JP5482295B2 - 充電用コネクタ - Google Patents

Description

本発明は、車両におけるバッテリに充電する際に、そのバッテリに接続された車両側コネクタと嵌合される充電用コネクタに関する。

この種の充電用コネクタとして、例えば下記特許文献１に記載のものが知られている。このものは、車両側コネクタと嵌合可能なコネクタ嵌合部を有し、このコネクタ嵌合部は、ケース体に装着されている。ケース体は、前方に開口する開口部を有し、コネクタ嵌合部の前端部が開口部から前方に突出した状態とされている。また、充電用コネクタには、ケース体の内部から前方に延出されたレバーが設けられており、このレバーの前端部に設けられたロック部によって充電用コネクタと車両側コネクタとを嵌合状態に保持している。ロック部は、ケース体の開口部とコネクタ嵌合部の前端部との中間付近に配置されている。また、ケース体の開口部からレバーを覆うようにしてロック部まで保護壁が延出されている。

特開平９−１６１８８２号公報

このような充電用コネクタでは、例えばデザイン上の都合によりレバーの全長をさらに延長させてロック部をコネクタ嵌合部の前端部に配置する場合がある。この場合、保護壁によってロック部を覆うことはできたとしても、嵌合時にロック部が車両側コネクタの前端部に干渉しやすくなるため、ロック部が衝撃を受けることになる。また、離脱時に誤って充電用コネクタを落としてしまうと、地面に突起物がある場合にロック部が突起物に衝突しやすくなるため、やはりロック部が衝撃を受けることになる。その点、上記の充電用コネクタでは、ロック部を補強する補強突部などが何ら設けられておらず、ロック部全体としての強度が弱いため、衝撃に耐えられないおそれがある。

本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ロック部の耐衝撃性能を高めることを目的とする。

本発明は、車両におけるバッテリに充電する際に、そのバッテリに接続された車両側コネクタと嵌合される充電用コネクタであって、車両側コネクタと嵌合可能なコネクタ嵌合部と、前方に開口する開口部を有し、コネクタ嵌合部の前端部を開口部から前方に突出させた状態でコネクタ嵌合部を内部に収容するケース体と、ケース体の内部からコネクタ嵌合部の前端部へ延出されたアームを有し、車両側コネクタとコネクタ嵌合部を嵌合状態に保持するレバーと、コネクタ嵌合部との間でアームを覆うようにしてケース体の開口部から前方に延出された保護壁とを備え、レバーの前端部には、コネクタ嵌合部側に突出する係止爪とコネクタ嵌合部とは反対側に突出する補強突部とからなるロック部が設けられており、補強突部は、係止爪よりも幅広である構成としたところに特徴を有する。

このような構成によると、ロック部が補強突部によって補強されているから、ロック部全体としての強度を高めることができる。したがって、ロック部の耐衝撃性能を高めることができる。

本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
ロック部は、車両側コネクタに設けられた被ロック部と係止状態となる係止位置と、係止状態が解除される解除位置との間を変位可能とされており、解除位置では、補強突部の外縁と保護壁の外縁とが面一をなして揃う構成としてもよい。

ロック部に補強突部を設ける弊害として、補強突部が他の部材と干渉しやすくなることが考えられる。その点、上記の構成によると、ロック部が解除位置にあるときでも補強突部の外縁が保護壁の外縁から突出しないため、補強突部が他の部材に対して干渉しにくくできる。また、ロック部が係止位置にあるときには、補強突部の外縁が保護壁の外縁から引っ込んで配置されるため、補強突部が他の部材に対してさらに干渉しにくくできる。

保護壁は、補強突部を覆うようにしてレバーの前端まで延出されている構成としてもよい。
このような構成によると、保護壁によって補強突部を覆うことができるため、補強突部が他の部材と干渉しにくくできる。

本発明によれば、ロック部の耐衝撃性能を高めることができる。

実施形態１における充電用コネクタを示した側面図 充電用コネクタを示した正面図 係止突部とロック突部との係止前の状態を一部切り欠いて示した側面図 係止突部とロック突部との係止途中の状態を一部切り欠いて示した側面図 係止突部とロック突部との係止状態を一部切り欠いて示した側面図 充電用コネクタの内部構造を側方から見た断面図 実施形態２における充電用コネクタを示した側面図

＜実施形態１＞
本発明の実施形態１を図１および図６の図面を参照しながら説明する。本実施形態における充電用コネクタ１０は全体としてピストル形状をなしており、図１に示すように、略前半部分を構成するコネクタ本体１１と、このコネクタ本体１１の後部から斜め下方に延びるグリップ１２とが形成されている。コネクタ本体１１とグリップ１２は、いずれも合成樹脂製とされており、一体に成形されている。コネクタ本体１１の前面には、円筒状をなして前方に突出するコネクタ嵌合部１３が設けられている。また、コネクタ本体１１の内部における上側には、レバー１４が収容されており、レバー１４の前端部がコネクタ本体１１の上面前縁から前方に突出して外部に臨んでいる。なお、本発明の「ケース体」は、コネクタ本体１１に対応している。

コネクタ嵌合部１３は、図６に示すように、コネクタ本体１１とは別部材として形成されており、図示しない係止手段によってコネクタ本体１１に固定されている。コネクタ嵌合部１３の内部には、円筒状をなす複数の端子収容部１５が設けられている。これらの端子収容部１５は、コネクタ嵌合部１３の奥壁１６から前方に突出して設けられている。端子収容部１５の内部には、端子金具２０を収容するキャビティ１７が形成されている。

キャビティ１７は、コネクタ嵌合部１３の奥壁１６において後方に開口する形態をなしている。一方、端子金具２０は、キャビティ１７の後端開口から前方に挿入可能とされており、端子金具２０の外周面に周設されたフランジ部２２がキャビティ１７の後端開口縁部に当接することによって端子金具２０が前止まりされている。キャビティ１７の前壁１７Ａには、後述する車両側端子６０を挿通可能な挿通孔が貫通して形成されている。また、キャビティ１７の内壁における前端下面には、水抜き孔２５が貫通して形成されている。キャビティ１７に浸入した水は、水抜き孔２５を通して外部に排出される。

コネクタ嵌合部１３の内部には、円筒状をなすゴムリング１８がコネクタ嵌合部１３の内周面に沿って嵌着されており、ゴムリング１８の前方には、ゴムリング１８の抜け止めを行うホルダ１９が装着されている。ホルダ１９は、ゴムリング１８と同じ円筒状をなし、コネクタ嵌合部１３の内面側に係止可能な係止部１９Ａを有している。この係止部１９Ａによりホルダ１９がコネクタ嵌合部１３の内周面に沿って嵌着されている。

コネクタ嵌合部１３の内周面におけるホルダ１９の装着部は、ホルダ１９の奥側よりも大径とされており、ホルダ１９が装着されることで、ホルダ１９の内周面とゴムリング１８の奥側におけるコネクタ嵌合部１３の内周面とがほぼ面一をなして揃うようになっている。ゴムリング１８のリップ部は、ホルダ１９の内周面よりも径方向内側に突出している。一方、車両側コネクタ５０は、図４に示すように、充電用コネクタ１０と嵌合可能なハウジング５１を有している。ハウジング５１は合成樹脂製であって、コネクタ嵌合部１３の内部に嵌合可能なハウジング本体５２を有している。これにより、ハウジング本体５２がコネクタ嵌合部１３の内部に嵌合したときに、ハウジング本体５２の外周面がゴムリング１８のリップ部に密着することで、両コネクタ１０，５０間が防水される。

ハウジング本体５２の外周には、嵌合筒部５３が周設されている。この嵌合筒部５３は、取付プレート５４の前方に突出しており、ハウジング本体５２と嵌合筒部５３との間にコネクタ嵌合部１３が嵌合可能とされている。嵌合筒部５３の上面には、ロック突部５５が設けられている。このロック突部５５は、レバー１４の前端部に設けられたロック部３１に対して嵌合方向に係止可能とされている。したがって、両コネクタ１０，５０を嵌合させると、ロック部３１がロック突部５５に係止することにより、両コネクタ１０，５０が嵌合状態に保持される。なお、取付プレート５４は、車両本体に設けられた取付開口部５６に宛われてボルト止めされており、取付開口部５６の後部には蛇腹状をなして後方に延びるグロメット５７が取り付けられている。

端子金具２０は、複数の接触片２３を備えた端子本体２１を有している。複数の接触片２３は、前方に開口する形態をなす端子本体２１の前端開口縁から後方に向けて切り欠くことで形成されるスリットを周方向に間欠的に複数本設けることによって形成されている。この種の端子は、すり割り端子などの名称で呼ばれる場合がある。

また、端子本体２１の後部には、後方に開口する円筒状をなすバレル部２４が形成されている。バレル部２４の内部には、電線Ｗの端末に露出した芯線が収容されている。バレル部２４をかしめることによって、電線Ｗの芯線がバレル部２４に対して導通可能に接続されている。電線Ｗは、バレル部２４から後方に延出されており、コネクタ本体１１とグリップ１２の内部を通って外部に引き出されている。

フランジ部２２の後方には、ゴム栓３０が収容されており、このゴム栓３０の抜け止めを行うバックリテーナ２６が設けられている。ゴム栓３０は、端子収容部１５の後方においてこれと同軸で配置されたゴム栓収容部２７の内部に収容されている。バックリテーナ２６は、ゴム栓収容部２７の上面に形成された突起に対して係止可能な係止片２６Ａを備えている。この係止片２６Ａによってバックリテーナ２６の後方への移動が規制され、さらにゴム栓３０とフランジ部２２の後方への移動が規制されている。

コネクタ本体１１の内部には、複数の端子金具２０に対応して複数の電線Ｗが後方に延出されており、これらの電線Ｗは、グリップ１２の内部で外部被覆に覆われて一本の電線Ｗ１に集約されている。電線Ｗ１は、グリップ１２の内部で電線把持リング（図示せず）などによって固定されており、さらにグリップ１２の後端部でブッシュ４０によって固定されている。

ブッシュ４０は、グリップ１２の後端開口部の内周面と電線Ｗ１の外周面とに密着しているため、グリップ１２の後端からグリップ１２の内部に水が浸入することを規制している。なお、コネクタ本体１１およびグリップ１２の下面側には、複数の水抜き孔２８が形成されているため、コネクタ本体１１およびグリップ１２の内部に水が浸入した場合でも、これらの水抜き孔２８から外部に水を逃がすことができるようになっている。

さて、レバー１４は、前後方向に延びるアーム１４Ｃを有しており、アーム１４Ｃの後端部に解除操作部１４Ｄが設けられている。アーム１４Ｃのほぼ中央部には、レバー回動中心部（図示せず）が設けられており、このレバー回動中心部を中心としてアーム１４Ｃの前後両端部がシーソー状に傾動可能とされている。また、解除操作部１４Ｄの下側には、コイルばね２９が蓄勢状態で装着されており、このコイルばね２９がアーム１４Ｃの後端部を上方へ押し上げることで、常にはロック部３１が図５の実線で示す係止位置に付勢されている。一方、解除操作部１４Ｄを下方に押し込むと、相対的にロック部３１が押し上げられて図５の二点鎖線で示す解除位置に変位するようになっている。

係止位置にあるレバー１４は、図６に示すように、コネクタ本体１１の内部においてコネクタ本体１１の開口部１１Ａと対応する位置に設けられた衝撃吸収パッド３２に接触している。このため、解除位置にて解除操作部１４Ｄを離すと、コイルばね２９のバネ力によってレバー１４が解除位置から係止位置へ勢いよく移動するものの、アーム１４Ｃが衝撃吸収パッド３２に衝突した際にその衝撃が吸収され、係止位置にてレバー１４の移動が停止される。

コネクタ本体１１の開口部１１Ａは、図５に示すように、両コネクタ１０，５０が嵌合した状態では、嵌合筒部５３の開口縁と対向状態で配置される。コネクタ本体１１においてレバー１４と対応する位置は、図２に示すように、上方に膨出して形成されており、この膨出部の前端部には、保護壁１１Ｂが形成されている。保護壁１１Ｂは、図１に示すように、開口部１１Ａよりも前方に張り出す形態で設けられている。これにより、レバー１４のアーム１４Ｃは、コネクタ嵌合部１３の上面と保護壁１１Ｂとの間に配置され、保護壁１１Ｂによって覆われた状態で保護される。

レバー１４の前端部に設けられたロック部３１は、下方に突出する係止突部１４Ａと、上方に突出する補強突部１４Ｂとから構成されている。このため、ロック部３１は、アーム１４Ｃよりも厚肉に形成されており、補強突部１４Ｂが設けられていないロック部よりも高い強度をもって形成されている。補強突部１４Ｂの上縁は、図４に示すように、レバー１４が解除位置にあるときには保護壁１１Ｂの上縁と面一をなして揃うようになっている。このことは、ロック部３１が最も高くなる解除位置にあるときでも補強突部１４Ｂの上縁が保護壁１１Ｂの上縁よりも突出しないことを意味している。これにより、補強突部１４Ｂが他の部材と干渉することを回避できる。

以上のような構成によると、次の作用効果を奏することができる。図３の状態から両コネクタ１０，５０を嵌合させると、図４に示すように、ロック部３１の係止突部１４Ａがロック突部５５に乗り上げた状態となり、レバー１４が解除位置に至る。ここからさらに両コネクタ１０，５０を嵌合させると、両コネクタ１０，５０が嵌合状態に至る。これと同時に、係止突部１４Ａがロック突部５５を乗り越えてレバー１４が弾性的に復帰するとともに、係止突部１４Ａとロック突部５５が嵌合方向に係止する。こうして、両コネクタ１０，５０が嵌合状態にロックされる。また、解除操作部１４Ｄを押し込むと、レバー１４が解除位置に傾動し、係止突部１４Ａとロック突部５５との係止状態が解除され、両コネクタ１０，５０を互いに引き離すことにより、両コネクタ１０，５０を離脱させることができる。

以上のように本実施形態によると、例えば、充電時に充電用コネクタ１０を車両側コネクタ５０に嵌合する際に、誤ってロック部３１を嵌合筒部５３の開口縁にぶつけてしまう場合もありうる。この場合であっても、ロック部３１が補強突部１４Ｂによって補強されているため、ロック部３１の破損を防ぐことができる。また、非充電時に誤って充電用コネクタ１０を落としてしまう場合もありうる。この場合、ロック部３１が地面にぶつかって衝撃を受けることになるものの、ロック部３１が補強突部１４Ｂによって補強されているため、ロック部３１の破損を防ぐことができる。したがって、ロック部３１の耐衝撃性能を高めることができる。

＜実施形態２＞
次に、本発明の実施形態２を図７の図面を参照しながら説明する。実施形態２の充電用コネクタ６０は、実施形態１のロック部３１と保護壁１１Ｂの構成を変更したものであって、その他の構成、作用、および効果については実施形態１と同様であるため、その説明を省略する。また、実施形態１と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。

すなわち本実施形態の充電用コネクタ６０では、図７に示すように、ロック部３３の補強突部３４の突出高さが実施形態１の補強突部１４Ｂよりも低くなっている。そして、補強突部３４が低くなったことに伴って形成される空間に保護壁３５が配置されている。つまり、保護壁３５は、コネクタ本体１１の開口部１１Ａからレバー１４の前端まで延出されており、アーム１４Ｃとロック部３３の双方を覆う形態とされている。したがって、ロック部３３は、実施形態１よりも他の部材とぶつかりにくくなっている。また、地面に突起物がある場合に、充電用コネクタ１０を誤って落としてしまい、万一、突起物がロック部３３に衝突することがあっても、ロック部３３が補強突部３４によって補強されているため、ロック部３３が破損することを回避できる。

＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
（１）上記実施形態ではグリップ１２を備えているものの、本発明によると、グリップを備えていない充電用コネクタとしてもよい。

（２）実施形態１では保護壁１１Ｂがアーム１４Ｃのみを覆っているものの、本発明によると、保護壁をレバー１４の前端まで延出して形成し、この保護壁に補強突部１４Ｂが嵌り込む孔を設け、この孔に補強突部１４Ｂが嵌り込むことで補強突部１４Ｂの上縁と保護壁の上縁とが面一をなして揃うようにしてもよい。

１０…充電用コネクタ
１１…コネクタ本体（ケース体）
１１Ａ…開口部
１１Ｂ…保護壁
１３…コネクタ嵌合部
１４…レバー
１４Ａ…係止突部（係止爪）
１４Ｂ…補強突部
１４Ｃ…アーム
３１…ロック部
３３…ロック部
３４…補強突部
３５…保護壁
５０…車両側コネクタ
５５…ロック突部（被ロック部）
６０…充電用コネクタ

Claims (4)

1. 車両におけるバッテリに充電する際に、そのバッテリに接続された車両側コネクタと嵌合される充電用コネクタであって、
   前記車両側コネクタと嵌合可能なコネクタ嵌合部と、
   前方に開口する開口部を有し、前記コネクタ嵌合部の前端部を前記開口部から前方に突出させた状態で前記コネクタ嵌合部を内部に収容するケース体と、
   前記ケース体の内部から前記コネクタ嵌合部の前端部へ延出されたアームを有し、前記車両側コネクタと前記コネクタ嵌合部を嵌合状態に保持するレバーと、
   前記コネクタ嵌合部との間で前記アームを覆うようにして前記ケース体の開口部から前方に延出された保護壁とを備え、
   前記レバーの前端部には、前記コネクタ嵌合部側に突出する係止爪と前記コネクタ嵌合部とは反対側に突出する補強突部とからなるロック部が設けられており、
   前記補強突部は、前記係止爪よりも幅広であることを特徴とする充電用コネクタ。
2. 前記ロック部は、前記車両側コネクタに設けられた被ロック部と係止状態となる係止位置と、前記係止状態が解除される解除位置との間を変位可能とされており、前記解除位置では、前記補強突部の外縁と前記保護壁の外縁とが面一をなして揃うことを特徴とする請求項１に記載の充電用コネクタ。
3. 前記保護壁は、前記補強突部を覆うようにして前記レバーの前端まで延出されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の充電用コネクタ。
4. 前記補強突部は、前記係止爪よりも後方に位置することを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載の充電用コネクタ。

Images