JP2017179468A - 高成形性アルミニウム合金板 - Google Patents

高成形性アルミニウム合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車パネル材用として、従来の組成や製造条件を大きく変えることなく製造できる、高成形性6000系アルミニウム合金板を提供する。
【解決手段】6000系アルミニウム合金板の組織として、平均結晶粒径を小さくするとともに、板に引張変形を付与した際の小傾角粒界の平均割合を、前記引張変形により付与される歪量のレベルに応じて、低歪域と高歪域との二段階で制御して、自動車パネル材へのプレス成形における、高歪域から破断に至るまでの不均一変形を抑制し、高い加工硬化特性を発現させて高成形性とする。
【選択図】なし

Description

本発明は成形性に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板に関するものである。本発明で言うアルミニウム合金板とは、熱間圧延板や冷間圧延板などの圧延板であって、溶体化処理および焼入れ処理などの調質が施された後であって、用途である自動車部材などに成形され、塗装焼付硬化処理される前のアルミニウム合金板を言う。また、以下の記載ではアルミニウムをアルミやAlとも言う。
近年、地球環境などへの配慮から、自動車等の車両の軽量化の社会的要求はますます高まってきている。かかる要求に答えるべく、自動車の材料として、鋼板等の鉄鋼材料に代えて、成形性や塗装焼付硬化性(ベークハード性、以下BH性とも言う)に優れた、より軽量なアルミニウム合金材の適用が増加しつつある。
自動車のアウタパネル、インナパネルなどの大型自動車パネル材用のアルミニウム合金板としては、代表的にはAl−Mg−Si系のAA乃至JIS 6000系 (以下、単に6000系とも言う) アルミニウム合金板が例示される。この6000系アルミニウム合金板は、Si、Mgを必須として含む組成を有し、成形時には低耐力(低強度)で成形性を確保し、成形後のパネルの塗装焼付処理などの人工時効(硬化) 処理時の加熱により耐力(強度)が向上し、必要な強度を確保できる、塗装焼付硬化性が優れている。
自動車のアウタパネルは、デザイン性の点で、コーナー部やキャラクターラインなどの形状が先鋭化あるいは複雑化しても、ひずみやしわのない美しい曲面構成で鮮鋭なキャラクターラインを実現させることが必要である。また、自動車のインナパネルでも、前記アウタパネルとの関係で、設計される凹凸形状が深く(高く)なり、複雑化しても、ひずみやしわのない曲面構成を実現させることが必要である。
そして、このような高成形性化の要求は、素材であるアルミニウム合金板の採用拡大に伴って、年々厳しくなっている。
ただ、このような自動車パネル材用途に要求される高成形性化を、鋼板素材よりも難加工材である6000系アルミニウム合金板で、通常の(従来の)合金組成範囲や、通常の製造工程や条件を大きく変えることなく達成することは、かなり難しい課題となる。
これに対して、従来から、前記自動車パネル材用の素材6000系アルミニウム合金板において、前記成形性やBH特性を向上させるための組成や組織制御の手段は、結晶粒径の制御から、集合組織の制御を含め、原子の集合体(クラスター)の制御に至るまで、周知の通り、多数提案されている。
これらの組織制御の手段の中で、SEM/EBSD(あるいはEBSP)法により測定された小傾角粒界の割合を制御することも、従来から提案されている。
例えば、特許文献1では、前記パネル材用の、プレス成形時のリジングマーク性に優れた6000系アルミニウム合金板として、この板の幅方向断面における集合組織であって、板厚中心部における、集合組織としてのGoss方位の面積率が4%以下であるとともに、傾角5〜15°の小傾角粒界の割合を5%以下とすることが提案されている。
この特許文献1では、前記板厚中心部(板厚中央位置)において、前記小傾角粒界の割合が高いと、結晶粒界の全長が長くなり、板をプレス成形した場合に、板の部位、特に板の幅方向の部位による伸び変形能力が不均一となり、板の幅方向に亙る伸び変形能力が低下するとしている。
このため、特許文献1では、成形条件がより厳しくなった場合に、成形性が低下し、リジングマークが発生しやすくなるのを防止して、リジングマーク性を向上させるために、前記小傾角粒界の割合を抑制している。
特開2009−173972号公報
ただ、この特許文献1の成形性向上の目的は、プレス成形における前記リジングマーク性向上の域を出ず、前記した美しい曲面構成で鮮鋭なキャラクターラインを実現させるという、自動車パネル材に要求される厳しい高成形性を達成する目的ではない。
しかも、本発明者らの知見によれば、この特許文献1のように、前記集合組織としてのGoss方位の面積率や、前記小傾角粒界の割合を抑制するだけでは、前記したキャラクターラインを実現させる高成形性は達成できない。
したがって、このような高成形性を達成するためには、パネルデザインの変更や成形条件を変更して、成形時の負荷を緩和するか、6000系アルミニウム合金板の成形時の強度を大きく下げるなどの、従来周知の対策しか、これまでなかったのが実情である。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、自動車パネル材用として、従来の6000系アルミニウム合金板の組成や製造条件を大きく変えることなく製造できる、高成形性6000系アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の高成形性アルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Si:0.30〜2.0%、Mg:0.20〜1.5%、Cu:0.05〜1.0%、Mn:0%超、1.0%以下、Fe:0%超、1.0%以下を各々含み、残部がAl及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、
SEM/EBSD法により測定された板厚中央位置における組織として、平均結晶粒径が40μm以下であるとともに、傾角2.0〜15.0°の小傾角粒界の平均割合が、前記板の圧延方向に5%の歪の引張変形を付与した際には12〜30%の範囲であり、かつ、前記板の圧延方向に15%の歪の引張変形を付与した際には50〜70%の範囲であることとする。
本発明では、前記高成形性化を実現するために、6000系アルミニウム合金板の組織を微細化し、自動車パネル材への成形時において、引張変形により材料中に導入される粒内歪の局在化を抑制し、前記引張変形の際の低歪域から高歪域まで、均一に(比較的高めに)粒内に歪を蓄積するようにする。
このために、本発明では、6000系アルミニウム合金板の板厚中央位置における組織として、平均結晶粒径を小さくするとともに、板に引張変形を付与した際の小傾角粒界の平均割合を、前記引張変形により付与される歪量のレベルに応じて二段階で規定する。
これによって、自動車パネル材へのプレス成形における、高歪域から破断に至るまでの不均一変形を抑制し、高い加工硬化特性を発現させることができる。
しかも、これらの組織制御による高成形性化は、従来のアルミニウム合金組成や製造条件を大きく変えないで達成できる利点もある。
以下に、本発明の実施の形態につき、要件ごとに具体的に説明する。
(化学成分組成)
先ず、本発明のAl−Mg−Si系(以下、6000系とも言う)アルミニウム合金板の化学成分組成について、以下に説明する。本発明では、前記パネル材用として必要な高成形性や、BH性、強度、溶接性、耐食性などの諸特性を、組成の面からもこれらの要求を満たすようにする。但し、この場合でも、従来の組成や製造条件を大きくは変えないことを前提とする。
このような課題を組成の面から満たすようにするため、6000系アルミニウム合金板の組成は、質量%で、質量%で、Si:0.30〜2.0%、Mg:0.20〜1.5%、Cu:0.05〜1.0%、Mn:0%超、1.0%以下、Fe:0%超、1.0%以下を各々含み、残部がAl及び不可避不純物からなるものとする。
また、これに加えて、Cr:0%超、0.3%以下、Zr:0%超、0.3%以下、V:0%超、0.3%以下、Ti:0%超、0.1%以下、Zn:0%超、1.0%以下、Ag:0%超、0.2%以下、Sn:0%超、0.15%以下の1種または2種以上を含むことを許容する。
上記6000系アルミニウム合金板における、各元素の含有範囲と意義、あるいは許容量について以下に説明する。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%の意味である。
Si:0.30〜2.0%
Siは、Mgとともに、固溶強化と、焼付け塗装処理などの人工時効処理時に、強度向上に寄与するMg−Si系析出物を形成して、人工時効硬化能(BH性)を発揮し、アウタパネルなど自動車パネル材としての必要な強度(耐力)を得るための必須の元素である。
また、固溶Siは自動車パネル材へのプレス成形において材料に導入される転位の局在化を抑制し、引張変形の低歪み域から高歪み域まで均一に転位を増殖させる効果を有する。これによって、プレス成形時の高歪み域から破断に至るまでの不均一変形を抑制し、高い伸びや加工硬化特性を発現させることができる。
Si含有量が少なすぎると、固溶Si量が減少し、プレス成形時の伸びや加工硬化特性が低下して、5%の歪の引張変形を付与した後の転位増殖量が低下する。また、それだけではなく、Mg−Si系析出物の生成量が不足するため、BH性が低下して、焼付け塗装処理後の強度が著しく低下する。
一方、Si含有量が多すぎると、粗大な晶出物および析出物が形成されて、熱間圧延中に大幅な板割れが生じる。
したがって、Siは0.30〜2.0%の範囲とする。Siの好ましい下限値は0.50%であり、好ましい上限値は1.5%である。
Mg:0.20〜1.5%
MgもSiとともに、固溶強化と、焼付け塗装処理などの人工時効処理時に、強度向上に寄与するMg−Si系析出物を形成して、人工時効硬化能(BH性)を発揮し、パネルとしての必要耐力を得るための必須の元素である。
また、固溶Mgは、固溶Siと同様に、自動車パネル材へのプレス成形において材料に導入される転位の局在化を抑制し、引張変形の低歪み域から高歪み域まで均一に転位を増殖させる効果を有する。これによって、プレス成形時の高歪み域から破断に至るまでの不均一変形を抑制し、高い伸びや加工硬化特性を発現させることができる。
Mg含有量が少なすぎると、固溶Mg量が減少し、加工硬化特性が低下して、5%の歪の引張変形を付与した後の転位増殖量が低下する。さらに、Mg−Si系析出物の生成量が不足するため、BH性が低下して、焼付け塗装処理後の強度が低下する。
一方、Mg含有量が多すぎると、粗大な晶出物および析出物が形成されて、熱間圧延中に大幅な板割れが生じる。
したがって、Mgの含有量は0.20〜1.5%の範囲とする。Mgの好ましい下限値は0.30%であり、好ましい上限値は1.2%である。
Cu:0.05〜1.0%
Cuは強度や成形性の向上に寄与する。そして、固溶Cuは、固溶Siと同様に、加工硬化特性を向上させ、強度と成形性のバランスを高める。
Cu量が0.05%未満では、Cu自体の前記効果が小さくなり、同時に固溶Cu量も不足して、固溶Cuによる前記効果も不足する。
一方、Cu量が1.0%を超えると、塗装後の耐糸さび性や耐応力腐食割れ性を著しく劣化させる。このため、耐食性が重視される用途などの場合には0.80%以下とすることが好ましい。
Mn:0%超、1.0%以下
Mnは、固溶強化と結晶粒微細化効果により、アルミニウム合金の強度を向上させる。
ただ、1.0%を超えて過度に含有すると、Al−Mn系金属間化合物量が多くなって破壊の起点になり、伸びが低下しやすい。また、板に5%程度の低歪みを付与したときに、Al−Mn系金属間化合物の周囲に転位が局在化し、加工硬化特性も低下する。
したがって、Mnの含有量は0%超、1.0%以下とする。
Fe:0%超、1.0%以下
Feはアルミニウム合金中でAl−Fe系金属間化合物を形成するため、その含有量が多くなると、その化合物量が多くなって破壊の起点になり、伸びが低下しやすい。しかも、Al−Fe系金属間化合物にはSiも包含されることが多く、この金属間化合物にSiが取り込まれた分だけ、固溶Si量が減少してしまう。
Feは地金不純物としてアルミニウム合金中に混入され、溶解原料としてアルミニウム合金スクラップ量(アルミニウム地金に対する割合)が増すほど、含有量が多くなるので、その含有量は少ないほど良い。ただ、検出限界以下などにFeを低減することはコストアップとなるため、ある程度の含有の許容が必要となる。
したがって、Feの含有量は0%超、1.0%以下、好ましくは0%超、0.5%以下とする。
その他の元素
その他、本発明では、更に、Cr:0%超、0.3%以下、Zr:0%超、0.3%以下、V:0%超、0.3%以下、Ti:0%超、0.1%以下、Zn:0%超、1.0%以下、Ag:0%超、0.2%以下、Sn:0%超、0.15%以下の1種または2種以上を含むことを許容する。
なお、これらの元素は、共通して板を高強度化させる効果があるので、高強度化の同効元素と見なせるが、その具体的な機構には、共通する部分だけでなく、異なる部分も勿論ある。
Cr、Zr、Vは、Mnと同様に、均質化熱処理時に分散粒子 (分散相) を生成し、これらの分散粒子には再結晶後の粒界移動を妨げる効果があり、結晶粒を微細化する役割を果たす。
Tiは晶出物を生成して、再結晶粒の核となり、結晶粒の粗大化を阻止し、結晶粒を微細化する役割を果たす。
Zn、Agは人工時効硬化能(BH性)を向上させるのに有用で、比較的低温短時間の人工時効処理の条件で、板組織の結晶粒内へのGPゾーンなどの化合物相の析出を促進させる効果がある。
Snは原子空孔を捕獲することで、室温でのMgやSiの拡散を抑制し、室温における強度増加(室温時効)を抑制し、人工時効処理時に、捕獲していた空孔を放出し、MgやSiの拡散を促進し、BH性を高くする効果がある。
但し、これらの元素各々の含有量が大きすぎると、粗大な化合物を形成するなどして、板の製造が困難となり、強度や曲げ加工性などの成形性、耐食性も低下する。したがって、これらの元素を含有させる場合には、前記した各上限値以下の含有量とする。
組織
以上の合金組成を前提として、本発明では成形性の向上のために、6000系アルミニウム合金板の組織についても制御する。
すなわち、組織を微細化し、自動車パネル材への成形時において、引張変形により材料中に導入される粒内歪の局在化を抑制し、前記引張変形の低歪域から高歪域まで、均一に(比較的高めに)粒内に歪を蓄積するように制御する。
平均結晶粒径
溶体化および焼入れ処理後などの調質後の(歪を付与する引張試験やプレス成形前の)6000系アルミニウム合金板の、再結晶粒が微細であるほど、引張変形時の粒内歪の蓄積も均一・高密度に進行し、結果として、加工硬化能の向上を達成することが可能となる。
この特性を得るために、本発明ではSEM/EBSD法により測定した板厚中央部位置の平均結晶粒径を40μm以下と微細化させる。
これに対して、平均結晶粒径が40μmを超えて大きくなると、小傾角粒界割合が規定する範囲を満足しても、前記加工硬化能が向上せず、伸びも低下して成形性が低下する。
小傾角粒界の量
更に、自動車パネル材用としての素材板の高成形性化を確実に達成するためには、自動車パネル材に成形する際に素材板に加わる引張変形時に、結晶粒内に均一、高密度に歪が蓄積される必要がある。
この点で、前記した板の組織の微細化だけでは不十分で、前記引張変形の低歪域および高歪域における板の組織中の小傾角粒界の量も満足することで、自動車パネル材へのプレス成形における、高歪域から破断に至るまでの不均一変形を抑制し、高い加工硬化特性を発現でき、自動車パネル材用としての高成形性化が達成できる。
すなわち、前記板の微細な組織(平均結晶粒径)を得ることが必要条件であり、素材板の圧延方向に5%および15%の歪の引張変形を付与した際に、所定の小傾角粒界の平均割合を各々有することが十分条件となる。
これらの両要件を満足させることで、自動車パネル材用として高成形性を確実に達成できる。しかも、これらの制御による高成形性化は、従来のアルミニウム合金組成や製造条件を大きく変えないで達成できる利点がある。
この十分条件として、具体的には、6000系アルミニウム合金板の板厚中央位置における組織として、板に引張変形を付与した際の小傾角粒界の平均割合を、前記引張変形により付与される歪量のレベルに応じて二段階で規定する。
本発明で規定する、引張変形により付与する低歪域から高歪域までの歪量のレベルは、自動車パネル材へのプレス成形などの成形において、素材板に付加(負荷)される歪を模擬している。
と同時に、通常の自動車パネル材へのプレス成形で、素材板に付加される歪よりも、もっと大きな15%の高歪域までの歪を付加した場合の小傾角粒界の量(割合)を問題とする。
これは、素材板の前記した美しい曲面構成で鮮鋭なキャラクターラインを実現させるという、自動車パネル材に要求される厳しい高成形性を達成できるか否かの指標とするためである。
通常の自動車パネル材へのプレス成形で、素材板に付加される歪は、本発明で規定する低歪域に相当する5%程度を上限とするような引張変形に過ぎないが、前記した美しい曲面構成で鮮鋭なキャラクターラインのプレス成形時には、この5%以上の歪量が素材板に付加(負荷)される可能性がある。
本発明は、素材板を自動車パネル材にプレス成形して、前記した美しい曲面構成で鮮鋭なキャラクターラインを実際に成形してみなくても、予め(事前に)この素材板の成形性が評価できる利点も有する。
引張変形により付与する低歪域から高歪域までの歪量は、上記組成や平均結晶粒径を満足する前記調質後の板の圧延方向に、実際の自動車パネル材へのプレス成形を模擬した引張試験を行い、低歪域に相当する5%の引張変形と、高歪域に相当する15%の歪の引張変形とを各々与える。
具体的には、溶体化および焼入れ処理後などの調質された冷延板から供試板として、引張試験の要領で、JIS13A号試験片(20mm×80mmGL×板厚) を採取し、室温にて試験片の引張方向を圧延方向とした引張を行う。これは、実際の自動車パネル材への成形時の低歪み域での板の転位密度を模擬したもので、前記した低歪域に相当する5%の引張変形と、高歪域に相当する15%の歪の引張変形とを各々与える。
そして、これら各引張試験後の試験片の板厚中央位置が観察面となるように調整した上で、SEM/EBSD法により測定した、板厚中央位置の結晶方位中の小傾角粒界の平均割合を、低歪域に相当する5%の引張変形時には12〜30%の範囲、また、高歪域に相当する15%の歪の引張変形時には50〜70%の範囲に各々制御する。
前記歪が5%の低歪域および15%の高歪域において、上記規定範囲内に、均一且つ高密度に粒内歪が分布することで、その後の破断までの不均一変形が抑制され、高い加工硬化能が発現し、結果として成形性が向上する。
この小傾角粒界の平均割合が、引張変形歪5%の低歪域で12%より小さく、引張変形歪15%の高歪域で50%より小さいことは、粒内歪が蓄積しにくく、高歪域での加工硬化能が維持されないことを示唆しており、それに起因して破断伸びが低下、すなわち成形性が低下する。
逆に、歪が5%の低歪み域での小傾角粒界の平均割合が30%より高く、15%の高歪み域での小傾角粒界の割合が70%より高いと、それ以降の破断までに導入、蓄積できる粒内歪が減少するので、やはり成形性が向上しない。
結晶粒径を制御せず、平均結晶粒径が40μmよりも大きい試料では、引張変形歪を付与した際に、低歪域および高歪域ともに小傾角粒界の割合が規定値よりも低くなる。結晶粒径が大きいことは、結晶粒界の割合が少なくなり、転位が結晶粒界に集積しやすくなり、結果的に低歪域および高歪域ともに粒内歪量が低下する。
したがって、板の結晶方位中の小傾角粒界の平均割合は、板の圧延方向に5%の歪の引張変形を付与した際には12〜30%の範囲、好ましくは15〜27%の範囲とする。また、板の圧延方向に15%の歪の引張変形を付与した際には50〜70%の範囲、好ましくは53〜67%の範囲とする。
本発明の結晶粒を微細化しようとする技術思想は、自動車パネル材への成形性と、平均結晶粒径との関係を知見しない限り生じない。また、板の小傾角粒界の割合を制御しようとする技術思想も、前記自動車パネル材の高成形性の課題があり、この課題の解決機構(メカニズム)として、前記自動車パネル材への成形時において、引張変形により粒内に蓄積される歪や加工硬化特性と伸びの相関を知見しない限り生じない。そして更に、この機構を実現する手段として、引張変形歪を付与した際の小傾角粒界の、低歪み域と高歪み域での各割合に着目しない限り、本発明は生じない。
平均結晶粒径および小傾角粒界の平均割合の測定方法
これら本発明で規定する平均結晶粒径および小傾角粒界の平均割合は、SEM/EBSD法によって測定する。そして、この板の板幅方向断面の中央位置(板厚中心位置)から採取した測定試験片(任意の2箇所の測定箇所)の各測定値を平均化したものを、本発明で規定する平均結晶粒径および小傾角粒界の平均割合とする。
ここで、SEM/EBSD法による前記観察面(解析面)は、溶体化および焼入れ処理後などの調質後の板や、更に、この板に歪を付与する前記引張試験後の試験片の板厚中心を観察面とする。
板厚中央位置の観察面は、測定の再現性から、板厚中央における圧延方向と板厚方向を含む断面(板幅方向に垂直な断面)において、板厚中央位置が観察面となるように調整した。板厚方向に300μm×板幅方向に300μmの領域に対して、1.0μmのピッチで電子線を照射する。
前記SEM/EBSD法は、集合組織の測定方法として汎用され、電界放出型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FESEM)に、後方散乱電子回折像[EBSD: Electron Back Scattering(Scattered) Diffraction Pattern]システムを搭載した結晶方位解析法である。この測定方法は、他の集合組織の測定方法に比して、高分解能ゆえに高測定精度である。そして、この方法によって、板の同じ測定部位の平均結晶粒径と結晶粒界の平均割合を同時に高精度に測定できる利点がある。アルミニウム合金板の平均結晶粒径や結晶粒界の平均割合の測定を、このSEM/EBSD法により行うことは、従来から、例えば特開2009−173972号などの公報で公知であり、本発明でも、この公知の方法で行う。
これら開示されたSEM/EBSD法は、前記FESEM(FE−SEM)の鏡筒内にセットしたAl合金板の試料に、電子線を照射してスクリーン上にEBSDを投影する。これを高感度カメラで撮影して、コンピュータに画像として取り込む。コンピュータでは、この画像を解析して、既知の結晶系を用いたシミュレーションによるパターンとの比較によって、結晶の方位が決定される。算出された結晶の各方位は3次元オイラー角として、位置座標(x、y、z)などとともに記録される。このプロセスが全測定点に対して自動的に行なわれるので、測定終了時には数万〜数十万点の結晶方位データが得られる。
このように、SEM/EBSD法には、透過電子顕微鏡を用いた電子線回折法よりも、観察視野が広く、数百個以上の多数の結晶粒に対する、平均結晶粒径あるいは方位解析の情報を、数時間以内で得られる利点がある。また、結晶粒毎の測定ではなく、指定した領域を任意の一定間隔で走査して測定するために、測定領域全体を網羅した上記多数の測定ポイントに関する、上記各情報を得ることができる利点もある。これらFESEMにEBSDシステムを搭載した結晶方位解析法の詳細は、神戸製鋼技報/Vol.52 No.2(Sep.2002)P66-70などに詳細に記載されている。
上記事項をふまえ、本発明では平均結晶粒径を以下の式により算出した。
平均結晶粒径=(Σx)/n
ここで、nは測定した結晶粒の数、xはそれぞれの結晶粒径として、各結晶粒の最大長さの円相当径 を示す)。
また、圧延方向に5%または15%の歪の引張変形を付与した板の組織中で、SEM/EBSD法により、隣り合うピクセル間の方位差から粒界を定めた。傾角2.0〜15°の粒界を小傾角粒界とし、15°より大きい粒界を大傾角粒界(結晶粒界)とした。小傾角粒界の割合は、結晶粒内の微小の方位差の量、すなわち結晶粒内に蓄積された歪の量と見なすことができる。
具体的には、先ず、調質された冷延板から供試材として、引張試験の要領で、JIS13Aの引張試験片(20mm×80mmGL×板厚)を採取し、室温にて試験片の引張方向を圧延方向とした引張を行う。これは、実際の自動車パネル材への成形時の板の粒内歪の量を模擬したもので、低歪域として5%、また高歪域として15%の歪の引張変形をそれぞれ付与する。
この5%または15%の引張変形を付与した試験片の板厚中央位置の組織をSEM/EBSD法により分析し、板表面の集合組織における前記の粒界を定義する。これにより、大傾角粒界(結晶粒界)と小傾角粒界の長さがそれぞれ求まるため、(2.0〜15°の粒界の長さ)/(2.0〜180°粒界の長さ)×100により、小傾角粒界の割合を算出することができる。
なお、平均結晶粒径の測定に際しては、前記引張変形は付与せず、調質された冷延板の幅方向断面を機械研磨し、更に、バフ研磨に次いで電解研磨して、板厚中央位置が観察面となるように表面を調製した試料を用意し、その後、FESEMを用いてEBSDによる結晶粒径測定を行った。
また、前記引張変形を付与した試験片も、前記表面処理は、前記平均結晶粒径の測定の場合と同様に、板厚中央位置が観察面となるように表面を調製した上で、EBSDによる前記結晶方位測定を行った。
これらのEBSD測定・解析システムは、EBSD:TSL社製(OIM)を用いた。
これらの操作を2視野に対して行うことで、本発明で規定する、平均結晶粒径および5%または15%の歪の引張変形を付与した際の小傾角粒界の平均割合、すなわち、低歪域および高歪域での結晶粒内の歪の蓄積量を求めることができる。本発明ではこれを「SEM/EBSD法により測定された小傾角粒界の割合」と称する。
高加工硬化特性(高成形性)の指標
以上の組成と組織の制御による、板の高加工硬化特性化(高成形性化)達成の指標(目安)として、降伏比と伸びが挙げられる。
降伏比が低く、同時に伸びが高ければ、板の小試験片での成形試験をせずとも、あるいは実際の自動車パネル材への成形試験をせずとも、自動車パネル材用としての高成形性化が裏付けられる。
具体的に、この高成形性化達成の指標(目安)としては、後述する実施例にて裏付ける通り、アルミニウム合金の0.2%耐力と引張強さの比率として、0.2%耐力/引張強さで定義される降伏比が0.56以下であるとともに、全伸びが26%以上であることが好ましい。
この降伏比が0.56を超えて高すぎるか、全伸びが26%未満と低すぎれば、自動車パネル材用としての高加工硬化特性化や高成形性化が達成できない可能性がある。
(製造方法)
次ぎに、本発明アルミニウム合金板の製造方法について以下に説明する。本発明アルミニウム合金板は、製造工程自体は常法あるいは公知の方法であり、上記6000系成分組成のアルミニウム合金鋳塊を鋳造後に均質化熱処理し、熱間圧延、冷間圧延が施されて所定の板厚とされ、更に溶体化焼入れなどの調質処理が施されて製造される。
但し、これらの製造工程中で、本発明の規定する組織(平均結晶粒径、引張変形時の小傾角粒界の割合)を確実に再現性良く得るためには、後述する通り、均熱条件、熱間圧延条件、冷間圧延条件、溶体化および焼入れ処理などの諸条件を全て好ましい範囲内に満たすことが望ましい。これら諸条件が一つでも外れると、本発明の規定する前記組織が得られない可能性が高くなる。
溶解、鋳造冷却速度
先ず、溶解、鋳造工程では、上記6000系成分組成範囲内に溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を、連続鋳造法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。ここで、本発明の規定範囲内に組織(平均結晶粒径、引張変形時の小傾角粒界の割合)を制御するために、鋳造時の平均冷却速度について、液相線温度から固相線温度までを30℃/分以上と、できるだけ大きく(速く)することが好ましい。
均質化熱処理
次いで、前記鋳造されたアルミニウム合金鋳塊に、熱間圧延に先立って、均質化熱処理を施す。この均質化熱処理(均熱処理)は、通常の目的である、組織の均質化(鋳塊組織内の結晶粒内の偏析をなくす)の他に、SiやMgを充分に固溶させるために重要である。
この均質化熱処理を行った後に熱間圧延を行うが、均質化熱処理後の熱間での粗圧延開始まで、500℃以下には鋳塊の温度を下げずに、MgやSiの固溶量を確保することが好ましい。
粗熱間圧延開始までに、500℃以下に鋳塊の温度が下がった場合、Al−Fe系やMg−Si系の粗大な化合物が析出しやすくなり、均一な結晶粒径分布や蓄積歪分布が得られなくなる可能性がある。このため、成形性が低下する可能性が高くなる。また、SiやMgが化合物に含まれることで固溶SiやMg濃度が減少すると、前記した固溶SiやMgの効果が十分に発揮されず、成形性が低下する可能性がある。
熱間圧延
熱間圧延は、圧延する板厚に応じて鋳塊の粗圧延工程と、仕上げ圧延工程とから構成される。これら粗圧延工程や仕上げ圧延工程では、リバース式あるいはタンデム式などの圧延機が適宜用いられる。
熱間粗圧延の開始から終了までの圧延中には、450℃以下には温度を下げることなく、SiやMgの固溶量を確保することが好ましい。圧延時間が長くなるなどして、パス間の粗圧延板の最低温度が450℃以下に下がると、Mg−Si系の化合物が析出しやすくなり、均一な結晶粒径分布や蓄積歪み分布が得られなくなる可能性がある。このため、成形性が低下する可能性が高くなる。また、SiやMgが化合物に含まれることで固溶SiやMgの濃度が減少すると、前記した固溶SiやMgの効果が十分に発揮されなくなる可能性もある。
このような熱間粗圧延後に、終了温度を300〜360℃の範囲とした熱間仕上げ圧延を行うことが好ましい。この熱間仕上げ圧延の終了温度が300℃未満と低すぎる場合には、圧延荷重が高くなって生産性が低下する。一方、加工組織を多く残さず再結晶組織とするために、熱間仕上げ圧延の終了温度を高くした場合、この温度が360℃を超えると、この時点での結晶粒が粗大化する可能性がある。
熱間仕上げ圧延終了直後の材料(板)温度から100℃までの平均冷却速度は、5℃/時間以上であることが好ましい。この平均冷却速度が5℃/時間より小さいと、その冷却中に生成するMg−Si系の析出物量が多くなって、均一な結晶粒径分布や蓄積歪み分布が得られなくなる可能性がある。このため、成形性が低下する可能性が高くなる。また、SiやMgが化合物に含まれることで固溶SiやMg濃度が減少すると、前記した固溶SiやMgの効果が十分に発揮されず、成形性が低下する可能性がある。
冷間圧延
次いで、上記熱延板を1次冷間圧延(1次冷延)、中間焼鈍、2次冷間圧延(2次冷延)して、所望の最終板厚の冷延板(コイルを含む)を製作する。中間焼鈍の前の1次冷間圧延率Aと中間焼鈍後の2次冷間圧延率Bとの比率B/Aを0.7以上とすることが、最終再結晶(冷間圧延後の溶体化処理による再結晶)での組織微細化を図る上で好ましい。ここで、B/Aが0.7未満では、溶体化処理での再結晶組織が粗大となるため、微細な組織が得られず、成形性が低下してしまう可能性がある。
また、中間焼鈍後の2次冷間圧延の圧延率(B)を30%以上とすることも、再結晶時の結晶組織の安定化を図る上で好ましい。2次冷間圧延の圧延率が30%未満では、溶体化処理時の再結晶粒が粗大化し、あるいは再結晶せず成形性が低下してしまう可能性がある。
この時、2次冷間圧延の1圧延(1パス)あたりの最低圧延率を20%以上とすることが好ましい。1圧延あたりの最低圧延率が20%未満では、歪浸透深さが浅くなり、板厚中心部の歪が小さくなる。このため、結晶粒により導入される歪量が異なり、均一な組織が得られず成形性が低下してしまう可能性がある。
本発明では、冷間圧延中、1次冷延と2次冷延の間に、350〜450℃で1〜24時間保持する中間焼鈍の工程を含むことが好ましい。その目的は、圧延材料中に存在する不均一な加工ひずみを減少させることにある。
中間焼鈍をバッチ炉を用いて行う場合には、350℃未満の温度、または1時間未満の保持時間では、上記効果を十分に得られず、450℃を超えると、組織が不均一になり、溶体化処理後の結晶粒径のばらつきも大きくなる可能性がある。また、焼鈍時間24時間以上では生産性が低下し、経済的でない。
中間焼鈍を連続焼鈍炉を用いて行う場合には、450〜550℃の範囲内の温度で5分以下の保持とすることが適当である。この場合、焼鈍温度が450℃未満では十分な焼鈍効果が得られず、550℃超では再結晶粒が粗大化して成形性が低下してしまうおそれがある。また5分を超えて保持しても再結晶粒が粗大化して成形性が低下してしまうおそれがある。
溶体化および焼入れ処理
冷間圧延後、溶体化処理と、これに続く室温までの焼入れ処理を行う。この溶体化焼入れ処理については、通常の連続熱処理ラインを用いてよい。
ただ、Mg、Siなどの各元素の十分な固溶量を得るためには、500℃以上、溶融温度以下の溶体化処理温度で10秒以上保持した後、その保持温度から100℃までの平均冷却速度を30℃/秒以上とすることが好ましい。500℃より低い温度、または10秒より短い保持時間では、溶体化処理前に生成していた、Al−Fe系化合物や、Mg−Si系化合物の再固溶が不十分になって、固溶Si量が低下し、前記した固溶SiやMgの効果が十分に発揮されず、成形性が低下する可能性がある。
平均冷却速度が30℃/秒未満の場合、冷却中に再結晶粒径が粗大化すると同時に、固溶SiやMg量が低下し、前記した固溶SiやMgの効果が十分に発揮されず、成形性が低下する可能性が高くなる可能性がある。この冷却速度を確保するために、焼入れ処理は、ファンなどの空冷、ミスト、スプレー、浸漬等の水冷手段や条件を各々選択して用いる。
予備時効処理:再加熱処理
このような溶体化処理および焼入れ処理後に、BH性向上などの必要性があれば選択的に予備時効処理を行う。
予備時効処理(再加熱処理)を行う場合は、前記焼入れ処理して室温まで冷却した後、1時間以内に行うことが好ましい。室温までの焼入れ処理終了後、予備時効処理開始(加熱開始)までの保持時間が長すぎると、室温時効により、BH性に寄与しないMg−Siクラスタが生成してしまい、BH性に寄与するMgとSiのバランスが良いMg−Siクラスタを増加させることができにくくなる可能性がある。したがって、この室温保持時間は短いほど良く、溶体化および焼入れ処理と再加熱処理とが、時間差がほとんど無いように連続していても良く、下限の時間は特に設定しない。
この予備時効処理は、60〜120℃での保持時間を10時間以上、40時間以下保持することが好ましい。これによって、前記MgとSiのバランスが良いMg−Siクラスタが形成される。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
次に本発明の実施例を説明する。表1に示す組成と表3に示す組織のように、組成や平均結晶粒径、5%または15%の引張変形を付与した際の小傾角粒界の割合からなる組織が異なる6000系アルミニウム合金板を、製造条件を作り分けて製造した。
そして、板製造後室温に10日間保持後(室温時効後)の、平均結晶粒径、5%または15%の引張変形を付与した際の小傾角粒界の割合、0.2%耐力、引張強さ、降伏比(0.2%耐力/引張強さ)、全伸びを各々測定、評価した。これらの結果を表3に示す。ここで、表2、3は表1の続きであり、表1の合金番号と、表2、3の番号は、各々対応して同じである。
具体的な前記作り分け方は、表1に示す化学成分組成の6000系アルミニウム合金板を、表2に示すように、熱間粗圧延のパス間における粗圧延板が最低となる温度(表2には最低温度と記載)、熱間仕上げ圧延の終了温度、冷間圧延の圧延率、冷間圧延1パスあたりの最低圧延率、中間焼鈍の温度、溶体化処理の保持温度、平均冷却速度などの製造条件を種々変えて行った。
ここで、表1中の各元素の含有量の表示において、各元素における数値をブランクとしている表示は、その含有量が検出限界以下であることを示す。
アルミニウム合金板の具体的な製造条件は以下の通りとした。表1に示す各組成のアルミニウム合金鋳塊を、DC鋳造法により共通して溶製した。この際、各例とも共通して、鋳造時の平均冷却速度について、液相線温度から固相線温度までを50℃/分とした。
続いて、鋳塊を、各例とも550℃にて、共通して6時間の均熱処理をした後、その温度で(均質化熱処理後の熱間での粗圧延開始まで500℃以下には鋳塊の温度を下げずに)熱間粗圧延を開始した。この際の熱間粗圧延の最低温度(最低パス温度)を表2に示す。そして、各例とも共通して、続く熱間仕上げ圧延を、表2に示す終了温度にて、厚さ3.5mmまで熱延し、熱間圧延板とした。
この熱間圧延後のアルミニウム合金板を、500℃×1分の荒焼鈍を施した後、表2に示す1次冷延、中間焼鈍条件および2次冷延を行い、各例とも共通して、厚さ1.0mmの冷延板とした。なお、前記中間焼鈍はいずれもバッチ炉を用いて行った。
更に、この各冷延板を、各例とも共通して、連続式の熱処理設備で巻き戻し、巻き取りながら、連続的に調質処理(T4)した。具体的には、溶体化処理を、500℃までの平均加熱速度を50℃/秒として、各例とも表2に示す各目標温度(保持温度)に到達後、各例とも共通して20秒保持して行い、その後、各例とも表2に示す各平均冷却速度(℃/秒)にて水冷を行うことで室温まで冷却した。
これらの調質処理後、10日間室温放置した後の各最終製品板から供試板 (ブランク)を切り出し、各供試板の前記平均結晶粒径や、5%および15%の引張変形を付与した際の小傾角粒界の割合で規定する組織や、機械的特性を測定、評価した。これらの結果を表3に示す。
平均結晶粒径および小傾角粒界の平均割合の測定
前記溶体化処理後の試験片の平均結晶粒径と結晶粒界の平均割合の測定は、板の幅方向断面の組織を前記した測定方法により行った。そして、TSL社製EBSD測定・解析システム(OIM)を搭載した、日本電子社製SEM(JEOL 7100)を用い、この組織における平均結晶粒径(μm)と粒界の平均割合(%)の測定を行った。
各例とも、この測定を、前記した通り、板の幅方向断面の任意の箇所から採取した試験片2個について各々行い、これらの測定値を各々平均化した。各試験片の測定領域は共通して、板厚方向と板幅方向に平行な断面の中央で300×300μmの領域とし、測定ステップ間隔も共通して1μmとした。
引張試験
前記各供試板の引張試験は、前記各供試板から、各々JIS13Aの引張試験片(20mm×80mmGL×板厚)を採取し、室温にて引張試験を行った。このときの試験片の引張方向を圧延方向とした。引張速度は、5mm/分とした。機械的特性測定のN数は2とし、各々平均値で算出した。そして、各例とも、0.2%耐力、引張強さ、降伏比(0.2%耐力/引張強さ)、全伸びを各々算出した。
表1、2に各々示す通り、発明例1〜12は、本発明の成分組成範囲内で、かつ、前記した好ましい製造条件を全て満たす範囲で製造されている。
このため、これら各発明例は、表3に示す通り、本発明で規定する通り、SEM/EBSD法により測定された平均結晶粒径が40μm以下であり、傾角2.0〜15.0°の小傾角粒界の割合が、圧延方向に5%の歪の引張変形を付与した際は12〜30%で、且つ圧延方向に15%の歪の引張変形を付与した際は50〜70%である。
この結果、各発明例は、室温時効後であっても、表3に示す通り、0.2%耐力と引張強さとの比率として、0.2%耐力/引張強さで定義される降伏比が0.56以下、全伸びが26%以上であり、自動車パネル材用として合格する高い成形性を有する。
これに対して、比較例13〜17は、表2の通り、好ましい条件範囲で製造しているものの、表1の合金番号13〜17を用いており、Si、Mg、Cu、Mn、Feの含有量が各々本発明範囲を外れている。
このため、これら比較例は、表3に示す通り、平均結晶粒径あるいは引張変形ひずみを付与した際の小傾角粒界の割合の、いずれかが本発明で規定する範囲から外れ、降伏比が0.56を超えるか、全伸びが26%未満であり、発明例に比して成形性が劣っている。 したがって、自動車パネル材用としては不合格である。
比較例13は表1の合金13であり、Mgが少なすぎる。
比較例14は表1の合金14であり、Siが少なすぎる。
比較例15は表1の合金15であり、Cuが少なすぎる。
比較例16は表1の合金16であり、Mnが多すぎる。
比較例17は表1の合金17であり、Feが多すぎる。
また、比較例18〜26は、表1の通り、本発明範囲内の合金例を用いている。しかし、これら各比較例は、表2に示す通り、熱間粗圧延の最低温度、熱間仕上げ圧延の終了温度、1次冷間圧延および2次冷間圧延の圧延率、2次冷間圧延の1圧延あたりの最低圧延率、中間焼鈍の保持温度および時間、溶体化処理の保持温度、平均冷却速度(℃/秒)などの製造条件のいずれかが、好ましい条件を外れている。
この結果、これら比較例は、表3の通り、平均結晶粒径、低歪域または高歪域での小傾角粒界の平均割合などが、本発明で規定する範囲から外れ、発明例に比して、降伏比が0.56を超えるか、全伸びが26%未満となって劣っている。したがって、自動車パネル材用としては不合格である。
このうち、比較例18は、熱間粗圧延の最低温度が低すぎる。このため、平均結晶粒径は規定の範囲内だが、組織の不均一化と固溶MgやSi量の減少により低歪および高歪領域での小傾角粒界の平均割合が低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例19は、熱間粗圧延の最低温度が低すぎ、熱間仕上げ圧延の終了温度が高すぎる。このため、平均結晶粒径が規定値を上回り、低歪および高歪領域での小傾角粒界の平均割合も低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例20は、1次冷延後の中間焼鈍温度が高すぎる。このため、平均結晶粒径は規定値を満たすものの、低歪領域での小傾角粒界の平均割合が低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例21は、1次冷延後の中間焼鈍の時間が短すぎる。このため、加工歪が除去しきれず、平均結晶粒径は規定値を満たすものの、高歪領域での小傾角粒界の平均割合が高すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例22は、2次冷延の圧延率が低すぎる。このため、平均結晶粒径が規定値を上回り、低歪および高歪領域での小傾角粒界の割合も低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例23は、2次冷延の1圧延あたりの最低圧延率が低すぎる。このため、平均結晶粒径は規定を満たすものの、低歪および高歪領域での小傾角粒界の平均割合が低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例24は、1次冷延率(A)と2次冷延率(B)の比(B/A)が小さすぎる。このため、平均結晶粒径が規定値を上回り、低歪および高歪領域での小傾角粒界の平均割合も低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例25は、前記した他の好ましい製造条件を満足するものの、溶体化処理温度だけが低すぎる。このため、平均結晶粒径は規定を満たすものの、固溶SiおよびMgの減少により、低歪および高歪領域での小傾角粒界の平均割合が低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
比較例26は、前記した他の好ましい製造条件を満足するものの、溶体化処理後の冷却速度だけが遅すぎる。このため、平均結晶粒径が規定値を上回り、低歪および高歪領域での小傾角粒界の平均割合も低すぎる。このため、降伏比が0.56を超え、全伸びが26%未満であり、成形性が劣る。
したがって、以上の実施例の結果から、自動車パネル材用として、従来の組成や製造条件を大きく変えることなく、高成形性6000系アルミニウム合金板を得るための、本発明で規定する組成や組織の要件を全て満たすことの意義が裏付けられる。
本発明によれば、自動車パネル材用として、従来の組成や製造条件を大きく変えることなく製造できる、高成形性6000系アルミニウム合金板を得ることができる。この結果、自動車パネル材用として、6000系アルミニウム合金板の適用を拡大できる。

Claims (3)

  1. 質量%で、Si:0.30〜2.0%、Mg:0.20〜1.5%、Cu:0.05〜1.0%、Mn:0%超、1.0%以下、Fe:0%超、1.0%以下を各々含み、残部がAl及び不可避不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、
    SEM/EBSD法により測定された板厚中央位置における組織として、平均結晶粒径が40μm以下であるとともに、傾角2.0〜15.0°の小傾角粒界の平均割合が、前記板の圧延方向に5%の歪の引張変形を付与した際には12〜30%の範囲であり、かつ、前記板の圧延方向に15%の歪の引張変形を付与した際には50〜70%の範囲である
    ことを特徴とする高成形性アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板が、Cr:0%超、0.3%以下、Zr:0%超、0.3%以下、V:0%超、0.3%以下、Ti:0%超、0.1%以下、Zn:0%超、1.0%以下、Ag:0%超、0.2%以下、Sn:0%超、0.15%以下の1種または2種以上を含む請求項1に記載の高成形性アルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金板の0.2%耐力と引張強さとの比率として、0.2%耐力/引張強さで定義される降伏比が0.56以下、全伸びが26%以上である請求項1または2に記載の高成形性アルミニウム合金板。
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