JP5368968B2 - ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートインシュレータに使用されるアルミニウム合金板およびその製造方法に関するものである。
ヒートインシュレータとは、自動車等の輸送機の、触媒コンバータ、マフラー周辺の排気案内部分、トランスミッション部分、エンジンのマウント周辺等に設けられる、断熱や遮熱のためのカバー(遮蔽材)を総称したものである。このヒートインシュレータには、例えば、特許文献1、2に記載されているように、主にアルミニウム合金板(特にJIS3004合金板:Al−Mn−Mg系合金)が使用されることが多い。
近年、環境負荷軽減の目的から、アルミニウム合金板の原料として、アルミニウム合金にブレージングシート屑を配合したものを使用することが検討されている。この際、アルミニウム合金の化学成分の変化にともなって、種々の問題が発生する。ここで、ブレージングシート屑とは、例えば、熱交換器または食品缶等に用いられる芯材の片側または両側に側材をクラッドしたブレージングシートのスクラップ材をいう。そして、熱交換器に用いられるブレージングシートとしては、3000系(Al−Mn系アルミニウム合金)からなる芯材に、4000系(Al−Si系アルミニウム合金)からなるろう材用の側材、7000系(Al−Zn−Mg系アルミニウム合金)からなる犠牲材用の側材をクラッドしたクラッド材、または、前記クラッド材の芯材と側材(犠牲材用)との間に1000系(純アルミニウム)からなる中間材用の側材をクラッドしたクラッド材が挙げられる。また、食品缶に用いられるブレージングシートとしては、3000系(Al−Mn系アルミニウム合金)または5000系(Al−Mg系アルミニウム合金)からなる芯材に、1000系(純アルミニウム)からなる側材をクラッドしたクラッド材が挙げられる。
例えば、ヒートインシュレータにおいては、ボルト締結部での破損等を防止するために、高い素材強度(例えば、160MPa以上)が要求されるが、屑配合率を増加させた場合には、素材強度が低下するという問題がある。強度低下の原因は、屑配合にともなって、アルミニウム合金に含有されるSi量が増加し、Siとアルミニウム合金に含有されるMg、Cu等とが結合してMgSi、Al−Mg−Si−Cu化合物等の金属間化合物を形成し、この金属間化合物の形成にMgが消費された結果、強度向上に寄与する固溶Mg量が減少するためと考えられる。そして、強度低下を補完する手段として、製品の板厚を厚くする等の解決策はあるが、質量増とコストアップが避けられない。
また、ヒートインシュレータにおいては、放熱性(遮熱性)や部品剛性を高める目的から、アルミニウム合金板にエンボス加工とよばれる成形が施される場合が多い。エンボス加工とは、板材を凹凸模様が相対する金型でプレス、あるいはロール成形し、局所的な張出し成形により板材に連続する凹凸形状を設ける成形法である。そして、高い剛性を維持向上するため、凹凸形状を密に、高く成形することが求められる。近年の車体軽量化、およびコストダウン要求の高まりから、ヒートインシュレータを構成するアルミニウム合金板の薄肉化(0.5mm以下)が求められ、薄肉化した場合、エンボス成形時に割れが発生し、所望のエンボス形状(凹凸形状)が得られないという問題がある。このことは、アルミニウム合金板を、エンボス成形後に製品形状(ヒートインシュレータ)にプレス成形される際の割れ発生を助長し、所望の最終製品が得られにくいという問題にもつながる。
これらの問題を解決する手段として、以下のような技術が提案されている。
まず、Al−Mn−Mg系合金にブレージングシート屑を配合した原料を使用した場合の固溶Mg量の減少に起因した強度低下を解決する技術として、ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板ではないが缶胴用アルミニウム合金板に関する技術がある。例えば、特許文献3では、アルミニウム合金鋳塊に600〜640℃で1時間以上の均質化熱処理を施すことで、Mg、Siの固溶量を増加させ、かつ冷間圧延において加工発熱を利用して材料温度が120℃以上になるように冷間圧延を終了し、10℃/hr以下で冷却する技術が提案されている。
また、特許文献4では、熱間仕上圧延後巻き取ったコイルをファンで冷却(10℃/hr以上の冷却速度で冷却)することにより、熱間仕上圧延後のアルミニウム合金板における直径0.1〜1μmのMgSi析出物の個数を10000個/mm以下にする技術が提案されている。
また、エンボス成形の割れを防止する技術として、ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板ではないがサイディング材などの建材に使用されるエンボス加工用アルミニウム合金板に関する技術がある。例えば、特許文献5ではMg:1.2〜2.1質量%、Si:0.3質量%以下を含有するアルミニウム合金板(軟質材)、特許文献6ではMg:1.3〜2.3質量%、Si:0.3質量%以下を含有するアルミニウム板(軟質材)が提案されている。
特開2000−136720号公報 特開2002−38944号公報 特開平06−2090号公報 特許第4060460号公報 特開2001−254137号公報 特開2002−212661号公報
しかしながら、特許文献3、4のアルミニウム合金板は、缶胴用途に関するもので、一般に冷間圧延上がりのままの硬質材(JIS規定のH材)が使用される。そして、ヒートインシュレータ用途に使用されるアルミニウム合金板には、前記したようにエンボス成形が施されるため、一般に冷間圧延後に焼鈍が施された軟質材(JIS規定のO材)が使用される。したがって、特許文献3、4の強度向上のための技術では、軟質材で構成されるヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の強度低下を防止することはできない。特に、ブレージングシート屑を配合した原料を用いた場合には、強度低下の防止は困難なものとなる。
また、特許文献5、6のアルミニウム合金板は、Si添加量が0.3質量%以下と非常に低いため、原料におけるブレージングシート屑配合率が低く、リサイクル性が低いものとなる。
そこで、本発明は前記問題を解決するために創案されたもので、ブレージングシート屑を配合した原料を用いても、優れた強度を有し、エンボス成形性およびプレス成形性にも優れたヒートインシュレータ用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板は、Si:0.4〜2.0質量%、Fe:0.2〜0.6質量%、Cu:0.1〜0.7質量%、Mn:0.5〜1.5質量%、Mg:1.5〜4.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金板であって、前記アルミニウム合金板は、その固溶Mg量が0.5〜3.0質量%であり、前記固溶Mg量が熱フェノールによる残渣抽出法により得られた溶液と、粒子サイズが0.1μm以下の析出物中に含まれるMg量であり、さらに、板厚全断面にわたって再結晶組織を有し、かつ、引張強さが160MPa以上であることを特徴とする。
前記構成によれば、所定量のSi、Fe、Cu、Mn、MgおよびZnを含有し、所定の再結晶組織および引張強さを有することにより、強度、エンボス成形性およびプレス成形性が向上する。特に、所定量のMgを含有することにより、十分な固溶Mg量が確保でき、強度、エンボス成形性およびプレス成形性が向上する。また、Si:0.4質量%以上、Fe:0.2質量%以上およびZn:0.05質量%以上を含有することにより、原料におけるブレージングシート屑の配合率を高くでき、リサイクル性が向上する。
本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板は、前記アルミニウム合金が、Cr:0.15質量%以下およびZr:0.15質量%以下の少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする。また、本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板は、前記アルミニウム合金が、Ti:0.007〜0.1質量%をさらに添加することを特徴とする。
前記構成によれば、所定量のCrおよびZrの少なくとも一方を含有することにより、アルミニウム合金板の製造の際の均質化熱処理時に分散粒子(分散相)を生成し、結晶粒を微細化し、エンボス成形性およびプレス成形性が向上する。また、所定量のTiを添加することにより、鋳塊の結晶粒が微細化され、エンボス成形性およびプレス成形性が向上する。
本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板は、前記アルミニウム合金板が、その表面にエンボス成形により連続する凹凸形状を設けたことを特徴とする。
前記構成によれば、連続する凹凸形状を設けたことにより、アルミニウム合金板の表面積が増大し、放熱性(遮熱性)が向上する。
本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法は、Si:0.4〜2.0質量%、Fe:0.2〜0.6質量%、Cu:0.1〜0.7質量%、Mn:0.5〜1.5質量%、Mg:1.5〜4.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶解し、その溶湯からDC鋳造により鋳塊を作製する鋳造工程と、前記鋳塊に450〜600℃の均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、均質化熱処理された前記鋳塊を熱間圧延して熱延板を作製する熱間圧延工程と、前記熱延板を冷間圧延率50%以上で冷間圧延して冷延板を作製する冷間圧延工程と、前記冷延板に250〜500℃の焼鈍を施す焼鈍工程とを含むことを特徴とする。また、本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法は、前記アルミニウム合金が、Cr:0.15質量%以下およびZr:0.15質量%以下の少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする。さらに、本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法は、前記アルミニウム合金が、Ti:0.007〜0.1質量%をさらに添加することを特徴とする。
前記手順によれば、所定条件の均質化熱処理工程および焼鈍工程を行うことにより、板厚全断面にわたって再結晶組織を有し、固溶Mg量が十分なものとなる。また、引張強さも所定範囲となる。その結果、製造されるアルミニウム合金板の強度、エンボス成形性およびプレス成形性が向上する。
本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板によれば、ブレ−ジングシート屑を配合した原料を用いても、優れた強度を有し、エンボス成形性およびプレス成形性に優れたものとなる。
本発明のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法によれば、ブレージングイシート屑を配合した原料を用いても、優れた強度を有し、エンボス成形性およびプレス成形性に優れたアルミニウム合金板が製造される。
本発明に係るヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の凹凸形状を示す図である。 アルミニウム合金板のプレス成形性を評価するために使用される角筒絞り用金型の正面図である。 アルミニウム合金板の結晶組織であって、(a)は再結晶組織、(b)は未再結晶組織を示す光学顕微鏡写真である。
<ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板>
本発明に係るヒートインシュレータ用アルミニウム合金板(以下、適宜、アルミニウム合金板と称する)について説明する。
ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板は、Si:0.4〜2.0質量%、Fe:0.2〜0.6質量%、Cu:0.1〜0.7質量%、Mn:0.5〜1.5質量%、Mg:1.5〜4.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金板であって、板厚全断面にわたって再結晶組織を有し、かつ、引張強さ160MPa以上であることを特徴とする。
まず、アルミニウム合金の各成分の数値限定理由について説明する。
(Si:0.4〜2.0質量%)
Siは、ブレージングシート屑によって原料に配合されるもので、鋳造、均質化熱処理時にAl−Fe−Si系あるいはMgSi系の金属間化合物を生成する元素である。Si量が0.4質量%未満であると、原料に配合されるブレージングシート屑が少なくなり、リサイクル性が低下する。Si量が2.0質量%を超えると、粗大な金属間化合物が生成されると共に、固溶Mg量が減少し、アルミニウム合金板の強度が低下し、エンボス成形およびその後のプレス成形において割れの起点となり、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。
(Fe:0.2〜0.6質量%)
Feは、ブレージングシート屑および原料に含有されるもので、鋳造、均質化熱処理時にAlCuFe、Al12(Fe,Mn)Cu、(Fe,Mn)Alなどの晶出物を生成する元素である。Fe量が0.2質量%未満であると、原料に配合されるブレージングシート屑が少なくなり、リサイクル性が低下する。Fe量が0.6質量%を超えると、粗大な晶出物が生成され、アルミニウム合金板のエンボス成形およびその後のプレス成形において割れの起点となり、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。
(Cu:0.1〜0.7質量%)
Cuは、強度に寄与する重要な元素であって、ブレージングシート屑および原料に含有されるもので、エンボス成形性およびプレス成形性を向上させるものである。Cu量が0.1質量%未満であると、強度が低下する。また、原料に配合されるブレージングシート屑が少なくなり、リサイクル性が低下する。Cu量が0.7質量%を超えると、粗大なAlCuFe、Al(Fe,Mn)Cuなどの晶出物が生成され、エンボス成形性およびプレス成形性が低下すると共に、耐食性および溶接性を著しく劣化させる。
(Mn:0.5〜1.5質量%)
Mnは、均質化熱処理時に分散粒子(分散相)を生成する元素である。これらの分散粒子は、再結晶後の粒界移動を妨げ、結晶粒を微細化するため、アルミニウム合金板のエンボス成形性およびプレス成形性を向上させる。Mn量が0.5質量%未満であると、結晶粒が微細化せず、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。Mn量が1.5質量%を超えると、溶解、鋳造時に粗大なAl−Fe−Si−Mn系の金属間化合物を生成し、アルミニウム合金板のエンボス成形およびその後のプレス成形において破壊の起点となり、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。
(Mg:1.5〜4.0質量%)
Mgは強度に寄与する元素である。Mg量が1.5質量%未満であると、MgSiとして化合物を形成し、実質的に強度に寄与する固溶Mg量が低下し、ヒートインシュレータに要求される強度が得られない。Mg量が4.0質量%を超えると、強度過剰になると共に、鋳造、均質化熱処理時に粗大な金属間化合物が生成されるため、伸びが低下し、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。また、所定量を超えるMg添加はコストアップにもなる。
(Zn:0.05〜1.0質量%)
Znは、ブレージングシート屑によって原料に配合される元素である。Zn量が0.05質量%未満であると、原料に配合されるブレージングシート屑が少なくなり、リサイクル性が低下する。Zn量が1.0質量%を超えると、粗大化合物が生成され、アルミニウム合金板のエンボス成形およびその後のプレス成形において割れの起点となり、エンボス成形性およびプレス成形性が低下すると共に、耐食性を著しく低下させる。
(不可避的不純物)
不可避的不純物は、ブレージングシート屑などから混入される、Bi、Sn、Ga、V、Co、Ni、Ca、Mo、Be、Pb、Wなどの不純物元素であって、ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の特性を阻害しない範囲で含有する。不可避的不純物の含有量は、具体的には、前記不純物元素の合計量で0.15質量%以下が好ましい。
本発明において、アルミニウム合金は、前記成分にCrおよびZrの少なくとも一方をさらに含有したものであってもよい。また、前記成分にTiおよびBをさらに含有してもよい。
(Cr:0.15質量%以下、Zr:0.15質量%以下)
遷移元素であるCr、Zrには、Mnと同様、均質化熱処理時に分散粒子(分散相)を生成し、結晶粒を微細化する作用を有する。しかし、Cr、Zrも、0.15質量%を超えて含有すると、粗大な金属間化合物が生成され、エンボス成形性およびプレス成形性が低下すると共に、耐食性を低下させる。
(Ti:0.007〜0.1質量%)
TiおよびBは、鋳塊組織を微細化する作用を有する。通常、Tiを添加する場合には、Ti:B=5:1の割合とした鋳塊微細化剤(TiB)を、ワッフルあるいはロッドの形態で溶湯(溶解炉、介在物フィルター、脱ガス装置、溶湯流量制御装置のいずれかに投入された、スラブ凝固前の溶湯)に添加するため、含有割合に応じたBも必然的に添加されることとなる。Tiの添加量で0.007質量%以上の添加により、鋳塊の結晶粒が微細化され、アルミニウム合金板のエンボス成形性およびプレス成形性が向上する。一方、Tiの添加量で0.1質量%を超えた添加となると、粗大な晶出物が形成され、アルミニウム合金板のエンボス成形性およびプレス成形性が低下する。
次に、アルミニウム合金板の再結晶組織および引張強さについて説明する。
(再結晶組織)
本発明のアルミニウム合金板は、ヒートインシュレータとしての所望の製品形状に不具合無くプレス成形を行うため、軟質材(O材)、すなわち、光学顕微鏡により観察した結晶組織において、板厚全断面にわたって再結晶組織(図3(a)参照)を有し、未再結晶組織(図3(b)参照)が認められないことを特徴とする。未再結晶組織は、加工硬化能を低下させ、エンボス成形性およびプレス成形性を低下させる。なお、このような再結晶組織は、アルミニウム合金板の製造における焼鈍条件を制御することによって達成される。
再結晶組織の結晶粒径(再結晶粒径)の粗大化は、エンボス成形性およびプレス成形性を低下させる。したがって、再結晶粒径は50μm以下が好ましい。
なお、再結晶粒径の調整は、アルミニウム合金板の製造における均質化熱処理条件、冷間圧延率および焼鈍条件を制御することによって達成される。
(引張強さ)
引張強さは、160MPa以上である必要がある。引張強さが160MPa未満であるとヒートインシュレータに要求される強度が得られない。なお、引張強さの調整は、アルミニウム合金板のMg量およびCu量、アルミニウム合金板の製造における均質化熱処理条件および焼鈍条件を制御することによって達成される。
また、本発明において、アルミニウム合金板の固溶Mg量が所定量であることが好ましい。
(固溶Mg量:0.5〜3.0質量%)
固溶Mg量は、アルミニウム合金板の強度に大きく寄与する。そして、ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板として要求される強度を得るためには、従来技術(特許文献5、6参照)のようにMgの添加量のみの規定では不十分で、Mgの固溶・析出状態も制御する必要がある。
また、固溶しているMg量だけでなく、粒子サイズが0.1μm以下の析出物も、固溶しているMg量と同様に、アルミニウム合金板の強度に大きく寄与する。このため、本発明では、固溶しているMg量と粒子サイズが0.1μm以下の析出物中に含まれるMg量との合計量を、固溶Mg量として規定し0.5〜3.0質量%とする。なお、固溶Mg量の調整は、アルミニウム合金におけるMg量およびSi量、アルミニウム合金板の製造における均質化熱処理条件を制御することによって達成される。
そして、固溶Mg量は、熱フェノールによる残渣抽出法(フィルターのメッシュサイズ=0.1μm)により得られた残渣に含まれるMg量をICP発光分析によって測定し、アルミニウム合金板に含まれる全Mg量から除した値を用いた。
固溶Mg量が0.5質量%未満であると、アルミニウム合金板の強度が低下する。固溶Mg量が3.0質量%を超えると、アルミニウム合金板の強度が過剰となり、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。また、このような3.0質量%を超える固溶Mg量は、後記するように、Mg添加量または均質化熱処理温度の過剰によるものなので、コストアップにもつながる。
本発明に係るヒートインシュレータ用アルミニウム合金板は、アルミニウム合金板の表面にエンボス成形により、連続する凹凸形状が設けられたものが好ましい。
本発明において、凹凸形状とは、図1に示すように格子状の規則的な配列をなすべく、交差する2方向に沿って、それぞれ凹部および凸部が平面的に繰り返し設けられたものであることが好ましい。そして、図1においては、隣り合う4つの凸部が形成する格子の中央部に凹部、または、隣り合う4つの凹部が形成する格子の中央部に凸部を設けることによって、アルミニウム合金板の両面方向に凹凸形状が設けられている。
そして、凹凸形状の寸法は、ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板として要求される強度および板厚によって適宜設定されるが、例えば、隣り合う凸部の頂点を結んだ距離aまたは距離bは5〜15mm(隣り合う凹部の頂点を結んだ距離も5〜15mm)、凸部(凹部)の高さhは1〜2.5mmである。なお、距離aと距離bとを異なる長さに設定してもよい。
また、本発明に係るインシュレータ用アルミニウム合金板は、交差する2方向に沿って凹凸形状が設けられているものに限定されず、図示しないが1方向に沿って設けられているものでもよい。さらに、アルミニウム合金板の両面方向に設けられているものに限定されず、図示しないが、凸部が形成する格子の中央部に、凹凸のない平面部または高さの異なる凸部が設けられ、アルミニウム合金板の片面方向に凹凸形状が設けられているものでもよい。
<ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法>
次に、ヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
本発明に係る製造方法は、鋳造工程と、均質化熱処理工程と、熱間圧延工程と、冷間圧延工程と、焼鈍工程とを含むことを特徴とする。また、鋳造工程の後に得られた鋳塊を面削する面削工程を含んでもよい。以下、各工程について説明する。
(鋳造工程)
鋳造工程は、前記アルミニウム合金を溶解し、DC鋳造により鋳塊を作製する工程である。なお、DC鋳造方法については常法に従って行う。
(均質化熱処理工程)
均質化熱処理工程は、前記工程で得られた鋳塊に450〜600℃の均質化熱処理を施す工程である。そして、均質化熱処理工程は、MgおよびSiの固溶による強度向上、および分散粒子制御による再結晶粒の微細化を図り、エンボス成形性を向上させるために重要な工程である。
均質化熱処理の温度が450℃未満であると固溶Mg量が減少し、強度低下の原因となる。また、均質化処理が十分なされておらず、不均質な組織が残存し、エンボス成形時およびプレス成形時の割れ起点となりやすい。その結果、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。また、均質化に時間がかかり過ぎて生産性が低下する。均質化熱処理温度が600℃を超えると、鋳塊表面の膨れ、局所的な融解が生じる。また、均質化熱処理の時間は、1〜24時間行うことが好ましい。
(熱間圧延工程)
熱間圧延工程は、前記工程で均質化熱処理された鋳塊を熱間圧延して熱延板を作製する工程である。熱間圧延方法については常法に従って行う。また、熱間圧延は、均質化熱処理直後に行っても、均質化熱処理後に一旦冷却し、再度鋳塊を加熱してから行ってもよい。なお、熱間圧延開始温度は、400〜600℃が好ましい。
(冷間圧延工程)
冷間圧延工程は、前記工程で得られた熱延板を冷間圧延率50%以上で冷間圧延して冷延板を作製する工程である。そして、冷間圧延工程は、アルミニウム合金板の再結晶粒径を制御するために重要な工程である。
また、本工程では、冷間圧延は複数回(繰り返し)行ってもよいし、熱間圧延終了後(冷間圧延開始前)、または、冷間圧延の繰り返しの間に焼鈍(例えば、バッチ焼鈍であれば250〜500℃で0.5〜24時間、連続焼鈍であれば300〜500℃で0(到達後冷却)〜5分の中間焼鈍)を行ってもよい。さらに、冷間圧延率(最終冷延率)は、最終冷間圧延時の圧延率を意味し、下式(1)で算出する。
[(T1−T2)/T1]×100・・・(1)
式(1)において、T1:熱間圧延後または最終冷間圧延前の板厚、T2:最終冷間圧延後の板厚である。
冷間圧延率が50%未満であると、再結晶粒径が粗大化して、アルミニウム合金板のエンボス成形性およびプレス成形性が低下しやすい。また、冷間圧延率が高すぎると、生産性が低下するため、通常は冷間圧延率95%以下である。したがって、冷間圧延率は50〜95%が好ましい。
(焼鈍工程)
焼鈍工程は、前記工程で得られた冷延板に焼鈍(最終焼鈍)を施し、冷延板を再結晶させ、軟質材(O材、再結晶組織)にする工程である。この際の最終焼鈍温度としては、250〜500℃とする。
最終焼鈍温度が250℃未満であると、十分な再結晶組織が得られなくなる。その結果アルミニウム合金板の強度は高くなるものの加工硬化能が低く、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。最終焼鈍温度が500℃を超えると、再結晶組織を得る効果が飽和し、さらに高温化した場合には再結晶粒が粗大化するなどして、エンボス成形性およびプレス成形性が低下する。
最終焼鈍は、製造コストを考慮するとバッチ焼鈍が好ましい。バッチ焼鈍の場合、最終焼鈍時間は0.5〜24時間が好ましい。焼鈍時間が0.5時間未満であると、板厚全断面にわたって安定して再結晶組織が得られにくい。焼鈍時間が24時間を超えると、再結晶組織を得るための効果が飽和し、アルミニウム合金板の強度、エンボス成形性およびプレス成形性の向上効果が飽和する。そして、焼鈍時間が長くなるため、生産性の低下を招きやすい。また、最終焼鈍温度までの加熱速度は、1〜50℃/時間が好ましい。
最終焼鈍は連続焼鈍によって行なってもよく、連続焼鈍の場合は300〜500℃で0(到達後冷却)〜5分とし、この場合の最終焼鈍温度までの加熱速度は1〜50℃/秒が好ましい。この場合、加熱速度が速いことにより再結晶粒が微細化し、エンボス成形性が向上する。但し、焼鈍温度の高温化にともなって強度が過剰となるため、エンボス成形性を重視する場合は焼鈍温度は450℃以下、さらに好ましくは400℃以下とする。
また、本発明に係る製造方法においては、前記鋳造工程をDC鋳造ではなく、薄板鋳造で行ってもよい。その場合は、均質化熱処理工程および熱間圧延工程を省略することが可能である。
なお、本発明に係る製造方法においては、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に他の工程を含んでもよい。例えば、焼鈍工程後に最終焼鈍が施された冷延板の表面にエンボス成形により連続する凹凸形状を設ける加工工程を行ってもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
表1に示す各組成の鋳塊を、DC鋳造により溶製した。鋳造時の平均冷却速度は、溶解温度(約700℃)から固相線温度までを50℃/分とした。続いて鋳塊を、表2に示す均質化熱処理、熱間圧延を施した後、冷間圧延または中間焼鈍後に冷間圧延し、厚さ0.4mmの冷延板とした。この各冷延板に対し、表2に示す最終焼鈍を施して供試材とした。なお、Tiを含有する合金A、B、G、H、M、N、O、U、V、WおよびXは、Ti添加のためにTiBを用いたため、Tiと共にBを含有する。また、均質化熱処理において、上限値を超える温度で均質化熱処理を行った場合(表2の略号ヘ)には、鋳塊にバーニングが発生し、それ以降の製造が不可であった。
各供試材について、結晶組織を確認した。次いで、再結晶粒径および固溶Mg量を以下の方法で測定した。その結果を表3に示す。なお、表1〜表3において、下線を付したものは、請求の範囲を満足しないことを表す。
(結晶組織)
供試材の5ケ所より試料を採取し、板厚断面方向(圧延方向に対して直角方向)を鏡面状態まで研磨した後、バーカー液を用いて陽極酸化処理した表面を光学顕微鏡で観察し、板厚全断面にわたって再結晶組織(図3(a)参照)が認められるかどうかを確認した。なお、供試材No.16では未再結晶組織(図3(b)参照)が確認され、それ以外の供試材(No.1〜15、17〜28)では未再結晶組織は確認されず再結晶組織であった。
(再結晶粒径)
ここで言う再結晶粒径とは供試材の長手方向(圧延方向)の再結晶粒の最大径である。この再結晶粒径は、供試材を0.05〜0.1mm機械研磨した後電解エッチングした表面を、光学顕微鏡を用いて観察し、前記長手方向に、ラインインターセプト法で測定した。1測定ライン長さは0.95mmとし、1視野当たり各3本で合計5視野を観察し、測定した再結晶粒径の平均値を算出した。
(固溶Mg量)
熱フェノールによる残渣抽出法により得られた溶液と粒子サイズが0.1μm以下の析出物中に含まれるMg量を測定した。具体的には、熱フェノールによる残渣抽出法(フィルターのメッシュサイズ=0.1μm)により得られた残渣に含まれるMg量をICP発光分析によって測定し、アルミニウム合金板に含まれる全Mg量から除した値を用いた。
次に、各供試材の強度(機械的性質)、エンボス成形性、プレス成形性、耐食性を以下の方法で評価した。その結果を表3、表4に示す。
(機械的性質)
機械的性質を測定するための引張試験は、供試材から、各々、JISZ2201の5号試験片(25mm×50mmGL×板厚)を採取し、室温引張り試験を行った。このときの試験片の引張り方向は圧延方向と平行方向とした。引張り速度は、0.2%耐力までは5mm/分、耐力以降は20mm/分とした。機械的特性測定のN数は5とし、各々平均値で算出した。そして、引張強さが160MPa以上のものを合格(○)、160MPa未満のものを不合格(×)とした。
(エンボス成形性)
エンボス成形性試験は、供試材から矩形ブランク(サイズ:200mm×200mm)を切り出した。矩形ブランクに対して、図1に示す凹凸形状のエンボス成形金型を使用してエンボス成形を行った。凹凸部の頂点100個のうち、割れが発生した個数を割れ発生率と定義し、このときの割れ発生率が60%以下を合格(○)、60%超えを不合格(×)とした。なお、凹凸形状としては、凸部頂点間の距離a=10mm、距離b=10mm、凸部の高さh=2.2mmとした。また、凹部頂点間の距離、凹部の高さも凸部と同様とした。
(プレス成形性)
プレス成形試験は、凹凸部の頂点に割れが発生しない加工条件(凹凸部の高さ=1.8mm)にてエンボス成形を行った供試材から矩形ブランク(サイズ:150mm×150mm)を切り出した。図2に示すように、矩形ブランク1に対して、ポンチ5:□90mm(肩R:10mm、コーナー:20mm)、ダイス6:□97.5mm(肩R:10mm、コーナー:10.75mm)の金型を使用して、しわ押え板3とスペーサー4によって、ダイフェース面のクリアランスCを各矩形ブランク1の凹凸部の高さと板厚を含めた高さにとり、角筒絞り成形を行った。角筒絞り成形時の成形限界高さが23mm以上を合格(○)、23mm未満を不合格(×)とした。なお、潤滑油として一般防錆油を塗油した。
(耐食性)
各供試材に対して塩水噴霧試験(JIS Z2371)を行った。1000時間後の腐食発生状況を目視にて判定した。腐食の著しいものを不合格(×)、中程度のものを合格(△)、軽微なものを合格(○)とした。
表1〜4の結果から、供試材No.1〜14は、請求の範囲を満足するため、機械的性質、エンボス成形性、プレス成形性、耐食性およびリサイクル性のいずれにおいても合格であった。
一方、供試材No.15は、均質化熱処理温度が下限値未満で均質化温度が低く均質化処理が十分でない、また、固溶Mg量が下限値未満であるため、機械的性質、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。供試材No.16は、最終焼鈍温度が下限値未満で、未再結晶組織が確認されると共に、再結晶粒径が上限値超えであるため、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。
供試材No.17は、Si量が上限値を超え粗大な金属間化合物が生成し、また、Mg量が下限値未満で、固溶Mg量が下限値未満であるため、機械的性質、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。供試材No.18は、Fe量が上限値を超えるため、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。供試材No.19は、Cu量が下限値未満であるため、リサイクル性に劣るアルミニウム合金板であり、機械的性質も不合格であった。供試材No.20は、Cu量が上限値超えるため、エンボス成形性、プレス成形性および耐食性のいずれにおいても不合格であった。
供試材No.21は、Mn量が上限値を超えるため、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。供試材No.22は、Mg量が下限値未満、固溶Mg量が下限値未満であるため、機械的性質が不合格であった。供試材No.23は、Mg量が上限値を超えるため、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。
供試材No.24は、Zn量が下限値未満であるため、リサイクル性に劣るアルミニウム合金板であった。供試材No.25は、Zn量が上限値を超えるため、エンボス成形性、プレス成形性および耐食性のいずれにおいても不合格であった。供試材No.26または供試材27は、Cr量またはZr量が上限値を超えるため、エンボス成形性、プレス成形性のいずれにおいても不合格であった。
供試材No.28は、特許文献5に記載されたアルミニウム合金板であって、Si量が下限値未満でリサイクル性に劣るアルミニウム合金板であり、CuおよびMnを含まず、最終冷延率が小さいため、再結晶粒径が大きくなり、機械的性質、エンボス成形性およびプレス成形性のいずれにおいても不合格であった。
a、b 距離
1 矩形ブランク
3 しわ押え板
4 スペーサー
5 ポンチ
6 ダイス
C クリアランス

Claims (7)

  1. Si:0.4〜2.0質量%、Fe:0.2〜0.6質量%、Cu:0.1〜0.7質量%、Mn:0.5〜1.5質量%、Mg:1.5〜4.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金板であって、
    前記アルミニウム合金板は、その固溶Mg量が0.5〜3.0質量%であり、前記固溶Mg量が熱フェノールによる残渣抽出法により得られた溶液と、粒子サイズが0.1μm以下の析出物中に含まれるMg量であり、さらに、板厚全断面にわたって再結晶組織を有し、かつ、引張強さ160MPa以上であることを特徴とするヒートインシュレータ用アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金は、Cr:0.15質量%以下およびZr:0.15質量%以下の少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金は、Ti:0.007〜0.1質量%をさらに添加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金板は、その表面にエンボス成形により連続する凹凸形状を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板。
  5. Si:0.4〜2.0質量%、Fe:0.2〜0.6質量%、Cu:0.1〜0.7質量%、Mn:0.5〜1.5質量%、Mg:1.5〜4.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶解し、その溶湯からDC鋳造により鋳塊を作製する鋳造工程と、
    前記鋳塊に450〜600℃の均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、
    均質化熱処理された前記鋳塊を熱間圧延して熱延板を作製する熱間圧延工程と、
    前記熱延板を冷間圧延率50%以上で冷間圧延して冷延板を作製する冷間圧延工程と、
    前記冷延板に250〜500℃の焼鈍を施す焼鈍工程とを含むことを特徴とするヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法。
  6. 前記アルミニウム合金は、Cr:0.15質量%以下およびZr:0.15質量%以下の少なくとも一方をさらに含有することを特徴とする請求項5に記載のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法。
  7. 前記アルミニウム合金は、Ti:0.007〜0.1質量%をさらに添加することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のヒートインシュレータ用アルミニウム合金板の製造方法。
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