JP5432439B2 - 温間成形用アルミニウム合金板 - Google Patents

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Description

本発明は、温間でプレス成形などの成形加工を行なう温間成形用のAl−Mg−Si系合金板に関するものである。本発明で言うアルミニウム合金板とは、板状に、圧延、押出、鍛造、鋳造などによって製造されたアルミニウム合金を言う。以下、アルミニウムをAl、Al−Mg−Si系合金板を6000系Al合金板とも言う。
周知の通り、近年、地球環境に対する意識の高まりを背景に、燃費向上を目的として自動車、船舶き、航空機、あるいは、車両などの輸送機、機械、電気製品、建築、構造物、光学機器、器物の部材や部品用として、軽量化の要求が高まってきている。例えば、自動車のボディパネル材についても鋼板などの従来の鉄鋼材料に代わってアルミニウム合金材の適用が検討されてきている。
特に、自動車のフード、フェンダー、ドア、ルーフ、トランクリッドなどのパネル構造体に使用されるアウタパネル(外板)やインナパネル(内板)等のパネルには、前記アルミニウム合金材の中でも、薄肉であり、かつ高強度なAlパネル素材として、例えば、6000系Al合金板などの使用が検討されている。これらのAlパネル素材(Al合金板)は、多くの場合、プレス成形などで成形されて、上記各用途の部材や部品とされる。
6000系Al合金板は、Mg量などの合金量が多い5000系などのAl合金に比して、合金元素量が比較的少ない。このため、これら6000系Al合金板のスクラップを、Al合金溶解材 (溶解原料) として再利用する際に、元の6000系Al合金鋳塊が得やすく、リサイクル性にも優れている。また、6000系Al合金板は、基本的には、Si、Mgを必須として含み、優れた時効硬化能を有しているため、プレス成形や曲げ加工時には低耐力化により成形性を確保するとともに、成形後のパネルの塗装焼付処理などの、比較的低温の人工時効 (硬化) 処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度を確保できるBH性 (ベークハード性、人工時効硬化能、塗装焼付硬化性) を有する。
しかし、6000系Al合金板は、5000系Al合金板に比べてプレス成形性が良くない。このため、これまで、素材板側の特性を改善するために、MgやSi以外の第三、四元素を添加し、或いは合金元素の添加に併せて、結晶粒径、晶析出物の分散状態、粒界析出物、などのミクロ組織、あるいは集合組織を制御する冶金的な改善が種々方法が種々試みられてきた。
一方、プレス成形の加工側からもAl合金板の成形性を向上させる方法が提案されている。その一つの例は温間成形である。この温間成形は、例えば、パンチ部分を室温に、ダイス部分を温間にして、板を成形する方法である。この温間成形は、熱間成形やブロー成形などに比して比較的低温であり、高温で板の特性が変わる恐れがなく、Al合金板の成形性は大きく改善される。
この温間成形によるアルミニウム合金板の成形が、従来から種々提案されている。例えば、温間成形性に優れた5000系アルミニウム合金板が提案されている (特許文献1、2参照) 。
また、Fe:0.5〜2.0wt%、Mn:0.01〜0.6wt%、鋳造組織微細化剤0.10wt%以下を各々含有し、残部Alと不可避的不純物からなる特定組成のアルミニウム合金板におけるFe、Mnの固溶量を特定値以下に規定し、温間加工温度範囲200〜300℃における引張伸びが65%以上と高い、温間成形性に優れたアルミニウム合金板が提案されている (特許文献3参照) 。
更に、樹脂を挟む2枚のAl板を、Alを含有するはんだ材料により、予め固定し、温間成形時での加熱による樹脂剥離を極力抑え、板ズレを防止した制振Al板の温間成形も提案されている (特許文献4、5参照) 。
これに対して、6000系Al合金板の冶金的な温間成形性向上手段については、これまで、あまり提案されていない。しかし、室温でのプレス成形性向上に関しては、多くの提案がなされている。例えば、特許文献6〜10によれば、Si及びMg−Si系化合物を制御して成形性、塗装焼付硬化性および曲げ加工性を改善させている。また、特許文献9によれば、分散粒子のサイズや密度を制御して強度、BH性、成形性を改善させている。更に、特許文献10では、晶出物のサイズや個数を制御して、プレス成形性、耐食性、塗装焼付後の強度を向上させている。
そして、最近では、プレス成形性やヘミング(曲げ)加工などの成形性を改善するために、特にキューブ方位などの集合組織や、組織の異方性などを制御する方法も多数提案されている(特許文献12〜15参照:関連特許多数のため掲載文献を選択)。常法による製造方法では、通常、6000系Al合金板の結晶粒組織は等方性を有する。これに対し、上記集合組織制御技術は、キューブ方位など、特定の結晶方位を集積させ、曲げ加工中の粒界への転位蓄積の軽減、粒界エネルギー低下による粒界析出抑制に伴う粒界割れの抑制などにより、特に、自動車などのアウタパネルに特有の、フラットヘム加工による厳しい曲げ加工性などを改善しようとするものである。
更に、6000系Al合金板のプレス成形性自体を向上させるために、集合組織としての、Cube方位、回転Cube方位、Goss方位、Brass方位成分、S方位、Cu方位、PP方位などの、各方位成分の合計や互いの関係を、面積率や分布密度などで制御することも公知である(特許文献16〜18参照)。
また、成形側からの成形性改善策として、局部加熱ブランク法に代表される成形条件の最適化による成形性の改善も試みられている。この方法として、例えば、特許文献11によれば、プレス成形に先立って、大きな加工変形を受けるブランク(成形素材切板)部位のみを予め部分的に加熱することで軟質化させ、6000系Al合金ブランクなどのプレス成形性を向上させている。
特開平4−72030号公報 特開平7−310137号公報 特開2002−348625号公報 特開平11−221876号公報 特開2000−317534号公報 特開2003−105471号公報 特開2003−105472号公報 特開2002−356730号公報 特開2005−370484号公報 特開平11−71623号公報 特開2004−124151号公報 特開平11−189836号公報 特開2003−268475号公報 特開2003−226927号公報 特開2007−39773号公報 特開平11−236639号公報 特開2004−292899号公報 特開2006−200018号公報
前記特許文献1〜5などの、6000系Al合金板以外のAl合金の温間成形性向上手段を採用しても、6000系Al合金板の温間成形性が向上するとは限らない。合金系が違えば、温間成形性が向上するメカニズムが違い、当然、温間成形性向上効果の有無も異なってくるからである。
一方、前記特許文献6〜18などの、6000系Al合金板の組織制御などの冶金的な室温成形性向上手段を採用しても、6000系Al合金板の温間成形性が向上するとは限らない。成形温度が違えば、成形性が向上するメカニズムが違い、当然、温間成形性向上効果の有無も異なってくるからである。
このため、6000系Al合金板を温間成形しても、その成形性を十分向上させているとは限らなかった。言い換えると、6000系Al合金板の温間成形性の向上は、これまで十分とは言い難かった。
したがって、これまで、6000系Al合金板の温間成形性を向上させる手段は必ずしも明確ではなかった。このため、デザイン(形状)の複雑化や薄肉化、高強度化などで、近年ますます厳しさを増している、前記自動車パネルへの温間成形性向上の課題を満たすまでには至っておらず、6000系Al合金板の更なる温間成形性の向上が求められている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は温間成形性を向上させた6000系Al合金板を提供することである。
この目的を達成するために、本発明温間成形用アルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mg:0.62〜3.60%、Si:0.35〜2.30%を各々含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、MgとSiとが(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]を満足するAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、このアルミニウム合金板が、前記アルミニウム合金組成を有する鋳塊を450℃以上、融点未満の温度で均質化熱処理後に、60%以上、90%以下の圧延率と、250℃以上400℃以下の開始温度で熱間圧延し、更に50%以上、90%以下の圧延率で冷間圧延し、470℃以上、融点未満の温度で溶体化処理後、50℃/分以上の冷却速度で焼入れ処理して、製造されることによって、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率が20〜65%である集合組織とされ、この集合組織におけるCube方位の平均面積率が5〜15%であり、更に、平均結晶粒径10〜50μmであることである。
ここで、前記アルミニウム合金板の集合組織のうち、前記Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率に対する、前記Cube方位の平均面積率の比、(Brass方位+S方位+Cu方位の平均合計面積率)/Cube方位の平均面積率が1.5以上であることが好ましい。これらの集合組織の制御によって、前記アルミニウム合金板は、アルミニウム合金板の圧延方向に対して0°、45°、90°方向の各r値であるr0 、r45、r90の平均値であり、rbar =1/4×(r0 +2×r45+r90)と規定されるrbar が1.5以上であり、前記各r値の異方性を表し、Δr=1/4×(r0 −2×r45+r90)と規定されるΔrが0.75以下である温間成形性に優れている指標を有することが好ましい。
前記アルミニウム合金板において、Cu:0.05〜0.5%を含有することが好ましい。また、前記アルミニウム合金板において、前記不純物として、Fe:0.3%以下、Ti:0.2%以下、Mn:0.1%以下含有まで許容する。
本発明では、先ず、SiとMgとの組成バランス制御によって、組織中に析出する化合物(金属間化合物)を制御して、温間成形性を向上させる。SiとMgとの組成バランス制御によって、組織中のMg−Si(−Cu)系化合物の析出が促進され、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制される方向に働く。ここで、本発明で言うMg−Si(−Cu)系化合物とは、Mg−Si系化合物およびMg−Si−Cu系化合物の総称であり、Si(−Cu)系化合物とは、Si系化合物およびSi−Cu系化合物の総称である。
Mg−Si(−Cu)系化合物の形成は、温間成形時に化合物周囲の歪の蓄積を促進し、動的回復が容易になることで、板の温間での局部伸びが増大し、温間成形性が向上する。一方、これに対して、Si(−Cu)系化合物は硬質であり、温間成形時に破壊の起点として作用しやすいために、このSi(−Cu)系化合物が多すぎると温間成形性が低下する。これらMg−Si(−Cu)系化合物とSi(−Cu)系化合物との互いの共存と、互いの共存状態が温間成形性に与える大きな影響とは、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板(の組織)に特有の問題である。
これらの組織制御に加えて、本発明では、温間成形性を向上させるために、板の集合組織を制御する。即ち、アルミニウム合金板の組織を、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の各結晶方位が主流であり、加工集合組織としてのBrass方位、S方位、Cu方位と、再結晶集合組織としてのCube方位との両集合組織をバランスさせた集合組織とする。
ここで、アルミニウム合金板の温間成形性に優れている指標として、アルミニウム合金板の圧延方向に対して0°、45°、90°方向の各r値であるr0 、r45、r90の平均値rbar と、前記各r値の異方性を表すΔrとの好ましい条件を本発明では、前記した通り規定している。ここで、温間成形性に優れるためには、平均値rbar は大きいほど良く、異方性Δrは小さいほど良い。
加工集合組織としてのBrass方位成分、S方位成分、Cu方位成分などが増加した場合には、前記板の圧延方向に対して45°方向のr45が特に増加するために、平均値rbar は増加する。これに対して、再結晶集合組織としての、前記板の圧延方向に対して真っ直ぐである0°方向のCube方位成分が増すと、前記r45が特に減少するために、平均値rbar は減少する。
但し、前記r45が特に増加しすぎた場合には、前記各r値の異方性を表すΔrも増加して、これは逆に温間成形性を低下させる。これに対して、Cube方位成分が増すと、前記r45が特に減少するために、前記Δrは減少して、温間成形性を向上させる。
したがって、先ず、本発明では、加工集合組織としてのBrass方位、S方位、Cu方位と、再結晶集合組織としてのCube方位との両集合組織をバランスさせるために、前記集合組織において存在するCube方位を特定量として、特に前記Δrを減少させ、温間成形性を向上させる。
本発明では、これに加えて、好ましくは、加工集合組織としてのBrass方位成分、S方位成分、Cu方位成分などと、再結晶集合組織としてのCube方位成分との比を規定して、加工集合組織と再結晶集合組織との両集合組織を、更にバランスさせる。即ち、前記Δrで示される板の異方性を減少させるだけでなく、前記で示される板のr値の平均であるrbar を更に増加させて、温間成形性を向上させる。
本発明では、このように、板組織における、SiとMgとの組成バランス制御による析出化合物の制御と、合わせて、再結晶集合組織としてのCube方位成分を制御することよって、温間成形性を向上させる。
以下に、本発明の実施の形態につき、各要件ごとに具体的に説明する。
(Al合金組成)
本発明アルミニウム合金板は、温間成形性を向上させるために、前提として、ある程度の伸びや延性を有することが必要である。実際の温間成形では、摩擦抵抗などにより材料の流入が困難となったり、張出要素が必要な変形部位が発生するからである。このため、温間成形性が良いためには「ある程度以上の」伸びや延性、そして強度が前提として必要となる。
これを満足し、かつ、後述する温間成形性向上のための、SiとMgとの組成バランスや組織形態とするために、本発明アルミニウム合金板組成は、前提として、質量%で、Mg:0.57〜4.5%、Si:0.33〜2.5%を各々含み、残部がAlおよび不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金組成とする。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%である。
(残部組成)
含有するSiとMgとの組成バランスによる温間成形性の向上を保証するために、本発明Al−Mg−Si系合金板では、残部組成は、基本的にアルミニウムおよび不可避的不純物からなるものとする。ただ、この不可避的不純物として、温間成形性や自動車材パネル用などとして要求される諸特性を阻害しない範囲で、Fe、Ti、Mn、Cr、Cr、V、Zn、あるいはその他の元素を含むことを許容する。より具体的には、Fe:0.3%以下、Ti:0.2%以下、Mn:0.1%以下含有まで許容する。
例えば、リサイクルの観点から、溶解材として、高純度Al地金だけではなく、6000系合金やその他のAl合金スクラップ材、低純度Al地金などを溶解原料として使用して、本発明Al合金組成を溶製する場合には、これらの元素は必然的に含まれることとなる。このため、本発明では、上記した通り、目的とする本発明効果を阻害しない量だけ、これら不純物元素が含有されることを許容する。
(Mg:0.57〜4.5%)
このMg含有量は、後述するSiとMgとの組成バランスを制御して、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御するための前提となる含有範囲である。
また、Mgは、自動車パネル材用などとして、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記人工時効処理時に、Siとともに強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、前記自動車パネルとして必要な耐力を得る。Mgの0.57%未満の含有では、上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、Mgの絶対量が不足するため、人工時効処理時に前記化合物相を形成できず、時効硬化能を発揮できない。このため自動車パネルとして必要な前記耐力が得られない。一方、Mgが4.5%を越えて含有されると、やはり上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、却ってヘム曲げ加工性やプレス成形性を低下させる。
(Si:0.33〜2.5%)
このSi含有量は、後述するSiとMgとの組成バランスを制御して、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御するための前提となる含有範囲である。
またSiは、Mgとともに、自動車パネル材用などとして、固溶強化と、塗装焼き付け処理などの前記低温短時間の人工時効処理時に、強度向上に寄与する時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮する。これによって、例えば、自動車のパネルとして必要な強度(耐力)を得ることができ、プレス成形性、ヘム (曲げ) 加工性などの諸特性を兼備できる。Si含有量が0.33%未満では、上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、上記時効硬化能、プレス成形性などが低下する。一方、Siが2.5%を越えて含有されると、やはり上記SiとMgとの組成バランス制御ができなくなる。また、却ってヘム加工性やプレス成形性が低下する。更に、溶接性を著しく阻害する。
(SiとMgとの組成バランス)
板の温間成形性を向上させるためには、200〜300℃における局部伸びが高く、かつ、この局部伸びの全伸びに対する比率を高くする。このために、本発明Al−Mg−Si系合金板組成では、含有するSiとMgとの組成バランスが重要となる。
このSiとMgとの組成バランス制御によって、本発明では、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御する。このため、本発明ではAl−Mg−Si系合金板が含有するSiとMgとが、下記条件Aと条件Bとのいずれかを満足するものとする。
条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]。
条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%で、Si含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]。
図1に、この条件Aと条件Bとなる領域A、Bを各々示す。図1において、横軸がMg含有量、縦軸がSi含有量である。図1において、点線で示す中央の斜線がSi含有量が(0.578×Mg含有量)のMgと当量となる線である。この斜線(点線)より上側の、斜線(点線)に平行な斜めの実線が、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)+0.3]となる線である。また、この斜線(点線)より下側の、斜線(点線)に平行な斜めの実線が、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)−0.4]となる線である。
これら二つの斜めの実線に囲まれた範囲が、上記条件Aと条件Bとを満足する範囲となり、点線で示す中央の斜線より上側が上記条件Aを満足する範囲、点線で示す中央の斜線より下側が上記条件Bを満足する範囲である。
上記条件Aにおいて、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)+0.3]を超えると(図1の点線で示す中央の斜線より上側の斜めの実線を超えると)、Mg−Si(−Cu)系化合物の占める面積率における、SiのみでなるSi(−Cu)系化合物の占める面積率の比が大きくなりすぎる。その結果、破壊の起点が多くなりすぎるために、温間成形性が低下する。なお、より好ましくは、Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.2]、さらに好ましくはSi含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.1である。
上記条件Bにおいて、Si含有量が[(0.578×Mg含有量)−0.4]未満であると(図1の点線で示す中央の斜線より下側の斜めの実線を下回ると)、Mg−Si(−Cu)系化合物の占める面積率と、SiのみでなるSi(−Cu)系化合物の占める面積率とを合計した総面積率が大きくなりすぎる。そのため、粗大な化合物が形成され、温間成形性が低下する。
また、上記条件Aにおいて、Mg含有量が3.8%を超えた場合(図1のMg含有量が3.8%を超えた場合)、および、上記条件Bにおいて、Si含有量が2.2%を超えた場合(図1のSi含有量が2.2%を超えた場合)は、いずれも、Mg−Si(−Cu)系化合物の占める面積率と、SiのみでなるSi(−Cu)系化合物の占める面積率とを合計した総面積率が大きくなりすぎる。そのため、粗大な化合物が形成され、温間成形性が低下する。
なお、上記条件AにおけるMg含有量の上限値は、好ましくは2.85%以下、より好ましくは、2.21%以下である。また、上記条件BにおけるSi含有量の上限値は、好ましくは1.65%以下、より好ましくは1.28%以下である。
(Cu:0.05〜0.5%)
Cuは、前記低温短時間の人工時効処理の条件で、Al合金板組織の結晶粒内への強度向上に寄与する時効析出物の形成を促進させ、高耐力を得やすい効果がある。また、固溶したCuは成形性を向上させる効果もある。したがって、Cuは、これらの効果を期待するために、選択的に含有させる。Cu含有量が少なすぎると、効果を発揮するに必要なCu量や固溶量を確保できない。ただ、Cu含有量が多すぎると耐食性が低下する。したがって、Cuは0.05〜0.5%の範囲で選択的に含有させる。
(集合組織)
本発明では、温間成形性を向上させるために、前記したSiとMgとの組成バランス制御に加えて、Al合金板の集合組織を制御する。即ち、前記したSiとMgとの組成バランスを有するAl合金板の組織を、前提として、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の各結晶方位が主流であり、加工集合組織としてのBrass方位、S方位、Cu方位と、再結晶集合組織としてのCube方位との両集合組織を有する集合組織とする。
具体的には、先ず、Al合金板の集合組織における、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率を20〜65%の範囲とする。温間成形性を向上させるためには、このように、前提として、先ず、加工集合組織としてのBrass方位、S方位、Cu方位と、再結晶集合組織としてのCube方位との両集合組織を主流とする集合組織とする。
加工集合組織としては、勿論、Brass方位、S方位、Cu方位以外の結晶方位もあるし、再結晶集合組織としても、勿論Cube方位以外の結晶方位もある。しかし、これら本発明で選択した、各結晶方位の温間成形性への影響が、それ以外の結晶方位に比して、それぞれ大きい。例えば、Cube方位は、後述する通り、r値の異方性を減少させる効果が高い。また、Brass方位、S方位、Cu方位は、圧延方向に対して45°方向のr値であるr45が大きく、この3つの方位が板のr値の平均である前記rbar を増加させる効果が大きい。
このため、Al合金板の集合組織における前記各方位の平均合計面積率が上記範囲を外れ、下限の20%未満と小さすぎるか、あるいは上限の65%を超えて大きすぎても、温間成形性に効く、後述するような、加工集合組織と再結晶集合組織との両集合組織をバランスさせた集合組織とはならない。
(Cube方位)
次に、本発明では、温間成形性を向上させるために、上記した加工集合組織と再結晶集合組織とを両方有する特定の集合組織において、再結晶集合組織としてのCube方位の平均面積率を5〜15%の範囲とする。このように、上記集合組織における加工集合組織に対して、再結晶集合組織としてのCube方位をバランスさせることによって、前記Δr(r値の異方性)を減らして、温間成形性を向上させる。
Al合金板の温間成形性に優れていることを定量的に表せる指標として、前記した通りr値があり、特に、rbar とΔrとが温間成形性と良く対応する。rbar は、Al合金板の圧延方向に対して0°、45°、90°方向の各r値であるr0 、r45、r90の平均値であり、rbar =1/4×(r0 +2×r45+r90)と規定される。また、Δrは前記各r値の異方性を表し、Δr=1/4×(r0 −2×r45+r90)と規定される。ここで、Al合金板の温間成形性を向上させるためには、上記rbar が1.5以上であり、上記Δrが0.75以下であることが好ましい。
これに対して、上記した加工集合組織と再結晶集合組織とを両方有する特定の集合組織において、Cube方位の平均面積率が5%未満では、r値の異方性を示す前記Δrが前記0.75を超えて高くなるために、Al合金板の温間成形性が向上しない。一方、Cube方位の平均面積率が15%を超えると、逆に、r0 、r45、r90の平均値を示す前記rbar が1.5未満に小さくなり、却ってAl合金板の温間成形性が向上しない。したがって、再結晶集合組織としてのCube方位の平均面積率を5〜15%の範囲とする。
(加工集合組織と再結晶集合組織との比)
ここで、本発明では、前記したCube方位の規定に加えて、上記した特定の集合組織において、好ましくは、この集合組織を構成する、加工集合組織と再結晶集合組織との、両者のバランスを図ることで、更に温間成形性が向上する。即ち、加工集合組織としてのBrass方位成分、S方位成分、Cu方位成分の平均合計面積率に対する、再結晶集合組織としてのCube方位成分の平均面積率の比、(Brass方位成分+S方位成分+Cu方位成分の平均合計面積率)/Cube方位成分の平均面積率を、特定の範囲にバランスさせることで温間成形性を更に向上させる。
これは、前記したCube方位の規定によって、前記Δrで示される板の異方性を減少させるだけでなく、Brass方位成分+S方位成分+Cu方位成分の平均合計面積率が効く、板のr値の平均である前記rbar を増加させて、Al合金板の温間成形性を向上させるものである。
具体的には、前記(Brass方位+S方位+Cu方位の平均合計面積率)/Cube方位の平均面積率(加工集合組織とCube方位との面積比)を1.5以上とする。この加工集合組織とCube方位との面積比が1.5未満では、上記3つの方位の加工集合組織が少なすぎて、前記平均値rbar が1.5未満に小さくなりすぎ、成形時の変形に際して、板厚減少が大きくなるため、温間成形性が低下する可能性が大きい。
(集合組織の測定)
本発明において、Al合金板の集合組織の測定には、電界放出型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FESEM)に、後方散乱電子回折像[EBSP: Electron Back Scattering (Scattered) Pattern] システムを搭載した結晶方位解析法を用いた。Cube方位の平均面積率、(Brass方位+S方位+Cu方位の平均合計面積率)/Cube方位の平均面積率の測定本法を用いた理由は、この測定方法が、高分解能ゆえに、高精度であるためである。また、この方法によって、Al合金板の平均結晶粒径も、同時に高精度に測定できる。
EBSP法は、FESEM(FE−SEM)の鏡筒内にセットしたAl合金板の試料に、電子線を照射してスクリーン上にEBSPを投影する。これを高感度カメラで撮影して、コンピュータに画像として取り込む。コンピュータでは、この画像を解析して、既知の結晶系を用いたシミュレーションによるパターンとの比較によって、結晶の方位が決定される。算出された結晶の各方位は3次元オイラー角として、位置座標(x、y)などとともに記録される。このプロセスが全測定点に対して自動的に行なわれるので、測定終了時には数万〜数十万点の結晶方位データが得られる。
このように、EBSP法には、X 線回折法や透過電子顕微鏡を用いた電子線回折法よりも、観察視野が広く、数百個以上の多数の結晶粒に対する、平均結晶粒径、平均結晶粒径の標準偏差、あるいは方位解析の情報を、数時間以内で得られる利点がある。また、結晶粒毎の測定ではなく、指定した領域を任意の一定間隔で走査して測定するために、測定領域全体を網羅した上記多数の測定ポイントに関する、上記各情報を得ることができる利点もある。
なお、これらFESEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法の詳細は、神戸製鋼技報/Vol.52 No.2(Sep.2002)P66-70などに詳細に記載されている。本発明では、これらFESEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法を用いて、製品Al合金板(製造されたAl合金板)の板厚方向の表面部の集合組織を測定し、平均結晶粒径、平均結晶粒径の標準偏差、小傾角粒界の測定を行なう。
ここで、通常のAl合金板の場合、主に、以下に示す如きCube方位、Goss方位、Brass方位(以下、B方位ともいう)、Cu方位(以下、Copper方位ともいう)、S方位等と呼ばれる多くの方位因子からなる集合組織を形成し、それらに応じた結晶面が存在する。これらの事実は、例えば、長島晋一編著、「集合組織」(丸善株式会社刊)や軽金属学会「軽金属」解説Vol.43、1993、P285-293などの記載されている。
これらの集合組織の形成は同じ結晶系の場合でも加工、熱処理方法によって異なる。圧延による板材の集合組織の場合は、圧延面と圧延方向で表されており、圧延面は{ABC}で表現され、圧延方向は<DEF>で表現される(ABCDEFは整数を示す)。かかる表現に基づき、各方位は下記の如く表現される。
Cube方位 {001}<100>
Goss方位 {011}<100>
Rotated−Goss方位{011}<011>
Brass方位(B方位) {011}<211>
Cu方位(Copper方位){112}<111>
(若しくはD方位{4 4 11}<11118>
S方位 {123}<634>
B/G方位 {011}<511>
B/S方位 {168}<211>
P方位 {011}<111>
本発明においては、基本的に、これらの結晶面から±15°以内の方位のずれのものは同一の結晶面(方位因子)に属するものとする。また、隣り合う結晶粒の方位差が5°以上の結晶粒の境界を結晶粒界と定義する。これらの測定については、前記した通りに、FESEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法を用いて、合金板の板厚方向の1/4t部の集合組織を測定して、本発明で規定した各結晶方位の面積率の算出を行なった。この際、上記記載したCube方位からP方位までの各結晶方位(全結晶方位)の合計の面積を100として、本発明で規定した各方位の面積率算出を行なった。
具体的には、製品Al合金板の圧延面表面を機械研磨し、更に、バフ研磨に次いで電解研磨して、表面を調整した試料を用意した。その後、日本電子社製FESEM(JEOL JSM 54 10)を用いて、EBSPによる結晶方位測定並びに結晶粒径測定を行った。測定領域は1500μm×1500μmの領域であり、測定ステップ間隔2μmとした。EBSP測定・解析システムは、EBSP:TSL社製(OIM)を用いた。
(平均結晶粒径)
本発明では、上記測定による製品Al合金板の平均結晶粒径を小さくして、板の温間での局部伸びを増大させ、温間成形性を向上させる。200〜300℃における局部伸びを高くし、板の温間成形性を向上させるためには、平均結晶粒径を10〜50μmとする。平均結晶粒径は小さい方が良いが、10μm以下の合金は現行の量産工程で作製することは困難である。また、平均結晶粒径が50μmを超えると、温間での局部伸びが低下するため、温間成形性が低下する。なお、平均結晶粒径の上限値は好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下である。
本発明では、基本的に、±15°以内の方位のずれは同一の結晶粒に属するものと定義し、隣り合う結晶粒の方位差が5°以上の結晶粒の境界を結晶粒界と定義した上で、平均結晶粒径を以下の式により算出した。平均結晶粒径=(Σx)/n。ここで、nは測定した結晶粒の数、xはそれぞれの結晶粒径を示す。
(製造方法)
次ぎに、本発明Al合金板の製造方法について以下に説明する。上記したような集合組織を有する本発明Al合金板は、上記したアルミニウム合金組成を有する100mm以下の厚さの鋳塊を鋳造し、これを均質化熱処理後に、92%以下の圧延率で熱間圧延し、更に92%以下の圧延率で冷間圧延して、2.0mm以下の厚さの板とすることで製造できる。製造された板(製品板)は溶体化および焼入れ処理、予備時効処理、時効処理、焼鈍処理などの調質処理を必要により施される。
特に、Al合金板の集合組織を、本発明のような集合組織にし、更に平均結晶粒径を10〜50μmとするためには、上記した鋳塊の厚さ、熱延の圧延率、冷延の圧延率などの条件を組み合わせることが重要となる。これらの条件を外れてAl合金板を製造すると、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率が20〜65%である集合組織であって、この集合組織におけるCube方位の平均面積率が5〜15%である集合組織となりにくい。また、(Brass方位+S方位+Cu方位の平均合計面積率)/Cube方位の平均面積率が1.5以上である集合組織ともなりにくい。更に、平均結晶粒径が50μmを超えて粗大化しやすい。
(溶解、鋳造)
先ず、溶解、鋳造工程では、上記6000系成分規格範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯を、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。この際、鋳造される鋳塊の厚さは100mm以下とする。このような鋳塊の薄肉化は、冷間圧延後の最終の溶体化処理において、再結晶の核となる晶出物を微細分散化させることができる。このため、製品板の結晶粒微細化に寄与し、温間成形性が向上する。鋳塊の厚さが100mmを超えた場合には、平均結晶粒径を50μmとすることが難しくなる。
(均質化熱処理)
次いで、前記鋳造されたAl合金鋳塊に均質化熱処理を施す。この際、均質化熱処理の温度は、450℃以上、融点未満の温度が適宜選択される。この均質化熱処理は、組織の均質化、すなわち、鋳塊組織中の結晶粒内の偏析をなくすことを目的とする。焼鈍温度が低過ぎると鋳塊の粒内偏析を十分になくすことができず、これが破壊の起点として作用するため、温間成形性が低下する。均質加熱時間は2〜30hr以上とする。均質加熱時間が短いと、鋳塊の粒内偏析を十分になくすことができず、これが破壊の起点として作用するため、温間成形性が低下する。また、均質加熱時間が長時間となっても、均質化の効果が飽和するため、それ以上の長時間の焼程を施しても効果は無い。
(熱間圧延)
熱間圧延の圧延率は92%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下とする。熱間圧延の圧延率が92%より大きいと、熱間圧延における歪みの蓄積が多くなりすぎ、再結晶が促進されるために、集合組織におけるCube方位の平均面積率が15%を超えて大きくなりすぎる。また、同時に、前記加工集合組織の平均合計面積率/Cube方位の平均面積率が1.5を超えて大きくなりすぎ、温間成形性が低下する。なお、熱間圧延開始温度が低い方が、熱延中の析出促進及び析出物粗大化を抑制し、また粗大な再結晶粒の形成を抑制し、強度や成形性を劣化させないゆえ、好ましくは400℃以下で、下限は好ましくは250℃以上とする。
(熱延板の焼鈍)
この熱延板の冷間圧延前の焼鈍 (荒鈍) は、必要に応じて行なう。製造の効率化や製造コストの低減のために省略し、熱延板を予め焼鈍を施こすことなく、冷間圧延を行っても良い。
(冷間圧延)
熱間圧延の後に冷間圧延を行なって、所望の板厚の冷延板 (コイルも含む) を製作する。この際、冷間圧延の圧延率を92%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下とする。冷間圧延の圧延率が92%より大きいと、冷間圧延における歪みの蓄積が多くなりすぎ、続く溶体化処理における再結晶が促進される。このため、集合組織におけるCube方位の平均面積率が15%を超えて大きくなりすぎる。また、同時に、前記加工集合組織の平均合計面積率/Cube方位の平均面積率が3.0を超えて大きくなりすぎ、温間成形性が低下する。
(溶体化および焼入れ処理)
溶体化処理は、Si(−Cu)系化合物を再固溶させ、続く冷却(焼入れ)工程や、後の人工時効硬化処理におけるMg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進させるものである。このために、溶体化温度は470℃以上、融点未満とし、溶体化後の冷却(焼入れ)速度は50℃/分以上の速度とする。この冷却速度を確保するために、焼入れ処理は、ファンによる強制空冷、ミスト、スプレー、浸漬等の水冷手段や条件を各々選択して用いた急冷とすることが好ましい。
この溶体化温度が低すぎると、溶体化処理でのSi(−Cu)系化合物の再固溶が不完全となり、Si(−Cu)系化合物が多くなり過ぎ、温間成形性向上のための、Mg−Si(−Cu)系化合物析出促進と、Si(−Cu)系化合物析出抑制とができなくなる。このため、温間成形性が低下し、前記面積比B/Aや前記化合物数密度の条件をも満足できなくなる可能性が高い。
一方で、溶体化温度が融点を超えた場合、結晶粒が粗大化して、温間成形性が低下する。また、冷却速度が遅すぎると、冷却過程で結晶粒が粗大化するとともに、Si(−Cu)系化合物が析出するため、Si(−Cu)系化合物が多くなり過ぎ、温間成形性向上のための、Mg−Si(−Cu)系化合物析出促進と、Si(−Cu)系化合物析出抑制とができなくなる。このため、温間成形性が低下し、前記面積比B/Aや前記化合物数密度の条件をも満足できなくなる可能性が高い。ただ、量産工程における設備上の冷却速度の上限は2500℃/s程度であるので、これを上限とする。
本発明では、成形パネルの塗装焼き付け工程などの人工時効硬化処理での時効硬化性を高めるため、溶体化焼入れ処理後のクラスターの生成を抑制し、GPゾーンの析出を促進するために、予備時効処理をしても良い。この予備時効処理は、50〜140℃の温度範囲に1〜24時間の必要時間保持することが好ましい。
この予備時効処理として、溶体化処理後の焼入れ終了温度を50〜140℃と高くした後に、直ちに再加熱乃至そのまま保持して行う。あるいは、溶体化処理後常温までの焼入れ処理の後に、直ちに50〜140℃に再加熱して行う。また、連続溶体化焼入れ処理の場合には、前記予備時効の温度範囲で焼入れ処理を終了し、そのままの高温でコイルに巻き取るなどして行う。なお、コイルに巻き取る前に再加熱しても、巻き取り後に保温しても良い。また、常温までの焼入れ処理の後に、前記温度範囲に再加熱して高温で巻き取るなどしてもよい。
この他、用途や必要特性に応じて、更に高温の時効処理や安定化処理を行い、より高強度化などを図ることなども勿論可能である。
(温間成形方法)
次に、本発明6000系Al合金板が適用されて好ましい温間成形方法を以下に説明する。本発明6000系Al合金板は、深絞り、張出などの種々の温間でのプレス成形に適用できる。言い換えると、温間成形方法自体は、深絞り、張出などの通常のプレス成形が適用できる。また、これらの温間成形方法で使用するプレス装置も、通常の温間成形用プレス機が適用できる。
図2のプレス成形機の断面図を用いて、深絞りを意図したプレス成形を説明する。図2において、1は成形される6000系アルミニウム合金板、5はパンチ(パンチ)、6はダイス(金型)、7は板押さえである。そして、2は板押さえ7とダイス(金型)6によって挟持された板1の周囲のフランジ部分、3は板1のダイス6内に流入した筒状成形品の筒壁部分、4はパンチ5の底部に当接して成形(荷重負荷)される筒状成形品の筒底部分である。
ここで、好ましい温間成形方法としては、板1のフランジ部分2をダイス6内に流入しやすくするために、この板1のフランジ部分2を150〜400℃の比較的高温とする。このために、この板1のフランジ部分2を加熱する。この加熱方法は、プレス機に導入する前に予めヒーターや炉などを用いて、板全体か、板1のフランジ部分2のみを加熱するか、または、図示するダイス6および/または板押さえ7をヒーター8などで加熱して、プレス機に導入後に板1の周囲のフランジ部分2を部分的に加熱する。
本発明では、前記した通り、温間成形される6000系Al合金板の含有するSiとMgとの組成バランスによって、Al合金板のパンチされる部分は、板のフランジ部分として加熱された際の流動応力が低く、パンチ底部との当接部として冷却された際の破断強度が高くしている。即ち、冷却された際の破断強度と、加熱された際の流動応力との差が大きい特性となり、温間成形性を向上させている。
ただ、この加熱温度は150℃以上とすることが好ましい。この加熱温度が150℃未満では、加熱温度が低過ぎ、通常の室温成形と変わりなくなり、本発明6000系Al合金板であっても、温間成形自体の利点が損なわれる。
一方、この加熱温度が400℃を越えた場合、温度が高過ぎ、本発明6000系Al合金板であっても、材料のダイス6への流入量が多くなり過ぎる可能性があり、成形品にしわが発生しやすくなる。
これに対して、板1のパンチされる部分として、パンチ5のコーナー部に当接する板3のコーナー部や、パンチ5の底部に当接する板4の部分を、破断強度を高めるために、100℃以下の比較的低温とする。
このために、前記加熱された板を冷却する必要があり、パンチ5の底部を循環水により冷却するなどして、100℃以下の比較的低温とする。なお、100℃以下の下限の温度については、パンチ5による板4の冷却能力にも依るが、室温程度となる。
ただ、この温度が100℃を越えた場合、本発明6000系Al合金板であっても、パンチ5のコーナー部に当接する板3のコーナー部や、パンチ5の底部に当接する板4の部分の破断強度が低くなり、成形途中で割れが生じる可能性が高くなる。
このような温間成形条件と、本発明6000系Al合金板の含有するSiとMgとの組成バランスによって、更に温間成形性が向上する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
次に、本発明の実施例を説明する。表1に示す1〜9(発明例)、10〜17(比較例)の各組成およびSiとMgとの組成バランスを有する6000系Al合金板を、表2に各々示す条件で製造し、これらの集合組織や温間成形性を測定、評価した。これらの結果を表3に各々示す。
各試験材Al合金板の、より具体的な共通する製造条件は以下の通りである。表1に示す各組成で、表2に示す各厚さの鋳塊(100mm幅、150mm長さ)を、DC鋳造法により溶製後、共通して550℃×5.0時間の均質化熱処理を施した。この均質化熱処理後に、表2に示す開始温度、終了温度、圧延率にて熱間圧延した。これらの熱延板を、荒鈍を省略した上で、表2に示す圧延率にて、直接冷間圧延を行い、板厚1.0mmの冷延板コイルを得た。この板コイルを、共通して、連続炉で、530℃の溶体化温度での保持時間が数秒の溶体化処理および、300℃/分の冷却速度で室温まで冷却する水焼入れ処理を行った。その後、直ちに、70℃の温度に再加熱して、この温度範囲に2時間保持するなどの一連の調質処理を共通して行なった。
(温間局部伸び)
上記各調質処理後の板から圧延方向に対する角度が90°方向を長手方向とする引張試験片を採取し、JIS5号引張試験により応力−歪み曲線を得た後、温間での局部伸び(%)を求めた。引張試験時の雰囲気温度は250℃とし、予め雰囲気温度に到達後に引張試験片を装着し、装着後に約10分間保持した後、引張試験を実施した。さらに、各サンプルについて3回の試験を行い、その平均値を採用した。
(BH性)
BH性(ベークハード性)は、上記各調質処理後の板と、これを170℃×20分熱処理(人工時効硬化処理)後の板から、圧延方向に対する角度が90°方向を長手方向とする引張試験片を採取し、JIS5号引張試験により応力−歪み曲線を得た後、0.2%耐力(MPa)を求めた。各サンプルについて3回の試験を行い、その平均値を採用した。
(集合組織、平均結晶粒径)
上記各調質処理後の板の集合組織、平均結晶粒径の測定は、表面から板厚1/4t深さ部の圧延面の集合組織の、前記した測定方法により行った。具体的には、上記各調質処理後の板の、圧延方向で、垂直方向(板厚方向)に、0.25mmを機械研磨により削り落とし、バフ研磨に次いで電解研磨し、表面を調整した試料を用意した。
その後、TSL社製EBSP測定・解析システム(OIM)を搭載した、日本電子社製SEM(JEOL JSM 5410 )を用い、この集合組織における、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率(%)、Cube方位の平均面積率(%)、平均結晶粒径(μm)の測定を行った。測定領域は1500μm×1500μmの領域であり、測定ステップ間隔は2μmとした。
(温間成形性)
また、上記調質処理後の板から供試板 (ブランク) を切り出し、図2に示すプレス機を用いて、温間成形試験により供試板を深絞りし、試験片の一部が破断した際のパンチ深さを成形高さ(破断に至るまでのパンチ深さの最大値/mm)とし、この成形高さ測定、評価を行なった。この成形高さが高いほど深絞り成形性に優れていることを意味し、例えば、通常の自動車用パネルへの成形に要求される深絞り成形性を満足するためには、成形高さは25mm以上であれば、素材板として合格となる。
この際、図2に示すプレス機による温間成形の温度条件としては、板1のフランジ部分2が260℃になるよう、ヒーター8を用いて加熱した。また、パンチ5の底部を循環水により冷却して、パンチ5のコーナー部に当接する板3のコーナー部や、パンチ5の底部に当接する板4の部分を100℃以下の比較的低温とした。これらの温度は接触式温度計により測定し、所定測定時間内での複数回測定における平均温度とした。
この温間成形の温度条件は、本発明アルミニウム合金板の温間成形方法の条件である、アルミニウム合金板のフランジ部分を150〜400℃の比較的高温とする一方、このアルミニウム合金板のパンチされる部分を100℃以下の比較的低温としてプレス成形することを満足する。
表1〜3の発明例は、表1の発明範囲内の各組成の合金を用い、表2の通り好ましい製造条件で製造されている。このため、表3の通り、MgとSiとが、条件A:Mg含有量が0.57〜3.8%の場合には(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]、条件B:Mg含有量が0.57〜4.5%でSi含有量が0.33〜2.2%の場合には[(0.578×Mg含有量)−0.4]≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)]のいずれかを満足する。また、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率が20〜65%である集合組織を有し、この集合組織におけるCube方位の平均面積率が5〜15%であり、更に、平均結晶粒径が10〜50μmである。
これらの結果、発明例は、表3の通り、板の特性として、250℃における局部伸びが高く、r0 、r45、r90の平均値であり、rbar =1/4×(r0 +2×r45+r90)と規定されるrbar が1.5以上であり、前記各r値の異方性を表し、Δr=1/4×(r0 −2×r45+r90)と規定されるΔrが0.75以下である。したがって、発明例は25mm以上の成形高さを有し、温間成形性に優れている。
これに対して、表2の通り、比較例10〜13は、表1の発明範囲内の組成の合金を用いているものの、表2の通り製造条件が好ましい範囲から外れる。このため、表3の通り、MgとSiとが、前記条件Aか条件Bのいずれかが発明範囲から外れる。これによって、比較例10〜13は、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織において、Mg−Si(−Cu)系化合物の析出を促進し、かつ、Si(−Cu)系化合物の析出を抑制する方向に制御していない。この結果比較例10〜13は、表3の通り、板の特性として、250℃における局部伸び、rbar かΔrのいずれかが発明例に比して劣る。したがって、比較例10〜13は、表3の通り、成形高さがいずれも25mm未満であり、発明例に比して温間成形性が劣っている。
比較例14は、表1の通り、Crの含有量が多すぎる発明範囲外の組成の合金を用いている。このため、表2の通り製造条件が好ましい範囲内であるものの、表3の通り、板の特性として、250℃における局部伸び、rbar かΔrのいずれかが発明例に比して劣る。したがって、比較例14は、表3の通り、成形高さがいずれも25mm未満であり、発明例に比して温間成形性が劣っている。
比較例15〜17は、表1の発明範囲内の組成の合金を用いているものの、表2の通り製造条件が好ましい範囲から外れる。比較例15は鋳塊の厚さが厚すぎる。比較例16は熱延の圧延率が大き過ぎる。比較例17は冷延の圧延率が大き過ぎる。このため、比較例15〜17は、表3の通り、板の結晶粒径が粗大化しているか(比較例15)、板の特性として、250℃における局部伸び、rbar かΔrのいずれかが発明例に比して劣る。したがって、比較例15〜17は、表3の通り、成形高さがいずれも25mm未満であり、発明例に比して温間成形性が劣っている。
以上の実施例から、本発明各要件あるいは好ましい条件の、臨界的な意義が裏付けられる。
Figure 0005432439
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本発明によれば、温間成形性を向上させた6000系Al合金板を提供できる。


本発明が規定するSiとMgとの組成バランスの範囲を示す説明図である。 アルミニウム合金板の温間成形を示す断面図である。
符号の説明
1:板、2:板フランジ部、3:板壁部、4:板底部(ポンチとの接触部)、
5:ポンチ、6:ダイス(金型)、7:板押さえ

Claims (5)

  1. 質量%で、Mg:0.62〜3.60%、Si:0.35〜2.30%を各々含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、MgとSiとが(0.578×Mg含有量)≦Si含有量≦[(0.578×Mg含有量)+0.3]を満足するAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、このアルミニウム合金板が、前記アルミニウム合金組成を有する鋳塊を450℃以上、融点未満の温度で均質化熱処理後に、60%以上、90%以下の圧延率と、250℃以上400℃以下の開始温度で熱間圧延し、更に50%以上、90%以下の圧延率で冷間圧延し、470℃以上、融点未満の温度で溶体化処理後、50℃/分以上の冷却速度で焼入れ処理して、製造されることによって、Cube方位、Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率が20〜65%である集合組織とされ、この集合組織におけるCube方位の平均面積率が5〜15%であり、更に、平均結晶粒径10〜50μmであることを特徴とする、温間成形用アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板の集合組織のうち、前記Brass方位、S方位、Cu方位の平均合計面積率に対する、前記Cube方位の平均面積率の比、(Brass方位+S方位+Cu方位の平均合計面積率)/Cube方位の平均面積率が1.5以上である請求項1に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金板の圧延方向に対して0°、45°、90°方向の各r値であるr0 、r45、r90の平均値であり、rbar =1/4×(r0 +2×r45+r90)と規定されるrbar が1.5以上であり、前記各r値の異方性を表し、Δr=1/4×(r0 −2×r45+r90)と規定されるΔrが0.75以下である、請求項1または2に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金板において、Cu:0.05〜0.5%を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
  5. 前記アルミニウム合金板において、前記不純物として、Fe:0.3%以下、Ti:0.2%以下、Mn:0.1%以下の含有まで許容する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の温間成形用アルミニウム合金板。
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