体的に形成されている。シリンダブロック21の上面には、シリンダヘッド22及びシリンダヘッドカバー23が順に接続されている。上部クランクケース11Aと下部クランクケース11Bとの接合面76に、車幅方向にクランク軸12とカウンタ軸14が保持されている。メイン軸13は上部クランクケース11Aに車幅方向に保持されている。
クランク軸12のクランクピン24には、コンロッド25を介してピストン26が接続され、シリンダ20の中を摺動する。各ピストン26とシリンダヘッド22の間に燃焼室27が形成されている。シリンダヘッド22には、各燃焼室27に通じる吸気ポート28と排気ポート29が設けてあり、吸気ポート28は一対のその内側開口を介して燃焼室27に連なり、排気ポート29も一対のその内側開口を介して燃焼室27に連なっている。
個々の燃焼室27の中央部には点火プラグ30が設けてある。点火プラグ30の周りには一対の吸気弁31と一対の排気弁32が設けてある。これらの弁は、動弁装置34によって駆動されて、それぞれの吸気ポートの内側開口及び排気ポートの内側開口を開閉する。動弁装置34は、吸気カム軸37、排気カム軸38、吸気カム39、排気カム40、を備え、各弁に備えられた吸気弁リフタ41、排気弁リフタ42を押して、吸気弁31及び排気弁32をクランク軸12の回転位置に応じて所定のタイミングで開閉する。
吸気ポート28の外側開口には吸気系が接続されている。吸気系は、スロットル弁43と燃料噴射装置44とエアクリーナ45(図1)からなる。各排気ポート29にはそれぞれ排気管46が接続され、車体の下部を経由して後方で1本にまとまり、車両後部のマフラー47に接続されている(図1)。シリンダブロック21の前方にラジエータ52が設けてある(図1)。
下部クランクケース11Bの下部にはオイルパン48が設けられ、下部クランクケース11Bの前部にはオイルフィルタ49が設けてある。下部クランクケース11Bの中にはオイルポンプ50、及びメインギャラリ51が設けてある。オイルポンプ50は、オイルパン48に溜まったオイルを吸引して、上記オイルフィルタ49、及びメインギャラリ51等を介して、潤滑箇所へ供給する。
図3は、上記内燃機関1の上部の、吸気カム軸37を通る横断面を後方から見た図である。図において、矢印L,Rは左右を表し、内燃機関1を車両に搭載したときの車両の左右に対応している。図の下部から順に、下部クランクケース11B、上部クランクケース11A、シリンダブロック21、シリンダヘッド22、シリンダヘッドカバー23が接続されている。シリンダ20は、4個並列に左右方向に並んでいる。
シリンダヘッド22とシリンダヘッドカバー23との間に吸気カム軸37が支持されている。吸気カム軸37は、その右端に吸気カム軸従動スプロケット54が設けられ、カム軸駆動チェーン55を介してクランク軸12によって駆動される。1個のシリンダ20に2個の吸気弁31が設けてあり、各吸気弁31の上部に吸気弁リフタ41が設けてある。吸気カム軸37に設けられた吸気カム39は、吸気弁リフタ41の頂部に当接している。図3には示されていないが、排気カム軸38、排気カム40、排気弁32、排気弁リフタ42、排気カム軸従動スプロケット(図示なし)等も同様に設けてある。
上記内燃機関1の4個のシリンダ20は、左から、第1シリンダC1、第2シリンダC2、第3シリンダC3、第4シリンダC4と名付けられる。クランク軸12は、図示のような形状であり、第1シリンダC1→第3シリンダC3→第4シリンダC4→第2シリンダC2→第1シリンダC1の順に、クランク角度180度の等間隔の位相差で爆発行程を迎えるようになっている。
クランク軸12の周囲のクランクケース11内は、対応するシリンダとシリンダの間に、上部クランクケース11A及び下部クランクケース11Bの内面から伸びる上部隔壁56Aと下部隔壁56Bが設けられ、両隔壁の接合面に軸受部57が形成され、クランク軸12が回転可能に支持されている。クランク軸12には、コンロッド25を介してピストン26が接続されている。上記上部隔壁56Aと下部隔壁56Bによって、クランクケース11内は、シリンダ毎に区画され、複数のクランク室58となっている。クランク室58は、左から、第1クランク室R1、第2クランク室R2、第3クランク室R3、第4クランク室R4と名付けられる。各クランク室58はピストン26の下側にあるので、各クランク室58の容積はピストン26の変位に応じて増減する。
図4は上記内燃機関1の外観正面図、図5は同内燃機関1の外観斜視図である。図4、図5は、上記内燃機関1を前方又は前下方から見た図であるので、シリンダは、図の右側から、第1シリンダC1、第2シリンダC2、第3シリンダC3、第4シリンダC4の順に並んでいる。クランク室も同様に図の右側から、第1クランク室R1、第2クランク室R2、第3クランク室R3、第4クランク室R4の順に並んでいる。これらの図は、シリンダヘッドカバー23を除去して示してある。シリンダヘッド22の上面に点火プラグ挿入孔61が設けてある(図4)。また、図4には、吸気カム軸37の中心線37cと排気カム軸38の中心線38cが示してある。シリンダヘッド22の前面に排気ポート29の外側開口が設けてある。この部分に排気管46(図2)が取付けられる。下部クランクケース11Bの前面にオイルフィルタ取付け部62Aと、水冷式オイルクーラ(図示なし)の取付け部62Bが設けてある。下部クランクケース11Bの下部にオイルパン48が設けてある。上部及び下部クランクケース11A、11Bの間のクランク軸12の左側突出部に交流発電機取付け部63(図5)が設けてある。
第1クランク室R1と第2クランク室R2とはピストン位置の位相差は180度であり、一方のクランク室58が加圧状態にある時は、他方のクランク室58は減圧状態にある。第3クランク室R3と第4クランク室R4との間の関係も同様である。この圧力の増減はピストン26の移動の抵抗となり、動力損失となる。
この圧力増減によるピストン移動の抵抗を解消するための手段として、図4、図5において、第1クランク室R1と第2クランク室R2との間、及び第3クランク室R3と第4クランク室R4との間に、蓋部材66で覆われて形成される連通流路67が設けてある。図4、図5において、第1シリンダC1と第2シリンダC2の前面には蓋部材66で覆われた第1連通流路67Aが示してあり、第3シリンダC3と第4シリンダC4の前面には、蓋部材66を除去して露出した状態の第2連通流路67Bが示してある。第2連通流路67Bには、第3クランク室R3から通じる連通孔68、及び第4クランク室R4から通じる連通孔68が示してある。図では蓋部材66で覆われていて見えないが、第1クランク室R1と第2クランク室R2にも、第1連通流路67Aに連通する上記と同様の連通孔68が設けてある。蓋部材66、連通流路67、及び連通孔68の縦断面は図2に示されている。
上記の連通流路67と連通孔68によって、第1クランク室R1と第2クランク室R2における一方のクランク室の増加圧力は、他方の減圧したクランク室へ開放され、第3クランク室R3と第4クランク室R4における一方のクランク室の増加圧力は、他方の減圧したクランク室へ開放されるので、クランク室58の圧力の増減によるピストン26の移動の抵抗、即ち動力損失が解消される。
図6は、連通流路67付近の縦断面の拡大図である。上記連通流路67は、図に示されるように、上部クランクケース11Aと下部クランクケース11Bの接合面76を跨いで設けてある。上記連通孔68は上部クランクケース11Aに設けてあるが、この連通孔68は、下部クランクケース11Bに設けてあっても良い。連通流路67を上下のクランクケース11A、11Bにまたがって配置することによって、何れか一方のみに配置した場合に比べて、配置スペースを分担させてレイアウトできるから、上下のクランクケース11A、11Bの高さをそれぞれ低くすることができ、内燃機関を小型化することができる。
第1、第2連通流路67A、67Bは、いずれも前面視で、連通孔68を覆うように椀状に形成され、連通流路67の空間を、蓋部材66の内面及びクランクケース11の前面とによって構成してある。連通孔68を覆う椀状の蓋部材66をクランクケース11の前面に取付けることにより、クランクケース11の一部を利用して連通流路67を構成するので、簡単な部材で連通流路を構成することができる。
前から見て、蓋部材66と重なる上部、下部クランクケース11A、11Bの前面を窪ませて凹部69が設けられている(図6)。これによって、蓋部材66の大きさ及び深さを大にすることなく、クランクケース11側を窪ませるだけで連通流路67の空間を大きくすることができ、連通流路67の外形の大型化を抑制することができる。なお、凹部69は上部、下部クランクケース11A、11Bの一方の前面に設けてあっても良い。
蓋部材66は、その上下で、ボルト70(図4、図5)を介して上部、下部クランクケース11A、11Bにそれぞれ固定してある。クランクケース11の上下にまたがって、それぞれ蓋部材66を固定することにより、上下のクランクケース11A、11Bの結合強度を高めることができる。
図6において、連通流路67からのオイルの漏れを防ぐために、蓋部材66のクランクケース11への当接面に溝71を形成してシール部材72を配置し、上部及び下部クランクケース11A、11B側の当接面を平坦面に形成してある。クランクケース側に上下クランクケースに跨ってシール溝を形成する場合に比べて、蓋部材66側にシール溝71を形成ことにより、溝71が容易に形成でき、更に形状の調整を容易に行うことが出来る。
連通流路67にはドレーンが溜まりやすい。これはシリンダ20から洩れた燃焼気体と、ミスト状の潤滑オイルの混合物が、冷却されて液化したものや、クランクウエイトが掻き揚げたオイルが連通流路に入ったものである。このドレーンを排出するために、図4、図6に示されるように、連通流路67の内部にドレーンとなったオイルを排出するドレーン孔73が設けられ、このドレーン孔73からドレーン通路74(図2〜図6)を経てオイルを排出するようになっている。
上記ドレーン通路74は、下部クランクケース11Bに設けられたオイルパン48(図2)へオイルを排出するように形成されている。これによって、連通流路67に溜まったオイルを排出し、オイルパン48に回収することができる。
上記連通流路67は、クランクケース11に設けられた連通孔68を取り囲む椀状の蓋部材66をクランクケース11に固定することによって構成され、図6に見られるように、この蓋部材66の底面66aはドレーン孔73に向かう下り傾斜に形成されている。これによって、蓋部材66の内部に飛散したオイルをドレーン孔73に集めることができるので、回収効率を高めることができる。上記蓋部材66の底面66aは上下クランクケース11A、11Bの接合面76と平行な面Sに対して20度の後下がりの角度を持っている。この内燃機関1は車両に搭載される時には、接合面76を10度の前下がりにして搭載される。従って、上記蓋部材66の底面は水平面に対して、なお10度の後下がり角を保っているので、オイルをドレーン孔73に集めることができる。
図4において、ドレーン孔73は、それぞれの連通流路67の車幅方向外側寄りに配置されている。これは、左右にバンクする自動二輪車2においては、遠心力によってドレーンは幅方向外側に溜まり易いからで、車幅方向外側寄りにドレーン孔73を設けることによって、オイルを効率良く回収することができるからである。
シリンダヘッド22及び動弁装置34等を潤滑したオイルは、図4〜図6に示されるように、上部クランクケース11Aに設けられた動弁系オイル戻し通路77と連通流路67に設けられた戻りオイル導入口78を経て連通流路67内に戻るようになっている。このようにして戻ったオイルは、先に述べたドレーンと共に、ドレーン孔73及びドレーン通路74を経てオイルパン48に回収される。
上記戻りオイル導入口78は、ドレーン孔73に対して車幅方向にずらして、車幅方向内側寄りに配置してある(図4、図5)。これは、内側から導入されたオイルを遠心力によって、外側のドレーン孔73に向かって流すようにしたためであり、戻りオイル導入口78とドレーン孔73とをずらさないで、外側で一致させた場合に比べてオイルの滞留を防ぐことができるからである。
図2に示されるように、上記内燃機関1は、シリンダヘッド22からシリンダブロック21の前下方に湾曲した後に車両後方に伸びる排気管46を備えている。上記連通流路67は、クランクケース11前面と排気管46とで挟まれる領域に配置されている。従って、排気管46との干渉を抑制しながら、空きスペースを有効利用して、効果的に連通流路67が配置されている。
図2に示されるシリンダ20の中心線Cは、上下クランクケース11A、11Bの接合面76に対する垂直線Vに対して30度前傾しているが、この内燃機関1は車両に搭載される時は、クランクケース11の接合面76を10度前下がりにして搭載されるので、シリンダ20は、車両搭載時には、地面に対する鉛直線に対して40度前傾し、連通流路67の上方を十分に覆った状態になる。これによって、連通流路67はシリンダブロック21とクランクケース11の前面と排気管46とで囲まれる領域で、排気管46との干渉を避けて、上方を安全に保護される(図1)。
図2に示されるように、連通流路67の下方に位置する下部クランクケース11Bの前面にオイルフィルタ49が配置されている。オイルフィルタ49は、図4、図5のオイルフィルタ取付け部62Aに取付けられる。水冷式オイルクーラ取付け部62Bには水冷式オイルクーラ(図示なし)が取付けられる。連通流路67は、オイルフィルタ49やオイルクーラの上方において、これらのものとの干渉を防止しながら空きスペースを有効利用して配置されている。
図7はクランクケース11とシリンダブロック21の正面図である。1列に並んでいるシリンダC1〜C4の両側において、スタッドボルトによって、下部クランクケース11Bと上部クランクケース11Aとシリンダブロック21とシリンダヘッド22とが結合される。図において、シリンダブロック21の上面にスタッドボルト挿入孔79が見えている。シリンダブロック21とクランクケース11には上記挿入孔79を取り囲むスタッドボルト挿入ボス80が設けてある。図に示されるように、連通流路67につながる連通孔68は、クランクケース11の前面において、隣り合うスタッドボルト挿入ボス80の間に配置してある。連通孔68はスタッドボルト挿入ボス80を避けて配置してあるので、連通孔68によるスタッドボルト挿入ボス80の強度低下を防ぐことができる。
上記内燃機関1は、並列4気筒内燃機関であって、個々の排気ポート29に連結された排気管46は、図1に示されるように、内燃機関の下方を経由して後方に伸びて、その後1本に集合して、車両後部のマフラー47に接続されている。正面から見ると、内燃機関の左右に一対で構成されている連通流路67(図4)は、それぞれ隣り合う排気管46の後方に設けられている。このように、連通流路67は、前方から複数の排気管46にて覆われているので、保護されると共に、排気管46により外部からは目立ちにくくなっている。
実施形態の効果のまとめ:以上詳述したように、上記実施形態においては、次の効果がもたらされている。
(1)連通流路を上下のクランクケースにまたがって配置することによって、何れか一方のみに配置した場合に比べて、配置スペースを分担させてレイアウトできるから、それぞれのクランクケースの高さを低くすることができ、エンジンを小型化することができる。
(2)クランクケース側に上下クランクケースに跨ってシール溝を形成する場合に比べて、蓋部材側にシール溝を形成ことにより、溝が容易に形成でき、更に形状の調整を容易に行うことが出来る。
(3)連通孔を覆う椀状の蓋部材をクランクケース前面に取付けることにより、クランクケースの一部を利用して連通流路を構成することができ、従来技術のような複雑な形状の連通流路部材を用いることなく簡単な部材で連通流路を構成することができる。
(4)上部、下部クランクケースの一方または両方の前面を窪ませて凹部を設けたことにより、蓋部材の大きさ及び深さを大にすることなく、クランクケース側を窪ませるだけで連通流路の空間を大きくすることができるので、連通流路の外形の大型化を抑制することができる。
(5)クランクケースの上下にそれぞれ蓋部材を固定することにより、上下のクランクケースの結合強度を高めることができる。
11…クランクケース、11A…上部クランクケース、11B…下部クランクケース、20…シリンダ、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、34…動弁装置、46…排気管、48…オイルパン、49…オイルフィルタ、58…クランク室、66…蓋部材、66a…蓋部材の底面、67…連通流路、68…連通孔、69…凹部、71…溝、72…シール部材、73…ドレーン孔、74…ドレーン通路、76…接合面、77…動弁系オイル戻し通路、78…戻りオイル導入口、80…スタッドボルト挿入ボス、C1〜C4…第1〜第4シリンダ、R1〜R4…第1〜第4クランク室

Claims (5)

  1. シリンダブロックの下方に、これと一体又は別体で設けられる上部クランクケースと、これの下方に接続される下部クランクケースとで構成し、複数のシリンダにそれぞれ対応する複数のクランク室の内部空間を連通する連通流路を設けた多気筒内燃機関において、
    上部クランクケース又は下部クランクケースの少なくとも一方側に上記連通流路に連通する連通孔を設け、
    上記連通流路を構成する蓋部材を、上記連通孔を覆うように配置すると共に、上部クランクケースと下部クランクケースの接合面を跨いでこれら両方に取付けたことを特徴とする多気筒内燃機関。
  2. 上記蓋部材のクランクケースへの当接面にシール部材を配置する溝を形成し、他方の上部及び下部クランクケース側の当接面を平坦面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関。
  3. 上記連通流路は前面視で、連通孔を覆って大きく椀状に形成されるものであって、連通流路の空間を、蓋部材の内面及びクランクケースの前面とで構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多気筒内燃機関。
  4. 前面視で、蓋部材と重なる上部及び下部クランクケースの一方または両方の前面を窪ませて凹部が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の多気筒内燃機関。
  5. 蓋部材は、その上下で、締結部材を介して上部及び下部クランクケースにそれぞれ固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多気筒内燃機関。
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