JP5758676B2 - 成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレス加工されて自動車用パネル等に成形されるAl−Mg−Si系合金板に関し、特に表面性状に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
近年、自動車の燃費向上のために、自動車用の部材について、これまで使用されてきた鋼材に代わって、軽量で成形性や焼付硬化性にも優れたアルミニウム材の適用が増加している。
自動車用部材の中で、アウタパネル(外板)やインナパネル(内板)のようなパネル構造体に適用されるアルミニウム材としては、高強度のJIS 5000,6000系アルミニウム合金材が挙げられる。特に6000系のようなAl−Mg−Si系合金材は、優れた時効硬化能を有しているため、プレス加工や曲げ加工時には低耐力により成形性を確保する一方で、成形後のパネルの塗装焼付け処理等の比較的低温の人工時効(硬化)処理時の加熱により時効硬化して耐力が向上し、必要な強度が得られるというベークハード性を有する(例えば特許文献1参照)。
パネル構造体、特にアウタパネル用の板材としては、成形性や強度の他に、パネル構造体に製造された後の表面の美観が要求されるが、6000系アルミニウム合金板は、プレス加工等による成形後においては肌荒れが、さらに塗装後の表面にはリジングマークのような外観不良を生じ易い。そのため、リジングマーク等の外観不良を防止できるようなAl−Mg−Si系合金板が開発されている。
リジングマークは、成形により板表面に形成された圧延方向に沿った筋状の凹凸が現われたものであり、詳細な検証の結果、板厚方向における板厚全体の塑性変形量の積み重なりがこの凹凸を形成することが判明している。すなわち、圧延直角(幅)方向における結晶方位成分毎の分布(偏り)の程度によって、リジングマークが発生するか否かが決定される。そのため、肌荒れを防止するための結晶粒の微細化に加え、結晶の方位が特定の向きに揃っていないランダムな方位の結晶となるように、方位毎に結晶の面積率を規定したり(特許文献2〜5)、再結晶の核となる金属間化合物の析出を規定したAl−Mg−Si系合金板が開発されている(特許文献6)。そして、このような微細かつランダムな方位の結晶とするべく、金属間化合物を形成させるMn等を所定量添加したり、鋳塊の均質化処理や冷間圧延後の溶体化処理を所定の熱処理条件で行ったり、熱間圧延および冷間圧延における加工率や圧下率、さらに熱間圧延における開始温度や終了温度を制御することが知られている。
特開2008−303449号公報 特許第4063388号公報 特開2009−263781号公報 特許第4499369号公報 特許第4202894号公報 特許第4328242号公報
しかしながら、特許文献2は、熱間圧延の終了温度を高く規制するために安定した製造が困難であり、特許文献5は、熱間仕上げ圧延の速度を抑制するために表面にキズを生じ易く、それぞれ製造条件に改良の余地がある。さらにパネル構造体の大型化や形状の複雑化、あるいは薄肉化等によりプレス加工条件が厳しくなると、リジングマーク等の外観不良がいっそう生じ易くなり、特許文献2〜6におけるAl−Mg−Si系合金板では不十分である。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、自動車用パネル等として成形性および強度を十分に有し、薄肉化や厳しい加工条件による成形後、さらに塗装後において外観不良を生じない、優れた表面性状を有するAl−Mg−Si系合金板およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは、従来に発明した再結晶組織の微細化のための圧延条件等に加え、その再結晶の際に核となる金属間化合物が高密度で存在する場合に、それぞれの金属間化合物が核となるためにいっそう再結晶組織が微細化され、さらに再結晶した結晶の方位がランダムとなり易いことを見出した。そこで、アルミニウム合金板の断面に現れる金属間化合物について、その大きさおよび分布状態の適正値、ならびにかかる金属間化合物を晶出、析出させるための条件を鋭意研究した。
すなわち、本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板は、Si:0.4〜1.5質量%、Mg:0.4〜1.0質量%、Fe:0.1〜1.0質量%、Mn:0.1〜0.5質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成されたものである。そして、この成形加工用アルミニウム合金板は、圧延方向を含む断面の板厚方向中心部において、円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物が、面積率:0.4%以上、個数密度:1350個/mm2以上であることを特徴とする。前記成形加工用アルミニウム合金は、さらにCu:0.05〜1.0質量%、Cr:0.15質量%以下、Zr:0.15質量%以下、Ti:0.007〜0.10質量%の少なくとも一種を含有することが好ましく、さらにZn:0.5質量%以下を含有してもよい。
このように、所定量のSi,Mgを含有するAl−Mg−Si系合金とすることで、高い成形性および強度を有し、さらに所定量のMn,Feを添加して十分な量の金属間化合物を析出させることで、かかる金属間化合物を核として微細な再結晶組織が得られ、ランダムな結晶方位となるため、厳しい加工条件で成形されても塗装後の表面にリジングマークのような外観不良を生じない。
また、本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板の製造方法は、前記成分のアルミニウム合金を溶解して鋳塊を鋳造する鋳造工程と、前記鋳塊を500〜580℃の範囲の温度で1時間以上の熱処理にて均質化する均質化熱処理工程と、前記均質化した鋳塊を350〜450℃の範囲の温度としてから熱間圧延して熱間圧延板を製造する熱間圧延工程と、前記熱間圧延板を総圧延率40%以上で冷間圧延して冷間圧延板を製造する冷間圧延工程と、前記冷間圧延板を500〜560℃の範囲の温度に到達するまで加熱した後に室温に冷却する溶体化処理工程と、を行うものである。そして、前記熱間圧延工程は、100mm以下30mm以上の板厚に到達しているときに圧下率40%以上の圧延パスを少なくとも1パス行い、最終圧延パスにおいて、当該圧延パスにおける圧下率(%)をrで表したとき、終了温度が(445−3r)℃以上になるように圧延することを特徴とする。
このように、熱間圧延工程において、所定の板厚範囲での圧延パスを十分な圧下率で圧延することで粗大な組織をなくし、さらに終了温度を最終圧延パスの圧下率に応じた所定値以上とすることにより終了後に再結晶が促進される。その結果、冷間圧延前に中間焼鈍することなく、ランダムな方位の結晶からなる微細な再結晶組織のアルミニウム合金板が得られる。
本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板によれば、成形性および強度を十分に有し、厳しい加工条件で成形されても塗装後の表面にリジングマークのような外観不良を生じない自動車用パネル等を製造することができる。そして、本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板の製造方法によれば、前記の効果を有する成形加工用アルミニウム合金板を生産性よく製造することができる。
球頭張出し成形性試験の方法を説明する断面図である。 フラットヘム加工の方法を説明する側面図である。 表面粗さの測定方法を説明するプロファイル図である。
本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板(以下、アルミニウム合金板)は、プレス加工等により所望の形状に成形された後、表面に塗装、焼付け処理を施して、自動車のパネル構造体等に製造されるための板材である。本発明に係るアルミニウム合金板は、特に板厚を規定しないが、このような自動車のパネル構造体に成形される板材としては、1.0mm程度が一般的である。
以下、本発明に係るアルミニウム合金板を実現するための形態について説明する。
本発明に係るアルミニウム合金板は、Si:0.4〜1.5質量%、Mg:0.4〜1.0質量%、Fe:0.1〜1.0質量%、Mn:0.1〜0.5質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成されたものであり、一般的なアルミニウム合金板と同様に、溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延を経て板材に製造される(製造方法の詳細は後記にて説明する。)。あるいは前記アルミニウム合金は、さらにCu:0.05〜1.0質量%を含有してもよい。そして、本発明に係るアルミニウム合金板は、その圧延方向を含む断面の板厚方向中心部において、円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物が、面積率:0.4%以上、個数密度:1350個/mm2以上である。以下、本発明に係るアルミニウム合金板を構成する各要素について説明する。
〔アルミニウム合金の成分〕
(Si:0.4〜1.5質量%)
Siは、地金不純物としてアルミニウム合金中に混入するものであり、また、アルミニウム合金において固溶強化により強度を向上させる効果があり、さらにMgと共存する場合、塗装焼付け処理等の低温での人工時効処理時に、Mg−Si系金属間化合物(Mg2Si)を生成して強度向上に寄与する。これらの効果により十分な強度を得るために、Siの含有量は0.4質量%以上とし、好ましくは0.6質量%以上である。一方、Siの含有量が1.5質量%を超えると、鋳造における凝固時に晶出物が、その後の冷却時に析出物がそれぞれ粗大なものとして生成して、後続の工程においても残留するため、成形性が低下し、さらに粒界割れが発生するために溶接性が低下する。したがって、Siの含有量は1.5質量%以下とし、好ましくは1.3質量%以下である。
(Mg:0.4〜1.0質量%)
Mgは、アルミニウム合金において固溶強化により強度を向上させる効果があり、さらにSiと共存する場合、塗装焼付け処理等の低温での人工時効処理時に、Mg2SiのようなMg−Si系金属間化合物を生成して強度向上に寄与する。これらの効果により十分な強度を得るために、Mgの含有量は0.4質量%以上とする。一方、Mgの含有量が1.0質量%を超えると、鋳造時に前記金属間化合物が粗大なものとなって晶出、析出して、後続の工程を経ても残留するために成形性が低下する。したがって、Mgの含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.8質量%以下である。
(Fe:0.1〜1.0質量%)
Feは、地金不純物としてアルミニウム合金中に混入するものであり、また、アルミニウム合金中で、Mn,Siと共にAl6(Mn,Fe)のようなAl−Mn−Fe系金属間化合物やAl12(Mn,Fe)3SiのようなAl−Mn−Fe−Si系金属間化合物を生成する。鋳造時にこれらの金属間化合物が晶出することで、熱間圧延後においてこの晶出物を核に再結晶が進行して、微細かつランダムな集合組織となる。晶出物を適正な量として微細な再結晶組織を得るために、Feの含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。なお、Feについてはある程度の含有量を許容することで、当該アルミニウム合金の原料にスクラップ材等を多く混合できて、リサイクル性が向上する。ただし、Feの含有量が1.0質量%を超えると、前記の金属間化合物が粗大に生成されて、強度や成形性が低下する。したがって、Feの含有量は1.0質量%以下とする。
(Mn:0.1〜0.5質量%)
Mnは、アルミニウム合金中で、Fe,Siと共にAl6(Mn,Fe)のようなAl−Mn−Fe系金属間化合物やAl12(Mn,Fe)3SiのようなAl−Mn−Fe−Si系金属間化合物を生成する。鋳造時にこれらの金属間化合物が晶出することで、熱間圧延後においてこの晶出物を核に再結晶が進行して、微細かつランダムな集合組織となる。晶出物を適正な量として微細な再結晶組織を得るために、Mnの含有量は0.1質量%以上とする。一方、Mnの含有量が0.5質量%を超えると、前記の金属間化合物が粗大に生成されて、強度や成形性が低下する。したがって、Mnの含有量は0.5質量%以下とする。
(Cu:0.05〜1.0質量%)
Cuは、アルミニウム合金において固溶して、加工硬化性を高くしてプレス加工時の成形性が向上する。また、Cuは、塗装焼付け処理等の低温での人工時効処理で、時効析出物の形成を促進させる効果を有する。これらの効果を十分なものとするために、Cuの含有量は0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Cuの含有量が1.0質量%を超えると、加工硬化が過大となって成形性が低下し、また耐応力腐食割れ性や耐糸錆性が著しく劣化する。したがって、Cuの含有量は1.0質量%以下とする。
(Cr:0.15質量%以下、Zr:0.15質量%以下、Ti:0.007〜0.10質量%、Zn:0.5質量%以下)
本発明に係るアルミニウム合金板は、前記成分以外に、例えばCr,Zn,Ti,Zr,Bが不可避的不純物として含まれていることが考えられ、これらの含有量は、Cr,Zr:各0.15質量%以下、Zn:0.5質量%以下、Ti:0.10質量%以下であれば、本発明の効果を阻害するものではなく許容される。また、TiおよびBを添加することにより、アルミニウム合金の鋳塊組織を微細化する作用が得られる。このような作用を得るために、通常、質量比でTiがBの5倍となる配合の鋳塊微細化剤(TiB)を、ワッフル状あるいはロッド状の形態で溶湯(溶解炉、介在物フィルタ、脱ガス装置、溶湯流量制御装置のいずれかに投入された、スラブ凝固前の溶湯)に添加する。この場合、アルミニウム合金板におけるTiの含有量が0.007質量%以上となる量のTi(TiB)の添加により、鋳塊の結晶粒が微細化され、アルミニウム合金板の成形性が向上する。すなわち、前記効果を得るためにはTiの含有量を0.007質量%以上とすることが好ましく、この場合、前記配合に応じたBも必然的に添加されることとなる。一方、アルミニウム合金板におけるTiの含有量が0.10質量%を超えると、粗大な晶出物が形成され、アルミニウム合金板の成形性が低下する。したがって、Tiの含有量は0.10質量%以下とし、また前記配合に応じてBの含有量を許容するものとする。
Cr,Zrの各含有量が0.15質量%を超えると、粗大な金属間化合物が生成されてアルミニウム合金板の成形性が低下し、また耐食性が低下する。同様に、Znの含有量が0.5質量%を超えると、粗大な金属間化合物が生成されてアルミニウム合金板の成形性が低下し、また耐食性が著しく低下する。一方、Cr,Zrは、アルミニウム合金板が製造される際に、均質化熱処理時に分散粒子(分散相)を生成し、結晶粒を微細化する効果を有するため、前記範囲で含有することが好ましい。また、Znは、熱交換器用のアルミニウム合金ブレージングシート等のクラッド材に多く添加されるため、その製造過程で発生したスクラップ材に多く含有する。そこで、本発明に係るアルミニウム合金板は、Znについてはある程度の含有量を許容することで、当該アルミニウム合金の原料に前記スクラップ材を多く混合できて、リサイクル性が向上する。
〔アルミニウム合金板の金属間化合物〕
(圧延方向を含む断面の板厚方向中心部における円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物の面積率:0.4%以上、個数密度:1350個/mm2以上)
本発明に係るアルミニウム合金板に存在する金属間化合物は、主にAl6(Mn,Fe)、Al12(Mn,Fe)3Si等のAl−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物(以下、これらをまとめて「Al−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物」という)、およびMg2Si等のMg−Si系金属間化合物である。アルミニウム合金板において、これらの金属間化合物のうち、ある程度の大きさ以上のものが熱間圧延後において再結晶の核となる。ここで、本発明に係るアルミニウム合金板は、冷間圧延後に溶体化処理されているため、Si,Mgの一部は固溶する。したがって、アルミニウム合金板においては、熱間圧延後すなわち冷間圧延前において再結晶の核となったMg−Si系金属間化合物を特定することが困難であるため、Al−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物を指標とする。すなわちアルミニウム合金板の圧延方向を含む断面(L−ST面)の板厚方向中心部における円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物が、熱間圧延後において再結晶の核となった金属間化合物であると推測される。
円相当径が2.0μm以上の金属間化合物とは、当該金属間化合物のアルミニウム合金板の断面における面積(断面積)が直径2.0μmの円の面積以上であることを指し、最大長では3〜6μm程度に相当する。そして、このようなAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物が、アルミニウム合金板の圧延方向を含む断面の板厚方向中心部において面積率0.4%以上かつ1350個/mm2以上存在していれば、熱間圧延板の段階で、少なくとも表面において、再結晶の核となり得る大きさの金属間化合物(Mg−Si系金属間化合物を含む)が十分に分布して、微細かつ方位のランダムな再結晶組織が形成されたと判定することができる。このような金属間化合物の分布は、前記Mg,Si,Fe,Mnの各含有量、および後記の製造条件により制御される。
圧延板においては、圧延面すなわち鋳塊表面に近い金属間化合物の方が圧延時に破砕されて微細化し易いため、熱間圧延板の表面近傍にあって再結晶の核となった大きさがある程度以上の金属間化合物は、その多くが後続の冷間圧延にて破砕されている傾向がある。したがって、本発明に係るアルミニウム合金板は、比較的大きな金属間化合物が多く存在(残留)し易い板厚方向中心部において、金属間化合物の分布を規制する。なお、断面の板厚方向中心部とは、具体的には、板厚方向1/2の部位を中心として板厚の50%に相当する範囲を指す。本発明に係るアルミニウム合金板においては、圧延方向を含む断面における金属間化合物を観察して、その円相当径により分布の規制対象を選別する。
金属間化合物の検出手段には、走査型電子顕微鏡(SEM)の適用が一例として挙げられる。Al−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物はSEMの組成(COMPO)像において母相とのコントラストで識別でき、Al−Mn−Fe系金属間化合物およびAl−Mn−Fe−Si系金属間化合物はAl母相より白く写り、Mg−Si系金属間化合物はAl母相より黒く写る。アルミニウム合金板の断面における金属間化合物は、アルミニウム合金板を切り出して、圧延方向と板厚方向を含む切断面(L−ST面)を機械研磨にて鏡面に仕上げて観察面とし、アルミニウム合金板の板厚方向1/2の部位を中心とした板厚の50%に相当する範囲を観察する。この範囲の領域から好ましくは複数の視野を倍率100倍程度で観察、撮影し、画像処理装置等を用いて円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物についての面積率および個数密度を測定できる。
次に、本発明に係る成形加工用アルミニウム合金板の製造方法を説明する。本発明に係るアルミニウム合金板は、前記成分のアルミニウム合金を溶解して鋳塊を鋳造する鋳造工程と、鋳塊を熱処理により均質化する均熱処理工程と、この鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板とする熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延して冷間圧延板とする冷間圧延工程と、冷間圧延板を加熱および冷却により溶体化、焼入れ処理をする溶体化処理工程と、を行うことによって製造される。以下に、各工程の条件について説明する。
〔鋳造工程〕
はじめに、アルミニウム合金を溶解し、DC鋳造法等の公知の半連続鋳造法により鋳造し、アルミニウム合金の固相線温度未満まで冷却して、鋳塊を得る。
〔均熱処理工程〕
鋳塊を圧延する前に、所定温度で均質化熱処理(均熱処理)することが必要である。鋳塊に熱処理を施すことによって、内部応力が除去され、鋳造時に偏析したβ−Mg2Siや組織が均質化され、また、鋳造冷却時に晶出したりそれ以降に析出した金属間化合物が成長して、熱間圧延後において再結晶の核となり得る適度な大きさになる。
(熱処理温度:500〜580℃、熱処理時間:1時間以上)
均熱処理工程において、熱処理温度(鋳塊温度)が500℃未満では、鋳塊の組織の均質化に時間がかかるため、生産性が低くなり、さらに温度が低くなると本発明に係るアルミニウム合金板の成分の鋳塊を均質化することが困難となる。一方、熱処理温度が580℃を超えると、鋳塊が局所的に再溶融(バーニング)して板の表面の性状が悪化し、さらにはその後の熱間圧延が不可能となる。したがって、均熱処理工程において、熱処理温度は500℃以上580℃以下とする。また、熱処理時間は1時間未満では鋳塊の均質化が完了していない虞があるため、1時間以上とし、一方、上限は特に限定するものではないが、処理時間が長くなると生産性が低下するため、10時間以下が好ましい。
鋳塊を圧延する前に、鋳塊の表層を切削して除去する面削を行う必要がある。面削は均熱処理の前後のいずれでも行うことができる。均熱処理の前に面削を行った場合は、均熱処理の終了後、鋳塊の温度降下が熱間圧延の所定の開始温度までとなるように、速やかに熱間圧延を開始することが好ましい。一方、均熱処理の後に面削を行った場合は、鋳塊を前記所定の開始温度に加熱(予備加熱)してから、熱間圧延を行う。
〔熱間圧延工程〕
均質化された鋳塊を熱間圧延する。まず、所定の温度範囲の開始温度とした鋳塊に対して粗圧延をして、さらに仕上げ圧延により所望の板厚として、所定の温度以上の終了温度で巻き取って熱間圧延板を得る。熱間圧延板の板厚は、アルミニウム合金板としたときの板厚すなわち後続の冷間圧延工程後の冷間圧延板の板厚から、冷間圧延工程における総圧延率(冷間加工率)を逆算して設定し、具体的には、1.7〜10mm程度の範囲が好ましい。
(開始温度:350〜450℃)
450℃を超える温度の鋳塊等を圧延すると、熱間圧延の終了温度が高くなり過ぎる虞があり、その後の再結晶にて組織が粗大化し、最終的にアルミニウム合金板に製造されたときに肌荒れ等の不具合が発生するため、熱間圧延開始温度は450℃以下とする。一方、温度が低いと、変形抵抗が大きいために1パスの圧下率を高くすることが困難となり、所望の板厚とするまでのパス数が多くなって生産性が低下する上、パスを多く繰り返すことでさらに温度が降下する。熱間圧延の開始時において鋳塊の温度が350℃未満では、終了温度が低くなり過ぎて後記の所定温度を満足できないため、熱間圧延開始温度は350℃以上とする。このような開始温度は、先行の均熱処理の終了後に鋳塊を当該開始温度まで冷却するか、均熱処理後に冷却された鋳塊を予備加熱することにより制御する。
(板厚100〜30mmにおける圧下率40%以上の圧延パス:1パス以上)
熱間圧延は、一般的なアルミニウム材の熱間圧延と同様に1パスの圧下率30〜50%程度の範囲で行うことができるが、本発明においては、パス数を低減して生産性を向上させるために、また、温度降下を抑制して終了温度を後記の所定値以上として再結晶させるために、各パスの圧下率はある程度高いことが好ましい。特に、板厚が100mm以下となってから30mmよりも薄くなる前に、圧下率40%以上の圧延パスを少なくとも1パス行う必要がある。熱間圧延(粗圧延)の初期〜中期において40%以上の高い圧下率で圧延されることがない場合、結晶粒が粗大化し、このような粗大組織が熱間圧延(仕上げ圧延)の終了まで残存する。その結果、その後の再結晶において、金属間化合物が十分に分布していても微細な結晶組織が得られ難い。この圧下率40%以上の圧延パスは、100mmを超える板厚の圧延板に行っても、当該圧延板の深部の圧延組織が残存し易く、一方、30mm未満の板厚の圧延板に行っても、かかる圧延パスによる板厚の変化量の絶対値が小さいために効果が十分に得られない。なお、100〜30mmに限定される板厚とは、圧下率40%以上のパスで圧延する直前の板厚を指す。
(終了温度:(445−(最終パス圧下率)×3)℃以上)
熱間圧延工程の終了時(熱間仕上げ圧延の終了時)で熱間圧延板の巻取り温度(終了温度)が低いと、熱間仕上げ圧延の最終パス後において再結晶の進行が不十分で、熱間圧延板に圧延組織が残存する。本発明に係るアルミニウム合金板は、前記した通り、熱間圧延後において、適正に分布した金属間化合物を核として微細な再結晶組織が形成される。したがって、冷間圧延前に完全に再結晶している必要があるため、圧延組織が残存している熱間圧延板は、冷間圧延前に焼鈍(中間焼鈍)を行う工程が必要になり、生産性が低下する。一方、最終パスの圧下率が高いほど、その後の再結晶が進行し易い傾向がある。この最終パスの圧下率(%)をrで表したとき、終了温度が(445−3r)℃以上であれば、再結晶が熱間圧延板の巻取り時において十分に進行して完了する(圧延組織が残存しない)。すなわち、熱間圧延の最終パスにおいて、圧下率が高いほど終了温度が低くなってもよいが、前記したように、圧延板の温度が低くなると、変形抵抗が大きいために圧下率を高くすることが困難になる。したがって、熱間圧延工程における終了温度は、前記最終パスの圧下率に応じた温度以上とする。なお、終了温度が400℃を超えると、前記したように再結晶にて組織が粗大化するが、開始温度の上限の規定により、終了温度が400℃を超えることは生じ難いため、本発明においては特に規定しない。
(熱間圧延板の再結晶組織の観察方法)
ここで、熱間圧延板の再結晶の進行状態を観察する方法を説明する。再結晶が完了すると、等軸状の再結晶粒、具体的には特許第3491819号公報に示すように、熱間圧延板の圧延面(表面)に平行な面と圧延方向を含む断面との各面において平均アスペクト比が1〜3の範囲である再結晶粒が得られる。詳しくは、熱間圧延板組織の、圧延方向における粒径dL、圧延直角(幅)方向における粒径dLT、板厚方向における粒径dSTが、1≦dL/dLT≦3、1≦dL/dST≦3となるものが等軸状の再結晶粒である。これに対して、アスペクト比dL/dLT、dL/dSTの平均が3を超えるということは圧延組織のファイバー組織が残留していることを示す。なお、1未満については、圧延によりdLがdLT、dSTよりも短くなることはないため、規定しない。dL/dLTは熱間圧延板の表面を、dL/dSTは熱間圧延板の圧延方向を含む断面を、それぞれ機械研磨した後に電解エッチングをして、光学顕微鏡(偏光板使用)を用いて観察することで測定できる。
〔冷間圧延工程〕
(総圧延率:40%以上)
熱間圧延板を冷間圧延して、所定のアルミニウム合金板の板厚として冷間圧延板とする。冷間圧延は、総圧延率(冷間加工率)が高いほど歪みが多く蓄積して、後続の溶体化処理による再結晶組織の結晶粒が微細となって、表面性状が向上する。総圧延率が40%未満では溶体化処理にて再結晶粒が粗大化して、成形加工後の良好な表面性状が得られないため、総圧延率40%以上で冷間圧延する。総圧延率が大きくなると、冷間圧延パス数が増加して生産性が低下するため、90%以下とすることが好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法によれば、熱間圧延工程において前記所定値以上の終了温度とすることにより、熱間圧延板の再結晶が完了するため、冷間圧延工程の前または途中で焼鈍(中間焼鈍)を行って再結晶させる必要はない。言い換えれば、前記規定の熱間圧延終了温度とならなかった場合は、熱間圧延板または冷間圧延の途中にて中間焼鈍を行って再結晶させることで、アルミニウム合金板を製造することができる。焼鈍温度(熱間圧延板の温度)が不十分であると再結晶が進行せず、反対に高過ぎると、結晶粒が粗大化して、アルミニウム合金板における結晶粒も粗大なものとなって表面性状が劣化する。熱間圧延板の昇温速度が速い連続焼鈍炉を適用する場合は、焼鈍温度を400〜550℃の範囲とし、焼鈍時間(通板時間)を30秒間以下とする。これに対して、バッチ式の炉を適用する場合は昇温速度が遅いため、300〜450℃の範囲で1〜10時間行う。このような中間焼鈍を行うことで、熱間圧延板の再結晶だけでなく、結晶粒が微細なものとなるため、アルミニウム合金板の表面性状がいっそう向上する。したがって、熱間圧延終了時に再結晶が完了している熱間圧延板に、さらに中間焼鈍を行ってもよい。
〔溶体化処理工程〕
(加熱温度:500〜560℃)
冷間圧延板を加熱することにより溶体化処理をし、その後に室温(50℃以下)に冷却することにより焼入れ処理をして、本発明に係るアルミニウム合金板となる。このような処理を行うことにより、冷間圧延板に金属間化合物として存在していたMg,Siのできるだけ多くを固溶させて、成形後の塗装、焼付けによるベークハード性を確保することができる。溶体化、焼入れ処理は、6000系のような公知のAl−Mg−Si系合金材と同様の方法で行うことができる。冷間圧延板の温度が500℃未満では、Mg,Siが十分に固溶せず、固溶量が不足するのでベークハード性が得られない。一方、冷間圧延板が560℃を超えると、共晶融解により伸びが顕著に低下したり、結晶粒が粗大化して板表面が肌荒れしたりして、塗装後の表面性状が劣化する。したがって、冷間圧延板の加熱温度は500〜560℃とする。冷間圧延板がこの範囲の温度に到達すれば前記効果を得ることができるため、かかる温度を保持する必要はなく、保持時間を長くしてもさらなる効果の向上はなく生産性が低下するので、30秒間以下が好ましい。そして、加熱温度に到達した後の冷却において、冷却速度が遅いと粒界に粗大なMg2Si,Si等が析出し易く、成形性が低下するため、水冷(水焼入れ)等により急冷することが好ましい。
〔予備時効処理工程〕
溶体化、焼入れ処理されたAl−Mg−Si系合金材は、室温に放置されると自然時効(室温時効)により強度(耐力)が漸増して、これに伴い成形性が低下する。そこで、予め強度を十分に向上させて、かつその後の経時変化を抑制するため、アルミニウム合金板は、さらに、6000系のような公知のAl−Mg−Si系合金材と同様の方法で予備時効処理を行うことが好ましい。詳しくは、70〜120℃の温度で3時間以上保持した後、室温まで放冷する。処理温度が70℃未満では、塗装、焼付け後の強度が十分に得られない。一方、120℃を超える温度に保持されると、耐力が過大となって変形抵抗が大きいために成形性が低下する。
〔アルミニウム合金板の機械的特性〕
本発明に係るアルミニウム合金板は、自動車のパネル構造体等に成形されるためのプレス加工やヘム加工が可能な成形性を有し、さらに成形後、塗装、焼付け後に十分な強度を有する。具体的には、板厚1.0mmとしたアルミニウム合金板の前記予備時効処理をされたものについて、引張強さ:200MPa以上、0.2%耐力:100MPa以上150MPa以下、伸び:20%以上となる。
以上、本発明を実施するための形態について述べてきたが、以下に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と対比して具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
〔供試材作製〕
(鋳造〜均質化熱処理)
表1に示す組成のアルミニウム合金を、溶解し、半連続鋳造法を用いて厚さ600mmの鋳塊を作製した。この鋳塊を、熱処理温度550℃で5時間保持することにより均質化してから、室温に冷却して、面削処理をした。
(熱間圧延〜冷間圧延)
次に、鋳塊を予備加熱して、開始温度を400℃として熱間圧延(粗圧延、仕上げ圧延)をして、板厚4.0mmの熱間圧延板とした。粗圧延において、板厚80mmとして次の1パスにて板厚40mmにした(圧下率50%)。さらに熱間圧延(仕上げ圧延)の最終パスの直前の板厚を8mmになるようにして、圧下率50%で板厚4.0mmの熱間圧延板とし、終了温度320℃で巻き取った。この熱間圧延板を焼鈍することなく、冷間圧延をして、板厚1.0mmの冷間圧延板を作製した(総圧延率75%)。
(溶体化、焼入れ処理、予備時効処理、室温時効)
冷間圧延板を、連続式の熱処理炉で加熱して到達温度550℃で10秒間保持し(溶体化処理)、水冷(水焼入れ)した。さらに70℃で5時間保持した後、室温まで放冷し(予備時効処理)、室温に3ヶ月間放置して(室温時効)アルミニウム合金板の供試材とした。
(Al−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物の分布の測定)
アルミニウム合金板を切り出して樹脂埋めし、圧延方向と板厚方向を含む面を観察面となるように研磨して鏡面とした。この鏡面化された面の板厚方向1/2の部位を中心とした板厚方向に±0.25mmの範囲内(板厚の50%の範囲)を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて、加速電圧20kV、倍率100倍の組成(COMPO)像で20視野(合計5mm2)観察した。母相より白く写る部分をAl−Mn−Fe系金属間化合物およびAl−Mn−Fe−Si系金属間化合物(Al−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物)と見なして、円相当径が2.0μm以上の金属間化合物の面積の合計および個数を求め、面積率および個数密度を算出した。アルミニウム合金板の断面の板厚中心部における円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)金属間化合物の面積率および個数密度を表1に示す。
〔評価〕
アルミニウム合金板の供試材について、以下の方法でリジングマーク性、機械的特性、成形性、および曲げ性を評価し、結果を表1に示す。
(リジングマーク性)
リジングマーク性の指標として、特許文献6と同様に、プレス加工後におけるアルミニウム合金板表面の凹凸差を評価した。アルミニウム合金板から圧延方向長40mm×圧延直角方向長200mmの試験片と、圧延方向長100mm×圧延直角方向長300mmの試験片と、の2種類の形状の試験片を切り出した。これらの試験片に、プレス加工を模擬して、長手方向(圧延直角方向)にストレッチ(引張変形)を加えることにより、圧延方向長40mmの試験片には15%の塑性歪みを、圧延方向長100mmの試験片には10%の塑性歪みを、それぞれ付与した。
それぞれの試験片について、粗さ計にて圧延直角方向に沿って長さ20mmの範囲の板表面の凸凹のプロファイルを測定した。測定されるプロファイル(断面曲線)は、図3に破線で示すように、短周期の粗さ曲線と長周期のうねり曲線とが合成された曲線であるので、同図に実線で示すように各表面位置で平均値化したプロファイル(うねり曲線)とし、長さ20mm(図中L)におけるプロファイルで得られた最も高い位置P1と最も低い位置P2との差(凹凸差、図中h)を算出した。凹凸差が12μm以上になると、さらに塗装された表面にリジングマークが発生し、凹凸差が10μm以上においては軽度なリジングマークが発生する。各試験片について3箇所を同様に測定して、凹凸差の平均値(圧延方向長40mmの試験片:h40、圧延方向長100mmの試験片:h100)を表1に示す。平均値h40、h100にて判定し、圧延方向長40mmの試験片(塑性歪み15%)についてリジングマークが発生しない(h40<10μm)、かつ圧延方向長100mmの試験片(塑性歪み10%)について軽度またはリジングマークが発生しない(h100<12μm)ものを合格とし、さらにいずれの試験片についてもリジングマークが発生しない(h40<10μm、h100<10μm)ものを特に優れているとして「◎」で示し、それ以外(h40<10μm、10μm≦h100<12μm)を「○」で示す。不合格(h40≧10μm、h100≧12μmの少なくとも一方)については「×」で示す。
(機械的特性:引張強さ、0.2%耐力、伸び)
アルミニウム合金板を切り出して、圧延方向を長手方向として50mm×25mmのJIS5号引張試験片を作製した。この試験片を室温にてJISZ2241に準じて引張試験を行って、引張強さ、0.2%耐力(As耐力)、および伸びを測定した。また、前記と同様にアルミニウム合金板を切り出してJIS5号引張試験片を作製し、プレス加工および塗装、焼付け処理を模擬して、2%の予歪みを付与し、熱処理炉により170℃で20分の熱処理をした。この試験片について、引張試験を行って0.2%耐力(AB耐力)を測定した。合格基準は、引張強さ:200MPa以上、As耐力:100MPa以上150MPa以下、伸び:20%以上、AB耐力:170MPa以上とした。
(成形性:張出し成形性)
アルミニウム合金板のプレス加工における割れの有無の評価に代えて、球頭張出し成形による限界張出し高さを評価した。試験片として、アルミニウム合金板を圧延方向長110mm×圧延直角方向長200mmに切り出した。この試験片を、図1に示すように、内径(穴径)102.8mm、肩半径Rd:5.0mm、外径220mmのダイスに、治具(ブランクホルダ)を用いて一定しわ押さえ力で固定した。そして、ダイス−治具間の隙間を試験片と同じ厚さ1mmのシム(図示省略)を挟むことにより一定に保ちながら、球頭直径100mm(半径Rp:50mm)の球頭ポンチを試験片表面に対して垂直方向に押し込んで張出し加工を行い、割れや括れが観察されるまでの張出し高さの限界値を求めた。限界張出しが30mm以上であるものを合格とする。
(成形性:曲げ性)
曲げ性の評価として、自動車のアウタパネルにプレス成形された後のフラットヘム加工を模擬した曲げ加工試験を行って評価した。アルミニウム合金板を圧延方向長180mm×圧延直角方向長30mmに切り出して、プレス成形された状態を模擬すべく10%の予歪みを付与して、曲げ加工試験片を作製し、圧延直角方向に沿って折り目が付くように、図2に示すフラットヘム加工を模擬した、以下の曲げ加工を行った。
加工代(フラットヘム加工後における試験片の内側に折り曲げられた端部から折り曲げ部までの距離)として長手方向一端から12mmまでをはみ出させて、図2(a)に示すように、肩半径R:0.8mm(試験片の板厚の0.8倍)のダイスに治具で押さえ、ポンチにより前記加工代を90°に折り曲げた(ダウンフランジ工程)。次に、図2(b)に示すように、加工代をさらに約45°(累計約135°)内側に折り曲げた(プリヘム工程)。最後に、インナパネルを模した板厚1.0mmのアルミニウム合金板(インナパネル材、図2(b)参照)を試験片の折り曲げられた間に装入し、図2(c)に示すように、インナパネル材の両面に試験片が密着するように、加工代を略180°に内側に折り曲げた(フラットヘム工程)。
試験片(アウタパネル)の全幅にわたって折り曲げ部の外側表面を目視にて観察し、微小なものも含めて割れの見られないものを曲げ性合格とした。さらに肌荒れの発生していないものを優れているとして「◎」、肌荒れの発生したものを良好として「○」で表1に示す。不良については、微小な割れの発生したものを「×」、大きな割れの発生したものを「××」で表1に示す。
Figure 0005758676
表1に示すように、供試材No.1〜15は、アルミニウム合金の成分の各含有量が本発明の範囲内の実施例であり、製造方法における各条件が本発明の範囲内であるので、Al−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物が十分な大きさで晶出、析出して、微細かつランダムな方位の結晶の集合組織となり、特に金属間化合物の個数密度が多いほど、よりリジングマークの発生しない良好な表面性状を示し、また耐力等の機械的特性および成形性も成形加工用アルミニウム合金板として、良好な結果が得られた。
(アルミニウム合金の成分による評価)
これに対して、供試材No.16〜27は、アルミニウム合金の成分が本発明の要件を満たさない比較例である。供試材No.16,20,22は、それぞれSi,Fe,Mnが不足しているため、金属間化合物が十分に晶出、析出せず、その結果、塗装後の表面にリジングマークが発生した。また、供試材No.16,18はそれぞれSi,Mgが不足したことで、耐力等の強度が不足した。なお、供試材No.28は、成分のそれぞれは本発明の要件を満たすが、Feが本発明の範囲の下限であり、Mnが供試材No.4のように上限近傍まで多くなかったために、金属間化合物が十分に晶出、析出せず、その結果、塗装後の表面にリジングマークが発生した。
反対に、供試材No.17,19,24はそれぞれSi,Mg,Cuが過剰なため、強度が過大となって成形性が低下した。さらに、Cuが過剰な供試材No.24は糸錆を生じた。供試材No.19,21,23,25〜27はMg,Fe,Mn,Cr,Zn,Tiが過剰なため、晶出物や析出物が粗大となり、さらに多発して、これらの析出物等が曲げ加工時に割れの起点となって曲げ性が低下した。
前記実施例1の供試材No.1,5,7,14と同じアルミニウム合金の成分で、熱間圧延の最終パスにおける条件を変えた供試材を作製し、実施例1と同様に評価した。
〔供試材作製〕
(鋳造〜均質化熱処理)
表2に示す組成(合金No.として実施例1の供試材No.を示す)のアルミニウム合金について、実施例1と同様に、厚さ600mmの鋳塊を作製し、550℃×5時間の均質化熱処理をして、面削処理をした。ただし、供試材No.33については480℃×9時間、供試材No.34については600℃×2時間の均質化熱処理をした。
(熱間圧延)
次に、鋳塊を予備加熱にて開始温度を400℃として熱間圧延(粗圧延、仕上げ圧延)をして、板厚4.0mmの熱間圧延板とした。実施例1と同様に、粗圧延において、板厚80mmとして次の1パスにて板厚40mmにした(圧下率50%)。熱間圧延(仕上げ圧延)の最終パスにおいては、直前の板厚を調整して、表2に示す圧下率で板厚4.0mmの熱間圧延板とし、さらに表2に示す終了温度で巻き取った。
(熱間圧延板の熱間圧延板組織の観察)
熱間圧延後に熱間圧延板を切り出して、熱間圧延板組織を観察して、再結晶の進行状態を判定した。熱間圧延板の表面を機械研磨して、前記表面から板厚の1/4の部位の圧延面に平行な面を観察面とした。また、熱間圧延板の圧延方向を含む断面を同様に機械研磨して観察面とし、この断面の板厚の1/2の部位を観察領域とした。それぞれの観察面に、さらに5%ほうフッ化水素酸水溶液(溶液温度20〜30℃)を用いて電圧30Vで60〜90秒間の電解エッチングをした後、光学顕微鏡(偏光板使用)にて倍率100倍で熱間圧延板組織を観察した。顕微鏡像から、ラインインターセプト法により圧延方向、圧延直角方向、板厚方向における各粒径dL、dLT、dSTを測定した。1回の測定ライン長は200μmとし、各方向毎に1視野あたり各5本で計5視野観察して、各粒径の平均値を算出した。各粒径の平均値から、熱間圧延板の表面に平行な面におけるアスペクト比dL/dLT、圧延方向を含む断面におけるアスペクト比dL/dSTを求め、1≦dL/dLT≦3、1≦dL/dST≦3となる熱間圧延板については、等軸状の再結晶粒が得られ、再結晶が完了していると判定して中間焼鈍を行わずに後続の冷間圧延を行った。これに対して、アスペクト比dL/dLT、dL/dSTの少なくとも一方が3を超えた熱間圧延板は、再結晶が完了していないと判定して、以下の中間焼鈍を行ってから冷間圧延を行った。
(中間焼鈍)
熱間圧延板組織の観察にて再結晶が完了していないと判定された熱間圧延板を、連続焼鈍炉にて500℃×10秒間、またはバッチ式の炉にて350℃×5時間の中間焼鈍を行った。詳しくは、連続焼鈍炉においては、熱間圧延板を、昇温速度20℃/秒で500℃に加熱し、焼鈍時間(通板時間)10秒間の後、降温速度100℃/秒で室温まで冷却した。バッチ式の炉においては、熱間圧延板を、昇温速度20℃/時で350℃に加熱し、焼鈍時間5時間を保持した後、降温速度20℃/時で室温まで冷却した。中間焼鈍を連続焼鈍炉にて行った供試材は「連続」で、バッチ式の炉にて行った供試材は「バッチ」でそれぞれ表2の中間焼鈍の仕様欄に示し、中間焼鈍を行わなかった供試材は「−」で示す。
(冷間圧延、溶体化、焼入れ処理、予備時効処理)
熱間圧延板を、実施例1と同様に冷間圧延をして、板厚1.0mmの冷間圧延板を作製した(総圧延率75%)。さらに実施例1と同様に、冷間圧延板を、到達温度550℃で溶体化処理をして水冷(水焼入れ)し、70℃×5時間の予備時効処理をし、3ヶ月間の室温時効を経て、アルミニウム合金板の供試材とした。なお、供試材の作製において、途中以降の工程および測定、評価のできなかった供試材は、表2の各欄に「−」で示す。
〔評価〕
実施例1と同様に、アルミニウム合金板の供試材について、Al−Mn−Fe(−Si)金属間化合物の分布(面積率および個数密度)を測定し、リジングマーク性、機械的特性、および成形性を評価し、結果を表2に示す。なお、実施例1の供試材No.1,5,7,14についても表2に併記する。
Figure 0005758676
表2に示すように、供試材No.29,30,32,36,37,40,41は、実施例1と同様に熱間圧延の最終パスの条件が本発明の範囲内であるので、熱間圧延板において巻取り後に再結晶が完了して、中間焼鈍することなく冷間圧延しても、供試材No.1,5,7,14と同様に、リジングマークの発生しない良好な表面性状を示し、機械的特性および成形性も成形加工用アルミニウム合金板として、良好な結果が得られた。
これに対して、供試材No.31,35,38,39は、最終パスの圧下率に対して終了温度が低くなり過ぎ、熱間圧延終了後において再結晶が十分に進行しなかったために、冷間圧延前に中間焼鈍を行って再結晶を完了させる必要があった。したがって、前記の実施例と同様にリジングマークの発生しない良好な表面性状を示す成形加工用アルミニウム合金板が得られたが、生産性は低下した。
供試材No.33は、均質化熱処理の温度が低く、鋳塊の組織の均質化の進行が遅く、金属間化合物が粗大化して個数密度が不足し、熱間圧延終了後に再結晶組織が微細とならず、リジングマークが発生した。供試材No.34は、均質化熱処理の温度が高く、鋳塊にバーニングが発生して、その後の熱間圧延が不可能となった。

Claims (4)

  1. Si:0.4〜1.5質量%、Mg:0.4〜1.0質量%、Fe:0.1〜1.0質量%、Mn:0.1〜0.5質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成され、
    圧延方向を含む断面の板厚方向中心部において、円相当径が2.0μm以上のAl−Mn−Fe(−Si)系金属間化合物が、面積率:0.4%以上、個数密度:1350個/mm2以上であることを特徴とする成形加工用アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金がさらにCu:0.05〜1.0質量%を含有する請求項1に記載の成形加工用アルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金がさらにCr:0.15質量%以下、Zr:0.15質量%以下、Ti:0.007〜0.10質量%、Zn:0.5質量%以下の少なくとも一種を含有する請求項1または請求項2に記載の成形加工用アルミニウム合金板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の成形加工用アルミニウム合金板の製造方法であって、
    前記アルミニウム合金を溶解して鋳塊を鋳造する鋳造工程と、前記鋳塊を500〜580℃の範囲の温度で1時間以上の熱処理にて均質化する均質化熱処理工程と、前記均質化した鋳塊を350〜450℃の範囲の温度としてから熱間圧延して熱間圧延板を製造する熱間圧延工程と、前記熱間圧延板を総圧延率40%以上で冷間圧延して冷間圧延板を製造する冷間圧延工程と、前記冷間圧延板を500〜560℃の範囲の温度に到達するまで加熱した後に室温に冷却する溶体化処理工程と、を行い、
    前記熱間圧延工程は、100mm以下30mm以上の板厚に到達しているときに圧下率40%以上の圧延パスを少なくとも1パス行い、最終圧延パスにおける圧下率(%)をrで表したとき、終了温度が(445−3r)℃以上になるように圧延することを特徴とする成形加工用アルミニウム合金板の製造方法。
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